JP3592663B2 - 吊式湿式吹き付け装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吊式湿式吹き付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉などにおいては、操業を重ねるにつれてその内壁が局部的に損耗や剥脱などによる損傷が生じる。このような場合には、炉命の延長を図るうえから適時に損傷箇所を不定形耐火物により補修するようになされており、そのための湿式吹き付け装置が種々開発されている(例えば特開平11−286707号公報参照)。
【0003】
高炉のシャフト部の内壁補修の場合は、通常炉内に旋回吊持手段を介してノズルを旋回操作自在に吊り込み、ノズルを内壁の要補修箇所に向けて湿式吹き付け材料を吹き付けるようになされているが、湿式吹き付け材料による補修に先立って空気と水とを混合した気体を湿式吹き付け材料吹き付け用のノズルから噴出させ、炉の内壁の表面に付着推積している粉塵類を除去する、所謂「気吹き」と称される工程が行なわれる。
【0004】
この気吹き時には、推積されている粉塵を吹き飛ばす関係上、ノズルはやや下向き姿勢として行うことが好ましい。また湿式吹き付け材料の吹き付け時には、ノズルを水平姿勢として吹き付けることが湿式吹き付け材料の付着率を高めるうえで好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに従来の吊式湿式吹き付け装置では、予めノズルの先端が湿式吹き付け材料の吹き付け時に水平姿勢となるようバランスウエイトにより調整を図っているため、気吹き時にはノズルに至るパイプ内に湿式吹き付け材料が存在しないのでノズルの先端側が軽くなってノズルが上を向いてしまい、炉の内壁に付着推積している粉塵類の良好な除去が果し得なかった。
【0006】
そのため気吹きが終了したのちノズルを炉外に取り出し、バランスウエイトを付け替える必要があり、大変面倒な作業が強いられるばかりでなく、その付け替えに多くの時間を要し、作業能率の低下を招いていた。
【0007】
本発明は上記従来の技術における問題点に着目し、ノズルを炉外に取り出すことなく気吹き時と湿式吹き付け材料の吹き付け時とにおけるノズルの吊持姿勢がそれぞれに適した姿勢を保つようにし、気吹きと湿式吹き付け材料の吹き付けとの変換を容易かつ迅速に行なえるようにすることを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、炉内に吹き付け用ノズルを旋回吊持手段を介して吊持し、ノズルの先端を炉の内壁に向けて湿式吹き付け材料を吹き付け施工する吊式湿式吹き付け装置において、前記旋回吊持手段に配設され前記ノズルの上下方向への傾きを検出する角度センサと、前記ノズルに至る湿式吹き付け材料供給パイプの後方部に延設された支持杆にノズルの軸線方向に移動自在に支持されたバランスウエイトと、このバランスウエイトを移動させる駆動手段とを具備し、前記角度センサによりノズルの角度を検出し、その検出結果に基づいて前記駆動手段を駆動することにより前記バランスウエイトの位置を調整してノズルの向きを制御するようにしたことを特徴とする。
【0009】
こうしたことにより、旋回吊持手段に設けられた角度センサによる吹き付け装置のノズルの上下方向への傾き角度を検出し、気吹き時におけるノズルの角度(やや下向き)が適切でないときはバランスウエイトを前進させることにより適正角度に調整して炉の内壁に推積付着している粉塵類を良好に飛散させて除去することができ、また湿式吹き付け材料の吹き付け施工時にはバランスウエイトを後方へ移動させることによりノズルを水平姿勢に調整して良好な吹き付け施工を行なうことができる。
【0010】
