JP3593014B2 - 映像データ記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像データを記録再生する映像データ記録再生装置に係り、特に、記録と再生を同時に処理することができる映像データ記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像データの記録と再生を同時に処理する装置では、映像データの記録系の処理と再生系の処理とが完全に分離され、個々に独立して制御されていたため、それらの処理系に必要な一時記憶用のバッファメモリに関しても、それぞれの処理系で独立した容量のメモリを備えた構成となっていた。また、大容量記憶装置に対する記録と再生のためのアクセスは、記録処理(バッファメモリから大容量記憶装置への書き込み動作)と再生処理(大容量記憶装置からバッファメモリへの読み出し動作)を、時分割で交互に処理することで実現していた。
【0003】
なお、バッファメモリのバスバンド幅を拡げることにより、2つあったバッファメモリブロックを1系統にまとめて、記録と再生を同時に処理することも可能であるが、この場合も、記録と再生の処理系はそれぞれ独立しているため、それぞれに必要なメモリ容量は固定されたものとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の映像データ記録再生装置では、映像データの記録と再生を同時に処理しているときに、記憶装置(大容量記憶装置)に何らかの障害が発生し、記憶装置へのアクセスが一時的に滞ってしまうような事態に陥った場合、記録用バッファメモリ領域と再生用データが不足してくる。このようなことが発生すると、記録中の映像が途切れ、また、再生中の映像も途切れてしまう。再生映像は記録済みのデータが消去されるわけではないので、致命的な問題とはならないが、記録していた映像が途切れると、致命的なエラーとなる。
【0005】
本発明は上記した従来技術のもつ問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、記憶装置へのアクセスが一時的に滞ってしまうような事態に陥った場合でも、映像データを途切れることなく記録し、かつ、再生画像を途切れることなく出力可能な映像データ記録再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による映像データ記録再生装置では、再生用のバッファメモリ領域の一部を、一時的に記録用に利用可能とするように制御することで、記録用として不足していたバッファメモリ容量を確保し、かつ、再生用として不足した分だけ再生データを間引くことで、再生映像の品質は低下するものの、再生用として必要なバッファメモリ使用量を減らすことで、再生映像の連続性は保証するように、構成する。
【0007】
つまり、再生用のバッファメモリ領域の一部を記録用に利用することで、映像入力データは途切れることなく、記憶装置へ記録され、また、再生映像は再生用のバッファメモリサイズが減った分だけ再生映像データを間引くことによってデータ量を削減し、再生映像も途切れることなく出力できるようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る映像データ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0009】
図1において、1は映像入力装置、2は映像入力データ制御回路、3はバッファメモリ&メモリ制御回路、4は記憶装置I/F制御回路、5は記憶装置(ここでは、記憶装置としてHDDを用いたシステムとしているが、記憶装置はこれに限られものではない)、6はデータ間引き制御回路、7は映像出力データ制御回路、8は映像出力装置、9はシステムコントローラ、10はシステムバスである。ここで、映像入力装置1と映像出力装置8は、映像データ記録再生装置に接続される外部装置であり、構成要素2、3、4、5、6、7、9、10が映像データ記録再生装置に含まれるものとなっている。
【0010】
まず、映像入力装置1から入力される信号が記憶装置(ここではHDD)5に記録される系について説明する。
【0011】
