JP3594748B2 - 紙容器用積層材及び紙容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面物性および意匠性に優れた紙容器用積層材及びそれを使用して作製された紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、牛乳の包装に使用する紙容器や紙カップは、印刷層/ポリエチレン層/紙層/ポリエチレン層の構成の積層体からなるものが一般的であり、酒、ワイン、ポテトスナック等の包装に使用するガスバリヤ性の優れた紙容器は、印刷層/ポリエチレン層/紙層/接着層/アルミニウム箔/接着剤/ポリエチレンテレフタレート層/ポリエチレン層の構成の積層体からなるものが一般的に使用されているのであるが、これらの構成の積層体の場合、印刷層は最表面に設けられており、グラビア印刷方式等により絵柄層とオーバープリント層を紙層の外面のポリエチレン層面に直接印刷することによつて形成されているのである。しかしながら、ポリエチレン層面はインキの接着性がよくないために、ポリエチレン層面への接着性を重点にして絵柄印刷用インキないしはオーバープリント用インキの樹脂を選定しなければならず、絵柄印刷用インキないしはオーバープリント用インキに使用する樹脂の種類が限定されてしまう結果、絵柄層およびオーバープリント層における耐摩擦性、耐折曲性等の物性面において充分な強度が得られないという欠点があつた。また、絵柄層およびオーバープリント層をポリエチレン樹脂層面に直接印刷するために表面光沢が劣り意匠性の面においても良くないという欠点があつた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面絵柄層の意匠性が優れると共に、耐摩擦性、耐折曲性等の表面物性の優れた紙容器用積層材及びそれを使用して製造される紙容器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
紙基材層と最内面に形成された熱接着性樹脂層とを備え、前記紙基材層の外面にポリエチレン樹脂層が積層され、前記ポリエチレン樹脂層面に転写により表面絵柄層が形成された積層構成からなる紙容器用積層材である。この場合、表面絵柄層は転写により形成されたものであるので、優れた表面光沢を有し意匠性の優れた紙容器用積層材が得られる。
【0005】
上記の紙容器用積層材において、前記紙基材層と前記熱接着性樹脂層の間に、接着層を介してガスバリヤ層が積層されている構成とすることにより、ガスバリヤ性及び意匠性の優れた紙容器用積層材が得られる。
【0006】
上記の紙容器用積層材において、前記表面絵柄層が、転写シート基体に剥離層と絵柄層と接着剤層が順に設けられた構成の転写シートを使用して、前記転写シートの前記接着剤層面と前記紙基材層の外面とを前記ポリエチレン樹脂層にて押出ラミネーションした後に前記転写シート基体を剥離することにより形成された構成とすることにより、ポリエチレン樹脂層を紙基材層に積層する工程にて表面絵柄層の転写を行うことができるので生産効率がよくなると共に、表面に剥離層が形成されるために耐摩擦性等の表面物性が優れたものとなる。
【0007】
上記の紙容器用積層材において、前記転写シート基体の前記剥離層が形成される面に、全面ないしは部分的にマツト加工が施されている構成とすることにより、表面全面の光沢を任意に調整することができるし、絵柄に同調させて表面の光沢を部分的に調整することもできるので、優れた意匠性が得られる。
【0008】
上記の紙容器用積層材において、前記表面絵柄層が少なくとも紙容器を形成する際に熱接着される前記ポリエチレン樹脂層面の熱接着部を除いて形成されている構成とすることにより、紙容器を製造する際に熱接着性を劣化させることがない。
【0009】
上記の紙容器用積層材により、前面板と後面板と左右側面板と熱接着片とがそれぞれ折罫を介して連接された筒状胴部形成板と、前記筒状胴部形成板の上端に連接された頂部形成用の頂部成形板と、前記筒状胴部形成板の下端に連接された底部を形成するための底部成形板からなるブランク板を作製し、前記熱接着片と側面板とを熱接着して筒状に形成し、次いで底面及び頂部を熱接着することにより作製されたゲーベルトップ型紙容器である。この構成とすることにより、表面光沢及び意匠性のきわめて優れたものとなる。
