JP3590411B2 - 天吊カセット形空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は天井内部に埋め込まれる天吊カセット形空気調和機に関するもので、特にその外気導入機能を実現するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内の空気は人間の呼吸、タバコの煙、埃などの様々な汚れにより汚染されており、室内の快適な環境をつくるためには、空調風量の30%以上の新鮮外気が必要であると言われている。ところが、外気導入を行う際に換気装置等により生外気をそのまま取り入れたのではコールドドライが発生し、また天井面等に器具を設置するスペースが新たに必要となるなどの問題が発生する。そこで、空気調和機に外気導入ダクトを接続し、新鮮外気を空気調和機から取り込む方法がとられている。図8は、例えば特開昭63−254334号公報に示された従来の外気導入機能を備えた空気調和機の内部構造を示す断面図である。図において、1は空気調和機本体で下面中央部に開口する吸込口2及び、周辺の各辺部に沿って開口する吹出口3を配し、5はモータ取付用レグ6により本体中央部に支持されたモータ、このモータ5の軸の先端には空気循環用ファン4が固着されている。7は空気循環用ファン4の外周に設けられた熱交換器であり、本体天井面に取り付けられている。11は本体側面に設けられたノックアウト8と吸込口2をつなぐ本体内蔵ダクトであり、ノックアウト8にはブースタファン10を収容する外気導入ダクト9が連結されている。
【0003】
次に動作について説明する。空気循環用ファン4がモータ5により駆動されると空気調和機を備えた部屋の室内空気、及び外気が吸込口2から空気調和機本体1に吸い込まれる。この際外気は外気導入ダクト9、ノックアウト8及び本体内蔵ダクト11を通って吸い込まれるため、外気導入ダクト9及び本体内蔵ダクト11の風路抵抗分の圧力損失が生じるが、この圧力損失はブースタファン10を駆動することによって補われている。吸い込まれた空気は空気循環用ファン4により周方向に送り出され、熱交換器7を通過することにより熱交換をされた後、吹出口3を通じ空気調和機本体1から室内へ導出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気調和機では空調される部屋に新鮮外気を導入する場合、外気導入ダクト9を空気調和機本体1に開けられたノックアウト8に取り付けることにより行っていた。ノックアウト8は吸込口2と本体内蔵ダクト11で結ばれているが、天井に埋め込むスペースの関係から空気調和機本体1の大きさをなるべく小さくする必要があり、したがって空気調和機本体1の中に本体内蔵ダクト11のスペースを十分確保する余裕がないため、十分な外気を導入することができず、また、内蔵ダクト11の圧力損失が大きいため大きな音が発生するという問題点があった。ダクト寸法を確保するために図9のように本体1の下に外気取入用ボックス17を取り付ける方法もあるが、コストが高くなりかつ天井に埋め込むためのスペースが外気取入用ボックス17の分だけ余計に必要になる。
また、外気は外気導入ダクト9及び本体内蔵ダクト11を通って取り入れられるため、その風路抵抗分だけの圧力損失をブースタファン10を設けて補う必要があり、ブースタファン10に供給する電源配線を空気調和機とは別にする必要があった。さらに、ブースタファン10を駆動するとその駆動音が外気導入用ダクト9を通して本体1に伝わり、騒音が発生するという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、空気調和機本体に本体内蔵ダクトのスペースを設ける必要や外気取入用ボックスを取り付ける必要がないとともに、ブースタファンを用いることなく、静かに十分な新鮮外気を取り入れることができる空気調和機を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る天吊カセット形空気調和機は、本体天井面中央部にノックアウトを有する空気調和機本体と、この本体の下面中央部に開口する吸込口と、本体周辺に沿って開口する吹出口と、本体内部の中央に設けられた空気循環用ファンと、この空気循環用ファンを駆動するモータと、を備えた天吊カセット形空気調和機において、ノックアウトに取り付けられた外気取入用ダクトと、ノックアウトに対向して本体の内側に設けられ、モータで駆動される外気取入用薄型ファンとを具備したことを特徴とする天吊カセット形空気調和機。
【0007】
また、この発明に係る天吊カセット形空気調和機は、外気取入用ベルマウスを外気取入用ダクトの先端とともにノックアウトに取り付けることを特徴とする。
【0008】
また、この発明に係る天吊カセット形空気調和機は、本体天井面で外気取入用ベルマウスを形成したことを特徴とする。
【0009】
また、この発明に係る天吊カセット形空気調和機は、本体天井面中央部にノックアウトを有する空気調和機本体と、この本体の下面中央部に開口する吸込口と、本体周辺に沿って開口する吹出口と、本体内部の中央に設けられた空気循環用ファンと、この空気循環用ファンを駆動するモータと、を備えた天吊カセット形空気調和機において、ノックアウトに取り付けられた外気取入用ダクトと、ノックアウトに対向して本体の外側に設けられ、モータで駆動される外気取入用薄型ファンとを具備したことを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係る天吊カセット形空気調和機は、外気取入用ダクトを外気取入用ファンケーシングを介してノックアウトに取り付けたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
この発明に係る天吊カセット形空気調和機は、ブースタファンを用いることなく外気を空気調和機内部に導入することができる。また、ブースタファンを外気取入ダクトの途中に設ける必要がなくなり、ダクトの取付が容易になるとともにブースタファンから発生する騒音の問題がなくなる。さらに、空気調和機本体に内蔵ダクトを設ける必要がなくなり、空気調和機を小さく構成できるとともに、圧力損失が減り騒音値が低くなる。
【0012】
【実施例】
実施例1.
