JP3589606B2 - 表皮木目模様の形成方法及びそのダイス構造 - Google Patents

表皮木目模様の形成方法及びそのダイス構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂押出成形品のダイス構造に関し、特には、窓サッシ用の枠材や框材等の建材に好適な木目調の樹脂押出成形品に対する表皮木目模様の形成方法及びそのダイス構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窓サッシ用の枠材や框材等の建材の外表面に、柾目模様や板目模様からなる木目調の模様が形成されることがある。従来、このような木目調の模様は、モールディング状の押出成形品の表面に、木目模様が印刷された塩化ビニールフィルム等を貼着することにより形成されていたが、近年においては、耐候性に優れた木粉や顔料入り硬質押出成形用樹脂材料が開発され、かかる木目模様を有する押出成形品が窓サッシ用の建材として多く利用されている。
【0003】
上記木粉や顔料入り硬質押出成形用樹脂材料は、色調、流動特性や溶融温度などに異なった性質を有する顔料や樹脂材料を少なくとも二種以上混合し、上記樹脂材料の色調差や流動性が現れるように一台の押出機で同時に混練し押し出すことによって木目模様が表される。しかるに、上記木粉入り硬質押出成形用樹脂材料は、従来の塩化ビニールフィルム等と比較して非常に高価であるため、上記押出成形品である基礎建材を塩化ビニールなどの安価な樹脂材料で成形し、この基礎建材の表皮を上記木粉入り硬質押出成形用樹脂材料で構成するようにして、上記基礎建材の表面が上記表皮で被覆されるように二層押出を行うことが多い。
【0004】
このような従来技術として、特許第2867244号、特開平11−10699号等の木粉入り硬質押出成形法が存在する。
そこで、これらの従来技術としての木粉入り硬質押出成形装置は、芯材押出装置において、芯材押出機の先端に芯材用ダイスを介して製品金型が取り付けられており、表皮押出装置においては、表皮押出機の先端に表皮用ダイスが取り付けられ、この表皮用ダイスを介して表皮押出機が上記金型に連結される構成が一般的に採用されている。
【0005】
そして、上記特許第2867244号における木粉入り硬質押出成形法は、図7に示すように、木目模様を形成する手段として、溶融樹脂流路に軟化溶融樹脂の流れを分配する複数の仕切りを、木目模様のデザイン設計に従って等分の配置又は非等分の配置に設けて成形し、その成形結果の一態様として、柾目模様の樹脂被覆成形品あるいは木目模様の樹脂被覆成形品を得るようにしている。
【0006】
上記図7は、押出成形機に適用されるダイスの展開図を示したもので、ダイスヘッドに続く湯道2は、二つの流路3a、3bをB1,B2方向に分岐し、これを更に四つに分岐させると共に、これらを更に16等分に等分する配置として複数の仕切り4、4を設けて樹脂の流れを16等分に分配した流路B,Bを設ける構成としてある。このように構成することによって、木目模様樹脂の被覆層厚さを均一にすると共に、木目模様の美麗さを作り出すようにすることを、その目的としている。
【0007】
しかしながら、上記従来の成形法によっても、木粉を混合した軟化溶融流動性が良好な合成樹脂は、流動圧力や軟化温度や軟化溶融温度にバラツキが生じることから、形成する木目模様などに応じて樹脂材料の混練の程度を調整しなければならず、押出機やダイスの構造および押出条件などの環境設定に煩わしい手間が掛かっていた。また、上記方法によって得られる押出成形品であっても、形成される模様が本来の自然な木目模様を醸し出すにはいずれも十分ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、本発明は、木粉や顔料等を含む木目調樹脂材料を押し出す際に、押し出し圧力を流路の分配等によって調整することで、均一で美麗な木目模様を製品表面に形成することのできる表皮木目模様の形成方法及びそのダイス構造を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1の発明に係る表皮木目模様の形成方法は、木粉、樹脂及び顔料を含む表皮成形材料を共押出機で溶融混合し、主押出機先端に取り付けられた金型に供給し、該金型は基材用ダイスと表皮用ダイスからなり、主押出機から供給される基材成形材料は基材用ダイスで成形されると共に、共押出機から供給される表皮成形材料は表皮用ダイスで基材表面に積層成形され、上記基材表面に積層形成される表皮成形材料により木目模様を形成する方法において、
