JP3590083B2 - 皮膚洗浄料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は皮膚洗浄料、特にその使用性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚洗浄料、特に洗顔料については、単に皮脂等を洗い落とすだけでなく、更に各種化粧料等を洗い落とすことが必要とされる。
このため、口紅、ファンデーション、マスカラ、アイシャドウ等の油分を含むメイクアップ化粧料を施した人は、洗顔の際、まず第一段階としてメイクアップ化粧料となじみ易い油分を多量に含んだクレンジングクリーム、クレンジングオイル、クレンジングミルク、クレンジングジェル等のメイクアップ落し用の洗顔料を用いてほとんどのメイクアップ成分を除去した後、第二段階として、石鹸やクレンジングフォームなどを泡立たせて素肌洗いを行い、第一段階で用いたメイクアップ落し用の洗浄料の残存油分を、皮膚上の皮脂、汚れとともに洗い流すことで、すっきり感あるいはさっぱり感といった満足感を得ていた。
【0003】
このように二段階の洗浄を必要とするのは、油分を多量に含有する化粧落し用のクリーム類等を用いた場合、使用後直ちに水またはぬるま湯ですすいでも皮膚上に残った油分が十分除去されず、さっぱりした洗浄感が得られないためであり、また、石鹸やクレンジングフォーム等の泡立たせて使う素肌洗い用の洗顔料のみでは、メイクアップ化粧料の油分に覆われた顔料、色剤などを肌上から十分に除去できないためである。
一方、化粧行為の迅速性、簡便性が要求されつつある近年、一回の操作のみでメイクアップ落とし効果と、すっきり感、さっぱり感という素肌洗い効果とを併せ持つ皮膚洗浄料が望まれている。
この様な一段階用の皮膚洗浄料としては、例えば特開昭63−122618号公報に開示されているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られている一段階用のメイクアップ落とし洗浄料は、すすいだ後に皮膚に残る油分の量を少なくしたことにとどまるものであり、石鹸やクレンジングフォームなどで泡を立てて素肌を洗うことによって得られるさっぱり感や洗顔後の満足感といったものを得ることはできなかった。
【0005】
すなわち、メイクアップを落とせると同時に泡立たせることができ、素肌洗いのさっぱり感が得られる洗浄料の開発が望まれるわけであるが、メイクアップ落し用の洗浄料は前述したように基本的に多量の油分や油性成分を含有しなければならないものであり、一方、石鹸やクレンジングフォームなどの泡立ち、さっぱり感をもたらす洗浄料は、基本的に親水性が高いイオン性の界面活性剤が主成分であるため、単純にこれらの成分を組み合わせて両方の効果を得ようとしても、実際には互いにその効果を打ち消し合い、ほとんど泡が立たなくなってしまうばかりか、メイクアップを落とす効果も損なわれてしまい満足のいくものは得られないのが現状であった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は使用性、使用感触に優れるとともに、高い洗浄効果をも有する皮膚洗浄料を提供することに有る。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシエチレンジエステルと、特定のアニオン性界面活性剤とを組み合わせることにより、メイクアップ落とし機能に加え、泡立ち機能を有し、素肌洗いのさっぱり感が得られる洗浄料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本出願の請求項1記載の水性メイク洗浄料は、一般式化2で表わされるポリオキシエチレンジエステルと、脂肪酸石鹸を除くアニオン性界面活性剤を含有し、前記ポリオキシエチレンジエステルと前記アニオン性界面活性剤との配合割合が重量比で2:1〜1:8であり、両者の合計配合量は洗浄料全量中の1〜80重量%であることを特徴とする。
【化2】
RCOO−(C2H4O)n−COR
(式中、Rはイソステアリル基又はオレイル基、nは6〜16の整数である。)
【0007】
また、本発明において、ポリオキシエチレンジエステルがポリオキシエチレンジイソステアレート及び/又はポリオキシエチレンジオレエートであることが好適である。
【0008】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明において用いられる前記化2に示す基本構造を有するポリオキシエチレンジエステルの酸化エチレンの平均重合度は6〜16であり、好ましくは8〜14の範囲である。平均重合度が6より低い場合には泡立ちが十分でなくなり、逆に16より高い場合にはメイクアップを落とす効果が十分でなくなる。
