JP3593684B2 - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶配向剤および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、液晶配向膜としたとき、液晶の配向性が良好で、液晶の発現するプレチルト角が大きく、且つその、ラビング後の洗浄工程による依存性が少ない液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、正の誘電異方性を有するネマチック型液晶を、ポリイミドなどの有機ポリマーからなる液晶配向膜を有する透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、液晶分子の長軸が基板間で90度連続的に捻れるようにしてなるTN型液晶表示素子が知られている。このTN型液晶表示素子における液晶の配向は、ラビング処理が施された液晶配向膜により形成されている。
【0003】
また、コントラストおよび視角依存性に優れた液晶表示素子であるSTN(Super twisted nematic)型液晶表示素子は、液晶としてネマチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたものを用い、液晶分子の長軸を基板間で180度以上連続的に捻ることにより生じる複屈折効果を利用するものである。この場合、液晶を基板間で180度以上捻るために、高いプレチルト角を有する配向膜が必要となる。さらに、前出のTN型液晶表示素子においても、液晶セル駆動時のリバースチルト現象による表示不良を抑制するために、高いプレチルト角を有する液晶配向膜が望まれるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
有機ポリマーの液晶配向膜において、大きい、例えば3度以上のプレチルト角は、ポリマー中へ長鎖アルキル基を導入することなどで達成されるが、得られるプレチルト角は、プロセスによる依存性が大きく、特に、ラビング後の液晶配向膜の洗浄工程により、大きく変化してしまうという問題点があった。
本発明の目的は、液晶配向膜としたとき、液晶の配向性が良好で、液晶の発現するプレチルト角が3度以上であり、且つプレチルト角のラビング後の洗浄工程による依存性が少ない液晶配向剤およびそれから得られる液晶配向膜を有する液晶表示素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(A)下記式(1)
【0006】
【化4】
Figure 0003593684
【0007】
(式(1)中、Rは4価の有機基を示す)
で示されるテトラカルボン酸二無水物(以下「化合物I」という)と
(B)(i)下記式(2)
【0008】
【化5】
Figure 0003593684
【0009】
(式(2)中、R2は−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれるいずれかの2価の有機基を示し、R3は1価の有機基を示す、但し、R3はアントラセン環および2個以上のベンゼン環を含まない)
で示されるジアミン化合物(以下「化合物II」という)および(ii)
【0011】
4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルまたは下記式(3)−1、(3)−2および(3)−3:
【化6】
Figure 0003593684
のそれぞれで表されるジアミン化合物(以下「化合物III」という)
とを反応させて得られるポリアミック酸(以下「重合体(A)」という)、但し、式(2)で示されるジアミンの割合は全ジアミンの3〜60モル%であり、且つ式(3)で示されるジアミンの割合は全ジアミンの10〜97モル%である、
および/または重合体(A)を脱水閉環した重合体(以下「重合体(B)」という)を含むことを特徴とする液晶配向剤が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
【0012】
以下、本発明を詳述するが、それにより本発明の目的、構成、効果および利点が明らかとなろう。
【0013】
本発明に用いられるテトラカルボン酸二無水物である化合物Iは、上記式(1)で表わされる。上記式(1)中、4価の有機基であるRはテトラカルボン酸二無水物から無水物基を除去した残基に相当する。
上記式(1)における4価の有機基Rとして、脂肪族基、芳香族基、脂環族基などを例示することができ、脂肪族基または脂環族基であることが好ましい。また、Rの炭素数は4〜14であることが好ましい。具体的には、下記式(1−1)〜(1−6)
【0014】
【化7】
Figure 0003593684
【0015】
[式(1−1)中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、a、bおよびcは、互いに独立に、0または1の整数を示す。
式(1−3)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基またはハロゲン原子を示し、dは0〜4の整数を示す。
式(1−4)中、R10は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基またはハロゲン原子を示し、eは0〜20の整数を示す。
式(1−5)中、R11は酸素原子、炭素数1〜14のアルキル基、メチレン、炭素数2〜14のアルキレン基、炭素数2〜14のアルキリデン基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、スルフィド基、スルホン基またはケトン基を示し、fは0または1の整数を示す。]
【0016】
で示される基を挙げることができる。中でも式(1−1)、(1−3)または(1−6)で示される4価の基が好ましい。
【0017】
かかる化合物Iとしては、ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂環族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0018】
これらのうちでは1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などが好ましく、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物が特に好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0019】
化合物IIは式(2)で示されるモノ置換フェニレンジアミンである。式(2)において、Rはアントラセン環および2個以上のベンゼン環を含むことのない1価の有機基である。化合物IIの好ましい例として、Rにステロイド骨格を有する下記式(4)〜(7)
【0020】
【化8】
Figure 0003593684
【0021】
【化9】
Figure 0003593684
【0022】
で示されるジアミン;
【0023】
