JP3593084B2 - レーザ計測方法及びレーザ計測装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ照射による計測を行うレーザ計測方法及びレーザ計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動する物体(移動物体)を定位置に固定した撮影機材で撮影するためには、撮影機材の撮影範囲を大きくする、つまり物体の移動範囲Wすべてを網羅するようにして物体を捉えていた。このことは、撮影機材が移動する物体とともに移動しながら撮影することが困難とされている場合である。
撮影機材の移動が困難な理由として、例えば、比較的大きな形状の撮影機材を移動させ、移動する物体と同調させることが困難であるためであり、同調が狂うと焦点のズレや、撮影範囲から物体を外してしまうことが起こりうるからである。また、定位置に設置された撮影機材を、物体の移動とともに回動させることは、焦点距離が変化するので、同様に焦点のズレが発生する。
そして、撮影機材を移動させる場合には、物体の移動範囲Wと同等な撮影機材の移動スペースを確保する必要があること、さらにそのための設備が必要となることも撮影機材での移動撮影を困難としている。特に、高精度な撮影を必要とする場合には、焦点のズレが撮影、さらには撮影された映像の分析等に大きく影響するので、撮影機材における移動撮影は一般的に行われていなかった。
【0003】
高精度な撮影が必要とされる一例として、レーザ誘起蛍光法( Laser Induced Fluorescence:LIF)による物体の撮影、そして分析するレーザ計測装置がある。ここでいう物体とは、主に流体として説明する。
流体の状態を撮影して分析するレーザ誘起蛍光法(以下、「LIF」という)は、計測対象物である流体(例えば、流動するガス、ガスの燃焼状態)にレーザを照射し、蛍光粒子として流体に混入されている分子を励起させることによって、ここで生じる蛍光を捉えて流体の温度・密度各化学種の濃度等を計測することができる。なお、ここでいう蛍光を、流体あるいは物体の物質状態の可視化として以下説明する。
そして、このLIFでは流体の流れを乱すことなく、燃焼などの反応状態を瞬時に取り込むことが可能である。
【0004】
そして、LIFにて撮影、計測対象となる物体が移動する場合においても、撮影機材における撮影範囲を大きくして捉えることが一般的である。なお、これら説明にいう移動とは、一定の法則に従って移動する数式に置き換え可能な状態変化をいうものであり、例えば、等速直線運動等をいうものである。
【0005】
LIFによる移動する物体の計測を行うレーザ計測装置について図を用いて説明する。図7は従来のレーザ計測装置1の概略構成を説明する全体構成図である。
符号2は計測対象物である移動物体、3は撮影機材、4はレーザLを出力するレーザ出力装置を示している。また、移動物体2から撮影機材3に向う実線の矢印は、移動物体2の像の入射する光路を示している。
【0006】
レーザLは移動物体2に対して照射され、移動物体2に混入されている分子を励起させる役目を担っている。このレーザLは、例えばシート状に移動物体2の移動範囲W外にあるレーザ出力装置4から出力され、レーザLの光路途中にあるレーザ反射用ミラー6で直角方向に反射されて移動物体2に照射されている。また、レーザLの光路途中には校正対象5が設けられ、レーザLの強度補正がなされることになる。
撮影機材3は、移動物体2の移動方向に対して垂直方向となる場所に位置しており、移動物体2から距離α以上離れている。
【0007】
撮影機材3の正面には、2つのレンズ7,8と、ハーフミラー9(「ビームスプリッター」ともいう)が設けられている。ハーフミラー9は撮影機材3に入射する光、つまり撮影対象5からの像と移動物体2からの像とを撮影機材3に導いている。また、2つのレンズ7,8のうちの一方は、レンズ面が移動物体2に向けられたレンズ7であり、他方はレンズ面が校正対象5に向けられたレンズ8である。そして、これらレンズ7,8は互いのなす角が直角となるように配置され、その間にハーフミラー9が両レンズ7,8のなす角の半分の角度で設置されている。
【0008】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
移動物体2には、レーザ出力装置4から出力されたレーザLが入射し、移動物体2の物質状態が可視化される。可視化された移動物体2の像は、レンズ7に入射して屈折されることで収束し、ハーフミラー9に入射する。
ハーフミラー9に入射した移動物体2の像は、このハーフミラー9を直進して通過し、撮影機材3に入射する。また、この移動物体2の像の入射角度に対して直角方向からハーフミラー9に入射する校正対象5の像は、レンズ8における屈折作用によって収束されてハーフミラー9から撮影機材3に入射する。
そして、移動物体2の像と校正対象5の像とは、撮影機材3に映し出され、この像を捉えることで移動物体2の撮影がなされることになる。
【0009】
撮影機材3は、移動物体2を大きな撮影範囲で捉えており、撮影範囲と移動範囲Wとがほぼ同一となるように撮影が行われる。これによって、移動物体2が定位置に固定された撮影機材3で撮影されることになる。
撮影された移動物体2の像は、レーザLによって移動物体2の状態が可視化されており、この像を分析することで、例えば物体の温度・密度、各化学種の濃度などが計測可能となる。
【0010】
また、移動物体2を撮影する際において、移動物体2の焦点を合わせるには、予め移動物体2と撮影機材3との距離αをレンズ7の屈折率に応じて設定することで導くことができる。距離αをおいて移動物体2と撮影機材3とが離れているので、移動物体2が移動範囲Wを移動しても移動物体2と撮影機材3との距離はほとんど変化せず、このことによって移動物体2の焦点ズレを発生させずに撮影がなされている。
【0011】
また、レーザLを移動物体2に照射する場合、レーザLの強度補正を行う必要がある。レーザLの強度補正を行うための判断材料となるのが校正対象5の像である。撮影機材3が校正対象5の像を捉えることで、移動物体2に照射するレーザLに対して強度補正を行うこととなり、レーザLの状態が変化することになる。
【0012】
従って、レーザLの変化によって、撮影される移動物体2と校正対象5との映像が同時に変化するため、校正対象5の映像を予め認識しておくことで移動物体2の物質状態を様々な角度から的確に把握して撮影、そして分析することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成における移動物体2のレーザ計測装置においては、撮影された移動物体2の映像は、大きな撮影範囲の中の部分的なものになるため、分解能(解像度)が低いという問題があった。映像の分解能が低いと、移動物体2の物質状態を正確に計測することは困難となり、良好な分析結果を得ることが難しくなる。
【0014】
また、分解能を確保するために撮影範囲を狭くして撮影機材3を移動物体2と一緒に移動させることとしても、移動する2つを正確に同調させることは困難である。これは撮影機材3が必ずしも小型で移動させやすいものとは限られないからである。また、撮影機材3を移動させる際に、移動物体2の像の焦点がずれる可能性が高く、正確な撮影環境を構築することも困難である。
また、レーザLの強度補正を行う必要があり、仮に撮影機材3を移動させる場合には、これらハーフミラー9や各レンズ7,8、さらには校正対象5を同時に移動させる必要がある。従って、構造の複雑化が生じてしまう。
【0015】
さらに、撮影機材3を移動させるためのスペースが必要となることによって、レーザ計測装置が大型化してしまい、使用環境の制約が生じる場合もある。また、撮影機材3を移動させるためのスペース確保に伴って、撮影機材3を移動可能にするための設備、例えばレール、台車等が必要となり、特に計測に悪影響を及ぼす振動が発生しないように構成することは、コストの面からもユーザにとって大きな負担となる。
【0016】
もちろん、LIFによるレーザ計測に関わらず、カメラ(撮影機材)で移動する被写体(移動物体)を撮影する場合においても、カメラを移動させて撮影することは焦点のズレを発生させ、カメラを移動させるための設備、及びこの設備の設置スペース確保が必要となるので、撮影方法及び撮影装置に対して大きな問題となる。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、物体の焦点をずらさずに高分解能で撮影することが可能で、LIF等による物体の計測精度の向上が図られたレーザ計測方法及びレーザ計測装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、直線方向に移動する移動物体にレーザを照射し、定位置に設置された撮影機材で撮影して計測するレーザ計測方法であって、
前記移動物体に合わせて同等な速度で平行移動する少なくとも1つの移動反射板に、該移動物体の像を投影して反射させ、さらに、反射された前記移動物体の像を少なくとも1つの反射板に投影して前記撮影機材に向かって反射させることで、前記移動物体の像を前記撮影機材に入射させるとともに、前記レーザの光路途中に設けられ強度補正を行うための校正対象の像を、前記撮影機材に入射させ、前記移動物体の像と前記校正対象の像とを捉えて、前記移動物体を撮影して計測することを特徴とする。
【0019】
物体の像は、移動しながらも移動反射板に常に投影されてこの反射板から反射される。移動反射板によって反射する角度は、移動反射板の平面に直交する平面を基準として、入射角度と対象となる方向に反射することになる。そして、この反射した像を反射板に投影して、さらに反射板の平面に直交する平面を基準として、入射角度と対象となる方向に反射させる。
このことによって、反射板から反射した物体の像を撮影機材に入射させることが可能となる。そして、撮影機材がここに映し出された物体の像を捉えることで、物体の撮影が行われることになる。
