JP3595942B2 - プログラマブルras/cas発生回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、DRAMに対するメモリアクセスのためにRASおよびCASを生成するRAS/CAS発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
CPUまたはメモリコントローラがメモリに書き込みまたは読み出しのためにアクセスする場合、両者の間でやりとりされるデータの幅が両者の間に接続されているデータバスの幅よりも大きいときは、データは何回かに分割してデータバス上を転送される。メモリがDRAM(ダイナミックRAM)だと、このような分割式のデータ書き込み/読み出しはページ・モードで行われることが多い。ページ・モードとは、RAS(ロウ・アドレス・ストローブ信号)をアクティブにしたままCAS(カラム・アドレス・ストローブ信号)を周期的に複数回アクティブにするメモリアクセス方式であり、CASがアクティブになる毎にカラム・アドレス情報がストローブされてデータがラッチされるようになっている。
【0003】
図14に、ページ・モードでRAS/CASを発生する従来のプログラマプルRAS/CAS発生回路の構成を示す。このRAS/CAS発生回路は、たとえばDSP(デイジタル・シグナル・プロセッサ)においてメモリ空間を拡張するための外部補助メモリ(DRAM)にアクセスしてデータの書き込みまたは読み出しを行う外部メモリ・インタフェース回路に含まれる。
【0004】
このRAS/CAS発生回路は、5ビット・カウンタ(または2 進カウンタ)100、タイミング・デコーダ102および制御信号生成回路104から構成されている。
【0005】
5ビット・カウンタ100には、クロック回路(図示せず)よりシステムクロック(CLOCK) が供給されるとともに、制御回路(図示せず)よりアクティブ信号(active)、スタート信号(start) 、クリア信号(clear)、リセット信号(reset) が供給される。5ビット・カウンタ100は、それらアクティブ信号(active),スタート信号(start) ,クリア信号(clear),リセット信号(reset) による制御の下でクロック(CLOCK) をカウントし、5ビットのカウント出力(out0−4)をタイミング・デコーダ102に与える。
【0006】
タイミング・デコーダ102には、5ビット・カウンタ100からのカウント出力(out 0−4) と、上記クロック回路からの上記システムクロック(CLOCK) と、上記の制御回路からの上記リセット信号(reset)、ウェイト・ステートの数(ウェイト数)を指定するウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)、ページ・モード・アクセスの回数を指定するアクセス回数設定データ(access cnt 1−6)とが供給される。
【0007】
ここで、ウェイト・ステートとは、当該外部メモリ・インタフェース回路がそれよりも処理速度の遅い当該DRAM側でデータが確定するのを待つためにメモリアクセスの実行サイクルの中に挿入される待ち時間である。ウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)は、この例では4通りのウェイト数0〜3を指定する4ビット・データで、各桁のビットが各指定ウェイト数に対応している。たとえば、ウェイト数1(1個のウェイト・ステート)を指定する場合は、最下位第2ビット(桁)1wait が論理値1を有し、他の桁のビット0wait,2wait,3wait は全て論理値0を有する。
【0008】
ページ・モード・アクセスとは、上記したペード・モードによって1つのデータが複数個に分割されて書き込みまたは読み出しされる場合の個々のアクセスであり、ページ・モード・アクセスの回数はCASがアクティブになる回数に相当する。アクセス回数設定データ(access cnt 1−6)は、この例では1〜6回の範囲内でアクセス回数を指定するデータとなっており、各桁のビットが各指定アクセス回数に対応している6ビットのデータであってもよく、あるいは3ビットのバイナリ・コードであってもよい。
【0009】
タイミング・デコーダ102は、上記ウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)およびアクセス回数設定データ(access cnt 1−6)を条件データ(パラメータ)として5ビット・カウンタ100からのカウント出力(out 0−4) を各クロック・サイクル毎にデコードし、デコード出力を制御信号生成回路104に与える。
【0010】
制御信号生成回路104は、上記ウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)をパラメータとして入力し、タイミング・デコーダ102からのデコード出力に応動してメモリアクセス用の各種制御信号つまりRAS ,CAS ,WE (ライト・イネーブル信号),OUTDATA(内部データ入出力制御信号),OUTADDRS(内部アドレス出力制御信号)を生成する。
【0011】
ここで、WE は当該DRAMを書き込み/読み出しモードにするための制御信号であり、OUTDATAは当該外部メモリ・インタフェース回路内のデータ送受信部(図示せず)にデータの送出または受信を指示する制御信号であり、OUTADDRSは当該外部メモリ・インタフェース回路内のアドレス出力部(図示せず)にアドレス情報の送出を指示する制御信号である。
【0012】
図15および図16につき、書き込みのメモリアクセスにおけるこのプログラマプルRAS/CAS発生回路の動作を説明する。図15はウェイト数が0でアクセス回数が4の場合のメモリアクセス動作であり、図16はウェイト数が1でアクセス回数が3の場合のメモリアクセス動作である。
【0013】
ウェイト数とアクセス回数が与えられると、実行サイクルの長さ(サイクルタイム)が決まり、たとえばウェイト数が0でアクセス回数が4の場合のサイクルタイムは7サイクルであり、ウェイト数が1でアクセス回数が3の場合のサイクルタイムは6サイクルである。書き込み/読み出し命令が実行されるとき、フェッチサイクル(F)、第1および第2デコードサイクル(D1,D2)およびオペランドサイクル(OP)にそれぞれ1サイクルが充てられ、実行サイクル(EX)には上記サイクルタイムに相当する数のサイクル(図15の場合は7サイクル,図16の場合は6サイクル)が充てられる。
【0014】