図1はこの発明の実施例1を示す断面図であり、1から9は上記従来装置と同一のものである。12は外気取入用薄型ファンであって、この実施例ではターボファンが使われており、空気循環用ファン4を駆動するモータ5で空気循環用ファン4とともに駆動される。13は外気取入用ベルマウスで外気導入ダクト9の先端とともにノックアウト8に取り付ける。
【0013】
前記のように構成された空気調和機においてはモータ5を駆動すると空気循環用ファン4が回転し吸込口2から室内空気を吸い込むと同時に、外気取入用薄型ファン12が回転し、ダクト9の圧力損失を補いノックアウト8から外気を取り込む。取り込まれた外気は周方向に送り出され、空気循環用ファン4により周方向に送り出された室内空気と合流し、熱交換器7で熱交換された後、吹出口3から室内へ導出される。
【0014】
実施例2.
上記実施例1では外気取入用ベルマウス13をノックアウト8に取り付けたが、図2で示す実施例2では本体天井面でベルマウス部を形成したもので、ベルマウスを用いずに同様の動作が期待できる。
【0015】
実施例3.
図3は外気取入用薄型ファン12として軸流ファンを使用し、外気取入用ファンケーシング14にモータ取付用レグ6を取付け、モータ5を固定している。
【0016】
この図3に示す実施例3では、外気取入用薄型ファン12が回転しダクト9の圧力損失を補いノックアウト8から外気を取り込む。取り込まれた外気は外気取入用ファンケーシング14を通り、外気吹出口16から、空気循環用ファン4の中央部分に送り出され、空気循環用ファン4により吸い込まれた室内空気と合流し、周方向に送り出され、熱交換器7で熱交換された後、吹出口3から室内へ導出される。
【0017】
実施例4.
図4は外気取入用薄型ファン12を本体外側に備えた例で、ファンとして軸流ファンを使っている。14は外気取入用ファンケーシングでノックアウト8に取り付けてあり、上端には外気導入ダクトの先端が接続され、実施例3と同様の動作が得られる。
【0018】
実施例5.
上記実施例4では外気取入用ファンケーシング14をノックアウト8に取り付けたが、図5で示す実施例5では本体天井面及び外気導入ダクト9でファンケーシングを形成したもので、外気取付用ファンケーシング14を用いずに同様の動作が期待できる。
【0019】
実施例6.
