JP3590377B2 - デジタル放送システム、デジタル放送編成装置及びその編成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログテレビジョン信号をデジタルテレビジョン信号に変換して再送信するデジタル放送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、アナログ方式のテレビジョン放送システムでは、主放送番組の映像信号に、ステレオ・吹き替え等のための主・副音声信号や文字放送用のデータ信号(以下、文字多重信号と称する)を多重して放送し、受信側で多重信号を分離復調し、視聴番組のステレオ再生、吹き替え再生、字幕やプロフィール等の文字再生を選択可能な機能を持たせている。
【0003】
一方、次世代の地上波デジタルテレビジョン放送システムでは、番組で使用するビデオ、オーディオのそれぞれのコンテンツデータを多重伝送し、受信側で各コンテンツを復調し、適宜タイミングを合わせて合成再生することで、放送番組を視聴可能としている。さらに、データ放送番組として、文字、静止画のデータを主番組のコンテンツデータに多重し、受信側で分離復調して主番組の映像に合成して表示可能としている。
【0004】
この地上波デジタル放送にあっては、既存のアナログ放送からの移行期間中は、アナログ放送と並行して配信するサイマル放送が予定されている。また、デジタル放送専用テレビジョン受信機が普及されるまで、デジタル放送対応のセットトップボックス(STB)を提供し、このSTBを既存のテレビジョン受信機に接続することで、デジタル放送を既存のテレビジョン受信機で視聴可能とすることが予定されている。以下の説明では、「STB+既存のテレビジョン受信機」を含めてデジタル放送対応テレビジョン受信機と称する。
【0005】
ところで、ホテル、病院等においては、館内テレビジョン放送システムを構築し、客室や病室等の各部屋に設置したテレビジョン受信機に放送信号を流すことより、現行テレビジョン放送を各部屋にて視聴可能としている。この場合、音声を英語に切り換えて視聴したい外国人や文字放送を画面表示させて視聴したい難聴者を考慮する必要がある。従来では、リモートコントローラ(以下、リモコンと称する)によって音声切換操作、文字放送の表示選択操作を行えるようにしているが、最近のテレビジョン受信機が多機能化していることから、リモコンの操作手順も煩雑となっており、外国人や身障者にとって操作しづらい状況にある。
【0006】
地上波デジタル放送の開始に伴い、ホテルや病院等の館内放送システムでも、各部屋にデジタル放送対応テレビジョン受信機を設置することが予想される。この際、サイマル放送中にあってはアナログ放送もデジタル放送と並行して配信することになるが、前述の理由から、どちらの放送でも簡単な操作で任意の視聴形態を選択し、再生可能なようにすることが要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、地上波デジタル放送の開始に伴い、デジタル放送対応のテレビジョン受信機をホテルや病院等の施設に多数設置する場合に、利用者の操作性を考慮して、誰でも簡単に任意の視聴形態を選択し再生可能なようにシステム化することが要望されている。
【0008】
本発明は、上記の要望に応じるべく、各デジタル放送対応のテレビジョン受信機にて、誰でも簡単に任意の視聴形態を選択し再生可能なようにデジタル放送番組を配信することのできるデジタル放送システムと、このシステムに利用可能なデジタル放送編成装置及びその編成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るデジタル放送システムは、アナログテレビジョン信号から映像信号と、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかを分離する信号分離手段と、この手段で分離された映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号をチャンネル毎に任意に組み合わせてチャンネル別に符号化し多重してデジタル放送信号に変換する編成手段と、この手段で得られたデジタル放送信号を伝送する伝送手段と、この手段を通じて伝送されるデジタル放送信号を受信し、チャンネル選択により前記組み合わせによる視聴形態で再生するデジタル放送受信手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
特に、前記編成手段は、前記映像信号と文字多重信号を組み合わせるとき、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねる画面合成手段を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成によるデジタル放送システムでは、1つのアナログテレビジョン信号による番組を、映像信号と主音声信号、映像信号と副音声信号、文字多重信号による文字を画面合成した映像信号と主音声信号等の種々の組み合わせによる視聴形態をチャンネル毎に対応させ、それぞれ符号化及び多重化して、デジタル放送信号の形式で伝送するようにしているので、デジタル放送対応の受信手段では、チャンネルの選択操作だけで複数の視聴形態を選択することが可能となる。
【0012】
上記編成手段は、前記アナログテレビジョン信号から映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号を分離する信号分離手段と、この手段で分離された映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号を任意の組み合わせで取り込んで符号化するチャンネル対応の複数の符号化手段と、前記複数の符号化手段の各出力を多重する多重化手段と、この手段の多重化出力をデジタル放送信号に変換して送出する信号変換・送出手段とを具備する編成装置で実現される。
【0013】
この編成装置の編成方法は、アナログテレビジョン信号から分離される映像信号、主音声信号、文字多重信号をチャンネル別に任意の組み合わせで符号化し多重してデジタル放送信号に変換するようにし、少なくとも映像信号と文字多重信号を組み合わせるチャンネルでは、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねて符号化することに特徴がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るデジタル放送システムをホテル館内放送システムに適用し、現行アナログテレビジョン放送を客室に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機向けに再放送する場合の構成を示すブロック図である。尚、ここでは説明を簡単にするため、1波のアナログ放送チャンネルの受信番組を編成する場合について述べる。