実行サイクル(EX)が開始されると、スタート信号(カウント開始制御信号)(start) がカウンタ100に入り、カウンタ100はクロック(CLOCK) のカウントを開始する。以後、カウンタ100は、各クロックサイクル毎にカウント値out 0−4 (0,1,2,…)を出力する。タイミングデコーダ102は各クロックサイクル毎にインクリメントされるカウンタ出力をデコードし、制御信号生成回路104は各デコード出力に応じて制御信号RAS ,CAS ,WE ,OUTDATA,OUTADDRSの論理レベルを制御する。
【0015】
図15の場合、実行サイクル(EX)の第2サイクル▲2▼の開始時にライト・イネーブル信号WE がアクティブ状態(Lレベル)になると同時にOUTADDRSがアクティブになってアドレス出力回路のアドレス端子よりロウ・アドレス情報(Row) が出力され、第2サイクル▲2▼の中間時点でRAS がアクティブ状態(Lレベル)になり、これで行アドレス情報(Row) がDRAMに取り込まれる。これ以降、ライト・イネーブル信号WE とRAS はこのメモリアクセスが終了するまでアクティブ状態(Lレベル)に保持される。
【0016】
実行サイクル(EX)の第3サイクル▲3▼以降は、1サイクル毎にCAS がアクティブ(Lレベル)になり、これと同期して該アドレス端子より1サイクル毎に個々の分割データのカラム・アドレスを指定するカラム・アドレス情報(COL) が出力され、上記データ送受信回路のデータ端子より1サイクル毎に個々の分割データ(Data)が出力される。
【0017】
図16の場合は、実行サイクル(EX)の第1および第2サイクル▲1▼,▲2▼の動作は図15の場合と同じであり、ライト・イネーブル信号WE とRAS の制御もメモリアクセスの全期間を通じて同様であるが、第3サイクル▲3▼以降のCAS の制御が異なる。すなわち、CAS は1.5サイクル毎にアクティブ(Lレベル)になり、このCAS と同期して該アドレス端子より1.5サイクル毎に個々の分割データの列アドレスを指定するカラム・アドレス情報(COL) が出力され、データ送受信回路のデータ端子より1.5サイクル毎に個々の分割データ(Data)が出力される。
【0018】
図15および図16に示したページ・モード・アクセス動作は一例であり、ウェイト数またはアクセス回数が変わると、実行サイクルの長さ(サイクルタイム)は変わり、CAS がアクティブになる周期・回数も変わる。このRAS/CAS発生回路では、カウンタ100が2 進カウンタであるため、最大1〜32サイクルの範囲内で実行サイクルのサイクルタイムを設定することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のプログラマブルRAS/CAS発生回路では、タイミング・デコーダ102がウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)およびアクセス回数設定データ(access cnt 1−6)をパラメータとして5ビット・カウンタ100からのカウント出力(out 0−4) を各クロック・サイクル毎にデコードすることで、CAS をアクティブにする周期・回数を制御するようにしている。
【0020】
このような従来回路で問題なのは、タイミング・デコーダ102の回路規模が非常に大きいことである。たとえば、ウェイト数が0〜3の4通りあり、アクセス回数が1〜6の6通りあり、実行サイクルのサイクルタイムが最大で22サイクルまで設定され得る(つまりカウント出力(out 0−4) は0〜21の範囲内で変化する)とすると、4×6×22通りのRAS ,CAS の立ち上がり、立ち下がりのタイミングを設定可能な組み合わせ論理回路がタイミング・デコーダ102に必要となる。各パラメータ(ウェイト数、アクセス回数、サイクルタイム)の可能な値の範囲が増大するにつれて、この問題はますます顕著になる。
【0021】
さらに、このようにタイミング・デコーダ102の回路規模が大きくなると、必然的に出力信号(特にCAS )を生成するまでの内部パスまたは信号伝播時間が長くなり、当該DRAMの仕様に対してスピードマージンを確保するのが難しくなるという問題もある。
【0022】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、回路規模を縮小し、スピードマージンを大きくするプログラマブルRAS/CAS発生回路を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のプログラムRAS/CAS発生回路は、所与のDRAM(ダイナミックRAM)に対するメモリアクセスのためにRAS(ロウ・アドレス・ストローブ信号)をアクティブにしたままCAS(カラム・アドレス・ストローブ信号)を予め設定された周期で予め設定された回数だけ繰り返してアクティブにするプログラマブルRAS/CAS発生回路において、前記メモリアクセスにおけるウェイト数を設定するためのウェイト数設定手段と、プログラム制御可能なカウント・ループで所定のクロックをカウントする第1のカウンタと、前記予め設定された回数をカウントして前記メモリアクセスを終了させるための第2のカウンタと、前記ウェイト設定手段によって設定された前記ウェイト数に応じて前記第1のカウンタの前記カウント・ループをプログラム制御するカウント・ループ制御手段と、前記ウェイト設定手段によって設定された前記ウェイト数に応じて前記第1のカウンタのカウント開始のタイミングを制御するカウント開始タイミング制御手段と、前記メモリアクセスの期間中に前記RASの論理レベルをアクティブ状態に保持するRAS生成手段と、前記メモリアクセスの期間中における前記CASの論理レベルを前記ウェイト設定手段によって設定された前記ウェイト数と前記第1のカウンタの出力の値との論理演算にしたがって制御してアクティブ状態とするCAS生成手段とを有する構成とした。
【0024】
【作用】
かかる構成においては、カウンタが、カウント開始タイミング制御手段による制御の下でウェイト数に応じた時点でカウント動作を開始し、カウント・ループ制御手段による制御の下でウェイト数に応じたカウント・ループでカウント動作を繰り返す。CAS生成手段は、ウェイト数とカウンタの出力の値とにしたがってCASの論理または波形を制御する。したがつて、CASは、メモリアクセスが終了するまでカウント・ループの周期に対応した周期で同じフェーズまたは波形を繰り返す。
【0025】
【実施例】
