JP3588602B2 - コバルト−タンパク質複合体の作製方法 - Google Patents

コバルト−タンパク質複合体の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子の作製方法に関し、特に、コバルト微粒子を内包するコバルト−タンパク質複合体の作製方法、およびその関連技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バイオテクノロジーとエレクトロニクスを融合させたバイオエレクトロニクスの研究が活発に行なわれ、酵素等のタンパク質を用いたバイオセンサー等、すでに実用化されているものもある。
【0003】
バイオテクノロジーを他分野に応用する試みの1つとして、金属化合物を保持する機能を有するタンパク質であるアポフェリチンに金属または金属化合物からなる微粒子を取り込ませ、ナノオーダーの均一なサイズの微粒子を作製しようという研究がある。微粒子の用途に応じて種々の金属あるいは金属化合物等をアポフェリチンに導入すべく研究が進められている。
【0004】
ここで、アポフェリチンについて説明する。アポフェリチンは、生物界に広く存在するタンパク質であり、生体内では必須微量元素である鉄の量を調節する役割を担っている。鉄または鉄化合物とアポフェリチンとの複合体はフェリチンと呼ばれる。鉄は必要以上に体内に存在すると生体にとって有害であるため、余剰の鉄分はフェリチンの形で体内に貯蔵される。そして、フェリチンは必要に応じて鉄イオンを放出し、アポフェリチンに戻る。
【0005】
図1は、アポフェリチンの構造を示す模式図である。図1に示すように、アポフェリチン1は、1本のポリペプチド鎖から形成されるモノマーサブユニットが非共有結合により24個集合した分子量約46万の球状タンパク質であり、その直径は約12nmで、通常のタンパク質に比べ高い熱安定性と高いpH安定性を示す。アポフェリチン1の中心には直径約6nmの空洞状の保持部4があり,外部と保持部4とはチャネル3を介してつながっている。例えば、アポフェリチン1に2価の鉄イオンが取り込まれる際、鉄イオンはチャネル3から入り、一部のサブユニット内にあるferrooxidase center(鉄酸化活性中心)と呼ばれる場所で酸化された後、保持部4に到達し、保持部4の内表面の負電荷領域で濃縮される。そして、鉄原子は3000〜4000個集合し、フェリハイドライト(5Fe・9HO )結晶の形で保持部4に保持される。保持部4に保持された金属原子を含む微粒子の直径は、保持部4の直径とほぼ等しく、約6nmとなっている。
【0006】
このアポフェリチンを用いて、人工的に鉄以外の金属や金属化合物を担持させた微粒子−アポフェリチン複合体が作製されている。
【0007】
現在までに、マンガン(P.Mackle, 1993, J. Amer. Chem. Soc. 115, 8471−8472; F.C.Meldrumら, 1995, J.Inorg.Biochem. 58, 59−68),ウラン(J.F.Hainfeld, 1992, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89, 11064−11068),ベリリウム(D.J.Price, 1983, J. Biol. Chem. 258, 10873−10880), アルミニウム(J.Fleming, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 7866−7870), 亜鉛(D.Price and J.G.Joshi, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1982, 79, 3116−3119)といった金属あるいは金属化合物のアポフェリチンへの導入が報告されている。これらの金属あるいは金属化合物からなる微粒子の直径も、アポフェリチンの保持部4の直径とほぼ等しく、約6nmとなる。
【0008】
自然界において、鉄原子を含む微粒子がアポフェリチン内に形成される過程の概略は次の通りである。
【0009】
アポフェリチン1の外部と内部とを結ぶチャネル3(図1参照)の表面には、pH7〜8の条件下でマイナス電荷を持つアミノ酸が露出しており、プラス電荷を持っているFe2+イオンは静電相互作用によりチャネル3に取り込まれる。