【0010】
上記の紙容器用積層材により、扇形状の胴部用ブランク板を作製し、両側端縁を接着して円錐台上に形成し、底板を熱接着して取り付けると共に上端縁にカール部を形成することにより作製された紙カップである。この構成とすることにより、表面光沢及び意匠性のきわめて優れたものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の紙容器用積層材の第1実施例の積層構成を示す図、図2は第1実施例の紙容器用積層材からなるゲーベルトップ型紙容器ブランク板の表面の状態を示す平面図、図3は紙容器用ブランク板の側端接着部における積層構成を示す図、図4は表面絵柄層を形成する転写シートの構成を示す図、図5は表面絵柄層を形成する転写工程を示す概略図、図6は本発明の紙容器用積層材の第2実施例の積層構成を示す図、図7は第2実施例の紙容器用積層材からなる紙カップ胴部ブランク板の表面の状態を示す平面図であつて、1は表面絵柄層、1aは保護層、1bは絵柄層、1cは接着剤層、2はポリエチレン樹脂層、3は紙基材層、4は接着層、5はガスバリヤ層、6は熱接着性樹脂層、7は側端熱接着部、8は上下熱接着部、9は折罫、10は転写シート、11は転写シート基体、12a は剥離層、12b は絵柄層、12c は接着剤層をそれぞれ表す。
【0012】
本発明の紙容器用積層材の第1実施例の積層構成は、図1に示すように、表面から順に表面絵柄層1とポリエチレン樹脂層2と紙基材層3と接着層4とガスバリヤ層5と熱接着性樹脂層6とが積層された積層体からなり、表面絵柄層1は保護層1aと絵柄層1bと接着剤層1cによつて構成されている。表面絵柄層1は、ポリエチレン樹脂層2を熱溶融押出しして、紙基材層3と転写シートを積層した後に転写シート基体を剥離する転写印刷により、ポリエチレン樹脂層2の表面に形成されたものである。
【0013】
第1実施例の紙容器用積層材を使用して作製される紙容器の1例はゲーベルトップ(切り妻屋根)型紙容器であつて、そのブランク板は、図2に示すとおり、前面板と後面板と左右側面板と熱接着片とがそれぞれ折罫を介して連接された筒状胴部形成板と、筒状胴部形成板の上端に連接された端縁に熱接着片を備えた頂部を形成するための頂部成形板と、筒状胴部形成板の下端に連接された底部を形成するための底部成形板とからなる形状であつて、ブランク板の表面の熱接着片における筒貼りするための側端熱接着部7及び内容物を充填して屋根型に頂部を形成して密封するための上下熱接着部8を除いた領域に表面絵柄層1が形成されている。上記ブランク板から作製されたゲーベルトップ型紙容器に内容物を充填して包装が完了した状態で表面に露出する領域全面に表面絵柄層1が形成された状態となつている。
【0014】
本発明の紙容器用積層材の第2実施例の積層構成は、図6に示すように、表面から順に表面絵柄層1とポリエチレン樹脂層2と紙基材層3と熱接着性樹脂層6とが積層された積層体からなり、表面絵柄層1は保護層1aと絵柄層1bと接着剤層1cによつて構成されている。第2実施例の場合も第1実施例と同様に、表面絵柄層1は、ポリエチレン樹脂層2を熱溶融押出しして、紙基材層3と転写シートを積層した後に転写シート基体を剥離する転写印刷により、ポリエチレン樹脂層2の表面に形成されたものである。
【0015】
第2実施例の紙容器用積層材を使用して作製される紙容器の1例は胴部が第2実施例の紙容器用積層材にて構成された紙カップである。胴部を構成するブランク板の形状は図7に示すとおり、扇形状であって上下の端縁に沿って上下熱接着部8が設けられると共に一方の側端縁に沿って側端熱接着部7が設けられており、上下熱接着部8と側端熱接着部7の領域を除く中央部全面に表面絵柄層1が形成されているので、紙カップに成形された状態で外表面に露出する領域全体に表面絵柄層1が形成されたものとなる。
【0016】
