JP3591914B2 - 車載用音響機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車載用音響機器に関し、特に日本向け、北米向け、欧州向け、第3地域向け等に仕向け可能な音響機器において、チューナ回路やテープデッキ等を内蔵する本体と、この本体に着脱可能で、チューナ回路やテープデッキ等に指令を入力する操作キー等を備えた操作部(着脱式操作パネル:DCP)とを有する車載用音響機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば日本向け、北米向け及び欧州向けといった各仕向け毎に対応した表示仕様を変更する表示仕様設定機能を有する車載用音響機器がある。図10は当該表示仕様設定機能を有する車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【0003】
当該音響機器の本体は、図10に示すように日本向けチューナ回路100、北米向けチューナ回路200、欧州向けチューナ回路300と、これら各チューナ回路100、200、300にそれぞれ接続され、それぞれのチューナ回路を各別に制御する本体マイコン101、201、301とを有している。
【0004】
さらに、音響機器の本体に着脱可能に設けられた操作部は、図示せぬコネクタを介して本体マイコン101、201、301にそれぞれ接続された表示制御用DCPマイコン(以下、単にDCPマイコンと称する)103、203、303と、これら各DCPマイコン103、203、303にそれぞれ接続された表示器104、204、304とを有している。
【0005】
従って、このような表示仕様設定機能を有する車載用音響機器によれば、所定操作に応じて仕向けを選択し、当該選択された仕向けに対応した表示仕様を設定するようにしたので、当該仕向けに変更があったとしても、ユーザーは当該仕向けに対応した表示仕様を設定することができる。
【0006】
また、例えば日本向け、北米向け及び欧州向けといった各仕向け毎に対応した各キーの配列及び種類等のキー仕様を変更するキー仕様設定機能を有する車載用音響機器がある。図11は当該キー仕様設定機能を有する車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【0007】
当該音響機器の本体は、図11に示すように日本向けチューナ回路400、北米向けチューナ回路500、欧州向けチューナ回路600と、これら各チューナ回路400、500、600にそれぞれ接続され、それぞれのチューナ回路を仕向け別に制御すると共に、仕向け別のキー処理部を有する本体マイコン401、501、601とを有している。
【0008】
さらに、当該音響機器の本体に着脱可能に設けられた操作部には、図示せぬコネクタを介して本体マイコン401、501、601にそれぞれ接続され、仕向け別のキー処理部を有するDCPマイコン403、503、603と、これら各DCPマイコン403、503、603にそれぞれ接続されたキーマトリックス404、504、604とを有している。
【0009】
従って、このようなキー仕様設定機能を有する車載用音響機器によれば、所定操作に応じて仕向けを選択し、当該選択された仕向けに対応したキー仕様を設定するようにしたので、当該仕向けに変更があったとしても、ユーザーは当該仕向けに対応したキー仕様を設定することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10及び図11に示す従来の車載用音響機器によれば、各仕向けに対応したマイコンを開発する場合、例えば日本向け、北米向け及び欧州向け用のマイコンを開発する場合、3種類の本体マイコンと、3種類のDCPマイコンとの計6種類のマイコン、すなわち各仕向け毎に対応した本体マイコン及びDCPマイコンを夫々開発しなければならず、これらマイコンの内、一つでも開発日数がズレ込んだ場合には、当該音響機器の製造までもズレ込んでしまうといった問題点があった。
【0011】
つまり、上記図10に示す従来の車載用音響機器においては、仕向けの違いによる表示仕様の違いが僅かなものであっても、各仕向け毎に本体マイコン及びDCPマイコンを夫々別個に開発しなければならないため、開発日数及び開発コストが非常にかかるといった第1の問題点があった。
【0012】
