JP3592087B2 - 細胞破砕装置 - Google Patents

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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は細胞や組織を破砕する細胞破砕装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酵母菌、バクテリア等の物質生産菌や生産細胞等のスクリーニング用あるいはDNA,RNA 抽出用の細胞破砕装置としては、高速回転刃による破砕、超音波による破砕、圧力による破砕等の種々の破砕方式を採用したものが知られているが、その中で被破砕細胞とガラスやセラミックス製の微小ビーズ、海砂、セラミック円柱を密閉容器に収容してこの密閉容器を高速で振動させ、微小ビーズと細胞の衝突を繰り返して細胞を破砕する方式のものも知られている。
【0003】
図6に示す細胞破砕装置は本発明者が発明者の一人として開発完成したものである(特公平6−36732号公報)。この従来例は、回転駆動可能な回転軸6にその軸心に対して中心線が傾斜した傾斜軸部8を設け、この傾斜軸部8に中心線が一致するように環状体15を相対回転自在に外嵌するとともに、この環状体15にその回転を弾性的に拘束するバネ50を係着し、前記環状体15の外周に、被破砕物とビーズを収容した密閉容器20を保持するホルダ18を周方向に多数配置したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の細胞破砕装置においては、多数のサンプルの細胞破砕を行う場合には多数の密閉容器20を環状体18の外周にセットする際に、環状体18の回転を阻止するバネ50を外し、環状体18を回転させながら環状体18の外周に各密閉容器20をセットし、すべての密閉容器20をセットしてから再度、上記バネ50を取り付けるのに手間がかかり、バネ50の引っ張り強度を一定に保つ事も難しく、サンプルの破砕強度を一定に保つのが困難であり、非常に能率が悪いという問題があった。
【0005】
さらに運転中に環状体18と環状体18を阻止するバネ50の連結接合部に摩擦が発生し、バネ50が破断し、各連結部が摩耗し、連結部の定期的な交換が必要であった。また回転による連結部の振動騒音も発生した。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、多数のサンプルの細胞破砕を一度に速く同一条件で行うことができるとともに、簡単な構成で振動形態が最適な8の字状となる細胞破砕装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の細胞破砕装置は、回転駆動可能な回転軸にその軸心に対して軸心の傾斜した傾斜軸部を設け、この傾斜軸部に環状体を相対回転自在に外嵌するとともに、この環状体の回転を非接触で一定の磁力により阻止する手段を設け、前記環状体の外周に、被破砕物と破砕媒体を収容した密閉容器を保持するホルダを周方向に適当間隔置きに多数配置したことを特徴とする。
【0008】
前記破砕媒体としては、ビーズあるいは密閉容器の内径よりやや小さい外形の球状、楕円状、先が密閉容器の底の形状に合う円錐状の破砕体を用いると好適である。
【0009】
本発明の細胞破砕装置によれば、環状体の周囲に配置した多数のホルダに密閉容器を保持させることによって一度に多数のサンプルの細胞破砕を行え、かつ回転軸に設けた傾斜軸部に共回転しないように磁力によって拘束された環状体の外周に各密閉容器を保持しているので、各密閉容器はそれぞれ回転軸が1回転する度に8の字状に移動し、回転軸を高速回転させることによって各密閉容器を8の字状の最適な振動形態で振動させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4を参照しながら説明する。
【0011】
1はベースで、その上に防振ゴム2を介して架台3が設置されている。この架台3上には、一対の軸受ユニット4a、4bとモータ5がそれらの軸心が一直線上に位置するように配置されている。一対の軸受ユニット4a、4bは互いに適当な間隔を設けて配置された軸受台3a、3b上に設置されており、回転軸6の両端部を回転自在に支持している。この回転軸6の一端6aはカップリング7を介して前記モータ5の出力軸5aに結合されている。前記回転軸6の軸受ユニット4a、4b間には、中心軸心に対して軸心が傾斜した傾斜孔8aを形成された傾斜軸体8が外嵌されるとともに、キー(図示せず)にて相対回転不可能に結合されている。この傾斜軸体8は、その両端面に当接配置された傾斜スペーサリング9a、9bを介して、回転軸6の外周に突設された鍔部10と回転軸6の外周面に形成されたねじ部11に螺合された固定ナット12とにより軸心方向にも挟圧固定され、回転軸6と一体的に回転する傾斜軸部を構成している。
【0012】
傾斜軸体8の外周には、一対の軸受13を介して相対回転自在に環状体15が外嵌されている。14は傾斜軸体8側の軸受固定ナット、16は環状体15側の軸受固定ナットである。環状体15の外周には、周方向に所定ピッチで放射状に多数(図示例では12個)の突部17が突設されている。この突部17の両端面には、それぞれ径方向外方に突出しかつ互いに対向するように弾性板から成るホルダ片18a、18bがビス19にて取付けられ、これらホルダ片18a、18b間でチューブ状の密閉容器20を着脱自在に保持できるように構成されている。
【0013】
環状体15の適所に半径方向に突出する突出部21が形成されるとともにその外周面が平坦にされて磁石22が取付けられている。また、この磁石22に対向する位置において架台3にもう1つの磁石23が固定されている。これら磁石22、23間に作用する磁力によって環状体15が回転軸6と共回りしないように回転を阻止されている。さらに、前記突出部21は、隣合う突部17、17を接続しているが、その一方の突部17とその一側方に隣接する突部17との間に形成されている空間の中央部を通るストッパ軸24が設けられ、その両端部は軸受台3a、3bにて支持されている。
【0014】