この方法によれば、移動する物体を常に捉えてこの像を撮影機材に入射させることができ、また、定位置にある物体を移動反射板が狭い範囲で投影しながら物体全体の像を捉えることも可能である。例えば後者の場合は、撮影対象が比較的大きくても、部分毎に連続して撮影して移動反射板が移動した範囲すべてを拡大して捉えることとなる。
なお、反射板あるいは移動反射板を複数配置することによって物体の像を数回に渡って反射させ、最終的に撮影機材に物体の像を導いて撮影することとしてもよい。反射板は入射する光の像を反射させることが可能な、例えばミラー等を用いることが好適であり、撮影する状況に合わせて光の波長を変化させる機能を有しているものを使用することとしてもよい。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のレーザ計測方法において、
移動可能に複数設けられた前記各移動反射板を、それぞれ個別に移動させて光学距離を調整することによって、前記物体の焦点を合わせることを特徴とする。
【0021】
それぞれ個別に移動する移動反射板を複数設置し、少なくとも1つを物体を捉えるように移動させて物体の像を投影する。そして、投影された像を反射させて2つ目の移動反射板に投影させる。この2つ目の移動反射板は、物体を直接投影する移動反射板と異なる速度で移動するものとされ、像の焦点を合わせる作用をもたらす。つまり、1つ目と異なる速度で別の移動反射板を移動させることによって、物体から撮影機材までの光学距離を調整することができ、焦点のズレを回避する作用を促す。
そして、2つ目の移動反射板と共に移動する3つ目の移動反射板に上記像を投影させて反射させることで反射板に像が投影される。さらに、反射板から撮影機材に物体の像を反射させることによって、物体の撮影が行われることになる。
なお、3つ目の移動反射板は、2つ目の移動反射板と同一な速度で移動させることが望ましく、これによって常に2つ目の移動反射板から3つ目の移動反射板に最小限で像を投影させることができる。もちろん、移動反射板あるいは反射板をさらに構成して撮影機材に移動物体の像を映し出すこととしてもよい。
【0024】
請求項3に記載の発明は、直線方向に移動する移動物体にレーザを照射し、定位置に設置された撮影機材で撮影して計測するレーザ計測装置であって、
前記移動物体に合わせて同等な速度で平行移動する移動ミラーと、該移動ミラーからの前記移動物体の像を前記撮影機材へと導く定位置に固定された固定ミラーと、前記レーザの光路途中に設けられ、強度補正を行うための校正対象と、前記撮影機材の正面に設けられ、前記移動物体の像と前記校正対象の像とを前記撮影機材に入射させるハーフミラーと、を備えていることを特徴とする。
【0025】
少なくとも1つの移動ミラーには移動物体が投影されて固定ミラーに向かって像を反射する。そして、固定ミラーに投影された移動物体の像は撮影機材に向かって反射し、撮影機材での撮影がなされることになる。移動ミラーが複数ある場合には、再度他の移動ミラーに像が投影されて固定ミラーに反射される場合もある。また、固定ミラーが複数ある場合であっても、他の固定ミラーを介して撮影機材に移動物体の像を入射させることとしてもよい。
移動ミラー及び固定ミラーの配置は、移動物体の移動方向に垂直な面に対して45度の角度で設置することが望ましい。
移動ミラー及び固定ミラーを介して反射した移動物体の像は、撮影機材に入射する手前でハーフミラーを通過する。一方、校正対象の像がハーフミラーの屈折作用によって撮影機材に向かって入射する。
撮影機材にレーザが照射された校正対象の像が映し出されることによって、移動物体の像を校正対象の像と照らし合わせて確認することができ、校正対象を通過するレーザの性質を変化させることによって、レーザの強度補正を行って、移動物体の可視化状態を変化させることも可能となる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のレーザ計測装置において、
3つの前記移動ミラーを有し、このうちの1つは前記移動物体と同等な速度で平行移動する第1移動ミラーとされ、また、他の2つは各々の鏡面が所定の角度を有して向き合うように配置されて、前記移動物体から前記撮影機材までの光路長が一定となるように共に移動する第2及び第3移動ミラーとされていることを特徴とする。
【0027】
移動物体と同等な速度で移動する第1移動ミラーには、移動物体が投影されて反射し、第2移動ミラーに投影される。第2移動ミラーと第3移動ミラーとは、同じ速度で移動し、第2移動ミラーに移動物体の像が投影されることによって、互いに移動しながらも第3移動ミラーに第2移動ミラーから反射した移動物体の像が投影される。そして、第3移動ミラーによって反射した移動物体の像は固定ミラーに投影され、ここで反射されて撮影機材に入射することとなる。
また、移動物体から撮影機材までの光路長が一定となるように、第2移動ミラーと第3移動ミラーとは同じ速度で移動しながらも、第1移動ミラーと異なる速度で移動することになる。これによって、第1移動ミラーと第2移動ミラーとの距離が次第に変化し、また、固定ミラーと第3移動ミラーとの距離も次第に変化する。従って、第1移動ミラー単独の移動による光路長の変化が差し引かれて、移動物体から撮影機材までの光路長は変化しないことになる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4記載のレーザ計測装置において、
前記移動物体の像が投影される光路途中に焦点調整用レンズを備えていることを特徴とする。
【0029】
移動物体の像は、投影される光路の途中で焦点調整用レンズに入り、ここで屈折率が調整されて焦点が合わせられることとなる。そして、焦点が合った移動物体の像は、再び光路を辿って撮影機材に入射し、ここで映し出された像が撮影されることになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態における移動物体のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。図1において、符号2は移動範囲Wを速度Vで直線方向に移動する移動物体、3は撮影機材、4はレーザLを出力するレーザ出力装置、5はレーザLの強度補正を行う校正対象を示している。そして、符号10は移動物体2とともに速度Vで移動する移動ミラーを示し、11は定位置に固定された固定ミラーを示している。
【0035】
レーザ出力装置4から出力されるレーザLは、線状の光の場合もあれば、シート状の光の形態で出力される場合もあり、計測対象となる移動物体2の状態に合わせて適宜変更可能とされている。レーザLの出力方向にはレーザ反射用ミラー6が設けられ、レーザ出力装置4からのレーザ出力方向に対してレーザ反射用ミラー6の平面が45度の角度で設置されている。そして、ここで反射したレーザLが移動物体2に照射されるようになっている。このような計測対象に対するレーザ照射は、LIFをいうものである。また、レーザ出力装置4とレーザ反射用ミラー6との間には校正対象5が設けられており、レーザLが照射されている。
【0036】
撮影機材3は、移動物体2の移動方向に対して垂直方向となる場所に位置している。そして、撮影機材3の正面には、2つの各レンズ7,8と、ハーフミラー9が設けられている。ハーフミラー9は撮影機材3に入射する2つの像、つまり撮影対象となる移動物体2の像と、校正対象5の像を撮影機材3に導いている。また、2つある各レンズ7,8のうちの一方は、レンズ面が移動物体2に向けられた正面レンズ7であり、他方はレンズ面が校正対象5に向けられた校正用レンズ8である。そして、これら各レンズ7,8は互いのなす角が直角となるように配置され、その間にハーフミラー9が設置されている。なお、ハーフミラー9はブロック形状で構成されたものとしてもよい。
【0037】
移動物体2と撮影機材3との間には2つの各ミラー10,11が設けられ、一方は移動物体2と共に速度Vで移動する移動ミラー10であり、他方は撮影機材3の正面且つ、移動ミラー10の移動方向の延長線上に設置された固定ミラー10である。
移動ミラー10は移動物体2の移動範囲Wと同じ範囲間で移動可能とされ、設置される角度は移動ミラー10から移動物体2へとつながる直線と、移動ミラー10から固定ミラー11へとつながる直線とのなす角の半分の方向に、移動ミラー10の平面に直交する平面が重なるような角度とされている。つまり、移動ミラー10に投影された移動物体2の像が、固定ミラー11に投影されるような角度で設置されている。
定位置に固定された固定ミラー11の設置角度においても、固定ミラー11から移動ミラー10へとつながる直線と、固定ミラー11から撮影機材3へとつながる直線とのなす角の半分の方向に、固定ミラー11の平面に直交する平面が重なる角度とされている。つまり、固定ミラー11に投影された移動物体2の像が、撮影機材3に入射されるような角度で設置されている。
【0038】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
移動物体2には、レーザ出力装置4から出力されて一旦レーザ反射用ミラー6で直角に反射したレーザLが照射される。このレーザLの照射によって移動物体2の物質状態が可視化され、移動物体2の像は移動ミラー10に常時投影される。像を投影しながら移動する移動ミラー10は、投影された移動物体2の像を固定ミラー11に向けて反射させ、これによって固定ミラー11には移動物体2の像が投影されることになる。
【0039】
さらに、固定ミラー11による反射作用によって、移動物体2の像は撮影機材3の方向に向かって投影される。そして、像は正面レンズ7に入射して屈折することによって収束し、ハーフミラー9を通過する。ハーフミラー9を通過した移動物体2の像は、撮影機材3に映し出され、この像を捉えることで移動物体2の撮影がなされることになる。
【0040】
