JP3592575B2 - 印刷制御方法及び印刷システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、複数のホスト装置によって単一の印刷装置を共用する印刷システム、及び、その印刷システムにおいて印刷データを制御するための印刷制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のホスト装置によって構成されるネットワークシステムでは、ホスト装置において発生した印刷データに基づくプリントジョブを実行する印刷装置を含むものがある。このようなデータネットワークシステムでは、単一の印刷装置が複数のホスト装置によって共用されることになり、いずれかのホスト装置から要求されたプリントジョブを実行中の印刷装置に対して他のホスト装置からプリントジョブの要求が出力される場合がある。このような場合に、印刷装置において、実行中のプリントジョブの実行を継続するか、又は、実行中のプリントジョブを中断して新たなプリントジョブを先に実行するかを選択する必要がある。
【0003】
このため、従来のネットワークシステムでは、複数のホスト装置のそれぞれに予め優先度を設定しておき、複数のホスト装置から重複して出力されたプリントジョブに係るプリントデータの処理を優先度を基準に実行するようにしたものがある。
【0004】
このようなネットワークシステムでは、図15に示すように、複数のホストコンピュータとネットワーク400を介して接続されたプリンタ500に、印刷データ処理部511及び割込処理部512を含む制御部510、制御部510をネットワーク400に接続するインタフェース520、制御部510をプリンタエンジン540に接続するプリンタインタフェース530、及び、印刷処理を実行するプリンタエンジン540に加えて、処理状態記憶部550及び中断状態記憶部570を設けている。
【0005】
処理状態記憶部550は、実行中のプリントジョブに関する情報を記憶し、プリント処理中の印刷データの全ページ数551、プリント処理中のページ数552、プリント処理が完了した状態を表す完了フラグ553、処理中のプリントジョブの優先度を表す現行優先度554、割込処理を要求しているプリントジョブの優先度を表す割込優先度555、及び、処理中のプリントジョブを出力したホストコンピュータの情報を表すホスト556のそれぞれの記憶エリアを備える。中断状態記憶部570は、割込処理の実行によって中断したプリントジョブに関する情報を記憶し、処理状態記憶部550における記憶エリア551〜556のそれぞれに対応する記憶エリア571〜576を備える。
【0006】
プリンタ500が実行中のプリントジョブを出力したホストコンピュータ600は、データ転送部611を含む制御部610、制御部610をネットワーク400に接続するインタフェース620、並びに、プリンタ500が実行中のプリントジョブに係る現行印刷データ631及びホストコンピュータ600に予め設定された優先度633を記憶した記憶部630を備えている。プリンタ500に対してプリントジョブの割込要求を出力したホストコンピュータ700は、ホストコンピュータ600と同様に、制御部710、インタフェース720及び記憶部730を備えている。記憶部730は、割込要求を出力したプリントジョブに係る割込印刷データ731及びホストコンピュータ700に予め設定された優先度733を記憶する。
【0007】
上記の構成において、例えば、特開平7−129336号公報には、プリントジョブの割込処理の可否判断、及び、割込処理によって中断したプリントジョブを再開するタイミングの決定を、ホストコンピュータに予め設定された優先度を基準として実行するようにした構成が開示されている。即ち、ホストコンピュータ600の現行印刷データ631に係るプリントジョブの実行にあたって、プリンタ500の制御部510は、現行優先度554にホストコンピュータ600の優先度633を格納している。この状態で、ホストコンピュータ700からプリントジョブの要求が出力されると、プリンタ500の制御部510は、ホストコンピュータ700の優先度733をプリンタ500の割込優先度555に格納し、割込処理部512において現行優先度554と割込優先度555とを比較する。制御部510はこの比較結果に基づいてホストコンピュータ700から出力されたプリントジョブの割込処理の可否を判断する。制御部510は、完了フラグ553の内容に基づいて割込処理を実行した場合における中断したプリントジョブの再開タイミングを決定する。
【0008】
また、特開平5−162415号公報には、優先度に基づいてプリントジョブの割込処理の可否を判断する構成であって、実行中のプリントジョブの進捗に応じて優先度を変化させるようにした構成が開示されている。即ち、実行中のホストコンピュータ600から出力されたプリントジョブの進捗状況を、処理状態記憶部550に記憶している全ページ数551及び処理中ページ552の内容に基づいて判断し、プリントジョブが所定状態まで進行した際に現行優先度554の内容を変更し、ホストコンピュータ700からプリントジョブの要求が出力された際に、ホストコンピュータ700の優先度である割込優先度555を変更後の現行優先度554と比較し、この比較結果に基づいてホストコンピュータ700から出力されたプリントジョブの割込処理の可否を決定する。
【0009】
さらに、特開平6−139031号公報及び特開平9−190317号公報には、優先度に基づいてプリントジョブの割込処理の可否を判断する構成であって、割込処理に係るプリントジョブを、プリントジョブの割込要求が入力された直後、実行中のプリントジョブにおける1ページ分の処理の終了後、又は、実行中のプリントジョブにおける通信中のページの印刷データについての処理の終了後のいずれかのタイミングで開始する構成が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ネットワークシステムを構成する複数のホストコンピュータにおいて発生した各プリントジョブ間の優先度が常に一定であるとは限らず、各ホストコンピュータに予め設定された優先度に基づいて割込処理の実行の可否を決定することによっては、各プリントジョブの現実の優先度に応じた順序で複数のプリントジョブを実行することができない場合を生じる可能性があり、また、多量の印刷データに係るプリントジョブの実行中に優先度のより低いホストコンピュータから少量の印刷データに係るプリントジョブが出力された場合に多量の印刷データを有するプリントジョブによってプリンタが占有され、印刷データ量の少ないプリントジョブが長時間にわたって待機状態となる不都合を解消することができない問題がある。
