JP3588612B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置内の配線構造に係り、特にLSIのヒューズ配線の構造および配線パターンの改良を図った半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置において、不良救済のための冗長回路(リダンダンシー回路)が設けられたものが一般的に知られている。このリダンダンシー回路には、正常に機能する回路から不良部分を切り離すためのヒューズ配線が設けられているのが一般的である。ヒューズ配線にレーザ光線(レーザビーム)を照射することより、ヒューズ配線を切断(ヒューズブロー)して、正常に機能する回路から不良部分を切り離す(例えば特許文献1〜4参照)。
【0003】
ここでは、例えばLSIのヒューズ配線付近の一般的な構造を、図15(a)〜(c)を参照しつつ簡潔に説明する。図15(a)は、LSIをヒューズ配線の幅方向に沿って示す断面図である。図15(b)は、図15(a)中X−X線に沿って示す断面図であり、具体的にはLSIをヒューズ配線の長手方向に沿って示す断面図である。図15(c)は、LSIのヒューズ配線付近をその上方から臨んで示す平面図である。
【0004】
シリコン基板101上には、多層配線構造が形成されており、図15(a)は最上層とその下層の2層の各種配線102を代表的に示している。各配線102は、CuやAlを用いて形成されるのが一般的であり、この場合はCuを用いて形成されているものとする。また、パッド部103aは、AlCu、Cu、またはそれらの混合メタル等を用いて形成されるのが一般的である。この場合、パッド部103aはCuを用いて形成されているものとする。
【0005】
また、基板101上には層間絶縁膜104が積層されて設けられている。各層間絶縁膜104の間には、拡散防止膜105が設けられている。Cu配線102に対しては、層間絶縁膜104を、例えばプラズマ−SiO2膜、Low−k膜(低比誘電率絶縁膜)、およびシリコン窒化膜の各膜、またはそれら各膜を積層した積層膜を用いて形成することが一般的である。この場合、各層間絶縁膜104はプラズマ−SiO2膜とする。同様に、Cu配線102に対しては、Cuの拡散を防止するために、拡散防止膜105を、例えばシリコン窒化膜、シリコン炭化膜(SiC)、シリコン炭窒化膜(SiCN)、またはそれらと略同等の特性を有する膜を用いて、Cu拡散防止膜として形成することが一般的である。この場合、各Cu拡散防止膜105はシリコン窒化膜とする。また、最上層の層間絶縁膜104およびその下のCu拡散防止膜105は、いわゆるパッシベーション膜106として形成されている。
【0006】
各Cu配線102とSiO2膜104との間には、バリアメタル膜107が設けられている。各バリアメタル膜107は、例えばTa、Nb、W、またはTiなどの高融点金属からなる膜、あるいはそれら高融点金属の窒化物からなる膜、もしくはそれら高融点金属と高融点金属の窒化物との積層膜を用いて形成されている。
【0007】
多層配線構造のLSIの場合、第2層目以上のCu配線102は、いわゆるデュアルダマシン工程、シングルダマシン工程、あるいはRIE工程等により形成されるのが一般的である。ここでは、最上層のCu配線102aおよびパッド部103aは、デュアルダマシン工程によりヴィアプラグ108と一体に形成されている。すなわち、Cu配線102aおよびパッド部103aは、いわゆるデュアルダマシン構造となっている。
【0008】
また、多層配線構造のLSIの場合、ヒューズ配線は、一般的に最上層よりも下の配線層に設けられる。例えば、図15(a)に示すように、最上層より1層下層のCu配線102のうちの数本がヒューズ配線103として用いられる。Cuヒューズ配線103の上方には、所定のヒューズ配線を電気的に断線させるヒューズブローを行い易くするために、いわゆるヒューズ窓109が設けられている。このヒューズ窓109は、LSIの製造に掛かる、いわゆるプロセスコストの低減等の観点から、最上層の層間絶縁膜104をエッチングして最上層配線のパッド部103aを露出させる際に、併行して開けられるのが一般的である。
【0009】
【特許文献1】
United States Patent No.: 6,376,894
【0010】
【特許文献2】
特開2000−269342号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平11−163147号公報
【0012】
【特許文献4】
United States Patent No.: 6,054,339
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
Cuヒューズ配線103は酸化され易いため、ヒューズ窓109の底部110を完全に開放してCuヒューズ配線103の表面を露出させることは好ましくない。ところが、ヒューズブローを容易にするためには、Cuヒューズ配線103上に残すSiO2膜104およびCu拡散防止膜105の膜厚を厚くすることは好ましくない。したがって、ヒューズ窓109は、その底部110とCuヒューズ配線103の表面との間の残存膜104の膜厚が、できる限り薄くなるように形成される。
【0014】
この際、エッチングの特性により、ヒューズ窓109の底部110は、図15(a),(b)に示すように、その上面が略アーチ形状に湾曲した形状になり易い。すると、図15(a),(b)に示すように、ヒューズ窓109の底部110の周縁部において、いわゆるトレンチング(Trenching)現象が発生し、Cuヒューズ配線103の表面の一部が露出するおそれがある。Cuヒューズ配線103の表面が露出されると、その露出した部分からCuヒューズ配線103が酸化される。その結果、Cuヒューズ配線103の配線抵抗が上昇し、Cuヒューズ配線103の品質が劣化する問題が生じる。ひいては、LSI全体の品質が損われるおそれがある。他方、Cuヒューズ配線103の酸化を防ぐために、Cuヒューズ配線103上の残存膜104の膜厚を薄く形成しつつ、Cuヒューズ配線103の表面が露出しないようにヒューズ窓109の底部110の形状改善を図ることは、エッチングの特性により極めて困難である。
【0015】
また、Cuヒューズ配線103の表面が露出しないようにエッチングを行うと、Cuヒューズ配線103上の残存膜104が厚くなる。残存膜104が厚膜化すると、ヒューズブローに必要とされるレーザビームのエネルギーを増大させる必要が生じる。この結果、エネルギーを増大させられたレーザビームが、切断すべきCuヒューズ配線103に隣接するCuヒューズ配線103にまで損傷を与えるおそれがある。これにより、ヒューズ配線103全体の信頼性を低下させるおそれが生じる。これを防ぐためには、隣接するヒューズ配線103同士の間隔である、いわゆるヒューズピッチを、所定の大きさ以上に規定する必要がある。具体的には、ヒューズピッチを、レーザビームのエネルギー、すなわちレーザビームの加工精度に規定される限界の大きさ以上に設定しなければならない。これにより、切断が所望されるヒューズ配線103にのみレーザビームを照射することができる。
【0016】
このように、残存膜104が厚膜化すると、ヒューズ配線103の狭ピッチ化に限界が生じ易くなるなど、Cuヒューズ配線103の配列に制限が生じる。ヒューズ配線103の狭ピッチ限界の低下は、LSIに搭載されるCuヒューズ配線103の本数の減少を招く。これにより、ヒューズブローによる、いわゆるチップ救済率が低下し、ひいてはLSIの生産歩留まりが低下する。また、残存膜104が厚膜化すると、レーザビームの出力を上げたり、あるいはその微細加工の精度の限界を向上させたりする必要などが生じる。ひいては、LSIのプロセスコストの上昇につながるおそれがある。
【0017】
さらに、近年、半導体装置の微細化および高密度化に伴い、半導体装置内の各種電子回路の微細化および高密度化が進んでいる。それに伴って、ヒューズ配線の本数も増大している。図15(c)に示すようなヒューズ配線構造では、ヒューズ配線103の本数を増やすためには、ヒューズ配線領域のサイズを大きくしなければならない。すると、半導体装置内におけるヒューズ配線領域の占有面積が増大し、半導体装置に搭載し得る救済回路の規模の縮小を引き起こす。このため、チップ救済率が低下するおそれがある。
【0018】
また、ヒューズ配線103の本数を増やすために、ヒューズ配線領域を大きくするのではなく、各ヒューズ配線103の幅を細くする。すると、ヒューズ窓109の底部110の周縁部が開放された際にヒューズ配線103の露出された部分が酸化され易くなり、LSIの品質が損われ易くなる。さらに、ヒューズ配線領域を大きくすることなくヒューズ配線103の本数を増やすと、ヒューズピッチがレーザビームの加工精度で規定される限界を超えて、不用意に狭くなるおそれが生じる。すると、前述したように、ヒューズ配線103がヒューズブローによるダメージを受け易くなり、ヒューズ配線103全体の信頼性が低下するおそれがある。
【0019】
本発明は、以上説明したような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ヒューズブローを行い易く、かつ、ヒューズ配線やその周辺部の品質が劣化し難いヒューズ配線構造を備えた半導体装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ヒューズブローによるダメージを受けるおそれを抑制できるとともに、ヒューズ配線領域を拡大することなく、ヒューズ配線の本数を増やすことができる半導体装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置は、基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線よりも上方に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線が設けられている層の上層内に前記ヒューズ本体部と前記引き出し線とを電気的に接続するプラグ部と一体に埋め込まれて設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
