JP3589812B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小スリップ制御により複数の摩擦係合要素の作動状態を切り替えて段階的な変速を行う際に、空吹けを適切に抑制して変速性能を高めた自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用の自動変速機としては、エンジンの回転をトルクコンバータを介して入力し、複数組のプラネタリギアを有する変速機構により変速してプロペラシャフト(車軸側)に出力するものが普及している。
そして、この種の自動変速機における変速機構としては、例えば特開昭62−288753号公報に示されるように、トルクコンバータからのインプットシャフトの回転を、シフト位置に応じて、プラネタリギアを構成する特定のギア又はキャリアに伝動したり、特定のギア又はキャリアの回転を適宜アウトプットシャフトに伝動したり、あるいは適宜特定のギア又はキャリアの回転を拘束するために、複数のクラッチ,ブレーキ等の締結要素を備えたものが知られている。
【0003】
このような自動変速機ではアップシフト時に解放状態となる摩擦係合要素を微小スリップさせつつ、エンジンの回転低下を待って係合側の摩擦係合要素の係合を行う際、解放側の摩擦係合要素のスリップ量が予め設定したしきい値以上の場合に、解放側の摩擦係合要素に対する供給油圧を制御する切換弁を操作して当該解放側の摩擦係合要素に対する供給油圧を上昇させる制御を行う一方、解放側の摩擦係合要素のスリップ量の変化率が0以下の場合に前記切換弁を逆に操作して当該解放側の摩擦係合要素に対する供給油圧を低下させることにより、解放側の摩擦係合要素から結合側の摩擦係合要素への駆動トルクの移行をなめらかにすることが行われている。そして、これにより変速ショックの発生を抑えるようにしている。
【0004】
ところで、上記のような自動変速機の微小スリップ制御の場合、解放側の摩擦係合要素のスリップに伴う駆動トルクが多過ぎたり、逆に少な過ぎたりすると変速ショックが発生し易くなる。そのため、解放状態となる摩擦係合要素のスリップ量がしきい値以上の余り多くない状態では前記切換弁を間欠的に逆に操作して解放側の摩擦係合要素に対する供給油圧を上昇を抑えるようにして、よりなめらかな変速制御を行うものが提案されている(例えば、特開平5−39843号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自動変速機の制御装置にあっては、複数の摩擦係合要素の解放/結合を行う際の微小スリップ制御(空吹け防止制御)によって変速するとき、以下のような問題点があった。
上述したように自動変速機の微小スリップ制御を行う場合、解放状態となる摩擦係合要素のスリップ量がしきい値以上の余り多くない状態では供給油圧を制御する切換弁を間欠的に逆に操作して解放側の摩擦係合要素に対する供給油圧の上昇を抑えるようにするという発想はいいものの、いわゆる空ふきタイミング(スリップ量の制御タイミング)に拘らず、供給油圧上昇量が一定であったため、結合(締結)側の摩擦係合要素(例えば、クラッチ)が結合を始めた場合に、いわゆるインターロックが発生することがあり、変速性能が低下するという欠点があった。この場合、自動変速機の出力トルクがアンダーシュート(トルク引きが増大)し、変速ショックが生じる。したがって、空吹けを適切に抑制でききる制御が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、自動変速機の微小スリップ制御を行う場合に、空吹けを適切に抑制して変速性能を向上できる自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の自動変速機の制御装置は、複数の摩擦係合要素の作動状態を切り替えて段階的な変速制御を行うとともに、
変速制御時に、解放側の摩擦係合要素の締結力を低下させ、締結側の摩擦係合要素の締結力を上昇させる制御を行う際に、解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値を越えたときに、解放側の摩擦係合要素の締結力を上昇させてスリップ量が所定範囲に納まるように締結力を制御する自動変速機の制御装置において、
変速開始からの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値より増大したとき、前記経過時間計測手段の出力に基づいて解放側の摩擦係合要素の上昇させるべき締結力を補正する第1の補正手段と、を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値より減少した状態、又はスリップ量の変化率が所定値より減少した状態のうち、少なくとも1つの状態が生じたとき、前記経過時間計測手段の出力に基づいて解放側の摩擦係合要素の下降させるべき締結力を補正する第2の補正手段を設けるようにしてもよい。
【0009】
例えば請求項3記載のように、変速開始からの経過時間に応じて、前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量を判定する所定値を補正する所定値補正手段を設けるようにしてもよい。
【0010】
例えば請求項4記載のように、前記第1の補正手段は、
