JP3592246B2 - 光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンパに形成された凹凸を転写させる光ディスク基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクの基板は熱可塑性樹脂を射出成形して作製されている。金型は大きく分けると一対の嵌合する部材からなり、嵌合した部材間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却固化後、金型から取り出す。図10に示す金型の断面図を参照して、従来の光ディスク基板の製造方法を説明する。
【0003】
図10において、101は固定金型であり、固定金型基盤102と固定金型鏡面103とを螺合して形成されている。固定金型鏡面103上にはスタンパ104が、スタンパ内周押さえ105とスタンパ外周押さえ106とを用いて装着されている。スタンパ外周押さえ106とスタンパ104との間には、ガス抜きのための隙間が設けられている。スタンパ外周押さえ106は可動金型108側に取り付けられ、バネ力等でスタンパ104側に押し当てられている。
【0004】
スタンパ104は、吸引孔107からの真空吸引により固定金型鏡面103に貼り付けられ、熱膨張による面方向の伸び縮みは可能であるが、スタンパ外周押さえ106には当接しないようになっている。スタンパ外周押さえ106の外側には、固定金型突き当てリング109が配置され、この固定金型突き当てリング109は、可動金型突き当てリング110と嵌合して中心位置出しを行う。可動金型突き当てリング110とスタンパ外周押さえ106は可動金型基盤111に取り付けられている。スタンパ外周押さえ106の内側には、可動金型鏡面112、可動金型固定ブッシュ113、エジェクタ114、カッタ115、エジェクタピン116が配置されている。エジェクタ114は成形基板を突き出し、エジェクタピン116はスプル部の突き出しを行い、カッタ115は成形基板の内孔を形成するために用いられる。
【0005】
固定金型101の最内周にはスプルブッシュ117が配置されている。このスプルブッシュ117の中央の孔を通って、溶融樹脂がキャビティ内に流入する。特開平1−159222号公報には、スプルブッシュ117からキャビティ内に樹脂を流入させて固化した後に、スプルブッシュ117とスタンパ内周押さえ105との隙間、および可動金型固定ブッシュ113と可動金型鏡面112との隙間から、それぞれ、エアを吹き出して成形基板を金型から離型する技術が開示されている。
【0006】
また、特許第2828915号公報には、成形基板とスタンパ104の離型に際して、内周からのエア吹きつけに加えて、スタンパ外周押さえ106とスタンパ104との隙間を通して、外周からのエアも吹きつけて剥離力を増す構成において、スタンパ外周押さえ106のスタンパ104側に径方向に突き出した段を設け、成形基板が熱収縮しても、スタンパ外周押さえ106と可動金型鏡面112との隙間からエアが逃げないようにする技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクの高密度化の進展に伴い、より微細な凹凸を転写させる必要があり、その結果、成形基板のスタンパからの離型が難しくなる。高密度にするためにはピットや溝の幅や長さを短くする必要があり、それに応じて壁のテーパを立てる必要がある。そのため、成形基板とスタンパとの間にできる角度が大きくなると、成形基板をスタンパから剥離する際に、スタンパと成形基板のピットまたは溝の壁同士が擦れる現象が発生し、ピットまたは溝の形状が変形を受ける恐れがある。
【0008】
特開平1−159222号公報に記載の技術では、内側のみからエアを吹きつける。この場合、溶融樹脂が隙間に入り込んでバリとならないようにするために、隙間の幅が制限される。従って、エアの吹き出す面積が小さく剥離力が制限される。また、エアによる剥離力は、成形基板からスタンパに対して垂直方向に働くため、成形基板とスタンパとの間にできる角度は大きくなる。一方、成形基板とスタンパとの間で、内周と外周とからエアを吹きつける場合、成形基板はスタンパから内周と外周とで同時に剥離されていくが、内周からと外周からとの径方向の剥離の移動速度が全周で全く同じにはならないため、最後に剥離される箇所でピットや溝が内周または外周に引っ張られて変形を引き起こす。
【0009】