【0016】
図1において、編成装置Aは、ホテル館内の放送室に設置され、アンテナ11で受けたアナログ放送信号を取り込んでアナログ放送受信部12に入力する。
【0017】
このアナログ放送受信部12は、入力したアナログ放送信号から所定のチャンネル信号を選局し、映像変調信号、音声変調信号、文字多重データ信号を分離する。映像変調信号は映像復調部(DEM)13にて復調されて映像信号となる。この映像信号は、3系統に分配され、2系統の映像信号はそれぞれチャンネル#1及び#2のMPEGエンコーダ(ENC)161、162に直接送られ、残り1系統の映像信号は画面合成部17を介してチャンネル#3のMPEGエンコーダ163に送られる。また、音声変調信号は音声復調部14にて復調されて主音声信号と副音声信号とに分離され、主音声信号はチャンネル#1及び#3のMPEGエンコーダ161、163に送られ、副音声信号はチャンネル#2のMPEGエンコーダ162に供給される。文字多重データ信号は文字多重復調部15で復調され、画面合成部17で映像信号に画面合成される。
【0018】
上記チャンネル#1〜#3のMPEGエンコーダ161〜163は、それぞれ入力された映像信号、音声信号をMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式によって符号化するもので、各チャンネルのエンコード出力は多重化装置18にてTS(Transport Stream)パケットに変換された後、時分割多重されてデジタル放送送信部19に供給される。このデジタル放送送信部19は、時分割多重されたTSパケットをデジタル放送標準方式のOFDM(直交周波数分割多重)信号に変換し、所定の帯域に周波数変換して、デジタル放送信号の1波として送出する。
【0019】
上記構成による編成装置Aから送出されたデジタル放送信号は、有線または無線による館内ネットワークBを介して、客室内に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機(STB+既存のTV受信機の組み合わせを含む)Cに送られる。各テレビジョン受信機Cは、編成装置Aからのデジタル放送信号を受信し、例えばリモコンによってチャンネル#1〜#3を選択操作することで、選択されたチャンネルのTSパケットを分離復調し、再生出力することができる。
【0020】
尚、n個のチャンネルのアナログ放送信号に対応する場合には、上記編成装置Aを併設し、それぞれ別々の帯域でデジタル放送信号を館内ネットワークBへ送出するものとする。また、別途、地上デジタル放送の受信信号を館内ネットワークBに直接流している場合には、上記編成装置Aの出力帯域を地上デジタル放送受信信号とは別の帯域に設定するものとする。
【0021】
上記構成において、以下にその運用について説明する。
【0022】
まず、本システムでは、アナログ放送受信部12で得られたアナログ放送番組を映像信号、主/副音声信号、文字多重信号に振り分け、チャンネル#1に映像信号+主音声信号を割り当て、チャンネル#2に映像信号+副音声信号を割り当て、チャンネル#3に映像信号+主音声信号+文字多重信号を割り当てて、それぞれMPEGエンコーダ161〜163で符号化する。このとき、文字多重信号は映像信号に画面合成される。各エンコーダ161〜163の符号化出力は多重化装置18でTSパケットに変換されて時分割多重され、デジタル放送送信部19からデジタル放送信号として館内ネットワークBに接続されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機Cに送られる。
【0023】
例として、映画の番組を放送する場合について説明する。まず、チャンネル#1では映像に主音声である日本語を重ね、チャンネル#2では映像に副音声である英語を重ね、チャンネル#3では映像に文字多重信号である字幕を画面合成すると共に主音声である日本語を重ねる。
【0024】
このように、本システムでは、同一番組をチャンネル毎に視聴形態を分けてデジタル放送するようにしているので、各部屋に設置されたテレビジョン受信機Cにおいて、チャンネルを切り換えるだけで、主/副音声の切り換え、字幕表示の有無切り換えを選択することができ、リモコンの煩雑な操作を解消することができる。
【0025】
ここで、次世代の地上波デジタル放送では、現行アナログ放送の3チャンネル分を1放送信号帯域で多重放送可能である。したがって、上記システムでは、アナログ放送1チャンネルの番組を3つの視聴形態に編成して3つのチャンネルに振り分けても、多重化伝送により送信設備の共有化が図れる。このため、設備費用、設置スペース、電源容量の増大が少なくてすみ、チャンネル数増加に伴うデメリットは少ないと言える。
【0026】
尚、次世代の地上波デジタル放送では、データ放送番組を多重することが予定されており、一般的には文字多重信号をデジタル放送のデータ放送番組の一つとして多重放送することも考えられる。しかしながら、実際には映像との同期処理等が必要となり、編成装置Aの構成が複雑かつ高価となる。本システムのように、映像信号に文字多重信号の文字を埋め込んで放送すれば、同期処理等が不要となり、装置構成が簡略化され、低価格化を実現することができる。
【0027】
また、データ放送を行わないことから、デジタル放送対応のテレビジョン受信機Cにおいてもデータ放送受信再生機能を省くことができ、低コストの受信機を利用することができる。このことは、地上波デジタル放送の早期普及に寄与することができるという効果をもたらす。
【0028】
(第2の実施形態)
図2は、本発明に係るデジタル放送システムをホテル館内放送システムに適用し、現行アナログテレビジョン放送を客室に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機向けに再放送する際に、緊急案内等のテロップを全チャンネルの画面に表示する場合の構成を示すブロック図である。尚、ここでは説明を簡単にするため、1波のアナログ放送チャンネルの受信番組を編成する場合について述べることとする。また、図2において、図1に示したシステム構成と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0029】
