JP3589290B2 - パチンコ機の遊技盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ機の遊技盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は特開平10−127864号公報や特許第2796204号公報で開示された遊技盤を示す。図9において、101は方形状の遊技基板、102は遊技盤の意匠盤面に配置されたガイドレール、103はガイドレール102で囲まれた内側の遊技領域、104はガイドレール102の周囲の非遊技領域、105は合成樹脂よりなる前飾り、106はガイドレール102を囲む丸窓、107は丸窓106の周囲に配置された賞球表示灯部、108は丸窓106の周囲に配置された完了表示灯部である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図9の従来例は、非遊技領域104に配置される賞球表示灯部107や完了表示灯部108等を有する装飾体である前飾り105が遊技基板101より分離形成されており、パチンコ機の異なる機種間で前飾り105を共通に使用する構造であるため、遊技基板101と前飾り105とを止ねじのような固定具で組付ける作業が面倒であった。
【0004】
そこで、本発明は、遊技基板への取付部品を少なくできる遊技盤を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、遊技基板と別に形成された化粧板を遊技基板の前面側に設けたパチンコ機の遊技盤において、遊技基板は合成樹脂よりなる方形状の前面側に内外誘導レールと内外誘導レールで囲まれた内側の遊技領域および複数の入賞口部を備え、遊技領域は内外誘導レールの前面側よりも後側に1個の球の直径程度の寸法だけ落し込まれた意匠盤面を形成し、複数の入賞口部は遊技領域より前側に突出する溝状壁で囲まれた遊技領域に前後に貫通した球取込孔を備えた形態であって、化粧板は透視性を有する合成樹脂よりなる方形状の面に前記遊技基板の内外誘導レールや複数の入賞口部のそれぞれと対応する化粧部を印刷で形成した形態であって、化粧板が遊技基板の前面側を覆うことによって、化粧板の化粧部が内外誘導レールや複数の入賞口部における溝状壁の前面側および溝状壁で囲まれた球取込孔の前面側を覆い、化粧板と遊技基板の遊技領域との間に球の飛び交う空間が形成されたことを特徴としている。よって、本発明によれば、遊技基板の遊技領域から遊技部品を組付けるためのフランジを除去することが可能となり、当該フランジを除去すれば、遊技領域内での球の移動が円滑となって入賞口に入賞しやすくなり、遊技性が向上するうえ、化粧板の化粧部が内外誘導レールや複数の入賞口部における溝状壁の前面側および溝状壁で囲まれた球取込孔の前面側を覆うので、遊技盤を前側から見た場合、入賞口部における溝状壁の前側および溝状壁で囲まれた球取込孔が化粧板の化粧部で覆い隠され、入賞口部の裏側の機構を遊技者から遮断することができる。又、本発明にあっては、遊技基板における複数の入賞口部を構成する溝状壁の周囲の意匠領域には、意匠的な模様を形成すれば、意匠的な模様が遊技領域を落下する遊技球に複雑な動きをさせることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜図8は本発明の一実施形態であって、図1は遊技盤1を分解した外観を示し、図2は遊技盤1の正面を示し、図3は遊技基板2の正面を示し、図4は遊技基板2の背面を示し、図5は図2をA−A線に沿い切断した断面を示し、図6は図2をB−B線に沿い切断した断面を示し、図7は図2をC−C線に沿い切断した断面を示し、図8は図2をD−D線に沿い切断した断面を示す。
【0007】
図1を参照し、遊技盤1について説明する。遊技盤1は合成樹脂よりなる方形状の遊技基板2の前面側に内誘導レール3、外誘導レール4、左右表示灯部5;6、天入賞口部7、表示ユニット窓8、左右上側普通入賞口部9;10、始動入賞口部11、左右下側入賞口部12;13、大入賞口と呼ばれる変動入賞口部14、アウト口15、天釘16、命釘17;18;19;20;21、賞球表示灯窓22、完了表示灯窓23、遊技説明貼付部24、証紙貼付部25等の遊技部品を備え、遊技基板2の前面側に遊技基板2とは別に形成された化粧板40を備える。遊技基板2における前面の内外誘導レール3;4で囲まれた内側が遊技領域27であり、内外誘導レール3;4の周囲外側が非遊技領域28である。遊技領域27は内外誘導レール3;4の前面側よりも後側に1個の球の直径程度の寸法だけ落し込まれた意匠盤面を形成する。非遊技領域28は内外誘導レール3;4の前面側より横方向に張出形成される。
