JP3594795B2 - タイヤローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルト等の舗装面を、車輪をなすタイヤで転圧して舗装面の仕上げを行うタイヤローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤローラは、ゴムタイヤを有し、アスファルトの舗装面をそのゴムタイヤで転圧する建設用車両である。アスファルト舗装をする場合、まず、アスファルト舗装をする前の路床を、鉄輪を有する建設用車両で転圧して荒仕上げを行い、しかる後、その路床上にアスファルトの舗装面を形成するが、タイヤローラは、こうした舗装面をゴムタイヤで転圧して舗装面の仕上げを行う。本発明は、こうしたタイヤローラについて、走行装置に改善を加えようとするものである。そこで、本発明の理解を容易にするため、従来の一般的なタイヤローラの基本的な技術内容を図10及び図11を用いて説明する。図10は、従来の一般的なタイヤローラの全体像を後部を破断して示す側面図、図11は、図10のタイヤローラの左側半分の背面図である。
【0003】
図10及び図11において、1はゴムタイヤで自走する自走車体としてのタイヤローラ本体、2はこのタイヤローラ本体1の動力源となる原動機、3はこの原動機2で駆動されるHST用の油圧ポンプ、4は油圧ポンプ3の圧油で駆動される走行用モータとしてのHST用の油圧モータ、5はこの油圧モータ4の出力軸に連結されその回転を減速して回転トルクを増加させる減速手段としての減速機、6は入力側の小径のスプロケットと出力側の大径のスプロケットとこれらに掛け回された無端状のチェーンとからなり減速機5の回転を後記駆動軸タイヤ列7の駆動軸に伝達するチェーン伝動機構、7は油圧モータ4の回転がチェーン伝動機構6を通じて伝達されて駆動される後輪をなす駆動軸タイヤ列、8は前輪をなす遊動軸タイヤ列である。なお、HSTは、変速機の一種であるハイドロ・スタティック・トランスミッションの略称であり、静油圧変速機とも称する。
【0004】
油圧ポンプ3は、圧油の吐出容量を変えることのできる可変容量形の両傾転の油圧ポンプであり、プラス、マイナスの両領域に斜板を作動させて圧油を正逆何れの方向にも吐出させることができる。油圧モータ4は、可変容量形の油圧ポンプ3の圧油の吐出容量を変えることにより、回転数を無段階に連続的に変化させることができる。その場合、油圧ポンプ3が両傾転のものであるため、タイヤローラを無段変速しながら前進、後退させることができる。この油圧モータ4は、従来のタイヤローラではその出力軸を駆動軸タイヤ列7と平行の水平方向に向けて長手方向が左右方向を向くように配置されている。HST(ハイドロ・スタティック・トランスミッション)は、これら可変容量形の油圧ポンプ3と油圧モータ4との組合せで構成されている。減速機5は、タイヤローラの車重が一般車両に比べて著しく重いことから、その重いタイヤローラを走行させることができるように回転トルクを増加させ、タイヤローラの走行に支障が生じないようにするために設けられている。チェーン伝動機構6は、軸受6aを立設してそのスプロケットの回転軸が支持されるようにするとともに、駆動軸タイヤ列7における隣接するタイヤ間の狭い間隙内に配置されるようにしている。
【0005】
駆動軸タイヤ列7及び遊動軸タイヤ列8は、舗装面転圧用のタイヤを有する複数の車輪を駆動軸に取り付けて構成されている。これらの各車輪のタイヤは、何れも、ゴムタイヤで形成されて、タイヤローラ本体1を走行することにより、アスファルトの舗装面を転圧して仕上げることができるようになっている。駆動軸タイヤ列7及び遊動軸タイヤ列8は、広幅タイヤなら3本、幅狭タイヤなら4、5本というように駆動軸及び遊動軸に多数のタイヤを取り付けて、タイヤ列をなすように構成されている。これら駆動軸タイヤ列7のタイヤと遊動軸タイヤ列8のタイヤとは、カーブ運転したときでも転圧路面をオーバラップさせることができるように、タイヤ幅が設定され配置されている。図11には、駆動軸タイヤ列7の左側半分だけが示されており、右側半分は図示されていないが、右側半分にも図11と同様の駆動軸タイヤ列7が設けられている。
【0006】
こうした駆動タイヤ列7のタイヤのうち、特に駆動軸タイヤ列7同士の隣接部に位置する車輪すなわち各駆動軸タイヤ列7の内側のタイヤを交換するときは、通常、チェーン伝動機構6のチェーンを外した後、タイヤを駆動軸ごとタイヤローラ本体1から離脱させた後、その内側のタイヤを取り外すようにしており、タイヤの交換作業がきわめて煩雑であった。こうした問題を改善しようとする技術として、実開平5ー46501号公報で提案されている技術を挙げることができる。そこで、この実開平5ー46501号公報で提案されている従来の技術の要点を、図12を用いて説明する。図12は、従来の技術に係るタイヤローラの駆動軸タイヤ列付近の断面を示す断面図である。
【0007】
図12において、1はフレームと称するすでに述べたのと同様のタイヤローラ本体であって、一方の2輪1組の駆動軸タイヤ列20を構成する最外側の1番目のタイヤ20aと2番目のタイヤ20bとの間にはタイヤローラ本体1の一部をなす2枚のプレート1a、1bを、他方の2輪1組の駆動軸タイヤ列20’を構成する3番目のタイヤ20cと最外側の4番目のタイヤ20dとの間にはタイヤローラ本体1の一部をなす2枚のプレート1c、1dをそれぞれ垂下させている。プレート1a、1bには第1、第2のベアリングリテーナ11,12を、プレート1c、1dには第3、第4のベアリングリテーナ13,14をそれぞれ2個所ずつボルト11a,12a,13a,14aにより取り付けている。