また本発明は、前記角度センサに手元用インジケータを接続し、そのインジケータの表示にしたがって前記駆動手段を遠隔操作するようにする態様、前記駆動手段がアクチエータである態様、前記インジケータとアクチエータとを電気回路により接続し、前記角度センサの検出結果に基づいて前記アクチエータを自動制御するようにする態様を含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明による吊式湿式吹き付け装置1(以下単に吹き付け装置という)の一実施形態の一部を断面とした側面図を示すもので、炉内に複数本のワイヤで吊持される旋回吊持手段2と、この旋回吊持手段2に旋回動自在に支持され先端に吹き付け用ノズル3を有するパイプ4とを有し、図4、図5に示しているように炉5外に設置された複数の電動チエンブロック等の巻上機6,6…によりワイヤ7,7…を巻き上げ巻き戻しすることにより吹き付け装置1を所望の高さおよび位置におくことができるようになっている。
【0013】
前記旋回吊持手段2はボックス構造の本体8を有し、この本体8の上部に設けられた吊持部8a,8aにワイヤ7,7を掛止して吊持されるようになっており、該本体8の上部に鋼管等の金属管を略90°にわたり屈曲された入口側の材料供給パイプ9の一端が本体8内に設置された回転継手本体10の上端に回転的に連結され、前記材料供給パイプ9の他端は湿式吹き付け材料の供給源であるミキサ11(図4、図5参照)から吹き付け材料を圧送する材料圧送用ポンプ12(ピストンポンプ)の吐出口に接続された耐熱構造のホース13が継手14を介して接続される。
【0014】
前記回転継手本体10の下端部には回転部材15が回転自在に設けられ、この回転部材15に前記入口側の材料供給パイプ9と同様に略90°にわたって屈曲された出口側のパイプ4の屈曲部4aの上端が固定されている。
【0015】
上記出口側のパイプ4の他端(先端)には継手管16を介して吹き付け用ノズル3が接続されている。
【0016】
一方、前記本体8内には、前記ノズル3を含む出口側のパイプ4を旋回駆動するためのエアモータ17が搭載され、該本体8内の下部に隔壁18で区画された室9内に前記エアモータ17の出力軸17aが突出され、この出力軸17a上のギヤ20と前記回転部材15の外周に形成されたギヤ21とが中間ギヤ22を介して噛合されていて、このエアモータ17の駆動により前記出口側のパイプ4が水平面内で旋回動自在とされてノズル3の向きを任意方向へ向けることができるようになっている。
【0017】
前記本体8の上部には、コンプレッサからの圧縮空気を前記エアモータ17へ送るエア配管23,前記ノズル3の間近の継手管16へバインダと空気との混合体を圧送するためのエア配管24、後述するウエイト駆動手段の駆動用エア配管25,26が挿通された耐熱構造のホース27が接続されている。
【0018】
上記エア配管23はエアモータ17に、エア配管24,25,26はいずれも回転継手本体10に接続され、バインダを含んで圧送するエア配管24は前記ノズル3の継手管16に接続された配管28に連通されていて、湿式吹き付け材料にバインダを混合してノズル3から吹き出すようになっている。
【0019】
前記パイプ4の後部には支持杆29が水平方向に延設され、この支持杆29にそってバランスウエイト30がスライド自在に支持されている。
【0020】
上記支持杆29の基部と先端部にはスプロケット31,32が軸着され、これらスプロケット31,32間にはチエン33が巻装されており、このチエン33に前記バランスウエイト30が固定されていて、チエン33の回動によりウエイト30が前後方向(図1において左右方向)に移動するように構成されている。
【0021】
前記本体8の下部にはバランスウエイト移動用駆動手段の一例としてのアクチエータ34が設けられ、このアクチエータ34の回転軸上のスプロケット35と、前記基部側のスプロケット31と同軸上のスプロケット36とにチェン37が巻装され、アクチエータ34の駆動によりスプロケット35、チェン37、スプロケット36を通じて前記スプロケット31が回動し、これに巻装されたチェン33が回動するようになっている。なおこの駆動手段は電動モータに置換してもよい。
【0022】
前記旋回吊持手段2の本体8内には、ノズル3の上下方向への傾きを検出する角度センサ38が設けられている。この角度センサ38としては電気発信式角度センサが用いられ、この角度センサ38からの検出信号を受けるインジケータ39が受信してノズル3の上下方向への傾き角を把握できるようになされている。