【0010】
アポフェリチン1の保持部4の内表面には、チャネル3の内表面と同じく,pH7〜8でマイナス電荷を持つアミノ酸残基であるグルタミン酸残基が多く露出しており、チャネル3から取り込まれたFe2+イオンはferroxidase centerで酸化され、内部の保持部4へと導かれる。そして、静電相互作用により鉄イオンは濃縮されて、フェリハイドライト(5Fe・9HO)結晶の核形成が起こる。
【0011】
その後、順次取り込まれる鉄イオンがこの結晶の核に付着して酸化鉄からなる核が成長し、直径6nmの微粒子が保持部4内に形成される。以上が、鉄イオンの取り込みと酸化鉄からなる微粒子形成の概略である。
【0012】
なお、ここまで鉄イオンのアポフェリチンへの取り込みメカニズムについて述べたが、これまでに導入が報告されている他の金属イオンは、いずれもプラスイオンであることから、これらの金属イオンのアポフェリチンへの取り込みは、鉄イオンとほぼ同じメカニズムで進むと考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
これまでに、コバルトの導入に関しては、Douglasらによる水酸化コバルト(CoO(OH))の導入の報告がある(T.Douglas and V.T.Stark, ”Nanophase Cobalt Oxyhydroxide Mineral Synthesizer within the Protein Cage of Ferritin”, Inorg. Chem., 39, 2000, 1828−1830)。上記Douglasらの方法によりコバルト微粒子を内包するコバルト−アポフェリチン複合体を作製することができる。
【0014】
しかしながら、上記Douglasらの方法では緩衝液を用いていないため、コバルト微粒子を内包するコバルト−アポフェリチン複合体が形成された溶液のpHが変化(低下)し、その溶液を数日間放置すると、内包されているコバルト微粒子が溶液中に溶け出してしまう。このため、コバルト−アポフェリチン複合体に内包されるコバルト微粒子の粒径を維持することが難しい。従って、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−アポフェリチン複合体を得ることが困難であるという不具合がある。
【0015】
本発明は、上記不具合を解決するためになされたものであり、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−タンパク質複合体を得るための方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のコバルト−タンパク質複合体の作製方法は、Co2+イオンと、タンパク質と、pH緩衝剤と、Co2+会合剤とを含む溶液を調製するステップ(a)と、上記溶液中に酸化剤を加えることによって、上記タンパク質にコバルトを含む微粒子を内包させるステップ(b)とを含む。
【0017】
Co2+会合剤を用いることによって、Co2+イオンがタンパク質内部に濃縮される。このため、Co2+イオンと酸化剤との反応がタンパク質内部で優先的に生じる。このとき、pH緩衝剤を用いて溶液を所望のpHに調整することによって、Co2+イオンと酸化剤との反応が逆方向に進行することを防止し、タンパク質に内包されるコバルト微粒子が溶液中に溶け出すことを防止する。従って、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−タンパク質複合体を得ることができる。
【0018】
上記pH緩衝剤と上記Co2+会合剤とは、共にHEPESであることが好ましい。
【0019】
HEPESは、pH緩衝剤としての機能と、Co2+イオンの会合剤としての機能とを備える。このため、pH緩衝剤とCo2+会合剤とを別々に準備する必要がない。
【0020】
上記タンパク質は、アポフェリチンである構成としてもよい。
【0021】
上記酸化剤は、Hである構成としてもよい。
【0022】
本発明のコバルト−タンパク質複合体の作製方法は、Co2+イオンと、アポフェリチンと、HEPESとを含む溶液を調製するステップ(a)と、上記溶液中にHを加えることによって、上記アポフェリチンにコバルトを含む微粒子を内包させるステップ(b)とを含む。
【0023】