【0008】
一方の2輪1組の駆動軸タイヤ列20においては、前記第1、第2のベアリングリテーナ11,12にベアリング11b,12bを介して駆動軸15を軸架する。この駆動軸15の中央部に、第1、第2のベアリングリテーナ11,12に挟まれるように従動スプロケット9を取り付ける。この従動スプロケット9は、図示しない駆動スプロケットとエンドレスチェーン10により繋がれて駆動力が伝達されて駆動軸15を回転させる。
【0009】
駆動軸15は、第1、第2のベアリングリテーナ11,12の両側に延出されて、その端部に、第1、第2のベアリングリテーナ11,12を挟んでハブ31a,31bを締結し、このそれぞれのハブ31a,31bにブレーキドラム32a,32bが取り付けられる。そして、第1、第2のベアリングリテーナ11,12のカバー11c,12cに、ボルト33a,33bにより取り付けたブレーキ19a,19bを、ブレーキドラム32a,32bの内側に位置するように配設する。駆動軸15の両端部は、ナット23a,23bを螺着してまわり止め24a,24bを施した後、ボルト25a,25bで締付け固定して、ハブキャップ26a,26bを被着し、ボルト27a,27bで固定している。
前記一側のハブ31aには、最外側に位置する1番目のタイヤ20aが装着されたディスクホイール21aが、ハブナット22aにより取付けられ、また、前記他側のハブ31bには、2番目のタイヤ20bが装着されたディスクホイール21bが、ハブナット22bにより取付けられる。前記ディスクホイール21a,と21bとは、その凸側が外側となるように相互に対向させ取付ける。
【0010】
他方の2輪1組のタイヤ20′においては、前記第3および第4のベアリングテーナ13,14に、ベアリング13b,14bを介して駆動軸15′を軸架する。この駆動軸15′の中央部に、前記第3および第4のベアリングリテーナ13,14に挾まれるように従動スプロッケト9′を取付ける。この従動スプロケット9′は、図示しない駆動スプロケットと、エンドレスチェーン10′により繋がれ、駆動力が伝達されて駆動軸15′を回転させる。3番目のタイヤ20cや最外側の4番目のタイヤ20d及びハブ31c,31dやブレーキドラム32c,32d等のその他の部材の取付けは、前記一方の2輪の1組の駆動軸タイヤ列20の場合と対称の取付位置関係にあり、同一構成であるので省略する。
【0011】
次に、こうした構造の駆動軸タイヤ列20,20’のタイヤの交換作業について、2輪1組の一方の駆動軸タイヤ列である駆動軸タイヤ列20の交換作業を例にして説明する。タイヤを交換するに当たっては、駆動軸タイヤ列20,20’を地上より浮かせた状態にしておく。ここでは、交換作業のうち、駆動軸タイヤ列20を構成するタイヤ20a,20bを取り外す作業工程について述べる。
【0012】
1.最外側の1番目のタイヤ20aの取外し作業
(イ)ハブナット22aを取り外す。
(ロ)タイヤ20aを左側へ引き出して取り外す。
【0013】
2.2番目のタイヤ20bの取外し作業
(イ)ハブナット22bを取り外す。
(ロ)タイヤ20bを右側横方向へタイヤ20cの端面付近まで移動する。
(ハ)タイヤ20bを後方へ移動してタイヤローラ本体1の外へ引き出す。
他方の2輪一組みの駆動軸タイヤ列20’を構成するタイヤ20c,20dを取り外す作業工程についても同様である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では、駆動軸タイヤ列20,20’同士の隣接部に位置するタイヤ20b又はタイヤ20cを交換する際、交換しようとするタイヤの車輪をタイヤローラ本体1に対して横方向へ移動する操作や後方へ移動する操作をしなければならないが、駆動軸タイヤ列の仕様上の制約により、こうした操作を行う上で、次に示すような問題点があった。
【0015】
イ)車輪の横方向移動の問題点
タイヤ20b又はタイヤ20cの車輪を横方向へ移動して駆動軸15又は駆動軸15’から取り外す際、車輪一つの重量が通常100Kg程度と重いため、長いバール等の梃子部材で車輪をこじるようにしながら梃子の作用で横方向へ移動させる。例えば、タイヤ20bの車輪を横方向に移動させるときには、タイヤ20bとプレート1bとの間隙等、タイヤ20bとタイヤローラ本体1側との適宜の間隙にバール等を挿入した後、バール等を左右所望の方向へ回動することにより、タイヤ20bをこじるようにして車輪を右方向へ移動させる。そうすると、車輪が傾斜しながら右方向へ若干移動して、その傾斜によりブレーキドラム32bの底部側と干渉するので、車輪を起こして同様の操作を再度行い、こうした操作を何度か繰り返して車輪を駆動軸15から取り外す。
【0016】
しかるに、従来の技術では、タイヤ20b,20cの内径Dと制動装置設置部(ブレーキドラム32b,32c)の外径Dの寸法差(図12ではD,Dを便宜上タイヤ20d側に図示)が小さく車輪を大きく傾斜させることができないため、一回の操作で車輪を横方向へ移動させることができる横方向移動ピッチが小さく、横方向への移動操作に多大の時間を要する。こうしたタイヤ交換作業は、不整地上で行うことが往々にしてあるが、車輪を不整地上で横方向へ移動させるときにタイヤ20bやタイヤ20cが地面に引っ掛かると、車輪を横方向へ円滑に移動させることができなくなる。その場合、車輪をバール等により上下方向や左右方向に傾動させて適宜の方向に傾斜させることにより、タイヤ20bやタイヤ20cが地面に引っ掛かるのを緩和することができるが、従来の技術では、前記のとおり車輪を大きく傾斜させることができず、こうした操作が行いにくいため、車輪を不整地上で円滑に横方向移動させることが困難になる。