【0011】
これらの問題は、実行中のプリントジョブの進捗状況に応じて優先度を変化させることによっては解決することはできず、また、プリントジョブに係る印刷データの1ページ分のデータ量は一定でないことから1ページ分の印刷データの処理が終了したタイミングで割込処理を開始したとしても印刷データ量の少ないプリントジョブを素早く終了させることができるとは限らない。
【0012】
この発明の目的は、実行中のプリントジョブの印刷データ量に基づいて割込処理を許可すべきプリントジョブの印刷データ量を決定し、決定した印刷データ量に基づいて割込処理の可否を判断することにより、印刷データ量の少ないプリントジョブが長時間にわたって待機状態となる不都合を解消することができ、複数のホストコンピュータのユーザ間における不公平感を緩和することができる印刷システム及び印刷制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0014】
(1) 複数のホスト装置から出力されたプリントジョブを実行するプリンタを含む印刷システムに適用される印刷制御方法において、
プリンタが実行中のプリントジョブにおける未処理の印刷データ量に予め設定された割込許容率を乗算して割込許容量を算出し、算出した割込許容量及び割込要求に係るプリントジョブの印刷データ量である割込データ量を複数のホスト装置のそれぞれにおいてプリントジョブ毎に設定されるレベルデータであって、プリンタが実行中のプリントジョブに設定されたレベルデータによって調整し、割込データ量が割込許容量の範囲内であるか否かに応じて割込処理の可否を判定することを特徴とする(請求項1)。
【0015】
(1) の構成においては、プリンタが実行中のプリントジョブ、及び、割込要求に係るプリントジョブの印刷データ量に基づいて、いずれのプリントジョブを優先して実行するかが決定される。したがって、プリンタにおいて各プリントジョブを完了するまでに要する時間を考慮してプリントジョブ毎に実行順序が決定される。
また、割込許容量がプリンタにおいて実行中のプリントジョブを出力したホスト装置に設定されている調整用データによって調整され、割込データ量が割込要求に係るプリントジョブを出力したホスト装置に設定されている調整用データによって調整される。したがって、各プリントジョブの特性に応じて適当な調整用データを設定することにより、各プリントデータの特性を考慮して、プリンタにおいて実行中のプリントジョブ、又は、割込要求に係るプリントジョブのいずれかを優先して実行することができる。
【0016】
(2) (1) の構成において、プリンタが実行中のプリントジョブの印刷データ量に予め設定された割込許容率を乗算して割込許容量を算出するものとすることができる。
【0017】
(2) の構成においては、プリンタが実行中のプリントジョブの印刷データ量に予め設定された割込許容率を乗算して算出された割込許容量と割込要求に係るプリントジョブの印刷データ量である割込データ量とが比較され、この比較結果に基づいてプリンタにおいて実行中のプリントジョブ又は割込要求に係るプリントジョブのいずれを優先して実行するかが決定される。したがって、割込許容率として適当な値を設定することにより、各プリントジョブに対して印刷データ量に応じた優先度を与えることができる。
【0030】
(3) 複数のホスト装置のそれぞれにおいて設定された調整用データに基づいて、割込許容量及び割込データ量を調整することを特徴とする(請求項)。
【0031】
(3) の構成においては、割込許容量及び割込データ量がホスト装置において調整用データによって調整される。したがって、ホスト装置において適当な調整用データを設定することにより、複数のホスト装置の相互関係を考慮して、プリンタにおいて実行中のプリントジョブ、又は、割込要求に係るプリントジョブのいずれかが優先して実行される。
【0032】
(4)(3)の構成において、調整用データがプリントジョブ毎に設定されるレベルデータであって、プリンタが処理中のプリントジョブに設定されたレベルデータによって割込許容量を調整し、割込要求に係るプリントジョブに設定されたレベルデータによって割込データ量を調整するものとすることができる。
【0033】
(4) の構成においては、割込許容量がプリンタにおいて実行中のプリントジョブを出力したホスト装置に設定されている調整用データによって調整され、割込データ量が割込要求に係るプリントジョブを出力したホスト装置に設定されている調整用データによって調整される。したがって、各プリントジョブの特性に応じて適当な調整用データを設定することにより、各プリントデータの特性を考慮して、プリンタにおいて実行中のプリントジョブ、又は、割込要求に係るプリントジョブのいずれかを優先して実行することができる。
【0034】
(5)(3)の構成において、調整用データが割込処理の有効又は無効を表すフラグであって、プリンタが処理中のプリントジョブ又は割込要求に係るプリントジョブのいずれかに設定されたフラグの内容が無効である場合に割込処理を禁止するものとすることができる。
【0035】
(5) の構成においては、各プリントジョブの特性に応じて有効又は無効を内容とする調整用データを設定することにより、割込許容量と割込データ量との比較を行うことなく割込処理の可否を予め設定することができる。
【0036】
(6) プリンタが印刷処理中のページにおける未処理の印刷データ量に基づいて、割込処理の開始タイミングを決定することを特徴とする(請求項)。
【0037】
(6) の構成においては、各ページにおける印刷処理の進行状態に応じて、割込処理の開始タイミングが決定される。したがって、1ページ分の印刷処理の終了間際において他のプリントジョブの割込処理が開始されたり、1ページ分の印刷処理の開始直後から長時間にわたって割込処理が待機させられることがない。
【0038】
(7)(6)の構成において、プリンタが印刷処理中のページにおける未処理の印刷データが占める割合を予め設定された基準値と比較し、未処理の印刷データが占める割合が基準値より低い場合にはそのページの印刷データに対する処理が終了した後、未処理の印刷データが占める割合が基準値より高い場合には直ちに、プリンタが実行中のプリントジョブを中断して割込要求に係るプリントジョブの実行を開始するものとすることができる。
【0039】
(7) の構成においては、1ページ分の印刷処理が基準量まで進行しているか否かに応じて、そのページの印刷処理が終了した後に割込処理を開始するか、又は、直ちに割込処理を開始するかが決定される。したがって、基準量まで進行した1ページ分の印刷処理について再開後のプリントジョブにおいて繰り返し印刷処理を行う必要がなく、印刷処理時間の無駄を省くことができるとともに、基準量まで進行していない1ページ分の印刷処理を待機することなく割込処理を開始させることができ、割込処理を早期に完了させることができる。
