JP3595172B2 - エンジンの支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車両用のエンジンを試験用ベンチ上において支持するためのエンジンの支持装置に係り、特にエンジンのクランクシャフトとダイナモメータの出力軸とを連結し、ダイナモメータからエンジンに負荷トルクを付与するようにしたエンジンの試験システムに用いられるエンジンの支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンの出力特性や燃費特性、或いは排出ガス特性についての各種試験は、一般的にエンジンを実際に車両に搭載した状態で行われる。しかしながら、このようにして得られる試験結果は、あくまでもそのエンジンと同エンジンが搭載された車両との組み合わせにのみ対応するものである。従って、例えば車両の重量や駆動系の仕様が変更された場合には、変更後の車両にエンジンを再度搭載して試験をやり直す必要がある。更に、こうした試験方法では、車両のためのスペースを確保する必要があり、その試験設備の大型化が避けられない。
【0003】
そこで、試験用ベンチ上にエンジン及びダイナモメータを固定し、このエンジンのクランクシャフトとダイナモメータの出力軸とを連結するとともに、そのダイナモメータからエンジンに対してトランスミッション側からの負荷に相当する負荷トルクを付与することにより、エンジンが車両に搭載された状態を擬似的に作り出すようにした試験装置が従来より提案されている。
【0004】
この試験装置によれば、車両の仕様が変更された場合でも、ダイナモメータの負荷トルクをその仕様変更に応じて変更するだけでよく、また、車両を配置するためのスペースを確保する必要もない。従って、エンジンの各種試験を僅かなスペース内で効率的に行うことができるようになり、汎用性及び経済性に優れた試験システムを構築することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした試験装置において、車両の加減速時のように負荷トルクが大きく変動するような状況を想定して試験を行う場合、こうした負荷トルクの変動によってエンジンには種々の振動が励起されるようになる。そして、この振動に起因して、クランクシャフトが本来の軸線の回りを回転する現象、即ち、振れ回り現象が発生し、この振れ回り現象によりクランクシャフトの損傷やダイナモメータからクランクシャフトに作用する負荷トルクの変動を招くおそれがあった。また、こうした振れ回り現象の発生は、エンジンを試験用ベンチに対して強固に固定するようにすれば回避することができるものの、こうした構成ではエンジン自身に過大な力が作用することとなり好ましくない。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンのクランクシャフトとダイナモメータの出力軸とを連結するようにしたエンジンの試験システムに用いられるエンジンの支持装置において、エンジンに過大な力が作用するのを抑制しつつ、クランクシャフトに発生する振れ回り現象を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、試験用ベンチに車両用のエンジン及びダイナモメータを配設するとともに、エンジンのクランクシャフトとダイナモメータの出力軸とを連結し、ダイナモメータからエンジンに対して負荷トルクを付与するようにした試験システムに用いられるエンジンの支持装置であって、クランクシャフトの軸線に対して直交する軸線の回りにおけるエンジンの揺動を許容する一方で、同クランクシャフトの軸線に垂直な方向における同クランクシャフトの平行移動を拘束するようにしてエンジンを試験用ベンチ上において支持する支持機構を備えるようにしている。
【0008】
こうした構成によれば、エンジンが試験用ベンチ上で振動した場合でも、クランクシャフトの軸線に対して直交する軸線の回りにおけるエンジンの揺動が許容されるため、過大な力がエンジンに作用するのを抑制することができる。更に、クランクシャフトの軸線に垂直な方向における同クランクシャフトの平行移動が拘束されているため、クランクシャフトの振れ回り現象の発生を抑制することができるようになる。
【0009】
また、請求項2に記載した発明のように、
