JP3591376B2 - 矩形断面トンネルの覆工構造および覆工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、矩形断面形に掘進されたトンネルの地山に対して施工される矩形断面トンネルの覆工構造および覆工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネルの使用目的からは、いわゆるデットスペースが少なく空間を有効に利用できる等の理由により、トンネルの断面は円形よりも矩形の方が望ましいことが多い。
【0003】
これまでにも、手掘り式の開放シールドによって四角形(箱型)のトンネルは構築されたこともあったが、円形シールドに比べてライニングに作用する曲げモーメントが大きいために鋼製のセグメント(鋼殻セグメント)が使用され、必要に応じて仮設または本設の中柱が配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、鋼殻セグメントはトンネルの規模にもよるが、コンクリートセグメントより割高であり、また中柱を配置するケースでは、その構築(仮設の場合は撤去も)により工期の長期化、コスト高を免れない等の課題があった。
【0005】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、矩形断面形のトンネルを割安なコンクリートセグメントを使用することで低コストで構築することを可能にした矩形断面トンネルの覆工構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の矩形断面トンネルの構造は、矩形断面形をなすトンネルの天井部分、床部分および左右側壁部分の各地山のコーナ部に端部セグメントを、中央部に中央部セグメントを、前記端部セグメントと前記中央部セグメントとの間に、所定間隔おきに突設され、中央部セグメント寄りに位置するものほど徐々に長く形成された複数のリブを有する中間部セグメントをそれぞれ設置し、かつ前記端部セグメントと中央部セグメントと中間部セグメントの間に緊張材を挿通するとともに前記複数のリブ間に架け渡して前記トンネルの内方に突出する懸垂曲線状に露出して設置してなることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の矩形断面トンネルの構造は、請求項1記載の矩形断面トンネルの構造において、端部セグメントおよび中間部セグメントはトンネルの内方に開口する断面略溝状に形成してあることを特徴とするものである。
請求項3記載の矩形断面トンネルの施工方法は、矩形断面形をなすトンネルの天井部分、床部分および左右側壁部分の各地山のコーナ部に端部セグメントを、中央に中央部セグメントを、前記端部セグメントと前記中央部セグメントとの間に、所定間隔おきに突設され、前記中央部セグメント寄りに位置するものほど徐々に長く形成された複数のリブを有する中間部セグメントをそれぞれ設置してセグメント覆工体を形成し、前記端部セグメントと中間部セグメントと中央部セグメントの間に緊張材を挿通するとともに前記複数のリブ間に架け渡して前記トンネルの内方に突出する懸垂曲線状に露出して設置し、かつ当該緊張材の両端を前記端部セグメントにそれぞれ定着した後、前記緊張材の中央部分を連結した連結部材で当該緊張材を緊張してプレストレスを導入し、かつ前記緊張材の中央部分を前記中央部セグメントに定着することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1〜図5はこの発明の一例を示し、矩形断面形に掘進されたトンネルAの天井部分a、床部分bおよび左右の側壁部分cにおいて、地山の各コーナ部に端部セグメント1が、この端部セグメント1,1間の中央部に中央部セグメント2が、さらに各端部セグメント1と中央部セグメント2間に複数の中間部セグメント3がトンネルAの周方向と軸方向に互いに隣接してそれぞれ設置されている。
【0009】
