JP3595950B2 - 椅子の背もたれ板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子の背もたれ板に関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子の座席における背もたれ板を、合成樹脂製の一体物として形成するためには、その要所に補強構造を設けることが必要である。
【0003】
従来、この補強構造を得るために、例えば図8に示すように、背もたれ板全体をブロー成形により形成したものがある(実開昭58−74851号)。従って、この背もたれ板は、箱構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ブロー成形により形成すると、どの部分も一様な厚さとなり、通常座った人の背が当たる、背もたれ(20)の中央部(21)を特に厚くすることができないので、この中央部(21)が、前方から後方への繰り返しの押圧力により、亀裂が生じる恐れがある。
【0005】
また、全体を箱型、即ち前面と後面との2枚板構成とするので、大量の樹脂を必要とし、従って背もたれ板が重くなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、背もたれ板の重量を軽減するとともに、その一部を中空にして、背もたれとしての強度を確保することができるようにした椅子の背もたれ板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の背もたれ板は、基板の後面の周縁の上縁並びに両側上部に、連続する後向き凸条を設け、上記後向き凸条の左右両側下部に、下方が開口し、座板の後方両側より起立する背もたれ杆と嵌合する縦孔を形成し、上記後向き凸条における上記縦孔より上方の内部に、周方向に連続する中空部を設けたことを特徴としている。
【0008】
上記中空部を、熱可塑性樹脂を金型内に射出した後、樹脂内にガスを注入することにより形成することが好ましい。
【0009】
上記後向き凸条の外周面に、連続する内向き凹条を形成し、背もたれ板の表面に設けたクッション材を覆う表皮材の周縁部を、この内向き凹条内に引き込み、かつ内向き凹条内で背もたれ板に係着してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜図4に示すように、本発明の背もたれ板(1)は、基板(2)の周縁の後面に、連続する後向き凸条(3)を設けたものである。
【0011】
後向き凸条(3)の上部並びにそれに続く両側上部には、周方向に連続する中空部(4)が設けられている。
【0012】
後向き凸条(3)の径及び中空部(4)の径は、軽量にして十分な強度が得られるように定められている。
【0013】
基板(2)は、後向き凸条(3)を除いて、一定厚の厚肉の1枚板構造となっている。
【0014】
後向き凸条(3)の外側面には、連続する内向き凹条(5)が形成されている。
【0015】
後向き凸条(3)の左右両側の直下には、下方が開口し、後向き凸条(3)と平行に上方に延出するとともに、座席の後方両側より起立する背もたれ杆(12)と嵌合しうる縦孔(6)が設けられている。
【0016】
この縦孔(6)の下端の開口部の内側は厚肉となっており、この部分にかかる負荷(使用する人が椅子に座って背もたれに背を当てたときに縦孔(6)に生じる力)にも十分に耐え得るようになっている。
【0017】
本発明の背もたれ板(1)は、熱可塑性の合成樹脂を金型内に射出した後、樹脂内にガスを注入し、ガス圧を一定高圧力に一定時間保つことにより形成される。
【0018】
図7は、その一般的な要領を示している。
まず、熱可塑性樹脂(7)を、金型(8)内に一定のスペース(9)を残して射出し(a)、次に樹脂(7)内にガス(窒素)を注入し(b)、このガス圧を一定の高圧に保持した状態で冷却する。
ついで、金型(8)を開いて樹脂(7)を取り出す(c)。
【0019】
本発明の背もたれ板(1)の製造に、上記した方法を適用するためには、背もたれ板(1)の外郭形状のキャビティを有する金型(図示省略)を製作し、縦孔(6)の上方の後向き凸条(3)と面する位置に、樹脂及びガスの注入口を設けておく。
【0020】
熱可塑性樹脂(7)をこの金型に一定のスペースを残して射出し、次に樹脂(7)内にガスを注入する。すると、金型のキャビティの縦孔(6)に相当する部分より上方の後向き凸条(3)の部分の樹脂(7)は、肉厚(大きな断面積)であるので、ガスはこの部分を中空にしていき、連続した中空部(4)が形成される。
また、基板(2)の中央部や縦孔(6)より下方の後向き凸条(3)の部分にも、樹脂が十分に充填する。
【0021】
このガス圧を一定の高圧に保持した状態で冷却し、金型を開いて、成形された背もたれ板(1)を取り出す。
【0022】
なお、本発明の背もたれ板(1)の外郭形状のキャビティを有する金型(図示省略)に設けられる、樹脂及びガスの注入口は、縦孔(6)より上方の後向き凸条(3)に沿って、所定ピッチで多数個設けられ、また他の位置に、樹脂のみの注入口を多数設けて、これらの注入口から、樹脂及びガス、又は樹脂の注入を行うことにより、高品質の背もたれ板(1)を得ることができる。
【0023】
このようにして成形された背もたれ板(1)は、一定の高圧のガス圧のもとで冷却されているので、ヒケやソリの発生は、大きく防止されている。
【0024】
このようにして成形された背もたれ板(1)の前面には、クッション材(図示省略)が設けられ、クッション材は表皮材(10)で覆われる。
【0025】
表皮材(10)の周縁部は、内向き凹条(5)内に引き込まれ、かつ内向き凹条(5)内で基板(2)に係着される(図示省略)。
例えば、内向き凹条(5)内で表皮材(10)の周縁部を、接着剤で基板(2)に固着するか、または、表皮材(10)の周縁部を挟んで、その外側から、針金等の可撓線条を、内向き凹条(5)に沿って、内向き凹条(5)内にループ状に貫入し、この針金の端部同士を結縛してもよい。
【0026】
ついで、図5に示すような、内向き凹条(5)と対応する断面形の軟質の帯状の塞材(11)を、内向き凹条(5)に沿って嵌合していく。
【0027】