変速開始からの経過時間が大きい程、前記解放側の摩擦係合要素の上昇させるべき締結力の補正量を小さくするようにしてもよい。
【0011】
例えば請求項5記載のように、前記第2の補正手段は、
変速開始からの経過時間が大きい程、前記解放側の摩擦係合要素の下降させるべき締結力の補正量を小さくするようにしてもよい。
【0012】
例えば請求項6記載のように、前記所定値補正手段は、
変速開始からの経過時間が大きい程、前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量を判定する所定値を大きくするようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る自動変速機の制御装置が適用される車両の第1実施例の構成を示すブロック図である。図1において、1はエンジンであり、エンジン1の駆動力は自動変速機2のトルクコンバータ3に伝達され、トルクコンバータ3を介して自動変速機2のインプットシャフト21(図2参照)が駆動される。トルクコンバータ3は、ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ、およびステータを支持するワンウエイクラッチ等より構成される周知のもので、エンジン1のクランクシャフトの回転を、所定のコンバータレンジにおいてはトルク増幅して自動変速機2の補助変速機(トルクコンバータ3より後段の変速機構)のインプットシャフト21に伝達するものであり、ここでは図示及び詳細説明を省略する。
【0014】
トルクコンバータ3におけるタービンランナの回転数はタービンセンサ4により検出され、変速制御ユニット5に入力される。自動変速機2は変速機構(補助変速機)と、油圧制御を行うコントロールバルブ6とを有し、インプットシャフト21の回転を変速機構に配置された複数の摩擦係合要素の作動状態を切り替えて段階的な変速制御を行い、後述のアウトプットシャフト22から出力する。アウトプットシャフト22の回転力はディファレンシャルギア7を介して後輪8に伝達され、車両が駆動される。アウトプットシャフト22の回転数(車速に対応)は出力軸回転センサ9により検出され、変速制御ユニット5に入力される。また、エンジン1におけるスロットル開度はスロットル開度センサ10により検出され、変速制御ユニット5に入力される。
【0015】
変速制御ユニット5はマイクロコンピュータを含んで構成され、スロットル開度センサ10、タービンセンサ4、出力軸回転センサ9からの信号に基づいて自動変速機2の変速制御に必要な演算処理を行い、制御信号をコントロールバルブ6に配置されたソレノイド弁11に出力する。ソレノイド弁11は複数の摩擦係合要素の作動状態を油圧によって切り替え、段階的な変速制御を行う。変速制御ユニット5における変速制御の演算処理は、後述の制御プログラムによって実行される。
変速制御ユニット5は経過時間計測手段、第1の補正手段、第2の補正手段および所定値補正手段を構成する。
【0016】
次に、自動変速機2における変速機構の概略を、図2および図3により説明する。
図2はこの変速機構のスケルトンを示す図、図3はこの変速機構の各締結合要素の作動状態を示す図である。
この変速機構は、図2に示すように、インプットシャフト21、アウトプットシャフト22、第1プラネタリーギア23、第2プラネタリーギア24、ハイクラッチ(H/C)、リバースクラッチ(R/C)、2−4ブレーキ(2−4/B)、ロークラッチ(L/C)、ローワンウエイクラッチ(LO/C)、ローリバースブレーキ(LR/B)を備える。
【0017】
ここで、ハイクラッチ(H/C)、リバースクラッチ(R/C)、ロークラッチ(L/C)、ローワンウエイクラッチ(LO/C)、及びローリバースブレーキ(LR/B)は、油圧作動の多板式のものであり、ドライブプレートとドリブンプレートよりなるトルク伝達要素を複数並列に配置してなり、これにより個々の伝達要素の伝達トルク容量よりも大きな所定のトルク伝達を断接する締結要素である。これらの各締結要素は摩擦係合要素に相当する。
このうちハイクラッチ(H/C)は、インプットシャフト21と第1キャリアC1とを接続する機能を有し、また、リバースクラッチ(R/C)は、インプットシャフト21と第1サンギアS1とを接続する機能を有する。
ロークラッチ(L/C)は、フォワードワンウエイクラッチ(FO/C)の動作により第1キャリアC1の一方向の回転を第2リングギアR2に伝達する機能を有する。また、ローリバースブレーキ(LR/B)は、ミッションケースKと、ローワンウエイクラッチ(LO/C)のアウターレースとの間に摩擦係合力を生じさせて、第1キャリアC1に制動力を働かせる機能を有する。なお、ローワンウエイクラッチ(LO/C)は、例えばスプラグタイプのものである。
【0018】
このうち、ローワンウエイクラッチ(LO/C)は、第1キャリアC1の正転方向の回転のみをフリーとし、逆転を規制する。いいかえると、この場合第1キャリアC1は、ローワンウエイクラッチ(LO/C)が作動している場合でも、正転方向(エンジンと同一回転方向)にはフリーに回転する。
2−4ブレーキ(2−4/B)は、一端がミッションケースKに固定されリバースクラッチ(R/C)のドラムに巻回されたブレーキバンドと、このブレーキバンドを締め付けるピストンユニット(図示略)とよりなる。そして、この2−4ブレーキ(2−4/B)は、この場合いわゆる2−4ブレーキとして機能して、ピストンユニットに油圧が供給されることにより、図3に示すように、2速及び4速状態のとき、リバースクラッチドラムを締め付け、固定する。