図2において、編成装置Aの映像復調部13、音声復調部14及び文字多重復調部15の出力は画面合成部20に供給される。この画面合成部20は、テキスト入力端末21から入力されるテキストデータを取り込み、映像復調部13で復調された映像信号の所定箇所に画面合成してチャンネル#1、#2のMPEGエンコーダ161、162に送り、さらに文字多重信号の文字を所定箇所に画面合成してチャンネル#3のMPEGエンコーダ163に送る。音声復調部14の出力については、図1の場合と同様である。
【0030】
すなわち、上記構成によるシステムでは、#1〜#3の全チャンネルの映像信号に任意のテキストを画面合成してデジタル放送信号に変換している。したがって、各客室のテレビジョン受信機にあっては、第1の実施形態と同様に、チャンネル選択操作だけで主/副音声切り換え、文字多重の有無切り換えを行うことができ、さらにいずれのチャンネルで視聴中であっても、任意のテキストが画面表示されるため、緊急情報等を全ての視聴者に見せることができる。
【0031】
(第3の実施形態)
図3及び図4は、それぞれ本発明に係るデジタル放送システムをホテル館内放送システムに適用し、ホテル自主番組を客室に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機向けに放送する場合の構成を示すブロック図である。図3は、ホテル自主番組として、館内施設案内、近隣の観光・店舗案内、防災案内等を想定し、図4はホテル自主番組としてカラオケ対応ミュージックビデオを想定している。尚、本実施形態のシステム構成は、図1に示したシステム構成とほぼ同一である。このため、図3、図4において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0032】
図3に示すシステムでは、アナログ放送受信部12に代わってビデオ再生装置(DVD、VTR等)22を備え、ビデオ再生装置22によって再生された館内放送用ビデオの映像出力は映像分配器23に供給され、音声出力は音声分配器24に供給され、文字多重信号は文字多重復調部15に供給され、それぞれ映像信号、主/副音声信号、文字データが復調される。以後、図1のシステムと同様に、チャンネル#1では映像+主音声、チャンネル#2では映像+副音声、チャンネル#3では映像+主音声+文字となるように処理される。
【0033】
例えば、館内施設案内のビデオを放送する場合、#1〜#3の各チャンネルで非常口の映像を表示しながら、#1では主音声の日本語でガイダンスを流し、#2では副音声の英語でガイダンスを流し、#3では主音声の日本語でガイダンスを流しつつ、日本語テロップでもガイダンスを流すことができる。
【0034】
図4に示すシステムでは、ビデオ再生装置22を用いる点で図3のシステムと同じであるが、ここでは映像分配器23の映像出力をチャンネル#4に送ると共に、画面合成部17を介してチャンネル#6に送り、音声分配器24の主音声出力をチャンネル#4と#5に送り、副音声出力をチャンネル#6に送る。また、文字多重復調部15の文字データ出力は画面合成部17で映像出力に画面合成される。
【0035】
本システムの例として、適当な映像、主音声として歌手の声が入ったミュージック、副音声として歌手の声を抜いた、いわゆるカラオケミュージック、文字多重データとして歌詞が入ったビデオを再生する場合について説明する。
【0036】
まず、チャンネル#4のMPEGエンコーダ161には、映像と主音声が入力される。このため、テレビジョン受信機Cでチャンネル#4を選択した場合には、映像の表示と共に、歌手の声が入ったミュージックが流れる。また、チャンネル#5のMPEGエンコーダ162には、映像は入力されず、主音声のみが入力される。このため、テレビジョン受信機Cでチャンネル#5を選択した場合には、歌手の声が入ったミュージックのみが流れ、映像は表示されない。この場合、バックグランドミュージックとして利用可能である。チャンネル#6のMPEGエンコーダ163には、歌詞の文字が画面合成された映像と副音声が入力される。このため、テレビジョン受信機Cでチャンネル#6を選択した場合には、映像に歌詞が表示されると共に、歌手の声が入っていないミュージックが流れる。この場合、カラオケとして利用可能である。
【0037】
(第4実施形態)
以上の実施形態は、編成装置Aの構成において、互いに視聴形態の異なる同一番組を複数チャンネルに振り分け多重放送する場合であるが、テレビジョン受信機側でチャンネル選択の優先順位を予め設定しておくことも有効である。
【0038】
図5は、図3に示したシステム構成において、テレビジョン受信機Cにチャンネル優先選択機能を持たせた実施形態を示すフローチャートである。ここでは、館内放送において、チャンネル#1に日本語音声(主音声)、チャンネル#2に英語音声(副音声)、チャンネル#3に字幕(文字多重データ)が割り当てられているものとする。
【0039】
図5において、まず、テレビジョン受信機Cの電源投入時(または、リモコンの電源オン操作時)に、館内放送時に希望する視聴形態を選択させるメニュー画面を表示する(ステップS1)。例えば、「館内放送時にご希望の視聴形態を選択してください。<Please push button of remote key.> 1.日本語<Japanese> 2.英語<English> 3.字幕<Japanese caption>」を表示し、視聴者にリモコンのキー操作で1〜3のいずれかを選択するように促す。
【0040】
リモコン操作によって1〜3のいずれかが選択されたとき、また所定時間経過しても未入力であったとき、これを判別して(ステップS2)、1が選択された場合または所定時間未入力の場合には「日本語音声で流します。いいですか?」を表示し(ステップS3)、2が選択された場合には「Do you agree to English mode?」を表示し(ステップS4)、3が選択された場合には「字幕で流します。いいですか?」を表示する(ステップS5)。このとき、同時に「YES」及び「NO」の選択ボタンを表示する。
【0041】
次に、リモコンによる「YES」または「NO」の選択操作または所定時間未入力を判別する(ステップS6)。「NO」が選択された場合には、ステップS2に戻って選択画面を再表示し、「YES」が選択された場合または所定時間未入力の場合には、設定完了を表示する(ステップS7)。例えば、1の場合には「日本語音声に設定しました。」、2の場合には「Set English mode」、3の場合には「字幕に設定しました。」を表示する。一定時間経過後、チャンネル選択画面に移る(ステップS8、S9)。
【0042】