【0017】
ロ)車輪の後方向移動の問題点
従来の技術では、タイヤ20bの端面とタイヤ20cのハブ締結部の端部との間の間隔Lをタイヤ20cの幅Lより大きくとっているが、間隔Lは、駆動軸タイヤ列7と遊動軸タイヤ列8の転圧路面同士を、通常、少なくとも35mm程度オーバラップさせる必要があることから、それほど大きくとることはできず、タイヤ20cの幅Lに近くする必要がある。そのため、車輪を不整地上で後方向へ移動させる過程でほとんどカーブさせることができないことから、こうした過程で、タイヤ20bやタイヤ20cが地面に引っ掛かって抵抗が大きくなるようなときに、その抵抗を避けるように車輪をカーブさせながら後方へ移動する操作がきわめて行いにくい。また、前記のように間隔Lが幅Lに近いことに加えてブレーキドラム32b,32cが大きいため、車輪が不整地上で後方向に移動する過程で傾斜すると、タイヤ20bやタイヤ20cがブレーキドラム32b,32cの側面と干渉して、車輪をタイヤローラ本体1の後方へ引き出せなることもある。
【0018】
以上の問題は、何れも、車輪を横方向や後方向へ移動させる過程で、車輪をその軸心に対して十分に傾斜させるための車輪の移動操作に有効な空間が不足していることに起因して生じる問題である。
【0019】
本発明は、従来の技術にみられるこうした問題を解消しようとするものであって、その技術課題は、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を着脱してタイヤを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大することができるタイヤローラを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のこうした技術課題は、
舗装面転圧用のタイヤを有する複数の車輪を駆動軸に取り付けて構成された駆動軸タイヤ列を複数組備え、変速手段の回転を減速手段で減速して各駆動軸タイヤ列の駆動軸に伝達させるようにしたタイヤローラにおいて、
「減速手段を遊星歯車減速装置で構成して、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置を、遊星歯車減速装置の駆動側に制動力を付与できるように設置するとともに、遊星歯車減速装置の従動側にその車輪の駆動軸を取り付け、これにより、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置を小型化するとともに、この制動装置を遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置して、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪のタイヤを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大するようにし、さらに、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪の一方の車輪の駆動軸端部とこれに対向する他方の車輪との距離を一方の車輪のタイヤ幅以下にするとともに、駆動軸から取り外した一方の車輪をその軸心に対して傾動させながらタイヤローラ本体の後方に移動してタイヤローラ本体の外に引き出せるように、一方の車輪の駆動軸の周辺付近の空間を形成するようにした」ことにより達成される。
【0021】
本発明のタイヤローラは、こうした手段を採用しているので、変速手段の回転は、減速手段としての遊星歯車減速装置の駆動側に伝達され、遊星歯車減速装置で減速されて、その従動側に取り付けられた駆動軸タイヤ列の駆動軸に回転トルクを増加した状態で伝達され、車重の重いタイヤローラを支障なく走行させることができる。一方、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置は、遊星歯車減速装置の駆動側に制動力を付与できるように設置されているため、この制動装置は、回転トルクが増加する前の回転トルクが相対的に低い駆動側に制動力を付与して前記車輪を制動することとなり、小型化される。また、その当然の結果として、制動装置は、遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置されることとなる。これらの結果、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪のタイヤを着脱して交換しようとするとき、その交換ために車輪を移動操作するのに有効な空間が拡大される。そして、このタイヤローラは、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪の一方の車輪の駆動軸端部とこれに対向する他方の車輪との距離を一方の車輪のタイヤ幅以下にしたものでありながら、駆動軸から取り外した一方の車輪を、その軸心に対して傾動させながらタイヤローラ本体の後方に移動させることにより、他方の車輪周辺部に干渉させないようにしてタイヤローラ本体の外に引き出すことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図9に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。