図1に示す構成において、映像入力装置1から映像データ(音声データ等も含む)が映像入力データ制御回路2に送られる。この入力映像データがアナログ信号の場合、映像入力データ制御回路2に備えられたA/D変換回路によりデジタル信号に変換され、さらに、映像入力データ制御回路2に備えられたDV方式、MPEG1方式、MPEG2方式などの圧縮を行う回路によって、必要に応じてデジタルデータサイズの縮小処理が施される。また、映像入力装置1からの映像データがデジタル信号である場合には、A/D変換の必要なく、そのままのデジタルデータを取り扱い、また、上記と同様に、必要に応じてDV方式、MPEG1方式、MPEG2方式などの圧縮処理が施される(映像入力装置1からの映像データが、既にMPEG2等に圧縮されたデジタルデータの場合も勿論あり得るが、ここでは、A/D変換のみを施したデジタルデータを取り扱うとしている)。映像入力データ制御回路2から出力されるデジタルデータは、システムバス10を介してバッファメモリ&メモリ制御回路3に送られる。
【0012】
バッファメモリ&メモリ制御回路3は、入出力レート(データ転送速度)とHDD5へのアクセスレートの違いを吸収して、効率的なデータ転送処理を行うために必要なものであり、ここでは、HDD5のデータ転送レートは、映像データ転送レートと比較して非常に高いものであるとする。
【0013】
図2は、バッファメモリ&メモリ制御回路3中のバッファメモリのメモリ領域変更とデータ制御の概念を示す図であるが、この図3の概念図に示すように、バッファメモリ3aは、見かけ上、バッファメモリ領域3a−1に対しての入出力を担う4つのポート3a−2、3a−3、3a−4、3a−5を持つメモリとして、システムコントローラ9によりメモリ制御回路を介してコントロールされる。4つのポートのうち2つのポートは、記録系の映像データ入力ポート3a−2と記録データ出力ポート3a−3で、他の2つのポートは、再生系の再生データ入力ポート3a−4と映像データ出力ポート3a−5である。このバッファメモリ3aは、記録系処理と再生系処理とで共有して利用されるように制御されており、また、記録系処理と再生系処理が同時に実行できるように制御される。記録と再生が同時に処理されるので、バッファメモリ3aのメモリ領域3a−1は、記録データ用の領域と再生データ用の領域の2つに分けて、システムコントローラ9によってメモリ制御回路を介して管理されるようになっている。記録する映像データのデータ転送レートと再生する映像のデータ転送レートとが等しい場合、上記2つの領域は、バッファメモリ3aのメモリ領域3a−1を2等分した領域がそれぞれの領域として割り当てられる。また、記録と再生とでデータ転送レートが異なる場合には、それらのレートに比例してそれぞれの領域に配分設定することも可能なようになっている。
【0014】
映像入力データ制御回路2からシステムバス10を介してバッファメモリ&メモリ制御回路3に送出された映像データは、映像データ入力ポート3a−2から取り込まれ、バッファメモリ3a(バッファメモリ領域3a−1)の記録データ用の領域に書き込まれる。この領域に書き込まれた記録用データは、記録データ出力ポート3a−3からシステムバス10を介して記憶装置I/F制御回路4へ出力される。記憶装置I/F制御回路4に送られたデータは、記憶装置(HDD)5に記録される。
【0015】
次に、記憶装置(HDD)5に記録された映像データを再生する系について説明する。
【0016】
記憶装置(HDD)5から読み出されたデータは、記憶装置I/F制御回路4に出力され、データを間引く必要のないときには、記憶装置I/F制御回路4からシステムバス10を介して、バッファメモリ&メモリ制御回路3のバッファメモリ3aの再生データ入力ポート3a−4に送られ、バッファメモリ3a(バッファメモリ領域3a−1)の再生データ用の領域に書き込まれる。また、再生データを間引く必要のあるときには、記憶装置(HDD)5から読み出されたデータは、記憶装置I/F制御回路4を介して、データ間引き回路6へ送られる。このデータ間引き回路6では、システムコントローラ9の指示にしたがってデータ間引きの処理を行い、間引きされたデータは、システムバス10を介して、バッファメモリ&メモリ制御回路3のバッファメモリ3aの再生データ入力ポート3a−4に送られ、バッファメモリ3a(バッファメモリ領域3a−1)の再生データ用の領域に書き込まれる。
【0017】
バッファメモリ3aの再生データ用の領域に書き込まれた再生データは、映像データ出力ポート3a−5から、システムバス10を介して、映像出力データ制御回路7に送られる。映像出力データ制御回路7では、後段の映像出力装置8がアナログ信号を取り扱う場合には、映像出力データ制御回路7に備えられたD/A変換回路により変換したアナログ信号を、映像出力装置8に出力する。また、DV方式、MPEG1方式、MPEG2方式などの圧縮が施されているデータに対しては、映像出力データ制御回路7に備えられたデコーダ回路によって伸張処理を施した後のデータを出力するようになっている。映像出力装置8に送られたデータは、映像出力装置8の表示手段上で再生表示される。
【0018】