【0023】
図4、図5は本発明による吹き付け装置1の使用状態を示しているが、各図において5a,5aは炉5の上方肩部に閉口されワイヤ7,7を通すための開口部、40は吹き付け装置1をセットするための架台、5b,5bは吹き付け装置1およびホース類を通すための開口部(以下マンホールという)、41はミキサ11および材料圧送用ポンプ12等を搭載する架台、42は気吹き用のエアコンプレッサ、43は同水ポンプを示し、44,45はこれらと吹き付け装置1とを接続するホースを示している。
【0024】
図4は湿式吹き付け材料の吹き付け施工に先立って気吹きを行なう状況を示している。この気吹き時には、吹き付け装置1を架台40上に載置し、その旋回吊持手段2の材料供給パイプ9の継手14に接続されているホース13を外し、この継手14に水ポンプ43からのホース45が合流されたエアコンプレッサ42からのホース44を接続し、空吹きしてパイプ4内に残留している湿式吹き付け材料をすべて排出させる。
【0025】
このようにセットしたのち前記ホース44をマンホール5bに通して図4、図5に示すように吹き付け装置1をワイヤ7,7により炉5内に吊り込む。
【0026】
炉5内に吊り込まれた吹き付け装置1のノズル3の上下方向への傾きは角度センサ38からの信号により手元のインジケータ39により判断し、もしノズル3が気吹きに適さない姿勢におかれているときはエア配管25または26を通じて圧縮空気を送り、アクチエータ34を正転または逆転駆動させてウエイト30の位置を調整し、吹き付け装置1の姿勢を制御する。
【0027】
上記の気吹きの場合は、冒頭に述べたようにノズル3がやや下向き姿勢であることが好ましいのでバランスウエイト30を前進方向へ移動させ、ノズル3を含むパイプ4の重量とバランスウエイト30とのバランスでノズル3がやや下を向くよう制御して気吹きを行なう。
【0028】
この気吹き時には、前記水ポンプ43から圧送される水とエアコンプレッサ42から圧送される圧縮空気との混合気体がノズル3を通じて炉5の内壁面の要補修箇所へ向けて吹き付けられ、内壁面に堆積付着している粉塵類を吹き飛ばして清掃するとともに要補修箇所に湿り気を与える。
【0029】
上記のようにして行なう気吹きが終了したのち湿式吹き付け材料による吹き付け施工に移行する。この湿式吹き付け時には、図5に示すように吹き付け装置1の材料供給パイプ9に材料圧送用ポンプ12からのホース13を接続し、湿式吹き付け材料がノズル3へ到達するようにセットしたのち巻上機6,6を操作して炉5内での吹き付け装置1の吊持位置を定める。
【0030】
このとき吹き付け装置1のノズル3はパイプ4内に充満する湿式吹き付け材料の重量が負荷されるので気吹き時に較べさらに下方を向くことになる。
【0031】
この状態を角度センサ38による角度検出信号に基づくインジケータ39で確認し、次いでアクチエータ34に送気してチェン33を逆転させてバランスウエイト30を後退させ、吹き付け装置1が水平姿勢になるようにインジケータ39により確認しながら姿勢制御を行う。
【0032】
ノズル3が水平姿勢になったところでノズル3を炉5の内壁面の要補修箇所に向くように位置を定めたのちエア配管24,配管28を通じて送られるバインダと空気と湿式吹き付け材料とを混合して要補修箇所へ吹き付け施工を行なう。
【0033】
なお上記実施形態では、旋回吊持手段2に設けた角度センサ38による角度検出信号をインジケータ39に表示してこれを確認しながらアクチエータ34を作動させるようにした場合について示したが、角度センサ38の角度検出信号に基づいてアクチエータ34を自動的に制御するようにすることができる。
【0034】