【0008】
内誘導レール3と外誘導レール4とは遊技領域27の径方向に段差状に形成されたストッパ29を介して互いに連なる渦巻きを形成し、渦巻きの外側の巻端側を形成する外誘導レール4と渦巻きの内側の巻端側を形成する内誘導レール3とは渦巻きの径方向に所定間隔で相対峙した誘導通路30を形成し、誘導通路30は図外の球発射装置により発射された球を下部の取込口31から上部の放出口32を経由して遊技領域27内に放出する。誘導通路30の内外誘導レール3;4に繋がる平坦な弧状面は遊技領域27の意匠盤面に平坦に連なる。遊技基板2は裏側面一側部より裏側に窪む基板側ヒンジ33を有し、他側部に基板側係合部34を備える。
【0009】
化粧板40は透視性を有する合成樹脂よりなる方形状の裏側面に、内外誘導レール3;4、天入賞口部7、左右上側普通入賞口部9;10、始動入賞口部11、左右下側入賞口部12;13、遊技説明貼付部24や証紙貼付部25以外の非遊技領域28と対応する化粧部41;42;43;44;45;46;47を印刷で形成し、化粧部41〜47以外の部分を透視部48:49:50として形成する。化粧板40は裏側面一側部より裏側に突出した化粧側ヒンジ51を有し、他側部に化粧側係合部52を備える。
【0010】
そして、化粧側ヒンジ51が基板側ヒンジ33に装着され、化粧板40が遊技基板2に前側横方向に開閉可能に取付けられ、化粧板40を閉じることで、化粧側係合部52が基板側係合部34に嵌め込まれ、化粧板40の閉状態が保持され、化粧板40が遊技基板2の前面側を覆う。その状態において、図2に示すように、化粧部41〜47が内外誘導レール3;4、天入賞口部7、左右上側普通入賞口部9;10、始動入賞口部11、左右下側入賞口部12;13、遊技説明貼付部24や証紙貼付部25以外の非遊技領域28それぞれの前側の意匠を表現し、化粧板40の透視領域48〜50を通して遊技基板2の誘導通路30、遊技領域27、表示ユニット窓8、命釘17〜21、変動入賞口部14、遊技説明貼付部24及び証紙貼付部25を視認し得る。化粧板40を開けて遊技領域27内での球詰りを解消することができる。
【0011】
図3を参照し、遊技基板2の前側について説明する。左表示灯部5は内誘導レール3と遊技領域27とに連なって前側に突出する周壁61とで囲まれた前後に貫通した内部孔62を備え、右表示灯部6は内誘導レール3と遊技領域27とに連なって前側に突出する周壁63とで囲まれた前後に貫通した内部孔64を備える。左右表示灯部5;6の裏側には図外の表示灯基板が個別に固定的に取付けられ、各表示灯基板に実装された図外の表示灯が内部孔62;64に個別に格納される。天入賞口部7は、遊技領域27より前側に突出する笠状壁65、笠状壁65と遊技領域27とに連なって前側に突出する溝状壁66とで囲まれた前後に貫通する球取込孔67を備える。表示ユニット窓8は遊技領域27を前後に貫通する四角な孔である。表示ユニット窓8の裏側には図外の液晶のようなフラットタイプの表示器を備えた表示装置D(図6参照)が固定的に取付けられ、表示器の画面に表示された絵合せ遊技に用いられる図柄のような画像が表示ユニット窓8を通して遊技基板2の前側より視認し得る。
【0012】
左上側普通入賞口部9は遊技領域27より前側に突出する溝状壁68で囲まれた遊技領域27に前後に貫通した球取込孔69を備え、右上側普通入賞口部10は遊技領域27より前側に突出する溝状壁70で囲まれた遊技領域27に前後に貫通した球取込孔71を備え、始動入賞口部11は遊技領域27より前側に突出する溝状壁72で囲まれた遊技領域27に前後に貫通した球取込孔73を備え、左下側入賞口部12は遊技領域27より前側に突出する溝状壁74で囲まれた遊技領域27に前後に貫通した球取込孔75を備え、右下側入賞口部13は遊技領域27より前側に突出する溝状壁76で囲まれた遊技領域27に前後に貫通した球取込孔77を備える。変動入賞口部14は遊技領域27に前後に貫通した横長な球取込孔78に遊技基板2とは別に形成された開閉体79の下部両側を回転可能に装着した形態である。開閉体79は遊技基板2の裏側に固定的に取付けられた図外の電磁ソレノイドのようなアクチュエータで開閉される。アウト口15は内誘導レール3の下部に沿い遊技領域27に前後に貫通する球取込孔である。