上記の第1及び2実施例の紙容器用積層材において、表面絵柄層1は保護層1aと絵柄層1bと接着剤層1cの3層にて構成されており、絵柄層1bは接着剤層1cを介してポリエチレン層2に接着されると共に表面に保護層1aが形成されており、絵柄層1bは保護層1aと接着剤層1cにサンドイッチされた状態になつているので、表面絵柄層1は耐磨耗性に優れると共に、折罫9が形成された部分においてもインキの割れないしは剥離が発生しない。また、保護層1a及び絵柄層1bは接着剤層1cを介してポリエチレン層2に接着されているので、保護層1a及び絵柄層1bを形成するインキに使用する樹脂が制限されることがないので物性の優れた樹脂を使用することが可能になる。表面絵柄層1は耐磨耗性、耐折曲性に優れたゲーベルトップ型紙容器ないしは紙カップが得られる。
【0017】
本発明の紙容器用積層材を使用して作製されるゲーベルトップ型紙容器ないしは紙カップの、図2ないしは図7に示すブランク板において、側端熱接着部7及び上下熱接着部8に隣接する表面絵柄層1の端縁部は、図3に示すように、保護層1aは絵柄層1bより大きく且つ接着剤層1cは保護層1aより大きく形成されていることが好ましく、表面絵柄層1は転写により形成されるので、上記の構成とすることで、絵柄層1bを保護層1aと共に転写シート基体から完全に剥離させて転写することができると共に、保護層1a及び絵柄層1bは接着剤層1cを介してポリエチレン樹脂層2に完全に接着させることができる。また、側端熱接着部7及び上下熱接着部8に表面絵柄層1が被さることがないので熱接着を完全に行うことができる。
【0018】
ポリエチレン樹脂層2面に表面絵柄層1を形成するための転写シート10は、図4に示すように、転写シート基体11面に剥離層12a と絵柄層12b と接着剤層12c が印刷により積層された構成であり、この転写ート10を使用してポリエチレン樹脂層2面に転写印刷することにより、剥離層12a が表面層となって保護層1aを形成して、保護層1aと絵柄層1bと接着剤層1cからなる表面絵柄層1が形成されるものである。転写シート基体11に形成する剥離層12a と絵柄層12b と接着剤層12c の面積に関しては、剥離層12a を表面絵柄層1に対応した形状で設け、その上に周縁部にて1mm以上小さい面積で絵柄層12b を設け、更にその上に周縁部にて剥離層12a より1mm以上大きい面積で接着剤層12c を形成することが好ましい。接着剤層12c はポリエチレン樹脂層2との熱接着性および接着剤層12c 面同士の熱接着性に優れた樹脂を使用するので、転写シート基体11の全面に接着剤層12c を設けるようにしてもよい。その場合には、転写シートを作製する際に、接着剤層12c を絵柄層12b に見当を合わせて印刷する必要がなくなるので転写シートの印刷が容易となる。
【0019】
転写シート10に使用する転写シート基体11としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム、2軸延伸ポリプロピレンフイルム等の耐熱性および寸法安定性に優れた2軸延伸フイルムが使用できる。転写によりポリエチレン層2面に形成される表面絵柄層1の表面状態、即ち保護層1aの表面状態は、転写シート基体11の表面状態が転写されて形成されるものであるので、転写シート基体11の表面状態を変化させることにより表面絵柄層1の表面状態を任意に変化させることができるものである。表面が平滑で光沢のある転写シート基体11を使用すれば表面絵柄層1の表面は優れた光沢表面が得られる。また、表面に微細凹凸が形成された表面が艶消しの転写シート基体11を使用すれば、表面絵柄層1の表面は転写シート基体11の表面の微細凹凸に対応した艶消し状態とすることができる。更に、転写シート基体11表面の絵柄層12b に対応した位置にマット加工を施しておくことにより、表面絵柄層1の表面を絵柄層12b に対応させて部分艶消しの状態とすることができるので、表面光沢を絵柄に同調させて変化させることが可能になり、意匠に変化をもたせることができるので優れた意匠性を有する紙容器とすることができる。転写シート基体11面の部分マット加工は、マット剤を含有する印刷インキにて印刷することにより容易に行うことができる。
【0020】