【0019】
そして上記変速機構は、前述した変速制御ユニット5やコントロールバルブ6の制御により、各締結要素を駆動するピストンの作動室に作動油が適宜供給されて、図3に示す如く適宜各締結要素が作動することにより、以下のように動作する。
まず、セレクトレバーがDレンジにあるときには、変速制御ユニット5が出力軸回転(車速)センサ9に基づく車速信号や、車両のエンジン1に取付けられたスロットル開度センサ10からのスロットル開度信号等を受けて、予め設定された変速特性パターンに基づいてシフト位置(1速乃至4速)を決定し、図3の如く各シフト位置に応じて所定のクラッチ又はブレーキを作動させる。
【0020】
すなわち、1速では、ロークラッチ(L/C)を無条件で作動させ、さらに所定の作動条件が満足された場合にローリバースブレーキ(LR/B)を作動させる。この際、ローワンウエイクラッチ(LO/C)は、加速状態において作動する。
これにより、加速時におけるインプットシャフト21の駆動力は、第2サンギアS2を介して第2ピニオンギアP2に伝達され、第2リングギアR2の逆転が阻止された状態での第2サンギアS2の回転に伴う第2ピニオンギアP2の公転(第2キャリアC2の公転)として、アウトプットシャフト22に大きくトルク増幅(減速)されて出力される。
【0021】
そして、減速時におけるアウトプットシャフト22からの逆駆動力は、まずローリバースブレーキ(LR/B)が非作動状態の場合には、ローワンウエイクラッチ(LO/C)の働きにより第2リングギアR2が正転方向へ空転するため、インプットシャフト21に伝達されず、いわゆるエンジンブレーキは働かず、この1速へのシフトダウンもショックなく円滑に行われる。また、ローリバースブレーキ(LR/B)が作動状態の場合でも、ローワンウエイクラッチ(LO/C)の働きによりやはり第2リングギアR2が正転方向へ空転するため、逆駆動力はインプットシャフト21に伝達されず、いわゆるエンジンブレーキは働かない。
なおこの際、ローワンウエイクラッチ(LO/C)とローリバースブレーキ(LR/B)とを、例えば所定の条件下で作動させるようにすれば、適宜エンジンブレーキを働かせることができる。
【0022】
次に、2速では、ロークラッチ(L/C)と2−4ブレーキ(2−4/B)を無条件で作動させる。これにより、加速時におけるインプットシャフト21の駆動力は、第2サンギアS2を介して第2ピニオンギアP2に伝達され、第2キャリアC2と第1リングギアR1を同速度で回転させる。そして一方では、2−4ブレーキ(2−4/B)により第1サンギアS1が固定されるため、第1リングギアR1の回転に伴い、第1キャリアC1と、ロークラッチ(L/C)を介してこれに接続された第2リングギアR2とが正転する。したがって、結果的に加速時のインプットシャフト21の駆動力は、1速のときよりも第2リングギアR2が回転する分だけ増速され、第2ピニオンギアP2の公転(第2キャリアC2の正転)として、アウトプットシャフト22にある程度トルク増幅(減速)されて出力される。
【0023】
次に、3速では、ハイクラッチ(H/C)とロークラッチ(L/C)とを無条件で作動させる。これにより、加速時のインプットシャフト21の駆動力は、第2サンギアS2を介して第2ピニオンギアP2に伝達されるとともに、ハイクラッチ(H/C),第1キャリアC1,ロークラッチ(L/C)及び第2リングギアR2よりなる経路によっても第2ピニオンギアP2に伝達され、結果として第2ピニオンギアP2の公転(第2キャリアC2の回転)として、アウトプットシャフト22に伝達され、速比は1となる。すなわち加速時には、アウトプットシャフト22が、インプットシャフト21と一体的に回転することになる。
【0024】
4速では、ハイクラッチ(H/C)と2−4ブレーキ(2−4/B)とを無条件で作動させる。これにより、加速時のインプットシャフト21の駆動力は、ハイクラッチ(H/C)、第1キャリアC1、第1ピニオンギアP1、第1リングギアR1、第2キャリアC2を介してアウトプットシャフト22に伝達される。また、2−4ブレーキ(2−4/B)の作動により第1サンギアS1が固定される。この結果、加速時のインプットシャフト21の回転は、第1サンギアS1が停止した状態での第1ピニオンギアP1の回転に伴う第1リングギアR1の回転(第2キャリアC2の回転)として、アウトプットシャフト22に増速されて出力される。そして、減速時におけるアウトプットシャフト22からの逆駆動力は、駆動力伝達にワンウエイクラッチを介していないため、常時インプットシャフト21に伝達され、いわゆるエンジンブレーキが働く。
【0025】
次に、セレクトレバーがRレンジに操作されると、リバースクラッチ(R/C)とローリバースブレーキ(LR/B)が無条件で作動する。すると、インプットシャフト21の駆動力は、リバースクラッチ(R/C)を介して第1サンギアS1に伝達され、第1キャリアC1(第1ピニオンギアP1の公転)が停止した状態での第1サンギアS1の回転に伴う第1リングギアR1の逆転(第2キャリアC2の逆転)として、アウトプットシャフト22に回転方向が反転されかつトルク増幅(減速)されて出力される。このため、車両の後退が可能となる。