その場合には、図3に例示のブロック図のように、予めノズル3の傾き角θsを設定する角度設定手段46と、角度センサ38による検出角θaとを比較する比較器47と、上記設定値と検出値との差に基づいて駆動手段であるアクチエータ34を駆動させる角度調整手段48とで構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、吊式湿式吹き付け装置を炉外に取り出すことなく気吹きから湿式吹き付け材料の吹き付け施工に直ちに移行することができるので、ロスタイムがなく、作業能率の大幅な向上を図ることができる。
【0036】
また気吹き時にノズルを下向きに負荷するためのバランスウエイトは、人手を介することなく移動させることで湿式吹き付け施工に移行することができるので作業性に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吊式湿式吹き付け装置の概要を示す一部を破断した側面図。
【図2】同、平面図。
【図3】同、自動制御ブロック図。
【図4】同、気吹き時の態様を示す説明図。
【図5】同、湿式吹き付け材料の吹き付け施工時の態様を示す説明図。
【符号の説明】
1 吊式湿式吹き付け装置
2 旋回吊持手段
3 吹き付け用ノズル
4 パイプ
5 炉
6 巻上機(電動チェンブロック)
7 ワイヤ
9 材料供給パイプ
10 本体
12 材料圧送用ポンプ
17 エアモータ
23,24,25,26 エア配管
29 支持杆
30 バランスウエイト
31,32,35,36 スプロケット
33,37 チェン
38 角度センサ
39 インジケータ
42 エアコンプレッサ
43 水ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は吊式湿式吹き付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉などにおいては、操業を重ねるにつれてその内壁が局部的に損耗や剥脱などによる損傷が生じる。このような場合には、炉命の延長を図るうえから適時に損傷箇所を不定形耐火物により補修するようになされており、そのための湿式吹き付け装置が種々開発されている(例えば特開平11−286707号公報参照)。
【0003】
高炉のシャフト部の内壁補修の場合は、通常炉内に旋回吊持手段を介してノズルを旋回操作自在に吊り込み、ノズルを内壁の要補修箇所に向けて湿式吹き付け材料を吹き付けるようになされているが、湿式吹き付け材料による補修に先立って空気と水とを混合した気体を湿式吹き付け材料吹き付け用のノズルから噴出させ、炉の内壁の表面に付着推積している粉塵類を除去する、所謂「気吹き」と称される工程が行なわれる。
【0004】
この気吹き時には、推積されている粉塵を吹き飛ばす関係上、ノズルはやや下向き姿勢として行うことが好ましい。また湿式吹き付け材料の吹き付け時には、ノズルを水平姿勢として吹き付けることが湿式吹き付け材料の付着率を高めるうえで好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに従来の吊式湿式吹き付け装置では、予めノズルの先端が湿式吹き付け材料の吹き付け時に水平姿勢となるようバランスウエイトにより調整を図っているため、気吹き時にはノズルに至るパイプ内に湿式吹き付け材料が存在しないのでノズルの先端側が軽くなってノズルが上を向いてしまい、炉の内壁に付着推積している粉塵類の良好な除去が果し得なかった。
【0006】
そのため気吹きが終了したのちノズルを炉外に取り出し、バランスウエイトを付け替える必要があり、大変面倒な作業が強いられるばかりでなく、その付け替えに多くの時間を要し、作業能率の低下を招いていた。
【0007】
本発明は上記従来の技術における問題点に着目し、ノズルを炉外に取り出すことなく気吹き時と湿式吹き付け材料の吹き付け時とにおけるノズルの吊持姿勢がそれぞれに適した姿勢を保つようにし、気吹きと湿式吹き付け材料の吹き付けとの変換を容易かつ迅速に行なえるようにすることを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、炉内に吹き付け用ノズルを旋回吊持手段を介して吊持し、ノズルの先端を炉の内壁に向けて湿式吹き付け材料を吹き付け施工する吊式湿式吹き付け装置において、前記旋回吊持手段に配設され前記ノズルの上下方向への傾きを検出する角度センサと、前記ノズルに至る湿式吹き付け材料供給パイプの後方部に延設された支持杆にノズルの軸線方向に移動自在に支持されたバランスウエイトと、このバランスウエイトを移動させる駆動手段とを具備し、前記角度センサによりノズルの角度を検出し、その検出結果に基づいて前記駆動手段を駆動することにより前記バランスウエイトの位置を調整してノズルの向きを制御するようにしたことを特徴とする。
