JP3591670B2 - ポッティング材及び中空糸膜モジュール - Google Patents

ポッティング材及び中空糸膜モジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質膜モジュールにおける多孔質膜とモジュールケースを接着固定するポッティング材、及び該ポッティング材にて多孔質中空糸膜の開口端をモジュールケース内に固定した中空糸膜モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液体及び気体の濾過能力を有する膜モジュールが、医療分野、食品分野などで多く用いられるようになってきた。最近では、膜モジュールの濾過能力に加え、特に耐熱性、耐薬品性を備えた膜モジュール開発の要求される分野への利用が拡がりつつある。
例えば、耐熱性の膜としては、ポリスルホン、ポリプロピレンなどの耐熱性の高い素材を用いた膜が挙げられる。これらの耐熱性多孔質膜を用いてモジュールを作るには、モジュールケースやポッティング材についても耐熱性が要求される。ここで用いる膜の形態は、従来は平膜が一般的であったが、最近では、同じモジュール容積で平膜よりも大きな膜面積が得られる、中空糸膜タイプの膜を用いたモジュールが利用されるようになっている。
【0003】
また、モジュールケースとしては、既存の耐熱性素材をモジュールケースとして成型したものを用いることができるが、ポッティング材においては、耐熱性の接着剤が基本となり、現在開発されている耐熱性接着剤では膜とモジュールケースの接着性が良好なものは見出されていない。
これまでに若干耐熱性は劣るもののポリエチレン製の多孔質膜を用いた耐熱性膜モジュールが提案されている。この膜モジュールにおけるポッティング材としてビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド液状ゴムまたはポリサルファイド結合を有するエポキシ樹脂、及び脂環式アミンを含有してなるポッティング材が特開平2−293024号に提案されている。一般的に使用されているビスフェノール型エポキシ樹脂はその硬化時の発熱温度が、ポリエチレンの融点近傍以上となるためポリエチレン多孔質膜のポッティングには使用できなかったのであるが、上記発明においてはビスフェノール型エポキシ樹脂の硬化時の発熱温度を下げる目的で、ポリサルファイド液状ゴムあるいはポリサルファイド結合を有するエポキシ樹脂を混合したものである。ポリサルファイドを含む直鎖状分子をビスフェノール型エポキシ樹脂に配合することで、該ポッティング材の硬化後の樹脂は、柔軟性、耐衝撃性が付与されており、かつ、接着性の向上、硬化時の収縮減少などの効果が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した発明のポッティング材は、耐熱水性、あるいは耐薬品性を要求される膜モジュール用のポッティング剤として一部の用途で利用されている。しかしながら、上記のポッティング材を用いて作った膜モジュールでも、例えば80〜90℃の熱水の長期に亘る濾過、あるいは膜モジュールの120℃以上の蒸気滅菌などを行なう場合には、ポッティング材の強度や接着性が必ずしも十分とは言いがたい。ポリサルファイド系の直鎖状ポリマーをビスフェノール型エポキシ樹脂に相当量配合することで、その硬化物の柔軟性を与え、また、ポッティング材の硬化時の収縮を減少させるなどの効果が得られるが、硬化物そのものの強度が減少し、耐熱性で重要な指標であるガラス転移温度も下げる。
【0005】
また、ポリサルファイド系のポリマーの相当量の配合したポッティング材を用いて作った膜モジュールにて水等を濾過する場合には、濾過液にポッティング材構成成分の溶出が認められ、この溶出傾向はポリサルファイド系ポリマーの含有割合を増したポッティング材ほど増大する傾向があることから、この溶出成分はポリサルファイド系ポリマーと考えられる。超純水の製造やメディカル、食品用途等において用いる膜モジュールよりのこのような溶出はできる限り抑えることが重要である。
本発明は、多孔質膜モジュールのポッティング材におけるこのような課題を解決したものであり、耐熱性、低溶出性、ポッティングのし易さに優れたポッティング材、並びに(該ポッティング材を用いて作った耐熱性、低溶出性に優れた中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、多孔質膜モジュールにおける多孔質膜の端部とモジュールケースを接着固定するポッティング材において、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド液状ポリマー、及びポリアミン系硬化剤のそれぞれを含有してなる樹脂硬化物よりなり、ポリサルファイド液状ポリマーの重量aとビスフェノール型エポキシ樹脂の重量bの比a/bが0.003〜0.0であることを特徴とする多孔質膜モジュールのポッティング材よりなる発明と、該ポッティング材と多孔質中空糸膜を用いて、多孔質中空糸膜の端部をモジュールケース内にポッティングした中空糸膜モジュールの発明とよりなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するに際して用いるビスフェノール型エポキシ樹脂としては、各種のビスフェノールにエピクロルヒドリンを反応させて製造されたものを用いることができ、本発明においては特に限定されない。