本実施形態では、HDD(ハードディスクドライブ)を記憶装置5として利用しているので、ここで、映像データを記録処理および再生処理する際に問題となるHDDの動作について、以下簡単に説明する。
【0019】
セクタリード/ライト時にエラーが発生した場合、HDDは自動的にリトライ処理を実行し、エラーからの回復を図る。このようなリトライ処理には、リード/ライトエラーおよびシークエラーに対するものがある。
【0020】
リード/ライト時のリトライ処理は、同じセクタを再びアクセスするために、ディスクが1回転して同じセクタがヘッドに来るのを待つためのディスク1回転分の待ち時間が発生する。この待ち時間は、例えば5400rpmのHDDの場合、約11.1msとなる。このため、エラーが回復するのに数回のリトライが必要であった場合、そのリトライ回数×ディスク1回転時間(11.1ms)だけの余分の待ち時間が発生することになる。
【0021】
また、シークエラーに対するリトライ処理は、指定されたセクタに対するアクセス要求が発生した場合にヘッドが目的のセクタがあるトラックへシーク動作(移動)を行った結果、何らかの要因(外部からの振動や衝撃、サーボ情報の不具合)で目的のトラックにオントラックすることができなかった場合に発生する。その処理内容はHDDメーカ各社により若干異なるが、目的トラックへの位置決め精度を上げるために、一度基準となるトラックまたは領域へヘッドを移動し、そこから再び目的のトラックへヘッドを移動させるというものである。このときに掛かる処理時間は、これも各社のHDDにより異なるが数百msが必要となる。
【0022】
これらHDD仕様で規定された回数のリトライ実行後に、エラーを回復できた場合、HDDは自動的に交代処理を実行する。この交代処理は、リードとライトで処理内容が異なる。まず、リード時の動作は、規定回数のリトライ処理を実行後にエラーから回復したセクタデータを他の未使用セクタ(交代用の専用領域が設けられている)へ自動的に移動させるというもので、次に同じセクタへアクセス要求があった場合には、上記処理によって配置換えされたセクタに対してアクセスが実行されるように制御される。また、ライト時の動作は、規定回数のリトライ処理を実行後にエラーが回復しない場合、リードと同様に他の未使用セクタ(交代用の専用領域が設けられている)へライトデータを書き込むというもので、次に同じセクタへアクセス要求があった場合には、上記処理によって配置換えされたセクタに対してアクセスが実行されるように制御される。
【0023】
また、HDD周囲の温度変化に対するデータアクセスの精度、信頼性の維持のために実行される、サーマルキャリブレーション処理と呼ばれる処理動作がある。この処理も、各社のHDDによって動作仕様は異なるが、おおよそ数十分毎に1回自動的にその処理を実行し、その処理に要する時間は数百msに及ぶものとなっている。そして、このサーマルキャリブレーション処理を実行している間は、ホストからHDDに対してアクセスを行うことができない。
【0024】
HDDでは、以上のようなデータの信頼性を維持するための処理が自動的に実行される。このような処理は、コンピュータシステムにとっては非常に重要なことではあるが、映像データを記録再生する装置においては予測できないオーバーヘッドとなる。
【0025】
映像データの記録と再生を同時に処理している場合、バッファメモリ3aと記憶装置(HDD)5との間のデータ転送において、アクセス時に何らかの要因でエラーが頻繁に発生し、さらにHDDの前記自動処理動作が重なることにより、HDDへのアクセスが滞るような事態が発生すると、記録用の映像入力データおよび再生用の映像出力データはリアルタイムで間断なく入出力が順次行われているため、バッファメモリの記録用のデータ領域は不足し、再生用データも不足することになる。このようなアクセスの滞りが一時的なものであったとしても、システムコントローラが管理しているバッファメモリの記録用のデータ領域と再生用のデータ領域とが固定されている場合には、記録用のデータ領域の残容量がなくなると、映像入力データが連続的に記録できなくなるという致命的な事態を招来する(これに対して、再生の場合には一時的に映像が途絶えるだけで、HDDに記録されているデータが消えてしまうということにはならないので、致命的な問題とはならない)。
【0026】