図1は、本発明の具体化例のタイヤローラの全体像を後部を破断して示す側面図、図2は、本発明の具体化例のタイヤローラの要部を破断して示す背面図、図3は、図2の矢印A方向からみた矢視図、図4は、図12のタイヤローラとの比較において本発明の作用効果を説明するための、タイヤローラの駆動軸タイヤ列部を一部破断して示す背面図、図5は、本発明の具体化例のタイヤローラの要部の拡大図、図6は、図5のB部及びその周辺を拡大して示した部分拡大図、図7は、本発明の具体化例のタイヤローラにおいて車輪を駆動軸から取り外す際の操作を説明するための図4と同様の図、図8は、本発明の具体化例のタイヤローラにおいて車輪を機外へ引き出すときの作業過程を説明するための平面図、図9は、図8の作業過程で車輪を機外へ引き出すのに好適なように本発明を具体化したタイヤローラの例を示す図4と同様の図である。図1乃至図9において、すでに述べた図10及び図11と同一の符号を付けて部分は、これら両図と同等の部分を表すので詳述しない。
【0023】
本発明の具体化例のタイヤローラは、図10及び図11に示した従来のタイヤローラと同様、タイヤローラー本体1と、原動機2と、この原動機2により駆動される可変容量形のHST用の油圧ポンプ3及びこの油圧ポンプ3の圧油で駆動されるHST用の油圧モータ4を有し可変容量形の油圧ポンプ3の圧油の吐出容量を変えることにより油圧モータ4の回転数を変化させることのできる変速手段としてのHSTと、油圧モータ4の回転を減速してその回転トルクを増加させる減速手段と、駆動軸タイヤ列7と、遊動軸タイヤ列8とを備え、その減速手段の回転を駆動軸タイヤ列7の駆動軸に伝達させるようにしていて、基本的な構造については、従来のものと変わらない。また、図4によく表されているように、左右二組の駆動軸タイヤ列7,7を備えており、左右の駆動軸タイヤ列7,7の駆動軸には、それぞれ、2本ずつタイヤ7a・7b、タイヤ7c・7dを取り付けており、全体として4本のタイヤ列をなすように設計されており、この点においても従来のタイヤローラと変わらない。
【0024】
これらのタイヤ7a〜7dは、車輪の骨組みをなすタイヤリム49に装着されて車輪を構成している。このタイヤリム49は、タイヤを装着、保持するためのリング状のリム部49aとこのリム部49aを駆動軸に結合するための結合部材49bとで構成され、ここに示す例では、図12のディスクホイール21a,21bと同様、その結合部材49bを円盤状の部材で構成している。こうした車輪の構造は、従来の通常のタイヤローラと変わらない。
【0025】
まず、図1乃至図7を用いて、以下に、本発明の具体化例のタイヤローラの特徴的な技術内容について説明する。これらの図において、41は油圧モータ4を取り付けるための油圧モータ用のブラケット、42は油圧モータ4の回転を駆動軸タイヤ列7の駆動軸へ等速を保った状態で伝達するための等速ジョイントとしてのプロペラシャフト、43は油圧モータ用のブラケット41の内部空間に配置されてプロペラシャフト42の入力側の軸継手部を構成するダイヤフラムカップリング、44はプロペラシャフトの中間部を構成するスプライン軸、45はプロペラシャフト42の出力側の軸継手部を構成するダイヤフラムカップリング、46は駆動軸タイヤ列7の駆動軸を内蔵するアクスル、47はタイヤローラ本体1の後部に設けたアクスル取付用のブラケットである。本具体化例では、油圧モータ4は、従来のタイヤローラとは異なり、その出力軸が垂直方向に下方を向くように配置されており、これに伴って、プロペラシャフト42も垂直方向に下方を向くように配置される。プロペラシャフト42のダイヤフラムカップリング43は、油圧モータ4の出力軸とスプライン結合され、ダイヤフラムカップリング45は、駆動軸タイヤ列7の駆動軸に回転動力を伝達するためのアクスル46の入力部に連結される。
【0026】
ダイヤフラムカップリング43,45は、周知の軸継手であるので、具体的な構造は示さいないが、全体として可撓性をもつように構成された軸継手であり、スプライン軸44を油圧モータ4の出力軸及びアクスル46の入力部と傾動可能に連結する働きをする。プロペラシャフト42は、その入力側及び出力側に、こうしたダイヤフラムカップリング43及びダイヤフラムカップリング45を備えているため、油圧モータ3の出力軸の軸心とアクスル46の入力部の軸心との間にずれがある場合でも、これらの軸心を平行にした状態において、両ダイヤフラムカップリング43,45にスプライン軸44を傾けて連結することにより、油圧モータ3の回転をアクスル46の入力部に等速性を維持しながら支障なく伝達することができる。このように、プロペラシャフトは、出力部の回転を入力部にシャフトで伝達する手段であって、そのシャフトを出力部及び入力部と相対的に傾動可能に連結するようにした回転力の伝達手段である。したがって、こうしたプロペラシャフトであれば、ダイヤフラムカップリング43,45を用いたものに限らず、自在継手型(ユニバーサルジョイント型)のプロペラシャフト等他のタイプのものを用いることができる。
【0027】
このように、油圧モータ4の回転を駆動軸タイヤ列7の駆動軸に伝達する伝動手段として、従来用いられていたチェーン伝動機構6を用いないでプロペラシャフト42を用いると、タイヤローラの発進や停止時に転圧仕上げ路面にキックバックによる皺や凹凸を生じさせるようなことはなく、チェーンの張り調整も要しない。また、チェーン伝動機構6を用いずプロペラシャフト42を用いるようにしたことに伴い、市街地で問題になるチェーンとスプロケット間の噛み合い音による騒音をなくせるとともに、毎日行われるチェーンへの給脂も必要なくなり、さらには、動力伝達効率の良くないチェーン伝動機構6を用いた場合に比べて原動機2の動力を駆動軸タイヤ列7に効率的に伝達できるようになり、原動機2の燃料消費を節減することができる。
