JP3589138B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自車と先行車との車間距離を所定値に制御する車間距離制御モードを備えた車両走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術の一例として、特開平3−220028号公報に開示された技術が知られている。
【0003】
この技術は、自車両と前方車両との車間距離を検出する車間距離センサと、自車両の車速を検出する車速センサを備え、予め定められた車間距離と車速との間の関係に基づいて、上記車間距離センサが検出した現車間距離に適した目標車速を決定し、その目標車速と上記車速センサが検出した現車速との差に基づいて、自車両の走行速度を自動的に加減速制御することにより、前方車両との車間距離制御を実現させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によれば、前方車両と自車両との車間距離を適正に保つために、自車両の走行速度を自動的に加減速制御する際に、急加速または急減速の制御が行われると、運転者の乗り心地が損なわれ好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、自車両の走行速度を自動的に加減速制御する際に、急な加減速が生じず、乗り心地を向上させることができる車両走行制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された請求項1に記載の発明によれば、前方を走行する車両と自車両との間の実車間及び相対速度を求める計測手段と、前記前方を走行する車両と前記自車両との間の目標車間を設定する目標車間設定手段と、前記実車間、前記相対速度および前記目標車間に基づいて前記自車両を加減速させるための目標車速を求める目標車速演算手段と、前記目標車速に基づいて、前記実車間が前記目標車間となるように前記自車両を加減速制御する制御手段とを備え、更に、該制御手段にて前記自車両を加減速させる際に、前記自車両に急な加減速が生じないように、前記目標車速演算手段にて求められた前記目標車速が前記自車両の車速センサから検出される現在車速から大きく離れないよう、前記目標車速に対して制限を与えるリミット手段を具備したことを特徴とする。
【0007】
【作用及び発明の効果】
上記構成を有する請求項1記載の発明によれば、前方を走行する車両と自車両との間の実車間及び相対速度を求め、この実車間及び相対速度と設定された目標車間とに基づいて、自車を加減速させるための目標車速を求める。そして、この目標車速に基づいて、実車間が目標車間となるように自車両を加減速制御する。ここで、本発明では、自車両を加減速させる際に、自車両に急な加減速が生じないように上記目標車速が自車両の車速センサから検出される現在車速から大きく離れないよう前記目標車速に対して制限を与える。
【0008】
このように、請求項1に記載の発明によれば、自車両に急な加減速が生じないように目標車速が自車両の車速センサから検出される現在車速から大きく離れないよう前記目標車速に対して制限を与えることから、自車両を自動的に加減速制御させる際の乗り心地を向上させることができる。
【0009】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の車両走行制御装置が適用された車両を表す概略構成図である。
【0010】
(第1実施例)
図1に示す様に、本実施例の車両走行制御装置は自動車等の車両に搭載されるものであり、車両の走行制御のための演算処理等を実行するコンピュータ11を備えている。このコンピュータ11には、入力情報を受け入れる入力インターフェース111、制御情報等を出力する出力インターフェース112、演算動作を行なうCPU113、制御動作等を実行するプログラムや演算動作のための各種マップ等を記憶したROM114及び演算制御等に基づく情報を記憶するRAM115等が設定されている。
【0011】
そして、このコンピュータ11に対して、例えば車両の車輪12等に関連して設定され、車輪12の回転速度に対応した信号を検出する車速センサ13からの検出信号や、前方を走行する車両等との間の距離を計測する車間距離検出装置14からの検出信号等が入力され、更に設定部15からのドライバーの操作に応じた信号が入力される。
【0012】
前記車間距離検出装置14は、電磁波を照射し前方車両からの反射波を受信して前方車までの車間距離を検出する装置であり、例えばレーザレーダやミリ波レーダである。また、この車間距離検出装置14は、画像を利用したものを使用することもできる。また、設定部15は、ドライバーが操作を行なう操作子、即ち特定車両との車間距離設定,リミット車速の設定,定車間距離制御(定車間制御)又は定速走行制御(定速制御)の切り換えを行うスイッチや操作レバー等で構成される。
【0013】
一方、コンピュータ11からの出力は、エンジン16の回転速度を制御するスロットル機構を駆動するためのスロットルアクチュエータ17に制御指令として供給され、また車輪12にエンジン16からの動力を伝達するトランスミッション18を制御するトランスミッションコントローラ19に制御指令として供給されて、車両の走行速度が調節される。更に、この出力は、表示・警報デバイス20へ送られて、各種の情報を運転者に報知する。尚、この例では入っていないが、大きな制動力を得るために、ブレーキアクチュエータへコンピュータ11から信号を加えても良い。
【0014】
次に、図2を用いて、本実施例の制御系統を詳しく説明する。
【0015】
設定部15はドライバーが適宜設定操作するスイッチ機構等によって構成され、車間距離設定部151、制御切り換え設定部152、リミット車速設定部153、セット車速設定部154及びキャンセル/アクセル/コースト設定部155より構成される。
【0016】
前記車間距離設定部151は、ドライバーが車間距離を設定する部分であり、制御切り換え設定部152は、各制御モード(定速制御、定車間制御)を切り換える部分、リミット車速設定部155は、車間制御時における最大車速をドライバーが設定する部分である。また、キャンセル/アクセル/コースト設定部155は、各制御モードにおいて、キャンセル(制御中止)、アクセル(加速又は車間を短くする)、コースト(減速又は車間を長くする)を行う部分である。
【0017】
この内、制御切り換え設定部152、リミット車速設定部153、セット車速設定部154、キャンセル/アクセル/コースト設定部155は、コンピュータ11の1つの処理として実行される車速制御部29に入力される。同様に車間距離設定部151は、コンピュータ11の1つの処理として実行される車両特定/消失判定部24に入力される。
