JP3592082B2 - 情報伝送システムのキャリア同期装置及びキャリア同期方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送受信間でキャリアの周波数同期を確立して情報伝送を行う情報伝送システムに係り、特に、高速広帯域伝送を行う情報伝送システムのキャリア同期装置及びキャリア同期方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の情報伝送システムでは、一般に、送信側でキャリアを情報信号或いは情報信号で変調したサブキャリアによって変調して送信し、受信側では受信波に含まれるキャリア成分を基にして送信側キャリアと等しい周波数のキャリアを再生し、これを受信波と乗算して検波を行う変復調方式が有線、無線を問わず広く用いられている。
【0003】
これらの変復調方式では、受信変調波のキャリアと再生キャリアとの周波数差、すなわち、キャリア同期の確度を如何に良好に維持するかという点が情報伝送品質を左右する重要な要素となっている。例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)は、伝送する情報を互いに直交関係にある多数のサブキャリアに乗せ、さらに、これらをキャリアと乗算して必要な周波数帯に変換して伝送する方式であるが、サブキャリア同士の間隔が小さいため、受信側で直交検波してサブキャリアを取出す際に、受信波と乗算する再生キャリアとの周波数差が大きいと、得られる各サブキャリア間の直交性が崩れて互いに干渉を生じ受信誤りが発生して伝送品質が低下するという問題がある。従って、単純な同期検波方式の復調と比べると、OFDMの場合は特に高いキャリア同期確度とその安定性が要求される。
【0004】
従来、OFDMでの受信再生キャリアの同期性能を向上させる技術としては、送信側が伝送情報と同時に同期用キャリアを送信し、受信側がこの同期用キャリアを用いて再生キャリアの周波数同期を行うという技術が知られている。
例えば、特開平9−270765号公報に示すように、送信側において多数のサブキャリアを離散逆フーリエ変換によって生成する過程でサブキャリアの一つを同期用サブキャリアと定義し、このサブキャリアの送信電力レベルを他のサブキャリアよりも高くして送信することによって受信側での安定したキャリア同期が行えるものや、送信側においてサブキャリアの生成とは別の手段でサブキャリアよりも高い電力レベルの一つの同期用サブキャリアを発生させ、これを任意のサブキャリア一波に加算重畳し送信することによって受信側での安定したキャリア同期が行えるものがあった。このような制御における送信スペクトルは、図10に示すようになり、OFDMサブキャリア群で構成される変調波Mの中の任意の一波が同期用キャリアCとして機能することになる。
【0005】
また、1992年度NHK技術研究所公開研究予稿集pp.28−36には、図11に示すように、OFDMサブキャリア群で構成される変調波Mとは別に近傍周波数帯に一つの同期用キャリアCを配置し、これによって受信側でキャリア同期を行う技術が開示されている。
このように、従来は、サブキャリアの集合である変調波を一連となった単一の周波数帯域に周波数変換して伝送し、かつ、そのキャリア同期に単一の同期用キャリアを使用していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
無線や回線状態の変動する有線回線での高速広帯域伝送を行う場合、その周波数スペクトルは広帯域に及ぶが、無線や回線状態の変動する有線回線を伝播する際に発生する周波数選択性のフェージング等によって受信点で得られる受信電力スペクトル分布は常に変動し、場合によっては図12に示すように特定の周波数領域の受信電力が極端に低下してその部分の情報が欠落することがある。特に、広帯域であるほど帯域の下限と上限の周波数がかれ離れ周波数選択性の伝送障害を受けやすい。
【0007】
しかしながら、上述した従来のキャリア同期技術では、受信側で再生キャリアを受信波と同期させる唯一の情報源である同期用キャリアが一本しかなく、その周波数が周波数選択性伝送障害を受けた場合、他の情報部分が正常に受信されているにもかかわらず、受信側での同期が正常に行われないために情報の復調が困難になるという問題があった。
【0008】
そこで、請求項1乃至7記載の発明は、周波数選択性の伝播障害が生じても、受信側において確実、かつ、安定したキャリア同期ができ、しかも、受信した同期用キャリアの絶対的な周波数変動に影響されない安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
また、請求項2記載の発明は、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、さらに、より安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
また、請求項4記載の発明は、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともにより安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
また、請求項5記載の発明は、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、さらに、安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
また、請求項7記載の発明は、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供する。
【0011】
また、請求項8乃至14記載の発明は、周波数選択性の伝播障害が生じても、受信側において確実、かつ、安定したキャリア同期ができ、しかも、受信した同期用キャリアの絶対的な周波数変動に影響されない安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
また、請求項9記載の発明は、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
【0012】
また、請求項10記載の発明は、さらに、より安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
また、請求項11記載の発明は、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともにより安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
また、請求項12記載の発明は、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
【0013】
また、請求項13記載の発明は、さらに、安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
また、請求項14記載の発明は、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、送信側から同期用キャリアを送信し、受信側においてこの同期用キャリアを用いて再生キャリアの周波数同期を行って復調する情報伝送システムにおいて、送信側は、変調用キャリアと同期し、この変調用キャリアを中心周波数とした変調波とは異なる複数の同期用キャリアを発生する第1のキャリア発生手段と、この第1のキャリア発生手段が発生した同期用キャリアを伝送周波数帯域内に配置して変調波とともに送信する送信手段を備え、受信側は、PLL回路を含み、このPLL回路によって同期用キャリアにフェーズロックして受信した同期用キャリアのうち、レベル比較によりレベルの良好な少なくとも2つを選択する同期用キャリア選択手段と、この同期用キャリア選択手段が選択した同期用キャリアの差の周波数成分を分周して新たな周波数の信号を生成する信号生成手段と、この信号生成手段が生成した信号を基準周波数信号として検波用のキャリアを発生する第2のキャリア発生手段を備えたキャリア同期装置にある。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置において、受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果と予め設定した既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する選択手段とで構成したことにある。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置において、受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する選択手段とで構成したことにある。