【0026】
なお、上記のような自動変速機では、例えば2速から3速にシフトアップする際に、2−4ブレーキ(2−4/B)を解放して、ハイクラッチ(H/C)を締結するという、いわゆる掛け換え変速を行う必要がある。
そして、駆動力正(アクセルオン)の状態下でこの掛け換え変速を行う際には、解放側の締結要素(例えば2−4ブレーキ(2−4/B))が負担すべき伝達トルクが丁度ゼロまで減少したときに、解放側の締結要素のトルク容量をゼロとして完全に解放することが理想的である。
というのは、締結側の締結要素のトルク容量が増加してその伝達トルクが上昇すると、これに伴って解放側の締結要素が負担すべき伝達トルクが減少するが、この伝達トルクがゼロになる前に解放側の締結要素を完全に解放してしまうと、エンジン回転数が上昇しいわゆる空吹け状態になってしまう。一方、前記伝達トルクがゼロになっても、解放側の締結要素が完全に解放されないと、いわゆるインタロックを生じて解放側の締結要素は負の反力を発生することになり、これによって出力トルクが低下し変速ショックとなるからである。
【0027】
このため、一般にワンウェイクラッチを用いない駆動力正のアップシフト掛け換え変速では、各締結要素の作動油圧を調整することにより、解放側の締結要素のトルク容量を減少させつつ、これに対応させて締結側の締結要素のトルク容量を滑らかに増加させてゆく制御を行うが、実際には完全なタイミングがとれずに解放側の締結要素の完全解放を若干遅らせてある程度の出力低下及び変速ショックを生じさせているのが現状である。
そこで近年では、入力軸や出力軸に回転センサを設けて、各締結要素の滑り出しや結合開始の正確な時期を学習し、これに基づいて油圧調整のタイミングを補正するといったより高度な電子制御によって、この掛け換え変速のタイミングをより最適化しようとする動きがある。
【0028】
次に、複数の摩擦係合要素の作動状態を切り替えて段階的な変速を行う際の空吹けを適切に抑制する本実施例の変速制御動作について説明する。
図4、図5はアップシフトが行われる際の解放側の摩擦係合要素の制御プログラムを示すフローチャートであり、本プログラムは、例えば10msに1回繰り返して実行される。本プログラムの説明に当り、例えば2速から3速にシフトアップする際の変速で、2−4ブレーキ(2−4/B)を解放して、ハイクラッチ(H/C)を締結するという、いわゆる掛け換え変速を行う場合を例にとる。
プログラムがスタートすると、まずステップS10で変速信号(すなわち、アップシフト指令)があるか否かを判別する。変速信号は、例えば変速制御ユニット5がスロットル開度センサ10、タービンセンサ4、出力軸回転センサ9からの信号に基づいて自動変速機2の変速を行う必要があると判断した場合に出力される。変速信号がなければ、ステップS12に進んで解放側の摩擦係合要素(ここでは、2−4ブレーキ(2−4/B))への供給油圧PをPMAX(最大油圧)にセットする。これにより、後述のようにソレノイド弁11がデューティ制御されて、解放側の摩擦係合要素の締結が継続することになる。
【0029】
また、ステップS12ではタイマtimer=「0」、変速開始時初期フラグf_init=「0」、空吹け発生フラグf_slip=「0」にセットする。タイマtimerは変速開始からの経過時間をカウントするもので、カウント値は変速開始から解放側の摩擦係合要素への供給油圧の制御を行った経過時間に相当する。変速開始時初期フラグf_initは変速の1回目に「1」となり、変速が開始されたことを表すものである。空吹け発生フラグf_slipは変速開始後にスリップ量が所定値を越えて空吹けが発生した場合に、「1」にセットされるものである。
【0030】
次いで、ステップS14でデューティ(Duty)出力制御を行う。これは、解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pを制御するソレノイド弁11(デューティソレノイド弁)の1サイクル中におけるオン時間の割合(デューティ比)を変化させるもので、今回のルーチンでは解放側の摩擦係合要素への供給油圧PがPMAX(最大油圧)にセットされているので、解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pは最大となって締結が続けられる。ステップS14を経ると、今回のルーチンを終了する。
次回以降のルーチンでも変速信号がなければ、ステップS10〜ステップS14のループが繰り返され、解放側の摩擦係合要素の締結が続く。
【0031】
変速信号があると(変速が開始されると)、ステップS10からステップS16に分岐してタイマtimerをカウントアップする。これにより、タイマtimerが10ms毎にカウントアップし、変速開始からの経過時間がカウントされていくことになる。次いで、ステップS18で変速開始時初期フラグf_initが「1」であるか否かを判別し、変速が開始された初回のルーチンではまだf_initが「0」であるので、NOに分岐しステップS20で解放側の摩擦係合要素への供給油圧PをPINIT(初期油圧)に設定するとともに、変速開始時初期フラグf_initを「1」に設定してステップS22以降の処理に進む。なお、ステップS22以降の処理は、変速が開始された2回目以降のルーチンと同様であるので、詳細を後述する。これにより、変速開始のタイミングでは解放側の摩擦係合要素への供給油圧PがPINIT(初期油圧)となるようにソレノイド弁11のデューティ制御が行われることになる。