にトリフルオロメチルフェニル基を有する3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリドなどを挙げることができる。
【0024】
化合物IIIは下記式(3)−1、(3)−2、(3)−3
【0025】
【化10】
Figure 0003593684
【0026】
【化11】
Figure 0003593684
【0027】
で表わされるジアミン、4.4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニルである
【0028】
本発明に用いられるポリアミック酸は、化合物Iと化合物IIおよび化合物IIIとを反応させて得られる。かかる反応は有機溶媒中で、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃の反応温度で行われる。
【0029】
上記化合物IIおよび化合物IIIの使用割合は、使用する全ジアミン化合物の総量に対して化合物IIは3〜60モル%、好ましくは5〜50モル%、より好ましくは10〜30モル%であり、化合物IIIは10〜97モル%、好ましくは20〜90モル%である。これらの使用割合が上記範囲を満たすことによりプレチルト角を大きくすることができ、ラビング後のIPA洗浄によるプレチルト角の変動を小さくすることが可能となる。
【0030】
また、化合物IIおよび化合物IIIの他に、本発明の効果を失わない程度で、他のジアミンを併用することができる。この他のジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニルなどの芳香族ジアミン;
【0031】
ジアミノテトラフェニルチオフェンなどのヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族あるいは脂環族ジアミン;
【0032】
下記式(15)
【0033】
【化12】
Figure 0003593684
【0034】
(式(15)中、複数のRは、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基またはフェニル基などのアリール基で例示される炭素数1〜12の炭化水素基を示し、lは1〜3の整数、mは1〜20の整数である)
で示されるジアミノオルガノシロキサンが挙げられる。
【0035】
これらの中でp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、5ーアミノー1ー(4’ーアミノフェニル)ー1,3,3ートリメチルインダン、6ーアミノー1ー(4’ーアミノフェニル)ー1,3,3ートリメチルインダン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニルなどの芳香族ジアミンが好ましい。特にp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンがとりわけ好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0036】
かかる他のジアミンの使用割合は、使用する全ジアミン化合物中、通常0〜80モル%、好ましくは0〜60モル%である。
【0037】
化合物Iと全ジアミン化合物の使用割合は、全ジアミン化合物中のアミノ基1当量に対してテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基を0.2〜2当量とするのが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2当量である。
【0038】
上記有機溶媒としては、反応で生成する重合体(A)を溶解しうるものであれば特に制限はない。例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。
【0039】
なお、前記有機溶媒には、重合体(A)の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類を生成する重合体が析出しない程度に併用することができる。かかる貧溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
【0040】
有機溶媒の使用量は、通常テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量が、反応溶液の全量に対して0.1〜30重量%になるように用いるのが好ましい。
【0041】
本発明の液晶配向剤に用いられる重合体(B)は、通常ポリイミドまたはポリイソイミドであり、上記した重合体(A)を、加熱して、または脱水剤および脱水閉環触媒の存在下で脱水閉環することにより得られる。加熱により脱水閉環する場合の反応温度は、通常60〜250℃、好ましくは100〜170℃である。また、脱水剤および脱水閉環触媒の存在下で脱水閉環化する場合の反応は、前記有機溶媒中で行うことができ、反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは60〜150℃である。脱水剤としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。脱水剤の使用量は、重合体(A)の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒の使用量は使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。
【0042】
このようにして得られる重合体(A)および重合体(B)の固有粘度(ηinh=ln(t/t)/c、但し、c=0.5g/dl、30℃、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中で測定、ここで、tはポリマー溶液の流下速度、tはN−メチル−2−ピロリドンの流下速度である。以下同条件で測定したηinhを「固有粘度」という。)は、好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0043】
また、重合体(A)合成時に、重合体の分子量調節、基板への塗布性改善などの目的で、酸無水物、モノアミン化合物などを添加することも可能であり、こうして調整された末端修飾型の重合体(A)および重合体(B)もなんら問題なく本発明の液晶配向剤として使用できる。
【0044】
ここで、末端修飾用の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられる。
【0045】
また、末端修飾用のモノアミンとしては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。
【0046】
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)および/または重合体(B)と基板との接着性のさらなる改善を目的として、以下に示す官能性シラン含有化合物を含有することもできる。
【0047】