上記表皮用ダイスの表皮形成材料入口部から主流路を設け、上記主流路から溜り部に通じる複数の導入路を設けると共に、該各導入路の断面形状及び間隔を上記溜り部に対する表皮形成材料の流入圧が均一になるように適宜調整し、上記溜り部から通じ該溜り部より流路深さを浅くした分流部を設け、該分流部から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部を設けることによって基材表面に表皮成形材料を積層成形するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る本発明の表皮木目模様形成のダイス構造は、木粉、樹脂及び顔料を含む表皮成形材料を共押出機で溶融混合し、主押出機先端に取り付けられた金型に供給し、該金型は基材用ダイスと表皮用ダイスからなり、主押出機から供給される基材成形材料は基材用ダイスで成形されると共に、共押出機から供給される表皮成形材料は表皮用ダイスで基材表面に積層成形され、上記基材表面に積層形成される表皮成形材料により木目模様を得るためのダイス構造において、
上記表皮用ダイスの表皮形成材料入口部から主流路を設け、上記主流路から溜り部に通じる複数の導入路を設けると共に、該各導入路の断面形状及び間隔は上記溜り部に対する表皮形成材料の流入圧が均一になるように適宜調整されてなり、上記溜り部から通じ該溜り部より流路深さを浅くした分流部を設け、該分流部から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部を設けることによって基材表面に表皮成形材料を積層成形することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る本発明の表皮木目模様形成のダイス構造は、請求項2の発明において、上記表皮用ダイスの表皮樹脂流路の前後面の一面を平面状に形成すると共に、他面を主流路から実質的に段差もしくは傾斜を有して流路深さを順次浅くするように形成してなることを特徴とする。
請求項4に係る本発明の表皮木目模様形成のダイス構造は、請求項3の発明において、上記溜り部から通じる上記分流部において、その流路の幅を1〜10mmとし、流路を複数路に分岐して設けたことを特徴とする。
請求項5に係る本発明の表皮木目模様形成のダイス構造は、請求項3の発明において、上記溜り部から通じる上記分流部において、その流路の深さを溜り部から表皮層成形部にかけて徐々に浅くする傾斜分配路を等間隔に設けると共に、主流路から溜り部に通じる導入路を傾斜分配路の間に設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1は本発明のダイス構造が設けられた押出成形装置の要部を示す断面図、図2は表皮用ダイスを表皮樹脂流路に沿って切断した状態を示す断面図、図3は図2の拡大断面図で、(a)はA−A断面図、(b)はA−B断面図、図4は図2の分流部と表皮層形成部における部分拡大図、図5は第2の実施形態における表皮用ダイスを表皮樹脂流路の正面図、図6は図5の拡大断面図で、(a)はA−A断面図、(b)はA−B断面図である。
【0013】
図1は本発明のダイス構造が設けられた押出成形装置の要部を示す断面図である。上記図1において、本発明に係る表皮用ダイス構造が設けられた押出成形装置は、木粉、樹脂及び顔料を含む表皮成形材料を共押出機20で溶融混合し、主押出機10の先端に取り付けられた金型に供給し、この金型は基材用ダイス30と表皮用ダイス40からなり、主押出機10から供給される基材成形材料により基材用ダイス30にて成形品50が成形されると共に、共押出機20から供給される表皮成形材料は表皮用ダイス40で基材表面に表皮層60を積層成形するようにして窓サッシ等の枠材や框材等の成形品50を成形するように構成される。
ここに、主押出機10および共押出機20には、一般的な公知の押出機が任意に使用される。また、表皮成形材料として用いる樹脂材料としては、塩化ビニルやアクリル樹脂が好適である。
【0014】
上記基材用ダイス30は、基材の主押出機10によって溶融されて押し出された基材用樹脂材料の流れを適宜に整えて金型に送るためのもので、基材樹脂流路31を有し、主押出機10の先端に取り付けられ、この基材樹脂流路31の入口32は上記主押出機10のノズルに通じており、また、基材樹脂流路31の出口33は表皮用ダイス40に連通している。
