JP3661952B2 - 転圧ローラ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、流体圧モータによって駆動輪を駆動をするタイヤローラ等の転圧ローラに係り、特に、上記駆動輪の駆動構造に特徴を有する転圧ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の転圧ローラとしては、例えば、図8に示すようなものがある。
これは、エンジン50に油圧ポンプ51の回転軸が連結し、その油圧ポンプ51は、上記エンジン50からの動力伝達によって回転駆動されて作動油を吐出可能となっている。その油圧ポンプ51の吸入口及び吐出口には、それぞれ供給配管又は戻り配管を構成する各油圧配管52,53の一端部が接続されている。その各油圧配管52,53は、それぞれ車体前後方向後方に延設され、その他端部を、アキシャルピストンモータ等からなる油圧モータ54に接続している。その油圧モータ54の回転軸は、減速機55を介してディファレンシャルギヤ56に連結され、そのディファレンシャルギヤ56は、チェーン機構57を介して、その下方に配置された後輪58(駆動輪)の車軸に駆動トルクを伝達可能となっている。
【0003】
ここで、上記車軸を回転支持するアクスルハウジングには、その外周面に対して、その周方向に沿ってリング形状の取付けフランジが形成されていて、その取付けフレームが、車体フレームから垂下しているブラケットにボルト止めされることで、当該アクスルハウジングは、車体フレームに固定される。
また、車体の前部には、ヨーク59を介して旋回可能に前輪60(案内輪)が配設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の転圧ローラにおいては、駆動輪に駆動トルクを伝達するために、油圧モータ54の他に、減速機55やチェーン機構57等の多数の部品が必要である。このため、駆動構造が複雑であり且つ各構成部品の組付けやメンテナンスが煩雑になるという問題がある。
【0005】
また、上記のように、油圧モータ54からの駆動トルクをギヤやチェーンを介して車軸に伝達する構造では、ギヤのバックラッシやチェーンの伸び,摩耗等により、車輪回転のとき、特に車両の発進・停止の際に、揺れ戻り等の現象が車両に生じることがある。これは、転圧した路面が波打った凹凸形状となる一因となり、好ましくない。
【0006】
また、上記アクスルハウジングに設けられる取付けフランジは、厚さ方向を車幅方向に向けているので、その取付けフランジを上記ブラケットに接合するボルトの軸は、車幅方向に向く。このため、車軸に駆動輪が取付けられている状態では、上記ボルトの取付け、取り外しが困難である。このため、アクスルハウジングを車体に取付けてから、そのアクスルハウジングに支持される車軸に駆動輪を取り付けざるを得ない。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、駆動輪への動力の伝達構造を簡略化すると共に、上記のような車両の揺れ戻り等の現象の発生を回避可能な転圧ローラを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1の転圧ローラは、流体圧モータによって駆動輪を駆動する転圧ローラにおいて、上記流体圧モータを車幅方向中央部又は略中央部に配設し、その流体圧モータのハウジングから車幅方向両側にそれぞれ出力軸を突出させて、その出力軸の各突出部に、それぞれ一個又は複数個の駆動輪を取り付け、上記流体圧モータのハウジングは、上記出力軸を回転可能に支持するアクスルハウジングに固定され、そのアクスルハウジングは、左右の駆動輪の間の位置で車体側に取り付けられ、車体前後方向に開口するボルト穴を有して上記アクスルハウジングに設けられた取付けフランジと、車体フレームに設けられて上記取付けフランジに車体前後方向から当接可能な当接部を持ったブラケットと、を備え、上記取付けフランジと上記当接部とが、軸を車体前後方向に向けたボルトで接合されることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載された構成に対して、上記流体圧モータは、ハウジングがカムリングを構成するラジアルピストンモータであって、その流体圧モータのハウジングは、上記アクスルハウジングに着脱可能に固定されることを特徴としている。
【0011】
【作用】
請求項1に記載した発明においては、油圧モータの出力軸を駆動車軸とし、その出力軸の左右の先端部に、それぞれ駆動輪を1個又は複数個,個別に固定することにより、油圧モータの駆動トルクが直接、左右の駆動輪に対して伝達可能となる。
【0012】