次に、このようにして形成された背もたれ板(1)を、図6に示すように、椅子の座板の後方両側より起立する背もたれ杆(12)に、縦孔(6)を嵌合することにより取付ける。
【0028】
このようにして形成された、椅子の背もたれ板(1)は、中央部が薄く、また周縁に後向き凸条(3)が形成され、かつ縦孔(6)より上方では、特に径の大きな中空の後向き凸条(3)となっているので、極めて良好な椅子の背もたれの意匠が得られる。
【0029】
また利用者は、椅子を動かすときに、背もたれの上部の周縁の大径の凸条(3)の部分を、容易に、かつ好ましい感触をもって把持することができる。
【0030】
また利用者が椅子に座って、両手を上げてこれらの両手と共に上半身を後側に大きくのけ反らせるときには、縦孔(6)より上方の背もたれ板(1)の周縁に大きな力が作用するが、この部分には中空の大径の後向き凸条(3)が形成されているので、この力にも十分に耐えることができる。
【0031】
さらに、座った人の背が当たる、背もたれ板(1)の中央部は、一定厚の1枚板により形成されているので、この部分に座った人の前方から後方への繰り返しの押圧力が作用しても、この部分に亀裂が生じることがない。
【0032】
また、後向き凸条(3)の外周面に形成されたループ状の内向き凹条(5)に、背もたれ板(1)の表面に設けたクッション材を覆う表皮材(10)の周縁部を、引き込み、かつ内向き凹条(5)内で背もたれ板(1)に係着することにより、後向き凸条(5)の下面側にまで表皮材(10)の周縁部を引き込む場合と比べて、表皮材(10)の周縁部に皺が寄りにくく、しかも内向き凹条(5)を塞材(11)で覆っているので、椅子の座席の意匠の向上が図れる。
【0033】
【発明の効果】
背もたれ板の後面の周縁の上縁並びに両側上部に、連続する後向き凸条を設けるとともに、後向き凸条の左右両側下部に、下方が開口し、座板の後方両側より起立する背もたれ杆と嵌合する縦孔を形成し、後向き凸条における縦孔より上方の内部に、周方向に連続する中空部を設けたので、軽い重量で、極めて強度の強い背もたれ板が得らる。
【0034】
中空部を、熱可塑性樹脂を金型内に射出した後、樹脂内にガスを注入することで形成することにより、中空部を、容易にかつ短時間低コストで得ることができる。
【0035】
後向き凸条の外周面に、連続する内向き凹条を形成し、背もたれ板の表面に設けたクッション材を覆う表皮材の周縁部を、この内向き凹条内に引き込み、かつ内向き凹条内で背もたれ板に係着することにより、背もたれ板の後面の周縁に設けた後向き凸条を利用して、内向き凹条を形成することができ、また表皮材の周縁部に皺が寄りにくいので、椅子の座席の意匠を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の椅子の背もたれ板の中央縦断側面図である。
【図2】本発明の椅子の背もたれ板の後面図である。
【図3】図2を右方から見た側面図である。
【図4】図2を下方から見た図である。
【図5】内向き凹条を覆うための塞材の断面図である。
【図6】本発明の椅子の背もたれ板を用いた椅子の側面図である。
【図7】本発明の椅子の座席を成形する方法についての一般説明図である。
【図8】従来の椅子の座席の部分断面斜視図である。
【符号の説明】
(1)背もたれ板
(2)基板
(3)後向き凸条
(4)中空部
(5)内向き凹条
(6)縦孔
(7)熱可塑性樹脂
(8)金型
(9)スペース
(10)表皮材
(11)塞材
(12)背もたれ杆
Claims (3)
- 基板の後面の周縁の上縁並びに両側上部に、連続する後向き凸条を設け、上記後向き凸条の左右両側下部に、下方が開口し、座板の後方両側より起立する背もたれ杆と嵌合する縦孔を形成し、上記後向き凸条における上記縦孔より上方の内部に、周方向に連続する中空部を設けたことを特徴とする椅子の背もたれ板。
- 上記中空部を、熱可塑性樹脂を金型内に射出した後、樹脂内にガスを注入することにより形成したことを特徴とする請求項1記載の椅子の背もたれ板。
- 上記後向き凸条の外周面に、連続する内向き凹条を形成し、背もたれ板の表面に設けたクッション材を覆う表皮材の周縁部を、上記内向き凹条内に引き込み、かつ上記内向き凹条内で背もたれ板に係着したことを特徴とする請求項1又は2記載の椅子の背もたれ板。
Priority Applications (1)
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JP34341696A JP3595950B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 椅子の背もたれ板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34341696A JP3595950B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 椅子の背もたれ板 |
Publications (2)
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JPH10179327A JPH10179327A (ja) | 1998-07-07 |
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ID=18361352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34341696A Expired - Lifetime JP3595950B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 椅子の背もたれ板 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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-
1996
- 1996-12-24 JP JP34341696A patent/JP3595950B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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