また、成形基板とスタンパとの間でエアを外側のみから吹きつける場合、他の場合と同様にエアを金型内に流入させる際に金型を連続的に開くので、エアの流入路で開放状態になる箇所ができる。そのため、途中からエアが外に漏れて内周を剥離するだけの力が得られず、離型不良を起こす。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決し、成形基板をスタンパから剥離する際に、成形基板上に形成されたピットまたは溝を変形させず、かつ、離型不良を生じない光ディスク基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク基板の製造方法は、一対の金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、固化した後に金型を開いて成形基板を取り出すことにより、金型の一方に装着したスタンパに形成された凹凸を成形基板に転写させる製造方法を前提とする。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の構成においては、樹脂が固化した後に、スタンパに成形基板が貼り付いた状態でキャビティの高さを成形基板の厚みより0.3mmから5mmの範囲で大きくなるように広げ、成形基板とスタンパとの間に外周からエアを供給することにより、成形基板を外周から内周に向かってスタンパから剥離させる。
【0013】
また、本発明の第2の構成においては、前記樹脂が固化した後に、スタンパに成形基板を貼り付けた状態で金型を開き、成形基板に対するスタンパの反対側の外周側からエアを吹きつけることにより、成形基板を外周から内周に向かってスタンパから剥離させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して以下に詳細に説明する。なお、各図面において、図示の煩雑さを回避し、理解を助けるために、同様の要素については、構造が相違する場合も同一の参照符号を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における光ディスク基板の製造方法に用いる光ディスク用金型の構成を示す。図1において、金型は1対の固定金型1と可動金型2から形成されている。固定金型1は、内周からスプルブッシュ3、スタンパ内周押さえ4、固定金型鏡面5を有する。固定金型鏡面5の表面に対して、スタンパ6が、スタンパ内周押さえ4とスタンパ外周押さえ7とにより押圧されている。固定金型鏡面5は、固定金型基盤8と螺合されている。固定金型基盤8には、固定金型突き当てリング9が取り付けられており、可動金型2の可動金型突き当てリング10と嵌合して中心の位置出しを行う。スタンパ外周押さえ7は、可動金型2側に保持されており、バネ力でスタンパ6側に押し当てられている。スタンパ外周押さえ7が、可動金型突き当てリング10に沿って滑らかに動くように、可動金型突き当てリング10との間にボールベアリングが設けられている。
【0016】
固定金型1と可動金型2が開く際にスタンパ外周押さえ7が可動側に保持されるように、スタンパ外周リング7と可動金型突き当てリング10にそれぞれ凸部7a、10aが設けられ、互いに係合する。ただし、一方を凹部とした係合でも良いし、他の機構を用いても良い。可動金型2は、可動金型基盤11が主体をなし、その表面には可動金型鏡面12が接して配置されている。可動金型鏡面12の内側には、順に可動金型固定ブッシュ13、エジェクタ14、カッタ15、エジェクタピン16が配置されている。
【0017】
溶融樹脂は、スプルブッシュ3の流入口から注入され、固定金型1と可動金型2との間にできたキャビティ17に充填される。充填後、カッタ15を突き出して樹脂の流入口を蓋すると共に、成形基板の内孔を形成する。エジェクタ14は樹脂が冷却固化後、金型から取り出す際に成形基板を押し出すために用いる。エジェクタピン16はスプル部を押し出すために用いる。金型内のキャビティ17へのエア通路としては、固定金型鏡面5にエア通路Aが、スタンパ外周押さえにエア通路Bが、可動金型鏡面12と可動金型固定ブッシュ13との間にエア通路Cが設けられている。エア通路Aは、スタンパ6を真空吸引し固定金型鏡面5に密着させる機能を有する。
【0018】
図2(a)は、溶融樹脂が充填された後の状態を示す。この状態では、固定金型1と可動金型2とは、キャビティ17が密閉された状態を保ったまま少し開かれている。この状態で、エア通路Cからエアを吹き出して固化した成形基板18を可動金型鏡面12から剥離する。次に図2(b)に示すように、エア通路Bからエアを吹き出す。このようにして成形基板18を金型から剥離した後に金型を開く。この後、キャビティ17の開きを制限する。
【0019】
この際、スタンパ外周押さえ7はバネ力で固定金型基盤8に押し当てられているため、隙間からエアが逃げず、エアはスタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間まで導かれ、成形基板18をスタンパ6から剥離させる力が低下しない。また、成形基板18がスタンパ6から剥離される際に、成形基板18が反る量は抑制される。従って、スタンパ6上に形成されたピットや溝の部分に入り込んだ樹脂が、スタンパ6との剥離の際にピットや溝の壁で擦れることによって成形基板18上に形成されたピットや溝に発生する変形を抑制できる。