館内放送チャンネルが選択された場合(ステップS10)、先に設定した視聴形態を判断する(ステップS11)。ここで、1に設定されている場合にはチャンネル#1を選択して日本語音声を流し(ステップS12)、2に設定されている場合にはチャンネル#2を選択して英語音声を流し(ステップS13)、3に設定されている場合にはチャンネル#3を選択して字幕を表示する(ステップS14)。以後、ステップS10に戻り、館内放送チャンネルが選択される毎に、設定された視聴形態の処理を行う。
【0043】
尚、図示しないが、館内放送チャンネル視聴時に視聴形態を切り換えたい場合を考慮し、リモコンのリセットボタンをオン操作することで、ステップS1に戻って視聴形態選択画面が表示され、切り換え設定が可能となるようにする。
【0044】
上記フローチャートに基づくプログラムデータは、編成装置Aから制御データとしてダウンロードするようにしておくと、処理内容の変更が容易となる。
【0045】
上記の構成によれば、視聴者は切り換え操作を行うことなく希望に合った形態で館内放送を視聴できる。このことは、特に緊急放送時に、外国人や難聴者がその内容を把握することが容易となる点で極めて効果が大きい。
【0046】
(他の実施形態)
以上の実施形態は、本発明をホテルの館内放送システムに適用した場合に関するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、病院、学校(特に特殊学級がある場合)等の放送システムにも適用可能である。さらには、ネットワークをCATV網に置き換えれば、CATVシステムにも利用できる。
【0047】
また、地上波デジタル放送局において、本発明のシステムを利用してアナログ放送を編成し、デジタル放送で再放送することも可能である。
【0048】
いずれの場合でも、本発明に係るシステム構成によれば、送信側の編成設備は、種々の視聴形態に柔軟に対応することができ、しかもデジタル放送対応のテレビジョン受信機も、データ放送受信機能のない簡易型で文字多重を利用可能であり、地上波デジタル放送の普及に貢献することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各デジタル放送対応のテレビジョン受信機にて、誰でも簡単に任意の視聴形態を選択し再生可能なようにデジタル放送番組を配信することのできるデジタル放送システムと、このシステムに利用可能なデジタル放送番組編成装置及びその編成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態とするホテル館内放送システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施形態として、上記ホテル館内システムで全チャンネルに任意の文字多重表示を行う場合の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施形態として、上記ホテル館内システムで自主放送(施設案内等)を行う場合の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第3の実施形態として、上記ホテル館内システムで自主放送(カラオケ等)を行う場合の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第4の実施形態として、図3に示したシステム構成において、テレビジョン受信機Cにチャンネル優先選択機能を持たせた実施形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
A…編成装置
B…館内ネットワーク
C…デジタル放送対応テレビジョン受信機
11…アンテナ
12…アナログ放送受信部
13…映像復調部(DEM)
14…音声復調部
15…文字多重復調部
161〜163…MPEGエンコーダ(ENC)
17…画面合成部
18…多重化装置
19…デジタル放送送信部
20…画面合成部
21…テキスト入力端末
22…ビデオ再生装置(DVD、VTR等)
23…映像分配器
24…音声分配器
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログテレビジョン信号をデジタルテレビジョン信号に変換して再送信するデジタル放送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、アナログ方式のテレビジョン放送システムでは、主放送番組の映像信号に、ステレオ・吹き替え等のための主・副音声信号や文字放送用のデータ信号(以下、文字多重信号と称する)を多重して放送し、受信側で多重信号を分離復調し、視聴番組のステレオ再生、吹き替え再生、字幕やプロフィール等の文字再生を選択可能な機能を持たせている。
【0003】
一方、次世代の地上波デジタルテレビジョン放送システムでは、番組で使用するビデオ、オーディオのそれぞれのコンテンツデータを多重伝送し、受信側で各コンテンツを復調し、適宜タイミングを合わせて合成再生することで、放送番組を視聴可能としている。さらに、データ放送番組として、文字、静止画のデータを主番組のコンテンツデータに多重し、受信側で分離復調して主番組の映像に合成して表示可能としている。
【0004】
この地上波デジタル放送にあっては、既存のアナログ放送からの移行期間中は、アナログ放送と並行して配信するサイマル放送が予定されている。また、デジタル放送専用テレビジョン受信機が普及されるまで、デジタル放送対応のセットトップボックス(STB)を提供し、このSTBを既存のテレビジョン受信機に接続することで、デジタル放送を既存のテレビジョン受信機で視聴可能とすることが予定されている。以下の説明では、「STB+既存のテレビジョン受信機」を含めてデジタル放送対応テレビジョン受信機と称する。
【0005】
ところで、ホテル、病院等においては、館内テレビジョン放送システムを構築し、客室や病室等の各部屋に設置したテレビジョン受信機に放送信号を流すことより、現行テレビジョン放送を各部屋にて視聴可能としている。この場合、音声を英語に切り換えて視聴したい外国人や文字放送を画面表示させて視聴したい難聴者を考慮する必要がある。従来では、リモートコントローラ(以下、リモコンと称する)によって音声切換操作、文字放送の表示選択操作を行えるようにしているが、最近のテレビジョン受信機が多機能化していることから、リモコンの操作手順も煩雑となっており、外国人や身障者にとって操作しづらい状況にある。
【0006】