また、前記化2において、Rは、水系の洗浄剤組成物への配合であることを考慮し、かつメイクアップ洗浄効果の点から考えるとイソステアリル基又はオレイル基であることが好ましい。
【0009】
また、ポリオキシエチレンジエステルと共に用いられるアニオン性界面活性剤としては、一般に化粧品基剤として用いられるアニオン性界面活性剤(但し、脂肪酸石鹸を除く)を採用することができ、具体的には、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−長鎖アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン酸塩等であり、その対イオンはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミンやアンモニウムが挙げられる。
本発明においてはこれらのアニオン界面活性剤の中から、一種もしくは二種以上を任意に用いることができる。
【0010】
本発明において、ポリオキシエチレンジエステルと、アニオン性界面活性剤との配合割合は、重量比で2:1〜l:8、好ましくは1:1〜1:8の範囲であり、両者の合計配合量は、洗浄料全量中の1〜80重量%の範囲である。
この範囲外の配合割合では、ポリオキシエチレンジエステルが多すぎる場合は泡立ちが充分でなく、アニオン性界面活性剤が多すぎる場合にはメイクアップがなじみにくく、いずれの場合も満足な結果が得られない。
【0011】
本発明に係る皮膚洗浄料中には、上記の必須構成成分のほかに必要に応じ、一般的に洗浄料、化粧料などに配合される成分を配合することができる。これらの成分としては、グリセリン,1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、流動パラフィン、高級アルコール等の油分、カチオン性界面活性剤、増粘剤、保湿剤、防腐剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、香料などがあげられる。
以上のように、本発明の皮膚洗浄料は、ポリオキシエチレンジエステルと、特定のアニオン性界面活性剤を共存させることにより、口紅、ファンデーション、マスカラ、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料を良好に落とすと同時に、水を加えることによって泡立たせることができる。
【0012】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例に先立ち、各実施例で用いた評価法を説明する。
【0013】
メイク落とし効果試験法
油性ファンデーションにマーカーとして2−エチルヘキシルパラメトキシケイ皮酸をO.1%含ませたもの0.1gを、前腕内側部の4×10cmの範囲に均一に塗布し、30分間乾燥後、被験試料0.5gを、指を用いて通常のメイク落とし行為と同様に塗布部全体に約20秒間なじませ、その後35℃の水道水でこすらずに洗い流した。
乾燥後、塗布部に残存しているファンデーションを、直径2cmのガラス製カップを用いて2m1のエタノールで溶出させ、エタノール中の2−エチルヘキシルパラメトキシケイ皮酸の量を紫外線吸収(310nm)から測定することにより、メイク落し効果を求めた。
洗浄効率(%)=(A2−AO)/(A1−A0)×l00
AO:ブランクの溶出液の吸収
Al:洗浄前の溶出液の吸収
A2:洗浄後の溶出液の吸収
評価
○:メイク落し効果良好 洗浄効率90%以上
△:メイク落し効果普通 洗浄効率60%以上
×:メイク落し効果不良 洗浄効率80%末満
【0014】
起泡性試験法
2500m1容量の攪拌機付き円筒形シリンダーに40℃の人工硬水(70ppm炭酸カルシウム)を400m1入れ、被験試料40gと油性ファンデーンョンO.1gを添加後、4500rpmで1分間攪拌した後の泡容量を測定した。
評価
◎:泡立ち極めて良好 泡容積1500m1以上
○:泡立ち良好 泡容積1200m1以上
△:泡立ち普通 泡容積800m1以上
×:泡立ち不良 泡容積800m1未満
【0015】
官能式験(使用後のさっぱり感の評価)
各試料を用いて洗顔後の肌のさっぱり感の有無について、実使用試験を専門パネラー20名により実施した。
なお、評価方法は以下の基準に従った。
○:専門パネラー20名中15名以上がさっぱり感ありと認めた。
△:専門パネラー20名中8名以上がさっぱり感ありと認めた。