そこで、本実施形態では、上記のような事態に陥る虞が生じたときには、すなわち、バッファメモリの記録用のデータ領域の残容量が規定の値より減ったことを検出したときには、例えば図2に示すように、バッファメモリ3aのメモリ領域3a−1中の再生用のデータ領域のうちの2分の1を、記録用のデータ領域として使用できるように、システムコントローラ9が設定変更を行うことで、記録用のデータ領域を確保するようにしている(つまり、メモリ領域3a−1の全容量の4分の3を記録用のデータ領域として確保するようにしている)。このように制御することで、記録データの欠落という致命的な事態を免れることが可能となる。なお、ここでの例では、再生用のデータ領域のうちの2分の1を記録用のデータ領域とするとしたが、システムコントローラ9による記録用と再生用のデータ領域の設定は、任意の大きさで設定制御することが可能である。
【0027】
このようにして、記録用のデータ領域は確保されるが、再生用のデータ領域は削減されているため、このままでは再生時のデータが不足し、再生映像が途切れるような事態が生じる。そこで、図1のデータ間引き制御回路6では、再生時の映像の品質は落ちるが映像が途切れて見えなくなるような事態が発生しないように、システムコントローラ9の指示によって、メモリ領域3a−1中の再生用のデータ領域の減少分に合わせてデータを間引くことで、再生用のデータ領域へ転送するデータ量を減らし、再生用のデータ容量の減少に対応させる。
【0028】
具体的には、図2に示すように、バッファメモリ3aのメモリ領域3a−1中の再生用のデータ領域のうちの2分の1が、記録用のデータ領域としてシステムコントローラ9によって設定された場合、データ間引き制御回路6において、記憶装置(HDD)5より送られてきた映像データ(ここでは、フレーム単位のデータ)を、2フレームデータ毎に1フレームデータを間引くことによって、再生用のデータ領域の減少分を補うように、システムコントローラ9が設定する。ここでは説明の簡単化のため、データサイズが均等のフレームデータとしたが、MPEG2で圧縮された映像データの場合、I、P、B各フレームのデータサイズは一定でないので、例えば各フレーム当たりのデータサイズの比をI:P:B=5:2.5:1としたとき、1GOP(Group of Picture)単位当たりでの各フレームが占めるデータ量の比は、I:P:B=1:2:2となる(MPEG2のパラメータ;N=15、M=3)。これは例えば、Bフレームを間引くと40%のデータ量を削減できるので、再生用のデータ領域の40%分を記録用のデータ領域に設定できることを意味する。また、PとBフレームの両方を間引くと、全体の80%のデータ量を削減できるので、同様に、再生用のデータ領域の80%を記録用に利用できるということになる。但し、このときの映像再生は、1GOP(0.5秒)当たりにIフレームの映像が1枚だけ再生されることになり、映像の品質は落ちることになるが、再生の連続性は保証される。
【0029】
なお、データを間引く他の手法としては、再生データ入力の水平、垂直解像度を落としたり、データ圧縮をかけるなどして、同様の効果を引き出すことが可能である。
【0030】
次に、バッファメモリ3aのメモリ領域3a−1中の再生用のデータ領域に、すでに書き込まれている再生データに対して、間引き処理を行う手法について、図3と図4を用いて説明する。
【0031】
図3は、再生データの間引き率を50%としたときの、再生データ入力と、入力したデータが書き込まれるバッファメモリ3aのメモリ領域3a−1中の各領域との関係を示したものである(このときの再生データは固定長のフレームデータであるとする)。まず、図3の(a)に示したように、フレーム単位の再生用入力データが、0→1→2→3→4→5→6→……のように順次入力してくるとき、再生用のデータ領域を、再生用領域「0」〜「3」というように4つの領域に分けて、フレーム単位で順次、メモリ領域3a−1中の再生用領域「0」→「1」→「2」→「3」→「0」→「1」→「2」→「3」→……というように、順番に記録していくように制御する。ここで、間引き率50%は、2フレーム分のデータ毎に1フレーム分のデータを間引くことで実現できるので、例えば図3の(a)に示すように、偶数番号のフレームを再生し、奇数番号のフレームを間引くという制御を行う。すなわち、システムコントローラ9が再生用のデータ領域の50%を記録用として利用できるように設定する場合、奇数番号の再生用領域を記録用として利用できるように設定することで、すでに奇数番号の再生用領域に記録された再生用データが自動的に無効化されたこと、すなわち、50%分の再生データが間引かれたことになる。
【0032】
同様に、図4は、再生データの間引き率を75%としたときの、再生データ入力と、入力したデータが書き込まれるバッファメモリ3aのメモリ領域3a−1中の各領域との関係を示したものである(このときの再生データも固定長のフレームデータであるとする)。この場合にはデータの間引き率は75%であるので、4フレームのうち3フレーム分を間引いて、ここでは例えば、4つの再生用領域「0」〜「3」のうち領域「1」〜「3」の3つを、記録用として利用できるように設定する。このようにすることで、番号「1」〜「3」の再生用領域に記録された再生用データが自動的に無効化され、書き込み済みの再生データを75%分間引いたことになる。