また、前記課題を解決するために、本発明の他の態様に係る半導体装置は、基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線よりも上方に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線が設けられている層の上層内に前記ヒューズ本体部と前記引き出し線とを電気的に接続するプラグ部と別体に埋め込まれて設けられていることを特徴とするものである。
【0022】
また、前記課題を解決するために、本発明のまた他の態様に係る半導体装置は、基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線よりも上方に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線が設けられている層の上層で前記ヒューズ本体部と前記引き出し線とを電気的に接続するプラグ部と一体にエッチング加工により形成されて設けられていることを特徴とするものである。
【0023】
これらの半導体装置においては、基板上に設けられたヒューズ配線の一部を構成するヒューズ本体部が、このヒューズ本体部に電気的に接続されて同じくヒューズ配線の一部を構成するヒューズ用引き出し線よりも上方に設けられている。また、ヒューズ本体部の上方においては、ヒューズ配線を覆うように設けられている絶縁膜内にヒューズブロー用凹部が形成されている。ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部がヒューズブロー用凹部の底部の内側領域に位置して設けられている。これにより、ヒューズブローを行い易いように、ヒューズブロー用凹部の底部とヒューズ配線の表面との間の残存膜の膜厚を薄く形成した際に底部の周縁部が開放されても、ヒューズ本体部およびヒューズ用引き出し線は露出するおそれが殆どない。また、レーザビームがヒューズ本体部に当たり易く、かつ、レーザビームのエネルギーがヒューズ本体部の下方などに逃げ難い。これにより、ヒューズブローを行う際に、断線されるヒューズ配線の周囲の絶縁膜などにダメージを与えるおそれが殆どない。
【0024】
それとともに、ヒューズ用引き出し線が、ヒューズ本体部よりも下層に形成されている。これにより、ヒューズブローを行う際に、断線されるヒューズ配線に隣接するヒューズ配線にダメージを与えるおそれが殆どない。また、ヒューズ本体部の位置に拘らず、ヒューズ用引き出し線の配線パターンを半導体装置内の各種電子回路の設計に応じた適正なパターンに形成できる。
【0025】
また、前記課題を解決するために、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体装置は、基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線と同じ層に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成され、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線は、その幅が前記ヒューズ本体部の幅と同等以下に狭く形成されていることを特徴とするものである。
【0026】
この半導体装置においては、基板上に設けられたヒューズ配線の一部を構成するヒューズ用引き出し線が、このヒューズ用引き出し線に電気的に接続されて同じくヒューズ配線の一部を構成するヒューズ本体部と同じ層に設けられている。また、ヒューズ本体部の上方においては、ヒューズ配線を覆うように設けられている絶縁膜内にヒューズブロー用凹部が形成されている。ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部がヒューズブロー用凹部の底部の内側領域に位置して設けられている。これにより、レーザビームがヒューズ本体部に当たり易く、かつ、レーザビームのエネルギーがヒューズ本体部の下方などに逃げ難い。これにより、ヒューズブローを行う際に、断線されるヒューズ配線の周囲の絶縁膜などにダメージを与えるおそれが殆どない。
【0027】
それとともに、ヒューズ用引き出し線が、その幅がヒューズ本体部の幅と同等以下に狭く形成されている。これにより、ヒューズブローを行う際に、断線されるヒューズ配線に隣接するヒューズ配線がダメージを受けるおそれが殆どないように、ヒューズ用引き出し線の配線パターンを適正な形状に形成できる。また、ヒューズ本体部の位置に拘らず、ヒューズ用引き出し線の配線パターンを半導体装置内の各種電子回路の設計に応じた適正な形状に形成できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置としてのLSIの製造工程を示す工程断面図である。本実施形態のヒューズ配線1は、Cuにより形成されている。また、ヒューズ配線1のヒューズ本体部2には、このヒューズ本体部2とヒューズ用引き出し線5とを電気的に接続するコンタクトプラグ部(ヴィアプラグ部)12が一体に形成されている。すなわち、ヒューズ本体部2は、いわゆるデュアルダマシン構造に形成されている。
【0030】
先ず、図1(a)に示すように、各種電子回路を構成する図示しない能動素子や多層配線構造などが形成されたSi基板3の上に、第n層目(nは正の整数)の層間絶縁膜(ILD:Inter−level Dielectrics)4を設ける。後述するCuヒューズ配線1は、基板3上に所定の配線パターンで設けられて、各種電子回路などに電気的に接続されるものとなっている。第n層目の層間絶縁膜4を含めて、基板3上に設けられる各層の層間絶縁膜4は、SiO2膜(TEOS膜)や低比誘電率絶縁膜(Low−k膜)、またはそれら各膜を積層した積層膜により形成されることが一般的である。SiO2膜は、例えばプラズマCVD法によって成膜される。本実施形態においては、各層間絶縁膜4はSiO2膜とする。
【0031】
次に、第n層目の層間絶縁膜4内に、Cuヒューズ配線1の一部を構成するCuヒューズ用引き出し線5を形成する。先ず、予め設定されている所定の配線パターンに沿って層間絶縁膜4をエッチングして、下層配線としてのCu引き出し線5を形成するための図示しない凹部(溝)を形成する。続けて、その溝内に、Cu引き出し線5の形成材料であるCuが層間絶縁膜4内に拡散するのを抑制するためのバリア膜(バリアメタル膜)6を設ける。本実施形態においては、このバリア膜6をTa層6aおよびTaN層6bからなる2層構造に形成する。この際、バリア膜6とCu引き出し線5との材料同士の化学的な相性を考慮して、Cu引き出し線5に直接接触する内側の層をTa層6aとし、このTa層6aの外側の層をTaN層6bとした。
【0032】
続けて、バリア膜6の内側にCu引き出し線5のシードとなるCuを主成分とする膜を成膜した後、電解めっき法によりCu引き出し線5を形成する。この後、溝の外側に付着した余分なCuおよびバリア膜6をCMP法により研磨して除去する。これにより、第n層目の層間絶縁膜4内に、所望のCu引き出し線5を得る。
【0033】
次に、第n層目の層間絶縁膜4の上に、絶縁膜の一種であり、Cu引き出し線5のCuが拡散するのを抑制するための第m層目(mは正の整数)のCu拡散防止膜7を設ける。この第m層目の拡散防止膜7を始めとして、基板3上に設けられる各層のCu拡散防止膜7は、例えばシリコン窒化膜、シリコン炭化膜(SiC)、シリコン炭窒化膜(SiCN)、またはそれらと略同等の特性を有する膜により形成されることが一般的である。本実施形態においては、各Cu拡散防止膜7はシリコン窒化膜とする。
【0034】
次に、第m層目のCu拡散防止膜7の上に第n+1層目の層間絶縁膜4を設けた後、その内部にCuヒューズ本体部2を形成するための凹部(溝)8a、およびCuヴィアプラグ部12を形成するための凹部(溝)8bを形成する。本実施形態においては、Cuヒューズ本体部2を、Cuヴィアプラグ部12が一体に形成されたデュアルダマシン構造に形成する。したがって、ヒューズ本体部用凹部(溝)8aを、ヴィアプラグ部用凹部(溝)8bと一体に形成する。具体的には、前述した引き出し線用溝を形成する場合と同様に、予め設定されている所定の配線パターン、およびコンタクトパターンに応じて層間絶縁膜4および第m層目のCu拡散防止膜7をエッチングする。これにより、Cu引き出し線5の表面(上面)を一時的に露出させて、ヴィアプラグ部用溝8bと一体の所望のヒューズ本体部用溝8aを得る。
【0035】
続けて、図1(b)に示すように、ヒューズ本体部用溝8a内に、Cuヒューズ配線1を電気的に断線させるヒューズブローのターゲットとなるCuヒューズ本体部2を形成する。それとともに、ヴィアプラグ部用溝8b内に、Cuヒューズ本体部2とCu引き出し線5とを電気的に接続するCuヴィアプラグ部12を形成する。Cuヒューズ本体部2およびCuヴィアプラグ部12は、前述したCu引き出し線5を形成する場合と同様の方法により形成される。
【0036】
具体的には、先ずヒューズ本体部用溝8aおよびヴィアプラグ部用溝8b内に、Ta層6aおよびTaN層6bの2層構造からなるバリア膜6を形成する。この後、バリア膜6の内側に、Cuヒューズ本体部2およびCuヴィアプラグ部12のシード層となる、図示しないCuを主成分とする膜を成膜する。続けて、そのCuを主成分とする膜の上に、電解めっき法によりCuヒューズ本体部2およびCuヴィアプラグ部12を形成する。この後、両溝8a,8bの外側に付着した余分なCuおよびバリア膜6をCMP法により研磨して除去する。これにより、第n+1層目の層間絶縁膜4および第m層目のCu拡散防止膜7内に、所望のデュアルダマシン構造からなるCuヒューズ本体部2を得る。
【0037】