地上波デジタル放送の開始に伴い、ホテルや病院等の館内放送システムでも、各部屋にデジタル放送対応テレビジョン受信機を設置することが予想される。この際、サイマル放送中にあってはアナログ放送もデジタル放送と並行して配信することになるが、前述の理由から、どちらの放送でも簡単な操作で任意の視聴形態を選択し、再生可能なようにすることが要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、地上波デジタル放送の開始に伴い、デジタル放送対応のテレビジョン受信機をホテルや病院等の施設に多数設置する場合に、利用者の操作性を考慮して、誰でも簡単に任意の視聴形態を選択し再生可能なようにシステム化することが要望されている。
【0008】
本発明は、上記の要望に応じるべく、各デジタル放送対応のテレビジョン受信機にて、誰でも簡単に任意の視聴形態を選択し再生可能なようにデジタル放送番組を配信することのできるデジタル放送システムと、このシステムに利用可能なデジタル放送編成装置及びその編成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るデジタル放送システムは、アナログテレビジョン信号から映像信号と、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかを分離する信号分離手段と、この手段で分離された映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号をチャンネル毎に任意に組み合わせてチャンネル別に符号化し多重してデジタル放送信号に変換する編成手段と、この手段で得られたデジタル放送信号を伝送する伝送手段と、この手段を通じて伝送されるデジタル放送信号を受信し、チャンネル選択により前記組み合わせによる視聴形態で再生するデジタル放送受信手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
特に、前記編成手段は、前記映像信号と文字多重信号を組み合わせるとき、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねる画面合成手段を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成によるデジタル放送システムでは、1つのアナログテレビジョン信号による番組を、映像信号と主音声信号、映像信号と副音声信号、文字多重信号による文字を画面合成した映像信号と主音声信号等の種々の組み合わせによる視聴形態をチャンネル毎に対応させ、それぞれ符号化及び多重化して、デジタル放送信号の形式で伝送するようにしているので、デジタル放送対応の受信手段では、チャンネルの選択操作だけで複数の視聴形態を選択することが可能となる。
【0012】
上記編成手段は、前記アナログテレビジョン信号から映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号を分離する信号分離手段と、この手段で分離された映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号を任意の組み合わせで取り込んで符号化するチャンネル対応の複数の符号化手段と、前記複数の符号化手段の各出力を多重する多重化手段と、この手段の多重化出力をデジタル放送信号に変換して送出する信号変換・送出手段とを具備する編成装置で実現される。
【0013】
この編成装置の編成方法は、アナログテレビジョン信号から分離される映像信号、主音声信号、文字多重信号をチャンネル別に任意の組み合わせで符号化し多重してデジタル放送信号に変換するようにし、少なくとも映像信号と文字多重信号を組み合わせるチャンネルでは、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねて符号化することに特徴がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るデジタル放送システムをホテル館内放送システムに適用し、現行アナログテレビジョン放送を客室に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機向けに再放送する場合の構成を示すブロック図である。尚、ここでは説明を簡単にするため、1波のアナログ放送チャンネルの受信番組を編成する場合について述べる。
【0016】
図1において、編成装置Aは、ホテル館内の放送室に設置され、アンテナ11で受けたアナログ放送信号を取り込んでアナログ放送受信部12に入力する。
【0017】
このアナログ放送受信部12は、入力したアナログ放送信号から所定のチャンネル信号を選局し、映像変調信号、音声変調信号、文字多重データ信号を分離する。映像変調信号は映像復調部(DEM)13にて復調されて映像信号となる。この映像信号は、3系統に分配され、2系統の映像信号はそれぞれチャンネル#1及び#2のMPEGエンコーダ(ENC)161、162に直接送られ、残り1系統の映像信号は画面合成部17を介してチャンネル#3のMPEGエンコーダ163に送られる。また、音声変調信号は音声復調部14にて復調されて主音声信号と副音声信号とに分離され、主音声信号はチャンネル#1及び#3のMPEGエンコーダ161、163に送られ、副音声信号はチャンネル#2のMPEGエンコーダ162に供給される。文字多重データ信号は文字多重復調部15で復調され、画面合成部17で映像信号に画面合成される。
【0018】
上記チャンネル#1〜#3のMPEGエンコーダ161〜163は、それぞれ入力された映像信号、音声信号をMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式によって符号化するもので、各チャンネルのエンコード出力は多重化装置18にてTS(Transport Stream)パケットに変換された後、時分割多重されてデジタル放送送信部19に供給される。このデジタル放送送信部19は、時分割多重されたTSパケットをデジタル放送標準方式のOFDM(直交周波数分割多重)信号に変換し、所定の帯域に周波数変換して、デジタル放送信号の1波として送出する。
【0019】
上記構成による編成装置Aから送出されたデジタル放送信号は、有線または無線による館内ネットワークBを介して、客室内に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機(STB+既存のTV受信機の組み合わせを含む)Cに送られる。各テレビジョン受信機Cは、編成装置Aからのデジタル放送信号を受信し、例えばリモコンによってチャンネル#1〜#3を選択操作することで、選択されたチャンネルのTSパケットを分離復調し、再生出力することができる。
