JP3593433B2 - 液晶表示装置及びこの修理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枠体の分解を簡単にして、液晶表示体の修理、交換が容易な液晶表示装置及びこの修理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における液晶表示装置は、図6、図7に示すように、金属板から成る前面枠体30は、開口31を有する前面板32と、複数の取付脚33を有する側板34とで構成され、また、合成樹脂から成る箱形の背面枠体35は、背面板36と、複数の凹部37を有する側板38とで構成されている。
また、ここでは図示しないが、液晶表示素子、駆動用プリント基板、導光体、反射板、拡散板等が積層されて構成されて成る液晶表示体39が、前記背面枠体35に収納され、前記取付脚33を前記凹部37に折り曲げ係止して、背面枠体35の背面板36と前面枠体30の前面板32とで液晶表示体39が挟持されて取り付けられている。
【0003】
このような液晶表示装置は、高価なため、液晶表示体39を構成する部品が故障、或いは破損等を生じた時、部品の修理、又は交換が行なわれる。
そして、従来においては、液晶表示装置の検査工程で液晶表示体39に問題が発見されたり、或いは使用途上において故障、破損が生じた時、先ず、折り曲げられた取付脚33を、元の状態に折り曲げて戻し、前面枠体30と背面枠体35とを分解する。
しかる後、液晶表示体39を取り出し、液晶表示体39の部品の修理、交換を行った後、再度、液晶表示体39を背面枠体35に収納し、そして、前面枠体30を被せ、取付脚33を凹部37に折り曲げ係止するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液晶表示装置においては、前面枠体30の側板34に設けた取付脚33を、背面枠体35の凹部37に折り曲げ係止するものであるため、組立作業性が悪く、コスト高になるばかりか、液晶表示体39の部品の修理、交換においても、枠体の分解のために、取付脚33を元の状態に折り曲げて戻さねばならず、その分解作業が面倒で、手間が掛かると言う問題がある。
また、取付脚33は、組立、分解、更に組立と、そのたび毎に折り曲げを繰り返すため、取付脚33に疲労が生じて折れを起こして破損するという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として、前面枠体と、背面枠体と、前記前面枠体と前記背面枠体とで挟持されて取り付けられる液晶表示体とを備え、前記前面枠体の側板には凹部を形成し、また、前記背面枠体の側板には前記凹部に嵌入する凸部を備えたバネ性を有する取付腕部を設けると共に、該取付腕部の端面に対向する前記前面枠体の前面板に、前記端面に対向して孔を設けた構成とした。
また、第2の解決手段として、前記取付腕部は、二つの前記凸部間に、前記孔に対向する溝部を備えた構成とした。
また、第3の解決手段として、前記背面枠体を合成樹脂で形成し、前記取付腕部を複数設け、該複数の取付腕部と対向する前記前面枠体に、複数の前記孔をそれぞれ形成した構成とした。
また、第4の解決手段として、前面枠体と背面枠体とで液晶表示体を挟持し、前記前面枠体の側板には、凹部を形成し、前記背面枠体の側板には、前記凹部に嵌入する凸部を形成したバネ性を有する取付腕部を設け、該取付腕部の端面と対向する前記前面枠体の前面板に、前記端面に対向して孔を形成し、該孔から治具を差し込むと、前記取付腕部が撓み前記凹部と前記凸部との係合がはずれるようにした液晶表示装置の修理方法。
また、第5の解決手段として、前記取付腕部を複数形成し、該複数の取付腕部と対向して複数の前記孔をそれぞれ形成し、前記複数の孔に対応する数の複数の前記治具を一個の保治具に取り付けて、前記複数の治具を同時に前記孔に差し込むようにした液晶表示装置の修理方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における液晶表示装置を、図1ー図5に示した実施例に基づきを説明する。
金属板から成る前面枠体1は、開口2を有する矩形の前面板3と、該前面板3の周囲から下方に折り曲げられ、孔から成る複数個の凹部4を有する側板5と、前記各凹部4の近傍の前面板3に設けられた複数個の孔6とを備えている。
また、合成樹脂から成る箱状の背面枠体7は、背面板8と、該背面板8の周囲から上方に延びる側板9と、該側板9に形成されたバネ性のある複数個の取付腕部10と、側板9の取付腕部10の両側に設けられた切り込み部11とを備えている。
【0007】
そして、前記取付腕部10は、外側部に、上下方向に形成された溝部12を挟んでその両側に設けられた二つの凸部13と、下方から端面14側に傾斜して、前記凸部13の上面に設けられた傾斜部15とを有している。
また、これらの取付腕部10は、前記凹部4に対応して形成されており、凸部13は凹部4に嵌入可能で、また、端面14は、前面枠体1の前面板3に設けられた孔6に対向するように成っている。
【0008】
また、液晶表示体16は、ここでは図示しないが、液晶表示素子、駆動用プリント基板、導光体、反射板、拡散板等が順次積層されて構成されており、この液晶表示体16は、背面枠体7の空洞部に収納され、取付腕部10の凸部13を前面枠体1の凹部4に嵌入して、前面枠体1と背面枠体7とが組み合わされると共に、液晶表示体16が両枠体1と7とで挟持されて取り付けられる。
この時、取付腕部10の端面14、及び溝部12は前面板3に設けられた孔6と対向状態にあると共に、傾斜部15の上部は凹部4から若干抜け出た状態となっている。