【0013】
天釘16及び命釘17〜21は金属製の無頭状の棒状であって、天釘16及び命釘17〜21を遊技基板2を形成する型の内部に配置し、型の内部に遊技基板2の樹脂材料を流し込むことにより、遊技基板2に設けられる、インサート成形により遊技基板2に固定される。この遊技基板2が型で成形された後に離型することにより、遊技基板2の前面側には内誘導レール3、外誘導レール4、左右表示灯部5;6、天入賞口部7、表示ユニット窓8、左右上側普通入賞口部9;10、始動入賞口部11、左右下側入賞口部12;13、大入賞口と呼ばれる変動入賞口部14、アウト口15、天釘16、命釘17〜21、賞球表示灯窓22、完了表示灯窓23、遊技説明貼付部24、証紙貼付部25等の遊技部品が単一体として形成される。
【0014】
賞球表示灯窓22と完了表示灯窓23とは非遊技領域28の上部左右に個別に配置された左右対称な形状で非遊技領域28に前後に貫通した孔である。賞球表示灯窓22の裏側と完了表示灯窓23の裏側とには図外の表示灯基板が個別に固定的に取付けられ、各表示灯基板に実装された図外の表示灯が左右表示灯部5;6に個別に格納される。遊技説明貼付部24と証紙貼付部25とは非遊技領域28の下部左右に個別に配置された非遊技領域28より裏側への窪みである。遊技説明貼付部24には遊技説明の記載された図外のシールが貼付され、証紙貼付部25には公的機関で許可を受けた遊技盤1であることを証明することの記載された図外のシールが貼付される。
【0015】
図4を参照し、遊技基板2の裏側について説明する。遊技基板2の裏側面には、遊技基板2の周囲を縁取る周壁80、左右表示灯部5;6の内部孔62;64を縁取る周壁81;82、表示ユニット窓8を縁取る周壁83、変動入賞口部14の球取込孔78を縁取る周壁84、アウト口15を縁取る周壁85、複数の入賞球誘導樋86;87;88;89、天釘支持部90、複数の命釘支持部91;92;93;94;94’を備える。入賞球誘導樋86は天入賞口部7の球取込孔67より遊技基板2の裏側に排出される球を入賞球誘導樋87側に誘導する。入賞球誘導樋88は入賞球誘導樋86より落下される球や右上側普通入賞口部10の球取込孔71や始動入賞口部11の球取込孔73より遊技基板2の裏側に排出される球を入賞球誘導樋87側に誘導する。
【0016】
入賞球誘導樋87は入賞球誘導樋86;88より落下される球や左上側普通入賞口部9の球取込孔69や左下側入賞口部12の球取込孔75より遊技基板2の裏側に排出される球を所定方向に誘導する。入賞球誘導樋87の下部には球を本体側に誘導する連絡樋95を備える。入賞球誘導樋89は右下側普通入賞口部13の球取込孔77より遊技基板2の裏側に排出される球を本体側に誘導する連絡樋の機能を有する。周壁84は変動入賞口部14の球取込孔78より遊技基板2の裏側に排出される球を所定方向に誘導する。周壁84の裏側面には特別球検出器96やテンカウントスイッチのような所定個数の球数を計数するために用いられる球検出器97を備えた蓋98が後付けされ、蓋98よりも下部の周壁84には球を本体側に誘導する連絡樋99を備える。周壁85はアウト口15より遊技基板2の裏側に排出される球を本体側に誘導する連絡樋の機能を有する。
【0017】
周壁80〜85や入賞球誘導樋86〜89及び連絡樋95;99は遊技基板2の裏面側に設けられた遊技部品である。これらの遊技部品や天釘支持部90及び命釘支持部91〜94は、遊技基板2が型で成形された後に離型することにより、図3における遊技基板2の前面側の内誘導レール3、外誘導レール4、左右表示灯部5;6、天入賞口部7、表示ユニット窓8、左右上側普通入賞口部9;10、始動入賞口部11、左右下側入賞口部12;13、大入賞口と呼ばれる変動入賞口部14、アウト口15、天釘16、命釘17〜21、賞球表示灯窓22、完了表示灯窓23、遊技説明貼付部24、証紙貼付部25等の遊技部品と同じように、遊技基板2の裏側面に遊技基板2と一緒の単一体として形成される。
【0018】