【0020】
尚、n個のチャンネルのアナログ放送信号に対応する場合には、上記編成装置Aを併設し、それぞれ別々の帯域でデジタル放送信号を館内ネットワークBへ送出するものとする。また、別途、地上デジタル放送の受信信号を館内ネットワークBに直接流している場合には、上記編成装置Aの出力帯域を地上デジタル放送受信信号とは別の帯域に設定するものとする。
【0021】
上記構成において、以下にその運用について説明する。
【0022】
まず、本システムでは、アナログ放送受信部12で得られたアナログ放送番組を映像信号、主/副音声信号、文字多重信号に振り分け、チャンネル#1に映像信号+主音声信号を割り当て、チャンネル#2に映像信号+副音声信号を割り当て、チャンネル#3に映像信号+主音声信号+文字多重信号を割り当てて、それぞれMPEGエンコーダ161〜163で符号化する。このとき、文字多重信号は映像信号に画面合成される。各エンコーダ161〜163の符号化出力は多重化装置18でTSパケットに変換されて時分割多重され、デジタル放送送信部19からデジタル放送信号として館内ネットワークBに接続されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機Cに送られる。
【0023】
例として、映画の番組を放送する場合について説明する。まず、チャンネル#1では映像に主音声である日本語を重ね、チャンネル#2では映像に副音声である英語を重ね、チャンネル#3では映像に文字多重信号である字幕を画面合成すると共に主音声である日本語を重ねる。
【0024】
このように、本システムでは、同一番組をチャンネル毎に視聴形態を分けてデジタル放送するようにしているので、各部屋に設置されたテレビジョン受信機Cにおいて、チャンネルを切り換えるだけで、主/副音声の切り換え、字幕表示の有無切り換えを選択することができ、リモコンの煩雑な操作を解消することができる。
【0025】
ここで、次世代の地上波デジタル放送では、現行アナログ放送の3チャンネル分を1放送信号帯域で多重放送可能である。したがって、上記システムでは、アナログ放送1チャンネルの番組を3つの視聴形態に編成して3つのチャンネルに振り分けても、多重化伝送により送信設備の共有化が図れる。このため、設備費用、設置スペース、電源容量の増大が少なくてすみ、チャンネル数増加に伴うデメリットは少ないと言える。
【0026】
尚、次世代の地上波デジタル放送では、データ放送番組を多重することが予定されており、一般的には文字多重信号をデジタル放送のデータ放送番組の一つとして多重放送することも考えられる。しかしながら、実際には映像との同期処理等が必要となり、編成装置Aの構成が複雑かつ高価となる。本システムのように、映像信号に文字多重信号の文字を埋め込んで放送すれば、同期処理等が不要となり、装置構成が簡略化され、低価格化を実現することができる。
【0027】
また、データ放送を行わないことから、デジタル放送対応のテレビジョン受信機Cにおいてもデータ放送受信再生機能を省くことができ、低コストの受信機を利用することができる。このことは、地上波デジタル放送の早期普及に寄与することができるという効果をもたらす。
【0028】
(第2の実施形態)
図2は、本発明に係るデジタル放送システムをホテル館内放送システムに適用し、現行アナログテレビジョン放送を客室に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機向けに再放送する際に、緊急案内等のテロップを全チャンネルの画面に表示する場合の構成を示すブロック図である。尚、ここでは説明を簡単にするため、1波のアナログ放送チャンネルの受信番組を編成する場合について述べることとする。また、図2において、図1に示したシステム構成と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0029】
図2において、編成装置Aの映像復調部13、音声復調部14及び文字多重復調部15の出力は画面合成部20に供給される。この画面合成部20は、テキスト入力端末21から入力されるテキストデータを取り込み、映像復調部13で復調された映像信号の所定箇所に画面合成してチャンネル#1、#2のMPEGエンコーダ161、162に送り、さらに文字多重信号の文字を所定箇所に画面合成してチャンネル#3のMPEGエンコーダ163に送る。音声復調部14の出力については、図1の場合と同様である。
【0030】
すなわち、上記構成によるシステムでは、#1〜#3の全チャンネルの映像信号に任意のテキストを画面合成してデジタル放送信号に変換している。したがって、各客室のテレビジョン受信機にあっては、第1の実施形態と同様に、チャンネル選択操作だけで主/副音声切り換え、文字多重の有無切り換えを行うことができ、さらにいずれのチャンネルで視聴中であっても、任意のテキストが画面表示されるため、緊急情報等を全ての視聴者に見せることができる。
【0031】
(第3の実施形態)
図3及び図4は、それぞれ本発明に係るデジタル放送システムをホテル館内放送システムに適用し、ホテル自主番組を客室に設置されたデジタル放送対応のテレビジョン受信機向けに放送する場合の構成を示すブロック図である。図3は、ホテル自主番組として、館内施設案内、近隣の観光・店舗案内、防災案内等を想定し、図4はホテル自主番組としてカラオケ対応ミュージックビデオを想定している。尚、本実施形態のシステム構成は、図1に示したシステム構成とほぼ同一である。このため、図3、図4において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0032】
図3に示すシステムでは、アナログ放送受信部12に代わってビデオ再生装置(DVD、VTR等)22を備え、ビデオ再生装置22によって再生された館内放送用ビデオの映像出力は映像分配器23に供給され、音声出力は音声分配器24に供給され、文字多重信号は文字多重復調部15に供給され、それぞれ映像信号、主/副音声信号、文字データが復調される。以後、図1のシステムと同様に、チャンネル#1では映像+主音声、チャンネル#2では映像+副音声、チャンネル#3では映像+主音声+文字となるように処理される。
【0033】
例えば、館内施設案内のビデオを放送する場合、#1〜#3の各チャンネルで非常口の映像を表示しながら、#1では主音声の日本語でガイダンスを流し、#2では副音声の英語でガイダンスを流し、#3では主音声の日本語でガイダンスを流しつつ、日本語テロップでもガイダンスを流すことができる。
【0034】