また、上記図11に示す従来の車載用音響機器においては、仕向けの違い、又は上位機種または下位機種等の違いにより、操作部上のキーの配列や種類が異なった場合、仮に本体マイコンの内部処理を共用化しようとしても、キーの配列が異なるという僅かなキー仕様の違いにより、キー処理のプログラムをマイコン毎に別々に開発しなければならず、開発日数及び開発コストが非常にかかるといった第2の問題点があった。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、表示処理又はキー処理に関して仕様に対するプログラムを少なくとも部分的に共用化し、開発日数及び開発コストを抑えることを目的とし、その第1の目的とするところは各仕向けに対応した表示仕様に係わる処理プログラムを共用化できる車載用音響機器を提供することにある。
【0014】
また、その第2の目的とするところは、各仕向けに対応したキー仕様に係わる処理プログラムを共用化できる車載用音響機器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1記載の発明は、車両に装着される音響機器本体と、当該音響機器本体に着脱可能に設けた操作部とを有する車載用音響機器であって、前記音響機器本体に内蔵された仕向け別の第1制御手段と、前記操作部に内蔵され、全仕向けに共通の表示処理機能を有する第2制御手段と、前記操作部に設けられ、当該第2制御手段からの仕向け情報に係わる表示データを表示出力する表示手段とを有し、前記第1制御手段は、当該第1制御手段及び第2制御手段のリセット時に、前記第2制御手段からの仕向け要求に応じて当該第2制御手段に仕向け別コードを送出するコード送出手段を有し、前記第2制御手段は、当該コード送出手段により送出された仕向け別コードを記憶する記憶手段と、前記第1制御手段から第2制御手段に対して表示要求があったときに、当該表示要求に対応する仕向け別コードを前記記憶手段から検索し、当該検索された仕向け別コードに対応する表示データを生成し、当該生成された表示データを前記表示手段に表示出力させる表示出力手段とを有することを特徴とする。
【0016】
上記第2の目的を達成するために請求項2記載の発明は、車両に装着される音響機器本体と、当該音響機器本体に着脱可能に設けた操作部とを有する車載用音響機器であって、前記音響機器本体に内蔵され、全仕向けに共通のキーコードに対応した処理内容を格納した記憶手段を有する第1制御手段と、前記操作部に内蔵され、仕向け別の第2制御手段と、前記操作部に設けられた仕向け別のキーマトリックスとを有し、前記第2制御手段は、前記キーマトリックスが操作されたときのキー情報に応じて当該操作されたキーの位置に対応するキーコードに変換し、当該変換されたキーコードを前記第1制御手段に送出するキー位置情報出力手段を有し、前記第1制御手段は、前記キー位置情報出力手段により送出されたキーコードに対応する処理内容を前記記憶手段から検索し、当該検索された処理内容に基づいて機能処理を実行する機能実行手段を有することを特徴とする。
【0017】
【作用】
かかる構成により、請求項1記載の発明によれば、第1制御手段が第2制御手段からの仕向け要求を受けると、当該第2制御手段に対して仕向けコードを送出し、当該第2制御手段が当該送出された仕向けコードを記憶手段に記憶し、その後、前記第2制御手段が前記第1制御手段から音響機器の動作に応じた表示要求を受けると、当該表示要求に対応した仕向け別コードを前記記憶手段から検索し、その仕向けコードに対応した表示データを生成して表示手段に表示出力するようにしたので、各仕向けに対応した表示仕様に係わる処理プログラムを共用化することができ、しかも、当該第2制御手段は仕向け毎に用意する必要がなく、一種類で済むために、当該第2制御手段に係わる開発日数及び開発コストを抑えることができる。
【0018】
また、請求項2記載の発明によれば、操作部のキーマトリックスが操作されると、第2制御手段が操作されたキーの位置に対応するキーコードを第1制御手段に送出した後、当該第1制御手段は記憶手段から当該送出されたキーコードに対応する実際の処理内容を検索し、当該検索された処理内容に基づいて機能処理を実行するようにしたので、仕向け毎にキーの配置が異なるキーマトリックスに対しても各仕向けに対応したキー仕様に係わる処理プログラムを共用化することができ、しかも、当該第1制御手段は仕向け毎に用意する必要がなく、一種類で済むために、当該第1制御手段に係わる開発日数及び開発コストを抑えることができる。
【0019】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の車載用音響機器の実施例について説明する。
【0020】
(第1実施例)
では、第1実施例における車載用音響機器について説明する。図1は第1実施例における車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図1における車載用音響機器は日本向け、北米向け及び欧州向けの表示処理に関する仕様、すなわち表示仕様プログラムの共用化を可能にした場合の構成例を示すものである。