以下、図1〜図13を参照して本発明の実施例を説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施例によるプログラマブルRAS/CAS発生回路を含むオーディオ・ディジタル信号処理用DSPのシステム構成を示す。このDSPシステムは、たとえば各々が24ビットのデータ・バス幅を有する互いに独立した3本のデータバス(C−BUS10,D−BUS12,G−BUS14)を有し、これらのバスに各部を図示のように接続してなる。
【0027】
C−BUS10には、係数メモリ(C−MEM)16と、汎用メモリ(G−MEM)20と、外部メモリ入出力インタフェース回路(EX−IF)22と、算術論理演算ユニット(ALU)26と、積和演算器(MAC)28と、プログラムメモリ(P−MEM)32と、ホストインタフェース回路(HOST−IF)34とが接続されている。
【0028】
D−BUS12には、データメモリ(D−MEM)18と、汎用メモリ(G−MEM)20と、外部メモリ入出力インタフェース回路(EX−IF)22と、オーディオ・インタフェース回路(AU−IF)24と、算術論理演算ユニット(ALU)26と、積和演算器(MAC)28と、ホストインタフェース回路(HOST−IF)34とが接続されている。
【0029】
G−BUS14には、汎用メモリ(G−MEM)20と、外部メモリ入出力インタフェース回路(EX−IF)22と、算術論理演算ユニット(ALU)26とが接続されている。
【0030】
C−MEM16、D−MEM18、G−MEM20は、たとえば各々が256×24ビットのメモリ容量を有するSRAM(スタティックRAM)からなる。C−MEM16には、主として積和演算のための係数データが格納されるとともに、EX−IF22に接続されている外部メモリ(図示せず)にアクセスするためのアドレス情報も格納される。D−MEM18には、積和演算その他の演算に用いるデータ(主としてオーディオデータ)および演算結果のデータが格納される。
【0031】
G−MEM20は、通常はD−MEM18の拡張メモリとして使用される。音場再生等のように大量の遅延データを扱う場合には、D−MEM18に入り切れない遅延データがDRAMからなる外部メモリに蓄積され、必要な時に所定の命令(バックグランド外部メモリ読出し命令)によって外部メモリから遅延データをG−MEM20に取り込むようにしている。この場合、G−MEM20には、外部メモリをアクセスするためのアドレス情報も格納される。なお、G−MEM20は、C−MEM16の拡張メモリとしても使用可能であり、必要に応じて係数データを格納することもある。
【0032】
C−MEM16、D−MEM18およびG−MEM20には、それぞれアドレス計算を行うためのアドレッシングユニット17,19,21が付いている。
【0033】
EX−IF22は、上記遅延データ蓄積用の外部メモリ(DRAM)36にも接続され、その外部メモリにアクセスしてデータの書き込みまたは読み出しを行えるメモリ制御機能を有しており、本実施例によるプログラマブルRAS/CAS発生回路を内蔵している。
【0034】
AU−IF24は、本DSPと外部のディジタル・オーディオ回路との間でデータのやりとりを行うためのインタフェース回路であり、たとえば前段のCD再生回路や次段のディジタルフィルタあるいはD/Aコンバータ等に接続されている。外部回路からオーディオ信号(データ)が入力されるときは、AU−IF24内のレジスタに1個のデータが揃うと、後述する制御装置30に割込みがかけられ、割込み処理で該データがD−BUS12を通ってD−MEM18に格納されるようになっている。
【0035】
ALU26は、任意の算術演算および論理演算を行う演算器であり、アキュムレータ内蔵している。MAC28は、専ら積和演算を行う演算器であり、乗算器とアキュムレータを内蔵している。このように2つの演算器(ALU26、MAC28)が備えられているため、たとえばALU26で加算を行いながらMAC28で畳み込みを行うというような並列処理が可能となっている。
【0036】
P−MEM32は、たとえば512×32ビットのメモリ容量を有するSRAMからなり、本DSPの処理動作を規定するプログラムを格納する。制御回路30は、P−MEM32から命令コードを逐次読み出し、PLA (Program Logic Array)方式でシステム内のレジスタ、ゲート類(図示せず)を制御し、各部に当該命令を実行させるように機能する。図1では説明の便宜上、制御バスは図示していない。
【0037】
HOST−IF34は、本DSPとホストコントローラ(図示せず)との間でデータや制御信号をやりとりするためのインタフェース回路であり、C−BUS10,D−BUS12とはパラレルポートで接続され、上記ホストコントローラとはシリアルポートで接続されている。P−MEM32に格納されるプログラムデータ、C−MEM16に格納される係数データおよびアドレス情報、G−MEM20に格納されるアドレス情報は、上記ホストコントローラより与えられ、HOST−IF34からC−BUS10を介して各メモリにダウンロードされる。
【0038】
図2に示すように、EX−IF22は、タイミング制御ユニット40と、アドレス制御ユニット42と、データ制御ユニット44とから構成されている。図3は、EX−IF22に備えられている外部メモリ(DRAM)インタフェース・ピンの機能を示す。
【0039】
タイミング制御ユニット40は、クロック回路(図示せず)よりクロックパルス(CLOCK) を入力するとともに制御装置30内の所定のレジスタ(図示せず)より外部メモリ制御データCR3 を入力し、外部メモリ36に対するメモリアクセス時には外部メモリ36に向けて制御信号RAS ,CAS ,WE を送出するとともに内部のアドレス制御ユニット42およびデータ制御ユニット44にそれぞれアドレス出力制御信号(OUTADDRS)およびデータ入出力制御信号(OUTDATA) を与える。本実施例によるプログラマブルRAS/CAS発生回路は、このタイミング制御ユニット40に内蔵されている。
【0040】
アドレス制御ユニット42は、外部メモリ36に対するメモリアクセス(書き込み/読み出し)時にC−BUS10またはG−BUS14より24ビットのアドレス情報を入力してそれを内部のアドレス・レジスタEXAに格納し、タイミング制御ユニット40からのアドレス出力制御信号(OUTADDRS)に応動して該アドレス情報を12ビットずつロウ・アドレス情報とカラム・アドレス情報に分けて時分割で外部メモリ・アドレス・ピンEA11−0より外部メモリ36に向けて送出するように動作する。外部メモリ36に対してはページ・モードでメモリアクセスを行うため、カラム・アドレス情報をCAS のタイミングと同期して周期的に複数回繰り返して送出するようにしている。