本実施例における絵柄層1bは、印刷絵柄のみにて形成してもよいし、印刷絵柄と金属蒸着層とを組み合わせた構成としてもよい。絵柄層1bは、グラビア印刷等により形成されるものであり、インキとしては通常の透明ないしは不透明のインキ、光輝性の金インキ、銀インキ、パールインキ、高彩色インキ、示温インキ、蓄光インキ等を使用することができる。絵柄層1bとして金属蒸着層を使用する場合には、紙容器のブランク板における上下熱接着部及び側端熱接着部の領域には金属蒸着層がこないように部分的に設けるようにする必要がある。上下熱接着部及び側端熱接着部の領域に金属蒸着層があると熱接着強度が低下するので好ましくない。金属蒸着層としては一般にアルミニウム蒸着層が使用される。絵柄層1bとしてアルミニウム蒸着層を単独で使用する場合には銀色のメタリック調となるので、アルミニウム箔を表面に積層した場合と同様の光沢の優れたメタリック調の意匠が得られる。透明インキによる印刷層とアルミニウム蒸着とを組み合わせることにより、着色されたメタリック調の絵柄が得られる。また、金属蒸着層を印刷絵柄に見当を合わせて部分的に設けることもできるので、デザインの多様化を図って意匠性を高めることができる。
【0021】
転写シート10の剥離層12a として使用できる樹脂としては、転写シート基体11との剥離が良好な樹脂、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂等が使用できる。剥離層12a は転写された状態で保護層1aとなるので、剥離層12a に使用する樹脂は耐磨耗性の優れたものを選定することが必要である。絵柄層12b として使用できる樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、セルロース系樹脂等が使用できる。接着剤層12c は、ポリエチレン樹脂層2に剥離層12a および絵柄層12b を完全に接着させると共に、ポリエチレン樹脂層2面との熱接着を阻害しない樹脂を選定することが必要であり、上記の性質を有する樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンの単体ないしはこれらの混合物が使用できる。また、転写シートを接着剤層12c を設けない構成として、ポリエチレンの押出ラミネーションによりポリエチレン樹脂層2面に転写シートの絵柄層12b 面を積層して転写印刷する工程において、転写シートの絵柄層12b 面に全面にポリエチレンイミン等のアンカーコート剤を塗布するようにしてもよい。
【0022】
転写により紙基材層3の表面に積層されたポリエチレン樹脂層2面に表面絵柄層1を形成する方法は、図4に示すような、転写シート基体11に剥離層12a と絵柄層12b と接着剤層12c が積層された構成の転写シート10を使用して、転写シート10の接着剤層12c 面と紙基材層3の外面とを、図5に示すように、ポリエチレンを使用して押出ラミネーションを行うことにより、転写シート10と紙基材層3とを積層した後に、転写シート基体11を剥離することにより行われる。押出ししたポリエチレンにより紙基材層3の外面にポリエチレン樹脂層2が形成されるのと同時に、ポリエチレン樹脂層2面に表面絵柄層1を転写することができるので製造工程を簡略化できる。
【0023】
本発明の液体用紙容器の積層構成において、接着層4としては低密度ポリエチレン、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等が使用できる。ガスバリヤ層5としてはアルミニウム箔、金属蒸着プラスチツクフイルム、金属酸化物蒸着プラスチツクフイルム等が使用できる。熱接着性樹脂層6としては低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−αオレフイン共重合体等が使用できる。
【0024】
【実施例】
実施例1
転写シート基体として厚さ16μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを使用し、その一方の面にアクリル系樹脂からなるインキにて剥離層を、アクリル・塩化ビニル系樹脂からなるインキにて絵柄層を、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなるインキにて接着剤層を、それぞれグラビア印刷により形成して転写シートを作製した。