・支持機構はクランクシャフトの軸線に対して直交する複数の軸線の回りにおけるエンジンの揺動を許容するものである、
といった構成を採用すれば、エンジンが揺動する際の自由度が増大するため、エンジンに過大な力が作用するのをより確実に抑制することができる。
【0010】
また、請求項3に記載した発明では、請求項1又は2に記載したエンジンの支持装置において、支持機構はクランクシャフトの軸線の回り及び同軸線の方向の少なくとも一方におけるエンジンの揺動を更に許容するものであるとしている。
【0011】
こうした構成によれば、試験システムにおけるエンジンの支持状態を実稼動状態における弾性マウントを用いた支持状態に近似させることができる。
請求項4に記載した発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載したエンジンの支持装置において、支持機構は弾性部材を介して試験用ベンチに固定されるものであり、弾性部材と支持機構及びエンジンとによって構成される振動系の固有振動数が試験システムにおける試験条件下で発生するエンジン振動の周波数よりも低く設定されているものとしている。
【0012】
こうした構成によれば、エンジンの振動によって支持機構が共振状態となるのを回避することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1〜11を参照して説明する。
図1は車両用エンジン50の支持装置10が用いられる試験システムTSの概略構成を示す側面図である。図2はこの支持装置10の斜視図であり、図3は同支持装置10の正面図である。
【0014】
この試験システムTSは車両に搭載されるエンジン50に対し負荷トルクを付与することにより、同エンジン50を擬似的に車両に搭載した状態にして各種試験を行うためのものである。図1に示すように、試験システムTSはエンジン50に所定の負荷トルクを付与するためのダイナモメータ52、エンジン50を試験用ベンチ54上において支持するための支持装置10、及びエンジン50の運転状態やダイナモメータ52に発生する負荷トルクを制御する制御装置(図示略)によって構成されている。
【0015】
ダイナモメータ52は、その出力軸56とエンジン50のクランクシャフト58とが同軸上に位置するように、エンジン50に隣接した状態で試験用ベンチ54上に固定されている。この出力軸56及びクランクシャフト58の端部はカップリング60,62を介してそれぞれ伝達シャフト64の端部に連結されている。この伝達シャフト64を介して、ダイナモメータ52に発生する負荷トルクはその出力軸56からクランクシャフト58に伝達される。また、上記各カップリング60,62によってクランクシャフト58、伝達シャフト64、及び出力軸56といった各軸56,58,64間における平行誤差(偏心)、角度誤差(偏角)、及び軸方向誤差(エンドプレイ)がそれぞれ許容されるようになっている。
【0016】
支持装置10はエンジン50の前端部(図1における右端部)を支持する支持機構20と、同エンジン50の両側面を支持する一対のマウント40(図1ではその一つのみを示す)とを備えている。このマウント40は後述するエンジン50の揺動を拘束する機能は有しておらず、その支持力は極めて弱いものとなっている。
【0017】
図2及び図3に示すように、支持機構20は第1〜3のリンク部21,22,23、及びこれら各リンク部21〜23を連結する一対の連結部31,32を備えることにより平行リンク機構を構成している。図1及び図2に示すように、各連結部31,32は各リンク部21〜23の両端部を両側から所定距離を隔てて挟む一対の挟持板31a,31b,32a,32bにより構成されている。
【0018】
第1のリンク部21は円環状をなす固定部212と、この固定部212から側方に延出する延出部214a,214bとによって構成されている。
図1及び図3に示すように、固定部212はクランクシャフト58が中心に位置するようにして一側面がエンジン50の前端面に当接されるとともに、複数のボルト216によって同エンジン50に締付固定されている。
【0019】