【0015】
上記金型は、基材用ダイス30と表皮用ダイス40からなり、そしてこの基材用ダイス30の出口33側に表皮用ダイス40が取り付けられている。この表皮用ダイス40には基材樹脂入口40aと、製品断面形状に形成された成形品出口40bとが形成され、これら基材樹脂入口40aと成形品出口40bを連通する樹脂流路42が形成されている。
【0016】
そして、この金型を構成する表皮用ダイス40は樹脂流路21を介して共押出機20に接続される。また表皮用ダイス40には樹脂流路42が形成され、この樹脂流路42が上記共押出機20の樹脂流路21に入口部41を介して一端が通じ、他端が成形品出口40bに通じている。
この表皮用ダイス40内には、上記共押出機20によって溶融混練された木目調表皮樹脂が、表皮樹脂の入口部41を介して樹脂流路42内に押し出される。
上記表皮用ダイス40の樹脂流路42は、基本的に表皮形成材料の入口部41から主流路43と、溜り部45に通じる複数の導入路44,44と、上記溜り部45から通じる分流部46と、該分流部46から通じる表皮層形成部47を設けることによって構成される。
【0017】
上記表皮用ダイス40の成形品出口40bに通じる表皮層形成部47は、表皮樹脂流路42に対し、主流路43から漸次、そして最終的に急に狭くなる形状とされる。しかも、上記分流部46と表皮層形成部47との境界部の片側の壁面には、基本的に樹脂流れを規制する段部が設けられており、この狭まりは、上記表皮層形成部47を流出する木目調表皮樹脂の一側部分の流速を遅くするものである。
【0018】
次ぎに、本発明に用いるダイス構造について詳細に説明する。上記図2に示す表皮用ダイス40において、表皮樹脂流路42は表皮形成材料入口部41から一本の主流路43を設け、上記主流路43から溜り部45に通じる複数の導入路44,44を設け、上記溜り部45から通じ該溜り部45より流路深さを浅くした分流部46を設け、該分流部46から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部47を設けることによって成形品50である基材表面に木目模様を呈した表皮成形材料60を積層成形するようにしてある。
上記導入路44,44から通じる溜り部45は、全体形状を実質的にコ字状に形成されてなるから、その内側部に分流部46に通じて形成される上記表皮層形成部47は、同様にコ字形状をしてなり、成形品50の対向面とその両側面の三面を樹脂積層する構成となっている。
【0019】
上記表皮用ダイス40の表皮樹脂流路42は、基本的にその前後面の背面を平面状に形成すると共に、前面を主流路43から実質的に段差を有して流路深さを順次浅くなるように形成してなる。
また、溜り部45における溶融混合した表皮成形材料の流入及び流出配分圧力を均一化するために、主流路43から溜り部45に通じる導入路44を複数設けてある。このような構成によって、上記溜り部45には木目模様を有する表皮樹脂が均一な状態で分配されることとなり、また均一分配された状態で更に分流部46から表皮層形成部47へ分流されるものである。
すなわち、上記櫛歯状に設けられた導入路44,44の各々の断面形状を異ならせたり、相互の間隔調整をすることにより、幅広状に形成された溜り部45の全体に表皮成形材料の流入圧を均一になるよう自在に選定できるものである。
そして、溜り部45に均等圧にて停溜した表皮樹脂材料は、各分流部46,46から均等圧にて表皮層成形部47へ押し出されるもので、このとき分流部46は流路深さを浅く調整されているため、流れ難さを伴うこととなり、その結果それぞれの分流部46から木目模様を発生させ表皮樹脂が押し出されるものである。
【0020】
そして、実施品としてのサッシ材である成形品50は、一例として横幅が約80mmからなり、そのため上記表皮用ダイス40の表皮樹脂流路42の横幅は、約85mmからなる。そこで、図3に示す拡大断面図に基づいて、樹脂流路42を構成する主流路43、溜り部45等の横幅Hと流路深さW(mm)を以下に示す。ここで流路深さとは、流路を流れる樹脂の厚さを意味し、かつ最終的には表皮成形層の厚さを決定するものである。
【0021】