図6はダクトアダプタ15を介して外気導入ダクトを本体サイドに取り付けた実施例の外形図で、図7はその断面図である。こうすることにより天井ふところ高さを低くすることができる。この場合の外気導入ダクト9をノックアウト8に直接取り付けた場合よりも圧力損失が大きくなり、その分外気取入量が減る可能性がある。そこでなるべく高さを抑えるためには、幅の広い形状にし、風路面積を大きくする必要がある。
【0020】
【発明の効果】
この発明に係るの天吊カセット形空気調和機は、本体天井面中央部にノックアウトを有する空気調和機本体と、この本体の下面中央部に開口する吸込口と、本体周辺に沿って開口する吹出口と、本体内部の中央に設けられた空気循環用ファンと、この空気循環用ファンを駆動するモータと、を備えた天吊カセット形空気調和機において、ノックアウトに取り付けられた外気取入用ダクトと、ノックアウトに対向して本体の内側に設けられ、モータで駆動される外気取入用薄型ファンと、を具備した構成にしたので、ブースタファンを用いることなく外気を空気調和機内部に導入することができる。
また、ブースタファンを外気取入ダクトの途中に設ける必要がなくなり、ダクトの取付が容易になるとともにブースタファンから発生する騒音の問題がなくなる。
さらに、空気調和機本体に内蔵ダクトを設ける必要がなくなり、空気調和機を小さく構成できるとともに、圧力損失が減り騒音値が低くなる。
【0021】
また、この発明に係るの天吊カセット形空気調和機は、本体天井面中央部にノックアウトを有する空気調和機本体と、この本体の下面中央部に開口する吸込口と、本体周辺に沿って開口する吹出口と、本体内部の中央に設けられた空気循環用ファンと、この空気循環用ファンを駆動するモータと、を備えた天吊カセット形空気調和機において、ノックアウトに取り付けられた外気取入用ダクトと、ノックアウトに対向して前記本体の外側に設けられ、記モータで駆動される外気取入用薄型ファンとを具備した構成にしたので、ブースタファンを用いることなく外気を空気調和機内部に導入することができる。
また、ブースタファンを外気取入ダクトの途中に設ける必要がなくなり、ダクトの取付が容易になるとともにブースタファンから発生する騒音の問題がなくなる。
さらに、空気調和機本体に内蔵ダクトを設ける必要がなくなり、空気調和機を小さく構成できるとともに、圧力損失が減り騒音値が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の空気調和機を示す断面図である。
【図2】この発明の実施例2の空気調和機を示すベルマウス部の断面図である。
【図3】この発明の実施例3の空気調和機を示す断面図である。
【図4】この発明の実施例4の空気調和機を示す断面図である。
【図5】この発明の実施例5の空気調和機のファンケーシング部の断面図である。
【図6】この発明の実施例6の空気調和機を示す外形図である。
【図7】この発明の実施例6の空気調和機を示す断面図である。
【図8】従来の空気調和機を示す断面図である。
【図9】従来の空気調和機に外気取入用ボックスを取り付けた状態を示す外形図である。
【符号の説明】
1 空気調和機本体
2 吸込口
3 吹出口
4 空気循環用ファン
5 モータ
6 モータ取付用レグ
7 熱交換器
8 ノックアウト
9 外気導入ダクト
12 外気取入用薄型ファン
13 外気取入用ベルマウス
14 外気取入用ファンケーシング
15 ダクトアダプタ
16 外気吹出口
17 外気取入用ボックス
18 外気導入風量調整機

Claims (5)

  1. 本体天井面中央部にノックアウトを有する空気調和機本体と、この本体の下面中央部に開口する吸込口と、前記本体周辺に沿って開口する吹出口と、前記本体内部の中央に設けられた空気循環用ファンと、この空気循環用ファンを駆動するモータと、を備えた天吊カセット形空気調和機において、前記ノックアウトに取り付けられた外気取入用ダクトと、前記ノックアウトに対向して前記本体の内側に設けられ、前記モータで駆動される外気取入用薄型ファンと、を具備したことを特徴とする天吊カセット形空気調和機。
  2. 外気取入用ベルマウスを前記外気取入用ダクトの先端とともに前記ノックアウトに取り付けることを特徴とする請求項1記載の天吊カセット形空気調和機。
  3. 本体天井面で前記外気取入用ベルマウスを形成したことを特徴とする請求項2記載の天吊カセット形空気調和機。
  4. 本体天井面中央部にノックアウトを有する空気調和機本体と、この本体の下面中央部に開口する吸込口と、前記本体周辺に沿って開口する吹出口と、前記本体内部の中央に設けられた空気循環用ファンと、この空気循環用ファンを駆動するモータと、を備えた天吊カセット形空気調和機において、前記ノックアウトに取り付けられた外気取入用ダクトと、前記ノックアウトに対向して前記本体の外側に設けられ、前記モータで駆動される外気取入用薄型ファンと、を具備したことを特徴とする天吊カセット形空気調和機。
  5. 前記外気取入用ダクトを外気取入用ファンケーシングを介して前記ノックアウトに取り付けたことを特徴とする請求項4記載の天吊カセット形空気調和機。
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