この結果、チェーン機構や減速機を介して駆動輪へ駆動トルクを伝達する機構でないので、構成が簡略化すると共に、ギヤのバックラッシやチェーンの伸びに基づく不具合の発生が回避される。
さらに、減速機等が不要となると共に一個の油圧モータによって左右の駆動輪を駆動する構成であるので、駆動輪に駆動トルクを伝達する部品が小型化する。
【0013】
また、上記出力軸の車幅方向に延びる各先端部は、それぞれ複数個の車輪が取付け可能な長さを有しているため、複数個の車輪を、出力軸の各先端部にそれぞれ取付け可能であると共に、アクスルハウジングを交換することなく、上記先端部に取り付けるディスクホイールやハブを入替えることなどで、幅の異なる駆動輪を取付け可能となる。
【0014】
また、請求項1に記載した発明においては、アクスルハウジングと一体的となっている出力軸に全駆動輪を取付けた状態で、アクスルハウジングを車体フレームに取付けたり取り外したりすることが可能となる。
このとき、左右の駆動輪の間は、車幅方向における駆動輪間で比較的間隔が開いている位置であるので、アクスルハウジングの車体フレームへの取付け・取り外し作業が容易である。
【0015】
また、アクスルハウジングの車体フレームへの取付け部分が、左右の駆動輪の間に設けられるので、当該取付け部分は、出力軸の各先端部に駆動輪を取付ける際の邪魔となることはない。
また、請求項1に記載した発明では、アクスルハウジングを車体側に取り付けるボルトの軸が車体前後方向に向いているので、出力軸に駆動輪が取り付けられていても、その駆動輪に邪魔されることなく、容易にアクスルハウジングを車体側に取り付けられる。
【0016】
また、請求項2に記載した発明では、カムリングを構成する流体圧モータのハウジングは、アクスルハウジングに着脱可能に取り付けられているので、当該カムリングを構成するモータハウジングを交換することで、流体圧モータのモータ容量、即ち駆動トルクを変更することが可能となる。
【0017】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例では、転圧ローラとしてキャビン付きタイヤローラを一例として説明する。
まず全体構成について説明すると、図1に示すように、キャビン付きタイヤローラは、車体の後部上側にキャビン(運転者室)1が設けられている。また、車体の前部には、3本のタイヤ案内輪2(前輪)が車幅方向に等間隔で配置されると共に、車体の後部には、左右各2輪づつ4本の駆動輪3(後輪)が配置されている。
【0018】
上記キャビン1内には、運転席4、ステアリングホィール5の他、図示しない計器類、ブレーキペダル及び駐車ブレーキレバー等の各種操作レバーが配設されている。
また、上記3本の案内輪2のうち中央に位置する案内輪2は、水平配置された四角形状のフレーム6に囲まれ、そのフレーム6に、案内輪2の車軸が回転自在に支持されている。また、上記フレーム6は、上側からヨーク7によって支持されている。そのヨーク7は、案内輪2を上側から跨ぐように配置されると共に、上端部が、上下軸周りに旋回可能に旋回軸受8を介して車体のフロントフレーム9に支持されている。
【0019】
そして、上記ヨーク7から車幅方向に延在する操舵アーム7aにステアリングホィール5が連結していて、そのステアリングホィール5の操作に応じて、操舵用シリンダ8が作動することで、案内輪2が転舵するようになっている。
また、キャビン1前方の下部位置には、エンジン10が配置されている。そのエンジン10は、図示しないクランク軸を車幅方向に向けて所謂横置きに配置されることで、車両の重量分布が前方に偏らないようにして車両の前後の重量バランスを確保している。
【0020】
また、エンジン10の車幅方向の一端部(左端部)には、油圧ポンプ11が取り付けられている。油圧ポンプ11は、エンジン10からの動力伝達によって回転駆動されて、作動油を後述の油圧モータ12に供給するものである。
その油圧ポンプ11の流入口には戻り配管13が接続され、吐出口には供給配管14が接続されている。その両配管13,14は、それぞれ車体前後方向後方に延設され、その各端部は、それぞれ油圧モータ12の吐出口及び流入口に接続されている。
【0021】
上記油圧モータ12は、図2及び図3に示すように、多行程型ラジアルピストンモータである。この多行程型ラジアルピストンモータは、薄型でかつ低速高トルクを発生する公知の油圧モータ12である。