撮影機材3によって移動物体2が撮影されることで、これを例えばディスプレイ等に表示することとなる。そして、撮影機材3は定位置に固定されたまま移動物体2を捉えており、さらに移動物体2と平行に移動する移動ミラー10に移動物体2が大きく投影されるので、撮影機材3は移動物体2を撮影範囲一杯に撮影することとなる。つまり、撮影範囲全体に渡って撮影範囲を設定する必要がなく、撮影範囲を狭くすることができ、撮影される映像の分解能が上がることになる。そして、撮影範囲が狭くなった分を移動ミラー10で撮影範囲を拡大することとなる。
【0041】
また、レーザLを移動物体2に照射する場合、レーザLの強度補正を行う必要がある。レーザLの強度補正を行うための判断材料となるのが校正対象5の像である。校正対象5の像は、校正用レンズ8に捉えられて屈折し、収束してハーフミラー9に入る。ハーフミラー9は校正対象5の像を直角に屈折させて、撮影機材3に向けて反射させる。そして、撮影機材3が校正対象5の像を捉えることで、校正対象5に照射されるレーザLに対して予め計測した校正値と比較して強度補正することとなり、移動物体2に照射されるレーザLを変化させて移動物体2を撮影することが可能となる。無論、校正対象5を移動させることなくレーザLの強度補正が行える。
【0042】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析が可能なレーザ計測を行うことができる。また、撮影機材3及び校正対象5等を移動させる必要がなく、移動ミラー10のみを移動させる構成なので、焦点のずれが少なく構造の簡略化が図られたレーザ計測装置を提供することができる。
【0043】
[第2の実施形態]
図2は第2の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態は上述した第1の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図2において、符号10aは移動物体2とともに速度Vで移動する移動ミラーを示し、11a,11b,11cはそれぞれ定位置に固定された各固定ミラーを示している。
【0044】
移動物体2と撮影機材3との間には、移動ミラー10aと、3つの固定ミラー11a,11b,11cとが設けられている。移動物体2の像を常時投影して反射する移動ミラー10aの移動方向には、これと同じ角度、つまり平行に設置された1つ目の固定ミラー11aが設けられている。この1つ目の固定ミラー11aは、移動ミラー10aが移動する直線の延長線上にあって、投影した像を反射させる。この反射方向には、2つ目の固定ミラー11bが上述した固定ミラー11aに対して90度の角度で設けられており、移動物体2の像が固定ミラー11bに投影されるような角度で設置されている。そして、固定ミラー11bは投影した像を移動物体2の移動方向と反対の方向に像を反射させる。
さらに、2つ目の固定ミラー11bにおける像の反射方向には、撮影機材3の正面に設置された3つ目の固定ミラー11cがある。この3つ目の固定ミラーは、移動物体2の像が撮影機材3に入射するような角度で設置されている。この3つ目の固定ミラー11cは、投影された像を正面レンズ7の方向、つまり、撮影機材3に向けて反射可能な角度に設置され、移動物体2の像を反射させる。
【0045】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
移動物体2には、レーザ出力装置4から出力されて一旦レーザ反射用ミラー6で直角に反射したレーザLが照射される。このレーザLの照射によって移動物体2の物質状態が可視化され、可視化された移動物体2の像は、移動ミラー10aに常時投影される。像を投影しながら移動する移動ミラー10aは、投影された移動物体2の像を1つ目の固定ミラー11aに向けて反射させ、これによって固定ミラー11aには移動物体2の像が投影される。
さらに、1つ目の固定ミラー11aから2つ目の固定ミラー11bに像が投影されて、ここから3つ目の固定ミラー11cに向かって像が反射する。
【0046】
そして、3つ目の固定ミラー11cによる反射作用によって、移動物体2の像は撮影機材3の方向に向かって反射する。移動物体2の像は正面レンズ7に入射して屈折することによって収束し、ハーフミラー9を通過して撮影機材3に入る。ハーフミラー9で直進した移動物体2の像は、撮影機材3に映し出され、撮影機材3がこの像を捉えることで移動物体2の撮影がなされることとなる。
また、校正対象5の像が校正用レンズ8によって収束してハーフミラー9に入射し、このハーフミラー9の屈折作用により、入射方向に対して直角に屈折して撮影機材3に入ることになる。
【0047】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な計測・分析が可能なレーザ計測を行うことができる。また、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく、移動ミラー10aのみを移動させる構成なので、計測装置内の構成を容易に変更して焦点のずれが少ないレーザ計測装置を提供することができる。そして、複数の固定ミラー11a,11b,11cを使用することによって、撮影機材3の設置場所の制約がなくなり、像を確実に捉えることができる。
【0048】
[第3の実施形態]
図3は第3の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態は上述した第1または第2の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図3において、符号10aは移動物体2とともに速度Vで移動する第1移動ミラー(移動ミラー)を示し、10b,10cは移動ミラー10aの移動速度の1/2の速度で且つ同一方向に移動する第2移動ミラーと第3移動ミラー(共に移動ミラー)を示している。
【0049】
第1移動ミラー10aは、上述した第1の実施形態と同様な動作を行うものであって、速度Vで移動物体2とともに平行に移動する。第2移動ミラー10bは、移動物体2の像を直接投影する移動ミラー10aと同じ角度、つまり平行に設置されており、移動ミラー10aと同一方向に移動する。さらに、第2移動ミラー10bと共に移動する第3移動ミラー10cとは鏡面が向き合うように且つ、それぞれのなす角が90度とされて設置されている。従って、第2移動ミラー10bは、移動物体2の像を第3移動ミラー10cに向けて反射可能な角度に設置されていることになる。第3移動ミラー10cの反射方向には、撮影機材3の正面に設置された固定ミラー11cがあって、投影された像を正面レンズ7の方向、つまり、撮影機材3に向けて反射可能な角度を有して設置されている。
【0050】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、第1移動ミラー10aに常時投影される。像を投影しながら移動する第1移動ミラー10aは、投影された移動物体2の像を第2移動ミラー10bに向けて反射させ、これによって第3移動ミラー10cには移動物体2の像が投影される。第2移動ミラーと第3移動ミラーとが、同調して移動物体2と1/2の速度で移動するため、移動物体2から撮影機材3までの投影される光路長が一定に保たれる。
【0051】
そして、固定ミラー11cによる反射作用によって、移動物体2の像は撮影機材3の方向に向かって反射し、この像は正面レンズ7に入射して屈折することによって収束する。そしてハーフミラー9を通過して撮影機材3に映し出され、撮影が行われることとなる。
同様に、校正対象5の像が校正用レンズ8で収束してハーフミラー9に入り、ここで屈折して、撮影機材3で撮影されることとなる。
【0052】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析・計測が可能なレーザ計測を構築することができる。さらに、第2及び第3移動ミラー10b、10cを移動させることによって、移動物体2から撮影機材3までの光路長が一定に保たれるので、像の焦点を合わせることができ、焦点ずれがないレーザ計測装置を提供することができる。
【0053】
[第4の実施形態]
図4は第4の実施形態における移動物体のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態のレーザ計測装置は、上述した第2の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図4において、符号13は焦点調整用レンズを示している。この焦点調整用レンズ13は、凸形状のレンズ部13aと凹形状の凹レンズ部13bとからなり、3つ目の固定ミラー11cと正面レンズ7との間に設けられている。
凹レンズ部13bは、移動物体2の移動速度Vを焦点距離fで除した値、つまり、速度V/fで移動するものである。
【0054】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、第2の実施形態と同様に3つ目の固定ミラー11cから撮影機材3に向かって反射する。ここで、像は焦点調節用レンズ13に入射して、凹レンズ部13bがV/fの速度で移動することによって、移動物体2の焦点距離が調節され、像の焦点が合わされる。焦点が合った像は、正面レンズ7に入射して屈折することによって収束する。そしてハーフミラー9を通過して撮影機材3に映し出され、撮影が行われることとなる。同様に、校正対象5の像が校正用レンズ8で収束してハーフミラー9に入り、ここで屈折して、撮影機材3で撮影されることとなる。
【0055】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析・計測が可能なレーザ計測を構築することができる。さらに、焦点調整用レンズ13によって焦点が合わされるので、容易に調整できて焦点ずれがないレーザ計測装置を提供することができる。
【0056】
[第5の実施形態]
図5は第5の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態のレーザ計測装置は、上述した第2または第4の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図5において、符号14は焦点調整用レンズを示している。この焦点調整用レンズ14は、凸形状のレンズ部14aと凹形状の凹レンズ部14bとからなり、像が投影される光路中にある2つ目の固定ミラー11bと3つ目の固定ミラー11cとの間に設けられている。