ここで、実験によって得られた各流路の横幅H(mm)は、主流路は(5〜6)、導入路は(3〜4)、溜り部は(3)、分流部は(2)、表皮層形成部は(4)であり、また、流路の深さWは、主流路は(3.5〜4)、導入路は(3〜3.5)、溜り部は(3)、分流部は(1)、表皮層形成部は(0.3)が最も適正な数値であった。しかしながら、上記数値は、あくまで実験による理想数値であるから、これに拘ることなく、これに近似した他の任意の数値を選択しうるものである。
具体的な成形品50を成形するについては、上記溜り部45から通じる上記分流部46において、その流路の横幅を1〜10mmとし、溶融混合した表皮樹脂材料の流路を複数路に分配して材料の整流化を行っている。
また、美麗な柾目模様を表出するには、分流部46の流路間の壁厚である深さを約1〜3mmとすることが必要である。
【0022】
次ぎに、図4の分流部と表皮層形成部における部分拡大図において、各分流部46と表皮層形成部47の実寸法はおよそ以下のように、実験的に得られた数値によって決定される。
まず、分流部46の横幅は、上記したように実施例においては約2mmに形成されており、種々の実験によれば1mm〜10mmが適正な数値であった。そして、各分流部46,46の間に形成された空間部48,48及び分流部46,46のピッチPは、木目模様の種類である柾目模様か板目模様かに合わせて2mm〜∞とすることが適当 であった。
【0023】
ここに、上記分流部46のピッチP(mm)は、柾目細模様は(3〜5)、柾目粗模様は(5〜10)、板目模様は(10〜∞)が適正であった。このことから、木目の細かい柾目模様を表出するには、分流部46の流路幅を1〜3mmとすればよく、また木目の粗い柾目模様を表出するには、分流部46の流路幅を4〜8mmとすればよいことが判明した。
【0024】
次ぎに、上記各分流部46は、所定の広がり角Qを有する流路を介して分配され、表皮層形成部47に通じているものである。この広がり角Qを設けることにより、分流部46で絞られた樹脂の木目模様が適宜の間隔に拡張されて所定の木目間隔模様を呈することとなる。
しかるに、実験によれば、上記流路の広がり角Qは、美麗な柾目模様を表出するには、10〜15度が最も適正な角度であって、5〜20度の範囲においては適正な柾目模様が得られた。
【0025】
更に上記分流部46は、上記広がり角Q内において、表皮層形成部47に通じる先端部を円曲状に形成して、その半径Rを0.5〜∞としてあり、上記実施例にあっては、分流部46の横幅を2mmとしたことから、半径Rは1mmに形成されている。
ここに、上記半径Rは、柾目細模様は(1〜2)、柾目荒模様は(2〜5)、板目模様は(∞)が適正であった。すなわち、この板目模様は目幅の程度により上記半径Rは∞迄の数値が選定される。
【0026】
次ぎに、図5は第2の実施形態における表皮用ダイスを表皮樹脂流路の正面図、図6は図5のA−A断面図、A−B断面図であり、これら各図に基づいて、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0027】
上記図5に示す第2の実施形態における表皮用ダイス40においても、表皮樹脂流路42は表皮形成材料入口部41から一本の主流路43を設け、上記主流路43から溜り部45に通じる複数の導入路44,44を設け、上記溜り部45から通じ該溜り部45より流路深さを浅くした分流部46を設け、該分流部46から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部47を設けることによって成形品50の表面に木目模様を呈した表皮成形材料60を積層成形する。
【0028】
上記表皮用ダイス40の樹脂流路42は、基本的にその前後面の背面を平面状に形成すると共に、前面を主流路43から実質的に段差と傾斜を組み合わせて流路深さを順次浅くなるように形成してなる。このように樹脂流路中に傾斜分配路を設けた点が第1実施例と異なる。そして、各流路の横幅Hと、流路の深さWは、実質的に第1実施例と同じである。
【0029】
ここで、第2実施例の特徴は以下のとおりである。
すなわち、上記溜り部45から通じる上記分流部46において、その流路の深さを溜り部45から表皮層成形部47にかけて徐々に浅くする傾斜分配路49を等間隔に設けると共に、主流路43から溜り部45に通じる導入路44を傾斜分配路49の間に設けてある。なお、上記分流部46に設けた傾斜分配路49の横隣接部間には流路深さを均一にした分配路49aが形成される。このようにして、溶融混合した表皮成形材料の流路を混錬分配するようにしてある。
【0030】