【0040】
(8) 印刷システムにおいて複数のホスト装置から出力されたプリントジョブを実行するプリンタが、実行中のプリントジョブの印刷データ量から割込許容量を算出する手段、及び、算出した割込許容量と割込要求に係るプリントデータの印刷データ量との比較結果に基づいて割込処理の実行の可否を判断する手段を備えたことを特徴とする(請求項4)。
【0041】
(8) の構成においては、印刷システムを構成するプリンタにおいて、割込許容量と割込データ量との比較に基づく割込処理の可否判断が行われる。したがって、割込処理の可否の判断がプリンタにおいて集中して実行され、判断結果が画一化される。
【0044】
【実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、プリンタ100にネットワーク400を介してホストコンピュータ200及び300等を接続して構成されている。この構成において、プリンタ100がホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを実行中に、ホストコンピュータ300から新たなプリントジョブの割込要求が出力された場合について説明する。
【0045】
プリンタ100は、ホストコンピュータから出力された印刷データをビットマップデータに展開する印刷データ処理部111とプリントジョブの割込処理の実行の可否を判断する割込出力部112とを含む制御部110、制御部110をネットワーク400に接続するインタフェース120、ビットマップデータに基づく印刷処理を実行するプリンタエンジン140、及び、制御部110をプリンタエンジン140に接続するプリンタインタフェース130とともに、処理状態記憶部150及び中断状態記憶部170を備えている。
【0046】
処理状態記憶部150は、実行中のプリントジョブに係る印刷データの全ページ数151、印刷データにおいて現在プリント処理を実行している処理中ページ152、処理中ページの印刷データについての印刷処理が終了したか否かの状態を表す完了フラグ153、実行中のプリントジョブに係る印刷データにおける残りデータ量154、予め設定された下限データ量155、割込許容率156及び割込許容量157、実行中のプリントジョブに対する既割込量158、割込処理要求に係るプリントジョブの印刷データ量を表す割込要求量159、並びに、実行中のプリントジョブを出力したホストコンピュータを特定するための情報であるホスト160のそれぞれのデータを記憶するエリアを備えている。中断状態記憶部170は、割込処理の実行によって中断したプリントジョブに関する情報を記憶し、処理状態記憶部150における記憶エリア151〜160のそれぞれに対応するエリア171〜180を備えている。
【0047】
プリンタ100が現在実行中のプリントジョブを出力したホストコンピュータ200は、プリンタ100の印刷データ処理部111に対して印刷データを出力するデータ転送部211及びプリントジョブに係る印刷データの処理量を予測する処理量予測部212を含む制御部210、制御部210をネットワーク400に接続するインタフェース220、並びに、プリントジョブに係る印刷データ231を含むデータを記憶する記憶部230を備えている。なお、制御部210はCPU及びRAMによって構成し、記憶部230はRAMによって構成することができる。また、データ転送部211及び処理量予測部212は、CPUが実行するソフトウェアによって実現することができる。プリンタ100に対して新たなプリントジョブの割込処理要求を出力するホストコンピュータ300は、ホストコンピュータ200と同様に構成されている。
【0048】
図2〜図5は、上記のネットワークシステムにおいて、プリンタ100がホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを実行中に、ホストコンピュータ300からプリンタ100に対して新たなプリントジョブが出力された場合のデータの入出力状態を示す図である。
【0049】
図2は、ホストコンピュータ200から出力された印刷データに基づく印刷処理中におけるデータの入出力状態を示している。先ず、ホストコンピュータ200の制御部210は、印刷データ231の全ページ数、及び、ホストコンピュータ200の識別データを含む印刷要求をインタフェース220及びネットワーク400を介してプリンタ100に出力する。印刷処理を実行していないプリンタ100の制御部110は、印刷処理が可能な状態であることを条件として、ホストコンピュータ200に対して印刷データの出力許可を送信するとともに、処理状態記憶部150のエリア160及びエリア151にホストコンピュータ200の識別データ及び印刷データの全ページ数を格納する。
【0050】
一方、プリンタ100からの出力許可を受けたホストコンピュータ200の制御部210は、データ転送部211を介して記憶部230に記憶されている印刷データ231をプリンタ100に出力する。プリンタ100の制御部110は、ホストコンピュータ200から出力された印刷データ231を印刷データ処理部111においてビットマップデータに展開してプリントエンジン140に供給する。印刷データ処理部111は、印刷処理を実行している間において、プリンタエンジン140において印刷処理を実行しているページ数を処理状態記憶部150のエリア152に格納し、1ページ分の処理が完了する毎に処理状態記憶部150のエリア153の完了フラグをセットした後、次ページのビットマップデータの展開を開始すると処理中ページ152を書き換えるとともに、完了フラグ153をリセットし、さらに、残りデータ量154を更新する。
【0051】
図3は、実行中のプリントジョブに対する割込許容量を決定する際のデータの入出力状態を示している。ホストコンピュータ200は、処理量予測部212において算出した印刷データ231の予測処理時間を印刷データ231とともにプリンタ100に出力する。この予測処理時間は印刷要求とともにホストコンピュータ200からプリンタ100に出力することもできる。プリンタ100の制御部110は、ホストコンピュータ100から出力された予測処理時間を処理状態記憶部150のエリア154に格納する。制御部110の割込処理部112は、処理状態記憶部150のエリア154〜156に格納されている残りデータ量、下限データ量及び割込許容率を参照して割込許容量を算出し、処理状態記憶部150のエリア157に格納する。