【0022】
当該音響機器の本体1は、図1に示すように日本向けチューナ回路10、北米向けチューナ回路20、欧州向けチューナ回路30と、これらの各チューナ回路10、20、30にそれぞれ接続され、それぞれのチューナ回路を仕向け別に制御する本体マイコン11、21、31とを有している。尚、前記本体1側の本体マイコンは3種類であり、前記本体マイコン11を日本仕向け用、本体マイコン21を北米向け用、本体マイコン31を欧州向け用表示処理機能を有している。
【0023】
さらに、音響機器の本体1に着脱可能に設けた操作部2は、図示せぬシリアル信号線を介して本体マイコン11、21、31にそれぞれ接続され、全世界共通の表示処理機能を有するDCPマイコン13、23、33と、これらの各DCPマイコン13、23、33に接続された共通の表示手段である表示器40とを有している。尚、当該DCPマイコン13、23、33は、仕向けに関係なく全世界共通の表示処理機能を有しているので、同一種類のものである。また、当該DCPマイコン13、23、33はRAM等のメモリ13a、23a、33aを有している。
【0024】
また、前記本体マイコン11、21、31は請求項1記載の第1制御手段及びコード送出手段に、前記DCPマイコン13、23、33は請求項1記載の第2制御手段及び表示出力手段に、前記メモリ13a、23a、33aは請求項1記載の記憶手段に相当するものである。
【0025】
では、次に当該第1実施例における車載用音響機器の動作を図2乃至図4に基づいて説明する。図2は仕向け別コード送出処理における本体マイコン11、21、31の処理動作を示すフローチャートである。図3は仕向け別コード記憶処理におけるDCPマイコン13、23、33の処理動作を示すフローチャートである。
【0026】
まず、当該車載用音響機器のシステムに電源が投入されると、又は当該システムの電源を投入した状態で操作部2を本体1に装着されると、前記本体マイコン11、21、31及びDCPマイコン13、23、33にリセットがかかり、図2に示す前記本体マイコン11、21、31の仕向け別コード送出処理及び図3に示す前記DCPマイコン13、23、33の仕向け別コード記憶処理の起動を開始する。
【0027】
では、先ず図2に示す当該仕向け別コード送出処理について説明する。
【0028】
図2において本体マイコン11、21、31は、リセットがかけられると、後述するDCPマイコン13、23、33からの仕向け要求があったか否かを判定する(ステップS1)。当該DCPマイコン13、23、33からの仕向け要求があれば、本体マイコン11、21、31自身が日本、欧州、北米のいずれかの仕向けであるかを示すコードを仕向け別コードとして前記DCPマイコン13、23、33に夫々送出し(ステップS2)、当該仕向け別コード送出処理を終了する。尚、例えばステップS2にて前記本体マイコン11は日本向けであることを示す仕向け別コードを前記DCPマイコン13に送出するものである。
【0029】
また、ステップS1にて前記DCPマイコン13、23、33からの仕向け要求がなければ、再びステップS1に移行する。
【0030】
では、次に図3に示す前記仕向け別コード記憶処理について説明する。
【0031】
図3においてDCPマイコン13、23、33は、前記リセットがかけられると、前述したように仕向け要求を前記本体マイコン11、21、31に送出し(ステップS11)、前記本体マイコン11、21、31から仕向け別コードを受信したか否かを判定する(ステップS12)。当該仕向け別コードを受信したのであれば、当該受信した仕向け別コードを当該DCPマイコン13、23、33内部のRAM等のメモリ13a、23a、33aに夫々記憶し(ステップS13)、当該仕向け別コード記憶処理を終了する。
【0032】
尚、例えばステップS11にてDCPマイコン13から前記本体マイコン11に仕向け要求を送出し、ステップS12にて当該DCPマイコン13が前記本体マイコン11からの仕向け別コードを受信したか否かを判定し、ステップS13にて受信された当該仕向け別コードを当該DCPマイコン13のメモリ13aに記憶するものである。
【0033】
また、ステップS12にて前記仕向け別コードを受信したのでなければ、再びステップS12に移行する。
【0034】
尚、図2及び図3に示す処理動作は、システム電源投入毎、あるいはシステム電源投入後の前記操作部2における本体1への装着毎に実行されるものである。
【0035】