【0009】
こうしたことにより、旋回吊持手段に設けられた角度センサによる吹き付け装置のノズルの上下方向への傾き角度を検出し、気吹き時におけるノズルの角度(やや下向き)が適切でないときはバランスウエイトを前進させることにより適正角度に調整して炉の内壁に推積付着している粉塵類を良好に飛散させて除去することができ、また湿式吹き付け材料の吹き付け施工時にはバランスウエイトを後方へ移動させることによりノズルを水平姿勢に調整して良好な吹き付け施工を行なうことができる。
【0010】
また本発明は、前記角度センサに手元用インジケータを接続し、そのインジケータの表示にしたがって前記駆動手段を遠隔操作するようにする態様、前記駆動手段がアクチエータである態様、前記インジケータとアクチエータとを電気回路により接続し、前記角度センサの検出結果に基づいて前記アクチエータを自動制御するようにする態様を含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明による吊式湿式吹き付け装置1(以下単に吹き付け装置という)の一実施形態の一部を断面とした側面図を示すもので、炉内に複数本のワイヤで吊持される旋回吊持手段2と、この旋回吊持手段2に旋回動自在に支持され先端に吹き付け用ノズル3を有するパイプ4とを有し、図4、図5に示しているように炉5外に設置された複数の電動チエンブロック等の巻上機6,6…によりワイヤ7,7…を巻き上げ巻き戻しすることにより吹き付け装置1を所望の高さおよび位置におくことができるようになっている。
【0013】
前記旋回吊持手段2はボックス構造の本体8を有し、この本体8の上部に設けられた吊持部8a,8aにワイヤ7,7を掛止して吊持されるようになっており、該本体8の上部に鋼管等の金属管を略90°にわたり屈曲された入口側の材料供給パイプ9の一端が本体8内に設置された回転継手本体10の上端に回転的に連結され、前記材料供給パイプ9の他端は湿式吹き付け材料の供給源であるミキサ11(図4、図5参照)から吹き付け材料を圧送する材料圧送用ポンプ12(ピストンポンプ)の吐出口に接続された耐熱構造のホース13が継手14を介して接続される。
【0014】
前記回転継手本体10の下端部には回転部材15が回転自在に設けられ、この回転部材15に前記入口側の材料供給パイプ9と同様に略90°にわたって屈曲された出口側のパイプ4の屈曲部4aの上端が固定されている。
【0015】
上記出口側のパイプ4の他端(先端)には継手管16を介して吹き付け用ノズル3が接続されている。
【0016】
一方、前記本体8内には、前記ノズル3を含む出口側のパイプ4を旋回駆動するためのエアモータ17が搭載され、該本体8内の下部に隔壁18で区画された室9内に前記エアモータ17の出力軸17aが突出され、この出力軸17a上のギヤ20と前記回転部材15の外周に形成されたギヤ21とが中間ギヤ22を介して噛合されていて、このエアモータ17の駆動により前記出口側のパイプ4が水平面内で旋回動自在とされてノズル3の向きを任意方向へ向けることができるようになっている。
【0017】
前記本体8の上部には、コンプレッサからの圧縮空気を前記エアモータ17へ送るエア配管23,前記ノズル3の間近の継手管16へバインダと空気との混合体を圧送するためのエア配管24、後述するウエイト駆動手段の駆動用エア配管25,26が挿通された耐熱構造のホース27が接続されている。
【0018】
上記エア配管23はエアモータ17に、エア配管24,25,26はいずれも回転継手本体10に接続され、バインダを含んで圧送するエア配管24は前記ノズル3の継手管16に接続された配管28に連通されていて、湿式吹き付け材料にバインダを混合してノズル3から吹き出すようになっている。