【0032】
変速が開始された2回目以降のルーチンでは、ステップS18の判別結果がYESとなり、ステップS18でYESに分岐してステップS22に進む。ステップS22ではスリップ量(スリップ回転数)Nsが−20rpmより小さいか否かを判別する。スリップ量Nsは、トルクコンバータ3のタービン回転数Ntと変速機出力軸(アウトプットシャフト22)の回転数Noとに基づいて算出し、具体的にはタービン回転数Ntから変速機出力軸の回転数Noと変速前の変速機ギア比iとの積を減算した以下に示す式に従って算出する。
Ns=Nt−No×i
なお、Ns>0のときはいわゆる空吹け、Ns<0のときはアップシフトの場合のイナーシャフェーズとなる。
【0033】
ステップS22でスリップ量Nsが−20rpmより大きい(すなわち、絶対値ではスリップ量Nsが20rpmより小さい)ときは、ステップS24に分岐して空吹け発生フラグf_slipが「1」であるか否かを判別する。変速が開始された初回のルーチンではまだf_slipが「0」であるので、NOに分岐しステップS26に進む。ステップS26ではスリップ量Nsが20rpmより大きく、かつスリップ量Nsの変化率αが正(スリップ量が増大方向にある状態:α>0)であるか否かを判別する。NOのときは空吹きしていないと判断してステップS28に進み、解放側の摩擦係合要素への供給油圧PをP=P−PDELTAなる式に基づいて演算し、供給油圧PをPDELTAの割り合いだけ減少させる。次いで、ステップS30でデューティ(Duty)出力制御を行う。これにより、ソレノイド弁11がデューティ制御されて、解放側の摩擦係合要素への供給油圧PがPDELTAの割り合いだけ減少する。ステップS30を経ると、今回のルーチンを終了する。
【0034】
一方、変速が開始された2回目以降のルーチンでまだf_slipが「0」である場合で、ステップS26に進んだとき、スリップ量Nsが20rpmより大きく、かつスリップ量Nsの変化率αが正であれば、スリップ量が増大する方向に空吹きが発生したと判断してステップS32に進む。ステップS32では空吹け発生フラグf_slipを「1」にセットするとともに、その時点で解放側の摩擦係合要素に供給していた油圧PLASTをP(解放側の摩擦係合要素への供給油圧)としてセットする。また、空吹きを抑えるための油圧補正量PUPを図6に示すPUPテーブルを参照してルックアップし、先にセットしたPに油圧補正量PUPを加えた値を今回の供給油圧Pとして演算する。すなわち、、P=P+PUPとして演算される。次いで、ステップS30でデューティ(Duty)出力制御を行う。これにより、ソレノイド弁11がデューティ制御されて、解放側の摩擦係合要素への供給油圧PはP=PLAST+PUPとなり、図7に示すように、解放側の摩擦係合要素に供給していた油圧PLASTに対して油圧補正量PUPを加えた割り合いだけ供給油圧が増大する。したがって、変速開始に伴う空吹きを抑えるように解放側の摩擦係合要素への供給油圧が制御される。ステップS30を経ると、今回のルーチンを終了する。
【0035】
以上の処理で空吹きを抑えるような制御が行われ、スリップ量Nsが減少するが、次回以降のルーチンでは空吹け発生フラグf_slip=「1」にセットされているので、ステップS24の判別結果がYESとなってステップS34に分岐する。ステップS34ではスリップ量Nsが20rpmより小さいか、又はスリップ量Nsの変化率αが負(スリップ量が減少方向にある状態:α<0)であるか否かを判別する。NOのときはまだそのような状態(スリップ量Nsが20rpmより小さいか、又はスリップ量Nsの変化率αが負の状態)にないと判断してステップS30に進み、いままでの供給油圧Pの値を継続する。したがって、空吹けが終了するまで、この状態が保持される。
【0036】
そして、スリップ量Nsが減少して20rpmより小さくなるか、あるいはスリップ量Nsの変化率αが負(スリップ量が減少方向に変化する状態)になると、ステップS36に進み、空吹け終了と判断して空吹け発生フラグf_slipを「0」にリセットする。次いで、ステップS38で解放油圧指令値Pを補正するための油圧補正量PDOWNを図6に示すPDOWNテーブルを参照してルックアップし、先にセットしたPLAST(すなわち、空吹きが発生した時点で解放側の摩擦係合要素に供給していた油圧)に油圧補正量PDOWNを加えた値を今回の供給油圧Pとして演算する。すなわち、P=PLAST+PDOWNとして演算される。次いで、ステップS30でデューティ(Duty)出力制御を行う。これにより、ソレノイド弁11がデューティ制御されて、図7に示すように、解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pは前回のルーチンに比べてP=PLAST+PDOWNなる値まで低下する。したがって、空吹きの終了に対応して解放側の摩擦係合要素への供給油圧が低くなる方向に制御される。ステップS30を経ると、今回のルーチンを終了する。
なお、図6に示すテーブルでは油圧補正量PUPと油圧補正量PDOWNが異なる値に設定されており、これにより、制御過程でのハンチングを防止している。