【0028】
図2乃至図4に示すように、アクスル46は、アクスル取付用のブラケット47に締結ボルト48で固定することにより、タイヤローラ本体1の後部に取り付けている。このアクスル46は、ケーシング内に駆動軸タイヤ列7の駆動軸としてのアクスルシャフト57やその軸受等を左右両側に内蔵しており、これらの部品の集合体として構成されている。アクスルシャフト57の端部をなすハブ57aには、前述したタイヤリム49の結合部材49bをボルト49cで取り付けており、アクスル46内には、アクスルシャフト57や軸受のほか、油圧モータ4の回転を減速してその回転トルクを増加させるための減速手段としての後述の遊星歯車減速装置を配設している。
【0029】
このように減速手段をプロペラシャフト42の出力側に配置することにより、プロペラシャフト42を高速、低トルクで回転させ、プロペラシャフト42の後段において減速手段で回転トルクを増加させるようにしたため、減速手段をプロペラシャフト42の入力側に配置した場合に比べてプロペラシャフト42を細く小型化することができる。その結果、プロペラシャフト42を駆動軸タイヤ列7における隣接するタイヤ間の狭い間隙に無理なく配置することができる。なお、このプロペラシャフト42に対応する伝動手段である従来のタイヤローラのチェーン伝動機構6は、高速、低トルクで駆動するのに適していないため、すでに述べたように、減速手段としての減速機5を入力側に設けている。従来のタイヤローラは、こうしたことに起因して、減速手段の配置が本具体化例のものと相違している。
【0030】
こうした減速手段を内蔵したアクスル46につき図5を用いて説明する。図において、50はプロペラシャフト42の出力側のダイヤフラムカップリング45に連結されているアクスル46の入力部としての入力フランジ、51はこの入力フランジ50にスプライン締結されている傘歯車状のピニオン、52は遊星歯車減速装置の入力側に付設されこのピニオン51が噛み合う傘歯車、53は遊星歯車減速装置のサンギヤシャフト、54はリング状をなし内周に歯を有するリングギヤ、55はサンギヤシャフト53及びリングギヤ54の歯と互いに噛み合ってサンギヤシャフト53の外周を自転しながら公転し得るように支持された外周に歯を有するプラネタリギヤ、56はサンギヤシャフト53と同心的に回転軸を介して回転可能に設けられプラネタリギヤ55を自転しながら公転し得るように支持するアーム、57は駆動軸タイヤ列7の駆動軸をなすアクスルシャフト、58は、アクスル46の各部うち制動装置60を設置して外径が大きくなっている部分である制動装置設置部、60は、タイヤローラの車輪を制動するための後に詳述する制動装置である。
【0031】
本具体化例における遊星歯車減速装置は、これらサンギヤシャフト53とリングギヤ54とプラネタリギヤ55とアーム56とで構成され、サンギヤシャフト53が駆動側をなし、アーム56が従動側すなわち減速回転する側をなしてアクスルシャフト57に同心的に取り付けられているとともに、リングギヤ54は、回転しないように固定されている。傘歯車52は、サンギヤシャフト53の回転軸に回転中心が一致するように固定され、その回転をサンギヤシャフト53に伝達し得るようにしている。また、駆動軸タイヤ列7の駆動軸は、左右一対設けているため、油圧モータ4やプロペラシャフト42のほか、遊星歯車減速装置も左右一対設けて、左右の駆動軸タイヤ列7の駆動軸をこれらにより分担して回転駆動するようにしている。
【0032】
本発明の最大の特徴は、以上のような遊星歯車減速装置において、その駆動側(図5に示す例ではサンギヤシャフト53)に制動力を付与できるように制動装置60を設けて、こうした制動装置60で、駆動軸タイヤ列7,7同士の隣接部に位置する車輪(図4に示す例ではタイヤ7b,7cを設けた車輪)を制動できるようにし、これにより、制動装置60を小型化するとともに遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置して、前記車輪のタイヤを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大するようにした点にある。ここに示す例では、設計の都合上、こうした制動装置60による車輪の制動を、タイヤ7b,7cを設けた車輪だけでなく、タイヤ7a,7dを設けた車輪についても行うようにしているが、タイヤローラのタイヤ交換操作にとっては、前者の車輪を、制動装置60のような遊星歯車減速装置の駆動側に制動力を付与できる制動装置で制動するようにした点に最大の意義がある。
【0033】