【0052】
即ち、プリンタ100の制御部110は、ホストコンピュータ200から印刷データとともに入力された予測処理時間を残りデータ量154の初期値として処理状態記憶部150に格納し、1ページ分の印刷データについての印刷処理が完了する毎に実行した印刷処理時間を減算して残りデータ量154の内容を更新するとともに、更新した残りデータ量154に予め設定された割込許容率156を乗算して割込許容量157を算出する。したがって、1ページ分の印刷データについての印刷処理が完了し、実行中のプリントジョブに係る印刷データの残量が減少するにしたがって、割込許容量157の値も減少する。残りデータ量154が予め設定されている下限データ量155以下に減少した場合には、割込許容量157の算出について残りデータ量154の値は“0”にされ、割込許容量157の値は“0”になる。これによって、実行中のプリントジョブの終了直前における割込許容量157を減少して他のプリントジョブが割込処理されることを防止できる。
【0053】
なお、残りデータ量154が予め設定されている下限データ量155以下に減少した場合に、必ずしも残りデータ量154及び割込許容量157の値を“0”にする必要はなく、割込許容率56と残りデータ量54との乗算によって求めた割込許容量57から所定量を減算、又は、所定率を乗算して割込許容量57を減少するようにしてもよい。このようにしても、実行中のプリントジョブの終了直前における割込許容量57を減少して他のプリントジョブが割込処理されることを防止できる。
【0054】
図4は、ホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブの実行中に、ホストコンピュータ300から新規のプリントジョブ要求が出力された場合におけるデータの入出力状態を示している。ホストコンピュータ300が、処理量予測部312において算出した印刷データ331の予測処理時間、印刷データ331の全ページ数、及び、ホストコンピュータ300の識別データを含む印刷要求をインタフェース320を介してプリンタ100に出力すると、ホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを実行中のプリンタ100の制御部110は、印刷データ331の予測処理時間を割込要求量として処理状態記憶部150のエリア159に格納するとともに、処理状態記憶部150のエリア157〜159の内容に基づいてホストコンピュータ300から出力された印刷要求に係る割込処理の実行の可否を判定する。
【0055】
即ち、プリンタ100の制御部110が有する割込処理部112は、割込要求量159に既割込量158を加算した値と割込許容量157と比較し、既割込量158を加算した割込処理量159の値が割込許容量157よりも大きい場合には割込要求は認められず、既割込量158を加算した割込処理量159の値が割込許容量157よりも小さい場合には実行中のホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを中断してホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブが割込処理される。
【0056】
図5は、プリンタ100の印刷データ処理部111がホストコンピュータ200から出力された印刷データの展開処理を実行中に、割込処理部112がホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を許可した場合のデータの入出力状態を示している。プリンタ100の制御部110内の割込処理部112は、ホストコンピュータ200から出力された印刷データ231についてのプリントジョブの実行中にホストコンピュータ300の印刷データ331の割込処理を許可すると、処理状態記憶部150の完了フラグ153の内容を参照して割込開始タイミングを決定する。この割込開始タイミングについては、第3の実施形態において後述する。
【0057】
決定した割込開始タイミングになると、プリンタ100の制御部110の割込処理部112は、印刷データ331の予測処理時間を既割込量として処理状態記憶部150のエリア158に格納し、印刷データ処理部111に対してプリントジョブの中断を指示する。次いで、割込処理部112は、処理状態記憶部150の内容を中断状態記憶部170に退避させ、処理状態記憶部150の内容を初期状態にした後に、ホストコンピュータ300及び印刷データ331についての情報を処理状態記憶部150に格納する。この後、割込処理部112は、ホストコンピュータ300に対して印刷データの送信許可を出力する。これによって、ホストコンピュータ300のデータ転送部311が、割込処理に係る印刷データ331をプリンタ100に出力する。プリンタ100の印刷データ処理部111は、印刷データ331をビットマップデータに展開してプリンタエンジン140に供給し、印刷データ331についての印刷処理が実行される。
【0058】
割込処理部112は、処理状態記憶部150におけるエリア151〜153の内容を参照して印刷データ331についてのプリントジョブが終了したか否かを判断する。即ち、全ページ数151と処理中ページ152の内容が一致し、かつ、完了フラグ153がセットされていれば、プリントジョブが終了したと判断できる。割込処理部112は、割込処理に係るプリントジョブの終了確認した後に、中断状態記憶部170の内容を処理状態記憶部150に書き込み、書込後の処理中ページ152、完了フラグ153及びホスト160の内容を参照して、ホストコンピュータ200に対して印刷データ231において印刷処理が完了していないページの先頭のデータから印刷データ231を転送すべき旨の命令を出力する。この命令にしたがって、ホストコンピュータ200のデータ転送部211は、印刷データ231において未処理のデータをプリンタ100に出力する。プリンタ100は、印刷データ処理部111において、ホストコンピュータ200から出力された印刷データをビットマップデータに展開してプリンタエンジン140に供給することにより、印刷データ331に係るプリントジョブの割込処理によって中断したプリントジョブを再開する。
【0059】
以上の構成により、この発明の第1の実施形態に係る印刷システムによれば、実行中のプリントジョブについての残りデータ量から割込許容量を算出し、算出した割込許容量と割込処理の要求がなされたプリントジョブに係る印刷データ量とを比較し、比較結果に基づいて割込処理の実行の可否を判断するとともに、実行中のプリントジョブについての残りデータ量を1ページ分の印刷データについての印刷処理が完了する毎に更新する。したがって、実行中のプリントジョブに係る印刷データ量に応じて割込処理が可能なプリントジョブの印刷データ量が設定され、印刷データ量の少ないプリントジョブの実行中に印刷データ量の大きなプリントジョブが割込処理されることや、実行中のプリントジョブの終了直前に他のプリントジョブが割込処理されることを防止できる。