【0041】
データ制御ユニット44は、外部メモリ36に対するデータの書き込み時に、D−MEM18またはG−MEM20からの16ビットまたは24ビットのデータをD−BUS12またはG−BUS14を介して入力して、その入力したデータを内部の書込み用データ・レジスタEXWに格納し、タイミング制御ユニット40からのデータ入出力制御信号(OUTDATA) に応動して該データを外部メモリ・データ・ピンED15−0より外部メモリ36に向けて送出するように動作する。
【0042】
また、データ制御ユニット44は、外部メモリ36からのデータの読み出し時に、タイミング制御ユニット40からのデータ入出力制御信号(OUTDATA) に応動して外部メモリ36よりデータを受け取って内部の読出し用データ・バッファEXRに格納する。そして、このデータ・バッファEXRに格納したデータを次回の読み出し時にD−BUS12またはG−BUS14を介してD−MEM18またはG−MEM20へ送るように動作する。
【0043】
外部メモリ36に対してはページ・モードでメモリアクセスを行うため、データ制御ユニット44と外部メモリ36との間では、データを複数個に分割して、各分割データをCAS のタイミングに同期させて送出するようにしている。
【0044】
図4は、制御装置30よりタイミング制御ユニット40に与えられる外部メモリ制御データCR3 の主要なビットの機能を示す。このデータCR3 における最上位のEMWビット23−22)で、当該外部メモリ36に応じた外部メモリ・ウェイト・ステート数が設定される。この例では、4通りのウェイト数(ウェイト無し、1ウェイト,2ウェイト,3ウェイト)が設定可能である。
【0045】
EMSビット(21−19)では当該外部メモリ36のタイプが設定される。たとえば、当該外部メモリ36が256K×nビットDRAMであればEMS(21−19)に000がセットされ、1M×nビットDRAMであればEMS(21−19)に001がセットされる。
【0046】
IOWビット(18−17)では、EX−IF22と当該外部メモリ36との間のデータ・バス幅(外部メモリ・インタフェース・データ・バス幅)が設定さる。この例では、4通りのデータ・バス幅(4ビット,8ビット,12ビット,16ビット)が設定可能である。
【0047】
EDWビット(16)では、当該外部メモリ36に書き込み/読み出しされるデータの幅(外部メモリ・データ幅)が設定される。この例では、1ワードのデータ幅を16ビットまたは24ビットに選択可能であり、16ビット幅のときはEDWに0がセットされ、24ビット幅のときはEDWに1がセットされる。
【0048】
EMWビット(15−14)では、当該外部メモリ36に対するアドレッシングのモード(外部メモリ・アドレッシング・モード)が設定される。たとえば、サーキュラ・アドレッシングを行うときはEMWビット(15−14)に00がセットされ、リニア・アドレッシングを行うときはEMWビット(15−14)に10がセットされる。
【0049】
上記のように外部メモリ制御データCR3 のEDWビットおよびIOWビットによってEX−IF22と当該メモリ36との間のデータ幅およびデータ・バス幅が設定されると、図5に示すように、それらの設定値から各場合について当該メモリ36に対するページ・モード・アクセスのアクセス回数が求められる。たとえば、データ幅が16ビットで、データ・バス幅が4ビットの場合、16ビット・データは4つの4ビット・データに分割され、4回に分けて4ビット・データ・バス上を転送されることになる。
【0050】
このようにして求められたアクセス回数と上記のウェイト数を指定するEMWビットとから、図6に示すように、各場合についてメモリアクセス(書き込み/読み出し)の実行サイクルの長さ(R/Wサイクルタイム)が決まる。
【0051】
たとえば、ウェイト数が1でアクセス回数が3のときはR/Wサイクルタイムが7サイクルである。これは、図7に示すように、たとえば外部メモリ書込み命令(WRE)または外部メモリ読出し命令(RDE)が繰り返して実行されるとき、当該命令の実行サイクルの第1〜第6サイクルの間は各サイクル毎に命令の不実行を指示するNOP(No OPeration) 命令が次の命令に与えられ、第7サイクル目でようやく次の命令の実行サイクルを開始できることを意味する。
【0052】
図8は、本実施例におけるプログラマブルRAS/CAS発生回路の構成を示。上記したように、この回路はタイミング制御ユニット40に内蔵される。
【0053】
このプログラマブルRAS/CAS発生回路は、カウンタ制御回路50と、2ビット・カウンタ(または2 進カウンタ)52と、制御信号生成回路54とから構成される。
【0054】
カウンタ制御回路50には、システムクロック(CLOCK) 、ウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)、スタート信号(start) 、クリア信号(clear)、イネーブル信号(enable)、アクティブ信号(active)およびリセット信号(reset) が入力される。これらのデータまたは信号の中、システムクロック(CLOCK) はクロック回路より供給され、残りのもの(0wait 〜3wait)、(start) 、(clear)、(enable)、(active)、(reset) は、制御装置30からの外部メモリ制御データCR3 を入力するタイミング制御ユニット40内の制御回路(図示せず)より供給される。
【0055】
2ビット・カウンタ52には、上記のシステムクロック(CLOCK) と、カウンタ制御回路50からのCASスタート信号(casstart)、カウント・イネーブル信号(cntenable) およびリセット信号(reset) が入力される。2ビット・カウンタ52は、それらの制御信号(casstart)、(cntenable) 、(reset) にしたがって3種類のカウント・ループ(0)、(0,1)、(0,1,2)の中のいずれかでシステムクロック(CLOCK) をカウントし、3ビットのカウント出力(decode0,1,2) およびリセット信号(reset) を発生するようになっている。
【0056】
制御信号生成回路54は、ウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)をパラメータとして入力し、2ビット・カウンタ54からのカウント出力(decode0,1,2) に応動してメモリアクセス用の各種制御信号つまりRAS ,CAS ,WE ,OUTDATA,OUTADDRSを生成する。