では、次に当該DCPマイコン13、23、33内部のメモリ13a、23a、33aに記憶された仕向け別コードに基づいて表示データを生成し、当該生成された表示データを前記表示器40に表示出力させるデータ表示処理について説明する。図4は当該データ表示処理におけるDCPマイコン13、23、33の処理動作を示すフローチャートである。
【0036】
図4においてDCPマイコン13、23、33は、前記本体マイコン11、21、31から仕向けのデータ表示要求、例えば音響機器の動作に応じたデータ表示要求を受けると(ステップS21)、当該データ表示要求に対応する仕向けを前記メモリ13a、23a、33aに記憶中の仕向け別コードにて判別し、当該データ表示要求を受けた仕向け別コードが日本向けであるか否かを判定する(ステップS22)。当該仕向け別コードが日本向けであれば、当該日本向けの表示データを生成し、当該生成された表示データを前記表示器40に表示出力させ(ステップS23)、当該データ表示処理を終了する。
【0037】
また、ステップS22にて当該仕向け別コードが日本向けでなければ、当該仕向け別コードが北米向けであるか否かを判定する(ステップS24)。当該仕向け別コードが北米向けであれば、当該北米向けの表示データを生成し、当該生成された表示データを前記表示器40に表示出力させ(ステップS25)、当該データ表示処理を終了する。
【0038】
また、ステップS24にて当該仕向け別コードが北米向けでなければ、当該仕向け別コードが欧州向けであると判断し、当該欧州向けの表示データを生成し、当該生成された表示データを前記表示器40に表示出力させ(ステップS26)、当該データ表示処理を終了する。
【0039】
従って、上記第1実施例の車載用音響機器によれば、各仕向け毎の表示仕様の違いに対するプログラムを共用化できるから、DCPマイコンの開発種類が一種類で済むとともに、仕向け毎に異なる本体マイコンが独自の形式の表示要求を出したとしてもDCPマイコンで認識することができ、これに伴い本体マイコンのプログラム設計に対する自由度を拡大できる他、DCPマイコンの開発期間も短縮でき、表示仕様に対するマスクROM製品等の発注コストをも低減できる。
【0040】
また、当該DCPマイコンは、当該仕向け毎に異なる本体マイコンから得られる仕向け別コードをメモリに記憶することにより各仕向け毎の表示仕様を設定するようにしたので、当該DCPマイコンに係わる開発工数を少なくすることにより、ほんのわずかな仕様の違いで開発種類を分けざる負えなかった通常のマイコン開発段階に係わる不具合の発生確率を大幅に下げることができる。
【0041】
しかも、従来のように操作部側の各仕向けに対応したDCPマイコンを製造する必要がなくなったので、当該DCPマイコンの製造ズレが原因で音響機器の製造がズレてしまうといった事態をも打開することができる。
【0042】
また、各仕向けに対する表示器40をも共用化することができる。
【0043】
(第2実施例)
では、次に第2実施例における車載用音響機器について説明する。図5は第2実施例における車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
図5における車載用音響機器は日本向け、北米向け及び欧州向けの各キーに対応する機能配列等のキー処理に関する仕様、すなわちキー仕様プログラムの共用化を可能にした場合の構成例を示すものである。
【0045】
図5において音響機器の本体3は、日本向けチューナ回路50、北米向けチューナ回路60、欧州向けチューナ回路70と、これら各チューナ回路50、60、70にそれぞれ接続され、それぞれのチューナ回路を仕向け別に制御する本体マイコン51、61、71とを有している。尚、当該本体マイコン51、61、71内のROMには、各機能に係わる処理内容である実行処理データと受信コードとを対応づけた図8に示すような予め構築された全世界共通の変換テーブルが格納されており、キー処理部分のプログラムに関してこれら本体マイコン51、61、71は同一となっている。
【0046】
さらに、当該音響機器の本体3に着脱可能に設けた操作部4には、図示せぬシリアル信号線を介して本体マイコン51、61、71にそれぞれ接続され、仕向け別のキー受付処理機能を有するDCPマイコン53、63、73と、これら各DCPマイコン53、63、73に接続された仕向け別のキーマトリックス54、64、74とを有している。
【0047】
尚、前記操作部4側のDCPマイコンは3種類であり、前記DCPマイコン53を日本向け用、DCPマイコン63を北米向け用、DCPマイコン73を欧州向け用キー受付処理機能を有しており、すなわち、当該DCPマイコン53、63、73内のROMには、夫々、各仕向け毎の実行処理データと受信コードとを対応づけた変換テーブル(図8参照)が格納されている。