図4に示すシステムでは、ビデオ再生装置22を用いる点で図3のシステムと同じであるが、ここでは映像分配器23の映像出力をチャンネル#4に送ると共に、画面合成部17を介してチャンネル#6に送り、音声分配器24の主音声出力をチャンネル#4と#5に送り、副音声出力をチャンネル#6に送る。また、文字多重復調部15の文字データ出力は画面合成部17で映像出力に画面合成される。
【0035】
本システムの例として、適当な映像、主音声として歌手の声が入ったミュージック、副音声として歌手の声を抜いた、いわゆるカラオケミュージック、文字多重データとして歌詞が入ったビデオを再生する場合について説明する。
【0036】
まず、チャンネル#4のMPEGエンコーダ161には、映像と主音声が入力される。このため、テレビジョン受信機Cでチャンネル#4を選択した場合には、映像の表示と共に、歌手の声が入ったミュージックが流れる。また、チャンネル#5のMPEGエンコーダ162には、映像は入力されず、主音声のみが入力される。このため、テレビジョン受信機Cでチャンネル#5を選択した場合には、歌手の声が入ったミュージックのみが流れ、映像は表示されない。この場合、バックグランドミュージックとして利用可能である。チャンネル#6のMPEGエンコーダ163には、歌詞の文字が画面合成された映像と副音声が入力される。このため、テレビジョン受信機Cでチャンネル#6を選択した場合には、映像に歌詞が表示されると共に、歌手の声が入っていないミュージックが流れる。この場合、カラオケとして利用可能である。
【0037】
(第4実施形態)
以上の実施形態は、編成装置Aの構成において、互いに視聴形態の異なる同一番組を複数チャンネルに振り分け多重放送する場合であるが、テレビジョン受信機側でチャンネル選択の優先順位を予め設定しておくことも有効である。
【0038】
図5は、図3に示したシステム構成において、テレビジョン受信機Cにチャンネル優先選択機能を持たせた実施形態を示すフローチャートである。ここでは、館内放送において、チャンネル#1に日本語音声(主音声)、チャンネル#2に英語音声(副音声)、チャンネル#3に字幕(文字多重データ)が割り当てられているものとする。
【0039】
図5において、まず、テレビジョン受信機Cの電源投入時(または、リモコンの電源オン操作時)に、館内放送時に希望する視聴形態を選択させるメニュー画面を表示する(ステップS1)。例えば、「館内放送時にご希望の視聴形態を選択してください。<Please push button of remote key.> 1.日本語<Japanese> 2.英語<English> 3.字幕<Japanese caption>」を表示し、視聴者にリモコンのキー操作で1〜3のいずれかを選択するように促す。
【0040】
リモコン操作によって1〜3のいずれかが選択されたとき、また所定時間経過しても未入力であったとき、これを判別して(ステップS2)、1が選択された場合または所定時間未入力の場合には「日本語音声で流します。いいですか?」を表示し(ステップS3)、2が選択された場合には「Do you agree to English mode?」を表示し(ステップS4)、3が選択された場合には「字幕で流します。いいですか?」を表示する(ステップS5)。このとき、同時に「YES」及び「NO」の選択ボタンを表示する。
【0041】
次に、リモコンによる「YES」または「NO」の選択操作または所定時間未入力を判別する(ステップS6)。「NO」が選択された場合には、ステップS2に戻って選択画面を再表示し、「YES」が選択された場合または所定時間未入力の場合には、設定完了を表示する(ステップS7)。例えば、1の場合には「日本語音声に設定しました。」、2の場合には「Set English mode」、3の場合には「字幕に設定しました。」を表示する。一定時間経過後、チャンネル選択画面に移る(ステップS8、S9)。
【0042】
館内放送チャンネルが選択された場合(ステップS10)、先に設定した視聴形態を判断する(ステップS11)。ここで、1に設定されている場合にはチャンネル#1を選択して日本語音声を流し(ステップS12)、2に設定されている場合にはチャンネル#2を選択して英語音声を流し(ステップS13)、3に設定されている場合にはチャンネル#3を選択して字幕を表示する(ステップS14)。以後、ステップS10に戻り、館内放送チャンネルが選択される毎に、設定された視聴形態の処理を行う。
【0043】
尚、図示しないが、館内放送チャンネル視聴時に視聴形態を切り換えたい場合を考慮し、リモコンのリセットボタンをオン操作することで、ステップS1に戻って視聴形態選択画面が表示され、切り換え設定が可能となるようにする。
【0044】
上記フローチャートに基づくプログラムデータは、編成装置Aから制御データとしてダウンロードするようにしておくと、処理内容の変更が容易となる。
【0045】
上記の構成によれば、視聴者は切り換え操作を行うことなく希望に合った形態で館内放送を視聴できる。このことは、特に緊急放送時に、外国人や難聴者がその内容を把握することが容易となる点で極めて効果が大きい。
【0046】
(他の実施形態)
以上の実施形態は、本発明をホテルの館内放送システムに適用した場合に関するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、病院、学校(特に特殊学級がある場合)等の放送システムにも適用可能である。さらには、ネットワークをCATV網に置き換えれば、CATVシステムにも利用できる。
【0047】
また、地上波デジタル放送局において、本発明のシステムを利用してアナログ放送を編成し、デジタル放送で再放送することも可能である。
【0048】
いずれの場合でも、本発明に係るシステム構成によれば、送信側の編成設備は、種々の視聴形態に柔軟に対応することができ、しかもデジタル放送対応のテレビジョン受信機も、データ放送受信機能のない簡易型で文字多重を利用可能であり、地上波デジタル放送の普及に貢献することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各デジタル放送対応のテレビジョン受信機にて、誰でも簡単に任意の視聴形態を選択し再生可能なようにデジタル放送番組を配信することのできるデジタル放送システムと、このシステムに利用可能なデジタル放送番組編成装置及びその編成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態とするホテル館内放送システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施形態として、上記ホテル館内システムで全チャンネルに任意の文字多重表示を行う場合の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施形態として、上記ホテル館内システムで自主放送(施設案内等)を行う場合の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第3の実施形態として、上記ホテル館内システムで自主放送(カラオケ等)を行う場合の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第4の実施形態として、図3に示したシステム構成において、テレビジョン受信機Cにチャンネル優先選択機能を持たせた実施形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