【0057】
図9〜図13のタイミング図につき、外部メモリ36に対する書き込みのメモリアクセスにおけるこのプログラマプルRAS/CAS発生回路の動作を説明する。図9はウェイト数が0でアクセス回数が6、図10はウェイト数が1でアクセス回数が3、図11はウェイト数が1でアクセス回数が4、図12はウェイト数が2でアクセス回数が3、図13はウェイト数が3でアクセス回数が3の場合である。各場合について、図6の表にしたがい、実行サイクルの長さ(サイクルタイム)が決まる。
【0058】
外部メモリ36に対する書込み命令(WRE)は「WRE cma,dma」と規定される。これは、「アドレス(cma)で指定されるC−MEM10内のメモリ番地の内容(アドレス)で指定される外部メモリ36のメモリ番地にアドレス(dma)で指定されるD−MEM12内のメモリ番地の内容(データ)を書き込め」という意味である。
【0059】
この外部書込み命令(WRE)を実行するときは、先ずフェッチ・サイクル(F)で、制御装置30のメモリ読出部がP−MEM32よりこの命令のワードを読み出す。次のデコード・サイクル(D1,D2 )で、制御装置30のデコード部がこの命令(WRE)を解読する。この解読結果に基づき、制御装置30のPLA(プログラマブル・ロジック・アレイ)が作動して、所要のレジスタ、ゲート類を働かせ、所要の各部にオペランド処理および実行処理を行わせる。
【0060】
オペランド・サイクル(OP)では、制御装置30よりアドレッシングユニット17,19を介してC−MEM16,D−MEM18にそれぞれアドレス情報が供給される。そして、C−MEM16,D−MEM18よりそれぞれ読み出されたアドレス情報,データは、実行サイクル(EX)の第1サイクル▲1▼でC−BUS10,D−BUS12を介してEX−IF22に転送され、アドレス制御ユニット42内のアドレス・レジスタEXAおよびデータ制御ユニット44内の書込み用データ・レジスタEXWにそれぞれロードされる。
【0061】
実行サイクル(EX)では、タイミング制御ユニット40内のプログラマブルRAS/CAS発生回路(図8)より発生される制御信号RAS ,CAS ,WE ,OUTDATA,OUTADDRSにしたがってページ・モードによるメモリアクセス動作が行われる。
【0062】
図9(0ウェイト、6回アクセス)の場合、実行サイクル(EX)の第2サイクル▲2▼の始めにライト・イネーブル信号WE がLレベル(アクティブ)になると同時にOUTADDRSがアクティブになってアドレス制御ユニット42のアドレス端子EA11−0より12ビットのロウ・アドレス情報(Row) が出力され、第2サイクル▲2▼の中間時点でRAS がLレベル(アクティブ)になり、これで第1回目の行アドレス情報(Row) が外部メモリ36に取り込まれる。これ以降、WE とRAS はこのメモリアクセスが終了するまでアクティブ状態(Lレベル)に保持される。
【0063】
実行サイクル(EX)の第3サイクル▲3▼の始めに、カウンタ制御回路50より2ビット・カウンタ52にカウント・イネーブル信号(cntenable) およびCASスタート信号(casstart)と一緒にリセット信号(reset) が与えられる。0ウェイト・モードの場合、カウンタ制御回路50はメモリアクセスの終了時までリセット信号(reset) をアクティブ状態に維持する。これにより、2ビット・カウンタ52はカウント・ループ(0)で動作し、カウント値(0)を出力し続ける。
【0064】
制御信号生成回路54は、2ビット・カウンタ52よりカウント出力が出始めたサイクル(第3サイクル▲3▼)の中間時点で最初にCAS をアクティブし、それ以降はウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)をパラメータとして2ビット・カウンタ52からのカウント出力(decode0,1,2) をデコード(モニタ)する。この場合、カウント出力(decode0,1,2) の値は(0)のままであるから、制御信号生成回路54はシステムクロック(CLOCK) に同期しかつそれと同相の(つまり同じタイミングで立ち上がり立ち下がる)CAS を発生する。
【0065】
CAS の論理レベルまたは波形と同期して、アドレス制御ユニット42のアドレス端子EA11−0より12ビットのカラム・アドレス情報(Col) が出力されると同時に、データ制御ユニット44のデータ端子ED15−0より分割データ(Data)が出力され、CAS がLレベル(アクティブ)になった時点でそれらのカラム・アドレス情報(Col) および分割データが外部メモリ36に取り込まれる。
【0066】
なお、図9において(後述する図10〜図13においても)、XIRASは、当該命令の実行サイクル中であることを知らせるためにカウンタ制御回路50より制御装置30へ送られる信号であり、図7のNOPの期間を規定している。XIRASは、当該命令の実行サイクルの期間を規定する制御回路50内の信号である。XICIRSTは、当該命令の実行サイクルを終了させる制御回路50内の信号である。XIRASENは、RAS のアクティブをイネーブル状態にするための制御回路50内の信号である。XIC2ENは、2ビット・カウンタ52のカウント動作期間を規定する制御回路50内の信号である。XIC2Bは、2ビット・カウンタ52のカウント出力(decode0,1,2) の値である。
【0067】
図10(1ウェイト、3回アクセス)の場合、WE 、RAS については図9の場合と同様に第2サイクル▲2▼でアクティブ(Lレベル)になりそのままメモリアクセスの終了まで保持される。CAS については、実行サイクル(EX)の第3サイクル▲3▼の始めに、カウンタ制御回路50より2ビット・カウンタ52にカウント・イネーブル信号(cntenable) およびCASスタート信号(casstart)が与えられる。1ウェイト・モードの場合は、2ビット・カウンタ52がカウント・ループ(0,1,2)でカウント動作するように、カウント・イネーブル信号(cntenable) とカウント・リセット信号(reset) がそれぞれ所定のタイミングで繰り返し与えられる。
【0068】
制御信号生成回路54は、2ビット・カウンタ52よりカウント出力が出始めたサイクル(第3サイクル▲3▼)の中間時点で最初にCAS をアクティブし、それ以降はウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)をパラメータとして2ビット・カウンタ52からのカウント出力(decode0,1,2) の値に基づいてCAS の論理値を制御する。