×:専門パネラー20名中7名以下がさっぱり感ありと認めた。
【0016】
【表1】
【0017】
以上のように、ポリオキシエチレンジエステル(ポリオキシエチレンジイソステアレート)単独ではメイク落とし効果は比較的優れているものの、起泡性、さっぱり感等には欠ける傾向にある。一方、アニオン性界面活性剤(ラウロイルメチルタウリンマグネシウム)単独では、起泡性、さっぱり感には優れているものの、メイク落とし効果に欠ける。そして、エチレンオキサイド付加ポリオキシプロピレン系界面活性剤と、アニオン性界面活性剤との共存系では、その配合割合が重量比で2:1〜1:8、好ましくは1:1〜1:8で優れたメイク落とし効果と使用性の両者を発揮することができる。
【0018】
【表2】
【0019】
上記表2より明らかなように、本発明にかかる組合せ効果は、ポリオキシエチレンジエステル分子中に占める酸化エチレンの平均重合度が6〜16であるポリオキシエチレンジエステルに特異的に見られる現象である。
次に、各種配合例について検証を行なった。
【0020】
【表3】
【0021】
以上のように各種のポリオキシエチレンジエステルと、各種のアニオン性界面活性剤に相乗効果が認められ、特にポリオキシエチレンジエステルはジイソステアレート及び/又はジオレエートであることが好ましいことが理解される。
【0022】
実施例1
(1)ポリオキシエチレン(12)ジイソステアレート 8重量%
(2)ラウロイルメチルタウリンナトリウム 10
(3)ラウリルリン酸トリエタノールアミン 4
(4)ラウリルジエタノールアミド 2
(5)1,3−ブタンジオール 15
(6)ポリエチレングリコール1500 5
(7)ヒドロキシエチルセルロース 2.5
(8)香料 適 量
(9)精製水 残 余
製法
(9)に(5),(6),(7)を溶解し、(2),(3)と(4)を混合した後、(1),(8)を加えて、ジェル状メイク落し用洗浄料を得た。
【0023】
実施例2
(1)ポリオキシエチレン(8)ジオレエート 5重量%
(2)ポリオキシエチレン(8)ジイソステアレート 1
(3)ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル
サルフェートナトリウム 3
(4)N−ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン 8
(5)ラウロイルアミドプロピルベタイン 5
(6)l,3−ブタンジオール 10
(7)ソルビトール 8
(8)メチルセルロース 3
(9)香料 適 量
(10)精製水 残 余
製法
(10)に(6)〜(8)を溶解し、(3),(4)と(5)を混合した後、(1),(2),(9)を加えて、ジェル状メイク落し用洗浄料を得た。
実施例1及び2のジェル状メイク落とし洗浄料は、メイク落とし効果、起泡性に優れ、しかも使用後のさっぱり感も極めて良好であった。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかるメイク洗浄料は、ポリオキシエチレンジエステルと、特定のアニオン性界面活性剤とを共存させることにより、メイクを落とす効果に優れていると同時に、水を加えることによって泡立たせることができ、使用後の肌にさっぱりした感触を与えるものである。
Claims (1)
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JP34662893A JP3590083B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 皮膚洗浄料 |
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JP34662893A JP3590083B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 皮膚洗浄料 |
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JPH07179330A JPH07179330A (ja) | 1995-07-18 |
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1993
- 1993-12-22 JP JP34662893A patent/JP3590083B2/ja not_active Expired - Fee Related
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