官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシイシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができ、さらに特開昭63ー291922号公報記載のテトラカルボン酸二無水物とアミノ基含有シラン化合物との反応物などを使用することができる。
【0048】
また、本発明の液晶配向剤は、プレチルト角の更なる安定化および膜強度向上のために、種々の熱硬化性架橋剤を含有することもできる。この熱硬化架橋剤としては、多官能エポキシ基含有化合物が有効であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルジアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂などが使用できる。
【0049】
かかる多官能エポキシ基含有化合物の市販品としては、例えばエポライト400E、同3002(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピコート828、同152、エポキシノボラック180S(油化シェルエポキシ(株)製)などを挙げることができる。
【0050】
さらに、前記多官能エポキシ基含有化合物使用時に、架橋反応を効率良く起こす目的で1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどの塩基触媒を添加することができる。
【0051】
本発明の液晶配向剤は、溶媒に溶解して均一な溶液状とすることができる。
上記溶媒としては、重合体(A)および/または重合体(B)ならびに各種添加剤を溶解しうるものであれば特に制限はなく、通常重合体(A)重合時に用いた前記有機溶剤が使用される。また、この際の溶液濃度は、通常固形分濃度で0.1〜20重量%である。
【0052】
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
【0053】
まず、透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶配向剤をロールコーター法、スピンナー法、印刷法などで塗布し、80〜250℃、好ましくは120〜200℃の温度で加熱して塗膜を形成させる。この塗膜は、通常0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.5μmである。
形成された塗膜は、ナイロンなどの合成繊維からなる布を巻き付けたロールでラビング処理を行うことにより、液晶配向膜とされる。この後、ラビング時に発生するゴミを除去するなどの目的で、イソプロピルアルコールを使用して配向膜は洗浄される。
【0054】
上記基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルムなどからなる透明基板を用いることができる。
上記透明導電膜としては、SnOからなるNESA膜、In−SnOからなるITO膜などを用いることができ、これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる方法などが用いられる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラン含有化合物、官能性チタン化合物などを塗布することもできる。
【0055】
液晶配向膜が形成された基板は、その2枚を液晶配向膜をラビング方向が直交または逆平行となるよう対向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルとし、その両面に偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように張り合わせることにより液晶表示素子とされる。
【0056】
上記シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエポキシ樹脂などを用いることができる。
上記液晶としては、ネマティック型液晶、スメクティック型液晶、その中でもネマティック型液晶を形成させるものが好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶や商品名C−15、CB−15(Merck Ltd.)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の記載において、特定重合体Iはポリアミック酸を意味し、特定重合体IIはその脱水閉環重合体を意味する。
【0058】
実施例中におけるプレチルト角の測定は、[T.J. Schffer, et al., J. Appl. Phys., 19, 2013 (1980)]に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により行った。
また、液晶セルの配向性評価は、電圧をオン・オフさせた時の液晶セル中の配向不良の有無を偏光顕微鏡で観察し、配向不良のない場合良好と判断した。
【0059】
合成例1
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物16.23g(0.0724モル)とジアミンとして式(4)で示されるジアミン11.31g(0.0217モル)および4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン17.46g(0.0507モル)をN−メチル−2−ピロリドン405gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。
次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、固有粘度0.87dl/gの特定重合体I(Ia)40.25gを得た。
【0060】
合成例2
合成例1で得られた特定重合体I(Ia)40.00gに、N−メチル−2−ピロリドン 800g、ピリジン 28.63gと無水酢酸 22.17gを添加し、110℃で4時間脱水閉環させた。
次いで、反応生成液を合成例1と同様に沈澱させ、洗浄し、乾燥させ、固有粘度0.85dl/gの特定重合体II(IIa)35.75gを得た。
【0061】
合成例3
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.70g(0.1013モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを5.27g(0.0101モル)、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンを10.46g(0.0304モル)、およびp−フェニレンジアミンを6.57g(0.0608モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ib)を得、さらにこの特定重合体I(Ib)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.98dl/gの特定重合体II(IIb)36.00gを得た。