【0018】
また、車間距離検出装置14からの車間距離情報は、物体判定部21に入力される。物体判定部21は、測距された複数の車間距離のばらつきの状態を判別し、物体を検出しているか否かを判定する。更に、物体を検出している場合は、統計処理により、車間距離を演算する。
【0019】
この検出状態及び車間距離は、相対速度演算部22に入力される。相対速度演算部22では、車間距離の変化状況に基づいて、具体的には一定制御周期毎の車間距離の変化に基づいて、自己車両と前方車両との相対速度を計算する。この結果は、車両判定部23に入力される。車両判定部23では、この相対速度の時間的変化を常時監視して前方の物体が車両であるか否かを判定する。
【0020】
この判定結果は車両特定/消失判定部24に入力される。車両特定/消失判定部24は、追従開始時においては、次処理となる車間制御開始条件に適合するかどうかを判定する前方車両を特定する処理を行い、追従中には開始時に特定した車両かどうかの判定を行う。
【0021】
この判定結果は、車間制御開始・継続/中止判定部25に入力される。車間制御開始・継続/中止判定部25では、車両特定/消失判定部24の判定に基づいて、特定した車両に対する車間制御開始・継続/中止を車間距離と相対速度から判定を行なう。尚、この処理部では、特定車両に対してドライバーがセットした車間距離を車間制御上の目標車間距離として、次処理である加減速率計算部26へ供給する事も行っている。
【0022】
次に、加減速率計算部26では、特定車両に対する目標車間距離及び相対速度、更に現在車間距離から適切な目標加減速率が演算される。この目標加減速率は目標車速計算部27に入力され、目標車速計算部27において積分されて目標車速が算出される。
【0023】
この目標車速は制御方法検討部28に入力され、制御方法検討部28では現在車速と目標車速とを比較し、通常のスロットル制御でよいか、或はトランスミッション18等を制御する必要性が有るか否かを判定する。この為、この制御方法検討部28には、車速センサ13からの車速データも供給されている。
【0024】
また、目標車速計算部27及び制御方法検討部28からの出力は、車速制御部29に供給される。車速制御部29では、車速センサ1から検出される現在車速を目標車速に一致させる様に、エンジン16のスロットルアクチュエータ17を駆動して、スロットルバルブの開度を制御する定速制御を行う。更に、トランスミッション18までも制御する必要が生じたときは、トランスミッションコントローラ19に指令を与えて、トランスミッション18の制御を実行させる。
【0025】
また、車速制御部29では、制御切り換え設定部152によって、ドライバーが設定した制御への切り換えを実施する。つまり、ドライバーが定車間制御を選択した場合は、特定した車両への定車間制御を行い、一方、ドライバーが定速制御を選択した場合は、ドライバーのセットしたセット車速(目標車速)での定速制御を実施する。更に、例えば定車間制御中にドライバーが定速制御に切り換えた場合は、現在車速での定速走行になり、この逆の場合は、ドライバーが特定車両に対して車間距離をセットした時点からその特定車両に対する定車間制御を行う。
【0026】
次に、前記図2で示した物体判定部21、車両判定部23、車両特定/消失判定部24、車間制御開始・継続/中止判定部25、加減速計算部26、目標車速計算部27、及び制御方法検討部28等を構成するコンピュータ11における処理を、図3〜図8のフローチャートに基づいて説明する。尚、図3〜図6は制御の全体的な流れを示し、図7及び図8は個々の処理を詳細に示したものである。
【0027】
まず図3のステップ300にて、ドライバーが制御切り換え設定部152で、定速制御又は定車間制御のどちらの制御モードを選択しているか判定する。ここで定速制御が選択されていると判断されると、ステップ301にて、ドライバーがセットした設定車速を目標車速とする定速制御が実施される。尚、定車間制御中に定速制御に切り換えられた場合は、現在車速を目標車速とする定速制御を行なう。
【0028】
一方、定車間制御が選択されていると判断された場合は、ステップ302にて、車間距離検出装置14からの車間距離データが入力され、ステップ303にて、この入力された車間距離データを制御周期毎に評価して、そのばらつきを計算する。
【0029】
この車間距離データのばらつきを計算した結果に基づいて、ステップ304にて、ばらつきの程度が所定の設定値より大きいか否かを判定する。このステップ304で、車間距離データのばらつきが大きいと判断された場合は、前方に実際に物体が無いもの(未検出状態)と見なし、ステップ305に進む。
【0030】
ステップ305では、車間距離及び相対速度を”0”に設定すると共に、物体が未検出状態であることを記憶する。一方、ステップ304で、車間距離データのばらつきが小さいと判断された場合は、前方に物体が存在する(物体検出状態)と見なし、次のステップ306で車間距離データの変化から、前方物体との相対速度を計算し、ステップ307でその算出した相対速度をバッファに記憶する。尚、車間距離検出装置14で、反射波のドップラーシフトから相対速度が検出できる場合は、ステップ306を割愛してもよい。
【0031】
そして、ステップ307で、前方車両との相対速度がバッファに順次記憶設定されたならば、次のステップ308で、例えばバッファ内の時系列的に記憶された複数の相対速度に対して、制御周期毎の相対速度を比較し、ある時間内のばらつきの程度を計算する。尚、このある時間とは、例えば0.5秒程度の時間間隔を採用できる。
【0032】
続くステップ309で、この相対速度のばらつきの程度を設定値と比較判定し、そのばらつきが小さい場合には、前方の物体が車両(車両認識状態)であると判定し、ステップ310で車間距離並びに相対速度を記憶すると共に、車両認識状態である事を記憶する。
【0033】
一方、ステップ309で、相対速度のばらつきの程度が設定値より大きい場合には、前方の物体が車両以外であると判定し、ステップ311で、物体までの距離を記憶すると共に、相対速度を”0”に設定し、物体検出状態である事を記憶する。
【0034】
尚、以上の様な処理は、車間距離検出装置14の内部で行う様にしても良い。また、この一連の処理は、車間距離及び相対速度の違いによって分離できる場合は、複数の物体又は車両を検出しているとして、その各々について実施する。次に、前記ステップ305,310,311の後に続くステップ312にて、前回の制御周期において、特定車両に対する定車間制御を実施していたかどうかの判定を行う。