【0060】
また、実行中のプリントジョブの残りデータ量が予め設定された下限データ量を下回った時に残りデータ量の値を“0”にすることにより、実行中のプリントジョブの終了直前に他のプリントジョブが割込処理されることをより確実に防止できる。
【0061】
さらに、割込処理の実行の可否の判断時に割込許容量と比較される割込要求量には、既に割込処理されたプリントジョブの印刷データ量である既割込量が加算されるため、単一のプリントジョブに対して印刷データ量の少ない多数のプリントジョブが繰り返し割込処理されることがなく、最初に開始されたプリントジョブの終了時間が際限なく延長されることを防止できる。
【0062】
なお、割込処理に係るプリントジョブの実行中には、割込許容量を“0”とすることにより、割込処理に係るプリントジョブにさらに別のプリントジョブが割込処理されることを防止し、最初に開始されたプリントジョブの終了時間が著しく遅延することを防止するようにしてもよい。
【0063】
図6は、この発明の第2の実施形態に係る印刷システムにおける割込処理の可否判定時におけるデータの入出力状態を示している。この発明の第2の実施形態に係る印刷システムでは、プリンタ100の印刷データ処理部111がホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブに対するホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理の可否を割込レベルを参照して判定する。
【0064】
ホストコンピュータ200は、プリンタ100に対するプリントジョブの要求時に、印刷データ231とともにホストコンピュータ200に予め設定されている割込レベル232を出力する。プリンタ100の制御部110の割込処理部112は、印刷システムに固有の値としてプリンタ100に予め設定されている割込許容率に、割込レベル232を乗算した値を実際の割込許容率として処理状態記憶部150のエリア156に格納する。
【0065】
ホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブに係る印刷処理を実行中のプリンタ100に対して、割込処理に係るプリントジョブを出力するホストコンピュータ300は、予測処理時間とともにホストコンピュータ300に予め設定されている割込レベル332を出力する。プリンタ100の制御部110の割込処理部112は、ホストコンピュータ300から出力された予測処理時間の内容を割込要求量として処理状態記憶部150のエリア159に格納する。また、割込処理部112は、割込処理の可否判断において、割込許容量と割込レベル332との積を割込要求量と比較する。
【0066】
以上の処理により、この発明の第2の実施形態に係る印刷システムにおいては、印刷処理を実行中のプリントジョブを出力したホストコンピュータ200に設定されている割込レベル232と、割込処理要求を出力したホストコンピュータ300に設定されている割込レベル332と、を考慮して、割込処理の可否が判定される。したがって、印刷システムに設定されている情報のみならず、複数のホストコンピュータのそれぞれに個別に設定された情報を考慮して割込処理の可否をきめ細かく判断することができる。
【0067】
なお、割込レベル232及び332は、例えば、デフォルト値を“0.5”として“0”〜“1”の値をユーザが設定するものとすることができる。また、割込レベル232及び332が、割込処理を選択的に許可する情報として“0”又は“1”のいずれかの値をとるものとし、割込レベル232及び332のいずれかが“0”の場合に割込処理を許可しないようにしてもよい。
【0068】
図7は、この発明の第3の実施形態に係る印刷システムを構成するプリンタの制御部における割込タイミングの設定処理を示す図である。プリンタ100の制御部の割込処理部112は、ホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブに対してホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を許可した場合に、処理状態記憶部150の完了フラグ153を参照してホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブに係る1ページ分の印刷処理が完了したタイミングであるか否かを検出する。
【0069】
割込処理部112は、完了フラグ153の内容が1ページ分の印刷データについての印刷処理を完了している状態を示している場合には、その時点でホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを中断し、ホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を開始する。割込処理部112は、完了フラグ153の内容が1ページ分の印刷データの印刷処理が完了した状態を示していない場合には、現頁残りデータ量と頁下限データ量162とを比較する。ここに、現頁残りデータ量とは、印刷処理を実行中の現ページにおける未処理のデータ量であり、処理状態記憶部150に記憶している現頁データ量161から計時部113が計時した現ページに対する印刷処理の開始タイミングからの経過時間を差し引くことによって算出される。
【0070】
現頁残りデータ量が頁下限データ量162よりも少ない場合には、割込処理部112は、完了フラグ153を参照して現ページに対する印刷処理が完了するのを待機し、現ページに対する印刷処理が完了した時点でホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを中断してホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を開始する。一方、現頁残りデータ量が頁下限データ量162よりも多い場合には、割込処理部112は、現ページの全データ量に対する現頁残りデータ量の占める割合を算出し、算出した割合が基準量よりも低い場合には現ページに対する印刷処理が完了した時点でホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを中断してホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を開始し、算出した割合が基準量よりも高い場合には直ちにホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブを中断してホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を開始する。