各延出部214a,214bはボールジョイントBJ1,BJ2によって各連結部31,32にそれぞれ連結されている。図4はボールジョイントBJ1を拡大して示す図3のA方向矢視図である。同図に示すように、ボールジョイントBJ1のボール26は延出部214aの端部にて枢着されており、このボール26から両側に延びる各軸27はそれぞれ連結部31の各挟持板31a,31bに固定されている。また、もう一方の連結部32と延出部214bも同様にしてボールジョイントBJ2により連結されている。更に、第2,3のリンク部22,23の両端部と各連結部31,32も同様にしてボールジョイントBJ3,BJ4,BJ5,BJ6によって連結されている。
【0020】
図3に示すように、第2のリンク部22は第1の支持部35によって試験用ベンチ54上において支持されている。図5はこの第1の支持部35等を示す図3の5−5線に沿った断面図である。
【0021】
同図に示すように、第1の支持部35は第2のリンク部22を両側から挟む一対の支持部材352a,352bと、これら各支持部材352a,352bと試験用ベンチ54との間に介在されたコイルスプリング354a,354bとを備えている。
【0022】
支持部材352a,352bの上部は上記ボールジョイントBJ1〜BJ6と同様の構成を有したボールジョイントBJ7によって第2のリンク部22の中央部分に連結されている。支持部材352a,352bの下部は上記コイルスプリング354a,354bによって試験用ベンチ54に連結されている。このコイルスプリング354a,354bは径方向、即ち図5の上下方向においてのみ弾性変形可能なように、上下に位置する素線の一部が複数のジョイント356を介して支持部材352a,352bの下面及び試験用ベンチ54の上面に対し固定されている。
【0023】
因みに、このコイルスプリング354a,354bの弾性係数は上記各ジョイント356の間隔、即ちピッチを変更することにより調節することができる。本実施形態では、このようにコイルスプリング354a,354bの弾性係数を調節することにより、これらコイルスプリング354a,354bと支持機構20及びエンジン50とによって構成される振動系の固有振動数がこの試験システムTSにおける試験条件下で発生するエンジン振動の周波数(例えば200〜300Hz)よりも低くなるように設定されている。
【0024】
また、図5及び同図の6−6線に沿った断面図である図6に示すように、第3のリンク部23は第2の支持部36によって試験用ベンチ54上において支持されている。この第2の支持部36は第3のリンク部23を両側から挟む一対の支持部材362a,362bにより構成されている。第3のリンク部23の中央部分には上記ボールジョイントBJ1〜BJ6と同様の構成を有したボールジョイントBJ8が設けられており、このボールジョイントBJ8の各軸27は各支持部材362a,362bの上端部に形成された切欠き状の軸受部364によって支持されている。この軸受部364によってボールジョイントBJ8の各軸27は図6の左右方向及び下方向における移動が拘束され、軸27の回転、同図の上方向及び同軸27の軸線方向における移動がいずれも許容されようになっている。
【0025】
図3に示すように、上記第1の支持部35の両側には一対のダンパ部37,38が設けられている。図7はこのダンパ部37の一方を示す図3の7−7線に沿った断面図である。
【0026】
同図に示すように、このダンパ部37は第2のリンク部22及び第3のリンク部23を両側から挟むようにして試験用ベンチ54に固定された一対の支持部材372a,372bと、これら支持部材372a,372bの上端部と第2のリンク部22の中央部分とを連結するダンパ機構374とを備えている。
【0027】
ダンパ機構374は第2のリンク部22に形成された挿通孔376と、この挿通孔376に内嵌された円筒状をなす防振部材377と、防振部材377内に挿通された支持軸378とによって構成されている。防振部材377は減衰係数の大きい材料、例えば防振ゴム等によって形成されている。
【0028】
支持軸378はその両端部が第2のリンク部22から突出するとともに、上記各支持部材372a,372bにそれぞれ固定されている。第2のリンク部22は、挿通孔376の内壁面と支持軸378の外周面との間で防振部材377が弾性変形することによって各支持部材372aに対する位置関係を変化させることができる。尚、もう一方のダンパ部38の構成は図7に示すダンパ部37と同様であるため、その説明は省略する。
【0029】