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置において、受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果と予め設定した既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する第1の選択手段と、記憶手段に記憶した各測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する第2の選択手段と、第1の選択手段による選択動作モードを優先させ、この第1の選択手段の選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、第2の選択手段による選択動作モードに切り替えるモード切替手段とで構成したことにある。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置において、受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を基に各同期用キャリアのレベル変動量を測定するレベル変動量測定手段と、各測定手段が測定した各同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶したレベルの各測定結果と予め設定した第1の既定値並びにレベル変動量の各測定結果と予め設定した第2の既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する選択手段とで構成したことにある。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置において、受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を基に各同期用キャリアのレベル変動量を測定するレベル変動量測定手段と、各測定手段が測定した各同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果に基づいて、レベルが既定値以上の中からレベル変動量が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する選択手段とで構成したことにある。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置において、受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を基に各同期用キャリアのレベル変動量を測定するレベル変動量測定手段と、各測定手段が測定した各同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶したレベルの各測定結果と予め設定した第1の既定値並びにレベル変動量の各測定結果と予め設定した第2の既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する第1の選択手段と、記憶手段に記憶した各測定結果に基づいて、レベルが第1の既定値以上の中からレベル変動が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する第2の選択手段と、第1の選択手段による選択動作モードを優先させ、この第1の選択手段の選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、第2の選択手段による選択動作モードに切り替えるモード切替手段とで構成したことにある。
【0021】
請求項8記載の発明は、送信側から同期用キャリアを送信し、受信側においてこの同期用キャリアを用いて再生キャリアの周波数同期を行って復調する情報伝送システムにおいて、送信側では、変調用キャリアと同期し、この変調用キャリアを中心周波数とした変調波とは異なる複数の同期用キャリアを伝送周波数帯域内に配置して変調波とともに送信し、受信側では、同期用キャリアにフェーズロックして受信した同期用キャリアのうち、レベル比較によりレベルの良好な少なくとも2つを選択し、この選択した同期用キャリアの差の周波数成分を分周して新たな周波数の信号を生成し、この生成した信号を基準周波数信号として検波用のキャリアを生成することにより受信変調波のキャリアと検波用キャリアの周波数同期を行う情報伝送システムのキャリア同期方法にある。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法において、受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの同期用キャリアを選択し、また、無ければ他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断するという処理を繰返し、レベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了することにある。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法において、受信側における受信した複数の同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した全ての同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了することにある。
【0024】
請求項11記載の発明は、請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法において、受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの同期用キャリアを選択し、また、無ければ他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断するという処理を繰返し、レベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了する第1のステップと、記憶した全ての同期用キャリアのレベル測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了する第2のステップからなり、先ず、第1のステップによる選択処理を行い、この第1のステップにより選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、第2のステップによる選択処理を行うことにある。
【0025】
請求項12記載の発明は、請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法において、受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した第1の既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの少なくとも2つの同期用キャリアについてレベル変動量を測定して予め設定した第2の既定値を比較し、レベル変動量が第2の既定値以下であればこの少なくとも2つの同期用キャリアを選択し、また、測定した一部の同期用キャリアについてレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つ無いか、あるいはレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つあってもレベル変動量が第2の既定値を超えているときには、他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と第1の既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断するという処理を繰返し、レベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了することにある。
【0026】
請求項13記載の発明は、請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法において、受信側における受信した複数の同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した全ての同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果からレベルが予め設定した既定値以上の中からレベル変動量が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了することにある。
【0027】