代表的なビスフェノールとしては、アセトンとの縮合で製造されるビスフェノールA、ホルマリンとの縮合で製造されるビスフェノールF、及び硫酸との縮合で製造されるビスフェノールSが挙げられる。また、特に優れた耐候性を要求される場合には水素添加ビスフェノールAやブロムやフッ素等のハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂も用いることができる。
【0008】
ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、130〜500のものが好ましく、150〜350のものがより好ましい。エポキシ当量が130以上のエポキシ樹脂はその硬化樹脂の耐熱性がとくに良好であり、一方、エポキシ当量が500以下のエポキシ樹脂はその粘度が余り高くなく、取扱いが良好である。
【0009】
最近では、エポキシ樹脂硬化物の硬くて脆いという性質を改善し靱性を付与する目的で、種々のゴム成分で変性されたエポキシ樹脂が上市されている。このようなゴム変性エポキシ樹脂は、変性前のエポキシから耐熱性を維持したまま靱性が改善されている。このようなゴム変性エポキシ樹脂の硬化物は、硬化収縮歪み、内部応力、外部応力等をゴム相で吸収することができ、常に圧力が加わるような箇所の接着剤として有用である。本発明のポッティング材においても、膜モジュールのポッティング材として、モジュール加工時、使用時に発生する様々な応力を吸収し、耐久性向上する能力を有していることが必要であり、エポキシ樹脂として、ゴム変性の、あるいは、ゴム分散型のエポキシ樹脂を用いることにより、その目的を効率よく達成することができる。
【0010】
本発明において好しく用いられるゴム変性エポキシ樹脂中に含まれるゴムとしては、ポリブチレン、ポリブタジエン(PBR)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(NBR)、ニトリルゴム、シリコンゴム、カルボキシル末端ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)等種々のゴムが挙げられる。これらのゴム変性エポキシ樹脂は、硬化前は一様にゴム分子がエポキシ樹脂中に溶解分散しているが、硬化後ゴム分子が凝集し、エポキシ樹脂相中にミクロ相分離構造を形成する。このミクロ分散相ゴム相がポッティング部の様々な応力を吸収する。
【0011】
また、本発明を実施するに際して用いるゴム微粒子分散型エポキシ樹脂は、その硬化条件にあまり左右されることなくゴム、微粒子がミクロ相分離するような、ゴム微粒子分散エポキシ樹脂も本発明のゴム変性エポキシ樹脂として挙げられる。このゴム微粒子としては、アクリルゴム、フッ素系ゴム、ブタジエン系重合体によるゴム、シリコンゴムが挙げられる。
【0012】
なお、本発明で用いるエポキシ樹脂は、これまでに述べたエポキシ樹脂を単独で用いても構わないし、2種類以上の樹脂を混合して使用しても差し支えない。
【0013】
ポリサルファイド液状ポリマーとしては、主鎖に
【0014】
【数1】
Figure 0003591670
【0015】
なる結合を有し、場合により側鎖を有してもよく、主鎖または側鎖の末端に2個以上のチオール基を持つ液状ポリマーである。例えば、
HS−(C−O−CH−O−C−S−S)−C−O−CH−O−C−SH
のような構造式をもつものが挙げられる。この液状ポリマーは、ポッティング部の気体、及び蒸気の遮断性、耐酸化性、耐候性、良好な耐オゾン性、種々の溶剤、燃料油、酸、アルカリに対する高い抵抗性、優れた低温特性を与える。また、エポキシ樹脂と併用することにより、ポッティング部に柔軟性、耐衝撃性を付与し、ハウジングや中空糸との接着性の向上、硬化時の収縮の減少など様々な性能を向上させることができる。また、硬化時の発熱を抑える効果も有する。
【0016】
ポリサルファイド液状ポリマーの混合比はポリサルファイド液状ポリマーの重量aとビスフェノール型エポキシ樹脂の重量bの比a/bが0.003〜0.0好しくは0.05〜0.0になるようにポリサルファイド液状ポリマーを配合することが好ましい。上記割合の組成物は本来のエポキシ樹脂の物性を低下させず、この組成物より形成したポッティング部は熱水との長期接触においても物性を維持できること、かつ水への溶出物を著るしく低減させることができる。
【0017】