図5に示すように、開閉体79は仮想線示の開位置と実線示の閉位置とに開閉し、閉じることで球を遊技領域27から大入賞口部14に取込むことは不可能となり、開くことで球を遊技領域27から大入賞口部14に取込むことは可能となる。この開閉体79の開閉動作や球の大入賞口部14への入賞動作は化粧体40の前側より透視部48を通して視認し得る。図6に示すように、天入賞口部7における笠状壁65や溝状壁66及び球取込口77は化粧部42で覆われ、球の大入賞口部14への入賞動作は化粧体40の前側より透視部48を通して視認し得る。図7に示すように、普通入賞口部10における溝状壁70及び球取込口71は化粧部44で覆われ、球の普通入賞口部10への入賞動作は化粧体40の前側より透視部48を通して視認し得る。図8に示すように、右表示灯部6における周壁6や内部孔64及び非遊技領域28は化粧部41で覆われ、右表示部6に配置された図外の表示灯から照射された光が化粧部41を透過して化粧体40の前側より視認し得る。
【0019】
遊技部品は遊技部品とは別に予め形成しておき、当該遊技部品を遊技基板2を形成する型の内部に配置し、型の内部に遊技基板2の樹脂材料を流し込むことにより、当該遊技部品が遊技基板2に設けられるインサート成形により遊技基板2と一緒になった単一体として形成しても良い。
【0020】
図1の遊技基板2の前側に設けられる天入賞口部7、左右上下普通入賞口部9;10;12;13、始動入賞口部11それぞれの周囲における遊技領域27には型による意匠を形成し、当該意匠面に色入れと呼ばれる彩色技法や化粧シールを貼付して当該遊技部品の遊技領域27に配置されるフランジ部を模しても良い。又、凹凸の模様を遊技領域27に設けることにより、落下する遊技球に釘と遊技領域27に設けられた凹凸面とにより複雑な動きをさせることができる。
【0021】
図1や図2における網掛された化粧部41〜47は透視性を有する合成樹脂板に化粧シールを貼付しても同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の遊技盤を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態の遊技盤を示す正面図。
【図3】同実施形態の遊技基板を示す正面図。
【図4】同実施形態の遊技基板を示す背面図。
【図5】図2のA−A線断面図。
【図6】図2のB−B線断面図。
【図7】図2のC−C線断面図。
【図8】図2のD−D線断面図。
【図9】従来例を示す断面図。
【符号の説明】
1 遊技盤
2 遊技基板
3 内誘導レール(遊技部品)
4 外誘導レール(遊技部品)
5 左表示灯部(遊技部品)
6 右表示灯部(遊技部品)
7 天入賞口部(遊技部品)
8 表示ユニット窓(遊技部品)
9 右上側普通入賞口部(遊技部品)
10 右上側普通入賞口部(遊技部品)
11 始動入賞口部(遊技部品)
12 左下側入賞口部(遊技部品)
13 右下側入賞口部(遊技部品)
14 変動入賞口部(遊技部品)
15 アウト口(遊技部品)
16 天釘(遊技部品)
17〜21 命釘(遊技部品)
22 賞球表示灯窓(遊技部品)
23 完了表示灯窓(遊技部品)
24 遊技説明貼付部(遊技部品)
25 証紙貼付部25(遊技部品)
80〜85 周壁(遊技部品)
86〜89 入賞球誘導樋(遊技部品)
95;99 連絡樋(遊技部品)
Claims (2)
- 遊技基板と別に形成された化粧板を遊技基板の前面側に設けたパチンコ機の遊技盤において、遊技基板は合成樹脂よりなる方形状の前面側に内外誘導レールと内外誘導レールで囲まれた内側の遊技領域および複数の入賞口部を備え、遊技領域は内外誘導レールの前面側よりも後側に1個の球の直径程度の寸法だけ落し込まれた意匠盤面を形成し、複数の入賞口部は遊技領域より前側に突出する溝状壁で囲まれた遊技領域に前後に貫通した球取込孔を備えた形態であって、化粧板は透視性を有する合成樹脂よりなる方形状の面に前記遊技基板の内外誘導レールや複数の入賞口部のそれぞれと対応する化粧部を印刷で形成した形態であって、化粧板が遊技基板の前面側を覆うことによって、化粧板の化粧部が内外誘導レールや複数の入賞口部における溝状壁の前面側および溝状壁で囲まれた球取込孔の前面側を覆い、化粧板と遊技基板の遊技領域との間に球の飛び交う空間が形成されたことを特徴とするパチンコ機の遊技盤。
- 遊技基板における複数の入賞口部を構成する溝状壁の周囲の意匠領域には、意匠的な模様を形成したことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の遊技盤。
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