請求項14記載の発明は、請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法において、受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した第1の既定値を比較し、レベルが第1の既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの少なくとも2つの同期用キャリアについてレベル変動量を測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した第2の既定値を比較し、レベル変動量が第2の既定値以下であればこの少なくとも2つの同期用キャリアを選択し、また、測定した一部の同期用キャリアについてレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つ無いか、あるいはレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つあってもレベル変動量が第2の既定値を超えているときには、他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と第1の既定値を比較するとともに、他の一部の同期用キャリアのレベル変動量を測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と第2の既定値を比較するという処理を繰返し、レベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了する第1のステップと、記憶した全ての同期用キャリアのレベル及びレベル変動量の測定結果からレベルが第1の既定値以上の中からレベル変動量が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了する第2のステップからなり、先ず、第1のステップによる選択処理を行い、この第1のステップにより選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、第2のステップによる選択処理を行うことにある。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変復調方式を使用した情報伝送システムにおけるキャリア同期装置の送信側ブロック図で、入力される直列送信データを1ビットずつ3列の直列データに振り分けるS/P(シリアル/パラレル)変換器11と、このS/P変換器1からの3列の直列データをそれぞれOFDM変調する3つのOFDM送信モジュール12,13,14と、この各OFDM送信モジュール12,13,14の出力と同期用キャリアを電力合成して送信する送信手段としての合成器15と、前記各OFDM送信モジュール12,13,14内の後述する直交変調器に図5に示す周波数f2、f4、f6のキャリアを供給し、かつ、周波数f1、f3、f5、f7の同期用キャリアを前記合成器15に供給する第1のキャリア発生手段としての第1のマルチキャリア発生回路16とで構成している。
【0029】
前記各OFDM送信モジュール12,13,14は同一の構成で、OFDM送信モジュール12について構成を述べると、3列の直列データの一列をDQPSK変調するシンボルマッパ121及び差動符号化器122と、この差動符号化器122の出力である直交変調成分I、Qのそれぞれを1024ビット並列データRe、Imに変換するS/P(シリアル/パラレル)変換器123と、このS/P変換器123からの並列データRe、Imを離散逆フーリエ変換するIFFT(逆フーリエ変換)回路124と、このIFFT回路124からの変換出力を直交する直列データIとQに変換するP/S(パラレル/シリアル)変換器125と、このP/S変換器125からの直列データI、Qの帯域制限をそれぞれ行う低域通過フィルタ(LPF)126,127と、この各低域通過フィルタ126,127の出力と前記第1のマルチキャリア発生回路16からのキャリアf2とで直交変調を行う直交変調器128とで構成している。
【0030】
なお、前記OFDM送信モジュール13には前記第1のマルチキャリア発生回路16からのキャリアf4が供給され、前記OFDM送信モジュール14には前記第1のマルチキャリア発生回路16からのキャリアf6が供給されることになる。
【0031】
前記第1のマルチキャリア発生回路16は、図5に示すように、周波数が等間隔に配列されたf1〜f7の7波のキャリアを発生するが、この各キャリアは共通の基準信号源から生成するようになっている。これは、例えば、PLL周波数シンセサイザを7つ用意し、各PLL周波数シンセサイザの位相比較基準信号として共通の水晶発振器を使用すれば用意に得られる。前記合成器15からの送信出力は無線或いは有線により受信側に伝送されるようになっている。
【0032】
図2は、OFDM変復調方式を使用した情報伝送システムにおけるキャリア同期装置の受信側ブロック図で、受信波を4つに分配する第1の電力分配回路21と、この第1の電力分配回路21により分配した分配波をOFDM復調する3つのOFDM受信モジュール22,23,24と、この各OFDM受信モジュール22,23,24に直交検波を行うためのキャリアを供給する第2のキャリア発生手段としての第2のキャリア発生回路25と、前記各OFDM受信モジュール22,23,24でOFDM復調された後の3つの出力を一列の直列データに変換して受信データとするP/S(パラレル/シリアル)変換器26と、前記第1の電力分配回路21の分配波をさらに2分配する第2の電力分配回路27と、この第2の電力分配回路27が出力する信号から設定周波数の同期用キャリアを選択しフェイズロックをかけた再生キャリアを生成する第1、第2のPLL回路28,29と、この各PLL回路28,29からの再生キャリアを周波数混合して両再生キャリアの和と差の周波数成分を出力する周波数変換器30と、この周波数変換器30の出力から差の周波数成分のみを選択する低域通過フィルタ(LPF)31と、この低域通過フィルタ31からのアナログ信号をデジタル信号に変換する2値化回路32と、この2値化回路32からのデジタル信号を分周して前記第2のマルチキャリア発生回路25の基準周波数信号を生成する分周器33と、前記各PLL回路28,29が現在ロックしている同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段としてのレベル測定部34と、このレベル測定部34が測定した測定結果に応じて前記各PLL回路28,29がロックする周波数並びに前記分周器33の分周比を設定し、さらに、高速同期モードと安定同期モードの動作切り替えを行う制御部35とで構成している。
【0033】
前記電力分配回路27、第1、第2のPLL回路28,29及び制御部35は同期用キャリア選択手段を構成し、前記周波数変換器30、低域通過フィルタ31、2値化回路32及び分周器33は信号生成手段を構成している。
【0034】
前記各OFDM受信モジュール22,23,24は同一の構成で、OFDM受信モジュール22について構成を述べると、前記第1の電力分配回路21により分配された受信波の1波を取込み、前記第2のマルチキャリア発生回路25からのキャリアとで直交検波を行う直交検波器221と、この直交検波器221からの直交する直列データI、Qの帯域制限をそれぞれ行う低域通過フィルタ(LPF)222,223と、この各低域通過フィルタ222,223の出力を1024ビット並列データRe、Imに変換するS/P(シリアル/パラレル)変換器224と、このS/P変換器224からの並列データRe、Imを離散フーリエ変換するFFT(フーリエ変換)回路225と、このFFT回路225からの変換出力を直列データに変換するP/S(パラレル/シリアル)変換器226と、このP/S変換器226からの直列データをDQPSK復調して前記P/S変換器26に供給する差動符号化器227及びシンボルデコーダ228とで構成している。
【0035】
前記制御部35は、図3に示すように、前記レベル測定部34からの測定データを記憶するとともに前記各PLL回路28,29の周波数設定データを記憶する記憶手段としてのメモリ351と、このメモリ351に記憶したレベル測定データの値と予め設定した既定値とを比較する比較手段としての比較器352と、測定値が既定値以上のときに「1」がセットされる、それぞれ周波数f1、f3、f5、f7に対応した4つのフラグC1,C2,C3,C4を設けたフラグレジスタ353と、前記メモリ351に記憶した測定データにうち、レベルが良好な、すなわち、レベルが大きい順に上位2つの判定を行う順位判定部354と、前記各PLL回路28,29の周波数データを設定するPLL制御部355と、前記分周器33の分周比を設定する分周制御部356と、前記フラグレジスタ353の内容と前記順位判定部354の結果に応じて前記分周制御部356及びPLL制御部355を制御する選択制御部357とで構成している。前記選択制御部357は、また、高速同期モードと安定同期モードの選択を行う動作モード選択入力の信号入力端子を備えている。
【0036】
前記第1、第2のPLL回路28,29及びレベル測定部34は、図4に示す構成になっている。すなわち、前記第1のPLL回路28は、印加電圧によって発振周波数が制御されるVCO(電圧制御発振器)281と、このVCO281の出力を周波数分周するプログラムカウンタ282と、前記第2の電力分配回路27からの信号を周波数分周するプログラムカウンタ283と、前記各プログラムカウンタ282,283の分周出力信号の周波数差及び位相差を電圧信号に変換する位相検波器284と、PLLフィードバックループのループ応答特性を決めるループフィルタ(LPF)285とで構成している。
【0037】