凹レンズ部14bは、移動物体2の移動速度Vを焦点距離fで除した値、つまり、速度V/fで移動するものである。
【0057】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、第2の実施形態と同様に2つ目の固定ミラー11bから3つ目の固定ミラー11cに向かって反射される。この間で、像は焦点調節用レンズ14に入射して、凹レンズ部13bがV/fの速度で移動することによって、像の焦点が合わされる。焦点が合った像は、3つ目の固定ミラー11cに投影されてさらに反射することによって、正面レンズ7に入射する。そして、正面レンズ7に入射した像がここで屈折することによって収束がなされ、その後にハーフミラー9を通過して撮影機材3に入射することになる。同様に、校正対象5の像が校正用レンズ8で収束してハーフミラー9に入り、ここで屈折して、撮影機材3で撮影されることとなる。
【0058】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析及び計測が可能なレーザ計測を構築することが可能となる。さらに、各固定ミラー11b,11c間に焦点調整用レンズ13が設けられるので、焦点のズレがないコンパクトなレーザ計測装置を構成することができる。
【0059】
[第6の実施形態]
図6は第6の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態のレーザ計測装置は、上述した第2の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図6において、符号10bは移動ミラー10bを示し、11d,11e,11fは3つの各固定ミラーを示している。
移動ミラー10bは、移動物体2と同様に紙面右側に向かって速度Vで移動し、投影した移動物体2の像を移動物体2の移動方向と反対側に反射させる。
また、この反射方向には1つ目の固定ミラー11dが設けられており、さらにこれと90度の角度を有して第2の固定ミラー11eが設けられている。従って、1つ目の固定ミラー11dは、移動物体2の像を2つ目の固定ミラー11eに向けて反射可能な角度に設置されていることになる。
3つ目の固定ミラー11fは、撮影機材3の正面に位置しており、第2の固定ミラー11eからの反射した像を捉え、撮影機材3に移動物体2の像を反射させることが可能な角度を有して設置されている。
【0060】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、移動ミラー10bに常時投影され、移動物体2の移動方向と反対側にある1つ目の固定ミラー11dに投影される。つまり、ここで像が進む方向は、移動物体2の移動方向と反対側とされている。
そして、2つ目の固定ミラー11eに像を反射させてから、この固定ミラー11eは移動物体2の移動方向と同じ方向に像を反射させる。この先には3つ目の固定ミラー11fがあり、ここに像が投影されることによって、この像はさらに撮影機材3に向かって反射し、正面レンズ7に入射する。以下、第2の実施形態と同様に撮影機材3に移動物体2の像と校正対象5の像とが映し出されることになり、撮影が行われることとなる。
【0061】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析及び計測が可能なレーザ計測を構築することができる。さらに、各固定ミラー11d,11e、11fを移動物体2の移動範囲W外にほぼ設置することができるので、大きな移動範囲Wを有する移動物体2に的確に対応して撮影及び計測することが可能なレーザ計測装置を提供することができる。
【0062】
以上、6つの実施形態に係るレーザ計測装置を説明したが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施形態を組み合わせて校正してもよい。例えば、第4及び第5の実施形態に示した焦点調節用レンズ(13あるいは14)を移動物体2の像が投影される光路中に設ける構成としてもよい。また、移動物体2を投影・反射する各移動ミラーと各固定ミラーとにおける各構成を説明したが、移動物体2の像を投影・反射させる作用を有する反射板であってもよい。
【0063】
さらに、上記6つの実施形態は、LIFによるレーザ計測装置を用いて説明したがこれに限定解釈されるものではなく、例えば、レーザLを使用しない撮影のみを主眼においた撮影装置において構成することができる。
これによれば、カメラ等の撮影機材を移動させずに移動物体を的確に捉えた撮影を行うことができる。
【0064】
さらに、撮影対象である移動物体2は、撮影範囲内とされた移動範囲Wで直線移動する場合を説明したが、例えば、撮影対象が移動しない物体であって、撮影範囲全体にわたって撮影する必要がない場合に撮影することとしてもよい。
つまり、移動ミラーで物体を部分的に連続して投影し、物体を捉えることである。この場合、撮影範囲を狭くして撮影することになるので、撮影における分解能が上がり、より高精度な撮影、さらには分析・計測が可能となる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した本発明の移動物体の計測方法及び計測装置においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、撮影範囲に合わせて平行移動する少なくとも1つの移動反射板に物体の像を投影して反射させ、さらに反射された物体の像をすくなくとも1つの反射板に投影して撮影機材に向かって反射させるレーザ計測方法としたので、撮影機材を移動させずに物体全体を捉えつつ撮影範囲を狭くすることができ、高分解能で物体を撮影することができる。
【0066】
請求項2記載の発明は、移動可能に複数設けられた各移動反射板を、それぞれ個別に移動させて光学距離を調整することによって物体の焦点を合わせるレーザ計測方法とされているので、物体の焦点を合わせて的確な撮影を行うことができる。
【0068】
請求項3記載の発明は、移動物体に合わせて平行移動する移動ミラーと、該移動ミラーからの移動物体の像を撮影機材へと導く定位置に固定された固定ミラーとを備えているので、撮影機材を移動させずに移動物体に追従して撮影範囲一杯に移動物体を撮影することができ、高分解能でブレの少ないレーザ計測装置を提供することができる。
また、レーザの光路中に強度補正を行うための校正対象を有し、校正対象を投影するハーフミラーが撮影機材の正面に備えられたレーザ計測装置とされているので、撮影機材及び校正対象を移動させることなく、高分解能で焦点のずれがない撮影を行うことができ、レーザの強度補正を的確に行って高精度な計測を行うことが可能なLIF等におけるレーザ計測装置を提供することができる。
【0069】
請求項4記載の発明は、3つの移動ミラーを有してこのうちの1つは移動物体と同等な速度で平行移動する第1移動ミラーとされ、また、他の2つは各々の鏡面が所定の角度を有して向き合うように配置されて、移動物体から撮影機材までの光路長が一定となるように共に移動する第2及び第3移動ミラーとされているので、移動物体から撮影機材までの光学距離を補正して移動物体の焦点を合わせることができ、高分解能で撮影可能なレーザ計測装置を提供することができる。
【0070】
請求項5記載の発明は、移動物体の像が投影される光路中に焦点調整用レンズを備えているので、移動物体の焦点を容易に合わせることができ、高分解能で撮影可能なレーザ計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図2】本発明に係る第2の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図3】本発明に係る第3の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図4】本発明に係る第4の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図5】本発明に係る第5の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図6】本発明に係る第6の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図7】従来の移動物体のレーザ計測装置を説明する全体図である。
【符号の説明】
2 移動物体(物体)
3 撮影機材
4 レーザ出力装置
5 校正対象
9 ハーフミラー
10 移動ミラー
10a 第1移動ミラー
10b 第2移動ミラー
10c 第3移動ミラー
11 固定ミラー
11a,11b,11c,11d,11e,11f 固定ミラー
13,14 焦点調節用レンズ
L レーザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ照射による計測を行うレーザ計測方法及びレーザ計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動する物体(移動物体)を定位置に固定した撮影機材で撮影するためには、撮影機材の撮影範囲を大きくする、つまり物体の移動範囲Wすべてを網羅するようにして物体を捉えていた。このことは、撮影機材が移動する物体とともに移動しながら撮影することが困難とされている場合である。
撮影機材の移動が困難な理由として、例えば、比較的大きな形状の撮影機材を移動させ、移動する物体と同調させることが困難であるためであり、同調が狂うと焦点のズレや、撮影範囲から物体を外してしまうことが起こりうるからである。また、定位置に設置された撮影機材を、物体の移動とともに回動させることは、焦点距離が変化するので、同様に焦点のズレが発生する。