【0037】
いままでの処理で、空吹け発生フラグf_slipが「0」にリセットされるが、次回以降のルーチンで再び空吹きが発生すると、またステップS24、ステップS26、ステップS32、ステップS30というループを繰り返し、空吹けを抑えるように解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pが制御され、その後、また同様にステップS24、ステップS34、ステップS36、ステップS38、ステップS30のループを繰り返し、スリップ量Nsを増大させる方向に解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pが制御される。
そして、スリップ量Nsが十分に減少して−20rpmより小さくなると、ステップS22の判別結果がYESとなってステップS40に分岐する。ステップS40では実変速開始制御を行い、ステップS42で実変速開始制御に対応するデューティ(Duty)出力制御を行ってルーチンを終了する。これにより、変速後のスリップ量Nsが十分に小さく、係合側の摩擦係合要素の係合に伴ってトルクコンバータ3のタービン回転数Ntが低下してきて、アップシフト操作を行っても変速ショックがほとんど発生しない状態となった場合には、いわゆる微小スリップ制御から係合側の摩擦係合要素を完全に係合させる実変速開始制御が行われることになり、アップシフト操作が終了する。
【0038】
図7はアップシフトの変速制御を行う場合のタイミングチャートである。図7に示すように、変速が行われる前は解放側の摩擦係合要素(2−4ブレーキ(2−4/B))への供給油圧(解放油圧指令値)PがPMAXに保持されて解放側の摩擦係合要素の締結が継続している。そして、変速が行われると、解放側の摩擦係合要素への供給油圧PがPINITまで下がり、トルクコンバータ3のタービン回転数Ntと変速機出力軸の回転数Noとの間にスリップ量Nsが発生するようになる。また、このときタイマtimerにより変速開始からの経過時間がカウントされる。スリップ量Nsが所定範囲を越える空吹けが発生する迄の間は、解放側の摩擦係合要素への供給油圧PをPDELTAの割り合いだけ減少させる。すなわち、解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pが徐々に下がる。
【0039】
スリップ量Nsが所定範囲を越える空吹けが発生すると、その時点で解放側の摩擦係合要素に供給していた油圧PLASTを記憶し、これに油圧補正量PUPを加えた割り合いだけ供給油圧を増大する制御が行われる。したがって、変速開始に伴う空吹きを抑えるように解放側の摩擦係合要素への供給油圧が制御される。空吹きの終了を検知(スリップ量Nsが20rpmより小さいか、又はスリップ量Nsの変化率αが負になる状態)するまでは、この状態を保持し、空吹きの終了を検知すると、記憶しておいた供給油圧PLASTに油圧補正量PDOWNを加えた割り合いだけ供給油圧を減少する制御が行われる。したがって、空吹きの終了に対応して解放側の摩擦係合要素への供給油圧が低くなる方向に制御される。そして、再び空吹けが発生する迄の間は、前記同様に解放側の摩擦係合要素への供給油圧PがPDELTAの割り合いだけ減少し、解放側の摩擦係合要素への供給油圧Pが徐々に下がっていく。次いで、再び空吹きが発生すると、同様に供給油圧記憶値PLASTに油圧補正量PUPを加えた割り合いだけ供給油圧を増大する制御が行われ、空吹きが抑えられる。
【0040】
この場合、油圧補正量PUP、PDOWNは図6に示すように変速開始からの経過時間に応じて適切な値に設定(例えば、実験等により算出した適切な値としてテーブルに記憶)されている。変速開始からの経過時間が小さい程、空吹けが生じたときの油圧補正量PUP、PDOWNの値が大きく、経過時間が大きくなる程、空吹けが生じたときの油圧補正量PUP、PDOWNの値が徐々に小さくなっている。したがって、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けを速やかに解消(すなわち、トルク引きを減少)することができる。その結果、変速ショックを防止して変速性能を向上させることができる。
【0041】
また、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けが抑制されているので、係合側の摩擦係合要素(ハイクラッチ(H/C))が結合を開始する頃の出力トルクに対しても、係合側の摩擦係合要素が締結することによって空吹けが防止されることから、出力トルク変動が抑制される。すなわち、破線で示す従来例と異なり、本実施例では出力トルク変動が少なくなって、インターロックを緩和することができ、変速性能を向上させることができる。
なお、第1実施例では2速から3速にシフトアップする際の変速で、2−4ブレーキ(2−4/B)を解放して、ハイクラッチ(H/C)を締結するという掛け換え変速を行う場合を例にとって制御を説明したが、その他の変速段階でも同様の制御を行うことが可能である。また、2速から3速にシフトアップする場合でなく、逆に3速から2速にシフトダウンする場合であっても、同様の制御内容を適用することにより、同様の効果を得ることができる。その場合、シフトダウン変速の制御では、例えば図8に示すような油圧補正量PUP、PDOWNのテーブルを使用し、シフトアップする場合に比べて油圧補正量PUP、PDOWNの値が小さく、かつ変速開始からの経過時間に対応して減少する割合も小さく設定される。