【0019】
前記パイプ4の後部には支持杆29が水平方向に延設され、この支持杆29にそってバランスウエイト30がスライド自在に支持されている。
【0020】
上記支持杆29の基部と先端部にはスプロケット31,32が軸着され、これらスプロケット31,32間にはチエン33が巻装されており、このチエン33に前記バランスウエイト30が固定されていて、チエン33の回動によりウエイト30が前後方向(図1において左右方向)に移動するように構成されている。
【0021】
前記本体8の下部にはバランスウエイト移動用駆動手段の一例としてのアクチエータ34が設けられ、このアクチエータ34の回転軸上のスプロケット35と、前記基部側のスプロケット31と同軸上のスプロケット36とにチェン37が巻装され、アクチエータ34の駆動によりスプロケット35、チェン37、スプロケット36を通じて前記スプロケット31が回動し、これに巻装されたチェン33が回動するようになっている。なおこの駆動手段は電動モータに置換してもよい。
【0022】
前記旋回吊持手段2の本体8内には、ノズル3の上下方向への傾きを検出する角度センサ38が設けられている。この角度センサ38としては電気発信式角度センサが用いられ、この角度センサ38からの検出信号を受けるインジケータ39が受信してノズル3の上下方向への傾き角を把握できるようになされている。
【0023】
図4、図5は本発明による吹き付け装置1の使用状態を示しているが、各図において5a,5aは炉5の上方肩部に閉口されワイヤ7,7を通すための開口部、40は吹き付け装置1をセットするための架台、5b,5bは吹き付け装置1およびホース類を通すための開口部(以下マンホールという)、41はミキサ11および材料圧送用ポンプ12等を搭載する架台、42は気吹き用のエアコンプレッサ、43は同水ポンプを示し、44,45はこれらと吹き付け装置1とを接続するホースを示している。
【0024】
図4は湿式吹き付け材料の吹き付け施工に先立って気吹きを行なう状況を示している。この気吹き時には、吹き付け装置1を架台40上に載置し、その旋回吊持手段2の材料供給パイプ9の継手14に接続されているホース13を外し、この継手14に水ポンプ43からのホース45が合流されたエアコンプレッサ42からのホース44を接続し、空吹きしてパイプ4内に残留している湿式吹き付け材料をすべて排出させる。
【0025】
このようにセットしたのち前記ホース44をマンホール5bに通して図4、図5に示すように吹き付け装置1をワイヤ7,7により炉5内に吊り込む。
【0026】
炉5内に吊り込まれた吹き付け装置1のノズル3の上下方向への傾きは角度センサ38からの信号により手元のインジケータ39により判断し、もしノズル3が気吹きに適さない姿勢におかれているときはエア配管25または26を通じて圧縮空気を送り、アクチエータ34を正転または逆転駆動させてウエイト30の位置を調整し、吹き付け装置1の姿勢を制御する。
【0027】
上記の気吹きの場合は、冒頭に述べたようにノズル3がやや下向き姿勢であることが好ましいのでバランスウエイト30を前進方向へ移動させ、ノズル3を含むパイプ4の重量とバランスウエイト30とのバランスでノズル3がやや下を向くよう制御して気吹きを行なう。
【0028】
この気吹き時には、前記水ポンプ43から圧送される水とエアコンプレッサ42から圧送される圧縮空気との混合気体がノズル3を通じて炉5の内壁面の要補修箇所へ向けて吹き付けられ、内壁面に堆積付着している粉塵類を吹き飛ばして清掃するとともに要補修箇所に湿り気を与える。
【0029】
上記のようにして行なう気吹きが終了したのち湿式吹き付け材料による吹き付け施工に移行する。この湿式吹き付け時には、図5に示すように吹き付け装置1の材料供給パイプ9に材料圧送用ポンプ12からのホース13を接続し、湿式吹き付け材料がノズル3へ到達するようにセットしたのち巻上機6,6を操作して炉5内での吹き付け装置1の吊持位置を定める。
【0030】