【0020】
この変形の模式図を図3(a)に示す。このように、スタンパと成形基板を剥離する際に剥離角度が大きくなると、開き側において、成形基板の凸部がスタンパの凸部の壁と擦れるようになり、変形を生じる。また、隙間は同じでも、内周より外周の方が一周の長さが長いため、エアが吹きつけられる面積が広くなって成形基板とスタンパとを剥離する力が増す。そして、外周からのみのエア吹きの場合は一方向からの剥離となるので、内周と外周との同時吹き出しのように、内側からと外側からの剥離が進行して最後に剥離される箇所でピットや溝が内側または外側に引っ張られて変形を起こす、というような恐れもない。
【0021】
(表1)に、キャビティ17内に流入した樹脂が固化した後の、キャビティ17の新たな開き量とピット変形量との測定結果を示す。ここで、ピット変形量とは、図3(b)に示すようにピットの端が盛り上がった高さと定義する。キャビティ17の新たな開き量とは、成形基板が固化後にキャビティ17が新たに開く量である。
【0022】
成形基板は内径15mm、外径120mm、厚み0.6mmで、信号はトラックピッチ0.6μm、溝深さ70nmとした。(表1)に示されるように、ピットの変形量をゼロとするためには、キャビティ17の新たな開き量は5.0mm以下とすれば良いことが分かった。金型により、成形基板18がスタンパ6から離れる距離を制限することで、成形基板18とスタンパ6とが剥離する際の角度を小さくすることができ、ピットの変形が抑制されている。また、キャビティ17の新たな開き量を、0.5mm以下に対して0.1mmおきに小さく設定して同様に成形した。その場合、ピットの変形量はゼロになったが、キャビティ17の新たな開き量が0.3mm以未満では、成形基板18が部分的にスタンパ6に貼り付いた離型不良が発生した。
【0023】
【表1】
Figure 0003592246
【0024】
ここで、金型へのエアの直結の供給口を3つにし、供給口ごとに流量または圧力を調整可能として、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間から流入するエアによる剥離力が、周方向で均一になるように調整を行った。金型へのエアの直結の供給口は3つ以上の複数であることが望ましい。但し、1つの供給口から3つ以上に分岐させた構成としてもよい。分岐された各供給口からの流量や圧力を下げるように、流量バルブやレギュレータなどを設ければよい。
【0025】
(実施の形態2)
図4に、実施の形態2に用いる光ディスク金型の断面図を示す。この金型は、図1または図2のものとは、スタンパ外周押さえ7と固定金型基盤8の接触面の構造が異なっている。すなわち実施の形態2では、スタンパ外周押さえ7と固定金型基盤8にそれぞれ形成されたエア通路Bが、凹凸の嵌合する構造により接続されている。それにより、スタンパ外周押さえ7が固定金型基盤8と当接するまでスタンパ6側に押圧されなくても、エア通路Bからエアが漏れない構造になっている。
【0026】
このためスタンパ外周押さえ7をスタンパ6に押し当てるバネ力よりエア通路Bからのエア圧が勝ると、スタンパ外周押さえ7が可動金型2側に移動し、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がる。成形基板18とスタンパ6とを剥離するエアは、スタンパ外周押さえ7と固定金型鏡面5によって金型の外には漏れないので、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がった分だけ剥離エアの吹き出し面積が増して剥離力が増す。この結果、剥離が安定する。
【0027】
成形基板18をスタンパ6から剥離する方法は、まず、図2(a)と同様に、金型のスタンパ6が装着されていない側のエア通路Cからエアを吹き出しながら、成形基板18をスタンパ6に付けたままで、固定金型1と可動金型2とを少し開き、次に図4に示すようにエア通路Bを使って成形基板18の外周からエアを吹きつけて、成形基板18をスタンパ6から剥離する。成形基板18がスタンパ6から完全に剥離されてから、固定金型1と可動金型2とを大きく開いて、成形基板18を取り出し機で金型の外に取り出す。この場合も成形基板18とスタンパ6との剥離する角度はキャビティ17の開き量で制限されているため、成形基板18上に形成されるピットや溝の変形は抑制される。
【0028】
(実施の形態3)