【0071】
以上の処理により、第3の実施形態に係る印刷システムでは、印刷処理を実行中の現ページにおける未処理のデータ量に応じて、現ページについての印刷処理の完了後、又は、現ページについての印刷処理の完了を待つことなく直ちに割込処理が開始される。これによって、現ページの印刷処理の完了直前に割込処理が開始されることによる印刷処理の重複を防止することができるとともに、多量のデータ量を有する現ページの印刷処理の開始直後から長時間にわたって割込処理の開始が待機させられることを防止できる。
【0072】
図8は、上記第1及び第3の実施形態を含む印刷システムにおける処理手順を示すフローチャートである。ホストコンピュータは、新規のプリントジョブに係る印刷データの処理時間を予測し(s1)、予測処理時間を含む印刷要求をプリンタ100に出力する(s2)。印刷要求を受信したプリンタ100は、プリントジョブを実行中であるか否かの判別を行い(s3)、プリントジョブを実行中でない場合には、印刷要求を出力したホストコンピュータに対して印刷データの送信許可を出力し(s15)、この送信許可にしたがってホストコンピュータから送信された印刷データに基づいてプリントジョブを実行する(s16)。
【0073】
印刷要求を受信したプリンタ100においてプリントジョブを実行中である場合には、プリンタ100の制御部110は、s2で受信した印刷要求に含まれる予測処理時間を実行中のプリントジョブについての割込許容量と比較し(s4)、予測処理時間が割込許容量を越える場合には、割込処理を行うことなく実行中のプリントジョブを継続して実行し(s12)、実行中のプリントジョブが完了した後に、s2で印刷要求を出力したホストコンピュータに印刷データの送信許可を出力し(s13)、この送信許可にしたがってホストコンピュータから送信された印刷データに基づいて新規のプリントジョブを実行する(s14)。
【0074】
s4において予測処理時間が割込許容量以下である場合には、プリンタ100の制御部110は、印刷処理中のページにおける未処理のデータ量が所定量以下であるか否かを判別し(s5)、未処理のデータ量が所定量を越える場合にはそのページにおける未処理のデータ量の占める割合を基準値と比較する(s6)。s5において印刷処理中のページにおける未処理のデータ量が所定量以下である場合、又は、s6において印刷処理中のページにおける未処理のデータ量の占める割合が基準値以下である場合には、印刷処理中のページについての印刷処理の完了を待機した後(s7)、s6において印刷処理中のページにおける未処理のデータ量の占める割合が基準値を越える場合には直ちに、実行中のプリントジョブを中断してs2で印刷要求を出力したホストコンピュータに印刷データの送信許可を出力し(s8)、この送信許可にしたがってホストコンピュータから送信された印刷データに基づいて割込処理のプリントジョブを実行する(s9)。
【0075】
割込処理のプリントジョブが終了すると、中断中のプリントジョブを出力したホストコンピュータに対して印刷データの送信許可を出力し(s10)、この送信許可にしたがってホストコンピュータから送信された印刷データに基づいて中断中のプリントジョブを再開する(s11)。
【0076】
図9は、上記印刷システムのプリンタにおける割込許容データ量の算出時の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、上記図8に示した処理と並行して実行される。プリンタ100の制御部110は、ホストコンピュータから印刷要求とともに出力された予測処理時間を残りデータ量の初期値として処理状態記憶部150のエリア154に格納し、残りデータ量及び割込許容率に基づいて割込許容量を算出する。制御部110は、プリントジョブに係る全ての印刷データについての印刷処理が終了してプリントジョブが完了するまで、1ページ分の印刷データについての印刷処理が終了する毎に、更新された残りデータ量及び割込許容率に基づいて割込許容量を算出する処理を繰り返し実行する(s21〜s23)。
【0077】
なお、プリンタ100に複数の排紙トレイを備え、割込処理のプリントジョブに係る印刷済用紙を、中断したプリントジョブに係る印刷済用紙が排出される排紙トレイと異なる排紙トレイに排出することにより、複数のプリントジョブに係る印刷済用紙が単一の排紙トレイ上に混在することを防止でき、複数のプリントジョブの終了後に印刷済用紙をプリントジョブ毎に仕分けする作業を不要にできる。
【0078】
また、上記第1〜第3の実施形態においては、処理状態記憶部150のエリア154、155、157〜159に記憶されるデータ量として処理時間を用いることとしたが、これらのデータ量として実際の印刷データ量そのものを用いることもできる。
【0079】
図10は、この発明の第4の実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムでは、上記第1〜第3の実施形態に係る印刷システムを構成するプリンタ100が備える割込処理部112及び処理状態記憶部150と同様の割込処理部213及び処理状態記憶部250をホストコンピュータ200,300のそれぞれに備えたものである。即ち、この実施形態に係る印刷システムでは、プリンタ100において実行中のプリントジョブを出力したホストコンピュータが、他のホストコンピュータから出力されたプリントジョブの割込要求の可否を判定する。但し、ホストコンピュータ200及び300において、プリントジョブを出力したホストコンピュータを特定する情報を格納する必要はないため、処理状態記憶部150においてホストコンピュータを特定する情報を格納していたエリア160に代えて、処理状態記憶部250のエリア260にはプリントジョブの中断状況を記憶する。
【0080】
図11は、この発明の第4の実施形態に係る印刷システムを構成するホストコンピュータの処理手順を示すフローチャートである。この実施形態に係る印刷システムに含まれる複数のホストコンピュータはいずれも同一の構成を備え、同一の処理を実行する。そこで、ホストコンピュータ200を例にあげて処理手順を説明する。ホストコンピュータ200においてプリントジョブが発生すると、制御部210は、処理量予測部212において印刷データ231の処理量を予測し、処理状態記憶部250のエリア254に残りデータ量として格納する(s31)。次いで、制御部210は、割込処理部213において、残りデータ量254及び割込許容率256に基づいて割込許容量257を算出し、処理状態記憶部250のエリア257に格納する(s32)。