前記第2のPLL回路29も前記第1のPLL回路28と同様、印加電圧によって発振周波数が制御されるVCO291と、このVCO291の出力を周波数分周するプログラムカウンタ292と、前記第2の電力分配回路27からの信号を周波数分周するプログラムカウンタ293と、前記各プログラムカウンタ292,293の分周出力信号の周波数差及び位相差を電圧信号に変換する位相検波器294と、PLLフィードバックループのループ応答特性を決めるループフィルタ(LPF)295とで構成している。
【0038】
前記レベル測定部34は、前記PLL回路28のVCO281の出力と前記第2の電力分配回路27からの受信電力を乗算する乗算器341と、前記PLL回路29のVCO291の出力と前記第2の電力分配回路27からの受信電力を乗算する乗算器342と、この各乗算器341,342の出力信号からそれぞれ直流成分だけを通過させるローパスフィルタ343,344と、この各ローパスフィルタ343,344の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器345,346とで構成している。
【0039】
このような構成においては、送信側において送信データはS/P変換器11で3つのデータ列に分割され、各データ列の伝送速度は元の1/3になる。このデータ列を情報信号とし、第1のマルチキャリア発生回路16からのキャリアf2,f4,f6を搬送波として、各OFDM送信モジュール12,13,14において中心周波数がf2,f4,f6であるOFDM変調波が生成される。
【0040】
この3波の変調波は、第1のマルチキャリア発生回路16からの4波の同期用キャリアf1,f3,f5,f7とともに合成器15で電力合成され、図5に示すような送信波周波数スペクトルを形成する。そして、この送信波は受信側に伝送される。
【0041】
受信側では、送信側からの送信波を受信すると、第1の電力分配回路21で4分配され、この分配波の1つは第2の電力分配回路27でさらに2分配される。そして、この2分配された分配波を基に同期用キャリアを再生する。
図6は同期用キャリアを再生する1つのモードである高速同期モード(1) のときのデータ処理を示す流れ図で、このモードは同期用キャリアを再生するに要する時間を短縮することを優先した動作モードになっている。
【0042】
先ず、ステップS1にて、選択制御部357はPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f1に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f7に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0043】
続いて、ステップS2にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f1とf7の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、選択制御部357はフラグレジスタ353の記憶内容を「0」とし、レベル測定部34は周波数f1とf7の同期用キャリアのレベルを同時に測定し、f1の測定値をメモリ351のアドレスP1に記憶し、f7の測定値をメモリ351のアドレスP7に記憶する。
【0044】
続いて、ステップS3にて、メモリ351に記憶したアドレスP1の測定値と予めメモリ351に格納していた既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC1を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC1は「0」のままとなる。次に、メモリ351に記憶したアドレスP7の測定値と既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC7を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC7は「0」のままとなる。
【0045】
続いて、ステップS4にて、フラグレジスタ353のフラグC1とフラグC7のAND演算を行い、この結果を選択制御部357が判定し、結果が「1」の場合は分周制御部356を介して分周器33の分周比Nを「6」に設定して、ステップS2に戻る。また、結果が「1」でない場合にはステップS5へ移行する。
【0046】
ステップS5では、選択制御部357がPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f3に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f5に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0047】
続いて、ステップS6にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f3とf5の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、選択制御部357はフラグレジスタ353の記憶内容を「0」とし、レベル測定部34は周波数f3とf5の同期用キャリアのレベルを同時に測定し、f3の測定値をメモリ351のアドレスP3に記憶し、f5の測定値をメモリ351のアドレスP5に記憶する。
【0048】
続いて、ステップS7にて、メモリ351に記憶したアドレスP3の測定値とメモリ351に格納している既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC3を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC3は「0」のままとなる。次に、メモリ351に記憶したアドレスP5の測定値と既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC5を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC5は「0」のままとなる。
【0049】
続いて、ステップS8にて、フラグレジスタ353のフラグC3とフラグC5のAND演算を行い、この結果を選択制御部357が判定し、結果が「1」の場合は分周制御部356を介して分周器33の分周比Nを「2」に設定して、ステップS6に戻る。また、結果が「1」でない場合にはステップS9へ移行する。
【0050】
ステップS9では、メモリ351内に設けたエラーカウンタに1を加算し、この加算後の値が3以下か否かをチェックし、3以下であればステップS1に戻り、また、3を超えていれば図7に示す安定同期モードaへ移行する。
【0051】
図7は同期用キャリアを再生するもう1つのモードである安定同期モード(1) のときのデータ処理を示す流れ図で、このモードはキャリア同期の安定度を優先した動作モードになっている。
【0052】
先ず、ステップS10にて、選択制御部357はPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f1に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f7に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0053】
続いて、ステップS11にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f1とf7の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、レベル測定部34は周波数f1とf7の同期用キャリアのレベルを同時に測定し、f1の測定値をメモリ351のアドレスP1に記憶し、f7の測定値をメモリ351のアドレスP7に記憶する。
【0054】
続いて、ステップS12にて、選択制御部357はPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f3に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f5に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0055】
続いて、ステップS13にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f3とf5の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、レベル測定部34は周波数f3とf5の同期用キャリアのレベルを同時に測定し、f3の測定値をメモリ351のアドレスP3に記憶し、f5の測定値をメモリ351のアドレスP5に記憶する。
【0056】
続いて、安定同期モードaのデータ処理へ移行する。この安定同期モードaでは、先ず、ステップS14にて、順位判定部354がメモリ351のアドレスP1に記憶したf1のレベル測定値、アドレスP3に記憶したf3のレベル測定値、アドレスP5に記憶したf3のレベル測定値、アドレスP7に記憶したf7のレベル測定値からレベルの大きい上位2つを選択する。