A…編成装置
B…館内ネットワーク
C…デジタル放送対応テレビジョン受信機
11…アンテナ
12…アナログ放送受信部
13…映像復調部(DEM)
14…音声復調部
15…文字多重復調部
161〜163…MPEGエンコーダ(ENC)
17…画面合成部
18…多重化装置
19…デジタル放送送信部
20…画面合成部
21…テキスト入力端末
22…ビデオ再生装置(DVD、VTR等)
23…映像分配器
24…音声分配器
Claims (15)
- アナログテレビジョン信号から映像信号と、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかを分離する信号分離手段と、
この手段で分離された映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかをチャンネル毎に任意に組み合わせて、チャンネル別に符号化し多重してデジタル放送信号に変換する編成手段と、
この手段で得られたデジタル放送信号を伝送する伝送手段と、
この手段を通じて伝送されるデジタル放送信号を受信し、チャンネル選択により前記組み合わせによる視聴形態で再生するデジタル放送受信手段とを具備することを特徴とするデジタル放送システム。 - 前記編成手段は、前記映像信号と文字多重信号を組み合わせるとき、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねる画面合成手段を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 前記編成手段は、全部または一部のチャンネルに送られる映像信号に任意のテキスト文字を画面合成する画面合成手段を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- さらに、アナログテレビジョン放送信号を受信して所定のチャンネルのアナログテレビジョン信号を出力する受信装置を備え、この受信装置で得られたアナログテレビジョン信号を前記信号分離手段に入力するようにしたことを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- さらに、記録媒体に記録された映像信号、音声信号、文字多重信号をアナログテレビジョン信号の形式で再生出力するビデオ再生装置を備え、このビデオ再生装置から出力されるアナログテレビジョン信号を前記信号分離手段に入力するようにしたことを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 前記デジタル放送受信手段は、前記編成手段で多重される複数のチャンネルの内、指定チャンネルを自動的に選択するように初期設定するチャンネル指定手段を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 前記デジタル放送受信手段は、データ放送受信機能を持たない簡易型受信機であることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 前記編成手段は、前記伝送手段に送出される他のデジタル放送信号とは異なる周波数帯でデジタル放送信号を送出することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 前記伝送手段は、有線ネットワークであることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 前記伝送手段は、無線ネットワークであることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送システム。
- 映像信号と、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかを含むアナログテレビジョン信号をデジタル放送信号に変換する編成装置であって、
前記アナログテレビジョン信号から映像信号と、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかを分離する信号分離手段と、
この手段で分離された映像信号、主音声信号、副音声信号、文字多重信号をチャンネル毎に任意に組み合わせて取り込んで符号化するチャンネル対応の複数の符号化手段と、
前記複数の符号化手段の各出力を多重する多重化手段と、
この手段の多重化出力をデジタル放送信号に変換して送出する信号変換・送出手段とを具備することを特徴とするデジタル放送編成装置。 - 前記映像信号と文字多重信号を組み合わせるとき、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねる画面合成手段を備え、この画面合成手段の出力を前記符号化手段の一つに入力することを特徴とする請求項11記載のデジタル放送編成装置。
- 全部または一部の符号化手段に送られる映像信号に任意のテキスト文字を画面合成する画面合成手段を備えることを特徴とする請求項11記載のデジタル放送編成装置。
- 前記信号変換・送出手段は、前記デジタル放送信号を同一伝送路中に流される他のデジタル放送信号とは異なる周波数帯で送出することを特徴とする請求項11記載のデジタル放送編成装置。
- アナログテレビジョン信号から分離される映像信号と、主音声信号、副音声信号、文字多重信号の少なくともいずれかをチャンネル毎に任意に組み合わせて符号化し多重してデジタル放送信号に変換するようにし、少なくとも映像信号と文字多重信号を組み合わせるチャンネルでは、映像信号の画面に文字多重信号の文字を重ねて符号化することを特徴とするデジタル放送編成方法。
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