また、この実施例においても、溜り部45における溶融混合した表皮成形材料の流入及び流出配分圧力を均一化するために、主流路43から溜り部45に通じる導入路44を複数設けてある。
この構成によって、溜り部45には木目模様を有する表皮樹脂が均一な状態で分配され、均一分配された状態で更に分流部46から表皮層形成部47へ分流される。すなわち、上記櫛歯状に設けられた導入路44,44の各々の断面形状を異ならせたり、相互の間隔調整をすることにより、幅広状に形成された溜り部45の全体に表皮成形材料の流入圧を均一になるよう自在に選定できるものである。
【0031】
そして、溜り部45に均等圧にて停溜した表皮樹脂材料は、各分流部46,46から均等圧にて表皮層成形部47へ押し出されるもので、このとき分流部46は流路深さを浅く調整されているため、ここでは流れ難さを伴うこととなり、また上記傾斜分配路49においては段差のような引っかかりがないことから、ここでは流れ易さを伴い、その結果、各傾斜分配路49を境にして、分流部46から木目模様を発生させた表皮樹脂が押し出されるものである。
【0032】
また、美麗な板目模様を表出するには、分流路46の流路深さを溜まり部45の流路深さの20〜50%にすると共に、段部は前面のみの一方向のみとする必要がある。また一方、上記傾斜分配路49の間隔を15〜25mm、横幅を2〜4mmとすることが適切である。
【0033】
次に、本発明のダイス構造を用いた木目調押出成形品の製造方法について説明する。まず上記ダイス構造は、図1に示す製造ラインを有する木目調押出成形装置に好適に用いられる。本例では基材押出機10および共押出機20を使用し、ホッパーなどに基材用の樹脂材料を投入し、上記樹脂材料を混練および溶融し、基材用ダイス30を介して表皮用ダイス40内に押し出す。そして、上記基材樹脂は、表皮用ダイス40の樹脂流路42を通り所定の基材形状に成形される。
【0034】
一方、図示のホッパー22から投入された表皮用樹脂材料は、共押出機20により混練され溶融される。本発明に用いられる表皮用の樹脂材料は、硬質樹脂材料に木粉や顔料が添加された公知の木目調樹脂材料であり、共押出機20から表皮用ダイス40へ溶融した樹脂材料が吐出される。その際、押し出された表皮樹脂の表面は溶融が進んで木目模様が消失している場合が多いが、内部側は充分に木目模様が残っている。
【0035】
溶融状態の木目調表皮樹脂は、表皮用ダイス40内に入り、上記表皮用ダイス40の表皮樹脂出口である表皮層形成部47が樹脂流路42の主流路43よりも極端に細くなっており、また絞り込まれた樹脂は一旦溜り部45に分流され、しかも樹脂流路42の適所に段部が設けられているため、表皮用樹脂は均一性を有して表皮層形成部47から排出される。
【0036】
そこで、樹脂金型である表皮用ダイス40では、その樹脂流路42内に基材樹脂が押し出されており、木目調表皮樹脂が基材樹脂表面に積層され、上記基材樹脂と木目調表皮樹脂が一体となり、成形品出口40bから押し出される。押し出された成形品は、冷却水槽などで冷却され所定長に切断され窓サッシ等の枠材や框材としての製品となる。この製品表面には、表面均一で美麗な木目模様が積層形成される。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の製法とダイス構造によれば、表皮用ダイスの表皮樹脂流路に主流路を設け、この主流路から溜り部に通じる複数の導入路を設けると共に、該各導入路の断面形状及び間隔を上記溜り部に対する表皮形成材料の流入圧が均一になるように適宜調整し、溜り部から通じ該溜り部より流路深さを浅くした分流部を設け、該分流部から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部を設けることによって基材表面に木目模様を呈した表皮成形材料を積層することとしているので、表皮樹脂は主流路から導入路を介して絞り込まれて均一な流入圧で一旦溜り部に分配されることから、この位置で木目模様の均一化が図られ、更に分流部から流路深さを調整した表皮層形成部で整流化分配されるため、成形品の表面に木目模様を均一で美麗に積層することができる。
【0038】
また、この発明のダイス構造によれば、樹脂流路の前後面の一面を平面状に形成し、他面を主流路から実質的に段差もしくは傾斜を有して流路深さを順次浅くするように形成してなることから、流路深さを調整した表皮層形成部の整流化がなされて、柾目模様と板目模様の一層均一で美麗な表皮層が成形品に積層されることとなる。