その油圧モータ12の構成は、上記図2及び図3に示すように、中央部に配置された出力軸15の外周に対して同軸にシリンダブロック16が固定されている。そのシリンダブロック16は、薄型の円柱形状をしていて、その外周面には、その周方向に沿って複数(本実施例では8個)のシリンダ孔17が等間隔に形成されている。上記シリンダ孔17は、出力軸15を中心に放射状に配置されていて、各シリンダ孔17内には、それぞれ進退可能にピストン18が挿入されている。その各ピストン18の先端部にはローラ18aが回転自在に設けられている。そして、各ピストン18は、そのローラ18aを介して、外周に配置されたカムリング19のカム面19aに当接している。上記カムリングは、モータのハウンジングを兼ねている。
【0022】
また、上記各シリンダ孔17には、後述するアクスルハウジング20内に形成された通路22を介して作動油が供給可能となっている。図2中、23は、その油圧ポートであり、上記配管13,14に接続されている。そして、各シリンダ孔17内に作動油が流入することにより、ピストン18は、シリンダ孔17内を往復移動し、その移動時にローラ18aがカム面19aを押しつける反力によって、シリンダブロック16が回転し、そのシリンダブロック16と一体的になっている出力軸15が回転するようになっている。
【0023】
上記構成を有する油圧モータ12の出力軸15は、車幅方向両側に延びるように配置されて、駆動車軸を構成している。
また、上記油圧モータ12の車幅方向両側には、図2に示すように、当該油圧モータ12を挟み込むようにして一対のアクスルハウジング20,21が配置されている。その左右のアクスルハウジング20,21は、図2及び、車幅方向右側からみた図4に示すように、それぞれ上記油圧モータ12のハウジング19にボルト止めされることで、上記モータハウジング19と一体的になっている。また、各アクスルハウジング20,21は、上記出力軸15の外周に同軸に配置されると共に、軸受24を介して上記出力軸15を回転自在に支持している。
【0024】
ここで、上記右側のアクスルハウジング20には、油圧モータ12のための油圧ポート23が設けられていて、その油圧ポート23は、当該アクスルハウジング20内に形成された通路22を介して上記油圧モータ12のシリンダ孔17に連通している。また、左側のアクスルハウジング21内には、出力軸15と同軸に湿式多板ブレーキ26が配置されている。
【0025】
また、上記アクスルハウジング20,21の外周部には、車幅方向に互いに離れて形成された一対の取付けフランジ27が、上部位置及び下部位置にそれぞれ設けられている。その取り付けフランジ27は、厚さ方向を車体前後方向に向けていると共に、その中央部にボルト穴が開設されている。そして、上記アクスルハウジング20,21は、その取付けフランジ27を介して車体フレーム29に設けられたブラケット28に取り付けられている。
【0026】
上記ブラケット28は、車幅方向で対向する一対の取付けプレート28aから構成され、図5に示すように、その一対の取付けプレート28aは、車体フレーム29の車幅方向中央部から垂下している。その一対の取付けプレート28aは、車幅方向に延びる複数の補強リブ37で連結されることで補強されている。その各取付けプレート28aの車体方向後側の端面には、アクスルハウジング20,21の周方向の半分の形状に対応する略半円形状の切欠き部28bが上下方向に形成されている。各取付けプレート28aにおける上記切欠き部28bの上端部及び下端部同士間には、当接部を構成する四角柱形状の取付けブロック30がそれぞれ横架されている。その取付けブロック30の上記取付けフランジ27と当接可能な位置には、ボルト孔30aが車体前後方向に軸を向けて開設されている。
【0027】
そして、アクスルハウジング20,21を上記切欠き部28bに係合した状態で、上端部及び下端部に設けられた各取付けフランジ27を、上記取付けブロック30に車体前後方向から当接してボルト31で固定する。このとき、上記ボルト31の軸は、車体前後方向に向くため、上記ボルト31による取付け・取り外し作業の際に、左右に駆動輪3があっても当該駆動輪3は邪魔にならない。この結果、アクスルハウジング20,21及び上記油圧モータ12は、簡単に車体フレーム29に取り付けられる。
【0028】
なお、図中、32は車体後部に配置されたタンクを示している。
また、上記油圧モータ12の出力軸15は、車幅方向両側にそれぞれ延設され、その先端部15a,15bは駆動車軸を構成している。その出力軸15の左右の先端部15a,15bには、図6に示すように、それぞれ、2輪で一組をなす駆動輪3のハブ33が固定され、その各ハブ33にハブナット34を介して2個のディスクホイール35がそれぞれ取り付けられている。これによって、各出力軸15の先端部15a,15bには、それぞれ2個の駆動輪3が取り付けられることになる。
【0029】
次に、上記構成のタイヤローラの駆動等について説明する。