【0035】
ここで、前回定車間制御を実施していないと判断された場合は、ステップ313に進み、後に図7にて詳述する追従車両の特定処理を実施する。一方、前回定車間制御を実施していると判断された場合は、ステップ314に進み、後に図8にて詳述する特定した追従車両の消失判定の処理を実施する。
【0036】
次に、前記ステップ313の追従車両の特定処理を、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ31301で認識状態の車両が存在するかどうかを判定する。ここで認識状態のものがなければ、ステップ31305に進み、特定不可能の状態である事を記憶する。一方、認識状態の車両があれば、ステップ31302に進み、認識状態の車両が複数あるかどうかを判定する。
【0037】
ここで、1つの車両だけの場合は、ステップ31304に進み、認識している車両をその車間距離と相対速度から特定した事を記憶する。一方、複数の車両を認識している場合は、ステップ31303に進み、予め決めたルールに従って、車両を特定し、特定した車両の車間距離と相対速度を記憶する。尚、このルールとは、複数の認識した車両のうち、車間距離の最も短い車両を特定するとともに、車間距離が同程度のものが複数ある場合は、特定不可とするものである。
【0038】
以上が、追従車両の特定処理である。次に、この追従車両の特定処理の後の処理を示す図4に進み、ステップ315にて、車両が特定できたかどうかを確認する。ここで、車両が特定できていない場合は、ステップ316で、その旨を表示・報知デバイス20を通してドライバーに報知する。一方、車両が特定できている場合は、ステップ317に進み、特定車両への追従が可能か否かを判定する。
【0039】
この追従の可否の判定について、図9に基づいて説明する。ここでは、まず図9に斜線で示す車間距離エリア内に、特定車両との車間距離が入っているかどうかを判定し、もしこのエリア内ならば、次に図10に示す相対速度と車間距離のグラフの境界線AとBで挟まれる領域(斜線部分)に、特定車両との相対速度が入っているかどうかを判定する。つまり、この図9及び図10の2つの条件が満たされた場合に、特定車両は追従可能と判定される。
【0040】
尚、図9に示す車間距離エリアは、車速に対する追従を許可する最小車間距離と最大車間距離を規定しており、ここに示す例では最小車間距離は安全上好ましい車頭時間(タイムヘッドウェイ)1.2秒、最大車間距離は車間距離検出装置14の最大検出距離を採用している。
【0041】
また、図10に示す相対速度−車間距離のグラフに対する境界線Aは、例えば自車より早い先行車に対して、ドライバーの操作遅れ時間を2秒として、2秒後に加速を開始して、ドライバーに不快感を与えない1.2km/h/secの加速度で追従した時に、自車の追従性能から車間距離検出装置14の最大検出距離以上に特定した車両が離れずに相対速度がゼロの安定した追従に入る事ができる最大の相対速度を各車間距離に対してプロットしたものである。境界線Bは、例えば自車より遅い先行車に対して、コーストのみの減速(減速度0.03G)で、前方車との相対速度がゼロになる距離が20m以上、且つ制御開始した距離(ドライバーが設定した車間距離)の半分以下にはならない領域を各車間距離に対してプロットしたものである。
【0042】
次に、図4に戻り、ステップ318に進む。そして、ステップ317で追従可能と判定された事が認識された場合は、ステップ320に進み、特定車両が追従可能である事、つまり検出している前方車両が追従できる事をドライバーに表示・警報デバイス20を通して報知する。この報知は、例えば特定車両との車間距離をドライバーに(点灯等によって)表示する等で行われる。
【0043】
一方、特定車両が追従可能でなければ、ステップ319で、その旨ドライバーに報知する。ここで、前記ステップ317による特定車両の追従可能の情報のドライバーへの報知があれば、ステップ316及びステップ319の報知は無くても良い。
【0044】
次に、ステップ321で、ドライバーが車間距離設定部151により、セット操作を行ったかどうかを判定する。これは、ドライバーがステップ320の特定車両への追従が可能な報知を受けて、ドライバーが好みの車間距離になる様にスロットルを操作して、自車と特定車両の車間距離を調節して、車間距離設定部151によりセット操作を行う為、この車間距離設定の操作を行ったかどうかを見ているものである。
【0045】
ここで、ドライバーが車間距離のセット操作を行った場合は、ステップ322で、その時の特定車両との車間距離を目標車間距離として記憶するとともに、ドライバーがセットした車間距離が図9に示す車間距離エリアに入っているか否かを判定する。
【0046】
ここで、車間距離エリアに入っている場合には、ステップ323に進み、ドライバーがセットした車間距離で定車間制御を開始する旨の報知をドライバーに行う。一方、車間距離エリアに入っていない場合は、ステップ324に進み、ドライバーに再セットを促す報知を行う。
【0047】
以上ステップ315〜324が、追従開始時の動作説明である。次に、追従中の処理内容について説明する。まず、前記図3のステップ312において、前回の制御周期に定車間制御を行っていたと判定されたならば、ステップ314の特定した追従車両の消失判定が実施される。この処理を図8のフローチャートに沿って説明する。
【0048】
まず、ステップ31401において、特定車両が未検出状態かどうかを判定する。これは特定車両の車間距離を制御周期毎に監視する事で容易に行う事ができる。ここで、未検出状態と判定されると、ステップ31402で、タイマTM を制御周期毎にインクリメントし、未検出状態の連続時間を計測する。一方、未検出状態でないと判定されると、ステップ31403に進み、特定車両が検出状態であるか否かを判定する。
【0049】
ここで、検出状態と判定されると、ステップ31404で、タイマTK を制御周期毎にインクリメントし、検出状態の連続時間を計測する。一方、検出状態でないと判定されると、ステップ31405に進み、特定した車両が認識状態であるか否かを判定する。
【0050】
ここで、認識状態と判定されると、ステップ31406で、タイマTM 及びTK をゼロにリセットして、ステップ31407で、複数の車両を認識している場合に、特定車両の車間距離が最低かどうかの判定を行う。これは、割り込み車両等によって最低車間車両が入れ替わる場合がある為、この判定を行なうものである。尚、このステップでは、検出状態の物体に対する距離に対しても比較し、最低かどうかの判定を加えてもよい。
【0051】