以上の構成を備えた支持装置10によってエンジン50はX軸、Y軸、及びZ軸回りの揺動及びX軸方向の揺動が許容されている。ここで、「X軸」はクランクシャフト58の軸線、「Y軸」は上記X軸と直交するとともに各ボールジョイントBJ1,BJ2のボール26の中心を通過する軸線、「Z軸」は上記X軸及びY軸と直交するとともに各ボールジョイントBJ7,BJ8のボール26の中心を通過する軸線をそれぞれ意味するものとする。
【0030】
以下、こうしたエンジン50の各軸回りの揺動及びX軸方向の揺動について図8〜11を参照して説明する。
[Z軸回りの揺動]
図8はエンジン50がZ軸回りに揺動した状態を示す支持装置10の平面図である。尚、同図はボールジョイントBJ1がダイナモメータ52に近接するようにしてエンジン50が揺動した状態を例示しているが、同エンジン50はボールジョイントBJ1がダイナモメータ52から離間するようにして揺動することも可能である。
【0031】
同図に示すように、上記各ボールジョイントBJ1〜BJ8のボール26が回転することにより、各連結部31,32がX軸方向において互いに逆向きに平行移動するとともに、各リンク部21〜23(第1のリンク部21のみ図示)がそれぞれZ軸回りにおいて同じ向きに回転する。こうした各連結部31及び各リンク部21〜23の動きによってエンジン50はZ軸回りに揺動することが可能である。
【0032】
[X軸回りの揺動]
図9はエンジン50がX軸回りに揺動した状態を示す支持装置10の正面図である。尚、同図はボールジョイントBJ5が試験用ベンチ54から離間するようにしてエンジン50が揺動した状態を例示しているが、同エンジン50はボールジョイントBJ5が試験用ベンチ54に近接するようにして揺動することも可能である。
【0033】
同図に示すように、各ボールジョイントBJ1〜BJ8のボール26が回転することにより、第1のリンク部21がX軸回りに回転するとともに、第2のリンク部22及び第3のリンク部23はその傾斜角度が第1のリンク部21と等しくなるようにそれぞれボールジョイントBJ7,BJ8を中心として回転する。更に、こうした各リンク部21〜23の回転に伴って各連結部31,32はZ軸方向において互いに逆向きに平行移動する。こうした各連結部31及び各リンク部21〜23の動きによってエンジン50はX軸回りに揺動することが可能である。
【0034】
[Y軸回りの揺動]
図10はエンジン50がY軸回りに揺動した状態を示す支持装置10の部分側面図である。尚、同図はエンジン50の後端部(図1における左端部)が試験用ベンチ54から離間するように同エンジン50が揺動した状態を例示しているが、同エンジン50はその後端部が試験用ベンチ54に近接するように揺動することも可能である。
【0035】
同図に示すように、第1のリンク部21と各連結部31,32とを連結するボールジョイントBJ1,BJ2の各ボール26が回転することにより、第1のリンク部21のみがY軸回りに回転する。このように第1のリンク部21がY軸回りに回転することにより、エンジン50はY軸回りに揺動することが可能である。
【0036】
[X軸方向の揺動]
図11はエンジン50がX軸方向に揺動した状態を示す支持装置10の側面図である。尚、同図はエンジン50がダイナモメータ52に近接するように揺動した状態を例示しているが、同エンジン50はダイナモメータ52から離間するように揺動することも可能である。
【0037】
同図に示すように、各ボールジョイントBJ1〜BJ8のボール26が回転することにより、各連結部31,32がそれぞれ第2のリンク部22の軸線回りに回転するとともに、第1のリンク部21及び第3のリンク部23がそれぞれX軸方向において互いに逆向きに平行移動する。こうした各連結部31及び各リンク部21,23の動きによってエンジン50はX軸方向に揺動することが可能である。
【0038】
このようにしてXYZ軸回り及びX軸方向の揺動が許容される一方で、第2のリンク部22のZ軸及びY軸方向における平行移動が第1の支持部35によって規制されるとともに、第3のリンク部23のY軸方向における平行移動が第2の支持部36によって規制されることにより、エンジン50及びクランクシャフト58はY軸方向及びZ軸方向に関してはいずれも支持機構20により拘束されていることになる。
【0039】