【0048】
また、前記本体マイコン51、61、71は、請求項2記載の第1制御手段及び機能実行手段に、前記DCPマイコン53、63、73は請求項2記載の第2制御手段及びキー位置情報出力手段、前記本体マイコン51、61、71の図示せぬROMは請求項2記載の記憶手段に相当するものである。
【0049】
では、次に当該第2実施例における車載用音響機器の動作を図6乃至図9に基づいて説明する。図6はキーコード送出処理におけるDCPマイコン53、63、73の処理動作を示すフローチャートである。図7はキーコードに対応する機能を実行するキー機能実行処理における本体マイコン51、61、71の処理動作を示すフローチャートである。
【0050】
まず、当該車載用音響機器のシステムに電源が投入されると、又は当該システムの電源を投入した状態で操作部4を本体3に装着されると、当該本体マイコン51、61、71及びDCPマイコン53、63、73にリセットがかかり、図6に示すDCPマイコン53、63、73のキーコード送出処理及び図7に示す本体マイコン51、61、71のキー機能実行処理の起動を開始する。
【0051】
では、先ず図6に示す当該キーコード送出処理について説明する。
【0052】
図6においてDCPマイコン53、63、73は、リセットがかけられると、当該DCPマイコン53、63、73に内蔵されたタイマーにより周期的に前記キーマトリックス54、64、74におけるキーのポート状態データを読み込み(ステップS31)、何等かのキー入力があったか否かを判定する(ステップS32)。尚、ステップS32にてキー入力の有無は、ステップS31にて読み込まれたポート状態データに基づいて判断するものであり、例えば当該ポート状態データに変化が生じた場合には何等かのキー入力があったと判断するものである。
【0053】
ステップS32にてキー入力があれば、当該キー入力に対応するキー位置を当該DCPマイコン53、63、73内部の各ROMに格納された変換テーブル(図8参照)に基づいて受信コード、すなわちキーコードとして変換し(ステップS33)、当該変換されたキーコードを前記本体マイコン51、61、71に送出し(ステップS34)、ステップS31に移行する。また、ステップS32にてキー入力がなければ、ステップS31に移行する。
【0054】
例えばDCPマイコン53において、日本向け変換テーブルを参照してオン操作されたキー位置をキーコードに変換する場合、例えばキーマトリックス54のキー配列が図9(A)に示す構成になっているとすると、DCPマイコン53では、図9(A)に示すキーマトリックス54のバンドキーがオンの時、本体マイコン51に対してキーコード“3”(図8参照)を送出する。また、キーマトリック54のファンクションキーがオンの時、本体マイコン51に対してキーコード“1”(図8参照)を送出する。
【0055】
同様にして、キーマトリックス64のキー配列が図9(B)に示す構成になっているとすると、DCPマイコン63では、図9(B)に示すキーマトリック64のバンドキーがオンの時、本体マイコン61に対してキーコード“3”(図8参照)を送出する。また、キーマトリック64のファンクションキーがオンの時、本体マイコン61に対してキーコード“1”(図8参照)を送出する。
【0056】
では、次に図7に示すキー機能実行処理について説明する。
【0057】
図7において本体マイコン51、61、71は、リセットがかけられると、当該DCPマイコン53、63、73から送出されたキーコード、すなわちキー位置情報を受信し(ステップS41)、図8に示す全世界共通の変換テーブルに基づいて当該キー位置情報に対応する実際の処理内容を示す実行処理データに変換し(ステップS42)、当該変換された実行処理データに基づいて図6に示すステップS32にて入力されたキーの機能処理を実行し(ステップS43)、当該キー機能実行処理を終了する。
【0058】
従って、上記第2実施例の車載用音響機器によれば、キーマトリックス上のキーの配列や種類等のキー仕様が仕向け毎に異なっていたとしても、当該キー仕様に係わる全世界共通のプログラムを変換テーブルにて本体マイコンに共用化することにより、キー処理部分のプログラムに関して本体マイコンの開発種類を同一とするようにしたので、当該本体マイコンに係わる製造コスト及び開発期間を大幅に削減することができると共に、強いては従来のような本体側の各仕向けに対応した本体マイコンを製造する必要がなくなったので、当該本体マイコンの製造ズレが原因で音響機器の製造がズレてしまうといった事態を打開することができる。