まず、制動装置60の詳細を図5及び図6を用いて説明する。これらの図において、59は制動装置設置部58の全周3個所に配設されている連結ピン、61はこの連結ピン59によりリングギヤ54と共に制動装置設置部58にピン結合されている固定リング、62は連結ピン59により外周3個所が支持され軸方向にだけ移動できる可動リング、63はこの可動リング62を制動時に移動させるリング状のピストン、64は制動時操作の際にブレーキ油圧を導いてピストン63に作用させるリング状の圧力室、65は遊星歯車減速装置の駆動側であるサンギヤシャフト53にその軸方向にだけ移動できるようにスプライン締結で取り付けて固定リング61と可動リング62の間に配置した円盤状のブレーキ板である。ピストン63は、アクスル46のカバーに取り付けられたリング状の壁体に、サンギヤシャフト53の軸方向に摺動可能に取り付けており、圧力室64は、そのリング状部材の壁体内に形成している。ここ例示した制動装置60は、車輪を制動操作しようとするとき、圧力室64に油圧を導いてピストン63を駆動することにより、可動リング62をブレーキ板65に押し付けてブレーキ板65を固定リング61と可動リング62とで挟み、これにより生じる摩擦力でサンギヤシャフト53に制動力を付与して車輪を制動するようにしている。
【0034】
こうした制動装置60と前述の遊星歯車減速装置を備えたタイヤローラにおいては、油圧モータ4の回転がピニオン51と傘歯車52からなる歯車伝動機構により、遊星歯車減速装置の駆動側としてのサンギヤシャフト53に伝達されて、リングギヤ54と噛み合うプラネタリギヤ55を自転させながら公転させ、その公転時の回転が従動側としてのアーム56に減速して伝達される。その結果、油圧モータ4の回転が駆動軸タイヤ列7の駆動軸としてのアクスルシャフト57に回転トルクを増加した状態で伝達されることとなって、車重の重いタイヤローラを支障なく走行させることができる。一方、制動装置60は、遊星歯車減速装置の駆動側であるサンギヤシャフト53に制動力を付与できるように設置されているため、制動装置60は、回転トルクが増加する前の回転トルクが相対的に低い駆動側に制動力を付与して車輪を制動することとなり、図12に示した従来の技術よりも小型化される。また、その当然の結果として、制動装置60は、従来の技術のようにハブ57aの個所ではなく、遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置されることとなる。これらの結果、次に詳述するように、特に、駆動軸タイヤ列7,7同士の隣接部に位置するタイヤ7b,7cの車輪のタイヤを着脱して交換しようとするとき、その交換ために車輪を移動操作するのに有効な空間が拡大されて、その移動操作が従来の技術よりも円滑に行える。
【0035】
こうした技術的意義を、図4乃至図8に基づいて具体的に説明する。これらの図のうち図4は、従来の技術に係る図12に対応する断面図であり、図12のタイヤローラとの比較において本発明の作用効果を説明するため、タイヤ7cの端面とタイヤ7bのハブ締結部の端部との間の距離L2 をタイヤ7bの幅L1 より図12と同様に若干大きくとっている。「発明が解決しようとする課題」の項で述べたように、駆動軸タイヤ列7,7同士の隣接部に位置するタイヤ7b,7cを交換するには、タイヤ7b,7cの車輪をタイヤローラ本体1に対して横方向に移動する操作や後方に移動する操作をするが、制動装置60が前記したように小型化されると、図4に示すように、タイヤ7b,7cの内径D1 と制動装置設置部58の外径D2 の寸法差が増加して、車輪をタイヤローラ本体1の横方向へ移動操作するのに有効なタイヤ7b,7cの内側の空間が拡大される。
【0036】
例えばタイヤ7bの車輪を横方向に移動させるため、車輪をバール等でこじるようにして右方向へ移動させると、タイヤ7bは、図7に示すように上下方向に傾斜して制動装置設置部58の底面部に干渉するが、内径Dと外径Dの寸法差が従来の技術よりも大きいため、車輪を相対的に大きく傾けることができて、タイヤ7bを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大することができる。その結果、一回の操作で車輪を横方向へ移動させることができる横方向移動ピッチを増加させることができて、車輪の横方向への移動操作に要する時間を短縮することができる。また、こうした移動操作を不整地上で行う場合において、タイヤ20b,20cが地面に引っ掛かるのを緩和するために車輪の傾動操作を行おうとするときでも、前記ように、内径Dと外径Dの寸法差が従来の技術よりも大きいと、車輪を上下方向や左右方向等所望の方向に相対的に大きく傾斜させることができるため、車輪の傾動操作が自在に行えて、車輪を不整地上でも円滑に横方向移動させることができる。
【0037】
一方、このようにタイヤ7b,7cの内径D1 と制動装置設置部58の外径D2 の寸法差が増加することに加えて制動装置60が従来の技術のようにハブ57aの個所ではなく遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置されると、その当然の結果として、ハブ57aの外径D3 を従来のものよりも小さく形成することができて内径D1 と外径D3 の寸法差を増加することができる。その結果、車輪のリム部49aとアクスル46の端部側との間の空間すなわち駆動軸タイヤ列7の駆動軸の周辺付近の空間が拡大されるため、タイヤ7b,7cの車輪をタイヤローラ本体1に対して後方に移動する操作も行いやすくなる。
【0038】