【0069】
この場合、カウント出力(decode0,1,2) の値は、第4サイクル▲4▼で(1)になるため、このカウント出力値(1)とウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(1ウェイト)との論理積から第4サイクル▲4▼におけるCAS の論理レベルが決定される。つまり、CAS の論理レベルは、第3サイクル▲3▼の中間時点からLレベルになっているが、第4サイクル▲4▼に入ってもそのままLレベルに保持され、第4サイクル▲4▼の中間時点にきてLレベルからHレベルに立ち上げられ、そして第4サイクル▲4▼の終了直前で再びLレベル(アクティブ)に立ち下げられる。
【0070】
第5サイクル▲5▼に入ると、カウント出力(decode0,1,2) の値は(2)になり、このカウント出力値(2)とウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(1ウェイト)との論理積から第5サイクル▲5▼におけるCAS の論理レベルが決定される。つまり、CAS の論理レベルは、第4サイクル▲4▼の終了間際からLレベルになっているが、第5サイクル▲5▼でもそのままLレベルに保持され、第5サイクル▲5▼の終了間際にLレベルからHレベルに立ち上げられる。
【0071】
第6サイクル▲6▼に入ると、カウント出力(decode0,1,2) の値は(0)になり、第3サイクル▲3▼の時と同じ値に戻る。これにより、制御信号生成回路54は第3サイクル▲3▼の時と同じパターンでCAS の論理値を制御することになり、第6サイクル▲6▼の中間時点でCAS の論理レベルをHレベルからLレベル(アクティブ状態)に立ち下げる。第7サイクル▲7▼では、カウント出力(decode0,1,2) の値が(1)になり、第4サイクル▲4▼の時と同じパターンでCAS の論理レベルが制御される。この場合は、3回アクセスなので、第7サイクル▲7▼が終了した時点でメモリアクセスが終了する。
【0072】
図11(1ウェイト、4回アクセス)の場合でも、2ビット・カウンタ52はカウント・ループ(0,1,2)で第3サイクル▲3▼よりカウント動作し、制御信号生成回路54はウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(1ウェイト) とカウント出力(decode0,1,2) の値との論理積に基づいて各サイクルにおけるCAS の論理レベルまたは波形を制御する。この結果、上記した図10の場合(1ウェイト、3回アクセス)と比較してアクセス回数つまりサイクルタイムが1単位長くなるだけで、WE ,RAS の両信号はもちろんのこと、CAS の周期・波形も上記と同様なパターンになる。
【0073】
図12(2ウェイト、3回アクセス)の場合、WE 、RAS については上記の0ウェイト・モード、1ウェイト・モードの場合と同様に第2サイクル▲2▼でアクティブ(Lレベル)になりそのままメモリアクセスの終了まで保持される。CAS については、実行サイクル(EX)の第4サイクル▲4▼の始めに、カウンタ制御回路50より2ビット・カウンタ52にカウント・イネーブル信号(cntenable) およびCASスタート信号(casstart)が与えられる。そして、2ウェイト・モードの場合は、2ビット・カウンタ52がカウント・ループ(0,1)でカウント動作するように、カウント・イネーブル信号(cntenable) とカウント・リセット信号(reset) がそれぞれ所定のタイミングで繰り返し与えられる。
【0074】
制御信号生成回路54は、2ビット・カウンタ52よりカウント出力が出始めた第4サイクル▲4▼の中間時点で最初にCAS をLレベル(アクティブ)にし、それ以降はウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(2ウェイト)と2ビット・カウンタ52からのカウント出力(decode0,1,2) の値との論理積に基づいて各サイクルにおけるCAS の論理値または波形を制御する。
【0075】
この場合、カウント出力(decode0,1,2) の値は、第5サイクル▲5▼で(1)になるため、このカウント出力値(1)とウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(2ウェイト)との論理積から第5サイクル▲5▼におけるCAS の論理レベルが決定される。つまり、CAS の論理レベルは、第4サイクル▲4▼の中間時点からLレベルになっているが、第5サイクル▲5▼に入ってもそのままLレベルに保持され、第5サイクル▲5▼の終了間際にHレベルに立ち上げられる。
【0076】
第6サイクル▲6▼に入ると、カウント出力(decode0,1,2) の値は(0)になり、このカウント出力値(0)とウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(2ウェイト)との論理積から第6サイクル▲6▼におけるCAS の論理値または波形が決定される。第6サイクル▲6▼では第4サイクル▲4▼の時と同じ論理積になるため、CAS の論理値または波形も同じパターンになる。つまり、CAS の論理レベルは、第5サイクル▲5▼の終了間際から立ち上がって第6サイクル▲6▼の開始時にはHレベルになっているが、第6サイクル▲6▼の中間時点でLレベル(アクティブ)に立ち下がり、第6サイクル▲6▼の残りの期間中はそのままLレベルに保持される。これは、第4サイクル▲4▼の時と同じパターンである。
【0077】
第7サイクル▲7▼に入ると、カウント出力(decode0,1,2) の値は(1)になり、第5サイクル▲5▼の時と同じ値に戻る。これにより、制御信号生成回路54は第5サイクル▲5▼の時と同じパターンでCAS の論理値を制御することになり、第7サイクル▲7▼の終了間際でCAS の論理レベルをLレベルからHレベルに立ち上げる。
【0078】
同様にして、第8および第9サイクル(▲8▼,▲9▼)の期間中でも上記第4および第5サイクル(▲4▼,▲5▼)または第6および第7サイクル(▲6▼,▲7▼)の時と同じパターンが繰り返される。
【0079】
このように、2ウェイト・モードでは、2ビット・カウンタ52がカウント・ループ(0,1)でカウント動作し、そのカウンタ出力に同期してCAS の論理値または波形が周期的に同一のパターンで繰り返される。
【0080】