以上でCuヒューズ配線1の主要部が形成される。本実施形態においては、Cuヒューズ本体部2は、後述するヒューズブロー用凹部9の底部10よりも小さく形成される。具体的には、Cuヒューズ本体部2は、その長さおよび幅がヒューズブロー用凹部9の底部10の長さおよび幅よりも小さく形成される。すなわち、Cuヒューズ本体部2は、その平面視における面積が、ヒューズブロー用凹部9の底部10の面積よりも十分に小さく形成される。それとともに、Cuヒューズ本体部2は、その長さがヒューズブロー用レーザ光線(レーザビーム)の径以上の大きさに形成される。また、Cuヒューズ本体部2は、ヒューズブロー用凹部9の底部10と対向する領域の内側に位置するように形成される。特に、Cuヒューズ本体部2は、その長手方向の両端部がヒューズブロー用凹部9の底部10の内側領域に位置して設けられている。
【0038】
通常、ヒューズ配線を切断するためのアライメントは、ヒューズブロー用レーザビームの照射光学系とは別体に設けられたアライメントスコープを用いて、基板上に形成されたアライメントマークを読み取ることにより行われる。アライメントマークの読み取りにより基板の平面位置および垂直位置の情報を得て、切断するヒューズ配線の座標とヒューズ配線に向けて照射するレーザビームの焦点位置を校正する。しかしながら、アライメントマークの形状や、マーク上の絶縁膜厚さ等のばらつきにより、校正された焦点位置と実際のヒューズ配線位置との間に誤差が生じる場合がある。このため、照射光学系には、少なくとも前記誤差を許容できるだけの焦点深度が必要とされる。
【0039】
アライメントマークの読み取り誤算によるレーザビームの焦点位置の誤差が照射光学系の焦点深度より大きくなると、照射されたレーザビームの形状が劣化してヒューズ配線の切断不良が生じるおそれがある。また、ヒューズ配線上の絶縁膜の膜厚のばらつきや、基板の平坦性のばらつきによっても、レーザビームの照射光学系の光学距離が変動する。これによっても、ヒューズ配線の切断部においてレーザビームの形状が劣化する問題が生じる。
【0040】
一般に、前述したレーザビームの焦点位置の誤差がヒューズブローに及ぼす影響を、許容範囲内に収めるためには、照射光学系の焦点深度を約0.7μm以上に設定する必要があることが経験的に分かっている。また、確保する焦点深度が大きくなる程、レーザビームの絞り限界(最小径)に対する制限も大きくなることが分かっている。したがって、ヒューズブローを適正に行うためには、本実施形態に係るCuヒューズ配線1(Cuヒューズ本体部2)も、その大きさ(長さ)の最小値について制限を受ける。
【0041】
もし、Cuヒューズ本体部2の長さがレーザビームの最小径未満であると、ヒューズブローに必要な熱がCuヒューズ本体部2の下層に逃げてしまう。また、Cuヒューズ本体部2の長さがレーザビームの最小径未満であると、Cuヒューズ本体部2の下層のCu引き出し線5までもがブローされるおそれがある。下層のCu引き出し線5がブローされると、後述するヒューズ窓9の底部10と下層のCu引き出し線5との間に存在する第n+1層目の層間絶縁膜4にクラックなどが生じる場合もある。これらにより、Cuヒューズ配線1を適正にブローできなくなるおそれがある。
【0042】
図2は、ヒューズブロー用レーザビームの照射光学系の焦点深度を約0.7μm以上に設定する場合の、レーザビームの波長とレーザビームの最小径との関係をグラフにして示す図である。Cuヒューズ本体部2の下地に過度のダメージを与えることなくCuヒューズ配線1を適正に切断するためには、レーザビームの波長に応じて、図2のグラフに示されたレーザビームの最小径以上の長さを有するCuヒューズ本体部2を形成する。
【0043】
また、Cuヴィアプラグ部12は、Cuヒューズ本体部2よりも小さく形成されている。具体的には、図1(b)に示すように、Cuヴィアプラグ部12は、その径がCuヒューズ本体部2の幅以下に形成されている。それとともに、Cuヴィアプラグ部12は、Cuヒューズ本体部2の内側に形成されている。これにより、Cuヒューズ配線1のヒューズブローに必要な熱が、Cuヒューズ本体部2の下層に逃げ難くなっている。
【0044】
次に、図1(c)に示すように、Cuヒューズ本体部2および第n+1層目の層間絶縁膜4の上に、第m+1層目のCu拡散防止膜7および第n+2層目の層間絶縁膜4を設ける。なお、本実施形態では図示していないが、第n層目の層間絶縁膜4から第n+2層目の層間絶縁膜4にかけては、その内部に図15(a)に示されるような各種配線およびパッド部が形成される。これら各種配線およびパッド部は、Cuヒューズ本体部2およびCu引き出し線5を形成する場合と同様の方法により形成される。続けて、図1(d)に示すように、第n+2層目の層間絶縁膜4の上に、さらに第m+2層目のCu拡散防止膜7および第n+3層目の層間絶縁膜4を設ける。これら両膜7,4は、いわゆるパッシベーション膜11として機能する。
【0045】
次に、Cuヒューズ本体部2の上方に、ヒューズブローを行い易くするためのヒューズブロー用凹部、いわゆるヒューズ窓9を設ける。このヒューズ窓9の開孔作業は、図15(a)において示したように、LSIの製造工程に掛かるコスト、いわゆるプロセスコスト低減等の観点から、図示しないパッド部の開孔と合わせて行われるのが一般的である。具体的には、図1(e)に示すように、ヒューズ窓9の底部10が、Cuヒューズ本体部2が配置されている領域を略完全に内包する大きさとなるように、第n+3層目の層間絶縁膜4、第m+2層目のCu拡散防止膜7、第n+2層目の層間絶縁膜4をエッチングする。この際、Cuヒューズ本体部2上に残されてヒューズ窓9の底部10を形成する第n+2層目の層間絶縁膜4は、そのエッチング後の残存膜の膜厚ができる限り薄くなるように形成される。これにより、ヒューズブロー用のレーザビームをCuヒューズ本体部2に向けて照射した際、Cuヒューズ本体部2をブローし易くすることができる。
【0046】
この際、エッチングの特性により、ヒューズ窓9の底部10は、図1(e)に示すように、その上面が略アーチ形状に湾曲(Bending)した形状になり易い。すると、ヒューズ窓9の底部10の周縁部において第m+1層目のCu拡散防止膜7までエッチングされて、第n+1層目の層間絶縁膜4が露出するおそれがある。すなわち、ヒューズ窓9の底部10の周縁部において、いわゆるトレンチング(Trenching)現象が発生し、Cuヒューズ本体部2の表面(上面)が露出するおそれがある。ところが、前述したように、Cuヒューズ本体部2は、ヒューズ窓9の底部10の幅(長さ)よりも十分短く形成されて、底部10と対向する領域の内側に位置している。これにより、底部10の上面が略アーチ形状に湾曲しても、Cuヒューズ本体部2が露出するおそれは殆どない。さらに、Cu引き出し線5はCuヒューズ本体部2の一つ下の層に形成されている。これにより、ヒューズ窓9の底部10の周縁部においてCu引き出し線5が露出するおそれは全くない。したがって、本実施形態によれば、Cuヒューズ配線1のヒューズブローを行い易くできるとともに、酸化し易いCuヒューズ配線1の劣化を大幅に抑制できる。
【0047】
また、Cuヒューズ配線1には電流が流れる場合がある。このような事態に備えて、Cuヒューズ配線1の長さを、図3に示す臨界長以下に設定する。具体的には、Cuヒューズ配線1を、その長さと、このCuヒューズ配線1に流れる電流密度の大きさとの積が、80.0μm・MA/cm2以下となるように形成する。例えば、Cuヒューズ配線1の長さを、約40μmに形成する。すると、Cuヒューズ配線1に電流密度の大きさが約2.0 MA/cm2の電流が流れても、致命的な電気的な不良が生じるおそれを殆どなくすことができる。特に、いわゆるエレクトロマイグレーション(EM)不良などが生じるおそれを殆どなくすことができる。したがって、高信頼性のCuヒューズ配線1を形成することができる。ひいては、LSI全体の信頼性の向上を図ることができる。
【0048】
以上説明したように、第1実施形態に係る半導体装置は、ヒューズブローが行い易いとともに、Cuヒューズ配線1の品質が劣化し難く信頼性が高い。
【0049】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0050】
本実施形態のヒューズ配線21は、Cuにより形成されている。また、ヒューズ配線21のヒューズ本体部22は、図4に示すように、コンタクトプラグ部(ヴィアプラグ部)23と別体に形成されている。すなわち、Cuヒューズ本体部22は、いわゆるシングルダマシン構造に形成されている。
【0051】
第m層目のCu拡散防止膜7までは、前述した第1実施形態と同様の方法により形成する。
【0052】
次に、第m層目のCu拡散防止膜7の上に設けた第n+1層目の層間絶縁膜4の内部に、シングルダマシン構造からなるCuヒューズ本体部22を形成する。したがって、Cuヒューズ本体部22を、Cuヴィアプラグ部23と個別に形成する。
【0053】
具体的には、先ず、第n+1層目の層間絶縁膜4の一部分となる下部絶縁膜を形成する。続けて、予め設定されている所定のコンタクトパターンに沿ってこの下部絶縁膜および第m層目のCu拡散防止膜7をエッチングする。これにより、Cu引き出し線5の表面を一時的に露出させる。この際、形成される下部絶縁膜の厚さ、およびエッチングにより形成される凹部(溝)の大きさは、Cuヴィアプラグ部23の大きさに相当する程度とする。このCuヴィアプラグ部23用の溝内に、先ずTa層6aおよびTaN層6bの2層構造からなるバリア膜6を形成する。この後、バリア膜6の内側にCuヴィアプラグ部23のシード層となるCuを主成分とする膜を成膜する。続けて、電解めっき法によりCuヴィアプラグ部23を形成する。続けて、溝の外側に付着した余分なCuおよびバリア膜6をCMP法により研磨して除去する。
【0054】