【0081】
この後、制御部210は、プリンタ100にプリントジョブを出力中の他のホストコンピュータが存在するか否かの判別を行う(s33)。この判別は、他のホストコンピュータ又はプリンタ100に対する確認データを送信することによって行われる。プリンタ100が他のホストコンピュータから出力されたプリントジョブを実行中である場合には、制御部210は、実行中のプリントジョブを出力したホストコンピュータに対して割込要求信号を1度発信し(s34,s35)、割込許可信号を受信するか、又は、実行中のプリントジョブが完了することを待機する(s36→s33)。
【0082】
制御部210は、他のホストコンピュータから出力されたプリントジョブの実行中でない場合、他のホストコンピュータから出力されたプリントジョブが完了した場合、又は、割込許可信号を受信した場合には、プリンタ100に対して印刷データを順次送信して印刷データ231に基づくプリントジョブを実行する(s37)。この時、制御部210は、図12に示すように、データ転送部211において、1ページ分の印刷データを送信する毎に処理状態記憶部250の処理中ページ252、完了フラグ253及び残りデータ量254を更新し、更新後の残りデータ量254に基づいて算出した割込許容量257を更新的に記憶する。なお、残りデータ量254が下限データ量255以下である場合には、割込許容量の算出に際して残りデータ量254の値は“0”にされ、割込許容量257は“0”にされる。実行中のプリントジョブの終了直前に他のプリントジョブが割込処理されることを防止するためである。
【0083】
なお、残りデータ量254が下限データ量255以下である場合に、必ずしも残りデータ量254の値を“0”にして割込許容量257を“0”にする必要はなく、割込許容率256と残りデータ量254との乗算によって求めた割込許容量257から所定量を減算、又は、所定率を乗算して割込許容量257を減少するようにしてもよい。このようにしても、実行中のプリントジョブの終了直前における割込許容量257を減少して他のプリントジョブが割込処理されることを防止できる。
【0084】
この後、制御部210は、他のホストコンピュータからの割込要求信号の受信(s38)、又は、実行中のプリントジョブの完了(s39)を待機し、図13に示すように、プリントジョブが完了するまでの間において他のホストコンピュータからの割込要求信号を受信すると、割込要求信号に含まれる割込要求量と処理情報記憶部250に記憶している割込許容量とを比較し(s40)、割込要求量が割込許容量以下である場合には、図14に示すように、処理状態記憶部250に記憶している現頁データ量261(印刷処理中の頁に含まれる全印刷データ量)と頁基準データ262(予め設定された基準値)との比較によって印刷処理中のページのデータ量が基準値よりも大きいか否かの判別を行い(s41)、印刷処理中のページのデータ量が基準値よりも大きい場合には、さらに、印刷処理中のページにおける残りデータ量の占める割合が所定値よりも多いか否かの判別を行う(s42)。なお、制御部210は、割込要求量が割込許容量を越える場合には、割込要求信号を発信したホストコンピュータに対して割込不可信号を発信する(s47)。
【0085】
制御部210は、印刷処理中のページのデータ量が基準値よりも小さい場合、又は、印刷処理中のページにおける残りデータ量の占める割合が所定値よりも少ない場合には完了フラグ253の内容を参照して印刷処理中のページの印刷の終了を確認した後(s43)、印刷処理中のページのデータ量が基準値よりも大きく、かつ、印刷処理中のページにおける残りデータ量の占める割合が所定値よりも多い場合には直ちに、プリントジョブを中断し(s44)、割込要求信号を発信したホストコンピュータに対して割込許可信号を発信する(s45)。この後、制御部210は、割込処理に係るプリントジョブの終了信号の送信を待機し(s46)、終了信号を受信すると中断したプリントジョブを再開する(s37)。
【0086】
以上の処理により、第4の実施形態に係る印刷システムにおいても、印刷処理を実行中のプリントジョブについての残りデータ量から割込許容量を算出し、算出した割込許容量と割込処理の要求がなされたプリントジョブに係る印刷データ量とを比較し、比較結果に基づいて割込処理の実行の可否を判断するとともに、実行中のプリントジョブについての残りデータ量を1ページ分の印刷データについての印刷処理が完了する毎に更新する。したがって、実行中のプリントジョブに係る印刷データ量に応じて割込処理が可能なプリントジョブの印刷データ量が設定され、印刷データ量の少ないプリントジョブの実行中に印刷データ量の大きなプリントジョブが割込処理されることや、実行中のプリントジョブの終了直前に他のプリントジョブが割込処理されることを防止できる。
【0087】
また、実行中のプリントジョブの残りデータ量が予め設定された下限データ量を下回った時に残りデータ量の値を“0”にすることにより、実行中のプリントジョブの終了直前に他のプリントジョブが割込処理されることをより確実に防止できる。
【0088】
さらに、割込処理の実行の可否の判断時に割込許容量と比較される割込要求量に、既に割込処理されたプリントジョブの印刷データ量である既割込量を加算することにより、単一のプリントジョブに対して印刷データ量の少ない多数のプリントジョブが繰り返し割込処理されることがなく、最初に開始されたプリントジョブの終了時間が際限なく延長されることを防止できる。
【0089】
なお、上記第2の実施形態と同様に、ホストコンピュータ200及び300等のそれぞれにおいて、ユーザが割込レベル232及び332を設定できるようにしておき、割込許容率及び割込要求量を割込レベル232及び332によって補正するようにしてもよい。これによって、プリントジョブの割込状態をきめ細かく設定することができる。また、割込レベル232及び332を“0”又は“1”の値をとるフラグとすることにより、割込処理の可否を設定を容易にすることができる。
【0090】
また、この実施形態に係る印刷システムでは、割込処理の可否の判定を実際の印刷データ量そのものを用いて行うようにしているが、第1〜第3の実施形態と同様に印刷データとして処理時間を用いることもできる。この場合に、s42における処理では、ホストコンピュータ200の制御部210に計時部214を設け、この計時部214においてページ毎の印刷処理の開始タイミングからの経過時間を計時し、計時部214の計時時間とページ毎の印刷データの予測処理時間との比に基づいて、印刷処理中のページにおける残りデータ量の多少を判断するようにしてもよい。