別に、厚さ7μのアルミ箔と厚さ12μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムとをウレタン系接着剤を使用してドライラミネーシヨンにより積層し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム面にアンカーコートを行って40μのポリエチレンフイルムを20μのポリエチレンにて押出ラミネーシヨンして積層し、次いで、上記積層体のアルミ箔面と320g/m2 の板紙とを20μのエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂により押出ラミネーシヨンして積層して紙層を含む積層体を作製した。
上記で得た紙層を含む積層体の板紙面と先に作製した転写シートの接着剤層面とを、20μ厚さのポリエチレンにて押出ラミネーションした後に、転写シート基体を剥離することにより表面絵柄層を形成したロール状の紙容器用積層材を作製した。
上記で作製した紙容器用積層材を使用して、所定形状に打抜くと同時に折罫を形成してゲーベルトップ型紙容器のブランク板を作製し、そのブランクを常用の方法にて筒貼りした後に、底部及び屋根型の頂部を熱接着により形成してゲーベルトップ型紙容器を作製した。
得られたゲーベルトップ型紙容器は優れた表面光沢及び意匠性を有すると共に、表面の耐摩擦性、耐折曲性に優れたものであった。
【0025】
【実施例】
実施例2
転写シート基体として厚さ16μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを使用し、その一方の面にアクリル系樹脂からなるインキにて剥離層を、アクリル・塩化ビニル系樹脂からなるインキにて絵柄層を、更にアルミニウム蒸着層を必要としない領域に水溶性のインキにて溶解層を、それぞれグラビア印刷により形成した後に、その絵柄層の全面にアルミニウム蒸着層を形成した後に溶解層を溶解除去して、紙容器を作製する際に熱接着部となる領域を除いてアルミニウム蒸着層が形成された転写シートを作製した。
320g/m2 の板紙の一方の面に厚さ25μのポリエチレン樹脂層を押出ラミネーシヨンにより積層した積層体の板紙面と、上記で作製した転写シートのアルミニウム蒸着層面とを、アルミニウム蒸着層面にアンカーコートを行って、20μ厚さのポリエチレン樹脂層を押出ラミネーシヨンすることにより積層した後に転写シート基体を剥離することにより、ポリエチレン層に転写によりメタリック調の表面絵柄層が形成されたロール状の紙容器用積層材を作製した。
上記で作製した紙容器用積層材を、扇形状に打ち抜いて胴部ブランクを作製し、通常のカツプ成形機により、両側端縁を接着して円錐台状に形成し、底板を熱接着して取り付けると共に、上端縁にカール部を形成して紙カップを得た。
この紙カップは、表面層としてアルミニウム箔を使用したものに匹敵する優れた表面光沢及び意匠性を有するものであった。
【0026】
【発明の効果】
紙基材層と最内面に形成された熱接着性樹脂層とを備え、紙基材層の外面にポリエチレン樹脂層が積層され、ポリエチレン樹脂層面に転写により表面絵柄層が形成された積層構成からなる紙容器用積層材とすることにより、表面絵柄層は転写により形成されたものであるので、優れた表面光沢を有し意匠性の優れた紙容器用積層材が得られる。
上記の紙容器用積層材において、紙基材層と熱接着性樹脂層間に接着層を介してガスバリヤ層が積層された構成とすることにより、ガスバリヤ性及び意匠性の優れた紙容器用積層材が得られる。
上記の紙容器用積層材において、表面絵柄層が、転写シート基体に剥離層と絵柄層と接着剤層が順に設けられた構成の転写シートを使用して、転写シートの接着剤層面と紙基材層の外面とを前記ポリエチレン樹脂層にて押出ラミネーションした後に転写シート基体を剥離することにより形成された構成とすることにより、ポリエチレン樹脂層を紙基材層に積層する工程にて表面絵柄層の転写を行うことができるので生産効率がよくなると共に、表面に剥離層が形成されるために耐摩擦性等の表面物性が優れたものとなる。