【0009】
次に、液晶表示装置の組立について説明すると、先ず、図3に示すように、液晶表示体16を背面枠体7に収納し、次に、この上方から前面枠体1を被せ、矢印方向に前面枠体1を押し込む。
すると、前面枠体1の側板5の下端部が取付腕部10の傾斜部15に当接して、取付腕部10を内方に撓ませながら下方に押し込まれ、取付腕部10は図4の実線で示すように、凸部13の下端が凹部4に一致した状態になると、凸部13は取付腕部10のバネ性によって、点線で示すように凹部4に嵌入して係止する。
この時、取付腕部10の端面14、及び溝部12は孔6に対向すると共に、傾斜部15の上部は、凹部4から抜け出た状態となり、且つ、液晶表示体16は、前面板3と背面板8とで挟持されて取り付けられる。
このようにして、液晶表示装置の組立が完了する。
【0010】
また、このようにして組み立てられた液晶表示装置において、検査工程で液晶表示体16に問題が発見されたり、或いは使用途上において故障、破損が生じた時の修理方法として、図5に示すように、先ず、先端がくさび形状の複数個の治具17を、一個の保持具(図示せず)に取り付けたものを用意しておく。
そして、複数個の治具17を、前面枠体1の角穴6に対向させて配置した後、各治具17を同時に孔6に差し込むと、治具17は溝部12をガイドにして取付腕部10を内方、即ち、凸部13が凹部4との係合が外れる方向に取付腕部10が撓み、係合が外れた状態において、背面枠体7を前面枠体1から抜き出す。
しかる後、背面枠体7から液晶表示体16を取り出し、液晶表示体16の部品の修理、交換を行った後、再度、液晶表示体16を背面枠体7に収納し、そして、前述したように、前面枠体1を背面枠体7に被せて、押し込むと、取付腕部10の凸部13が凹部4に係止して、両枠体1、7が組み合わせるようになる。
【0011】
前記実施例において、前面枠体1を背面枠体に、また、背面枠体7を前面枠体に使用しても良く、この場合、枠体を分解するときは、治具17を下方に位置した状態で、孔6に治具17を差し込むようになる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、バネ性を有する取付腕部の凸部を凹部に嵌合して取り付けると共に、取付腕部の端部に対向して、前面板、又は背面板に孔を設けたものであるため、前面枠体と背面枠体との取付は、両者をはめ合わせるだけで組立が出来、その組立が簡単で生産性が良好で、また、孔に治具を差し込むだけで、両枠体の分解が可能となって、液晶表示体の部品の修理、交換が容易となる。
また、二つの凸部間に溝部を設けることによって、この溝部が治具の挿入時のガイドの役目をなし、枠体の分解が容易になる。
更に、背面枠体に複数個の取付腕部を設けることによって、液晶表示体の上面を上にして、正常な状態での組立、枠体の分解が出来、その作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の斜視図。
【図2】本発明の液晶表示装置に係り、図1のK部の拡大斜視図。
【図3】本発明の液晶表示装置に係り、その組立方法を示す説明図。
【図4】本発明の液晶表示装置に係り、その組立方法を示す説明図。
【図5】本発明の液晶表示装置に係り、その分解方法を示す説明図。
【図6】従来の液晶表示装置の斜視図。
【図7】従来の液晶表示装置の要部断面図。
【符号の説明】
1 前面枠体
2 開口
3 前面板
4 凹部
5 側板
6 孔
7 背面枠体
8 背面板
9 側板
10 取付腕部
11 切り込み部
12 溝部
13 凸部
14 端面
15 傾斜部
16 液晶表示体
17 治具

Claims (5)

  1. 前面枠体と、背面枠体と、前記前面枠体と前記背面枠体とで挟持されて取り付けられる液晶表示体とを備え、前記前面枠体の側板には凹部を形成し、また、前記背面枠体の側板には前記凹部に嵌入する凸部を備えたバネ性を有する取付腕部を設けると共に、該取付腕部の端面に対向する前記前面枠体の前面板に、前記端面に対向して孔を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記取付腕部は、二つの前記凸部間に、前記孔に対向する溝部を備えた構成としたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記背面枠体を合成樹脂で形成し、前記取付腕部を複数設け、該複数の取付腕部と対向する前記前面枠体に、複数の前記孔をそれぞれ形成したことをことを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 前面枠体と背面枠体とで液晶表示体を挟持し、前記前面枠体の側板には、凹部を形成し、前記背面枠体の側板には、前記凹部に嵌入する凸部を形成したバネ性を有する取付腕部を設け、該取付腕部の端面と対向する前記前面枠体の前面板に、前記端面に対向して孔を形成し、該孔から治具を差し込むと、前記取付腕部が撓み前記凹部と前記凸部との係合がはずれるようにしたことを特徴とする液晶表示装置の修理方法。
  5. 前記取付腕部を複数形成し、該複数の取付腕部と対向して複数の前記孔をそれぞれ形成し、前記複数の孔に対応する数の複数の前記治具を一個の保治具に取り付けて、前記複数の治具を同時に前記孔に差し込むようにしたことを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置の修理方法。
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