【0062】
合成例4
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を19.80g(0.0883モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを9.20g(0.0177モル)、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンを12.17g(0.0353モル)、およびp−フェニレンジアミンを3.82g(0.0353モル)、とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ic)を得、さらにこの特定重合体I(Ic)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.91dl/gの特定重合体II(IIc)36.23gを得た。
【0063】
合成例5
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を15.80g(0.0705モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを11.01g(0.0212モル)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニルを18.18g(0.0493モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Id)を得、さらにこの特定重合体II(Id)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.88dl/gの特定重合体II(IId)35.66gを得た。
【0064】
合成例6
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.33g(0.0996モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを5.19g(0.0100モル)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニルを11.01g(0.0299モル)、およびp−フェニレンジアミンを6.46g(0.0567モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ie)を得、さらにこの特定重合体I(Ie)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.92dl/gの特定重合体II(IIe)35.12gを得た。
【0065】
合成例7
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を19.78g(0.0882モル)、ジアミンとして式(3)−2で示されるジアミンを4.60g(0.0088モル)、式(4)で示される化合物を14.90g(0.0265モル)、およびp−フェニレンジアミンを5.73g(0.0529モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(If)を得、さらにこの特定重合体I(If)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.99dl/gの特定重合体II(IIf)35.60gを得た。
【0067】
合成例
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を16.36g(0.0730モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを7.60g(0.0146モル)、式(3)−1で示されるジアミンを21.04g(0.0584モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ih)を得、さらにこの特定重合体I(Ih)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.85dl/gの特定重合体II(IIh)34.55gを得た。
【0068】
合成例
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.45g(0.1001モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを5.22g(0.0100モル)、式(3)−1で示されるジアミンを10.83g(0.0300モル)、およびp−フェニレンジアミンを5.22g(0.0601モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ii)を得、さらにこの特定重合体I(Ii)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.89dl/gの特定重合体II(IIi)33.60gを得た。
【0069】
合成例10
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.73g(0.1014モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを5.28g(0.0101モル)、式(3)−2で示されるジアミンを10.41g(0.0303モル)、およびp−フェニレンジアミンを6.58g(0.0610モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ij)を得、さらにこの特定重合体I(Ij)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.82dl/gの特定重合体II(IIj)36.00gを得た。
【0070】
合成例11(比較)
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を28.58g(0.1275モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを3.32g(0.0064モル)、およびp−フェニレンジアミンを13.10g(0.1211モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ik)を得、さらにこの特定重合体I(Ik)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.98dl/gの特定重合体II(IIk)36.11gを得た。
【0071】
合成例12(比較)