図5に、実施の形態3において用いられる光ディスク金型の断面図を示す。実施の形態3では、実施の形態2の製造方法と同様に外周からエアを吹きつける際に、スタンパ6を装着していない金型側からエアを引く。図5では、エア通路Cから吸引が行われる。金型内に形成された、スタンパ6を装着していない側である可動金型鏡面12と成形基板18との隙間における圧力を減圧することで、成形基板18とスタンパ6とを剥離する力が大きくなる。この結果、成形基板18とスタンパ6との剥離が安定する。この場合も、成形基板18とスタンパ6との剥離する角度はキャビティ17の開き量で制限されているため、成形基板18上に形成されるピットや溝の変形は抑制される。
【0029】
(実施の形態4)
図6に、実施の形態4に用いられる光ディスク金型の断面図を示す。実施の形態1から実施の形態3に用いられた金型では、スタンパ外周押さえ7に設けたエア通路Bは固定金型基盤8を通っていたのに対して、実施の形態4では可動金型基盤11を通っている。可動金型基盤11とスタンパ外周押さえ7とは、エア通路Bが凹凸の嵌合により接続され、スタンパ外周押さえ7と可動金型基盤11との距離が変化しても、エア通路Bからエアが漏れない構造になっている。従って、固定金型1と可動金型2とが少し開いた状態、すなわち、固定金型突き当てリング9と可動金型突き当てリング10とが当接していない状態でもエア通路Bは密閉されており、エアは、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間に供給される。
【0030】
この場合も実施の形態2と同様に、スタンパ外周押さえ7をスタンパ6に押し当てるバネ力よりエア通路Bからのエア圧が勝ると、スタンパ外周押さえ7が可動金型2側に移動し、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がる。成形基板18とスタンパ6とを剥離するエアは、スタンパ外周押さえ7と固定金型鏡面5によって金型の外には漏れないので、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がった分だけ、剥離エアの吹き出し面積が増して剥離力が増す。この結果、剥離が安定する。またこの場合も、成形基板とスタンパ6との剥離する角度はキャビティ17の開き量で制限されているため、成形基板上に形成されるピットや溝の変形は抑制される。
【0031】
(実施の形態5)
図7に、実施の形態5に用いられる光ディスク金型の断面図を示す。実施の形態5では、実施の形態4と同様にスタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がっている。但し、この実施の形態5では、可動突き当てリング10に設けた突き出し部10aとスタンパ外周押さえ7に設けた突き出し部7aとが当接し、金型を開いたときに、突き出し部10a、7aの係合により、機械的にスタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がる。
【0032】
従って、実施の形態2から実施の形態4とは異なり、スタンパ外周押さえ7をスタンパ6に押しつけているバネ力よりエア通路Bから供給するエア力を強くすることによって、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が開くことはない。それにより、エア圧をより細かく調整することが可能である。スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間が広がった分だけ、剥離エアの吹き出し面積が増して剥離力が増し、剥離が安定する。この場合も、成形基板とスタンパ6との剥離する角度はキャビティ17の開き量で制限されているため、成形基板上に形成されるピットや溝の変形は抑制される。
【0033】
(実施の形態6)
図8に、実施の形態6に用いられる光ディスク金型の断面図を示す。図8の金型では、スタンパ外周押さえ7に2つのエア通路が形成されている。1つはエア吹き出し用のエア通路Bで、もう1つはガス吸引用のエア通路Dである。キャビティ17にスプルブッシュ3から溶融樹脂を流入させると、キャビティ17に樹脂が充填されるだけでなく、ガスがスタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間からキャビティ17の外に放出される。スタンパ外周押さえ7と固定金型鏡面5とにより金型内が密閉されていると、ガスがスタンパ外周押さえ7に付着し、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間からエアを吹きつけたとき、このガスも一緒に成形基板18やスタンパ6に付着する恐れがある。
【0034】