上記の紙容器用積層材において、転写シート基体の剥離層が形成される面に、全面ないしは部分的にマツト加工が施されている構成とすることにより、表面全面の光沢を任意に調整することができるし、絵柄に同調させて表面の光沢を部分的に調整することもできるので、優れた意匠性が得られる。
上記の紙容器用積層材において、表面絵柄層が、少なくとも紙容器を形成する際に熱接着される熱接着部には設けられていない構成とすることにより、紙容器を製造する際に熱接着性を劣化させることがない。
上記の紙容器用積層材により、前面板と後面板と左右側面板と熱接着片とがそれぞれ折罫を介して連接された筒状胴部形成板と、筒状胴部形成板の上端に連接された頂部形成用の頂部成形板と、筒状胴部形成板の下端に連接された底部を形成するための底部成形板からなるブランク板を作製し、熱接着片と側面板とを熱接着して筒状に形成し、次いで底面及び頂部を熱接着することにより作製されたゲーベルトップ型紙容器である。この構成とすることにより、表面光沢、意匠性に優れ、耐摩擦性、耐折曲性等の表面物性に優れたものとなる。
上記の包装用積層材により、扇形状の胴部用ブランク板を作製し、両側端縁を接着して円錐台状に形成し、底板を熱接着して取り付けると共に上端縁にカール部を形成することにより作製された紙カップであるので、表面光沢、意匠性に優れたものとすることができる。また、表面絵柄層にアルミニウム蒸着層を使用することにより、表面にアルミニウム箔を積層した紙カツプよりも意匠性の優れた紙カップとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙容器用積層材の第1実施例の積層構成を示す図。
【図2】第1実施例の紙容器用積層材からなるゲーベルトップ型紙容器ブランク板の表面の状態を示す平面図。
【図3】紙容器用ブランク板の側端接着部における積層構成を示す図。
【図4】表面絵柄層を形成する転写シートの構成を示す図。
【図5】表面絵柄層を形成する転写工程を示す概略図。
【図6】本発明の紙容器用積層材の第2実施例の積層構成を示す図。
【図7】第2実施例の紙容器用積層材からなる紙カップ胴部ブランク板の表面の状態を示す平面図。
【符号の説明】
1 表面絵柄層 7 側端熱接着部
1a 保護層 8 上下熱接着部
1b 絵柄層 9 折罫
1c 接着剤層 10 転写シート
2 ポリエチレン樹脂層 11 転写シート基体
3 紙基材層 12a 剥離層
4 接着層 12b 絵柄層
5 ガスバリヤ層 12c 接着剤層
6 熱接着性樹脂層
Claims (4)
- 転写シート基体に剥離層と絵柄層と接着剤層が順に設けられた構成の転写シートを使用して、前記転写シートの前記接着剤層面と、紙基材層と最内層に形成された熱接着性樹脂層とを備えた積層材の前記紙基材層の外面とをポリエチレン樹脂層にて押出ラミネーションした後に前記転写シート基体を剥離することにより表面絵柄層が形成された積層構成からなると共に、前記表面絵柄層が少なくとも紙容器を形成する際に熱接着される前記ポリエチレン樹脂層面の熱接着部を除いて形成されていることを特徴とする紙容器用積層材。
- 前記転写シート基体の前記剥離層が形成される面に、全面ないしは部分的にマット加工が施されていることを特徴とする請求項2記載の紙容器用積層材。
- 請求項1、2のいずれかに記載の紙容器用積層材により、前面板と後面板と左右側面板と熱接着片とがそれぞれ折罫を介して連接された筒状胴部形成板と、前記筒状胴部形成板の上端に連接された頂部形成用の頂部成形板と、前記筒状胴部形成板の下端に連接された底部を形成するための底部成形板からなるブランク板を作製し、前記熱接着片と側面板とを熱接着して筒状に形成し、次いで底面及び頂部を熱接着することにより作製されたゲーベルトップ型紙容器。
- 請求項1、2のいずれかに記載の紙容器用積層材により、扇形状の胴部用ブランク板を作製し、両側端縁を接着して円錐台形に形成し、底板を熱接着して取り付けると共に上端縁にカール部を形成することにより作製された紙カップ。
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