特開平2−293024号公報記載の発明で用いられているポッティング材はビスフェノール型エポキシ樹脂とポリサルファイド液状ゴムの混合比は、エポキシ基数とチオール基数の比が1〜100、好ましくは5〜50となる組成を有している。エポキシ基数とチオール基数の比が5〜50なるポッティング材を、特開平2−293024号で実施例で用いられているエポキシ樹脂とポリサルファイド液状ゴムの組成より上記の重量比a/bに換算すると0.21〜2.1の範囲になる。このような配合のポッティング材は、エポキシ樹脂本来の物性、言い換えれば初期物性の低下、熱水への耐久性の低下、並びにポッティング部からの溶出物が多く、ポッティング材としては必ずしも好しくない。
【0018】
本発明のポッティング材はポリサルファイド液状ポリマーの配合比が前述した範囲にあるためであり、ポリスルホンのような耐熱性の素材の膜やモジュールケースを用いてモジュールを作る際には前述した如き優れた性能を有するポッティング部を形成することができる。これに対し、特開平2−293024号公報に記載された発明に比べてポリサルファイド液状ポリマーの配合量が少ないため、本発明のポッティング材はエポキシ樹脂として、とくにゴム変性エポキシ樹脂を用いることにより、硬化時の収縮などの内部応力を緩和することができる。
【0019】
硬化剤としては任意のポリアミンを用いることができ、具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の直鎖脂肪族アミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式アミン、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン、さらにポリアミドアミン等を挙げられる。これらは単独であるいは混合して用いることができる。
硬化剤として使用されるポリアミンの量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基数から配合されているポリサルファイド液状ポリマーのチオール基数を差し引いたエポキシ基数と等量のアミノ基を含むポリアミンの量を配合すれば良い。
【0020】
モジュールケースとしては、各種の樹脂や金属からなるものが使用できるが、樹脂製モジュールの場合にはその耐熱水性、耐薬品性の良好なポリスルホン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を素材とするのがよい。ポリプロピレン樹脂製モジュールケースとして用いる場合には、ポッティング剤の接着性を向上させるためにケースの内表面を表面処理したものであることが望ましい。
ポリプロピレン樹脂の表面処理としては、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、クロム混酸処理、n−ヘキサン処理、プライマー塗布、表面粗面化等があり、これら処理が単独であるいは併用して実施される。
【0021】
本発明を実施するに際して用いる多孔質膜の形態としては、平膜、管状膜、あるいは中空糸膜等任意の形態の膜を用いることができる。特には、モジュールの容積当たりの膜面積が大きくし、汚れ保持能力に優れる中空糸形状の多孔質膜を利用することが好ましい。
また、多孔質膜の材質としては、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリイミド等の耐熱性の素材であれば差し支えない。またフラックスに優れる膜素材として、ポリエーテルスルホンとポリアリールスルホンの混合物、とくに1/9〜9/1の重量ccの混合物で作られた多孔質中空糸膜が好しい。
【0022】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明する。
【0023】
[実施例1]
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてエピコート828(油化シェル(株)製エポキシ樹脂)100重量部、ポリサルファイド液状ポリマーとしてLP−2(東レチオコール(株)製)15重量部、並びに脂環式アミンとしてPACM(ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン;アンカーケミカル(株)製)28重量部から成るポッティング剤を用い、中空系膜をモジュールケースにポッティングした。中空糸膜は、ポリエーテルスルホンとポリアリールスルホンの混合物を湿式紡糸して得た、平均孔径0.1μmの多孔質中空糸膜を用いた。長さ約50cmの中空糸膜3500本をU字状にし、端部を揃え、筒状のポリスルホン製モジュールケース内に挿入し、端面開口部の目止めを施した後、ポッティング剤を流し込み中空糸膜をポッティングした。