ステップ31407で、最低車間距離でないと判定されると、ステップ31413に進み、特定車両消失を記憶する。一方、最低車間距離と判定されると、ステップ31408に進み、前回の制御周期で非検出状態又は検出状態があったかどうかを判定する。
【0052】
ここで、この様な状態が無いと判定されると、ステップ31410に進み、追従車両をレベル2で追従中と記憶する。つまり、レベル2で追従中とは、前回及び今回も車両を認識している状態及びそれに準ずる様な認識の確度が高い状態をいう。
【0053】
一方、未検出又は検出状態があったと判定された場合は、ステップ31409で、最後の認識状態時の特定車両との車間距離と現在車間距離が比較される。ここで、前記距離の差の絶対値が定数Lを上回る場合には、前記ステップ31413に進み、一方、定数L以下の場合には、前記ステップ31410に進む。尚、定数Lは例えば3mの値が採用される。
【0054】
また、前記ステップ31405で、特定車両が認識状態でないと判定された場合は、ステップ31411に進み、未検出状態及び検出状態の連続時間TM ,TK を、定数N1 及びN2 で比較する。ここで、TM <N1 且つTK <N2 の場合のみ、ステップ31412に進み、追従車両をレベル1で追従中と記憶する。つまり、レベル1で追従中とは、前回車両を認識したが今回まだ認識状態に到らない様な認識の確度が低い状態をいう。
【0055】
一方、連続時間TM ,TK がこれ以外の場合は、ステップ31413に進み、特定車両消失と記憶する。尚、この定数N1 及びN2 は、例えば0.2秒及び0.5秒の値が採用できる。以上が、特定した追従車両の消失判定の処理の詳細説明である。
【0056】
次に、図5に進み、ステップ325で、特定車両の消失判定を確認する。ここで消失が確認されると、ステップ330で、定車間制御の中止処理が行われ、自車をコースト状態(スロットル全閉状態)とし、ステップ331で、ドライバーに制御中止を表示・警報デバイス20を通して報知し、以後はドライバーのマニュアル操作に委ねる。
【0057】
尚、この車間制御の中止処理は、例えばある一定時間内に除々に減速して、スロットル全閉状態にしても良い。こうする事により、予めドライバーに制御の中止を報知するので、追突等を予防する事ができる。一方、消失していないと判断されると、ステップ326に進み、追従レベル1がどうかを判定し、もしレベルが1ならばステップ327で現車速維持とする。この処理は、基本的には特定車両のみに追従していくのであるが、例えばカーブや道路の凸凹又は登坂や降坂等での特定車両の見失いに対する対策であり、先に説明したステップ314中のステップ31411でN1 及びN2 の間だけは、短時間的に定速走行を行い、見失いに対する再セットと言った煩わしい操作からドライバーを開放する為の処理である。
【0058】
一方、レベルが1でないと判定されると、ステップ328に進み、定車間制御の継続/中止判定を、前記図10に示す境界線Cに基づいて実施する。この境界線Cは、例えばOD解除による減速(減速度0.06G)で車間距離が18mになる前に相対速度がゼロになる領域を各車間距離に対してプロットしたものである。
【0059】
続く、ステップ329では、継続可能かどうかの確認を行い、もし継続不可ならば前記ステップ330が実施される。次に、前記ステップ329又はステップ323の後に行われる処理、即ちドライバーがセットした目標車間距離に対する定車間制御について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0060】
まず、ステップ332では、記憶された目標車間距離に対する現在車間距離との差から加減速率を計算する。具体的には、図11に示すような加減速率マップに基づいて加減速を算出する。このマップは、横軸に現在の車間距離から目標車間距離を減じた値(前方車が遠いか近いか)をとり、縦軸に前方車両との相対速度(近づくか遠のくか)をとる2次元マップデータであって、その各格子点にはその時々の加減速率値が示されている。
【0061】
この様なマップデータを使用する事によって、前方車両との車間距離は小さいものであるが前方車両が遠ざかって行く車両に対して、不必要な減速制御が行われないようにしている。また、前方車両との車間距離は充分であるが、大きな相対速度で前方車両に近づく状態にあるときは、早目に減速制御が開始されるようにしており、実際の走行状況に対応したきめ細やかな車間制御を行う事ができる。そして、一律のマップによって連続的に加減速率を求めているものである為、不連続感のない加減速率制御が実現される。
【0062】
この様にして、加減速率が求められたならば、ステップ333で目標車速を下式(1)を用いて計算する。
【0063】
VM=VM+KVM×DV×dt・・・(1)
VM:目標車速(km/h)
DV:ステップ332で計算した加減速率(km/h/sec)
KVM:VM−VN<DVが異符号の時は3,同符号の時は1
VN:現在車速
dt:制御周期(例えば50msec)
ここで、KVMは、加速から減速又はこの逆の車速制御における応答性を改善する効果がある。
【0064】
続くステップ333で、目標車速が計算された後、ステップ334で、計算された目標車速が現在車速から大きく離れないようにリミットをかけている(本発明のリミット手段に相当)。例えば(VN−10km/h)≦VM<(VN+3.5km/h)なる制限を目標車速に与え、この範囲に入っていなければ、計算された目標車速を変更する。これは、車速制御部2において、急加速あるいは急減速の制御が行われない様にする処理である。
【0065】
更に、このステップ334では、リミット車速設定部153でドライバーが設定したリミット車速以内であるかどうかも合わせて判定し、もしリミット車速以上であれば、リミット車速に目標車速を変更する処理が実施される。次に、ステップ335では、目標車速と現在車速との差を求め、続くステップ336〜339において、ステップ335で求めた目標車速と現在車速との差を、−4、−9、−3、−1とそれぞれ比較する。
【0066】
つまり、ステップ336でその差速度が−4km/hにより大きいと判定された時は、ステップ340に進んでスロットル全閉の処理を行う。又、ステップ337で差速度が−km/hより大きいと判定された時は、ステップ341でOD解除を行う。そして、ステップ338において差速度が−3km/hより小さいと判定された状態で、ステップ342でODを復帰させ、更に、ステップ339において差速度が−1km/hより小さくなっと判定された時は、ステップ343でスロットル全閉制御を解除する。
【0067】