本実施の形態6では、スタンパ外周押さえ7に吸引用のエア通路Dを設けているため、この樹脂充填時のガスを逃がすことができる。従って、スタンパ外周押さえ7にガスが付着することはなくなり、成形基板18やスタンパ6が汚染される恐れがなくなる。ガス吸引用のエア通路Dは内周側、エア吹き出し用のエア通路Bは外側に設ける方が望ましい。これは、ガスがエア吹き出し口に達する前に吸引用のエア通路Dの口から吸引することにより、エア吹き出し用のエア通路Bの口にガスが付着することを防止し、エアを吹き出した際に成形基板にスタンパ6にガスが付着する恐れをより小さくするためである。
【0035】
少なくとも、金型が閉じてキャビティ17が形成され、溶融樹脂がキャビティ17内に充填される際にはエア通路Dからガス吸引を行う。スタンパ6と成形基板18との剥離時には、まず、エア通路Cからエアを吹き出して成形基板18をスタンパ6に密着させた状態で、スタンパ外周押さえ7と固定金型鏡面5との隙間が開かない程度だけ金型を開いて、スタンパ外周押さえ7のエア通路Bを用いて、スタンパ外周押さえ7とスタンパ6との隙間からエアを吹き出すことにより、成形基板18をスタンパ6から剥離する。この場合も、成形基板18がスタンパ6から剥離する際の角度はキャビティ17の開き量で制限されているため、成形基板上に形成されるピットや溝の変形は抑制される。
【0036】
以上の実施の形態1から実施の形態6までは、スタンパ6が固定金型1側に装着される場合を示したが、スタンパ6が可動金型2側に装着される場合でも同様に構成することができる。また、スタンパ外周押さえ7がスタンパ6とは反対側に配置される突き当て方式の場合について示したが、スタンパ外周押さえ7がスタンパ6と同じ側に配置される方式の場合でも同様である。
【0037】
(実施の形態7)
図9(a)、(b)に、実施の形態7に用いられる光ディスク金型の断面図を示す。図9(a)、(b)では、スタンパ6は可動金型鏡面12に装着されており、スタンパ外周押さえ7は可動金型2側に設置されている。まず、閉じた金型内に形成されたキャビティ17に溶融樹脂をスプルブッシュ3の孔から流入させ、カットパンチ15を突き出して、樹脂の流入口を塞ぐと共に内孔を形成して固化させる。ここまでは実施の形態1から6までと同様である。
【0038】
次に図9(a)に示すように、エア通路Fからエアを導入し、スプルブッシュ3と固定金型鏡面5との間からエアを吹き出しながら金型を大きく開く。この結果、図9(b)に示すように、成形基板18はスタンパ6と密着したままの状態になる。その後、固定金型基盤8に設けたエア通路Eから成形基板18の外周面に向かってエアを略環状に吹き出す。エア通路Eから吹き出すエアは内側に向いて斜めであることが望ましい。このエアによって成形基板18が外周から収縮し、成形基板18とスタンパ6との間に隙間ができて、成形基板18がスタンパ6から外周より剥離する。エア通路Eから吹き出すエアの温度で成形基板の熱収縮速度が決まるが、望ましくは金型と略同等から20K低い温度とする。この結果、成形基板18がスタンパ6から緩やかに剥離する。温度が高すぎると成形基板18が熱収縮せず、スタンパ6から剥離されない。低すぎると、成形基板18が熱収縮しすぎて成形基板18上に形成されるピットや溝の変形が発生する。
【0039】
可動金型2は、成形基板18がスタンパ6から剥離するにつれて固定金型1から離れることが望ましい。これはエアが外側から内側に当たるようにするためである。また、エアの吹き出し口は、周方向に環状に連続した1つ、または間欠的に配置された複数を設け、かつ、金型へ直結するエアの供給元は複数とし、このエアの供給元ではエアの圧力と流量が調整できるようにする。これにより全周におけるエアの偏りが抑制される。このエアの吹き出し口は、周方向に1重でなく複数重設けることもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、成形基板を、外周側からスタンパとの剥離角度が小さい状態で剥離できる。従って、スタンパに形成されたピットや溝の壁と転写された成形基板のピットや溝の壁とが擦れて変形を起こすことが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に用いる金型の構成を示す断面図
【図2】図1の金型内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図3】(a)離型変形モデルを示す断面模式図
(b)ピット変形量の定義を示す断面図
【図4】実施の形態2の金型内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図5】実施の形態3の金型内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図6】実施の形態4の金型内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図7】実施の形態5の金型内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図8】実施の形態6の金型構造とその内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図9】実施の形態7の金型構造とその内部における溶融樹脂およびエアの動きを示す金型断面図