続けて、第n+1層目の層間絶縁膜4の一部分となる上部絶縁膜を同様に形成する。この後、予め設定されている所定の配線パターンに沿ってこの上部絶縁膜をエッチングする。この際、エッチングにより形成される凹部(溝)の大きさは、Cuヒューズ本体部22の大きさに相当する程度とする。このCuヒューズ本体部22用の溝内に、先ずTa層6aおよびTaN層6bの2層構造からなるバリア膜6を形成する。この後、バリア膜6の内側にCuヒューズ本体部22のシード層となるCuを主成分とする膜を成膜する。この後、電解めっき法によりCuヒューズ本体部22を形成する。続けて、溝の外側に付着した余分なCuおよびバリア膜6をCMP法により研磨して除去する。これにより、図4に示すように、第n+1層目の層間絶縁膜4および第m層目のCu拡散防止膜7内に、所望のシングルダマシン構造からなるCuヒューズ本体部22を得る。
【0055】
以上でCuヒューズ配線21の主要部が形成される。この後のヒューズ窓9を形成するまでの工程は、前述した第1実施形態と同様である。以上説明したように、第2実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0057】
本実施形態のヒューズ配線31は、Cuにより形成されている。また、ヒューズ配線31のヒューズ本体部32の上部には、酸化およびCuの拡散を抑制するためのバリア膜、いわゆるトップバリア膜33が形成されている。
【0058】
Cuヒューズ本体部32までは、前述した第1実施形態と同様の方法により形成する。したがって、本実施形態のCuヒューズ本体部32は、デュアルダマシン構造に形成されている。
【0059】
Cuヒューズ本体部32を形成した後、その上面をウェットエッチングもしくはドライエッチングにより選択的にリセスさせる(後退させる)。この後、リセスされた部分に、Cuヒューズ本体部32の周りに設けられているバリア膜6と同じく、Ta層33aおよびTaN層33bの2層構造からなるトップバリア膜(トップバリアメタル膜)33を形成する。これらTa層33aおよびTaN層33bは、例えばスパッタリング工程により形成する。この際、Cuヒューズ本体部32の上面に直接接する下側の層をTaN層33b、このTaN層33bの上側をTa層33aとする。この後、溝の外側に付着した余分なトップバリア膜33をCMP法により研磨して除去する。これにより、図5に示すように、第n+1層目の層間絶縁膜4および第m層目のCu拡散防止膜7内に、トップバリア膜33を有する所望のデュアルダマシン構造からなるCuヒューズ本体部32を得る。
【0060】
以上でヒューズ配線31の主要部が形成される。この後のヒューズ窓9を形成するまでの工程は、前述した第1実施形態と同様である。このように、第3実施形態に係る半導体装置は、Cuヒューズ本体部32の上面にトップバリア膜33が設けられているので、第1実施形態よりもCuヒューズ配線31が劣化し難い。
【0061】
特に、トップバリア膜33を、バリア膜6と同様にTa層33aおよびTaN層33bによって形成することにより、トップバリア膜33本来の機能であるCuの層間絶縁膜(ILD膜)4中への拡散を抑制する効果を得ることができる。また、成膜装置を兼用できるとともに、成膜プロセスを統一して簡略化できるので、設備投資を削減して半導体装置の生産コストを低減できる。また、たとえ配線用バリア膜6とトップバリア膜33とが接触しても、それら両バリア膜6,33は同じ材料から形成されているので、Cuヒューズ本体部32における抵抗値の上昇や、バリア性の劣化などを引き起こす反応が生じるおそれが殆どない。したがって、半導体装置の性能を劣化させる反応がCuヒューズ本体部32において生じるおそれが殆どない。
【0062】
さらに、Ta層33aおよびTaN層33bを積層して形成することにより、トップバリア膜33の成膜プロセスにおいて発生するダストの主な原因であるTaN層33bの薄膜化を促進できる。これに加えて、Ta層33aのペースティング効果により、ダストを大幅に低減できることが分かった。一般に、拡散バリア性としてはTaN層33bが大きく寄与するが、TaNはセラミックス層であるため機械的強度、すなわち破壊靭性値が低く非常に割れ易い。これに対し、Ta層33aは金属単体で形成されているので延性(展性)がある。したがって、トップバリア膜33を、それぞれ薄膜状に形成されたTa層33aおよびTaN層33bからなる積層構造とすることにより、成膜工程におけるダストを大幅に低減することができる。
【0063】
以上説明したように、第3実施形態に係る半導体装置は、それぞれ薄膜状の金属層およびセラミック層の積層構造に形成されているトップバリア膜33によって、Cuヒューズ本体部32における拡散バリア性が向上されている。すなわち、半導体装置全体の信頼性が極めて向上されている。
【0064】
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0065】
本実施形態のヒューズ配線41は、その引き出し線5が前述した第1実施形態の引き出し線5と同様にCuにより形成されている。ところが、ヒューズ配線41のヒューズ本体部42は、Alにより形成されている。また、ヒューズ本体部42は、前述した第1実施形態のCuヒューズ本体部2と同様に、デュアルダマシン構造に形成されている。
【0066】
Alヒューズ本体部42用の凹部(溝)までは、前述した第1実施形態と同様の方法により形成する。AlはCuと異なり拡散しないため、第1実施形態と同じバリア膜6を必要としない。したがって、先ずヒューズ本体部用溝内に、例えばTa、Nb、Ti、W、またはZrなどの高融点金属、あるいはそれらの窒化膜、もしくはそれらを積層したもの、およびAlCuをバリア膜(バリアメタル膜)43として設ける。本実施形態においては、バリア膜43を、Ta層43aおよびAlCu層43bからなる2層構造に形成する。バリア膜43を成膜した後、その内側にAlによりヒューズ本体部42を形成する。この後、溝の外側に付着した余分なAlおよびバリア膜43をCMP法により研磨して除去する。これにより、図6に示すように、第n+1層目の層間絶縁膜4および第m層目のCu拡散防止膜7内に、所望のデュアルダマシン構造からなるAlヒューズ本体部42を得る。
【0067】
以上でヒューズ配線41の主要部が形成される。AlはCuに比べて酸化し難いため、Alヒューズ本体部42の上に拡散防止膜を設ける必要はない。したがって、Alヒューズ本体部42の上に直接、第n+2層目の層間絶縁膜4を設ける。この後のヒューズ窓9を形成するまでの工程は、前述した第1実施形態と同様である。
【0068】
以上説明したように、第4実施形態に係る半導体装置は、ヒューズ本体部42がAlにより形成されているので、第1実施形態よりもヒューズ配線41が劣化し難い。
【0069】
(第5の実施の形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0070】
本実施形態のヒューズ配線51は、その引き出し線5が前述した第1実施形態の引き出し線5と同様にCuにより形成されている。ところが、ヒューズ配線51のヒューズ本体部52は、前述した第4実施形態のAlヒューズ本体部42と同様にAlにより形成されている。また、ヒューズ配線51のAlヒューズ本体部52は、図7に示すように、前述した第2実施形態のCuヒューズ本体部22と同様に、Alコンタクトプラグ部(ヴィアプラグ部)53と別体に形成されている。すなわち、Alヒューズ本体部52は、シングルダマシン構造に形成されている。
【0071】
したがって、この第5実施形態の半導体装置は、ヒューズ本体部52までは第2実施形態と同様の方法により形成すればよい。ただし、ヒューズ本体部52およびヴィアプラグ部53をAlにより形成するとともに、それらの周りに第4実施形態において用いたバリア膜43を成膜する。この後のヒューズ窓9を形成するまでの工程は、第4実施形態と同様である。
【0072】
以上説明したように、第5実施形態に係る半導体装置は、ヒューズ本体部52がAlにより形成されているので、第1実施形態よりもヒューズ配線51が劣化し難い。
【0073】
(第6の実施の形態)
図8は、本発明の第6実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す断面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0074】
本実施形態のヒューズ配線61は、その引き出し線5が前述した第1実施形態の引き出し線5と同様にCuにより形成されている。ところが、ヒューズ配線61のヒューズ本体部62は、前述した第4実施形態のAlヒューズ本体部42と同様に、Alにより形成されている。また、ヒューズ配線61のAlヒューズ本体部62には、図8に示すように、Alコンタクトプラグ部(ヴィアプラグ部)68が一体に形成されている。さらに、この第6実施形態のAlヒューズ本体部62は、ダマシン工程ではなく、RIE工程により加工形成される。
【0075】
第m層目のCu拡散防止膜7までは、前述した第1実施形態と同様の方法により形成する。
【0076】
次に、第m層目のCu拡散防止膜7の上に、Alヴィアプラグ部68の高さと同程度の膜厚で、パッド部第1絶縁膜(SiO2膜)63を設ける。続けて、予め設定されている所定のコンタクトパターンに沿ってパッド部第1絶縁膜63および第m層目のCu拡散防止膜7をエッチングし、Cu引き出し線5の表面を一時的に露出させる。この際、エッチングにより形成されるAlヴィアプラグ部68用の凹部(溝)の大きさは、Alヴィアプラグ部68の大きさに相当する程度とする。
【0077】
次に、このAlヴィアプラグ部68用の溝内およびパッド部第1絶縁膜63の上に、第4実施形態において用いたTa層43aおよびAlCu層43bの2層構造からなるバリア膜43を成膜する。続けて、このバリア膜43の内側および上側に、Alヒューズ本体部62およびAlヴィアプラグ部68を形成するAlを堆積させる。この後、予め設定されている所定の配線パターンに沿って、ウェットエッチングもしくはドライエッチングにより余分なAlおよびバリア膜43を選択的に除去する。これにより、所望の形状からなるAlヒューズ本体部62およびAlヴィアプラグ部68、ならびにバリア膜43を得る。