そして、撮影機材を移動させる場合には、物体の移動範囲Wと同等な撮影機材の移動スペースを確保する必要があること、さらにそのための設備が必要となることも撮影機材での移動撮影を困難としている。特に、高精度な撮影を必要とする場合には、焦点のズレが撮影、さらには撮影された映像の分析等に大きく影響するので、撮影機材における移動撮影は一般的に行われていなかった。
【0003】
高精度な撮影が必要とされる一例として、レーザ誘起蛍光法( Laser Induced Fluorescence:LIF)による物体の撮影、そして分析するレーザ計測装置がある。ここでいう物体とは、主に流体として説明する。
流体の状態を撮影して分析するレーザ誘起蛍光法(以下、「LIF」という)は、計測対象物である流体(例えば、流動するガス、ガスの燃焼状態)にレーザを照射し、蛍光粒子として流体に混入されている分子を励起させることによって、ここで生じる蛍光を捉えて流体の温度・密度各化学種の濃度等を計測することができる。なお、ここでいう蛍光を、流体あるいは物体の物質状態の可視化として以下説明する。
そして、このLIFでは流体の流れを乱すことなく、燃焼などの反応状態を瞬時に取り込むことが可能である。
【0004】
そして、LIFにて撮影、計測対象となる物体が移動する場合においても、撮影機材における撮影範囲を大きくして捉えることが一般的である。なお、これら説明にいう移動とは、一定の法則に従って移動する数式に置き換え可能な状態変化をいうものであり、例えば、等速直線運動等をいうものである。
【0005】
LIFによる移動する物体の計測を行うレーザ計測装置について図を用いて説明する。図7は従来のレーザ計測装置1の概略構成を説明する全体構成図である。
符号2は計測対象物である移動物体、3は撮影機材、4はレーザLを出力するレーザ出力装置を示している。また、移動物体2から撮影機材3に向う実線の矢印は、移動物体2の像の入射する光路を示している。
【0006】
レーザLは移動物体2に対して照射され、移動物体2に混入されている分子を励起させる役目を担っている。このレーザLは、例えばシート状に移動物体2の移動範囲W外にあるレーザ出力装置4から出力され、レーザLの光路途中にあるレーザ反射用ミラー6で直角方向に反射されて移動物体2に照射されている。また、レーザLの光路途中には校正対象5が設けられ、レーザLの強度補正がなされることになる。
撮影機材3は、移動物体2の移動方向に対して垂直方向となる場所に位置しており、移動物体2から距離α以上離れている。
【0007】
撮影機材3の正面には、2つのレンズ7,8と、ハーフミラー9(「ビームスプリッター」ともいう)が設けられている。ハーフミラー9は撮影機材3に入射する光、つまり撮影対象5からの像と移動物体2からの像とを撮影機材3に導いている。また、2つのレンズ7,8のうちの一方は、レンズ面が移動物体2に向けられたレンズ7であり、他方はレンズ面が校正対象5に向けられたレンズ8である。そして、これらレンズ7,8は互いのなす角が直角となるように配置され、その間にハーフミラー9が両レンズ7,8のなす角の半分の角度で設置されている。
【0008】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
移動物体2には、レーザ出力装置4から出力されたレーザLが入射し、移動物体2の物質状態が可視化される。可視化された移動物体2の像は、レンズ7に入射して屈折されることで収束し、ハーフミラー9に入射する。
ハーフミラー9に入射した移動物体2の像は、このハーフミラー9を直進して通過し、撮影機材3に入射する。また、この移動物体2の像の入射角度に対して直角方向からハーフミラー9に入射する校正対象5の像は、レンズ8における屈折作用によって収束されてハーフミラー9から撮影機材3に入射する。
そして、移動物体2の像と校正対象5の像とは、撮影機材3に映し出され、この像を捉えることで移動物体2の撮影がなされることになる。
【0009】
撮影機材3は、移動物体2を大きな撮影範囲で捉えており、撮影範囲と移動範囲Wとがほぼ同一となるように撮影が行われる。これによって、移動物体2が定位置に固定された撮影機材3で撮影されることになる。
撮影された移動物体2の像は、レーザLによって移動物体2の状態が可視化されており、この像を分析することで、例えば物体の温度・密度、各化学種の濃度などが計測可能となる。
【0010】
また、移動物体2を撮影する際において、移動物体2の焦点を合わせるには、予め移動物体2と撮影機材3との距離αをレンズ7の屈折率に応じて設定することで導くことができる。距離αをおいて移動物体2と撮影機材3とが離れているので、移動物体2が移動範囲Wを移動しても移動物体2と撮影機材3との距離はほとんど変化せず、このことによって移動物体2の焦点ズレを発生させずに撮影がなされている。
【0011】
また、レーザLを移動物体2に照射する場合、レーザLの強度補正を行う必要がある。レーザLの強度補正を行うための判断材料となるのが校正対象5の像である。撮影機材3が校正対象5の像を捉えることで、移動物体2に照射するレーザLに対して強度補正を行うこととなり、レーザLの状態が変化することになる。
【0012】
従って、レーザLの変化によって、撮影される移動物体2と校正対象5との映像が同時に変化するため、校正対象5の映像を予め認識しておくことで移動物体2の物質状態を様々な角度から的確に把握して撮影、そして分析することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成における移動物体2のレーザ計測装置においては、撮影された移動物体2の映像は、大きな撮影範囲の中の部分的なものになるため、分解能(解像度)が低いという問題があった。映像の分解能が低いと、移動物体2の物質状態を正確に計測することは困難となり、良好な分析結果を得ることが難しくなる。
【0014】
また、分解能を確保するために撮影範囲を狭くして撮影機材3を移動物体2と一緒に移動させることとしても、移動する2つを正確に同調させることは困難である。これは撮影機材3が必ずしも小型で移動させやすいものとは限られないからである。また、撮影機材3を移動させる際に、移動物体2の像の焦点がずれる可能性が高く、正確な撮影環境を構築することも困難である。
また、レーザLの強度補正を行う必要があり、仮に撮影機材3を移動させる場合には、これらハーフミラー9や各レンズ7,8、さらには校正対象5を同時に移動させる必要がある。従って、構造の複雑化が生じてしまう。
【0015】
さらに、撮影機材3を移動させるためのスペースが必要となることによって、レーザ計測装置が大型化してしまい、使用環境の制約が生じる場合もある。また、撮影機材3を移動させるためのスペース確保に伴って、撮影機材3を移動可能にするための設備、例えばレール、台車等が必要となり、特に計測に悪影響を及ぼす振動が発生しないように構成することは、コストの面からもユーザにとって大きな負担となる。
【0016】
もちろん、LIFによるレーザ計測に関わらず、カメラ(撮影機材)で移動する被写体(移動物体)を撮影する場合においても、カメラを移動させて撮影することは焦点のズレを発生させ、カメラを移動させるための設備、及びこの設備の設置スペース確保が必要となるので、撮影方法及び撮影装置に対して大きな問題となる。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、物体の焦点をずらさずに高分解能で撮影することが可能で、LIF等による物体の計測精度の向上が図られたレーザ計測方法及びレーザ計測装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、直線方向に移動する移動物体にレーザを照射し、定位置に設置された撮影機材で撮影して計測するレーザ計測方法であって、
前記移動物体に合わせて同等な速度で平行移動する少なくとも1つの移動反射板に、該移動物体の像を投影して反射させ、さらに、反射された前記移動物体の像を少なくとも1つの反射板に投影して前記撮影機材に向かって反射させることで、前記移動物体の像を前記撮影機材に入射させるとともに、前記レーザの光路途中に設けられ強度補正を行うための校正対象の像を、前記撮影機材に入射させ、前記移動物体の像と前記校正対象の像とを捉えて、前記移動物体を撮影して計測することを特徴とする。
【0019】
物体の像は、移動しながらも移動反射板に常に投影されてこの反射板から反射される。移動反射板によって反射する角度は、移動反射板の平面に直交する平面を基準として、入射角度と対象となる方向に反射することになる。そして、この反射した像を反射板に投影して、さらに反射板の平面に直交する平面を基準として、入射角度と対象となる方向に反射させる。
このことによって、反射板から反射した物体の像を撮影機材に入射させることが可能となる。そして、撮影機材がここに映し出された物体の像を捉えることで、物体の撮影が行われることになる。
この方法によれば、移動する物体を常に捉えてこの像を撮影機材に入射させることができ、また、定位置にある物体を移動反射板が狭い範囲で投影しながら物体全体の像を捉えることも可能である。例えば後者の場合は、撮影対象が比較的大きくても、部分毎に連続して撮影して移動反射板が移動した範囲すべてを拡大して捉えることとなる。
なお、反射板あるいは移動反射板を複数配置することによって物体の像を数回に渡って反射させ、最終的に撮影機材に物体の像を導いて撮影することとしてもよい。反射板は入射する光の像を反射させることが可能な、例えばミラー等を用いることが好適であり、撮影する状況に合わせて光の波長を変化させる機能を有しているものを使用することとしてもよい。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のレーザ計測方法において、
移動可能に複数設けられた前記各移動反射板を、それぞれ個別に移動させて光学距離を調整することによって、前記物体の焦点を合わせることを特徴とする。
【0021】