【図10】従来の金型構造を示す断面図
【符号の説明】
1、101 固定金型
2、108 可動金型
3、117 スプルブッシュ
4、105 スタンパ内周押さえ
5、103 固定金型鏡面
6、104 スタンパ
7、106 スタンパ外周押さえ
7a、7b 凸部
8、102 固定金型基盤
9、109 固定金型突き当てリング
10、110 可動金型突き当てリング
10a、10b 凸部
11、111 可動金型基盤
12、112 可動金型鏡面
13、113 可動金型固定ブッシュ
14、114 エジェクタ
15、115 カッタ
16、116 エジェクタピン
17 キャビティ
18 成形基板
107 吸引孔
A、B、C、D エア通路

Claims (12)

  1. 一対の金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、固化した後に前記金型開いて成形基板を取り出すことにより、前記金型の一方に装着したスタンパに形成された凹凸を前記成形基板に転写させる光ディスク基板の製造方法において、
    前記樹脂が固化した後に、前記スタンパに前記成形基板が貼り付いた状態で前記キャビティの高さを前記成形基板の厚みより0.3mmから5mmの範囲で大きくなるように広げ、前期成形基板と前記スタンパとの間に外周からエアを供給することにより、前記成形基板を外周から内周に向かって前記スタンパから剥離させる光ディスク基板の製造方法。
  2. スタンパの外周を金型に対して保持するスタンパ外周押さえの内部、および前記スタンパ外周押さえに隣接する他部材にエア通路を設け、前記スタンパ外周押さえと前記他部材を接合させることにより両者の前記エア通路を連通するように構成し、前記スタンパ外周押さえと前記他部材の接合を、凹部と凸部の嵌合により形成する請求項1記載の光ディスク基板の製造方法。
  3. スタンパを装着しない金型の面の内周側で真空吸引し、外周から流入したエアを金型内のキャビティから逃がすようにする請求項1記載の光ディスク基板の製造方法。
  4. 金型内に溶融樹脂を充填した後、スタンパの外周を前記金型に対して保持するスタンパとの隙間を、前記溶融樹脂の充填時より大きくして、前記隙間からエアを供給する請求項1記載の光ディスク基板の製造方法。
  5. スタンパ外周押さえをバネでスタンパに押しつけて、エアの力で前記スタンパ押さえを前記スタンパから離間させる請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  6. スタンパを装着しない側の金型にスタンパ外周押さえを設置し、金型を開くことにより前記スタンパ外周押さえが前記スタンパから遠ざかるようにする請求項4記載の光ディスク基板の製造方法。
  7. スタンパ外周押さえと前記スタンパ外周押さえの外側隣接部材にそれぞれ凸部を設け、両凸部どうしの当接により、前記スタンパ外周押さえと前記外側隣接部材を機械的に係合させる請求項6記載の光ディスク基板の製造方法。
  8. スタンパ外周押さえにエア吹き出し口と真空吸引口を近接して設け、金型内に溶融樹脂を充填する場合には真空吸引を行い、外周から成形基板とスタンパとの間にエアを供給する場合にはエア吹き出しを行う請求項1記載の光ディスク基板の製造方法。
  9. 真空吸引口をエア吹き出し口より内周側に配置する請求項8記載の光ディスク基板の製造方法。
  10. エアの供給口を複数にし、前記供給口ごとに流量または圧力を調整する請求項1記載の光ディスク基板の製造方法。
  11. 一対の金型間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填し、固化した後に前記金型開いて成形基板を取り出すことにより、前記金型の一方に装着したスタンパに形成された凹凸を前記成形基板に転写させる光ディスク基板の製造方法において、
    前記樹脂が固化した後に、前記スタンパに前記成形基板が貼り付いた状態で金型を開き、前記成形基板に対する前記スタンパの反対側の外周からエアを吹きつけることにより、前記成形基板を外周から内周に向かってスタンパから剥離させる光ディスク基板の製造方法。
  12. エアの供給口を複数にし、前記供給口ごとに流量または圧力を調整する請求項11記載の光ディスク基板の製造方法。
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