また、トンネルAの天井部分a、床部分bおよび左右の側壁部分cのそれぞれに、両端の端部セグメント1、中央部セグメント、さらに中間部セグメント3間に複数の緊張材4がそれぞれトンネルAの周方向に連続して設置され、この複数の緊張材4によって両端の端部セグメント1、中央部セグメント2および中間部セグメント3間に所定大のプレストレスがトンネルAの周方向に連続してそれぞれ導入されている。
【0010】
こうして、両端の端部セグメント1、中央部セグメント2および複数の中間部セグメント3から矩形断面形のセグメントリングが形成され、またこのセグメントリングがトンネルAの軸方向に互いに隣接して設置されていることでトンネルAの軸方向に連続するセグメントライニング(セグメント覆工体)が形成されている。緊張材はトンネルAの軸方向にも挿通されていてもよい。
【0011】
なお、トンネルAの軸方向に隣接する端部セグメント1同士、中央部セグメント2同士および中間部セグメント3同士は、複数の連結ボルト5によってそれぞれ連結されている。
【0012】
端部セグメント1はトンネルAの軸方向に見てL字状をなしかつトンネルAの内方に開口する断面略溝状に形成されている。
また、コーナ部分1aが特に厚く形成され、この部分に緊張材4の端部を通すための貫通孔1bが所定間隔に形成され、かつ各貫通孔1bの端部に緊張材4の端部を定着するための凹部1cがそれぞれ形成されている。
【0013】
さらに、トンネルAの軸方向の両側部にトンネルAの軸方向に隣接する端部セグメント1同士を連結する連結ボルト5を挿通するためのボルト孔1dが所定間隔に形成されている。
【0014】
中央部セグメント2は端部セグメント1と略同じ断面サイズの直方体形に形成されている。また、トンネルAの内方寄りに緊張材4を通すための貫通孔2aがトンネルAの周方向に連貫通して所定間隔に形成され、その外側寄りにはトンネルAの周方向に貫通する開口部2bが形成されている。
【0015】
さらに、トンネルAの軸方向に隣接する中央部セグメント2同士を連結する連結ボルト5を挿通するためのボルト孔2cがトンネルAの軸方向に貫通して複数形成されている。ボルト孔2cは開口2bと連通し、開口部2bで連結ボルト5を締め付けられるようになっている。こうして形成された中央部セグメント2は両端の端部セグメント1,1間の略中央部分に設置されている。
【0016】
中間部セグメント3はトンネルAの内方に開口する断面略溝状に形成され、かつ中央部セグメント2と略同じ断面サイズに形成されている。また、内側にトンネルAの軸方向に連続する複数のリブ3aが所定間隔に突設され、リブ3aは中央部セグメント2側に位置するものほど徐々に長く形成されている。また、リブ3aの先端部には緊張材4を通す凹溝3bが所定間隔に形成されている。
【0017】
さらに、トンネルAの軸方向の両側部にトンネルAの軸方向に隣接する中間部セグメント3同士を連結する連結ボルト5を通すためのボルト孔3cが所定形成されている。
【0018】
こうして形成された中間部セグメント3は、両端の端部セグメント1と中央部セグメント2間にトンネルAの径に応じて複数、隣接して設置されている。
緊張材4の両端は、両端の端部セグメント1の貫通孔1bに挿通され、かつ凹部1c内に定着ナット6によってそれぞれ定着されている。
【0019】
また、緊張材4の中央部分は中央部セグメント2の貫通孔2aに挿通され、それより両側部分は各中間部セグメント3のリブ3aの凹溝3bに架け渡されている。その際、リブ3aが中央部セグメント2寄りに位置するものぼど、徐々に長く形成されていることから、緊張材4はトンネルAの内方に突出する懸垂曲線状に設置されている。
【0020】
また、緊張材4はトンネルA内に露出する、いわゆるアウトケーブル方式で設置されている。このように設置することで、セグメントを組み立てた後からでも緊張材4を設置することができるので施工性がきわめてよい。
【0021】
なお、緊張材4は、例えば図2(b)に図示するように中央部分で交差する対角線状に設置されていてもよい。プレストレスを導入する方法としては、例えば緊張材4の両端を端部セグメント1の凹部1cに定着ナット6でそれぞれ定着しておき、カプラー等の連結部材で1本に連結した中央部分で緊張材4を緊張してプレストレスを導入した後に、緊張材4の中央部分を中央部セグメント2に定着する方法などがある。