すなわち、車輪を不整地上で後方向へ移動させる過程でカーブさせる際、タイヤ7cの端面とタイヤ7bのハブ締結部の端部との間の間隔Lが従来の技術と同様にタイヤ7bの幅Lに近いときでも、前記の駆動軸タイヤ列7の駆動軸の周辺付近の空間内を操作用の空間として利用しながら、車輪をその軸心に対して左右に傾動させることにより、車輪をハブ57aに干渉させないようにカーブさせることができる。したがって、車輪を後方向へ移動させる場合においてタイヤ7b,7cが地面に引っ掛かって抵抗が大きくなるようなときに、その抵抗を避けるように車輪をカーブさせながら後方へ移動する操作を円滑に行うことができる。このことは、後述の図8による車輪の機外への引き出し作業に関する説明からも容易に理解することができる。また、制動装置60がハブ57aの個所ではなく遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置されることによりハブ57aの外径Dが従来のものよりも小さく形成されると、車輪が不整地上で後方向に移動する過程で傾斜しても、タイヤ7b,7cがハブ57aの側面と干渉しにくくなり、従来の技術のように車輪をタイヤローラ本体1の後方へ引き出せなくなるようなことはない。
【0039】
以上、本発明の作用効果を図12のタイヤローラと対比して説明するため、タイヤ7cの端面とタイヤ7bのハブ締結部の端部との間の間隔L2 がタイヤ7bの幅L1 より大きいものとして述べたが、本発明では、その間隔L 2 をタイヤ7bの幅L 1 以下にしている。その場合でも、前記したように駆動軸タイヤ列7の駆動軸の周辺付近の空間が拡大されると、その駆動軸の周辺付近の空間を適切に設定すれば、駆動軸から取り外した一方の車輪をその軸心に対して傾動させながらタイヤローラ本体1の後方に移動してタイヤローラ本体1の外に引き出せるようにすることができる。
図8は、このように構成された本発明の具体化例のタイヤローラにおいて、タイヤ7bの車輪を機外へ引き出すときの作業過程を示した平面図であり、図8(a)は、タイヤ7bの車輪を駆動軸タイヤ列7の駆動軸から取り外す直前の状態を図示し、図8(e)は、その車輪をタイヤローラ本体1の外に引き出す寸前の状態を図示したものである。駆動軸タイヤ列7の駆動軸の周辺付近の空間が拡大されると、図8(a)の状態から、図8(b)及び図8(c)に示すようにタイヤ7bの車輪を漸次傾動させ、次いで、図8(d)及び図8(e)に示すように車輪を更に漸次傾動させながら後退させることにより、間隔L2 が幅L1 より若干小さい場合でも、タイヤ7bの車輪を、これに対向するタイヤ7cの車輪周辺部に干渉させることなくタイヤローラ本体1の外に引き出すことができる。
【0040】
図9は、こうした車輪の引き出し操作を行うのに好適なように本発明を具体化した例を示す図であり、ハブ57aに、車輪を駆動軸タイヤ列7の駆動軸から取り外して傾動させるときにタイヤリム49の結合部材49bをガイドすることができるタイヤ交換ガイド部材70を設けている。このタイヤ交換ガイド部材70は、ハブ57aの外面に固着した円筒状部材の周囲に、結合部材49bをガイドするためのテーパ70aを形成したものである。こうしたタイヤ交換ガイド部材70を設けることにより、図8に示したタイヤローラ本体1の外への車輪の引き出し操作を一層円滑に行うことができる。
【0041】
本具体化例では、油圧モータ4の回転を減速手段で減速して駆動軸タイヤ列7の駆動軸に伝達する場合に、駆動軸タイヤ列7の駆動軸を配設したアクスル46を設けて、このアクスル46に減速手段をまとめて配設するようにしたことにより、駆動軸タイヤ列7周辺の機器を集めてコンパクトに配置することができ、タイヤローラの限られた空間を有効に活用できるとともに保守点検の便もよく、さらに、車輪の交換操作時に車輪を遊星歯車減速装置等に接触させてこれを損傷させる危惧もない。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、舗装面転圧用のタイヤを有する複数の車輪を駆動軸に取り付けて構成された駆動軸タイヤ列を複数組備え、変速手段の回転を減速手段で減速して各駆動軸タイヤ列の駆動軸に伝達させるようにしたタイヤローラにおいて、「減速手段を遊星歯車減速装置で構成して、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置を、遊星歯車減速装置の駆動側に制動力を付与できるように設置するとともに、遊星歯車減速装置の従動側にその車輪の駆動軸を取り付け、これにより、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置を小型化するとともに、この制動装置を遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置して、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪のタイヤを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大するようにした」ので、本発明によれば、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を着脱してタイヤを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大することができるタイヤローラが得られる。
このタイヤローラは、こうした技術手段を採用したことに加えて、「駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪の一方の車輪の駆動軸端部とこれに対向する他方の車輪との距離を一方の車輪のタイヤ幅以下にするとともに、駆動軸から取り外した一方の車輪をその軸心に対して傾動させながらタイヤローラ本体の後方に移動してタイヤローラ本体の外に引き出せるように、一方の車輪の駆動軸の周辺付近の空間を形成するようにした」ので、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪の一方の車輪の駆動軸端部とこれに対向する他方の車輪との距離を一方の車輪のタイヤ幅以下にしたものでありがら、駆動軸から取り外した一方の車輪を、他方の車輪周辺部に干渉させることなくタイヤローラ本体の外に引き出すことができる。
