JP3592725B2 - ミスト回収装置 - Google Patents

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孝椎 大見
卓司 土屋
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば旋盤、円筒研削板等の種々の工作機械において、ワークの切削加工時にクーラント等が飛び散って発生するミストを回収するためのミスト回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、図7、8に示すようなミスト回収装置を提案している。即ち、ケース31の前部に吸入口32を設け後部にフィルター33を配置し、さらに、ケース31内には、そのケース31内に配設された環状の複数枚の固定遮板34と、前記ケース31内に配設されるとともに、前記固定遮板34と交互に配設された複数枚の回転板35と、その各回転板35を回転させるための回転手段36と、前記吸入口32を介してケース31内にミストを吸引する吸引手段37、38が設けられている。上記構成を採用したことにより、回転板35が回転手段36にて回転駆動され、また、吸引手段37、38にて吸入口32から霧状物質(ミスト)がケース31内へ吸引される。ケース31内に吸引されたミストは回転板35と固定遮板34との間を蛇行しながらフィルター33へ案内されようとする。この時ミストはそのときどきで前記各固定遮板34または回転板35に衝突し、同固定遮板34または回転板35に付着する。固定遮板34に付着したミストも重力により内周面に沿ってミスト回収通路39に導かれ回収される。また、回転板35に付着したミストは回転板35が回転しているので、その遠心力でケース31の内周面に飛ばされ、内周面に沿って下方のミスト回収通路39に導かれ回収される。そして、残りのミストはフィルター33にて濾過される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ミスト回収装置において、固定遮板34または回転板35に付着するミストの量は、その表面積に比例する為、多くのミストを回収するには大型の装置が必要となり回収効率が悪く、作業環境を悪化させていた。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的はミストの回収効率を向上させ、加えて、ミストを吸収または濾過させ清浄な空気として室内へ排出し、作業環境の改善を図ることが可能なミスト回収装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するため、第1の発明は、前部に吸入口と後部に吐出口を設けたケースと、そのケース内に前後方向へ互いに間隔をおいて配設された中央部に連通孔を形成した複数の固定遮板と、前記ケース内に前記固定遮板と交互配置となるように配設された複数枚の回転板と、その各回転板を回転させるための回転手段と、前記吸入口を介してケース内にミストを導入させる導入手段とからなるミスト回収装置において、前記各固定遮板のうち少なくとも一部の固定遮板には、その吸入口側の面のみに複数の毛状突起を施した。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、前記各固定遮板の連通孔は、その径の大きさが少なくとも2種類からなる
【0008】
【作用】
第1の発明においては、回転手段にて回転板が回転駆動され、ミスト導入手段にて吸入口から霧状物質(ミスト)がケース内に吸入されると、吸入されたミストは回転板と毛状突起を設けた固定遮板との間を蛇行しながらフィルターへ案内されようとする。この時ミストはそのときどきで前記各回転板に衝突し付着するとともに、各固定遮板のうち少なくとも一部の固定遮板の吸入口側の面のみに施した状突起に衝突し付着する。
【0009】
第2の発明においては、各固定遮板の連通孔は、その径の大きさが少なくとも2種類からなるので、導入されてくるミストを含む流体は、径の小さい連通孔においてミストは絞られ、固定遮板前面において圧力が上昇するため、固定遮板に付着し吸収されやすく、しかも、ミストは連通孔通過時にその速度を増して回転板に衝突するので、回転板に付着し吸収されやすくなる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜図5に従って説明する。
図1はミスト回収装置を示し、同装置のケース本体1中央には円筒状に形成されたミスト回収室2が設けられ、同ミスト回収室2の前側には吸入口としての吸入筒部3が設けられている。吸入筒部3は切削機械Mのミストを回収室2に導入するファン4を備えたダクト5に接続されている。つまり、同吸入筒部3は切削機械Mによって切削加工するさいにクーラント等が飛び散って発生するミストを前記ミスト回収室2に案内する。
【0012】
前記ミスト回収室2の内部下側には、図1に示すように、断面U状ミスト回収通路6が前側に傾斜するように形成され、そのミスト回収通路6の一端側にはドレインタンク(図示せず)へ排出口6aが透設されている。また、前記ミスト回収室2の内部には、それぞれ大きさの異なる連通孔7を設けた複数の固定遮板8が等間隔に取着されている。複数の固定遮板8は長手方向に3つのグループに分けられている。そして、各グループの各固定遮板8はその連通孔7の内径は前記吸入筒部3側ほど小さくなるように形成されている。
【0013】
さらに、各グループのうち、吸入筒部3側のグループの各固定遮板8には、その吸入筒部3側の面に毛状突起9が電着植毛されている。また、電着植毛されていない裏面側で、他の植毛されていない固定遮板8はショットブラスト等で表面を処理している。
【0014】
ミスト回収室2の後部の固定遮板8間には、スポンジ等の多孔質で形成されたフィルター10が金具11にて固定されている。さらに、ミスト回収室2の後端部には、平面十字形のアングル12が取着されており、同アングル12は、前記吸入筒部3に取着された十字形のアングル13とで、ミスト回収室2内に配設されたシャフト14を回転可能に軸支している。
【0015】