【0091】
さらに、印刷システムに含まれる汎用のパーソナルコンピュータに記録媒体を介してプログラムを供給することにより、上記第4の実施形態において説明した処理を実行させることができる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、プリンタが実行中のプリントジョブ、及び、割込要求に係るプリントジョブの印刷データ量に基づいて、いずれのプリントジョブを優先して実行するかを決定することにより、プリンタにおいて各プリントジョブを完了するまでに要する時間を考慮してプリントジョブ毎に実行順序を決定することができ、印刷データ量の少ないプリントジョブが長時間にわたって待機状態となる不都合を解消することができ、複数のホスト装置のユーザ間における不公平感を緩和することができる。
また、割込許容量がプリンタにおいて実行中のプリントジョブを出力したホスト装置に設定されている調整用データによって調整され、割込データ量が割込要求に係るプリントジョブを出力したホスト装置に設定されている調整用データによって調整される。したがって、各プリントジョブの特性に応じて適当な調整用データを設定することにより、各プリントデータの特性を考慮して、プリンタにおいて実行中のプリントジョブ、又は、割込要求に係るプリントジョブのいずれかを優先して実行することができる。
【0097】
請求項に記載した発明によれば、割込許容量及び割込データ量をホスト装置において設定された調整用データによって調整することにより、複数のホスト装置の相互関係を考慮して、プリンタにおいて実行中のプリントジョブと割込要求に係るプリントジョブとの実行順序を決定することができる。
【0098】
請求項に記載した発明によれば、各ページにおける印刷処理の進行状態に応じて、割込処理の開始タイミングを決定することにより、1ページ分の印刷処理の終了間際において他のプリントジョブの割込処理を開始したり、1ページ分の印刷処理の開始直後から長時間にわたって割込処理を待機させることがなく、実行中のプリントジョブ及び割込要求に係るプリントジョブの双方について終了タイミングの著しい遅延を防止することができる。
【0099】
請求項に記載した発明によれば、印刷システムを構成するプリンタにおいて、割込許容量と割込データ量との比較に基づく割込処理の可否判断を行うことにより、割込処理の可否の判断をプリンタにおいて集中して実行し、割込処理の可否の判断結果を画一的にして複数のホスト装置における公平性を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ホストコンピュータ200から出力された印刷データに基づく印刷処理中におけるデータの入出力状態を示す図である。
【図3】実行中のプリントジョブに対する割込許容量を決定する際のデータの入出力状態を示す図である。
【図4】ホストコンピュータ200から出力されたプリントジョブの実行中に、ホストコンピュータ300から新規のプリントジョブ要求が出力された場合におけるデータの入出力状態を示す図である。
【図5】プリンタ100の印刷データ処理部111がホストコンピュータ200から出力された印刷データの展開処理を実行中に、割込処理部112がホストコンピュータ300から出力されたプリントジョブの割込処理を許可した場合のデータの入出力状態を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施形態に係る印刷システムにおける割込処理の可否判定時におけるデータの入出力状態を示す図である。
【図7】この発明の第3の実施形態に係る印刷システムを構成するプリンタの制御部における割込タイミングの設定処理を示す図である。
【図8】上記第1及び第3の実施形態を含む印刷システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図9】上記印刷システムのプリンタにおける割込許容データ量の算出時の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】この発明の第4の実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の第4の実施形態に係る印刷システムを構成するホストコンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】上記第4の実施形態に係る印刷システムにおけるデータの入出力状態を示す図である。
【図13】同データの入出力状態を示す図である。
【図14】同データの入出力状態を示す図である。
【図15】従来の印刷システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100−プリンタ
110−制御部
112−割込処理部
150−処理状態記憶部
200,300−ホストコンピュータ(ホスト装置)
212,312−処理量予測部
400−ネットワーク

Claims (4)

  1. 複数のホスト装置から出力されたプリントジョブを実行するプリンタを含む印刷システムに適用される印刷制御方法において、
    プリンタが実行中のプリントジョブにおける未処理の印刷データ量に予め設定された割込許容率を乗算して割込許容量を算出し、算出した割込許容量及び割込要求に係るプリントジョブの印刷データ量である割込データ量を複数のホスト装置のそれぞれにおいてプリントジョブ毎に設定されるレベルデータであって、プリンタが実行中のプリントジョブに設定されたレベルデータによって調整し、割込データ量が割込許容量の範囲内であるか否かに応じて割込処理の可否を判定することを特徴とする印刷制御方法。
  2. プリンタが印刷処理中のページにおける未処理の印刷データ量に基づいて、割込処理の開始タイミングを決定する請求項1に記載の印刷制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷制御方法が適用される印刷システムにおいて、割込処理の可否を判定する処理をプリンタにおいて実行することを特徴とする印刷システム。
  4. 請求項1又は2に記載の印刷制御方法が適用される印刷システムにおいて、割込処理の可否を判定する処理を、プリンタにおいて実行中のプリントジョブを出力したホスト装置が実行することを特徴とする印刷システム。
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