JP3595530B2 - 包装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロール状に巻かれた包装用フィルムを引き出して筒状に成形し、商品をその間に挿通させて、所定の大きさフィルムを溶断及び溶着して商品を包装する包装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱収縮性フィルムを用いて商品を包装する包装装置として、例えばロール状に巻き取られた包装用フィルムの間に商品を包み込ませるためのフィルム成形器を有したものがある。このフィルム成形器は、フィルムを成形し表裏を反転させて90°方向を転向し、フィルムを筒状に成形するものである。筒状に成形されたフィルムの長手方向の両側縁部は、互いに重ねられ、その筒状のフィルムの中に商品が挿入される。
【0003】
商品の挿入に際しては、筒状のフィルム内にベルトコンベアが挿通されたものや、フィルム成形器内に向けて商品を押し込む装置等があった。また、フィルム成形器から筒状のフィルムとともに商品を搬出し、フィルムロールからフィルムを引き出す機構として、フィルム成形器の下流側に設けられた商品搬出ベルトコンベアにより、商品の自重とベルトとの摩擦力によりフィルムを引き出すものや、商品搬入搬出ベルトコンベアを一つの片持ち梁状としてフィルム成形器内に挿通し、このベルトコンベアの先端側でフィルムを引き出すローラを設けた機構等があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の商品の自重でフィルムを引き出す装置において、商品が比較的軽い場合、ベルトコンベアと商品との間のフィルムに十分な力が伝わりにくく、フィルムを引き出せないものであった。また、片持ち梁状のベルトコンベアをフィルム成形器内に挿通させたものは、ベルトコンベアの負担が大きく装置が大がかりとなりコストもかかるものである。さらに、フィルム成形器内にベルトコンベアが挿通されているため、成形器自体が大きくなり、形成されるフィルムも商品に対して必要以上に大きくなるため、包装状態で商品を包んだフィルムの袋が大きく外観上好ましくない場合があった。
【0005】
この発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて成されたもので、ロール状に巻かれたフィルムを引き出して成形し商品を包装する際に、確実にフィルムを引き出すことができ、構造も簡単で、商品の包装も綺麗に可能な包装装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ロール状に巻き取られた包装用フィルムのフィルムロールから引き出されたフィルムと、そのフィルムの送り方向を変えそのフィルムの間に商品を挿入可能とするフィルム成形器と、上記フィルムに包まれた商品を搬送する商品搬送装置と、上記フィルム成形器と上記商品搬送装置との間に設けられ、筒状に成形されたフィルムの両フィルム端縁部の重ね合わせ部間に挿入される片持ち梁状の支持片と、この支持片の先端側から一体に基端部側に向けて設けられているとともに、上記支持片と所定の隙間を空けて形成され上記重ね合わされた上記両フィルム端縁部の内側に入って当接する挿入片と、この挿入片の上記両フィルム端縁部側に設けられた従動ローラと、上記従動ローラに対して上記重ね合わされた両フィルム端縁部を介して当接し上記両フィルム端縁部を上記従動ローラとともに挟持して上記フィルムを引き出す駆動ローラとを備えた包装装置である。
【0007】
上記支持片と挿入片は板状に一体に形成されている。上記従動ローラは一対設けられ、各々の従動ローラに上記駆動ローラが当接するものである。上記従動ローラの近傍に、上記フィルムの両側縁部同士を静電的に密着させる電極を設けたものである。
【0008】
この発明の包装装置は、フィルム成形器のフィルム送り方向直下流に、フィルム端縁部に挿入してフィルムを引き出し可能とする挿入片を設け、駆動ローラとの間にフィルム端縁部を挟持して確実にフィルムを引き出すことができるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1から図3はこの発明の包装装置の一実施形態を示すもので、この実施形態の包装装置は、図1に示すように、ロール状に巻き取られた包装用フィルム10により商品を包装するものである。この包装装置は、フィルム10間に商品を送り込む図示しない商品搬入装置と、フィルム10を開いて商品を包み込み可能にするフィルム成形器12を備える。
【0010】
フィルム10は、例えば、熱可塑性のフィルムを二つ折りまたはそのままロール状に巻き取られたものであり、その巻き取られたフィルムロールが、図示しないフィルム送り装置に取り付けられている。フィルム成形器12は、水平面上に設けられ直角二等辺三角形に形成された一対の底面部13,14と、底面部13,14に対して各々直角に起立した側壁部15,16とから成る。フィルム成形器12の一対の底面部13,14は、直角二等辺三角形の斜辺がフィルム送り方向に対して斜め45°に互いに交差するようにして配置され、他の二辺がフィルム送り方向と直角および平行に各々位置している。各底面部13,14は、上下に対向して積層されて設けられ、互いに平行に位置した一辺から各々側壁部15,16が立設している。一対の側壁部15,16は、フィルム10の送り方向上流側の端縁部が、フィルム10の送り方向側下方に向かって斜め45°に形成されている。
【0011】