つまり、前記ステップ335〜339の処理は、制御方法検討部28において、図12に示す領域マップを用いて選択された制御方法に基づいて行われる制御を示している。この領域マップにあっては、横軸にステップ335で求められる目標車速と現在車速との差を取っており、この例では目標車速が現在車速に較べて4km/h以上小さかったときにスロットル全閉とし、9km/h小さかったときに合わせて、トランスミッションのオーバードライブ(OD)を解除(高い減速比の選択)する事を表わしている。そして、それぞれの復帰は1km/h未満及び3km/h未満になったときに行い、この様にヒステリシスを設定したのは、制御方法が変更された時の不連続性を減らす為である。
【0068】
この制御方法検討部28の処理を行う事によって、目標車速が減少しているにも関わらず、現在車速が減少しない状況、例えば下り坂の走行時あるいは車速が低い状態の時を自動的に検出し、この検出状況に応じてトランスミッションを制御して、より高い減速比が選択され、高い減速度が得られるようになる。
【0069】
この様に構成にする事により、本実施例の車両走行制御装置では、車間距離検出装置14が確実に前方車両を検出している状態でなくては、車間距離制御を行う事ができなくなり、またドライバー自身がシステムが特定した車両に対する車間距離をセットするので、確実にシステムが特定した車両とドライバーが見ている車両を一致させる事ができ、且つドライバーが設定した車間距離で追従している特定車両が自車線上を車線変更又は他車の割り込み等で消失した場合には、定車間制御を中止しスロットル全閉状態になり、ドライバーのマニュアル操作に完全に制御が移り変わる。
【0070】
この為、車間距離検出装置14で検出できない車両が存在しても、その様な車両に対しては車間制御を行う事ができず、又その様な車両が割り込んで来た場合は特定車両との間に電磁的な障害物が入ってきた事になるので、特定車両が検出できなくなり、定車間制御が自動的に中止する事になる。
【0071】
従って、車間距離検出装置14の不完全な検出性能を安全サイドに補う事が可能となる。更に、この様にドライバー自身が設定した車両に対して追従するという動作は、マニュアル走行のドライバー主体の走行パターンに類似しており、定車間制御を実施している場合でも、違和感なくドライバー主体の使用形態になり、システムに依存する事で問題となる安全回避動作の遅延や居眠り等の防止に効果がある。
【0072】
この実施例では、定車間制御と定速制御とを切り換えるシステムについて説明したが、定車間制御のみを行なうシステムも当然考えることができる。以下他の実施例についても同様である。
【0073】
(第2実施例)
次に、第2実施例の車両走行制御装置について説明するが、ここでは、前記第1実施例と異なる点についてのみ説明する。
【0074】
図13に本実施例の装置構成を示す様に、本実施例では、前記第1実施例の装置にステアリングセンサ81が追加された構成となる。このステアリングセンサ81は車両の操舵角を検出するセンサであり、ステアリングセンサ81からの操舵角の情報がコンピュータ11に入力される。また、車間距離検出装置14としては、異なる方向に電磁波を送信し、送信した電磁波の反射体による反射波を受信するタイプ、或は広範囲に電磁波を送信し、送信した電磁波の反射波を1つ又は複数の異なる方向に向けられた受信部で受信するタイプが採用でき、例えば車間距離検出装置14が、前方の複数の方向に対して検出エリアを有している場は、その方向と検出距離の情報がコンピュータ11に入力される。
【0075】
次に、本実施例の車両走行制御装置の制御系統の構成のブロック図を、図14に示す。本実施例が第1実施例と異なる部分は、ステアリングセンサ81及び車速センサ13からの信号がカーブ量計算部92に入力され、操舵角から実験式により走行しているカーブ半径を計算し、この情報が先行車確度判定部91に入力される部分である。
【0076】
この先行車確度判定部91は、カーブ量計算部92で計算したカーブ半径と物体判定部21からの信号による車間距離検出装置14の検出エリアの形状とから、現在検出している物体が自車線領域に存在するかどうかを判定し、その結果を車両特定/消失部24に入力する。
【0077】
次に、本実施例の制御処理をフローチャートに基づいて説明するが、詳細な処理のフローチャートは、基本的に第1実施例とほぼ同様であり、異なる部分は、追従車両の特定判定(ステップ313に該当)及び特定した追従車両の消失判定(ステップ314に該当)であるので、これについて説明する。
【0078】
まず、追従車両の特定判定について、図15のフローチャートに基づいて説明する。ステップ31310101において、現在認識状態の車両があるかどうか判定する。
【0079】
ここで、もし無ければ、ステップ31310102で特定不可を記憶する。一方、認識車両がいれば、ステップ31310103に進み、センサの検知エリアの形状及び操舵角から、現在認識中になっている車両が自車線領域かどうかを判定する。
【0080】
ここで、認識中の自車線領域に車両が存在する事が確認された場合は、ステップ31310104で、車間距離が最も短い自車線領域の車両を特定車両として記憶する。一方、認識中の自車線領域の車両が存在しないと判定された場合は、ステップ31310105で特定車両がない事を記憶する。
【0081】
次に、特定した追従車両の消失判定について、図16のフローチャートに基づいて説明する。ここでは第1実施例との相違点についてのみ説明する。ステップ31410205で特定した車両が、認識状態にある事が確認された場合、ステップ31410206でその特定した車両が自車線領域にいるかどうかを判定し、もし自車線領域と判定されれば、以下ステップ31410207から第1実施例と同様なステップを実行する。
【0082】
一方、ステップ31410206で、自車線領域でないと判定された場合は、ステップ31410214で特定車両の消失を記憶する。この様に、本実施例では、上述した追従車両の特定判定及び特定した追従車両の消失判定を行なうので、第1実施例と同様な効果を奏するとともに、操舵角に応じてより適切に車両の認識を行なうことができるという利点がある。
【0083】
(第3実施例)
次に、第3実施例の車両走行制御装置について説明する。
【0084】
本実施例では、車間距離検出装置14は、異なる方向に電磁波を送信し、送信した電磁波の反射体による反射波を受信するタイプ、又は広範囲に電磁波を送信し、送信した電磁波の反射波を複数の異なる方向に向けられた受信部で受信するタイプの車間距離検出装置を使用するが、ステアリングセンサは使用しない。
【0085】