【0059】
また、仕向け毎に異なるキーマトリックスに対するDCPマイコンにおいては、当該変換テーブルを書き換える処理のみで、仮に開発機種が増えたとしても当該本体マイコンには何等影響を及ぼすことはない。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、仕向けが相違したとしても表示処理またはキー処理に関して、表示仕様またはキー配列等のキー仕様に対する処理プログラムを共用化できる構成にしたので、各マイコンの開発期間を短縮でき、そのコストを低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の仕向け別コード送出処理における本体マイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】第1実施例の仕向け別コード記憶処理におけるDCPマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例のデータ表示処理におけるDCPマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例における車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施例のキーコード送出処理におけるDCPマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例のキー機能実行処理における本体マイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図8】第2実施例のDCPマイコンにおける変換テーブルの構成例を示す説明図である。
【図9】第2実施例におけるキーマトリックスの構成例を示す説明図である。
【図10】従来技術における表示仕様設定機能を有する車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【図11】従来技術におけるキー仕様設定機能を有する車載用音響機器の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 本体
2 操作部
11、21、31 本体マイコン(第1制御手段、コード送出手段)
13、23、33 DCPマイコン(第2制御手段、表示出力手段)
13a、23a、33a メモリ(記憶手段)
40 表示器(表示手段)

Claims (2)

  1. 車両に装着される音響機器本体と、当該音響機器本体に着脱可能に設けた操作部とを有する車載用音響機器であって、
    前記音響機器本体に内蔵された仕向け別の第1制御手段と、前記操作部に内蔵され、全仕向けに共通の表示処理機能を有する第2制御手段と、前記操作部に設けられ、当該第2制御手段からの仕向け情報に係わる表示データを表示出力する表示手段とを有し、
    前記第1制御手段は、当該第1制御手段及び第2制御手段のリセット時に、前記第2制御手段からの仕向け要求に応じて当該第2制御手段に仕向け別コードを送出するコード送出手段を有し、
    前記第2制御手段は、当該コード送出手段により送出された仕向け別コードを記憶する記憶手段と、前記第1制御手段から第2制御手段に対して表示要求があったときに、当該表示要求に対応する仕向け別コードを前記記憶手段から検索し、当該検索された仕向け別コードに対応する表示データを生成し、当該生成された表示データを前記表示手段に表示出力させる表示出力手段とを有することを特徴とする車載用音響機器。
  2. 車両に装着される音響機器本体と、当該音響機器本体に着脱可能に設けた操作部とを有する車載用音響機器であって、
    前記音響機器本体に内蔵され、全仕向けに共通のキーコードに対応した処理内容を格納した記憶手段を有する第1制御手段と、前記操作部に内蔵され、仕向け別の第2制御手段と、前記操作部に設けられた仕向け別のキーマトリックスとを有し、
    前記第2制御手段は、前記キーマトリックスが操作されたときのキー情報に応じて当該操作されたキーの位置に対応するキーコードに変換し、当該変換されたキーコードを前記第1制御手段に送出するキー位置情報出力手段を有し、
    前記第1制御手段は、前記キー位置情報出力手段により送出されたキーコードに対応する処理内容を前記記憶手段から検索し、当該検索された処理内容に基づいて機能処理を実行する機能実行手段を有することを特徴とする車載用音響機器。
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