キャビン1内で図示しないアクセルペダルや前後切換え装置等を操作して、油圧ポンプ11から配管13を介して作動油を油圧モータ12に供給することにより、当該油圧モータ12は回転駆動されて、出力軸15、つまり駆動輪3は正回転又は逆回転して、タイヤローラは前進又は後進する。
【0030】
このように、油圧モータ12の出力軸15の左右部分に、それぞれ複数の駆動輪3を直接取り付けて、エンジン10からの動力を駆動輪3に伝達しているので、従来のような減速機、やチェーン機構等の部品が不要となり、駆動輪3を駆動する構造を簡略化することができる。
また、駆動トルクの伝達の途中に減速機やチェーン機構等の部品が介在しないため、従来のような、ギヤのバックラッシやチェーンの伸び等による、車両の揺れ戻り等の不具合の発生を抑えることができる。この結果、上記車両の揺れ戻り等による転圧した路面が波打った凹凸となることを抑えることができる。
【0031】
ここで、車速の減速は、上記油圧モータ12を低速で駆動することで実現される。特に、本実施例で油圧モータ12として採用するラジアルピストンモータは、低速高トルクを発生可能であるので問題はない。
また、エンジン10及び油圧ポンプ11をキャビン1前方に配置すると共に油圧ポンプ11をキャビン1後方に配置し、さらに、配管13,14をキャビン1側方に配置することで、運転席の床の下方には、駆動輪3を駆動する部品が配置されない。この結果、運転席の床面を下げて、キャビン1の位置を低く、つまり、車高を低く設置することができる。
【0032】
また、油圧モータ12として、薄型のラジアルピストンモータを使用することで、当該油圧モータ12を、左右の駆動輪3間に配置することができる。
また、上記油圧モータ12と一体的となっているアクスルハウジング20,21は、車幅方向における駆動輪3間で、一番間隔の開いている中央部分にブラケット28を設け、そのブラケット28に取付けフランジ27を取り付けるようにすることで、車体フレームに対して、アクスルハウジング及び油圧モータが取付け・取り外しされる。
【0033】
このために、出力軸15に全駆動輪3を取付けた状態で、アクスルハウジング20,21を車体フレームに取付け、取り外しが可能となり、組み立て、メンテナンス性が良い。
特に、一つの油圧モータ12のみしか有せず、しかも、薄型のモータであるので、アクスルハウジング20,21に油圧モータ12を設けても、当該油圧モータ12と一体的となったアクスルハウジング20,21は大型化することなく、上記取付け作業等に支障はない。
【0034】
また、上記アクスルハウジング20,21に設けた取付けフランジ27は、左右の駆動輪3間の位置に配置しているので、各出力軸15の先端部15a,15bに駆動輪3を取付ける際に、当該取付けフランジ27は邪魔となることはない。これはまた、上記アクスルハウジング20,21を交換することなく、ハブ33やディスクホイール35を入れ換えるだけで、幅の異なるタイヤを取付けることが可能となる。
【0035】
また、上記実施例では、出力軸15の各先端部15a,15bに2輪一組の駆動輪3を取付けた例を示したが、図7に示すように、各先端部15a,15bに3輪一組の駆動輪3を取付けてもよいし、左右の駆動輪3の個数を1輪と2輪のように相違させてもよい。また、駆動輪3としてタイヤの代わりに転圧輪を構成するドラム状の鉄輪を取付けても構わない。
【0036】
また、上記油圧モータ12のハウジング20,21は、アクスルハウジング20,21に着脱可能にボルト止めされているので、カムリングを構成するモータハウジング19を交換することで、油圧モータ12の容量、つまり駆動トルクを変更して、他機種の転圧ローラに流用するようにしてもよい。
また、本実施例では、出力軸15に直結したブレーキ構成であるので、低速回転している車軸を制動する構造となって、ブレーキの寿命が延びる。従来の駆動機構では、減速機の入力軸側の位置にブレーキ26があるため、高速回転する回転軸を制動するようになっていた。
【0037】
なお、上記実施例では、油圧モータ12として多行程型ラジアルピストンモータを採用しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の公知の油圧モータ12を採用してもよい。
また、上記実施例では、アクスルハウジング20,21に設ける取付けフランジ27は、上部及び下部にそれぞれ一対づつ形成しているが、これに限定されるものではない。
【0038】
但し、本実施例のように、取付けボルト31の軸が車体前後方向に向くように設定すると、当該ボルト31の脱着作業の際に、両側の駆動輪3に邪魔されることなく、当該作業が容易に実施できる。