前記車間距離検出装置4は、前方の複数の方向に対して検出エリアを有している場合は、その方向と検出距離をコンピュータ11に送信する。次に、本実施例の制御処理をフローチャートに基づいて説明するが、詳細な処理のフローチャートは、基本的に第1実施例と同様であり、異なる部分は、追従車両の特定判定(ステップ313に該当)及び特定した追従車両の消失判定(ステップ314に該当)であるので、これについて説明する。
【0086】
まず、追従車両の特定判定について、3つ(左、中央、右)の検出エリアを持つ車間距離検出装置を例にして、図17のフローチャートに沿って説明する。ステップ31311101において、まず中央エリアに、現在認識状態の車両があるかどうかを判定する。これは中央エリアが、自車線領域に存在する確率が他のエリアに較べ高いので、追従開始時の車両を特定するのに使用するためである。
【0087】
ここで、もし認識車両が無ければ、ステップ313111105で特定不可を記憶する。一方、認識車両がいれば、ステップ313111102に進み、現在認識中になっている車両が複数あるかどうかを判定する。ここで、一つの車両しか認識状態でない場合には、ステップ31311104で、その車両を特定車両として記憶する。
【0088】
一方、認識中の車両が複数存在する事が確認された場合は、ステップ31311103で、車間距離が最も短い自車線領域の車両を特定車両として記憶するか、或は車間距離が同程度のものが複数ある場合は、特定不可とする。次に、特定した追従車両の消失判定についてを、図18のフローチャートに基づいて説明する。ここでは第1実施例との相違点についてのみ説明する。ステップ31411201で、特定車両が左、中央、右の何れのエリアにもいなくなった場合、ステップ31411202でタイマTM をインクリメントする。これは、特定車両の車間距離の時間的な連続性から、3つの検出エリア内で特定車両を追跡する事は容易に行えるが、これらのエリアで追跡車両が検出できなくなった状態を意味し、その連続時間をタイマTM で計測しているものである。
【0089】
また、ステップ31411203でも、同様の処理が特定車両の検出状態に対して行われ、ステップ31411204で、その連続時間をタイマTK で計測する。次に、ステップ31411205で特定した車両が、何れかの検出エリアで認識状態にある事が確認された場合、ステップ31411206でタイマTM とTK をゼロクリアして、ステップ31411207で特定車両の車間距離が他の検出車両に対して最短かどうかを判定する。
【0090】
ここで、もし最短でなければ、ステップ31411213に進み、特定車両消失と記憶する。一方、車間距離が最短ならば、ステップ31411208に進み、前回の制御周期で未検出又は検出状態かどうかを判定する。ここで、もしこれらの状態が無ければ、ステップ31411210へ進み、追従車両をレベル2で追従中と記憶する。一方、前回の制御周期で未検出又は検出状態であれば、ステップ31411209に進み、最後の認識状態時の車間距離と現在車間距離を比較する。
【0091】
ここで、定数Lを上回る場合は、特定車両が未検出又は検出中に入れ替わったと判断し、ステップ31411213に進み、特定車両消失を記憶する。一方、定数L以下ならば、特定車両を継続的に検出していると判断し、ステップ31411210に進み、追従車両をレベル2で追従中と記憶する。
【0092】
また、前記ステップ31411205で、認識中の車両でないと判定した場合は、ステップ31411211に進み、タイマTM 及びTK の継続時間を予め決めた定数N1 及びN2 と比較する。ここで、これらの定数N1 ,N2 より継続時間が何れも短ければ、ステップ31411212で追従車両をレベル1で追従中と記憶する。一方、何れかでも大きい場合は、ステップ31411213で、特定車両消失を記憶する。
【0093】
この様に、本実施例では、上述した追従車両の特定判定及び特定した追従車両の消失判定を行なうので、第1実施例と同様な効果を奏するとともに、検出エリアを3つ形成しているので、より精密な検出及びそれに基づく制御を行なうことができるという利点がある。
【0094】
(第4実施例)
次に、第4実施例の車両走行制御装置について説明する。
【0095】
本実施例では、車間距離検出装置14は、広範囲に電磁波を送信し、送信した電磁波の反射波を1つ受信部で受信し、且つこの広範囲に送信しているエリアの中央部分に重複する様に絞った電磁波を送信し、その送信した電磁波を同一又は異なる一つの受信部で受信するタイプの車間距離検出装置を使用する。この車間距離検出装置14は、各々のエリアに於て検出した距離をコンピュータ11に送信する。
【0096】
ここでは、広範囲エリアとその中央部分に重複する絞り込みエリアを各々独立に持つものを使用する。例えば、広範囲に送信する部分はミリ波を利用し、絞り込んで送信する部分は、レーザ光を利用する。尚、本実施例では、第2実施例の様にステアリングセンサは使用しなくてもよい。使用した場合は、第2実施例で説明した先行車判定のロジックを利用するが、ここでは、使用しない例について説明する。
【0097】
次に、本実施例の制御処理をフローチャートに基づいて説明するが、詳細な処理のフローチャートは、基本的に第1実施例と同様であり、異なる部分は、追従車両の特定判定(ステップ313に該当)及び特定した追従車両の消失判定(ステップ314に該当)であるので、これについて説明する。
【0098】
まず、追従車両の特定判定について、図19のフローチャートに沿って説明する。ステップ31312101で、絞り込んだエリア内に認識車両が存在するかどうかを判定する。
【0099】
ここで、もし認識車両がいなければ、ステップ31312105に進み、特定不可能を記憶する。一方、認識車両がいる場合は、ステップ31312102に進み、広範囲エリアでも、絞り込みエリア内で認識している車両が認識中となっているか否かを判定する。これは両エリア内の認識中の車両の車間距離及び相対速度を比較する事で行われる。
【0100】
ここで、もし広範囲エリア内に、同一の車両が認識中でない場合は、ステップ3131105に進み、特定不可能を記憶する。一方、広範囲エリアに同一車両が認識中である場合は、ステップ31312103に進み、両エリアで認識中の車両が複数かどうかを判定する。
【0101】
ここで、もし1つの車両のみが、両エリアで認識中の場合は、ステップ31312106に進み、その車両を特定車両として記憶する。この場合、検出状態の物体の距離も考慮して、もし検出状態の物体が認識中の車両より近くにある事が判明していれば、この特定車両としての記憶は行わない様にしてもよい。
【0102】