それぞれ個別に移動する移動反射板を複数設置し、少なくとも1つを物体を捉えるように移動させて物体の像を投影する。そして、投影された像を反射させて2つ目の移動反射板に投影させる。この2つ目の移動反射板は、物体を直接投影する移動反射板と異なる速度で移動するものとされ、像の焦点を合わせる作用をもたらす。つまり、1つ目と異なる速度で別の移動反射板を移動させることによって、物体から撮影機材までの光学距離を調整することができ、焦点のズレを回避する作用を促す。
そして、2つ目の移動反射板と共に移動する3つ目の移動反射板に上記像を投影させて反射させることで反射板に像が投影される。さらに、反射板から撮影機材に物体の像を反射させることによって、物体の撮影が行われることになる。
なお、3つ目の移動反射板は、2つ目の移動反射板と同一な速度で移動させることが望ましく、これによって常に2つ目の移動反射板から3つ目の移動反射板に最小限で像を投影させることができる。もちろん、移動反射板あるいは反射板をさらに構成して撮影機材に移動物体の像を映し出すこととしてもよい。
【0024】
請求項3に記載の発明は、直線方向に移動する移動物体にレーザを照射し、定位置に設置された撮影機材で撮影して計測するレーザ計測装置であって、
前記移動物体に合わせて同等な速度で平行移動する移動ミラーと、該移動ミラーからの前記移動物体の像を前記撮影機材へと導く定位置に固定された固定ミラーと、前記レーザの光路途中に設けられ、強度補正を行うための校正対象と、前記撮影機材の正面に設けられ、前記移動物体の像と前記校正対象の像とを前記撮影機材に入射させるハーフミラーと、を備えていることを特徴とする。
【0025】
少なくとも1つの移動ミラーには移動物体が投影されて固定ミラーに向かって像を反射する。そして、固定ミラーに投影された移動物体の像は撮影機材に向かって反射し、撮影機材での撮影がなされることになる。移動ミラーが複数ある場合には、再度他の移動ミラーに像が投影されて固定ミラーに反射される場合もある。また、固定ミラーが複数ある場合であっても、他の固定ミラーを介して撮影機材に移動物体の像を入射させることとしてもよい。
移動ミラー及び固定ミラーの配置は、移動物体の移動方向に垂直な面に対して45度の角度で設置することが望ましい。
移動ミラー及び固定ミラーを介して反射した移動物体の像は、撮影機材に入射する手前でハーフミラーを通過する。一方、校正対象の像がハーフミラーの屈折作用によって撮影機材に向かって入射する。
撮影機材にレーザが照射された校正対象の像が映し出されることによって、移動物体の像を校正対象の像と照らし合わせて確認することができ、校正対象を通過するレーザの性質を変化させることによって、レーザの強度補正を行って、移動物体の可視化状態を変化させることも可能となる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のレーザ計測装置において、
3つの前記移動ミラーを有し、このうちの1つは前記移動物体と同等な速度で平行移動する第1移動ミラーとされ、また、他の2つは各々の鏡面が所定の角度を有して向き合うように配置されて、前記移動物体から前記撮影機材までの光路長が一定となるように共に移動する第2及び第3移動ミラーとされていることを特徴とする。
【0027】
移動物体と同等な速度で移動する第1移動ミラーには、移動物体が投影されて反射し、第2移動ミラーに投影される。第2移動ミラーと第3移動ミラーとは、同じ速度で移動し、第2移動ミラーに移動物体の像が投影されることによって、互いに移動しながらも第3移動ミラーに第2移動ミラーから反射した移動物体の像が投影される。そして、第3移動ミラーによって反射した移動物体の像は固定ミラーに投影され、ここで反射されて撮影機材に入射することとなる。
また、移動物体から撮影機材までの光路長が一定となるように、第2移動ミラーと第3移動ミラーとは同じ速度で移動しながらも、第1移動ミラーと異なる速度で移動することになる。これによって、第1移動ミラーと第2移動ミラーとの距離が次第に変化し、また、固定ミラーと第3移動ミラーとの距離も次第に変化する。従って、第1移動ミラー単独の移動による光路長の変化が差し引かれて、移動物体から撮影機材までの光路長は変化しないことになる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4記載のレーザ計測装置において、
前記移動物体の像が投影される光路途中に焦点調整用レンズを備えていることを特徴とする。
【0029】
移動物体の像は、投影される光路の途中で焦点調整用レンズに入り、ここで屈折率が調整されて焦点が合わせられることとなる。そして、焦点が合った移動物体の像は、再び光路を辿って撮影機材に入射し、ここで映し出された像が撮影されることになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態における移動物体のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。図1において、符号2は移動範囲Wを速度Vで直線方向に移動する移動物体、3は撮影機材、4はレーザLを出力するレーザ出力装置、5はレーザLの強度補正を行う校正対象を示している。そして、符号10は移動物体2とともに速度Vで移動する移動ミラーを示し、11は定位置に固定された固定ミラーを示している。
【0035】
レーザ出力装置4から出力されるレーザLは、線状の光の場合もあれば、シート状の光の形態で出力される場合もあり、計測対象となる移動物体2の状態に合わせて適宜変更可能とされている。レーザLの出力方向にはレーザ反射用ミラー6が設けられ、レーザ出力装置4からのレーザ出力方向に対してレーザ反射用ミラー6の平面が45度の角度で設置されている。そして、ここで反射したレーザLが移動物体2に照射されるようになっている。このような計測対象に対するレーザ照射は、LIFをいうものである。また、レーザ出力装置4とレーザ反射用ミラー6との間には校正対象5が設けられており、レーザLが照射されている。
【0036】
撮影機材3は、移動物体2の移動方向に対して垂直方向となる場所に位置している。そして、撮影機材3の正面には、2つの各レンズ7,8と、ハーフミラー9が設けられている。ハーフミラー9は撮影機材3に入射する2つの像、つまり撮影対象となる移動物体2の像と、校正対象5の像を撮影機材3に導いている。また、2つある各レンズ7,8のうちの一方は、レンズ面が移動物体2に向けられた正面レンズ7であり、他方はレンズ面が校正対象5に向けられた校正用レンズ8である。そして、これら各レンズ7,8は互いのなす角が直角となるように配置され、その間にハーフミラー9が設置されている。なお、ハーフミラー9はブロック形状で構成されたものとしてもよい。
【0037】
移動物体2と撮影機材3との間には2つの各ミラー10,11が設けられ、一方は移動物体2と共に速度Vで移動する移動ミラー10であり、他方は撮影機材3の正面且つ、移動ミラー10の移動方向の延長線上に設置された固定ミラー10である。
移動ミラー10は移動物体2の移動範囲Wと同じ範囲間で移動可能とされ、設置される角度は移動ミラー10から移動物体2へとつながる直線と、移動ミラー10から固定ミラー11へとつながる直線とのなす角の半分の方向に、移動ミラー10の平面に直交する平面が重なるような角度とされている。つまり、移動ミラー10に投影された移動物体2の像が、固定ミラー11に投影されるような角度で設置されている。
定位置に固定された固定ミラー11の設置角度においても、固定ミラー11から移動ミラー10へとつながる直線と、固定ミラー11から撮影機材3へとつながる直線とのなす角の半分の方向に、固定ミラー11の平面に直交する平面が重なる角度とされている。つまり、固定ミラー11に投影された移動物体2の像が、撮影機材3に入射されるような角度で設置されている。
【0038】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
移動物体2には、レーザ出力装置4から出力されて一旦レーザ反射用ミラー6で直角に反射したレーザLが照射される。このレーザLの照射によって移動物体2の物質状態が可視化され、移動物体2の像は移動ミラー10に常時投影される。像を投影しながら移動する移動ミラー10は、投影された移動物体2の像を固定ミラー11に向けて反射させ、これによって固定ミラー11には移動物体2の像が投影されることになる。
【0039】
さらに、固定ミラー11による反射作用によって、移動物体2の像は撮影機材3の方向に向かって投影される。そして、像は正面レンズ7に入射して屈折することによって収束し、ハーフミラー9を通過する。ハーフミラー9を通過した移動物体2の像は、撮影機材3に映し出され、この像を捉えることで移動物体2の撮影がなされることになる。
【0040】
撮影機材3によって移動物体2が撮影されることで、これを例えばディスプレイ等に表示することとなる。そして、撮影機材3は定位置に固定されたまま移動物体2を捉えており、さらに移動物体2と平行に移動する移動ミラー10に移動物体2が大きく投影されるので、撮影機材3は移動物体2を撮影範囲一杯に撮影することとなる。つまり、撮影範囲全体に渡って撮影範囲を設定する必要がなく、撮影範囲を狭くすることができ、撮影される映像の分解能が上がることになる。そして、撮影範囲が狭くなった分を移動ミラー10で撮影範囲を拡大することとなる。
【0041】
また、レーザLを移動物体2に照射する場合、レーザLの強度補正を行う必要がある。レーザLの強度補正を行うための判断材料となるのが校正対象5の像である。校正対象5の像は、校正用レンズ8に捉えられて屈折し、収束してハーフミラー9に入る。ハーフミラー9は校正対象5の像を直角に屈折させて、撮影機材3に向けて反射させる。そして、撮影機材3が校正対象5の像を捉えることで、校正対象5に照射されるレーザLに対して予め計測した校正値と比較して強度補正することとなり、移動物体2に照射されるレーザLを変化させて移動物体2を撮影することが可能となる。無論、校正対象5を移動させることなくレーザLの強度補正が行える。