【0078】
次に、Alヒューズ本体部62を覆うように、パッド部第1絶縁膜63の上にパッド部第2絶縁膜(SiO2膜)64を設ける。この後、このパッド部第2絶縁膜64を貫通する図示しない最上層の各種配線、およびパッド部を形成する。これら各種配線およびパッド部は、Alヒューズ本体部62およびAlヴィアプラグ部68を形成する場合と同様の方法により形成される。AlはCuに比べて酸化し難いため、Alヒューズ本体部62の上に拡散防止膜を設ける必要はない。したがって、パッド部第1絶縁膜63の上に、パッド部第2絶縁膜64を連続して設ける。同様に、パッド部第2絶縁膜64の上に、パッド部第3絶縁膜(SiO2膜)65およびパッド部第4絶縁膜(シリコン窒化膜)66を連続して設ける。この際、パッド部第3絶縁膜65およびパッド部第4絶縁膜66は、それぞれ所定の厚さに堆積されて、パッシベーション膜67として成膜される。
【0079】
以上でヒューズ配線61の主要部が形成される。この後、パッド部開孔と合わせてヒューズ窓9を形成するまでの工程は、前述した第1実施形態と同様である。
【0080】
以上説明したように、第6実施形態に係る半導体装置は、ヒューズ本体部62がAlにより形成されているので、第1実施形態よりもヒューズ配線61が劣化し難い。
【0081】
(第7の実施の形態)
図9は、本発明の第7実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線のヒューズ本体部付近の構成を示す平面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0082】
本実施形態の半導体装置は、そのヒューズ配線71のヒューズ本体部72の配置に特徴を有するものである。
【0083】
前述した第1〜第6実施形態におけるヒューズ配線構造と同様に、ヒューズ配線71を多層構造化するとともに、そのヒューズ本体部72をヒューズ窓9の底部10よりも短く形成する。この際、図9(a)に示すように、隣り合うヒューズ配線71のヒューズ本体部72同士がヒューズ配線71の長手方向と直交する方向に沿って隣接しないように、互いにずらして配置する。これにより、ヒューズ配線71の幅を細くすることなく、ヒューズ配線71に必要な面積を、例えば図9(a)中斜線で示す大きさだけ小さくできる。すなわち、ヒューズ配線領域のコンパクト化を図ることができる。なお、図9(a)〜(c)中、ヒューズ窓9の内側の一点鎖線で示されている領域には、ヒューズ窓9の底部10を形成する層間絶縁膜などの残存膜73が存在するものとする。
【0084】
ここで、図9(a)において、例えばヒューズ配線71(ヒューズ本体部72)の幅(width)Wを約0.6μmに形成する。また、ヒューズ配線71の長手方向と直交する方向に沿って隣接するヒューズ本体部72同士の間隔、すなわちピッチ(pitch)Pを約2.0μmに形成する。それとともに、ヒューズ窓9の内側の単位面積(ブロックサイズ)当たりのヒューズ配線71の本数を1000本とする。
【0085】
このような設定では、例えば図15(c)に示す従来技術に係るヒューズ配線構造においては、ブロックサイズ当たり、おおよそ2.0μm×1000=2000μm程度の幅が必要である。これに対して、ヒューズ本体部72が図9(a)に示すように配置されている本実施形態のヒューズ配線構造では、ブロックサイズの幅は、おおよそ2.0×500=1000μm程度の大きさがあれば十分である。これは、従来技術のブロックサイズと比較して、その面積で約50%の削減ができることになる。これにより、LSIに搭載し得る図示しない救済回路の搭載領域を増大させて、LSIの救済率を向上できる。
【0086】
また、本実施形態のヒューズ配線構造では、ヒューズ配線71に必要なブロックサイズの面積を変えなければ、図9(b)中D1,D2で示す隣接するヒューズ本体部72同士の間隔を広げることができる。ひいては、ヒューズ配線71同士の間隔を広げることができる。これにより、ヒューズブローを行う際に、近接する所望外のヒューズ配線71にダメージを与えるおそれを殆どなくして、ヒューズ配線71の信頼性を向上できる。ひいてはLSI全体の信頼性、および生産歩留まりの向上を図ることができる。
【0087】
さらに、本実施形態のヒューズ配線構造では、ヒューズ配線71に必要なブロックサイズの面積、および隣接するヒューズ本体部72同士の間隔をともに変えなければ、図9(c)に示すように、単位面積内におけるヒューズ配線71の総数を増やして、高密度配線を実現できる。ひいては、救済回路に電気的に接続されるヒューズ配線71の本数を増やして、LSIの救済率を向上できる。
【0088】
以上説明したように、第7実施形態に係る半導体装置によれば、ヒューズ配線間隔、すなわちヒューズピッチの狭ピッチ化を図ることができる。ひいては、半導体装置内の各種電子回路などの微細化および高密度化、および半導体装置のコンパクト化を図り得る。これにより、ヒューズ配線領域の大きさ、ヒューズピッチ、そしてヒューズ配線の本数や密度などを、半導体装置内の各種電子回路の設計に応じた適正な状態に設定できる。
【0089】
また、近接するヒューズ配線71へのヒューズブローによるダメージの低減を図りつつ、ヒューズ配線領域を拡大することなくヒューズ配線71の本数を増やして、ヒューズ配線71の高密度化を図ることができる。これにより、半導体装置の信頼性、およびその生産効率の歩留まりの向上を図ることができる。
【0090】
(第8の実施の形態)
図10〜図14は、本発明の第8実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す平面図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付してその詳しい説明を省略する。また、図16〜図18は、本実施形態の半導体装置の比較例となる、従来の技術に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成を示す平面図および断面図である。
【0091】
本実施形態の半導体装置は、そのヒューズ配線81のヒューズ本体部82および引き出し線83の配線パターンに特徴を有するものである。
【0092】
先ず、従来技術に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構成について簡潔に説明する。従来用いられているヒューズ配線201の構造の概要を図16に示す。図16(a)は、従来技術に係る半導体装置としてのLSIのヒューズ配線付近を、その上方から臨んで示す平面図である。また、図16(b)は、図16(a)中Y−Y線に沿って示す断面図である。
【0093】
複数本のヒューズ配線201は、それらの一端が半導体装置内の各種電子回路、例えば制御回路部202に電気的に接続されている。また、各ヒューズ配線201の他端は、例えば共通電位配線203に電気的に接続されている。
【0094】
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、制御回路部等の半導体装置内の各種電子回路の微細化が進行している。それに伴ってヒューズピッチの微細化も進行している。半導体製造技術の中で、リダンダンシー技術による不良セルエレメントから予備セルエレメントへの置き換えは、レーザビームなどによるヒューズ切断方式が多く用いられている。
【0095】
一般に、ヒューズブローを行う際には、波長が1047nmや1321nm等の近赤外領域のレーザ光線が用いられている。これらのレーザ光線の絞り限界は、各光線の波長により決定される。このため、ヒューズピッチが狭くなり、レーザ光線の絞りの大きさに近づくと、所望のヒューズ配線201を切断する際に、隣接するヒューズ配線201に損傷を与えるおそれがある。これを防ぐためには、例えば制御回路部202を、レーザ加工限界によって決定されるヒューズピッチの限界の大きさに応じて配置する必要がある。この結果、ヒューズ配線201および制御回路部202の占有領域が必要以上に大きくなるといった問題が生じる。また、ヒューズ配線201および制御回路部202の占有面積が増大すると、半導体チップに搭載し得る救済回路の規模の縮小を引き起こし、チップ救済率が低下する。ところが、図16(a)に示すような配線パターンでは、制御回路部202のピッチの縮小に応じてヒューズ配線201の狭ピッチ化を図ることは困難である。以下、一例を挙げて具体的に説明する。
【0096】
図16(a),(b)は、それぞれ従来の半導体装置に形成されているヒューズ配線領域の平面図および断面図を示している。図16(b)は、図16(a)中Y−Y線で示す部分の断面構造を示すものである。Si基板207上に設けられているヒューズ配線201は、一般にはCu、Cu合金、Al、またはAl合金などで形成されている。通常、ヒューズ配線201は、ヒューズ配線201と同層に形成されている他の配線と同種の材料を用いて、同様の構造に形成される。また、ヒューズ配線201の周囲には、シリコン酸化膜、有機シリコン酸化膜、あるいはシリコン窒化膜等の、半導体装置に一般に用いられる各種絶縁膜204が、それぞれ単層あるいは多層で形成されている。
【0097】
図16(a),(b)に示す半導体装置では、各絶縁膜204のうち、層間絶縁膜205をシリコン酸化膜で形成している。それとともに、拡散防止膜206をシリコン窒化膜で形成している。そして、それら層間絶縁膜205および拡散防止膜206が、Si基板207上にそれぞれ5層に積層された構造となっている。また、ヒューズ配線201をCuで形成している。そして、ヒューズ配線201の周囲には、Ta層208aおよびTaN層208bの2層構造からなるバリア膜208を形成している。
【0098】