以上説明したように本実施形態では、Y軸回り及びZ軸回りにおけるエンジン50の揺動をそれぞれ許容する一方で、Y軸方向及びZ軸方向におけるクランクシャフト58の平行移動に関しては拘束するようにしている。
【0040】
従って、本実施形態によれば、
(1)エンジン50が試験用ベンチ54上で振動した場合でも、同エンジン50に過大な力が作用するのを抑制しつつ、クランクシャフト58の振れ回り現象の発生を抑制することができる。そして、こうした振れ回り現象に起因したクランクシャフト58の損傷の発生や同クランクシャフト58に作用する負荷トルクの変動を抑制することができ、支持装置の耐久性及び試験結果の信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0041】
特に、本実施形態では、
(2)直交する2つの軸線、即ちY軸及びZ軸回りにおけるエンジン50の揺動をそれぞれ許容するようにしているため、エンジン50が揺動する際の自由度が増大して、同エンジン50に過大な力が作用するのをより確実に抑制することができる。
【0042】
ところで、実際の車両においてエンジンは弾性マウントを用いて車両ボディに支持されているため、クランクシャフト回り或いは同シャフトの軸線方向における揺動に対する拘束力は比較的弱いものとなっている。
【0043】
この点、本実施形態では、
(3)エンジン50のX軸回り及びX軸方向の揺動についても許容するようにしているため、試験システムにおけるエンジン50の支持状態を実稼動状態における弾性マウントを用いた支持状態に近似させることができるようになる。その結果、より正確な負荷トルクをエンジンに付与することができるようになる。
【0044】
また、支持機構20によってエンジン50を支持するようにした場合、試験システムにおける試験条件下で発生するエンジン振動の周波数と、支持機構20を含む構造体の固有振動数とが一致するようなことがあると、支持機構20が共振状態となって負荷トルクの変動や同機構20の損傷を招くおそれがある。
【0045】
そこで、本実施形態では支持機構20をコイルスプリング354a,354bを介して試験用ベンチ54に連結する構成を採用するとともに、このコイルスプリング354a,354bと支持機構20及びエンジン50とによって構成される振動系の固有振動数をこうしたエンジン振動の周波数よりも低く設定するようにしている。
【0046】
従って、本実施形態によれば、
(4)試験条件下において支持機構20がエンジン50の振動によって共振状態となるのを回避することができ、共振現象に起因した負荷トルクの変動や支持機構20の損傷を抑制することができるようになる。
【0047】
また、このように上記振動系の固有振動数を試験条件下におけるエンジン50の振動周波数よりも低く設定した場合、試験条件下における共振現象の発生が抑制される反面、例えばエンジン50の始動時(クランクキング時)のように、同エンジン50の振動数が極めて低くなる条件下にあっては逆にエンジン50の振動を増幅させてしまうことが懸念される。
【0048】
この点、本実施形態では、
(5)一対のダンパ部37,38によって第2のリンク部22を支持することにより、上記のような低周波域における支持機構20の振動減衰性を高めるようにしている。その結果、始動時のように、エンジン50の振動数が極めて低くなる条件下であっても、エンジン50の振動振幅を最小限に抑えることができ、こうした振動の発生に起因した支持機構20の損傷を未然に防止することができるようになる。
【0049】
以上説明した本実施形態は以下のように構成を変更して実施することも可能である。
・本実施形態ではX軸、Y軸、Z軸の各軸回りについてエンジン50の揺動を許容するようにしたが、例えば、Y軸回りのみ或いはZ軸回りのみについてのエンジン50の揺動を許容するように支持装置10を構成するようにしてもよい。
【0050】
・本実施形態では各コイルスプリング354a,354bをその径方向、即ちZ軸方向においてのみ弾性変形可能とし、同Z軸方向における各コイルスプリング354a,354bの弾性係数を調整することにより、支持機構20及びエンジン50を含む振動系のZ軸方向における共振を抑制するようにしたが、こうした弾性部材を用いて振動系の固有振動数を調整することによりX軸方向やY軸方向における共振を抑制するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1乃至4に記載した発明によれば、エンジンが試験用ベンチ上で振動した場合でも、エンジンに過大な力が作用するのを抑制しつつクランクシャフトの振れ回り現象の発生を抑制することができる。