このとき吹き付け装置1のノズル3はパイプ4内に充満する湿式吹き付け材料の重量が負荷されるので気吹き時に較べさらに下方を向くことになる。
【0031】
この状態を角度センサ38による角度検出信号に基づくインジケータ39で確認し、次いでアクチエータ34に送気してチェン33を逆転させてバランスウエイト30を後退させ、吹き付け装置1が水平姿勢になるようにインジケータ39により確認しながら姿勢制御を行う。
【0032】
ノズル3が水平姿勢になったところでノズル3を炉5の内壁面の要補修箇所に向くように位置を定めたのちエア配管24,配管28を通じて送られるバインダと空気と湿式吹き付け材料とを混合して要補修箇所へ吹き付け施工を行なう。
【0033】
なお上記実施形態では、旋回吊持手段2に設けた角度センサ38による角度検出信号をインジケータ39に表示してこれを確認しながらアクチエータ34を作動させるようにした場合について示したが、角度センサ38の角度検出信号に基づいてアクチエータ34を自動的に制御するようにすることができる。
【0034】
その場合には、図3に例示のブロック図のように、予めノズル3の傾き角θsを設定する角度設定手段46と、角度センサ38による検出角θaとを比較する比較器47と、上記設定値と検出値との差に基づいて駆動手段であるアクチエータ34を駆動させる角度調整手段48とで構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、吊式湿式吹き付け装置を炉外に取り出すことなく気吹きから湿式吹き付け材料の吹き付け施工に直ちに移行することができるので、ロスタイムがなく、作業能率の大幅な向上を図ることができる。
【0036】
また気吹き時にノズルを下向きに負荷するためのバランスウエイトは、人手を介することなく移動させることで湿式吹き付け施工に移行することができるので作業性に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吊式湿式吹き付け装置の概要を示す一部を破断した側面図。
【図2】同、平面図。
【図3】同、自動制御ブロック図。
【図4】同、気吹き時の態様を示す説明図。
【図5】同、湿式吹き付け材料の吹き付け施工時の態様を示す説明図。
【符号の説明】
1 吊式湿式吹き付け装置
2 旋回吊持手段
3 吹き付け用ノズル
4 パイプ
5 炉
6 巻上機(電動チェンブロック)
7 ワイヤ
9 材料供給パイプ
10 本体
12 材料圧送用ポンプ
17 エアモータ
23,24,25,26 エア配管
29 支持杆
30 バランスウエイト
31,32,35,36 スプロケット
33,37 チェン
38 角度センサ
39 インジケータ
42 エアコンプレッサ
43 水ポンプ
Claims (4)
- 炉内に吹き付け用ノズルを旋回吊持手段を介して吊持し、ノズルの先端を炉の内壁に向けて湿式吹き付け材料を吹き付け施工する吊式湿式吹き付け装置において、前記旋回吊持手段に配設され前記ノズルの上下方向への傾きを検出する角度センサと、前記ノズルに至る湿式吹き付け材料供給パイプの後方部に延設された支持杆にノズルの軸線方向に移動自在に支持されたバランスウエイトと、このバランスウエイトを移動させる駆動手段とを具備し、前記角度センサによりノズルの角度を検出し、その検出結果に基づいて前記駆動手段を駆動することにより前記バランスウエイトの位置を調整してノズルの向きを制御するようにしたことを特徴とする吊式湿式吹き付け装置。
- 前記角度センサに手元用インジケータを接続し、そのインジケータの表示にしたがって前記駆動手段を遠隔操作するようになされている請求項1記載の吊式湿式吹き付け装置。
- 前記駆動手段がアクチエータである請求項1または2記載の吊式湿式吹き付け装置。
- 前記インジケータとアクチエータとを電気回路により接続し、前記角度センサの検出結果に基づいて前記アクチエータを自動制御するようになされている請求項3記載の吊式湿式吹き付け装置。
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