【0043】
本発明を具体化する場合、特に特許請求の範囲の請求項2に記載の技術手段を採用すれば、こうした基本的な効果を奏することに加え、駆動軸タイヤ列周辺の機器を集めてコンパクトに配置することができ、タイヤローラの限られた空間を有効に活用できるとともに保守点検の便もよく、さらに、車輪の交換操作時に車輪を遊星歯車減速装置等に接触させてこれを損傷させる危惧もない。本発明を具体化する場合、特に特許請求の範囲の請求項3に記載の技術手段を採用すれば、駆動軸から取り外した一方の車輪を、他方の車輪周辺部に干渉させることなくタイヤローラ本体の外に引き出す際に、その車輪の引き出し操作を一層円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例のタイヤローラの全体像を後部を破断して示す側面図である。
【図2】本発明の具体化例のタイヤローラの要部を破断して示す背面図である。
【図3】図2の矢印A方向からみた矢視図である。
【図4】図12のタイヤローラとの比較において本発明の作用効果を説明するための、タイヤローラの駆動軸タイヤ列部を一部破断して示す背面図である。
【図5】本発明の具体化例のタイヤローラの要部の拡大図である。
【図6】図5のB部及びその周辺を拡大して示した部分拡大図である。
【図7】本発明の具体化例のタイヤローラにおいて車輪を駆動軸から取り外す際の操作を説明するための図4と同様の図である。
【図8】本発明の具体化例のタイヤローラにおいて車輪を機外へ引き出すときの作業過程を説明するための平面図である。
【図9】図8の作業過程で車輪を機外へ引き出すのに好適なように本発明を具体化したタイヤローラの例を示す図4と同様の図である。
【図10】従来の一般的なタイヤローラの全体像を後部を破断して示す側面図である。
【図11】図10のタイヤローラの左側半分の背面図である。
【図12】従来の技術に係るタイヤローラの駆動軸タイヤ列付近の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤローラ本体
2 原動機
3 HST用の油圧ポンプ
4 HST用の油圧モータ
7 駆動軸タイヤ列
7a〜7d タイヤ
8 遊動軸タイヤ列
41 油圧モータ用のブラケット
42 プロペラシャフト
43 入力側のダイヤフラムカップリング
44 スプライン軸
45 出力側のダイヤフラムカップリング
46 アクスル
47 アクスル取付用のブラケット
49 タイヤリム
49a リム部
49b 結合部材
51 ピニオン
52 傘歯車
53 サンギヤシャフト
54 リングギヤ
55 プラネタリギヤ
56 アーム
57 アクスルシャフト
57a ハブ
58 制動装置設置部
60 制動装置
61 固定リング
62 可動リング
63 ピストン
64 圧力室
65 ブレーキ板
70 タイヤ交換ガイド部材

Claims (3)

  1. 舗装面転圧用のタイヤを有する複数の車輪を駆動軸に取り付けて構成された駆動軸タイヤ列を複数組備え、変速手段の回転を減速手段で減速して各駆動軸タイヤ列の駆動軸に伝達させるようにしたタイヤローラにおいて、減速手段を遊星歯車減速装置で構成して、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置を、遊星歯車減速装置の駆動側に制動力を付与できるように設置するとともに、遊星歯車減速装置の従動側にその車輪の駆動軸を取り付け、これにより、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪を制動するための制動装置を小型化するとともに、この制動装置を遊星歯車減速装置の駆動側寄りに配置して、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪のタイヤを交換するときの車輪の移動操作に有効な空間を拡大するようにし、さらに、駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪の一方の車輪の駆動軸端部とこれに対向する他方の車輪との距離を一方の車輪のタイヤ幅以下にするとともに、駆動軸から取り外した一方の車輪をその軸心に対して傾動させながらタイヤローラ本体の後方に移動してタイヤローラ本体の外に引き出せるように、一方の車輪の駆動軸の周辺付近の空間を形成するようにしたことを特徴とするタイヤローラ。
  2. 遊星歯車減速装置及び制動装置を、駆動軸タイヤ列の駆動軸を内蔵するアクスル内に配設し、アクスルをタイヤローラに取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載のタイヤローラ。
  3. 駆動軸タイヤ列同士の隣接部に位置する車輪がタイヤを装着して駆動軸に取り付けるためのタイヤリムを有し、この車輪の駆動軸がタイヤリムを着脱可能に固着するためのハブを有するようにして、このハブに、車輪を駆動軸から取り外して傾動させるときにタイヤリムをガイドすることができるタイヤ交換ガイド部材を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤローラ。
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