【0042】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析が可能なレーザ計測を行うことができる。また、撮影機材3及び校正対象5等を移動させる必要がなく、移動ミラー10のみを移動させる構成なので、焦点のずれが少なく構造の簡略化が図られたレーザ計測装置を提供することができる。
【0043】
[第2の実施形態]
図2は第2の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態は上述した第1の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図2において、符号10aは移動物体2とともに速度Vで移動する移動ミラーを示し、11a,11b,11cはそれぞれ定位置に固定された各固定ミラーを示している。
【0044】
移動物体2と撮影機材3との間には、移動ミラー10aと、3つの固定ミラー11a,11b,11cとが設けられている。移動物体2の像を常時投影して反射する移動ミラー10aの移動方向には、これと同じ角度、つまり平行に設置された1つ目の固定ミラー11aが設けられている。この1つ目の固定ミラー11aは、移動ミラー10aが移動する直線の延長線上にあって、投影した像を反射させる。この反射方向には、2つ目の固定ミラー11bが上述した固定ミラー11aに対して90度の角度で設けられており、移動物体2の像が固定ミラー11bに投影されるような角度で設置されている。そして、固定ミラー11bは投影した像を移動物体2の移動方向と反対の方向に像を反射させる。
さらに、2つ目の固定ミラー11bにおける像の反射方向には、撮影機材3の正面に設置された3つ目の固定ミラー11cがある。この3つ目の固定ミラーは、移動物体2の像が撮影機材3に入射するような角度で設置されている。この3つ目の固定ミラー11cは、投影された像を正面レンズ7の方向、つまり、撮影機材3に向けて反射可能な角度に設置され、移動物体2の像を反射させる。
【0045】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
移動物体2には、レーザ出力装置4から出力されて一旦レーザ反射用ミラー6で直角に反射したレーザLが照射される。このレーザLの照射によって移動物体2の物質状態が可視化され、可視化された移動物体2の像は、移動ミラー10aに常時投影される。像を投影しながら移動する移動ミラー10aは、投影された移動物体2の像を1つ目の固定ミラー11aに向けて反射させ、これによって固定ミラー11aには移動物体2の像が投影される。
さらに、1つ目の固定ミラー11aから2つ目の固定ミラー11bに像が投影されて、ここから3つ目の固定ミラー11cに向かって像が反射する。
【0046】
そして、3つ目の固定ミラー11cによる反射作用によって、移動物体2の像は撮影機材3の方向に向かって反射する。移動物体2の像は正面レンズ7に入射して屈折することによって収束し、ハーフミラー9を通過して撮影機材3に入る。ハーフミラー9で直進した移動物体2の像は、撮影機材3に映し出され、撮影機材3がこの像を捉えることで移動物体2の撮影がなされることとなる。
また、校正対象5の像が校正用レンズ8によって収束してハーフミラー9に入射し、このハーフミラー9の屈折作用により、入射方向に対して直角に屈折して撮影機材3に入ることになる。
【0047】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な計測・分析が可能なレーザ計測を行うことができる。また、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく、移動ミラー10aのみを移動させる構成なので、計測装置内の構成を容易に変更して焦点のずれが少ないレーザ計測装置を提供することができる。そして、複数の固定ミラー11a,11b,11cを使用することによって、撮影機材3の設置場所の制約がなくなり、像を確実に捉えることができる。
【0048】
[第3の実施形態]
図3は第3の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態は上述した第1または第2の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図3において、符号10aは移動物体2とともに速度Vで移動する第1移動ミラー(移動ミラー)を示し、10b,10cは移動ミラー10aの移動速度の1/2の速度で且つ同一方向に移動する第2移動ミラーと第3移動ミラー(共に移動ミラー)を示している。
【0049】
第1移動ミラー10aは、上述した第1の実施形態と同様な動作を行うものであって、速度Vで移動物体2とともに平行に移動する。第2移動ミラー10bは、移動物体2の像を直接投影する移動ミラー10aと同じ角度、つまり平行に設置されており、移動ミラー10aと同一方向に移動する。さらに、第2移動ミラー10bと共に移動する第3移動ミラー10cとは鏡面が向き合うように且つ、それぞれのなす角が90度とされて設置されている。従って、第2移動ミラー10bは、移動物体2の像を第3移動ミラー10cに向けて反射可能な角度に設置されていることになる。第3移動ミラー10cの反射方向には、撮影機材3の正面に設置された固定ミラー11cがあって、投影された像を正面レンズ7の方向、つまり、撮影機材3に向けて反射可能な角度を有して設置されている。
【0050】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、第1移動ミラー10aに常時投影される。像を投影しながら移動する第1移動ミラー10aは、投影された移動物体2の像を第2移動ミラー10bに向けて反射させ、これによって第3移動ミラー10cには移動物体2の像が投影される。第2移動ミラーと第3移動ミラーとが、同調して移動物体2と1/2の速度で移動するため、移動物体2から撮影機材3までの投影される光路長が一定に保たれる。
【0051】
そして、固定ミラー11cによる反射作用によって、移動物体2の像は撮影機材3の方向に向かって反射し、この像は正面レンズ7に入射して屈折することによって収束する。そしてハーフミラー9を通過して撮影機材3に映し出され、撮影が行われることとなる。
同様に、校正対象5の像が校正用レンズ8で収束してハーフミラー9に入り、ここで屈折して、撮影機材3で撮影されることとなる。
【0052】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析・計測が可能なレーザ計測を構築することができる。さらに、第2及び第3移動ミラー10b、10cを移動させることによって、移動物体2から撮影機材3までの光路長が一定に保たれるので、像の焦点を合わせることができ、焦点ずれがないレーザ計測装置を提供することができる。
【0053】
[第4の実施形態]
図4は第4の実施形態における移動物体のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態のレーザ計測装置は、上述した第2の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図4において、符号13は焦点調整用レンズを示している。この焦点調整用レンズ13は、凸形状のレンズ部13aと凹形状の凹レンズ部13bとからなり、3つ目の固定ミラー11cと正面レンズ7との間に設けられている。
凹レンズ部13bは、移動物体2の移動速度Vを焦点距離fで除した値、つまり、速度V/fで移動するものである。
【0054】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、第2の実施形態と同様に3つ目の固定ミラー11cから撮影機材3に向かって反射する。ここで、像は焦点調節用レンズ13に入射して、凹レンズ部13bがV/fの速度で移動することによって、移動物体2の焦点距離が調節され、像の焦点が合わされる。焦点が合った像は、正面レンズ7に入射して屈折することによって収束する。そしてハーフミラー9を通過して撮影機材3に映し出され、撮影が行われることとなる。同様に、校正対象5の像が校正用レンズ8で収束してハーフミラー9に入り、ここで屈折して、撮影機材3で撮影されることとなる。
【0055】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析・計測が可能なレーザ計測を構築することができる。さらに、焦点調整用レンズ13によって焦点が合わされるので、容易に調整できて焦点ずれがないレーザ計測装置を提供することができる。
【0056】
[第5の実施形態]
図5は第5の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態のレーザ計測装置は、上述した第2または第4の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図5において、符号14は焦点調整用レンズを示している。この焦点調整用レンズ14は、凸形状のレンズ部14aと凹形状の凹レンズ部14bとからなり、像が投影される光路中にある2つ目の固定ミラー11bと3つ目の固定ミラー11cとの間に設けられている。
凹レンズ部14bは、移動物体2の移動速度Vを焦点距離fで除した値、つまり、速度V/fで移動するものである。
【0057】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、第2の実施形態と同様に2つ目の固定ミラー11bから3つ目の固定ミラー11cに向かって反射される。この間で、像は焦点調節用レンズ14に入射して、凹レンズ部13bがV/fの速度で移動することによって、像の焦点が合わされる。焦点が合った像は、3つ目の固定ミラー11cに投影されてさらに反射することによって、正面レンズ7に入射する。そして、正面レンズ7に入射した像がここで屈折することによって収束がなされ、その後にハーフミラー9を通過して撮影機材3に入射することになる。同様に、校正対象5の像が校正用レンズ8で収束してハーフミラー9に入り、ここで屈折して、撮影機材3で撮影されることとなる。