この半導体装置では、図16(a)に示すように、ヒューズピッチの大きさP1は2.5μmに形成されている。それとともに、ヒューズ配線201の実質的な幅であるヒューズ配線201の本体部201aの幅W1の大きさは1.0μmに形成されている。また、この半導体装置では、ヒューズ配線201の本体部201aは第4層目に形成されている。そして、共通電位配線203は、例えば第2層目に形成されている。さらに、ヒューズ配線201と制御回路部202とを電気的に接続するヒューズ配線201の引き出し線201bは、例えば第1層目に形成されている。ヒューズ本体部201aと共通電位配線203とは、コンタクトプラグ(ヴィアプラグ)210を介して電気的に接続されている。同様に、ヒューズ本体部201aと引き出し線201bも、コンタクトプラグ210を介して電気的に接続されている。
【0099】
ヒューズ窓208の底部209を形成している、ヒューズ配線201上の残存膜である絶縁膜205は、ヒューズブローの切断特性を向上させるために可能な限り薄く形成される。ところが、従来技術において述べたように、残存膜205はヒューズ窓208の底部209において上向きに凸形状に形成され易い。このため、残存膜205は、その外周部付近の膜厚がヒューズ配線201が露出しない程度の厚さになるように形成される。
【0100】
図17(a),(b)は、図16(a),(b)に示されている構造からなるヒューズ配線201のうち、座標指定されたヒューズ配線201をヒューズブローにより切断した後の状態を示している。図17(a)は、ヒューズブローされたヒューズ配線付近を、その上方から臨んで示す平面図である。また、図17(b)は、図17(a)中Z−Z線に沿って示す断面図である。
【0101】
図17(a)中ヒューズ配線201の打点部分が、ヒューズブローが行われた部分である。このヒューズブローの際に用いたレーザ光線の波長は1321nm、ビーム径は直径3.0μm、合わせ精度は±0.35μmであった。このような設定では、切断したヒューズ配線201に隣接するヒューズ配線201や、その他の領域に損傷を殆ど与えることなく、所望のヒューズ配線201を切断可能なことが分かる。
【0102】
ところが、図18に示すように、ヒューズ配線201の本体部201aの幅W2の大きさを1.0μmに保持したまま、ヒューズピッチP2の大きさを2.0μmまで小さくする。このような設定において、図18中打点部分で示すように所望のヒューズ配線201を切断する。すると、切断すべきヒューズ配線201に隣接するヒューズ配線201上に黒塗り部分で示すように、周囲のヒューズ配線201に損傷を与えてしまう。これを防ぐために、隣接するヒューズ配線201に損傷を与えないようにレーザ光線の照射エネルギーを下げると、所望のヒューズ配線201を切断できなくなる。このように、従来の配線パターンでは、レーザ光線の波長を1321nm、ビームの直径を3.0μm、合わせ精度を±0.35μmに設定すると、制御回路部202の配列ピッチを2.0μmまでコンパクト化することは実質的に不可能である。
【0103】
この第8実施形態に係る半導体装置は、以上説明したような問題点を克服するためになされたものである。その目的は、レーザ光線による微細加工の精度限界に拘らず、半導体装置内の各種電子回路の微細化に応じて、ヒューズ配線を適正な配線パターンに設定することが可能なヒューズ配線構造を提供することである。また、ヒューズブローの処理速度を向上し得るヒューズ配線構造を提供することである。
【0104】
本実施形態の半導体装置のヒューズ配線81付近の構造を、ヒューズ窓9の上方から臨んだ平面図として、図10〜図12に示す。
【0105】
図10〜図12に示すように、本実施形態においては、複数本のヒューズ配線81のヒューズ本体部82は、各ヒューズ配線81の長手方向に沿って、電子回路としての制御回路部84側から共通電位配線85側に向かって、第1列、第2列、第3列となるように形成されている。第2列のヒューズ本体部82は、それらに接続されている各引き出し線83が、第1列の各ヒューズ本体部82の間を通して制御回路部84に電気的に接続されている。また、第3列のヒューズ本体部82は、それらに接続されている各引き出し線83が、第2列および第1列の各ヒューズ本体部82の間を通して制御回路部84に電気的に接続されている。
【0106】
同様に、第2列のヒューズ本体部82は、それらに接続されている各引き出し線83が、第3列の各ヒューズ本体部82の間を通して共通電位配線85に電気的に接続されている。また、第1列のヒューズ本体部82は、それらに接続されている各引き出し線83が、第2列および第3列の各ヒューズ本体部82の間を通して共通電位配線85に電気的に接続されている。本実施形態においては、図10中Aで示す、各ヒューズ本体部82とこれらに隣接する各引き出し線83とのそれぞれの中心間距離を、例えば約2.5μmに設定する。
【0107】
また、各ヒューズ本体部82は、それらの幅が各引き出し線83の幅と同等以上に広く形成される。すなわち、各引き出し線83は、それらの幅が各ヒューズ本体部82の幅と同等以下に狭く形成される。これにより、ヒューズブローを行い易くしつつ、各引き出し線83、ひいては各ヒューズ配線81の引き回しの自由度を向上できる。したがって、LSI内に設けられる各種電子回路同士の多種多様な接続状態に応じて、より適正な配線パターンのヒューズ配線81を設けることができる。
【0108】
一般に、ヒューズ本体部の幅を1.0μm程度まで広くすると、下地層のSi膜や、層間絶縁膜へのヒューズブローによる損傷が抑制される。しかし、ヒューズブローは行い難くなる。これに対して、ヒューズ本体部の幅を0.5μm程度まで狭くすると、ヒューズブローは行い易くなる。しかし、下地層などへのヒューズブローによる損傷が発生し易くなる。したがって、ヒューズ本体部の幅は、レーザビームの波長、合わせ精度、あるいは下地層の膜厚などに応じて適宜、ブロー特性と損傷抑制とを両立可能な適正な大きさに設定される。例えば、ヒューズブロー用レーザビームの波長が1321nmであるとする。この場合、ヒューズ本体部の幅は、通常約0.4μm〜約1.0μmが適正な大きさとされている。
【0109】
また、例えばヒューズ本体部の幅を約0.5μmまで狭くしても、下地Siへの損傷が殆ど生じない場合がある。そして、引き出し線とヒューズ本体部とを略同じ幅に形成しても、引き出し線の引き回しの自由度を確保できる場合がある。これら2つの場合を両立できる場合には、ヒューズ本体部と引き出し線とを略同じ幅に形成しても良い。ただし、引き出し線の幅をヒューズ本体部の幅よりも大きくすると、切断特性(ブロー特性)の劣化および引き回しの自由度の低下が生じるおそれが大きくなるので好ましくない。
【0110】
さらに、図10中Dで示す、第1列の2個のヒューズ本体部82間を通る2本の引き出し線83同士の間隔を、例えば約1.0μmに設定する。すると、図10中Bで示す、第1列において隣接するヒューズ本体部82同士の間隔が約6μmとなる。この結果、図10に示すように、第1列において、約6μmの幅に3本のヒューズ配線81を配置することが可能となる。これは、第2列および第3列においても同様である。このように、本実施形態の配線パターンによれば、図10中Cで示す隣接するヒューズ配線81の実質的なピッチを約2.0μmまで狭くすることができる。
【0111】
図10に示されている各ヒューズ配線81のうち、所望のヒューズ配線81のヒューズ本体部82をヒューズブローした結果を図11に示す。この際、図示しないヒューズ切断装置を用いて、ヒューズブロー用のレーザ光線(レーザビーム)の波長が約1321nm、ビームの直径が約3.0μm、合わせ精度が±約0.35μmになるように設定した。図11中ヒューズ本体部82の打点部分が、ヒューズブローが行われた部分を示すものである。図11に示すように、本実施形態の配線パターンでは、所望のヒューズ配線81のみを切断することが可能であることが分かる。したがって、本実施形態のヒューズ配線構造によれば、ヒューズ配線81上の残存膜73を薄く形成したり、あるいはヒューズ配線81の狭ピッチ化の限界を向上させたりすることなく、実質的なヒューズピッチを狭くすることができる。
【0112】
また、本実施形態のヒューズ配線81の配線パターンを適用する際に、各ヒューズ本体部82と各引き出し線83とを同じ層に形成してもよい。この際、互いに隣接する引き出し線83の間隔を、レーザビームの直径と同等以下の大きさに形成する。すなわち、図12中引き出し線83上に破線の円で囲んで示すように、隣接する2本の引き出し線83を、それらの一部同士がともにレーザビームの照射領域内に入るように形成する。このような設定において、破線の円で囲んだ部分にレーザビームを照射する。すると、図12中隣接する2本の引き出し線83上に打点部分で示すように、2本の引き出し線83をまとめてヒューズブローすることができる。すなわち、1回のヒューズブローによって、実質的に2本のヒューズ配線81をまとめて切断することができる。これにより、ヒューズ切断のスループットを向上することが可能である。
【0113】
さらに、ヒューズ配線81を、図13および図14に示すようなパターンに形成しても構わない。レーザビームの照射領域の大きさを、図13および図14中破線の円で囲んで示す大きさとする。そして、各引き出し線83上の所定の箇所に標的として設定された、破線の円で囲んだ部分をヒューズブローする。これにより、1回のヒューズブローによって、2本または3本のヒューズ配線81をまとめて切断することができる。
【0114】
このように、第1列、第2列、および第3列の各ヒューズ本体部82を、ヒューズ配線81の長手方向に沿って略一直線状に位置するように配置する。そして、各ヒューズ本体部82の幅と同等以下の狭い幅に形成された引き出し線83を、各ヒューズ本体部82の間に通すように各ヒューズ配線81をパターン形成する。これにより、各ヒューズ本体部82と各引き出し線83とを同じ層に形成しても、隣接するヒューズ配線81のヒューズブローによるダメージを抑えつつ、標的となるヒューズ配線81のヒューズブローを適正な状態で効率良く行うことができるヒューズ配線構造を得ることができる。すなわち、半導体装置内の回路設計に応じて配線パターンの自由度の向上を図り得るヒューズ配線構造を備えているので、信頼性および歩留まりを向上できる。