前記シャフト14には回収室2内部に取着した固定遮板8と交互に配置(フィルタ10が配置されている箇所は除く)されるように円盤状に形成された複数枚の回転板15が取り付け固定されている。また、シャフト14後端部には、カップリング16を介してシャフト駆動用モータ17が接続され、同モータ17は、前記ケース1後端外側面に固定されている。そして、前記ケース1後端外側面には、図5に示すように吐出口18が周方向へ無端梯子状に複数透設されている。
【0016】
次に、上記のように構成されたミスト回収装置の作用及び効果について説明する。
まず、図1に示すように切削機械M側部にミスト回収装置を設置し、シャフト駆動用モータ17を起動し回転板15を回転駆動させる。この状態において、ミスト吸入用のファン4を作動させ、ミストを吸入筒部3からミスト回収室内部2へ導入させる。ミスト回収室2内に導入されたミストは、回転板15と固定遮板8の間隙を矢印に示すように、後方側(同図右側)へ流れて行き、その間に、ミストは、各回転板15に衝突し付着する。回転板15に付着したミストは、回転板15の遠心力により飛散しミスト回収室2の内周面に導かれる。
【0017】
そして、内周面に付着したミストは内周面をつたってミスト回収通路6に案内される。また、ミストは、固定遮板8に設けられた毛状の突起9に付着、吸収される。そして、毛状突起9はミストの付着、吸収を続け、毛状突起9のミストを貯える容量を越えると、容量を越えたミストは、重力によりミスト回収室2の内周面に導かれる。
【0018】
また、このとき、各グループの固定遮板8の連通孔7の内径を吸入筒部3側ほど小さくしたので、連通孔7の内径の小さい固定遮板8の前面で導入されるミストを含む流体は連通孔7通過時に絞られ、その固定遮板8の前面での圧力が高くなり、単位時間当たりに毛状突起9に吸着されるミスト量は増加する。さらに、連通孔にて絞られた流体は速度を増して回転板15に衝突するため回転板15によるミスト回収効率も向上する。このように、ミスト回収室2の内周面に導かれたミストは、ミスト回収通路6に集合回収され、そのミストは排出口6aから図示しないドレインタンクへ排出される。
【0019】
そして、ミスト回収通路6に回収されなかった一部のミストは、スポンジ等の多孔で形成されたフィルター10に濾過、吸収され、最後に、ケース1後端に透設された吐出口18から清浄な空気が室内に排出される。
【0020】
このように本実施例のミスト回収装置によれば、固定遮板8に複数の毛状突起9を設けたことによりミスト回収効率を高め、加えて、ミストを回収室2内に導入するためのファン4を回収室2前部に設け、スポンジ等の多孔質のフィルター10でミストを吸収または濾過し回収できるようにしたことにより、ファン4の駆動動力を低減でき、清浄な空気のみが吐出口18から排出されるため室内を汚染することなく、作業改善が大幅にされる。
【0021】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のように構成することもできる。
(1)ケース1内の前部に取着された固定遮板8のみならず、一部または全ての固定遮板8に電着植毛を施すこと
(2)一部または全ての回転板15に電着植毛を施すこと。
【0022】
(3)一部または全ての固定遮板8と一部または全ての回転板9に電着植毛を施すこと。
(4)図6に示すように、ケース1内に大小2種類の径の大きさが異なる連通孔7の固定遮板8を配設し、少なくとも1つの連通孔7の径の小さい固定遮板8でミストを含む流体を絞るよう構成したこと。
【0023】
(5)前記実施例では吸入筒部側に、導入手段としてファン4を設けてミストをミスト回収室2内に導入していたが、ミスト回収装置後部に導入手段を設けてもよい。
【0024】
(6)前記実施例では、ファン4と回転板15を回転させる回転手段は、それぞれ別々であったが、これを共通の回転手段で構成してもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ミストの回収効率を向上させ、清浄な空気を室内へ排出して作業環境の改善を図ることができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミスト回収装置を示す正断面図である。
【図2】図1のAーA線断面図である。
【図3】図1のBーB線断面図である。
【図4】図1のCーC線断面図である。
【図5】ミスト回収装置の後部を示す一部正断面図である。
【図6】本実施例の別例を示す正断面図
【図7】従来のミスト回収装置を示す正断面図である。
【図8】図7のDーD線断面図である。
【符号の説明】
1…ケース本体、2…ミスト回収室、3…吸入口としての吸入筒部、4…入手段としてのファン、7…連通孔、8…固定遮板、9…毛状突起、10…フィルター、14…シャフト、15…回転板、17…回転手段としてのシャフト駆動用モータ、18…吐出口

Claims (2)

  1. 前部に吸入口(3)と後部に吐出口(18)を設けたケース(1)と、そのケース(1)内に前後方向へ互いに間隔をおいて配設された中央部に連通孔(7)を形成した複数の固定遮板(8)と、前記ケース(1)内に前記固定遮板(8)と交互配置となるように配設された複数枚の回転板(15)と、その各回転板(15)を回転させるための回転手段(17)と、前記吸入口(3)を介してケース(1)内にミストを導入させる導入手段(4)とからなるミスト回収装置において、
    前記各固定遮板(8)のうち少なくとも一部の固定遮板(8)には、その吸入口(3)側の面のみに複数の毛状突起(9)を施したことを特徴とするミスト回収装置。
  2. 各固定遮板(8)の連通孔(7)は、その径の大きさが少なくとも2種類からなることを特徴とする請求項1に記載のミスト回収装置。
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DE19834327A1 (de) * 1998-07-30 2000-02-10 Heinz Koll Prallvorabscheider für elektrostatische oder mechanische Luftfilteranlagen
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