一方、複数の認識中の車両がある場合、ステップ31312104に進み、車間距離が最も短い車両を特定車両として記憶するか、或は車間距離が同程度のものが複数ある場合は、特定不可とする。但し、この場合も、検出状態の物体の距離を考慮して、車両の特定を行う様にしてもよい。
【0103】
つまり、この様に、車両の特定作業が行われ、定車間制御が開始されると、特定車両は広範囲エリア内で、車間距離の時間的連続性から常に監視される事になる。次に、特定した追従車両の消失判定について、図20のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、第1実施例との相違点についてのみ説明する。
【0104】
まず、ステップ31412201で特定車両が広範囲エリア内にいなくなった場合(未検出状態)、ステップ31412202でタイマTM をインクリメントする。これは、このエリアで追跡車両が検出できなくなった状態を意味し、その連続時間をタイマTM で計測しているものである。
【0105】
次に、ステップ31412203でも、同様の処理が特定車両の検出状態に対して行われ、その連続時間をタイマTK で計測する。次に、ステップ31412205で特定した車両が、広範囲エリアで認識状態にある事が確認された場合、ステップ31412206でタイマTM とTK をゼロクリアして、ステップ31412207で特定車両の車間距離が他の認識中の車両に対して最短かどうかを判定する。この場合、検出状態の物体との距離も考慮して判定してもよい。
【0106】
ここで、もし最短でなければ、ステップ31412213に進み、特定車両消失と記憶する。一方、車間距離が最短ならば、ステップ31412208に進み、前回の制御周期で未検出又は検出状態かどうかを判定する。ここで、もしこれらの状態がなければ、ステップ31412210へ進み、追従車両をレベル2で追従中と記憶する。一方、前回の制御周期で未検出又は検出状態であれば、ステップ31412209に進み、最後の認識状態時の車間距離と現在車間距離を比較する。
【0107】
ここで、定数Lを上回る場合は、特定車両が未検出又は検出中に入れ替わったと判断し、ステップ31412213に進み、特定車両消失を記憶する。一方、定数L以下ならば、特定車両を継続的に検出していると判断し、ステップ31412210に進み、追従車両をレベル2で追従中と記憶する。
【0108】
また、前記ステップ31412205で、認識中の車両がないと判定した場合は、ステップ31412211に進み、タイマTM 及びTK の継続時間を予め決めた定数N1 及びN2 と比較する。ここで、これらの定数N1 ,N2 より継続時間が何れも短ければ、ステップ31412212で追従車両をレベル1で追従中と記憶する。一方、何れかでも大きい場合は、ステップ31412213で、特定車両消失を記憶する。
【0109】
この様に、本実施例では、上述した追従車両の特定判定及び特定した追従車両の消失判定を行なうので、第1実施例と同様な効果を奏するとともに、広範囲エリアにて重複する信号を用いているので、より精密な検出及びそれに基づく制御を行なうことができるという利点がある。
【0110】
(第5実施例)
次に、第5実施例の車両走行制御装置について説明する。
【0111】
本実施例では、車間距離検出装置14は、前方画像を利用して、前方車両との車間距離を検出するタイプを使用する。これは例えば、三角測量法を応用したCCDカメラを用いたステレオ方式の測距装置を考える。この車間距離検出装置14は、画像から検出した検出距離及び画像データから前方車両の形状からの特徴抽出が可能かどうかの信号をコンピュータ11に送信する。
【0112】
尚、本実施例では、第2実施例の様にステアリングセンサは使用しなくてもよい。使用した場合は、第2実施例で説明した先行車判定のロジックを利用するが、ここでは、使用しない例について説明する。次に、本実施例の制御処理をフローチャートに基づいて説明するが、詳細な処理のフローチャートは、基本的に第1実施例と同様であり、異なる部分は、追従車両の特定判定(ステップ313に該当)及び特定した追従車両の消失判定(ステップ314に該当)であるので、これについて説明する。
【0113】
まず、追従車両の特定判定について、図21のフローチャートに沿って説明すステップ31313101で、絞り込んだエリア内に認識車両が存在するかどうかを判定する。ここで、もし認識車両がいなければ、ステップ31313105に進み、特定不可能を記憶する。一方、認識車両がいる場合は、ステップ31313102に進み、認識中の車両が画像データから特定できるかどうか判定する。これは車両の形状等の特徴抽出により行われる。
【0114】
ここで、もし画像データから車両を特定できない場合は、ステップ31312105に進み、特定不可能を記憶する。一方、画像データから車両が特定できる場合は、ステップ31313103に進み、認識中で且つ特定可能な車両が複数がどうかを判定する。
【0115】
ここで、もし1つの車両のみならば、ステップ31313106に進み、その車両を特定車両として記憶する。この場合、検出状態の物体の距離も考慮して、もし検出状態の物体が認識中の車両より近くにある事が判明していれば、この特定車両としての記憶は行わない様にしてもよい。
【0116】
一方、複数の認識中の車両がある場合は、ステップ31313104に進み、車間距離が最も短い車両を特定車両として記憶する。但し、この場合も、検出状態の物体の距離を考慮して、車両の特定を行ってもよい。つまり、この様に、車両の特定作業が行われ、定車間制御が開始されると、特定車両は車間距離の時間的連続性と画像データからの特徴抽出を利用して常に監視される事になる。
【0117】
次に、特定した追従車両の消失判定について、図22のフローチャートに基づいて説明する。ここでは第1実施例との相違点についてのみ説明する。まず、ステップ31413201で特定車両がいなくなった場合、ステップ31413202でタイマTM をインクリメントする。これは、このエリアで追跡車両が検出できなくなった状態を意味し、その連続時間をタイマTM で計測している。
【0118】
次に、ステップ31413203でも、同様の処理が特定車両の検出状態に対して行われ、その連続時間をタイマTK で計測する。次に、ステップ31413205で特定した車両が、認識状態にある事が確認された場合、ステップ31413206でタイマTM とTK をゼロクリアして、ステップ31413207で特定車両の車間距離が他の認識中の車両に対して最短かどうかを判定する。この場合、検出状態の物体との距離も考慮して判定する。
【0119】