【0033】
上述した図3、図4に示した例においても、説明の簡単化のため、データサイズが均等のフレームデータとしたが、MPEG2で圧縮された映像データの場合、I、P、B各フレームのデータサイズは一定でないので、前述と同様に、各フレーム当たりのデータサイズの比をI:P:B=5:2.5:1としたとき、1GOP(Group of Picture)単位当たりでの各フレームが占めるデータ量の比は、I:P:B=1:2:2となる(MPEG2のパラメータ;N=15、M=3)。これは先にも述べたように、Bフレームを間引くと40%のデータ量を削減できるので、再生用のデータ領域の40%分を記録用のデータ領域に設定できることを意味し、また、PとBフレームの両方を間引くと、全体の80%のデータ量を削減できるので、同様に、再生用のデータ領域の80%を記録用に利用できるということを意味する。そこで、再生用のデータ領域を、再生用領域「0」〜「2」の3つの領域に分けて、それぞれの領域のサイズ配分を1:2:2となるようにする。そして、Iフレームデータを再生用領域「0」へ、Pフレームデータを再生用領域「1」へ、Bフレームデータを再生用領域「2」へ、それぞれ記録するように制御する。このように再生用領域を配分しておくことで、システムコントローラ9からの指示により再生用のデータ領域を記録に利用するように設定したい場合、まず、Bフレームデータを間引くように設定することで、再生用のデータ領域の40%(再生用領域「2」)を記録用として利用可能になる。さらに、Pフレームデータも間引くように追加設定することで、再生用のデータ領域の80%(再生用領域「1」および「2」)を記録用として利用可能になる。
【0034】
なお、上述したような手法によって間引かれた再生用のデータの前後のデータを用いて補間データを生成し、この補間データを前後のデータの間に挿入して、再生表示させるような手段を設けることも可能である。
【0035】
なおまた、前述した実施形態では、記憶装置5としてHDDを用いた例を示したが、記憶装置はこれに限定されるものではなく、光磁気ディスク、光ディスクなどが適用可能である。また、前述で具体的に示した数値等についても、これに限られるものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、映像データの記録と再生を同時に行う装置において、記憶装置へのアクセスが一時的に滞ってしまうような事態に陥った場合でも、映像データを途切れることなく記録し、かつ、再生画像を途切れることなく出力可能となる。つまり、記録の映像データが途切れることは致命的で復旧できないものに対して、本発明では、一時的に再生画像の画質を低下させることで記録用のバッファメモリ容量を確保し、映像データを途切れることなしに記録可能とし、かつ、表示においても、画質は低下するが途切れることなく再生出力することが可能となる(なお、記憶装置に記録されている再生データを操作するわけではないので、次回再生時には正常に表示される)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像データ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のバッファメモリ&メモリ制御回路における、バッファメモリのメモリ領域変更とデータ制御の概念を示す説明図である。
【図3】再生データの間引き率を50%としたときの、再生データ入力と、入力したデータが書き込まれるバッファメモリの各領域との関係を示す説明図である。
【図4】再生データの間引き率を75%としたときの、再生データ入力と、入力したデータが書き込まれるバッファメモリの各領域との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 映像入力装置
2 映像入力データ制御回路
3 バッファメモリ&メモリ制御回路
3a バッファメモリ
4 記憶装置I/F制御回路
5 記憶装置(HDD)
6 データ間引き制御回路
7 映像出力データ制御回路
8 映像出力装置
9 システムコントローラ
10 システムバス

Claims (15)

  1. 外部の映像データ入出力装置との間で映像データの入出力を行う映像データ記録再生装置であって、
    映像データを記録および再生する大容量の記憶装置と、該記憶装置に記録および再生する映像データを一時的に記憶するバッファメモリと、少なくとも前記記憶装置と前記バッファメモリとの間でのデータ転送を制御する制御部とを、備え、