図13(3ウェイト、3回アクセス)の場合、WE 、RAS については上記の各ウェイト・モードの場合と同様に第2サイクル▲2▼でアクティブ(Lレベル)になりそのままメモリアクセスの終了まで保持される。CAS については、実行サイクル(EX)の第4サイクル▲4▼の始めに、カウンタ制御回路50より2ビット・カウンタ52にカウント・イネーブル信号(cntenable) およびCASスタート信号(casstart)が与えられる。3ウェイト・モードの場合は、2ビット・カウンタ52がカウント・ループ(0,1,2)でカウント動作するように、カウント・イネーブル信号(cntenable) とカウント・リセット信号(reset) がそれぞれ所定のタイミングで繰り返し与えられる。
【0081】
制御信号生成回路54は、2ビット・カウンタ52よりカウント出力が出始めた第4サイクル▲4▼の中間時点で最初にCAS をLレベル(アクティブ)にし、それ以降はウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(3ウェイト)と2ビット・カウンタ52からのカウント出力(decode0,1,2) の値との論理積に基づいて各サイクルにおけるCAS の論理値または波形を制御する。
【0082】
この場合、カウント出力(decode0,1,2) の値は、第5サイクル▲5▼で(1)になるため、このカウント出力値(1)とウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(3ウェイト)との論理積から第5サイクル▲5▼におけるCAS の論理レベルが決定される。つまり、CAS の論理レベルは、第4サイクル▲4▼の中間時点からLレベルになっているが、第5サイクル▲5▼に入ってもそのままLレベルに保持され、第5サイクル▲5▼の終了間際にHレベルに立ち上げられる。
【0083】
第6サイクル▲6▼に入ると、カウント出力(decode0,1,2) の値は(2)になり、このカウント出力値(2)とウェイト数設定データの値(3ウェイト)との論理積から第6サイクル▲6▼におけるCAS の論理値または波形が決定される。つまり、CAS の論理レベルは、第5サイクル▲5▼の終了間際から第6サイクル▲6▼の開始時にかけてHレベルに立ち上がっているが、そのまま第6サイクル▲6▼でも全期間を通じてHレベルに保持される。
【0084】
第7サイクル▲7▼に入ると、カウント出力(decode0,1,2) の値は(0)になり、このカウント出力値(0)とウェイト数設定データ(0wait 〜3wait)の値(2ウェイト)との論理積から第7サイクル▲7▼におけるCAS の論理値または波形が決定される。第7サイクル▲7▼では、カウント出力値とウェイト数設定データとの組み合わせ(論理積)が第4サイクル▲4▼の時と同じであるため、CAS の論理値または波形も同じパターンで制御される。つまり、CAS の論理レベルは、第6サイクル▲6▼から引き続いて第7サイクル▲7▼の開始時にもHレベルになっているが、第7サイクル▲7▼の中間時点でLレベル(アクティブ)に立ち下がり、第7サイクル▲7▼の残りの期間中はそのままLレベルに保持される。これは、第4サイクル▲4▼の時と同じパターンである。
【0085】
第8サイクル▲8▼では、カウント出力値(1)とウェイト数設定データ(3ウェイト)との組み合わせ(論理積)が第5サイクル▲5▼の時と同じであるため、CAS の論理レベルまたは波形も同じパターンで制御される。つまり、CAS の論理レベルは、第7サイクル▲7▼の中間からLレベルになっているが、第8サイクル▲8▼に入ってもそのままLレベルに保持され、第8サイクル▲8▼の終了間際にHレベルに立ち上げられる。
【0086】
第9サイクル▲9▼では、カウント出力値(2)とウェイト数設定データ(3ウェイト)との組み合わせ(論理積)が第6サイクル▲6▼の時と同じであるため、CAS の論理レベルまたは波形も同じパターンで制御される。つまり、CAS の論理レベルは、第8サイクル▲8▼の終了間際から第9サイクル▲9▼の開始時にかけてHレベルに立ち上がっているが、そのまま第9サイクル▲9▼でも全期間を通じてHレベルに保持される。
【0087】
同様にして、第10および第11サイクルの期間中でも上記第4おび第5サイクル(▲4▼,▲5▼)または第7および第8サイクル(▲7▼,▲8▼)の時と同じパターンが繰り返される。このように、3ウェイト・モードでは、2ビット・カウンタ52がカウント・ループ(0,1,2)でカウント動作し、各カウンタ出力の値に同期してCAS の論理レベルまたは波形が周期的に同一のパターンで繰り返される。
【0088】
上記したように、本実施例によるプログラマブルRAS /CAS 発生回路では、カウンタ制御回路50による制御の下で2ビット・カウンタ52をウェイト数に応じた時点(カウント開始時点)からウェイト数に応じたカウント・ループでカウント動作させ、制御信号生成回路54がカウンタ出力の値と設定ウェイト数との論理積に基づいて実行サイクル(EX)の各サイクルにおけるCAS の論理レベルまたは波形を制御するようにしている。
【0089】
上記したように、0ウェイト・モードのメモリアクセスでは、カウンタ出力がカウント・ループ(0)で回るため、任意のアクセス回数に対してCAS の論理レベルまたは波形が1サイクル毎に同じパターンで繰り返される。
【0090】
1ウェイト・モードのメモリアクセスでは、カウンタ出力がカウント・ループ(0,1,2)で回るため、任意のアクセス回数に対してCAS の論理レベルまたは波形が3サイクル毎に同じパターンで繰り返される。
【0091】
2ウェイト・モードのメモリアクセスでは、カウンタ出力がカウント・ループ(0,1)で回るため、任意のアクセス回数に対してCAS の論理レベルまたは波形が2サイクル毎に同じパターンで繰り返される。
【0092】
3ウェイト・モードのメモリアクセスでは、カウンタ出力がカウント・ループ(0,1,2)で回るため、任意のアクセス回数に対してCAS の論理レベルまたは波形が3サイクル毎に同じパターンで繰り返される。
【0093】
このように、ページ・モード・アクセス回数が多くなっても、各ウェイト・モード毎にカウント・ループ内の各カウンタ出力値に応じた一定のパターンでCAS の論理レベルまたは波形を繰り返せばよく、個々のサイクル毎に異なった論理でデコードを行う必要がない。したがって、制御信号生成回路54においてはデコード回路の構成が大幅に簡単で小型になるとともに、内部パスまたは信号伝播時間が著しく小さくなり、スピードマージンが大幅に増大する。
【0094】