ここで、もし最短でなければ、ステップ31413213に進み、特定車両消失と記憶する。一方、車間距離が最短ならば、ステップ31413208に進み、前回の制御周期で未検出又は検出状態かどうかを判定する。ここで、もしこれらの状態がなければ、ステップ31412210へ追従車両をレベル2で追従中と記憶する。一方、前回の制御周期で未検出又は検出状態があれば、ステップ31413209に進み、最後の認識状態時の車間距離と現在車間距離を比較する。
【0120】
ここで、定数Lを上回る場合は、特定車両が未検出又は検出中に入れ替わったと判断し、ステップ31413213に進み、特定車両消失を記憶する。一方、もし定数L以下ならば、特定車両を継続的に検出していると判断し、ステップ31413210に進み、追従車両をレベル2で追従中と記憶する。
【0121】
また、前記ステップ31413205で、認識中の車両がないと判定した場合は、ステップ31413211に進み、タイマTM 及びTK の継続時間を予め決めた定数N1 及びN2 と比較する。ここで、これらの定数N1 ,N2 より継続時間が何れも短ければ、ステップ31413212で追従車両をレベル1で追従と記憶する。一方、何れかでも大きい場合は、ステップ31413213で、特定車両消失を記憶する。
【0122】
この様に、本実施例では、上述した追従車両の特定判定及び特定した追従車両の消失判定を行なうので、第1実施例と同様な効果を奏するとともに、CCDカメラを使用するので、電磁波による障害等に影響されることなく、より精密な検出及びそれに基づく制御を行なうことができるという利点がある。
【0123】
尚、前記本発明の実施例について説明したが、本発明はこの様な実施例に何等限定されるものではなく、各種の態様で実施できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の制御系統を示すブロック図である。
【図3】第1実施例の制御処理のメインルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例の制御処理のメインルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例の制御処理のメインルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図6】第1実施例の制御処理のメインルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図7】第1実施例の追従車両の特定処理を示すフローチャートである。
【図8】第1実施例の特定した追従車両の消失処理を示すフローチャートである。
【図9】第1実施例の制御開始可能車間エリアを示すグラフである。
【図10】第1実施例の適性車間エリアを示すグラフである。
【図11】第1実施例の基本加減速量のマップを示す説明図である。
【図12】第1実施例の車速の制御方法を示すグラフである。
【図13】第2実施例のシステム構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施例の制御系統を示すブロック図である。
【図15】第2実施例の追従車両の特定処理を示すフローチャートである。
【図16】第2実施例の特定した追従車両の消失処理を示すフローチャートである。
【図17】第3実施例の追従車両の特定処理を示すフローチャートである。
【図18】第3実施例の特定した追従車両の消失処理を示すフローチャートである。
【図19】第4実施例の追従車両の特定処理を示すフローチャートである。
【図20】第4実施例の特定した追従車両の消失処理を示すフローチャートである。
【図21】第5実施例の追従車両の特定処理を示すフローチャートである。
【図22】第5実施例の特定した追従車両の消失処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…コンピュータ、13…車速センサ、14…車検距離検出装置、15…設定部、16…エンジン、17…スロットルアクチュエータ、18…トランスミッション、19…トランスミッションコントローラ、22…相対速度演算部、26…加減速率計算部、27…目標車速計算部、29…車速制御部、113…CPU

Claims (6)

  1. 前方を走行する車両と自車両との間の実車間及び相対速度を求める計測手段と、
    前記前方を走行する車両と前記自車両との間の目標車間を設定する目標車間設定手段と、
    前記実車間、前記相対速度および前記目標車間に基づいて前記自車両を加減速させるための目標車速を求める目標車速演算手段と、
    前記目標車速に基づいて、前記実車間が前記目標車間となるように前記自車両を加減速制御する制御手段とを備え、
    更に、該制御手段にて前記自車両を加減速させる際に、前記自車両に急な加減速が生じないように、前記目標車速演算手段にて求められた前記目標車速が前記自車両の車速センサから検出される現在車速から大きく離れないよう、前記目標車速に対して制限を与えるリミット手段を具備したことを特徴とする車両走行制御装置。
  2. 前記目標車速演算手段は、現在の車間距離から目標車間距離を減じた値と、前方車両との相対速度とから、加減速率を求め、この加減速率から目標車速を演算するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両走行制御装置。
  3. 前記目標車速と前記現在車速とを比較して、前記自車両を加減速制御する際の制御方法を検討する制御方法検討手段を備え、
    前記制御手段は、前記制御方法検討手段が検討した制御方法に基づいて、前記自車両を加減速制御することを特徴とする請求項1又は2記載の車両走行制御装置。
  4. 前記制御方法検討手段は、スロットル制御でよいか、或いはトランスミッションを制御する必要性が有るか否かを検討するものであることを特徴とする請求項3記載の車両走行制御装置。
  5. 前記制御方法検討手段は、前記目標車速が前記現在車速に較べて第1の速度閾値以上小さかったときに前記スロットルを全閉とし、さらに、前記目標車速が前記現在車速に較べて前記第1の速度閾値よりも大きい値を示す第2の速度閾値以上小さかったときに合わせて、前記トランスミッションのオーバードライブを解除する検討を行うものであることを特徴とする請求項4記載の車両走行制御装置。
  6. 前記リミット手段は、前記目標車速が前記現在車速に基づく車速範囲に入っていない場合に前記目標車速を変更するものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両走行制御装置。
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