【0052】
特に、請求項2に記載した発明によれば、エンジンが揺動する際の自由度が増大するため、エンジンに過大な力が作用するのをより確実に抑制することができる。
【0053】
また、請求項3に記載した発明によれば、試験システムにおけるエンジンの支持状態を実稼動状態における弾性マウントを用いた支持状態に近似させることができるため、より正確な負荷トルクをエンジンに付与することができるようになる。
【0054】
更に、請求項4に記載した発明によれば、エンジンの振動によって支持機構が共振状態となるのを回避することができ、こうした共振現象に起因した負荷トルクの変動や支持機構の損傷を抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持装置が用いられる試験システムを示す概略構成図。
【図2】支持装置の斜視図。
【図3】支持装置の正面図。
【図4】図3のA方向矢視図。
【図5】図3の5−5線に沿った断面図。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図。
【図7】図3の7−7線に沿った断面図。
【図8】エンジンがZ軸回りに揺動した状態を示す支持装置の平面図。
【図9】エンジンがX軸回りに揺動した状態を示す支持装置の正面図。
【図10】エンジンがY軸回りに揺動した状態を示す支持装置の部分側面図。
【図11】エンジンがX軸方向に揺動した状態を示す支持装置の側面図。
【符号の説明】
10…支持装置、20…支持機構、21…第1のリンク部、22…第2のリンク部、23…第3のリンク部、26…ボール、27…軸、31…連結部、31a,31b…挟持板、32…連結部、35…第1の支持部、36…第2の支持部、37…ダンパ部、40…マウント、50…エンジン、52…ダイナモメータ、54…試験用ベンチ、56…出力軸、58…クランクシャフト、60,62…カップリング、64…伝達シャフト、212…固定部、214a,214b…延出部、216…ボルト、352a,352b…支持部材、354a,354b…コイルスプリング、356…ジョイント、362a,362b…支持部材、364…軸受部、372a,372b…支持部材、374…ダンパ機構、376…挿通孔、377…防振部材、378…支持軸、TS…試験システム、BJ1〜BJ8…ボールジョイント。

Claims (4)

  1. 試験用ベンチに車両用のエンジン及びダイナモメータを配設するとともに、エンジンのクランクシャフトとダイナモメータの出力軸とを連結し、ダイナモメータからエンジンに対して負荷トルクを付与するようにした試験システムに用いられるエンジンの支持装置であって、
    クランクシャフトの軸線に対して直交する軸線の回りにおけるエンジンの揺動を許容する一方で、同クランクシャフトの軸線に垂直な方向における同クランクシャフトの平行移動を拘束するようにしてエンジンを試験用ベンチ上において支持する支持機構を備える
    ことを特徴とするエンジンの支持装置。
  2. 請求項1に記載したエンジンの支持装置において、
    前記支持機構はクランクシャフトの軸線に対して直交する複数の軸線の回りにおけるエンジンの揺動を許容するものである
    ことを特徴とするエンジンの支持装置。
  3. 請求項1又は2に記載したエンジンの支持装置において、
    前記支持機構はクランクシャフトの軸線の回り及び同軸線の方向の少なくとも一方におけるエンジンの揺動を更に許容するものである
    ことを特徴とするエンジンの支持装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載したエンジンの支持装置において、
    前記支持機構は弾性部材を介して試験用ベンチに固定されるものであり、
    前記弾性部材と支持機構及びエンジンとによって構成される振動系の固有振動数が前記試験システムにおける試験条件下で発生するエンジン振動の周波数よりも低く設定されている
    ことを特徴とするエンジンの支持装置。
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