【0058】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析及び計測が可能なレーザ計測を構築することが可能となる。さらに、各固定ミラー11b,11c間に焦点調整用レンズ13が設けられるので、焦点のズレがないコンパクトなレーザ計測装置を構成することができる。
【0059】
[第6の実施形態]
図6は第6の実施形態における移動物体2のレーザ計測装置の概略構成を示す全体図である。なお、本実施形態のレーザ計測装置は、上述した第2の実施形態のレーザ計測装置と比較して一部構成が異なるため、その点について説明しその他は同一符号で示してその説明を省略する。図6において、符号10bは移動ミラー10bを示し、11d,11e,11fは3つの各固定ミラーを示している。
移動ミラー10bは、移動物体2と同様に紙面右側に向かって速度Vで移動し、投影した移動物体2の像を移動物体2の移動方向と反対側に反射させる。
また、この反射方向には1つ目の固定ミラー11dが設けられており、さらにこれと90度の角度を有して第2の固定ミラー11eが設けられている。従って、1つ目の固定ミラー11dは、移動物体2の像を2つ目の固定ミラー11eに向けて反射可能な角度に設置されていることになる。
3つ目の固定ミラー11fは、撮影機材3の正面に位置しており、第2の固定ミラー11eからの反射した像を捉え、撮影機材3に移動物体2の像を反射させることが可能な角度を有して設置されている。
【0060】
移動物体2が撮影される仕組みについて説明する。
レーザLの照射によって可視化された移動物体2の像は、移動ミラー10bに常時投影され、移動物体2の移動方向と反対側にある1つ目の固定ミラー11dに投影される。つまり、ここで像が進む方向は、移動物体2の移動方向と反対側とされている。
そして、2つ目の固定ミラー11eに像を反射させてから、この固定ミラー11eは移動物体2の移動方向と同じ方向に像を反射させる。この先には3つ目の固定ミラー11fがあり、ここに像が投影されることによって、この像はさらに撮影機材3に向かって反射し、正面レンズ7に入射する。以下、第2の実施形態と同様に撮影機材3に移動物体2の像と校正対象5の像とが映し出されることになり、撮影が行われることとなる。
【0061】
以上説明した本実施形態のレーザ計測装置によれば、撮影機材3及び校正対象5を移動させることなく移動物体2を高分解能で撮影することができ、高精度な分析及び計測が可能なレーザ計測を構築することができる。さらに、各固定ミラー11d,11e、11fを移動物体2の移動範囲W外にほぼ設置することができるので、大きな移動範囲Wを有する移動物体2に的確に対応して撮影及び計測することが可能なレーザ計測装置を提供することができる。
【0062】
以上、6つの実施形態に係るレーザ計測装置を説明したが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施形態を組み合わせて校正してもよい。例えば、第4及び第5の実施形態に示した焦点調節用レンズ(13あるいは14)を移動物体2の像が投影される光路中に設ける構成としてもよい。また、移動物体2を投影・反射する各移動ミラーと各固定ミラーとにおける各構成を説明したが、移動物体2の像を投影・反射させる作用を有する反射板であってもよい。
【0063】
さらに、上記6つの実施形態は、LIFによるレーザ計測装置を用いて説明したがこれに限定解釈されるものではなく、例えば、レーザLを使用しない撮影のみを主眼においた撮影装置において構成することができる。
これによれば、カメラ等の撮影機材を移動させずに移動物体を的確に捉えた撮影を行うことができる。
【0064】
さらに、撮影対象である移動物体2は、撮影範囲内とされた移動範囲Wで直線移動する場合を説明したが、例えば、撮影対象が移動しない物体であって、撮影範囲全体にわたって撮影する必要がない場合に撮影することとしてもよい。
つまり、移動ミラーで物体を部分的に連続して投影し、物体を捉えることである。この場合、撮影範囲を狭くして撮影することになるので、撮影における分解能が上がり、より高精度な撮影、さらには分析・計測が可能となる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した本発明の移動物体の計測方法及び計測装置においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、撮影範囲に合わせて平行移動する少なくとも1つの移動反射板に物体の像を投影して反射させ、さらに反射された物体の像をすくなくとも1つの反射板に投影して撮影機材に向かって反射させるレーザ計測方法としたので、撮影機材を移動させずに物体全体を捉えつつ撮影範囲を狭くすることができ、高分解能で物体を撮影することができる。
【0066】
請求項2記載の発明は、移動可能に複数設けられた各移動反射板を、それぞれ個別に移動させて光学距離を調整することによって物体の焦点を合わせるレーザ計測方法とされているので、物体の焦点を合わせて的確な撮影を行うことができる。
【0068】
請求項3記載の発明は、移動物体に合わせて平行移動する移動ミラーと、該移動ミラーからの移動物体の像を撮影機材へと導く定位置に固定された固定ミラーとを備えているので、撮影機材を移動させずに移動物体に追従して撮影範囲一杯に移動物体を撮影することができ、高分解能でブレの少ないレーザ計測装置を提供することができる。
また、レーザの光路中に強度補正を行うための校正対象を有し、校正対象を投影するハーフミラーが撮影機材の正面に備えられたレーザ計測装置とされているので、撮影機材及び校正対象を移動させることなく、高分解能で焦点のずれがない撮影を行うことができ、レーザの強度補正を的確に行って高精度な計測を行うことが可能なLIF等におけるレーザ計測装置を提供することができる。
【0069】
請求項4記載の発明は、3つの移動ミラーを有してこのうちの1つは移動物体と同等な速度で平行移動する第1移動ミラーとされ、また、他の2つは各々の鏡面が所定の角度を有して向き合うように配置されて、移動物体から撮影機材までの光路長が一定となるように共に移動する第2及び第3移動ミラーとされているので、移動物体から撮影機材までの光学距離を補正して移動物体の焦点を合わせることができ、高分解能で撮影可能なレーザ計測装置を提供することができる。
【0070】
請求項5記載の発明は、移動物体の像が投影される光路中に焦点調整用レンズを備えているので、移動物体の焦点を容易に合わせることができ、高分解能で撮影可能なレーザ計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図2】本発明に係る第2の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図3】本発明に係る第3の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図4】本発明に係る第4の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図5】本発明に係る第5の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図6】本発明に係る第6の実施形態におけるレーザ計測装置の概略構成を説明するレーザ計測装置の全体図である。
【図7】従来の移動物体のレーザ計測装置を説明する全体図である。
【符号の説明】
2 移動物体(物体)
3 撮影機材
4 レーザ出力装置
5 校正対象
9 ハーフミラー
10 移動ミラー
10a 第1移動ミラー
10b 第2移動ミラー
10c 第3移動ミラー
11 固定ミラー
11a,11b,11c,11d,11e,11f 固定ミラー
13,14 焦点調節用レンズ
L レーザ
Claims (5)
- 直線方向に移動する移動物体にレーザを照射し、定位置に設置された撮影機材で撮影して計測するレーザ計測方法であって、
前記移動物体に合わせて同等な速度で平行移動する少なくとも1つの移動反射板に、該移動物体の像を投影して反射させ、さらに、反射された前記移動物体の像を少なくとも1つの反射板に投影して前記撮影機材に向かって反射させることで、前記移動物体の像を前記撮影機材に入射させるとともに、
前記レーザの光路途中に設けられ強度補正を行うための校正対象の像を、前記撮影機材に入射させ、
前記移動物体の像と前記校正対象の像とを捉えて、前記移動物体を撮影して計測することを特徴とするレーザ計測方法。 - 請求項1記載のレーザ計測方法において、
移動可能に複数設けられた前記各移動反射板を、それぞれ個別に移動させて光学距離を調整することによって、前記物体の焦点を合わせることを特徴とするレーザ計測方法。 - 直線方向に移動する移動物体にレーザを照射し、定位置に設置された撮影機材で撮影して計測するレーザ計測装置であって、
前記移動物体に合わせて同等な速度で平行移動する移動ミラーと、
該移動ミラーからの前記移動物体の像を前記撮影機材へと導く定位置に固定された固定ミラーと、
前記レーザの光路途中に設けられ、強度補正を行うための校正対象と、
前記撮影機材の正面に設けられ、前記移動物体の像と前記校正対象の像とを前記撮影機材に入射させるハーフミラーと、
を備えていることを特徴とするレーザ計測装置。 - 請求項3記載のレーザ計測装置において、
3つの前記移動ミラーを有し、
このうちの1つは前記移動物体と同等な速度で平行移動する第1移動ミラーとされ、
また、他の2つは各々の鏡面が所定の角度を有して向き合うように配置されて、前記移動物体から前記撮影機材までの光路長が一定となるように共に移動する第2及び第3移動ミラーとされていることを特徴とするレーザ計測装置。 - 請求項3または請求項4記載のレーザ計測装置において、
前記移動物体の像が投影される光路途中に焦点調整用レンズを備えていることを特徴とするレーザ計測装置。
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