【0042】
次に、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例は空吹けと判定するスリップ量NsのスライスレベルNs’(スリップ量が所定値より増大したと判定する判定値)を変更する例である。なお、第2実施例では変速制御ユニット5が所定値補正手段の機能を実現する。
図9、図10はアップシフトの変速を行う場合の制御プログラムを示すフローチャートである。図9、図10に示すプログラムの説明に当り、第1実施例と同様の処理を行うステップには同一番号を付して重複説明を省略する。
第2実施例では、ステップS22からNOに分岐すると、次いで、ステップS23で空吹けと判定するスリップ量NsのスライスレベルNs’を算出する。スライスレベルNs’は図11に実線で示すように変速開始からの経過時間に対応して増加するように設定されており、例えば実験等により決定した適切な値としてテーブルに記憶されている。
【0043】
ステップS23ではテーブルからルックアップする処理によりスライスレベルNs’を算出する。次いで、ステップS24以降の処理を行うが、このとき第2実施例ではステップS26、ステップS34の判定処理において第1実施例の場合と異なり、スリップ量Nsのスライスレベルが20rpmと固定されず、変速開始からの経過時間に応じて増加していく。したがって、図12に変速制御のタイミングチャートを示すように、解放側の摩擦係合要素への解放油圧指令値Pの制御間隔が大きくなるとともに、制御の分解能をそれほど高める必要がなく、油圧系統の制御が容易である。
【0044】
なお、第2実施例でも同様に2速から3速にシフトアップする際の変速で、2−4ブレーキ(2−4/B)を解放して、ハイクラッチ(H/C)を締結するという掛け換え変速を行う場合を例にとって制御を説明したが、その他の変速段階でも同様の制御を行うことが可能である。また、2速から3速にシフトアップする場合でなく、逆に3速から2速にシフトダウンする場合であっても、同様の制御内容を適用することにより、同様の効果を得ることができる。その場合、シフトダウン変速の制御では、例えば図11に破線で示すようなスリップ量NsのスライスレベルNs’を採用し、アップシフトの場合とダウンシフトの場合とでスライスレベルNs’を異なるようにしてもよい。そのようにすると、アップシフト、ダウンシフトのそれぞれに適切に対応したスライスレベルNs’になって、よりきめ細かく変速制御を行うことができる。
【0045】
本発明の自動変速機の制御装置は、上記各実施例のような構成例に限られず、各種の構成例があり得る。
また、上記制御に加えて解放側の摩擦係合要素への供給油圧を油温や電圧によって補正するようにしてもよい。そのようにすると、より一層きめ細かく変速性能を向上させることができる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、摩擦係合要素のスリップ量が所定値より増大したとき、解放側の摩擦係合要素の上昇させるべき締結力を補正しているので、変速開始に解放側の摩擦係合要素への供給油圧が適切に制御され、変速開始に伴う空吹きを抑えることができる。特に、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けを速やかに解消すること(すなわち、トルク引きを減少させること)ができる。その結果、変速ショックを防止して変速性能を向上させることができる。
また、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けが抑制されるので、締結側の摩擦係合要素が結合を開始する頃の出力トルクに対しても、締結側の摩擦係合要素が締結することによって空吹けを防止して、出力トルク変動を抑制することができる。すなわち、従来と異なり、本発明では出力トルク変動が少なくなって、インターロックを緩和することができ、変速性能を向上させることができる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値より減少した状態、又はスリップ量の変化率が所定値より減少した状態のうち、少なくとも1つの状態が生じたとき、解放側の摩擦係合要素の下降させるべき締結力を補正することにより、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けを速やかに解消(すなわち、トルク引きを減少)することができる。その結果、変速ショックを防止して変速性能を向上させることができる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、変速開始からの経過時間に応じて解放側の摩擦係合要素のスリップ量を判定する所定値を補正することにより、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けを適切かつ速やかに解消することができる。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、変速開始からの経過時間が大きい程、解放側の摩擦係合要素の上昇させるべき締結力の補正量を小さくすることにより、空吹きが生じたときにおける解放側の摩擦係合要素の締結力が時間経過に対応してより適切に制御され、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けを素速く解消することができる。