【0022】
また、一次覆工としてのセグメントの組み立て時にのみプレストレスを導入し、セグメントの内側を二次覆工として鉄筋コンクリートで補強したのち、プレストレスを開放して鉄筋コンクリート構造の覆工体とすることもできる。
【0025】
さらに、緊張材4はセグメントを組み立てた後から設置してもよく、また各セグメントに予め設置しておくこともできる。
【0026】
【発明の効果】
この発明は以上説明した構成からなり、矩形断面形をなすトンネルの内周にコンクリートセグメントを複数、トンネルの周方向と軸方向に互いに隣接して設置し、かつ天井部分、床部分、および左右の側壁部分に緊張材を挿通してトンネルの周方向に所定大のプレストレスを導入してなるので、割安なコンクリートセグメントを使用することにより、矩形断面トンネルの内周をきわめて低コストで覆工できる。
【0027】
また、緊張材は矩形断面トンネルの天井部分、床部分および側壁部分のそれぞれにトンネルのコーナ部を固定端とし、トンネルの内方に突出する懸垂曲線状にそれぞれ設置してあるので、特にトンネルの断面に作用する曲げモーメントに対してきわめて有効に補強できる。
【0028】
さらに、緊張材はセグメントの内側に露出させて設置してあるので、緊張材を容易に設置できて施工性もきわめてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のセグメントからなるコンクリートライニングの一例を示し、(a)はその一部斜視図、(b)は正面図である。
【図2】緊張材の配置例を示し、(a)はコンクリートライニングの一部断面図、(b)はその一部平面図である。
【図3】端部セグメントを示し、(a)はその斜視図、(b)は断面図、(c)は正面図である。
【図4】中間部セグメントを示し、(a)はその斜視図、(b)は断面図、(c)は断面図である。
【図5】中央部セグメントを示し、(a)はその斜視図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 端部セグメント
1a コーナ部
1b 貫通孔
1c 凹部
1d ボルト孔
2 中央部セグメント
2a 貫通孔
2b 開口部
2c ボルト孔
3 中間部セグメント
3a リブ
3b 凹溝
3c ボルト孔
4 緊張材
5 連結ボルト
6 定着ナット
7 連結部材
Claims (3)
- 矩形断面形をなすトンネルの天井部分、床部分および左右側壁部分の各地山のコーナ部に端部セグメントを、中央部に中央部セグメントを、前記端部セグメントと前記中央部セグメントとの間に、所定間隔おきに突設され、中央部セグメント寄りに位置するものほど徐々に長く形成された複数のリブを有する中間部セグメントをそれぞれ設置し、かつ前記端部セグメントと中央部セグメントと中間部セグメントの間に緊張材を挿通するとともに前記複数のリブ間に架け渡して前記トンネルの内方に突出する懸垂曲線状に露出して設置してなることを特徴とする矩形断面トンネルの覆工構造。
- 端部セグメントおよび中間部セグメントはトンネルの内方に開口する断面略溝状に形成してあることを特徴とする請求項1記載の矩形断面トンネルの覆工構造。
- 矩形断面形をなすトンネルの天井部分、床部分および左右側壁部分の各地山のコーナ部に端部セグメントを、中央に中央部セグメントを、前記端部セグメントと前記中央部セグメントとの間に、所定間隔おきに突設され、前記中央部セグメント寄りに位置するものほど徐々に長く形成された複数のリブを有する中間部セグメントをそれぞれ設置してセグメント覆工体を形成し、前記端部セグメントと中間部セグメントと中央部セグメントの間に緊張材を挿通するとともに前記複数のリブ間に架け渡して前記トンネルの内方に突出する懸垂曲線状に露出して設置し、かつ当該緊張材の両端を前記端部セグメントにそれぞれ定着した後、前記緊張材の中央部分を連結した連結部材で当該緊張材を緊張してプレストレスを導入し、かつ前記緊張材の中央部分を前記中央部セグメントに定着することを特徴とする矩形断面トンネルの覆工方法。
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