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を27.66g(0.1234モル)、ジアミンとして式(4)で示されるジアミンを3.21g(0.0123モル)、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンを2.13g(0.0062モル)、およびp−フェニレンジアミンを12.01g(0.1049モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Il)を得、さらにこの特定重合体I(Il)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.95dl/gの特定重合体II(IIl)33.43gを得た。
【0072】
合成例13(比較)
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を25.02g(0.1116モル)、ジアミンとして4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンを11.53g(0.0355モル)、およびp−フェニレンジアミンを8.45g(0.0781モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Im)を得、さらにこの特定重合体I(Im)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.91dl/gの特定重合体II(IIm)36.76gを得た。
【0073】
実施例1
合成例1で得られた重合体II(IIa)6gをγ−ブチロラクトン120gに溶解させて、固形分濃度約5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過し、液晶配向剤溶液を調製した。
この溶液を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の上に透明電極面に、回転数3000rpmで3分間スピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの塗膜を形成した。
この塗膜にナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロール毛足押し込み長0.6mm、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。この後、以下に示すそれぞれの方法で洗浄を行った。
(a)IPA中に侵積し、超音波で5分間洗浄する
(b)IPA蒸気中に20分間曝して洗浄する
【0074】
次に、一対のラビング処理された基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように、しかもラビング方向が逆平行になるように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。
次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−2001)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を、偏光板の偏光方向がそれぞれの基板の液晶配向膜のラビング方向と一致するように張り合わせ、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子の配向性は良好であり、プレチルト角を測定したところ、未洗浄の場合は5.2度であり、洗浄方法(a)のとき5.1度、(b)のとき5.1度となり、洗浄によるプレチルト角依存性は小さいものであった。
【0075】
実施例2〜12および比較例1〜3
実施例1において、特定重合体II(IIa)に代えて表1および表2に記載される特定重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。液晶表示素子の配向性の良否およびプレチルト角の洗浄方法依存性の測定結果を実施例1を含めて表1および表2に示した。
【0076】
【表1】
Figure 0003593684
【0077】
【表2】
Figure 0003593684
【0078】
【発明の効果】
本発明の液晶配向剤によれば、液晶配向膜としたとき、液晶の配向性が良好で、液晶の発現するプレチルト角が3度以上であり、且つプレチルト角のラビング後の洗浄工程による依存性が少ないので、STNまたはTN型表示用として好適な液晶配向膜が得られる。
また、本発明の液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜を有する液晶表示素子は、使用する液晶を選択することにより、SH(Super Homeotropic)表示素子、強誘電表示素子にも好適に使用することができる。
さらに、本発明の液晶配向剤を用いて形成した配向膜を有する液晶表示素子は、液晶の配向性および信頼性に優れ、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
【0079】
以上、詳述した本発明の液晶配向剤に関する好ましい態様につき以下に付記する。
1. 化合物II(一般式(2)で示されるジアミン化合物)が式(4)、(5)、(6)および(7)で示されるジアミンから選ばれる少なくとも1種である液晶配向剤。
2. 化合物IIの割合が全ジアミンの5〜50モル%である液晶配向剤。
3. 化合物IIの割合が全ジアミンの10〜30モル%である液晶配向剤。
4. 化合物IIIが式(3)−1、(3)−2および(3)−3のそれぞれで示されるジアミンから選ばれる少なくとも1種である液晶配向剤。
5. 化合物IIIの割合が全ジアミンの20〜90モル%である液晶配向剤。

Claims (2)

  1. (A)下記式(1)
    Figure 0003593684
    (式(1)中、R1は4価の有機基を示す)
    で示されるテトラカルボン酸二無水物と
    (B)(i)下記式(2)
    Figure 0003593684
    (式(2)中、R2は−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれるいずれかの2価の有機基を示し、R3は1価の有機基を示す、但し、R3はアントラセン環および2個以上のベンゼン環を含まない)
    で示されるジアミン化合物 および(ii)4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルまたは下記式(3)−1、(3)−2および(3)−3:
    Figure 0003593684
    のそれぞれで表されるジアミン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸、但し、式(2)で示されるジアミンの割合は全ジアミンの3〜60モル%であり、且つ式(3)で示されるジアミンの割合は全ジアミンの10〜97モル%である、
    および/またはそのポリアミック酸を脱水閉環した重合体を含むことを特徴とする液晶配向剤。
  2. 請求項1に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備してなることを特徴とする液晶表示素子。
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