【0057】
続いて、ステップS15にて、選択制御部357は、PLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1にレベルの大きさが1位の同期用キャリア周波数に対応したPLLデータを書き込み、同様に、アドレスA2にレベルの大きさが2位の同期用キャリア周波数に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0058】
続いて、ステップS16にて、選択制御部357は、分周制御部356を介して分周器33に分周比Nをレベルの大きい上位2つの周波数に応じて設定する。すなわち、上位2つの周波数がf1とf3、f3とf5、f5とf7の場合にはN=2に設定し、f1とf5、f3とf7の場合にはN=4に設定し、f1とf7の場合はN=6に設定する。
【0059】
このように、同期情報の伝送に複数の同期用キャリアf1,f3,f4,f7の周波数情報を用いているので、周波数選択性の伝播障害があっても確実、かつ、安定したキャリア同期が行える。また、各PLL回路28,29からの再生キャリアを周波数変換器30で周波数混合して両再生キャリアの和と差の周波数成分を出力し、この出力を低域通過フィルタ31を介して差の周波数成分のみを選択し、これを2値化回路32でデジタル信号に変換した後、分周器33に供給し、この分周器33において第2のマルチキャリア発生回路25の基準周波数信号を生成しているので、複数の同期用キャリア間の相対的な周波数差を元にして周波数同期を行うことができ、受信された同期用キャリアの絶対的な周波数変動に影響されない安定した周波数同期ができる。
【0060】
また、同期用キャリアを再生する場合に、高速同期モードを実行することにより、先ず、同期用キャリアf1とf7についてレベルを測定し、この測定値が既定値以上か否かを判定し、同期用キャリアf1とf7についてのレベル測定値が両方とも既定値以上であれば直ちに分周器33に分周比N=6を設定するので、確実に同期できる同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できる。
【0061】
また、同期用キャリアを再生する場合に、安定同期モードを実行することにより、全ての同期用キャリアf1、f3、f5、f7についてレベルを測定し、得られたレベル測定値からレベルの大きい上位2つを選択し、その選択した周波数の関係から予め決められた分周比Nを分周器33に設定するので、このモードを実行することで常に同期にレベルの高い最良な同期用キャリアを選択でき、再生キャリアによる安定したキャリア同期と受信復調ができる。
【0062】
さらに、高速同期モードを実行したときに、f1とf7のレベル測定値が両方とも既定値以上にならない状態及びf3とf7のレベル測定値が両方とも既定値以上にならない状態がしばらく継続することがあると、動作モードを安定動作モードに移行させてレベル測定値の上位2つを選択して分周比設定を行っているので、伝播条件が良好でない環境下においても最良のレベル状態にある同期用キャリアを選択することができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、レベル測定とともにレベル変動量を測定して良好な同期用キャリアを選択する制御を行う場合について述べる。この場合は、制御部35内の比較器352は、レベル比較を予め設定した第1の既定値と行い、レベル変動量比較を予め設定した第2の既定値と行うことになる。また、順位判定部354は、メモリ351に記憶した測定データにうち、レベルが良好な、すなわち、レベルが大きい順に上位2つの判定と2回のレベル測定結果の差であるレベル変動量の小さい順位2つの判定を行うことになる。
【0064】
すなわち、図8は同期用キャリアを再生する1つのモードである高速同期モード(2) のときのデータ処理を示す流れ図で、このモードは同期用キャリアを再生するに要する時間を短縮することを優先した動作モードになっている。
【0065】
先ず、ステップS21にて、選択制御部357はPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f1に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f7に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0066】
続いて、ステップS22にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f1とf7の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、選択制御部357はフラグレジスタ353の記憶内容を「0」とし、レベル測定部34は周波数f1とf7の同期用キャリアについて1回目のレベル測定を同時に行い、f1の測定値をメモリ351のアドレスP1に記憶し、f7の測定値をメモリ351のアドレスP7に記憶する。
【0067】
続いて、ステップS23にて、メモリ351に記憶したアドレスP1の測定値と予めメモリ351に格納していた第1の既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC1を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC1は「0」のままとなる。次に、メモリ351に記憶したアドレスP7の測定値と第1の既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC7を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC7は「0」のままとなる。そして、フラグレジスタ353のフラグC1とフラグC7のAND演算を行い、この結果を選択制御部357が判定し、結果が「1」の場合はステップS24へ移行し、また、結果が「0」の場合はステップS25へ移行する。
【0068】
ステップS24では、先ず、レベル測定部34が周波数f1とf7の同期用キャリアについて2回目のレベル測定を同時に行い、f1の測定値をメモリ351のアドレスP1Aに記憶し、f7の測定値をメモリ351のアドレスP7Aに記憶する。そして、アドレスP1に記憶したレベル測定値とアドレスP1Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP1Bに記憶する。また、アドレスP7に記憶したレベル測定値とアドレスP7Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP7Bに記憶する。そして、アドレスP1B、P7Bに記憶した値を比較器352により予め設定した第2の既定値と比較し、両方とも既定値以下であれば分周制御部356を介して分周器33の分周比Nを「6」に設定して、ステップS22に戻る。また、いずれか一方でも既定値を超えていればステップS25へ移行する。
【0069】
ステップS25では、選択制御部357がPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f3に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f5に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0070】
続いて、ステップS26にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f3とf5の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、選択制御部357はフラグレジスタ353の記憶内容を「0」とし、レベル測定部34は周波数f3とf5の同期用キャリアについて1回目のレベル測定を同時に行い、f3の測定値をメモリ351のアドレスP3に記憶し、f5の測定値をメモリ351のアドレスP5に記憶する。
【0071】
続いて、ステップS27にて、メモリ351に記憶したアドレスP3の測定値とメモリ351に格納している第1の既定値とを比較器352で比較し、レベル測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC3を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC3は「0」のままとなる。次に、メモリ351に記憶したアドレスP5の測定値と第1の既定値とを比較器352で比較し、測定値が既定値以上であればフラグレジスタ353のフラグC5を「1」にセットする。また、測定値が既定値未満の場合はフラグC5は「0」のままとなる。そして、フラグレジスタ353のフラグC3とフラグC5のAND演算を行い、この結果を選択制御部357が判定し、結果が「1」の場合はステップS28へ移行し、また、結果が「0」の場合はステップS29へ移行する。
【0072】