また、上記ブレーキ26としては、湿式多板ブレーキに限定されるものではなく、単板ディスクブレーキ等、他のブレーキ装置を採用してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の転圧ローラでは、流体圧モータの駆動トルクが直接、駆動輪に伝達可能であるので、従来のようなチェーンや減速機等の部品を不要にすることができて、駆動輪を駆動する構成が簡略化すると共に、ギヤのバックラッシやチェーンの伸びによる不具合の発生が回避されるという効果がある。
【0040】
これはまた、上記減速機等が不要となると共に一個の油圧モータだけによって左右の駆動輪を駆動する構成であるので、駆動輪に駆動トルクを伝達する部品が小型化となるという効果がある。
また、上記出力軸の各先端部は、それぞれ複数の車輪が取付け可能な長さを有しているので、複数の車輪を出力軸の各先端部にそれぞれ取付け可能であると共に、アクスルハウジングを交換することなく、上記先端部に取り付けるディスクホイールやハブを入替えることなどで、幅の異なる駆動輪を取付けることができるという効果がある。
【0041】
また、請求項1に記載した発明を採用すると、アクスルハウジングと一体的となっている出力軸に全駆動輪を取付けた状態で、アクスルハウジングを車体フレームに取付けたり取り外したりすることが可能となって、組み立て性やメンテナンス性が向上する。
このとき、左右の駆動輪の間は、車幅方向における駆動輪間では比較的間隔が開いている位置であるので、アクスルハウジングの車体フレームへの取付け・取り外し作業が容易である。さらに、アクスルハウジングの車体フレームへの取付け部分が、左右の駆動輪の間に設けられるので、当該取付け部分は、出力軸の各先端部に駆動輪を取付ける際の邪魔となることがない。従って、左右の駆動輪の交換作業性が良い。
【0042】
また、請求項1に記載した発明を採用すると、出力軸に駆動輪が取付けられていても、その駆動輪に邪魔されることなく、簡単にアクスルハウジングを車体側に取付け・取り外しが可能となるという効果がある。
また、請求項2に記載した発明を採用すると、カムリングが交換可能となっているので、当該カムリングを交換することで、流体圧モータのモータ容量、即ち駆動トルクを変更することが可能となり、カムリングの交換だけで複数の機種の転圧ローラに対応可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のキャビン付きタイヤローラを示す側面図である。
【図2】本発明に係る実施例の油圧モータ、アクスルハウジング、及び出力軸の関係を示す断面図である。
【図3】本発明に係る実施例の油圧モータとしての多行程型ラジアルピストンモータを示す断面図である。
【図4】本発明に係る実施例の出力軸の軸方向からみた油圧モータのハウジングとアクスルハウジングとの結合を示す図である。
【図5】本発明に係る実施例のアクスルハウジングの車体フレームへの取付けを示す側面図である。
【図6】本発明に係る実施例の出力軸への駆動輪の取付け状態を示す図である。
【図7】本発明に係る実施例の出力軸への駆動輪の取付け状態の別の例をを示す図である。
【図8】従来の転圧ローラを示す図である。
【符号の説明】
3 駆動輪(後輪)
11 油圧ポンプ
12 油圧モータ
15 出力軸
15a,15b 出力軸の先端部
19 モータのハウジング
20,21 アクスルハウジング
27 取付けフランジ
28 ブラケット
29 車体フレーム
30 取付けブロック(当接部)
Claims (2)
- 流体圧モータによって駆動輪を駆動する転圧ローラにおいて、上記流体圧モータを車幅方向中央部又は略中央部に配設し、その流体圧モータのハウジングから車幅方向両側にそれぞれ出力軸を突出させて、その出力軸の各突出部に、それぞれ一個又は複数個の駆動輪を取り付け、上記流体圧モータのハウジングは、上記出力軸を回転可能に支持するアクスルハウジングに固定され、そのアクスルハウジングは、左右の駆動輪の間の位置で車体側に取り付けられ、車体前後方向に開口するボルト穴を有して上記アクスルハウジングに設けられた取付けフランジと、車体フレームに設けられて上記取付けフランジに車体前後方向から当接可能な当接部を持ったブラケットと、を備え、上記取付けフランジと上記当接部とが、軸を車体前後方向に向けたボルトで接合されることを特徴とする転圧ローラ。
- 上記流体圧モータは、ハウジングがカムリングを構成するラジアルピストンモータであって、その流体圧モータのハウジングは、上記アクスルハウジングに着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1に記載された転圧ローラ。
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