【0115】
また、図13および図14に示すように、各ヒューズ本体部82を、ヒューズ配線81の長手方向のみならず、長手方向と直交する方向に沿っても各列が略一直線状に位置するように配置してもよい。すなわち、各ヒューズ本体部82を、ヒューズ配線81の長手方向および長手方向と直交する方向の両方向に沿ってそれぞれ略一直線状に位置するように、行列(matrix)状に配置する。これにより、ヒューズブローをより適正な状態でより効率良く行うことができるヒューズ配線81を得ることができる。
【0116】
なお、図14に示すヒューズ配線構造では、第1列〜第3列の各ヒューズ本体部82は、それら各列に対応して設けられている第1列〜第3列の各共通電位配線85に各列ごとに電気的に接続されている。各列の共通電位配線85は、ヒューズ窓9の底部10と対向する領域内において、各ヒューズ本体部82よりも下層において1本ずつ形成されている。そして、各共通電位配線85は、それぞれの端部において電気的に接続されている。各ヒューズ本体部82と各共通電位配線85とは、図14中各ヒューズ本体部82の×印で示す部分と各共通電位配線85との間で積層方向に沿って形成されている、図示しないコンタクトプラグによって電気的に接続されている。
【0117】
また、本実施形態において、ヒューズ配線81の配線パターンは、図10〜図14に示す形状に限られるものではない。1回のヒューズブローによって、さらに多くの本数のヒューズ配線81をまとめて切断できるように適宜、適正な形状、大きさ、および配線パターンで形成することができる。また、ヒューズ本体部82と引き出し線83との距離は、ヒューズブロー用のレーザビームの波長、ビームの直径、合わせ精度などに応じて適宜、適正な大きさに設定して構わない。
【0118】
なお、本実施形態においては、ヒューズ窓9の底部10を形成しているヒューズ配線81上の残存膜73は、図10〜図14に示すように、ヒューズ窓9の底部10の周縁部が開放され得ない形状および膜厚に形成されている。また、各ヒューズ配線81をCuを用いて形成するとともに、各ヒューズ本体部82と各引き出し線83とを同じ層に形成する場合、ヒューズ窓9の底部10の周縁部付近においては、各引き出し線83を少なくとも1つ下の層に下げて形成する。これにより、たとえヒューズ窓9の底部10においてトレンチング(Trenching)現象が発生しても、ヒューズ配線81が劣化するおそれを大幅に低減できる。
【0119】
以上説明したように、第8実施形態に係る半導体装置によれば、前述した第7実施形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、リダンダンシー用制御回路部84の狭ピッチ化に対応することが可能である。また、ヒューズ本体部82と引き出し線83とを同層に形成することにより、隣接する複数本のヒューズ配線81を1回のヒューズブローで切断することが可能となる。これにより、ヒューズ切断のスループットを向上できる。
【0120】
なお、本発明に係る半導体装置は、前述した第1〜第8の各実施形態には制約されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、それらの構成や、あるいは工程などの一部を種々様々な設定に変更したり、あるいは各種設定を適宜、適当に組み合わせて用いたりして実施することができる。
【0121】
例えば、ヒューズ配線を設ける高さは、最上層より1層下層の配線層には限られない。多層配線構造からなる半導体装置の場合、ヒューズブローが行い易く、かつ、ヒューズ配線の品質の劣化を抑制できる高さであれば、半導体装置内のどの層に形成しても構わない。また、引き出し線を設ける高さは、すべてのヒューズ配線についてヒューズ本体部と同じ層に設定する必要はない。あるいは、引き出し線を設ける高さを、すべてのヒューズ配線についてヒューズ本体部の1つ下の層に設定する必要はない。各引き出し線を、それぞれ異なる高さの層に設けても構わない。1個のヒューズ本体部から複数本の引き出し線を引き出す場合についても同様である。これらの場合、各引き出し線がヒューズ本体部から離れるにつれて、徐々に下に降りるように階段状に引き出しても構わない。また、共通電位配線を設ける高さについても同様である。
【0122】
また、ヒューズ本体部と引き出し線とを複数層離間させて接続する場合、それらの間の層には、単なるヴィアプラグ部(コンタクトプラグ部)を形成すれば十分である。引き出し線と共通電位配線とを複数層離間させて電気的に接続する場合も同様である。
【0123】
また、1個のヒューズ本体部から引き出される引き出し線の本数は、1本ないし2本には限られない。半導体装置内の所定の回路同士を複数通りのパターンで断線できるように、例えば複数個のヒューズ本体部から引き出し線をそれぞれ4本ずつ引き出しても構わない。それら各引き出し線のうち、所定の引き出し線同士が、ヒューズブロー用レーザビームの径の大きさよりも小さい範囲で隣接するように形成すればよい。これにより、ヒューズブローの作業効率を低下させることなく、断線パターンを増やすことができる。また、ヒューズブローの所望外の領域への影響がより低い箇所を選んでヒューズブローを行うことができる。すなわち、ヒューズブローの作業効率を低下させることなく、半導体装置の品質を向上できる。
【0124】
また、ヒューズ本体部の形状は、前述したデュアルダマシン構造、シングルダマシン構造、あるいはRIE構造には限られない。また、ヒューズ本体部とヴィアプラグ部とが略同じ大きさおよび形状に形成されても構わない。
【0125】
また、ヒューズ配線の形成材料は、ヒューズ配線の構造や、ヒューズ窓の底部の形状に応じて適宜、ヒューズ配線が劣化し難い適正な材料を選ぶことができる。例えば、ヒューズ窓の底部に残る残存膜が薄く形成され、底部の周縁部が開放される可能性がある場合には、ヒューズ配線のヒューズ本体部をAlにより形成すればよい。特に、ヒューズ本体部と、ヒューズ本体部の幅と同等以下の狭い幅に形成されたヒューズ用引き出し線とを同層に形成する場合には、これらをAlを用いて形成することにより、ヒューズ配線の劣化を極めて良好に抑制できる。他方で、ヒューズ窓の底部に残る残存膜が厚く形成され、底部の周縁部が開放される可能性が殆どない場合には、ヒューズ配線のヒューズ本体部をCuにより形成すればよい。これにより、ヒューズ配線における電気的特性を向上できる。また、ヒューズ配線にCuまたはAl以外に、これらと略同じ特性を有する金属を用いても、前記各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、ヒューズ配線をCu合金やAl合金などで形成しても構わない。
【0126】
また、ヒューズ本体部をシングルダマシン構造に形成する場合、ヒューズ本体部とヴィアプラグ部とを異なる材料を用いて形成しても構わない。この場合、ヴィアプラグ部の形成材料にヒューズ本体部の形成材料よりも融点の高い金属を用いる。例えば、ヴィアプラグ部を、いわゆる高融点金属を用いて形成する。
【0127】
また、ヒューズ配線のヒューズ本体部と引き出し線とを電気的に接続するヴィアプラグ部の径を小さくする程、ヒューズ配線の引き出し線幅を小さくできる。ヒューズ用引き出し線の幅を、ヒューズ本体部の幅と同等以下に狭く形成することにより、ヒューズブローを行う際の断線すべきヒューズ配線の周囲への影響を小さくできる。
【0128】
また、バリア膜はTaおよびTaNのペアには限定されない。例えば、TiおよびTiN、NbおよびNbN、WおよびWN、あるいはZrおよびZrNの各組み合わせなどを用いてバリア膜を構成しても構わない。また、化合物からなる層は、窒化物に限らず、例えば前記各金属元素を主成分とした炭化物や、あるいはホウ化物などでも構わない。すなわち、ヒューズ配線のそれぞれの形成材料に応じて、IVa族、Va族、またはVIa族の金属とその化合物などの中から選択して用いればよい。さらに、トップバリア膜は、Alヒューズ本体部の上に設けても構わない。これにより、ヒューズ本体部における品質劣化を大幅に低減できる。
【0129】
また、ヒューズブローに用いる光線は、前述した設定からなるレーザビームには限られない。例えば、次に示す様々な種類の光線を用いることができる。
【0130】
Q−switch Nd YAG レーザの基本波(波長:1064nm)、Q−switch Nd YAG レーザの第2高調波(波長:532nm)、同じく第3高調波(波長:355nm)、同じく第4高調波(波長:266nm)。あるいは、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、またはArFエキシマレーザ(波長:190nm)等である。つまり、ブロー用光線のビーム径を絞ることによって光線を局所的に照射可能であり、所望のヒューズ配線を選択的に切断できる光線であればよい。
【0131】
【発明の効果】
本発明に係る半導体装置においては、ヒューズ本体部がヒューズブロー用凹部の底部よりも小さく、かつ、ヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、ヒューズブロー用凹部の底部と対向する領域の内側に位置して設けられている。これにより、ヒューズブローを行い易いようにヒューズ配線上の残存膜の膜厚を薄く形成しても、ヒューズ本体部が露出するおそれが殆どない。また、レーザビームがヒューズ本体部に当たり易く、かつ、レーザビームのエネルギーがヒューズ本体部の下方などに逃げ難いので、ヒューズ配線の周囲の絶縁膜などにダメージを与えるおそれが殆どない。したがって、ヒューズ配線やその周辺部の品質が劣化し難く良質である。ひいては、半導体装置全体として良質である。
【0132】