次に、動作を説明する。サンプルとしての各種被破砕細胞と破砕媒体(例えばガラスやセラミックス製の微小ビーズあるいは、チューブの内径に近い外形の金属製やセラミック製、あるいは樹脂製やガラス製の球体、楕円体、先の形状がチューブ内の先端形状に合った円錐体とをそれぞれチューブ状の密閉容器20内に収容し、この密閉容器20を環状体15の外周の各ホルダ片18a、18b間に保持させる。前記破砕媒体は、直径0.1〜0.5mmのガラスビーズやジルコニア等のセラミックスビーズが、例えば微生物の破砕や真核細胞の破砕等の破砕目的に応じて選択して使用される。
【0015】
密閉容器20の装着が終わると、モータ5を駆動し、回転軸6を例えば1200〜2800rpm で高速回転させる。すると、環状体15が回転軸6と一体回転する傾斜軸体8の外周に相対回転自在に外嵌され、かつ1対の磁石22、23間に作用する磁力にて共回転を阻止されているので、図3に示すように、回転軸6の回転が1回転する毎に環状体6が軸心方向両側に振れ運動する。
【0016】
このとき、環状体15の外周の任意の点は、図4の(a)、(b)に示すように8の字状に移動することになる。即ち、図4の(a)に実線で示すように環状体15が紙面の上下方向に傾斜した状態を基準位置として、そのときの環状体15の外周上におけるa点位置の挙動を見てみると、実線状態から回転軸6が矢印方向に90°回転すると、環状体15は仮想線で示すように紙面の表裏方向に傾斜した状態に移行し、その間a点に対応していた位置は経路bを経てc点に移動する。次に、回転軸6がさらに90°回転すると、環状体15は図4の(b)に実線で示すように紙面の上下方向でかつ逆向きに傾斜した状態に移行し、a点に対応していた位置はc点から経路dを経て元のa点に戻る。さらに回転軸6が90°回転すると、環状体15は仮想線で示すように紙面の表裏方向に逆向きに傾斜した状態に移行し、a点に対応していた位置は経路eを経てf点に移動し、さらに回転軸6が元の回転位置まで90°回転すると、a点に対応していた位置はf点から経路gを経て元のa点に戻るのである。
【0017】
従って、環状体15の外周に保持された密閉容器20は回転軸6の高速回転に伴って8の字状の振動形態で振動せしめられ、その結果密閉容器20内で被破砕細胞に微小ビーズ等の破砕媒体が効果的に衝突し、その衝撃によって速やかにかつ均一に細胞が破砕される。こうして、多数の密閉容器20内に収容された多数のサンプルの細胞破砕を一度に破砕処理することができる。
【0018】
尚、環状体15はその外周位置を磁石22,23の磁力にて弾性的に引張することによって、上記8の字状の変位動作を許容しながらその回転を阻止しているため、回転軸6の回転速度域によっては共振による異常振動を発生する恐れがあるが、その場合ストッパ軸24に突部17が当接するため、異常振動は確実に防止される。
【0019】
上記実施形態では、回転軸6上に単一の環状体15を配置した例を示したが、図5に示すように回転軸6上に同一構成の複数の環状体15を並列配置してもよく、一層大量のサンプルの細胞破砕を一度に行うことができる。
【0020】
又図1に仮想線で示すように開閉可能なボックス50で環状体15の全体を覆いここに冷気51を送って、破砕時の振動により昇温する密閉容器20の内部を冷却できるようにすれば好適である。このボックス50は万が一密閉容器20がホルダ片18a、18bから離脱した場合にも、それが飛び散るのを防止する安全ボックスとしての作用をも営む。
【0021】
又上記実施形態では、両磁石22、23を固定状態としているが、一方の磁石を移動可能又は取外し可能として、密閉容器20の取付け、取外し作業時に、環状体6の回転を容易に行えるようにすると、好適である。
【0022】
又上記実施形態では1対の磁石(永久磁石、電磁石を含む)22、23を用いているが、磁石と強磁性体の組み合わせにより、球状体の回転を磁力で阻止するように構成してもよい。
【0023】
更に上記実施形態では、回転軸6が水平で両持ち支持されているが、回転軸を鉛直方向に設け、これを片持ち支持するように構成してもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の細胞破砕装置によれば、環状体の周囲に配置した多数のホルダに密閉容器を保持させることによって一度に多数のサンプルの細胞破砕を行え、かつ回転軸に設けた傾斜軸部に共回転しないように嵌合した環状体の外周に各密閉容器を保持するので、各密閉容器はそれぞれ回転軸が1回転する度に8の字状に移動し、回転軸を高速回転させることによって各密閉容器を8の字状の最適な振動形態で振動させることができる。しかも、回転軸に傾斜軸部を設けて環状体を外嵌しただけの簡単な構成で安価に構成できる等、大なる効果を発揮する。さらに、環状体を磁力により非接触で一定の磁力で回転を阻止しているので、常に安定した振動形態が得られ、同一条件で、繰り返し安定した細胞破砕が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の部分断面正面図である。
【図2】本発明の一実施形態の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態の動作状態を示す要部の正面図である。
【図4】(a)、(b)は環状体の外周における振動形態の説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態の要部の正面図である。
【図6】従来例の部分断面正面図である。
【符号の説明】
6 回転軸
8 傾斜軸体
15 環状体
18a、18b ホルダ片
20 密閉容器
22 磁石
23 磁石

Claims (1)

  1. 回転駆動可能な回転軸にその軸心に対して軸心の傾斜した傾斜軸部を設け、この傾斜軸部に環状体を相対回転自在に外嵌するとともに、この環状体の回転を非接触で一定の磁力により阻止する手段を設け、前記環状体の外周に、被破砕物と破砕媒体を収容した密閉容器を保持するホルダを周方向に適当間隔置きに多数配置したことを特徴とする細胞破砕装置。
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JP7549335B2 (ja) 2020-10-30 2024-09-11 有限会社興国産業 破砕装置

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