ポッティングは、ポッティング樹脂注入を40℃において30Gの遠心力作用下で2時間行い、80℃で15時間のキュアーを行った。その後、ポッティング樹脂と中空糸膜束の接着固定部の端部をカットして端面に中空糸膜の開口状態を形成させた。
上記の如くして作成した中空糸膜モジュールのリーク検査は、リオン社製のパーティクルカウンターを用い、大気中の0.3μm以上の微粒子の除去性能を該中空糸膜モジュールについて評価した結果、0.3μm以上の微粒子の漏れは認められなかった。
この中空糸膜モジュールに、80℃の温水を差圧1.0kg/cmで6ヶ月間通水し、その後中空糸膜モジュールを乾燥して前記のリーク検査を行ったが、0.3μm以上の微粒子の漏れはなかった。
【0024】
[実施例2]
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてゴム変性エポキシ樹脂であるエピクロンTSR−960(大日本インキ化学工業(株)製;CTBN変性エポキシ樹脂)100重量部、ポリサルファイド液状ポリマーとしてLP−2(東レチオコール社製)を10重量部、並びに脂環式アミンとしてPACM(アンカーケミカル社製)23重量部とから成るポッティング剤を用い、実施例1と同様の中空糸膜を実施例1と同様の中空糸本数、モジュールケース、ポッティング法、キュアー条件を用いて、中空糸膜モジュールを作製した。
実施例1と同様のリーク検査において漏れは無く、80℃の水を差圧1.0kg/cmで6ヶ月間通水した後のリーク検査においても漏れは確認されなかった。
【0025】
[実施例3]
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてゴム変性エポキシ樹脂であるBPA328((株)日本触媒製;アクリルゴム微粒子分散エポキシ樹脂)100重量部、ポリサルファイド液状ポリマーとしてLP−2(東レチオコール社製)を5重量部、並びに脂環式アミンとしてPACM(アンカーケミカル社製)を23重量部から成るポッティング剤を用い、実施例1と同様の中空糸膜を実施例1と同様の中空糸本数、モジュールケース、ポッティング法、キュアー条件を用いて中空糸膜モジュールを作製した。
実施例1と同様のリーク検査において漏れは無く、80℃の水を差圧1.0kg/cmで6ヶ月間通水した後のリーク検査においても漏れは確認されなかった。
また、この中空糸膜モジュールを121℃、30分間の蒸気滅菌処理を60回行ったが、ケース部材とポッティング部間の剥離やポッティング部の割れも無く、中空糸膜束の接着固定部において優れた接着性を示した。
【0026】
[実施例4]
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてBPA328(日本触媒社製)25重量部並びにエピコート828(油化シェル社製)75重量部、ポリサルファイド液状ポリマーとしてLP−2(東レチオコール社製)5重量部、脂環式アミンとしてPACM(アンカーケミカル社製)26重量部から成るポッティング剤を用い、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
実施例1と同様のリーク検査において漏れは無く、80℃の水を差圧1.0kg/cmで6ヶ月間通水した後のリーク検査においても漏れは確認されなかった。
また、この中空糸膜モジュールについて、121℃、30分間の蒸気滅菌処理を60回行ったが、ケース部材とポッティング部間の剥離やポッティング部の割れも無く、中空糸膜束の接着固定部において優れた接着性を示した。
【0027】
[実施例5]
モジュールケースがポリプロピレン製のものを用いる以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0028】
[実施例6]
モジュールケースとしてポリプロピレン製のものを用いる以外は、実施例2と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0029】
[実施例7]
モジュールケースとしてポリプロピレン製のものを用いる以外は、実施例3と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0030】
[実施例8]
モジュールケースがポリプロピレン製であること以外は、実施例4と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
なお、実施例5〜8で使用したポリプロピレン製モジュールケースは、その内表面の要ポッティング個所にプライマーであるユニストールP−401(三井石油化学工業(株)製)を塗布したものを用いた。
【0031】
実施例5〜8で作製した中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行った結果漏れは無く、80℃の水を差圧1.0kg/cmで6ヶ月間通水した後のリーク検査においても漏れは確認されなかった。
【0032】