ステップS28では、先ず、レベル測定部34が周波数f3とf5の同期用キャリアについて2回目のレベル測定を同時に行い、f3の測定値をメモリ351のアドレスP3Aに記憶し、f5の測定値をメモリ351のアドレスP5Aに記憶する。そして、アドレスP3に記憶したレベル測定値とアドレスP3Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP3Bに記憶する。また、アドレスP5に記憶したレベル測定値とアドレスP5Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP5Bに記憶する。そして、アドレスP3B、P5Bに記憶した値を比較器352により予め設定した第2の既定値と比較し、両方とも既定値以下であれば分周制御部356を介して分周器33の分周比Nを「2」に設定して、ステップS26に戻る。また、また、いずれか一方でも既定値を超えていればステップS29へ移行する。
【0073】
ステップS29では、メモリ351内に設けたエラーカウンタに1を加算し、この加算後の値が3以下か否かをチェックし、3以下であればステップS21に戻り、また、3を超えていれば図9に示す安定同期モードbへ移行する。
【0074】
図9は同期用キャリアを再生するもう1つのモードである安定同期モード(2) のときのデータ処理を示す流れ図で、このモードはキャリア同期の安定度を優先した動作モードになっている。
【0075】
先ず、ステップS30にて、選択制御部357はPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f1に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f7に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0076】
続いて、ステップS31にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f1とf7の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、レベル測定部34は周波数f1とf7の同期用キャリアについて1回目のレベル測定を同時に行い、f1の測定値をメモリ351のアドレスP1に記憶し、f7の測定値をメモリ351のアドレスP7に記憶する。
【0077】
続いて、ステップS32にて、レベル測定部34は周波数f1とf7の同期用キャリアについて2回目のレベル測定を同時に行い、f1の測定値をメモリ351のアドレスP1Aに記憶し、f7の測定値をメモリ351のアドレスP7Aに記憶する。そして、アドレスP1に記憶したレベル測定値とアドレスP1Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP1Bに記憶する。また、アドレスP7に記憶したレベル測定値とアドレスP7Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP7Bに記憶する。
【0078】
続いて、ステップS33にて、選択制御部357はPLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1に同期用キャリア周波数f3に対応したPLLデータを書き込み、同様にアドレスA2に同期用キャリア周波数f5に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0079】
続いて、ステップS34にて、各PLL回路28,29はこのデータをプログラムカウンタ282,283及び292,293にそれぞれ書き込み、データによって指定された周波数f3とf5の同期用キャリアにフェイズロックする。そして、レベル測定部34は周波数f3とf5の同期用キャリアの1回目のレベル測定を同時に行い、f3の測定値をメモリ351のアドレスP3に記憶し、f5の測定値をメモリ351のアドレスP5に記憶する。
【0080】
続いて、ステップS35にて、レベル測定部34は周波数f3とf5の同期用キャリアについて2回目のレベル測定を同時に行い、f3の測定値をメモリ351のアドレスP3Aに記憶し、f5の測定値をメモリ351のアドレスP5Aに記憶する。そして、アドレスP3に記憶したレベル測定値とアドレスP3Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP3Bに記憶する。また、アドレスP5に記憶したレベル測定値とアドレスP5Aに記憶したレベル測定値の差を求め、その結果をアドレスP5Bに記憶する。
【0081】
そして、ステップS36以降の安定同期モードbのデータ処理へ移行する。この安定同期モードbでは、先ず、ステップS36にて、順位判定部354がメモリ351のアドレスP1Bに記憶したf1のレベル変動量、アドレスP3Bに記憶したf3のレベル変動量、アドレスP5Bに記憶したf3のレベル変動量、アドレスP7Bに記憶したf7のレベル変動量に基づいて、レベル測定値が第1の既定値以上の周波数を選択し、さらに、その中からレベル変動量が少ない上位2つを選択する。
【0082】
続いて、ステップS37にて、選択制御部357は、PLL制御部355を介してメモリ351のアドレスA1にレベル変動量が最も少ない1位の同期用キャリア周波数に対応したPLLデータを書き込み、同様に、アドレスA2にレベル変動量が2番目に少ない2位の同期用キャリア周波数に対応したPLLデータを書き込む。そして、このデータをPLL制御部355を介して第1、第2のPLL回路28,29にそれぞれ送出する。
【0083】
続いて、ステップS38にて、選択制御部357は、分周制御部356を介して分周器33に分周比Nをレベル変動量の少ない上位2つの周波数に応じて設定する。すなわち、上位2つの周波数がf1とf3、f3とf5、f5とf7の場合にはN=2に設定し、f1とf5、f3とf7の場合にはN=4に設定し、f1とf7の場合はN=6に設定する。
【0084】
このようなデータ処理を行うことで、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、同期情報の伝送に複数の同期用キャリアf1,f3,f4,f7の周波数情報を用いているので、周波数選択性の伝播障害があっても確実、かつ、安定したキャリア同期が行える。また、各PLL回路28,29からの再生キャリアを周波数変換器30で周波数混合して両再生キャリアの和と差の周波数成分を出力し、この出力を低域通過フィルタ31を介して差の周波数成分のみを選択し、これを2値化回路32でデジタル信号に変換した後、分周器33に供給し、この分周器33において第2のマルチキャリア発生回路25の基準周波数信号を生成しているので、複数の同期用キャリア間の相対的な周波数差を元にして周波数同期を行うことができ、受信された同期用キャリアの絶対的な周波数変動に影響されない安定した周波数同期ができる。
【0085】
また、この実施の形態では、レベルの測定とともにレベル変動量も測定し、この両方が良好な同期用キャリアを選択しているので、選択する同期用キャリアの安定性をさらに高めることができる。
【0086】
すなわち、同期用キャリアを再生する場合に、高速同期モードを実行することにより、先ず、同期用キャリアf1とf7について1回目のレベルを測定し、この測定値が第1の既定値以上か否かを判定し、同期用キャリアf1とf7についてのレベル測定値が両方とも既定値以上であれば、同期用キャリアf1とf7について2回目のレベルを測定し、この測定した同期用キャリアについて1回目の測定時とのレベル変動量を測定し、レベル変動量が両方とも第2の既定値以下であれば分周器33に分周比N=6を設定するので、同期用キャリアf1とf7について良好であれば、直ちに同期用キャリアとして確定することができ、短時間で同期用キャリアを選択でき、しかも、レベル変動が少なく安定性を高めることができる。
【0087】
また、同期用キャリアを再生する場合に、安定同期モードを実行することにより、全ての同期用キャリアf1、f3、f5、f7について2回のレベル測定を行い、そのレベル測定値とともに算出したレベル変動量をメモリに記憶し、これらの中から、レベル測定値が第1の既定値以上のものを選択し、さらにこの中からレベル変動量が最も少ないものと2番目に少ないものを選択して同期用キャリアとし、その選択した同期用キャリアの周波数の関係から予め決められた分周比Nを分周器33に設定するので、このモードを実行することで常にレベルが高く、しかもレベル変動量の少ない最良な同期用キャリアを選択でき、再生キャリアによるより安定したキャリア同期と受信復調ができる。
【0088】
さらに、高速同期モードを実行したときに、f1とf7のレベル測定値が両方とも第1の既定値以上にならず、かつ、レベル変動量が両方とも第2の既定値以下にならない状態、及びf3とf7のレベル測定値が両方とも第1の既定値以上にならず、かつ、レベル変動量が両方とも第2の既定値以下にならない状態がしばらく継続することがあると、エラーカウンタのカウント値により動作モードを安定動作モードbに移行させ、周波数f1,f3,f5,f7のレベル測定値が第1の既定値以上のものの中から、レベル変動量が少ない上位2つを選択して分周比設定を行っているので、伝播条件が良好でない環境下においても最良のレベル状態にある安定性のある同期用キャリアを選択することができる。