【0050】
請求項5記載の発明によれば、変速開始からの経過時間が大きい程、解放側の摩擦係合要素の下降させるべき締結力の補正量を小さくすることにより、同様に空吹きが生じたときにおける解放側の摩擦係合要素の締結力が時間経過に対応してより適切に制御され、解放側の摩擦係合要素への供給油圧の低下開始時に生じるアンダーシュートによる空吹けを素速く解消することができる。
【0051】
請求項6記載の発明によれば、変速開始からの経過時間が大きい程、解放側の摩擦係合要素のスリップ量を判定する所定値を大きくすることにより、解放側の摩擦係合要素の締結力の制御間隔が大きくなるとともに、制御の分解能をそれほど高める必要がなく、油圧系統の制御を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の制御装置を適用した第1実施例の車両の構成を示すブロック図である。
【図2】変速機構のスケルトンを示す図である。
【図3】変速機構の各締結合要素の作動状態を示す図である。
【図4】変速制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図5】変速制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図6】油圧補正量のデータテーブルを示す図である。
【図7】アップシフトの変速制御を行う場合のタイミングチャートである。
【図8】油圧補正量の他のデータテーブルを示す図である。
【図9】本発明の第2実施例の変速制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例の変速制御のプログラムを示すフローチャートである。
【図11】油圧補正量のデータテーブルを示す図である。
【図12】アップシフトの変速制御を行う場合のタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
5 変速制御ユニット(経過時間計測手段、第1の補正手段、第2の補正手段、所定値補正手段)
6 コントロールバルブ
11 ソレノイド弁
21 インプットシャフト
22 アウトプットシャフト
(2−4/B) 2−4ブレーキ(解放側の摩擦係合要素)
(H/C) ハイクラッチ(締結側の摩擦係合要素)
Claims (6)
- 複数の摩擦係合要素の作動状態を切り替えて段階的な変速制御を行うとともに、
変速制御時に、解放側の摩擦係合要素の締結力を低下させ、締結側の摩擦係合要素の締結力を上昇させる制御を行う際に、解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値を越えたときに、解放側の摩擦係合要素の締結力を上昇させてスリップ量が所定範囲に納まるように締結力を制御する自動変速機の制御装置において、
変速開始からの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値より増大したとき、前記経過時間計測手段の出力に基づいて解放側の摩擦係合要素の上昇させるべき締結力を補正する第1の補正手段と、
を設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量が所定値より減少した状態、又はスリップ量の変化率が所定値より減少した状態のうち、少なくとも1つの状態が生じたとき、前記経過時間計測手段の出力に基づいて解放側の摩擦係合要素の下降させるべき締結力を補正する第2の補正手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
- 変速開始からの経過時間に応じて、前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量を判定する所定値を補正する所定値補正手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の自動変速機の制御装置。
- 前記第1の補正手段は、
変速開始からの経過時間が大きい程、前記解放側の摩擦係合要素の上昇させるべき締結力の補正量を小さくすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の自動変速機の制御装置。 - 前記第2の補正手段は、
変速開始からの経過時間が大きい程、前記解放側の摩擦係合要素の下降させるべき締結力の補正量を小さくすることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の自動変速機の制御装置。 - 前記所定値補正手段は、
変速開始からの経過時間が大きい程、前記解放側の摩擦係合要素のスリップ量を判定する所定値を大きくすることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の自動変速機の制御装置。
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