また、実施例7並びに実施例8で得た中空糸膜モジュールについて、121℃、30分間の蒸気滅菌処理を60回行ったが、ケース部材とポッティング部間の剥離やポッティング部の割れも無く、中空糸膜束の接着固定部において優れた接着性を示した。
【0033】
[比較例1]
ポッティング剤にポリサルファイド液状ポリマーを使用せず、エピコート828(油化シェル社製)100重量部、PACM(アンカーケミカル社製)28重量部とから成るポッティング剤を用いる以外実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作成した。得られた膜モジュールはポッティング部とモジュールケース内面の界面で剥離が生じ、また、ポッティング材にクラックが入り、中空糸膜モジュールとして機能しなかった。
【0034】
[比較例2]
エピコート828(油化シェル社製)100重量部、LP−2(東レチオコール社製)41重量部、PACM(アンカーケミカル社製)26.5重量部から成るポッティング剤を用いるほかは、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。実施例1と同様のリーク検査については漏れは無かった。しかし、80℃の熱水を差圧1kg/cmでモジュールに通水すると10日後にモジュールケースとポッティング樹脂間に剥離が生じ、漏れが生じた。
【0035】
実施例1〜4並びに比較例1及び2で使用したポッティング材の硬化物についてそれぞれの溶出性と、樹脂硬化物を90℃の水中に1年間浸漬したものの強度や弾性率の変化について測定した結果を表1に示した。また、比較例3及び比較例4で用いたポッティング材の硬化物についても溶出性、及び強度並びに弾性率の変化を測定した結果を表1に示した。なお、ポッティング用樹脂の硬化については、実施例1におけるキュアーと同様の条件で行った。
溶出性については、それぞれの組成からなる板状の樹脂硬化物を用い、28cm分を500mlの超純水に浸漬し、90℃で24時間静置後、樹脂板を浸漬していた上澄み液のTOC(全有機炭素)濃度を測定して評価した。また、強度と弾性率については、長さ60mm、幅5mm、厚さ2mm大の樹脂板を90℃の熱水に1年間浸漬したものについて曲げ試験を行い、その時の強度と弾性率を測定した。
表1に示すようにポッティング材としてポリサルファイド液状ポリマーを所定量エポキシ樹脂に配合したものを用いることで、ポッティング部の初期物性を低下させること無く、加熱状況下における強度等物性の変化が少ないモジュールを作ることができた。また、本発明のポッティング材はエポキシ樹脂に対するポリサルファイド液状ポリマーの配合量を減少させることによってその硬化物よりの溶出性を低く抑えることができた。
【0036】
【表1】
Figure 0003591670
【0037】
【発明の効果】
本発明のポッティング材は、所定量のポリサルファイド液状ポリマーをエポキシ樹脂に配合することにより、ポッティング部の溶出性を低減し、かつ、その初期物性を加熱環境下で長期安定に保持することができる。そして、このようなポッティング材を利用し、耐熱性の中空糸膜、及び耐熱性素材からなるモジュールケースを組み合わせて作製された中空糸膜モジュールは、高温下でも使用可能な耐熱性を有する。すなわち、本発明の中空糸膜モジュールは、耐熱性の要求される熱水濾過や蒸気滅菌処理等の高温下での使用においても、ケース等支持体部材及び中空糸膜との接着固定部における漏れ等を発生することなく好適に使用しうるものである。

Claims (6)

  1. ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド液状ポリマー、及びポリアミン系硬化剤を含有する、多孔質膜モジュール用ポッティング材であり、該ポッティング剤中に含まれるポリサルファイド液状ポリマーの重量aとビスフェノール型エポキシ樹脂の重量bの比a/bが0.003〜0.0であることを特徴とする多孔質膜モジュール用ポッティング材。
  2. ビスフェノール型エポキシ樹脂がゴム変性のあるいはゴム分散型のエポキシ樹脂である請求項1記載のポッティング材。
  3. 請求項1又は2記載のポッティング材にてモジュールケース内に配設した、多孔質中空糸膜の端部をモジュールケース内にポッティングした中空糸膜モジュール。
  4. 多孔質中空糸膜がポリスルホン系高分子製の多孔質中空糸膜であることを特徴とする請求項3記載の中空糸膜モジュール。
  5. 多孔質中空糸膜がポリエーテルスルホンとポリアリールスルホンの混合物から成ることを特徴とする請求項3記載の中空糸膜モジュール。
  6. モジュールケースがポリスルホン樹脂製のケースまたは表面処理されたポリプロピレン樹脂製ケースであることを特徴とする請求項3記載の中空糸膜モジュール。
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