なお、前述した各実施の形態では同期用キャリアを4つ用いた場合について述べたが必ずしもこれに限定するものでないのは勿論である。
【0089】
【発明の効果】
請求項1乃至7記載の発明によれば、周波数選択性の伝播障害が生じても、受信側において確実、かつ、安定したキャリア同期ができ、しかも、受信した同期用キャリアの絶対的な周波数変動に影響されない安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
【0090】
また、請求項2記載の発明によれば、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
また、請求項3記載の発明によれば、さらに、より安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
【0091】
また、請求項4記載の発明によれば、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともにより安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
また、請求項5記載の発明によれば、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
【0092】
また、請求項6記載の発明によれば、さらに、安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
また、請求項7記載の発明によれば、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期装置を提供できる。
【0093】
また、請求項8乃至14記載の発明によれば、周波数選択性の伝播障害が生じても、受信側において確実、かつ、安定したキャリア同期ができ、しかも、受信した同期用キャリアの絶対的な周波数変動に影響されない安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
【0094】
また、請求項9記載の発明によれば、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
また、請求項10記載の発明によれば、さらに、より安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
【0095】
また、請求項11記載の発明によれば、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともにより安定したキャリア同期ができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
また、請求項12記載の発明によれば、さらに、受信側において同期用キャリアを短時間で選択でき、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
【0096】
また、請求項13記載の発明によれば、さらに、安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
また、請求項14記載の発明によれば、さらに、同期に要する時間を短縮できるとともに安定したキャリア同期をさらに高めることができる情報伝送システムのキャリア同期方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、キャリア同期装置の送信側構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態におけるキャリア同期装置の受信側構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態における受信側の制御部の構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態における受信側のPLL回路及びS/N比測定部の構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態における送信周波数スペクトラムを示す図。
【図6】同実施の形態において同期用キャリアを再生する高速同期モードにおけるデータ処理を示す流れ図。
【図7】同実施の形態において同期用キャリアを再生する安定同期モードにおけるデータ処理を示す流れ図。
【図8】本発明の第2の実施の形態における同期用キャリアを再生する高速同期モードにおけるデータ処理を示す流れ図。
【図9】同実施の形態における同期用キャリアを再生する安定同期モードにおけるデータ処理を示す流れ図。
【図10】従来の送信周波数スペクトラム例を示す図。
【図11】従来の送信周波数スペクトラム例を示す図。
【図12】従来の送信周波数スペクトラムにおいて周波数選択性伝播障害が発生したときの例を示す図。
【符号の説明】
12,13,14…OFDM送信モジュール
15…合成器
16…第1のマルチキャリア発生回路
22,23,24…OFDM受信モジュール
25…第2のマルチキャリア発生回路
27…第2の電力分配回路
28,29…PLL回路
30…周波数変換器
33…分周器
34…レベル測定部
35…制御部
Claims (14)
- 送信側から同期用キャリアを送信し、受信側においてこの同期用キャリアを用いて再生キャリアの周波数同期を行って復調する情報伝送システムにおいて、
送信側は、変調用キャリアと同期し、この変調用キャリアを中心周波数とした変調波とは異なる複数の同期用キャリアを発生する第1のキャリア発生手段と、この第1のキャリア発生手段が発生した同期用キャリアを伝送周波数帯域内に配置して変調波とともに送信する送信手段を備え、
受信側は、PLL回路を含み、このPLL回路によって前記同期用キャリアにフェーズロックして受信した同期用キャリアのうち、レベル比較によりレベルの良好な少なくとも2つを選択する同期用キャリア選択手段と、この同期用キャリア選択手段が選択した同期用キャリアの差の周波数成分を分周して新たな周波数の信号を生成する信号生成手段と、この信号生成手段が生成した信号を基準周波数信号として検波用のキャリアを発生する第2のキャリア発生手段を備えたことを特徴とする情報伝送システムのキャリア同期装置。 - 受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果と予め設定した既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する選択手段とで構成したことを特徴とする請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置。
- 受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する選択手段とで構成したことを特徴とする請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置。
- 受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果と予め設定した既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する第1の選択手段と、前記記憶手段に記憶した各測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する第2の選択手段と、前記第1の選択手段による選択動作モードを優先させ、この第1の選択手段の選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、前記第2の選択手段による選択動作モードに切り替えるモード切替手段とで構成したことを特徴とする請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置。
- 受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を基に各同期用キャリアのレベル変動量を測定するレベル変動量測定手段と、前記各測定手段が測定した各同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶したレベルの各測定結果と予め設定した第1の既定値並びにレベル変動量の各測定結果と予め設定した第2の既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する選択手段とで構成したことを特徴とする請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置。
- 受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を基に各同期用キャリアのレベル変動量を測定するレベル変動量測定手段と、前記各測定手段が測定した各同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶した各測定結果に基づいて、レベルが既定値以上の中からレベル変動量が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する選択手段とで構成したことを特徴とする請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置。