    前記制御部は、記録と再生を同時に処理し、前記バッファメモリは、記録用と再生用で共有されることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  2. 請求項1記載において、
    前記バッファメモリは、記録用と再生用で使用するメモリサイズを前記制御部からの設定により変更できることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  3. 請求項2記載において、
    何らかの要因により記録用と再生用のバッファメモリの容量が不足する場合、前記したメモリサイズの変更を実行し、記録を優先させて記録用のバッファメモリサイズが大きくなるように制御することを特徴とする映像データ記録再生装置。
  4. 請求項3記載において、
    前記したメモリサイズの変更において再生用のバッファメモリサイズが小さく設定されたとき、小さくなった再生用のバッファメモリサイズに合わせて、再生用のバッファメモリに記録する再生データを間引く等してデータ量を減らし、小さい再生用のバッファメモリサイズにおいても再生時間の減少を補えるようにすることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  5. 請求項4記載において、
    小さく設定された再生用のバッファメモリのサイズ減少分の比率に合わせて、間引く再生データのデータ量を設定できることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  6. 請求項4記載において、
    間引くデータを、再生映像データのフレーム単位とすることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  7. 請求項4記載において、
    再生映像データがMPEG2方式の映像データである場合、間引くデータを、I、P、Bフレーム単位とすることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  8. 請求項4記載において、
    再生映像データの解像度を落とすことで、再生データのデータ量を減少させることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  9. 請求項8記載において、
    小さく設定された再生用のバッファメモリのサイズ減少分の比率に合わせて、再生映像データの解像度を落とすことを特徴とする映像データ記録再生装置。
  10. 請求項4記載において、
    再生映像データの圧縮率を上げることにより、再生データのデータ量を減少させることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  11. 請求項10記載において、
    小さく設定された再生用のバッファメモリのサイズ減少分の比率に合わせて、再生映像データの圧縮率を上げることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  12. 請求項3記載において、
    通常再生用に設定されているバッファメモリの再生用のデータ領域を2つ以上の複数の領域に分け、この複数の領域の1つに、再生データを間引く処理を行う際には間引かれないデータを、この複数の領域の他のものには、再生データを間引く処理を行う際には間引く対象候補となるデータを、それぞれ振り分けて記録するようにし、前記したように記録を優先させて記録用のバッファメモリサイズが大きくなるように設定したときには、前記間引く対象候補となるデータに割り当てられた領域の少なくとも1つが、記録用のデータ領域となるように制御することを特徴とする映像データ記録再生装置。
  13. 請求項12記載において、
    再生データの間引き率に合わせて、前記再生用のデータ領域の前記複数の各領域のサイズを任意に設定可能とすることを特徴とする映像データ記録再生装置。
  14. 請求項12記載において、
    前記再生用のデータ領域を分割してなる前記複数の領域の数を、再生データの間引き率に合わせて設定することを特徴とする映像データ記録再生装置。
  15. 請求項4、5、6、7、12、13、14の何れか1つに記載において、
    再生用バッファメモリから間引かれて出力される再生データに、前後の再生データから補間した補間データを挿入して、映像データ出力装置に出力することを特徴とする映像データ記録再生装置。
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