なお、当該命令の実行サイクルの終了はXIRASによって規定されるが、この信号XIRASはタイミング制御ユニット40内の制御回路(図示せず)からのリセット信号(reset) に応動して終了するようになっている。このリセット信号(reset) を生成するために、アクセス回数に応じたサイクルタイムをカウントするプログラマブル・カウンタ(図示せず)を用いてよい。
【0095】
上記した図9〜図13の例は外部メモリ書込み命令(WRE)を実行するときのメモリアクセス動作に係るものであったが、外部メモリ36からデータを読み出す外部メモリ読出し命令(RDE)を実行する場合もライト・イネーブル信号WE が論理レベルが反対(Hレベル)になるだけで他の信号、特にRAS ,CAS は書き込みの場合と同様の論理レベルまたは波形に制御される。
【0096】
なお、上記実施例における2ビット・カウンタ52は一例であり、上記のようにプログラム制御可能なカウント・ループでカウント動作できるカウンタであれば任意のカウンタを用いることが可能である。
【0097】
また、上記実施例はオーディオ・ディジタル信号処理用のDSPに係るものであったが、本発明によるプログラマブルRAS/CAS発生回路は他のプロセッサやメモリコントローラにも適用可能なものである。
【0098】
また、上記実施例ではページ・モード・アクセスを行うものであったが、RAS をアクティブにしたままCAS を周期的にアクティブにするような他のアクセス方式たとえばニブル・モード・アクセス等にも本発明を適用することが可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプログラマブルRAS/CAS発生回路によれば、ウェイト数に応じてカウンタのカウント開始時点とカウント・ループを可変制御することで、CASの論理レベルを周期的に同じパターンで制御するようにしたので、アクセス回数が多くても簡易な小型の論理回路で対応することが可能であり、回路規模の縮小とスピードマージンの増大をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプログラマブルRAS/CAS発生回路を含むオーディオ・ディジタル信号処理用DSPのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1のDSPに含まれる外部メモリ入出力インタフェース回路(EX−IF)22の内部の回路構成を示すブロック図である。
【図3】実施例におけるEX−IF22に備えられている外部メモリ(DRAM)インタフェース・ピンの機能を示す表である。
【図4】実施例におけるEX−IF22内のタイミング制御ユニット40に与えられる外部メモリ制御データCR3 の主要なビットの機能を示す表である。
【図5】実施例におけるページ・モード・アクセスのアクセス回数の決め方の例を示す表である。
【図6】実施例においてウェイト数およびアクセス回数を変数としたときの各場合のサイクルタイムを示す表である。
【図7】実施例におけるサイクルタイムの意味を説明するための図である。
【図8】実施例によるプログラマブルRAS /CAS 発生回路の構成を示すブロック図である。
【図9】実施例において(0ウェイト、6回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【図10】実施例において(1ウェイト、3回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【図11】実施例において(1ウェイト、4回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【図12】実施例において(2ウェイト、3回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【図13】実施例において(3ウェイト、3回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【図14】従来のプログラマブルRAS /CAS 発生回路の構成を示すブロック図である。
【図15】図14のプログラマブルRAS /CAS 発生回路により(0ウェイト、4回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【図16】図14のプログラマブルRAS /CAS 発生回路により(1ウェイト、3回アクセス)で書込みのメモリアクセスが行われるときの各部の信号の状態または波形を示すタイミング図である。
【符号の説明】
10 C−BUS
12 D−BUS
14 G−BUS
22 EX−IF(外部メモリ入出力インタフェース回路)
30 制御装置
40 タイミング制御ユニット
42 アドレス制御ユニット
44 データ制御ユニット
50 カウンタ制御回路
52 2ビット・カウンタ
54 制御信号生成回路

Claims (2)

  1. 所与のDRAM(ダイナミックRAM)に対するメモリアクセスのためにRAS(ロウ・アドレス・ストローブ信号)をアクティブにしたままCAS(カラム・アドレス・ストローブ信号)を予め設定された周期で予め設定された回数だけ繰り返してアクティブにするプログラマブルRAS/CAS発生回路において、
    前記メモリアクセスにおけるウェイト数を設定するためのウェイト数設定手段と、
    プログラム制御可能なカウント・ループで所定のクロックをカウントする第1のカウンタと、
    前記予め設定された回数をカウントして前記メモリアクセスを終了させるための第2のカウンタと、
    前記ウェイト設定手段によって設定された前記ウェイト数に応じて前記第1のカウンタの前記カウント・ループをプログラム制御するカウント・ループ制御手段と、
    前記ウェイト設定手段によって設定された前記ウェイト数に応じて前記第1のカウンタのカウント開始のタイミングを制御するカウント開始タイミング制御手段と、
    前記メモリアクセスの期間中に前記RASの論理レベルをアクティブ状態に保持するRAS生成手段と、
    前記メモリアクセスの期間中における前記CASの論理レベルを前記ウェイト設定手段によって設定された前記ウェイト数と前記第1のカウンタの出力の値との論理演算にしたがって制御してアクティブ状態とするCAS生成手段と
    を有するプログラマブルRAS/CAS発生回路。
  2. 前記論理演算が論理積である請求項1に記載のプログラムRAS/CAS発生回路。
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