- 受信側の同期用キャリア選択手段は、受信した複数の同期用キャリアのレベルを測定するレベル測定手段と、このレベル測定手段が測定した結果を基に各同期用キャリアのレベル変動量を測定するレベル変動量測定手段と、前記各測定手段が測定した各同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶したレベルの各測定結果と予め設定した第1の既定値並びにレベル変動量の各測定結果と予め設定した第2の既定値を順次比較する比較手段と、この比較手段による比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアを比較順序に従って選択する第1の選択手段と、前記記憶手段に記憶した各測定結果に基づいて、レベルが第1の既定値以上の中からレベル変動が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択する第2の選択手段と、前記第1の選択手段による選択動作モードを優先させ、この第1の選択手段の選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、前記第2の選択手段による選択動作モードに切り替えるモード切替手段とで構成したことを特徴とする請求項1記載の情報伝送システムのキャリア同期装置。
- 送信側から同期用キャリアを送信し、受信側においてこの同期用キャリアを用いて再生キャリアの周波数同期を行って復調する情報伝送システムにおいて、
送信側では、変調用キャリアと同期し、この変調用キャリアを中心周波数とした変調波とは異なる複数の同期用キャリアを伝送周波数帯域内に配置して変調波とともに送信し、受信側では、同期用キャリアにフェーズロックして受信した同期用キャリアのうち、レベル比較によりレベルの良好な少なくとも2つを選択し、この選択した同期用キャリアの差の周波数成分を分周して新たな周波数の信号を生成し、この生成した信号を基準周波数信号として検波用のキャリアを生成することにより受信変調波のキャリアと検波用キャリアの周波数同期を行うことを特徴とする情報伝送システムのキャリア同期方法。 - 受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの同期用キャリアを選択し、また、無ければ他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と前記既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断するという処理を繰返し、レベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了することを特徴とする請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法。
- 受信側における受信した複数の同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した全ての同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了することを特徴とする請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法。
- 受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの同期用キャリアを選択し、また、無ければ他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と前記既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断するという処理を繰返し、レベルが既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了する第1のステップと、記憶した全ての同期用キャリアのレベル測定結果からレベルが大きい少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了する第2のステップからなり、先ず、前記第1のステップによる選択処理を行い、この第1のステップにより選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、前記第2のステップによる選択処理を行うことを特徴とする請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法。
- 受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した第1の既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの少なくとも2つの同期用キャリアについてレベル変動量を測定して予め設定した第2の既定値を比較し、レベル変動量が第2の既定値以下であればこの少なくとも2つの同期用キャリアを選択し、また、測定した一部の同期用キャリアについてレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つ無いか、あるいはレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つあってもレベル変動量が第2の既定値を超えているときには、他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と前記第1の既定値を比較し、この比較結果をもとにレベルが第1の既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断するという処理を繰返し、レベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了することを特徴とする請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法。
- 受信側における受信した複数の同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した全ての同期用キャリアのレベル及びレベル変動量を測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果からレベルが予め設定した既定値以上の中からレベル変動量が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了することを特徴とする請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法。
- 受信側における受信した同期用キャリアのうち少なくとも2つを選択するステップは、受信した同期用キャリアのうち、先ず、一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した第1の既定値を比較し、レベルが第1の既定値以上の少なくとも2つの同期用キャリアが有るか否かを判断し、有ればこの少なくとも2つの同期用キャリアについてレベル変動量を測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と予め設定した第2の既定値を比較し、レベル変動量が第2の既定値以下であればこの少なくとも2つの同期用キャリアを選択し、また、測定した一部の同期用キャリアについてレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つ無いか、あるいはレベルが第1の既定値以上のものが少なくとも2つあってもレベル変動量が第2の既定値を超えているときには、他の一部の同期用キャリアのレベルを測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と前記第1の既定値を比較するとともに、他の一部の同期用キャリアのレベル変動量を測定して結果を記憶し、この記憶した測定結果と前記第2の既定値を比較するという処理を繰返し、レベルが第1の既定値以上で、かつ、レベル変動量が第2の既定値以下の少なくとも2つの同期用キャリアが見つかった時点で終了する第1のステップと、記憶した全ての同期用キャリアのレベル及びレベル変動量の測定結果からレベルが前記第1の既定値以上の中からレベル変動量が少ない、少なくとも上位2つの同期用キャリアを選択して終了する第2のステップからなり、先ず、前記第1のステップによる選択処理を行い、この第1のステップにより選択条件を満足する同期用キャリアが見つからなかったとき、前記第2のステップによる選択処理を行うことを特徴とする請求項8記載の情報伝送システムのキャリア同期方法。
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