また、本発明に係る半導体装置においては、ヒューズ用引き出し線が、ヒューズ本体部よりも下層に形成されている。あるいは、ヒューズ用引き出し線が、その幅がヒューズ本体部の幅と同等以下に狭く形成されて、ヒューズ本体部と同じ層に設けられている。これにより、ヒューズブローを行う際に、断線されるヒューズ配線に隣接するヒューズ配線にダメージを与えるおそれが殆どない。それとともに、ヒューズ配線領域の大きさ、ヒューズピッチ、そしてヒューズ配線の本数や密度などを、半導体装置内の各種電子回路の設計に応じた適正な状態に設定できるように、配線パターンの自由度を向上できるヒューズ配線構造を備えている。したがって、ヒューズブローによるダメージを受けるおそれを抑制できるとともに、ヒューズ配線領域を拡大することなく、ヒューズ配線の本数を増やすことができる。したがって、半導体装置全体としての信頼性、およびその生産歩留まりが向上されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す工程断面図。
【図2】ヒューズブロー用のレーザビームの波長と最小ビーム径との関係をグラフにして示す図。
【図3】ヒューズ配線に流れる電流の密度とヒューズ配線の臨界長との相関関係を示す図。
【図4】第2実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す断面図。
【図5】第3実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す断面図。
【図6】第4実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す断面図。
【図7】第5実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す断面図。
【図8】第6実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す断面図。
【図9】第7実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す平面図。
【図10】第8実施形態に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す平面図。
【図11】図10のヒューズ配線のヒューズ本体部にヒューズブローを行った状態を示す平面図。
【図12】図10のヒューズ配線のヒューズ本体部および引き出し線にヒューズブローを行った状態を示す平面図。
【図13】第8実施形態に係る半導体装置の他の配線パターンからなるヒューズ配線付近の構造を示す平面図。
【図14】第8実施形態に係る半導体装置のさらに他の配線パターンからなるヒューズ配線付近の構造を示す平面図。
【図15】従来の技術に係る半導体装置のヒューズ配線付近の構造を示す断面図および平面図。
【図16】従来の技術に係る半導体装置の他の構成からなるヒューズ配線付近の構造を示す平面図および断面図。
【図17】図16のヒューズ配線にヒューズブローを行った状態を示す平面図および断面図。
【図18】図16のヒューズ配線のピッチを狭くしてヒューズブローを行った状態を示す平面図。
【符号の説明】
1,21,31…Cuヒューズ配線、2,22,32…Cuヒューズ本体部、3…Si基板(基板)、4…層間絶縁膜(残存膜、TEOS−SiO2膜、ILD膜)、5…Cu引き出し線(ヒューズ用引き出し線)、6…バリアメタル膜(バリア膜)、6a…Ta層(バリア膜)、6b…TaN層(バリア膜)、7…Cu拡散防止膜(シリコン窒化膜、絶縁膜)、9…ヒューズ窓(ヒューズブロー用凹部、凹部)、10…ヒューズ窓底部(ヒューズブロー用凹部の底部)、11,67…パッシベーション膜(絶縁膜)、12,23…Cuヴィアプラグ部(コンタクトプラグ部、プラグ部)、33…トップバリアメタル膜(バリア膜)、33a…Ta層(バリア膜)、33b…TaN層(バリア膜)、41,51,61,71,81…ヒューズ配線、42,52,62…Alヒューズ本体部、43…バリア膜(バリアメタル膜)、43a…Ta層(バリアメタル膜)、43b…AlCu層(バリアメタル膜)、53,68…Alヴィアプラグ部(コンタクトプラグ部、プラグ部)、63…パッド部第1絶縁膜、64…パッド部第2絶縁膜(残存膜、TEOS−SiO2膜)、65…パッド部第3絶縁膜(TEOS−SiO2膜)、66…パッド部第4絶縁膜(シリコン窒化膜)、72,82…ヒューズ本体部、73…残存膜(絶縁膜)、83…ヒューズ用引き出し線、84…制御回路部(電子回路)、85…共通電位配線
Claims (15)
- 基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線よりも上方に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、
前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線が設けられている層の上層内に前記ヒューズ本体部と前記引き出し線とを電気的に接続するプラグ部と一体に埋め込まれて設けられていることを特徴とする半導体装置。 - 基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線よりも上方に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、
前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線が設けられている層の上層内に前記ヒューズ本体部と前記引き出し線とを電気的に接続するプラグ部と別体に埋め込まれて設けられていることを特徴とする半導体装置。 - 基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線よりも上方に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、
前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成されて、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線が設けられている層の上層で前記ヒューズ本体部と前記引き出し線とを電気的に接続するプラグ部と一体にエッチング加工により形成されて設けられていることを特徴とする半導体装置。 - 基板上に設けられたヒューズ用引き出し線、およびこの引き出し線と同じ層に設けられて前記引き出し線に電気的に接続されるヒューズ本体部から構成されたヒューズ配線と、前記基板上に前記ヒューズ配線を覆うように設けられ、前記ヒューズ本体部の上方にヒューズブロー用凹部が形成された絶縁膜と、を具備してなり、
前記ヒューズ本体部は、その長さがヒューズブロー用レーザビームの径以上の長さに形成され、かつ、その長手方向の両端部が前記凹部の底部の内側領域に位置して設けられているとともに、前記引き出し線は、その幅が前記ヒューズ本体部の幅と同等以下に狭く形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記引き出し線は、前記ヒューズ本体部から前記凹部の底部と対向する領域の外側に向けて延出されて設けられていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線は複数本が並行して設けられており、隣り合うヒューズ配線のヒューズ本体部は、前記ヒューズ配線の長手方向と直交する方向に沿って互いにずらされて配置されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線のヒューズ本体部のうち少なくとも2個の前記ヒューズ本体部は、前記ヒューズ配線の長手方向と直交する方向に沿って略直線状に位置して配置されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線は複数本が並行して設けられており、前記ヒューズ配線のヒューズ本体部のうち少なくとも2個の前記ヒューズ本体部は、前記ヒューズ配線の長手方向に沿って略直線状に位置して配置されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線は複数本が並行して設けられており、前記ヒューズ配線のヒューズ本体部が、前記ヒューズ配線の長手方向および前記ヒューズ配線の長手方向と直交する方向の両方向に沿って行列状に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載の半導体装置。
- 前記プラグ部の径は、前記ヒューズ本体部の幅以下の大きさに形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線は複数本が並行して設けられており、前記ヒューズ配線のうち少なくとも2本のヒューズ配線は、それらの各引き出し線の少なくとも一部同士がヒューズブロー用のレーザビームの照射領域と同等以下の範囲内に入るように近接して形成されて、前記ヒューズブロー用凹部の底部の内側領域に位置して設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ本体部は、その一端部が対応する前記各引き出し線を介して、前記ヒューズブロー用凹部の底部と対向する領域の外側に設けられている電子回路に電気的に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線は、CuまたはCu合金によって形成されていることを特徴とする請求項1〜12のうちのいずれかに記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ本体部は、その上にバリア膜が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
- 前記ヒューズ配線は、AlまたはAl合金によって形成されていることを特徴とする請求項1〜12のうちのいずれかに記載の半導体装置。
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