【0039】
また、この発明のダイス構造によれば、溜り部から通じる上記分流部において、その流路の深さを溜り部から表皮層成形部にかけて徐々に浅くする傾斜分配路を等間隔に設けると共に、主流路から溜り部に通じる導入路を傾斜分配路の間に設けてなることから、上記傾斜分配路と分配路の組み合わせによって流路深さを調整した表皮層形成部の整流化が一層図られて、木目模様の一層均一で美麗な表皮層が成形品に積層されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイス構造が設けられた押出成形装置の要部を示す断面図
【図2】表皮用ダイスを表皮樹脂流路に沿って切断した状態を示す断面図
【図3】図2のの拡大断面図で、(a)はA−A断面図、(b)はA−B断面図
【図4】図2の分流部と表皮層形成部における部分拡大図
【図5】第2の実施形態における表皮用ダイスを表皮樹脂流路の正面図
【図6】図5の拡大断面図で、(a)はA−A断面図、(b)はA−B断面図
【図7】従来例のダイス構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 主押出機
20 共押出機
30 基材用ダイス
40 表皮用ダイス
40a 基材樹脂入口
40b 成形品出口
41 入口部
42 表皮樹脂流路
43 主流路
44 導入路
45 溜り部
46 分流部
47 表皮層形成部
48 空間部
49 傾斜分配路
49a分配路
50 成形品
60 表皮層

Claims (5)

  1. 木粉、樹脂及び顔料を含む表皮成形材料を共押出機で溶融混合し、主押出機先端に取り付けられた金型に供給し、該金型は基材用ダイスと表皮用ダイスからなり、主押出機から供給される基材成形材料は基材用ダイスで成形されると共に、共押出機から供給される表皮成形材料は表皮用ダイスで基材表面に積層成形され、上記基材表面に積層形成される表皮成形材料により木目模様を形成するための表皮木目模様の形成方法において、
    上記表皮用ダイスの表皮形成材料入口部から主流路を設け、上記主流路から溜り部に通じる複数の導入路を設けると共に、該各導入路の断面形状及び間隔を上記溜り部に対する表皮形成材料の流入圧が均一になるように適宜調整し、上記溜り部から通じ該溜り部より流路深さを浅くした分流部を設け、該分流部から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部を設けることによって基材表面に表皮成形材料を積層成形するようにしたことを特徴とする表皮木目模様の形成方法。
  2. 木粉、樹脂及び顔料を含む表皮成形材料を共押出機で溶融混合し、主押出機先端に取り付けられた金型に供給し、該金型は基材用ダイスと表皮用ダイスからなり、主押出機から供給される基材成形材料は基材用ダイスで成形されると共に、共押出機から供給される表皮成形材料は表皮用ダイスで基材表面に積層成形され、上記基材表面に積層形成される表皮成形材料により木目模様を得るための表皮木目模様形成のダイス構造において、
    上記表皮用ダイスの表皮形成材料入口部から主流路を設け、上記主流路から溜り部に通じる複数の導入路を設けると共に、該各導入路の断面形状及び間隔は上記溜り部に対する表皮形成材料の流入圧が均一になるように適宜調整されてなり、上記溜り部から通じ該溜り部より流路深さを浅くした分流部を設け、該分流部から通じ成形品表皮層厚さ相当に流路深さを調整した表皮層形成部を設けることによって基材表面に表皮成形材料を積層成形することを特徴とする表皮木目模様形成のダイス構造。
  3. 上記表皮用ダイスの表皮樹脂流路の前後面の一面を平面状に形成すると共に、他面を主流路から実質的に段差もしくは傾斜を有して流路深さを順次浅くするように形成してなることを特徴とする請求項2記載の表皮木目模様形成のダイス構造。
  4. 上記溜り部から通じる上記分流部において、その流路の幅を1〜10mmとし、流路を複数路に分岐して設けたことを特徴とする請求項3記載の表皮木目模様形成のダイス構造。
  5. 上記溜り部から通じる上記分流部において、その流路の深さを溜り部から表皮層成形部にかけて徐々に浅くする傾斜分配路を等間隔に設けると共に、主流路から溜り部に通じる導入路を傾斜分配路の間に設けたことを特徴とする請求項3記載の表皮木目模様形成のダイス構造。
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