フィルム成形器12に隣接しフィルム送り方向下流側には、フィルム送り装置20が設けられている。フィルム送り装置20は、筒状に成形されたフィルム10のフィルム端縁部10aの重ね合わせ部間に挿入される片持ち梁状の支持片21が、保持板18と一体に同一面上に設けられている。支持片21の先端側には、支持片21と一体に面一に形成され、且つ基端部側に向けて平行に設けられた挿入片24を有する。挿入片24は、支持片21と所定の隙間22を空けて形成され、重ね合わされたフィルム端縁部10aの内側に当接する。この支持片21及び挿入片24は、保持板18に対して支持片21の基端部のみで支持され、保持板18との四方の間には隙間25が形成されている。
【0012】
挿入片24の裏面側には、フィルム端縁部10aが挿通される位置に、一対の従動ローラ26が回動自在に設けられている。従動ローラ26に対面して、重ね合わされたフィルム端縁部10aを介して従動ローラ26に圧接し、フィルム10を引き出す駆動ローラ28を備えている。駆動ローラ28は、ベルト機構30を介して駆動モータ32に接続され、回転可能に設けられている。
【0013】
保持板18の下流側には、商品搬送装置34が設けられている。商品搬送装置34は、ベルトコンベア36と、このベルトコンベア36のベルトを駆動する駆動装置38とから成る。また、フィルム成形器12と駆動ローラ28の間の、挿入片22の裏面側には、フィルム端縁部10aを静電的に密着させる電極40が設けられている。電極40は、上下方向に位置調節可能に取り付けられている。さらに、商品搬送装置34の下流側には、フィルム10を個々の商品の包装毎に切断する図示しない溶断溶着装置が設けられている。
【0014】
この実施形態の包装装置の動作は、先ず、フィルム10を、フィルム成形器12を介して筒状に成形し、その合わせ目の一方のフィルム端縁部10aを上流側の隙間25から支持片21及び挿入片24の下を挿通させて他方の隙間25から引き出す。また、他方のフィルム端縁部10aを、支持片21の上面を経て隙間22から挿入片24の下方に挿通させ、上記一方のフィルム端10aとともに反対側の隙間25から送り出し方向に引き出す。これにより、一対のフィルム端縁部10aは、挿入片24の裏面の従動ローラ26と駆動ローラ28との間に挟まれて、確実に保持されてフィルム送り方向に引き出し可能となる。
【0015】
この実施形態の包装装置によれば、フィルム成形器12のすぐ下流側にフィルム10のフィルム送り装置20が設けられ、商品を内包したフィルム10を確実にフィルムロールから引き出して商品搬送装置34に送り込むことができる。これにより、重量の軽い商品や不安定な商品であっても確実に商品の搬送及びフィルムの繰り出しが可能となる。また、フィルム送り装置20の近傍に、静電密着用の電極40が設けられているので、フィルム端縁部10aが密着した状態で繰り出される。
【0016】
尚、この発明の包装装置は、上記実施形態に限定されず、適宜設定できるものであり、フィルムロールの種類は問わず、フィルム送り装置の形状も、重ね合わせたフィルムを、フィルム送り用の駆動装置で狭持可能なものであればよい。
【0017】
さらに、このフィルム送り装置は、商品搬送装置の上方に設けられていても良い。この場合フィルム成形器も上下逆形状に配置され、商品の上方でフィルム送りが成されるものである。これにより、商品が挿入片等に当接しないようにすることができ、商品に摺り傷等が付きにくいものとすることができる。
【0018】
【発明の効果】
この発明の包装装置は、商品形状や重量にかかわらず、フィルム成形器で形成した筒状のフィルム内に商品を内包させて、フィルムともに確実に搬送することができる。また、この発明の包装装置は、フィルム成形器内にベルトコンベアを挿通させる必要がなく、フィルム成形器を商品に合わせた大きさとすることができ、商品に対して適切な大きさのフィルム包装状態とすることができ、商品の包装形態も綺麗なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の包装装置のフィルム送り装置の概略斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態の包装装置の概略縦断面図である。
【図3】この発明の一実施形態の包装装置のフィルム送り装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
10 フィルム
12 フィルム成形器
20 フィルム送り装置
21 支持片
22,25 隙間
24 挿入片
26 従動ローラ
28 駆動ローラ
34 商品搬送装置
Claims (4)
- ロール状に巻き取られた包装用フィルムのフィルムロールから引き出されたフィルムと、そのフィルムの送り方向を変えそのフィルムの間に商品を挿入可能とするフィルム成形器と、上記フィルムに包まれた商品を搬送する商品搬送装置と、上記フィルム成形器と上記商品搬送装置との間に設けられ、筒状に成形されたフィルムの両フィルム端縁部の重ね合わせ部間に挿入される片持ち梁状の支持片と、この支持片の先端側から一体に基端部側に向けて設けられているとともに、上記支持片と所定の隙間を空けて形成され上記重ね合わされた上記両フィルム端縁部の内側に入って当接する挿入片と、この挿入片の上記両フィルム端縁部側に設けられた従動ローラと、上記従動ローラに対して上記重ね合わされた両フィルム端縁部を介して当接し上記両フィルム端縁部を上記従動ローラとともに挟持して上記フィルムを引き出す駆動ローラとを備えたことを特徴とする包装装置。
- 上記支持片と挿入片は板状に一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装装置。
- 上記従動ローラは一対設けられ、各々の従動ローラに上記駆動ローラが当接するものであることを特徴とする請求項2記載の包装装置。
- 上記従動ローラの近傍に、上記フィルムの両側縁部同士を静電的に密着させる電極を設けた特徴とする請求項1,2または3記載の包装装置。
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