本発明によれば、Co2+イオンとHとの反応がHEPES緩衝液中で行なわれるため、pHが一定となり、アポフェリチンに内包されるコバルト微粒子が溶液中に溶け出すことが防止される。従って、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−タンパク質複合体を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
上記Douglasらの方法では、下記化学反応式1に示す反応を利用する。
【0025】
【化1】
Figure 0003588602
【0026】
上記化学反応式1からわかるように、反応が進行するほど反応溶液が酸性になる。反応溶液のpHが8付近では、図1に示すアポフェリチン1の保持部4の内表面にはマイナス電荷を持つアミノ酸残基が多く露出しているので、Co2+イオンは保持部4へと導かれる。このため、アポフェリチン1の保持部4に水酸化コバルトからなる微粒子が形成されやすい。従って、反応溶液のpHを8付近に維持しながら、反応の進行に伴って生成するHを中和する。このため、上記Douglasらの方法では、具体的には、アポフェリチン溶液に、硝酸コバルト溶液と過酸化水素水とを極微量ずつ加え、pH調整のためにアポフェリチン溶液をスターラーで激しく攪拌しながらNaOHを滴下する。
【0027】
上述したように、上記Douglasらの方法では、コバルト−アポフェリチン複合体の形成において、コバルト微粒子の粒径を維持することが難しい。そこで本発明者は、上記Douglasらの方法の見直しを行ない、上記Douglasらの方法には次の問題点があると考えた。
【0028】
第1の問題点は、緩衝液を用いずに、アポフェリチン溶液にNaOHを滴下することによって、pH調整を行なっている点である。アポフェリチン溶液のNaOHが滴下された部分は、局所的にNaOH濃度が急上昇し、pHが増大する。このため、pHを調整する働きが十分ではない可能性がある。従って、上記化学反応式1の反応が逆方向に進行し、コバルト−アポフェリチン複合体に内包されるコバルト微粒子が溶液中に溶け出すと考えられる。
【0029】
第2の問題点は、NaOHを用いている点である。NaOHは強力なタンパク質変性剤である。従って、アポフェリチン溶液のNaOHが滴下された部分は、局所的にNaOH濃度が急上昇し、アポフェリチンが変性してしまうおそれがある。このため、アポフェリチンが本来の性質を発揮できない状態、つまり、アポフェリチンがコバルト微粒子を十分に保持できない状態になり得る。
【0030】
第3の問題点は、工業的規模で行なうことが難しい点である。上記Douglasらの方法では、アポフェリチン溶液に硝酸コバルト溶液と過酸化水素水とを極微量ずつ加えながらNaOHを滴下する。この方法では、反応溶液の全容量が20〜50ml程度ならば反応させることは容易であるが、反応スケールを工業的規模まで大きくすると、硝酸コバルト、過酸化水素およびNaOHをそれぞれアポフェリチン溶液に添加するために要する時間が非常に大きくなる。また、硝酸コバルト、過酸化水素およびNaOHを、大量のアポフェリチン溶液中にそれぞれ均一に拡散させることは非常に困難である。従って、実用的ではない。
【0031】
(実施形態1)
以下に記載する本発明の実施形態は、上記考察に基づいて実施したものである。以下、図1〜図3を参照しながら本実施形態のコバルト−アポフェリチン複合体の作製方法を説明する。
【0032】
図2は、本実施形態のコバルト−アポフェリチン複合体の作製方法を表すフローチャートである。
【0033】
まず、図2に示すように、ステップSt1において、HEPES緩衝液、アポフェリチン溶液およびCo2+イオン溶液(例えば、硝酸コバルト溶液)の順に各溶液を混合することによって、反応溶液を調製する。
【0034】
次に、図2に示すように、ステップSt2において、反応溶液に酸化剤(例えばH)を添加する。この操作によって、アポフェリチン1の保持部4に水酸化コバルト(CoO(OH))が導入され、コバルト−アポフェリチン複合体が生成される。
【0035】
なお、以上に説明したコバルト−アポフェリチン複合体を作製するための操作は、すべて室温、もしくはタンパク質が変性しない温度範囲にて、スターラーで攪拌しながら行なう。
【0036】
次に、各ステップについて詳細に説明する。
【0037】
まず、ステップSt1では、反応溶液のpHを7.5〜9.0程度の範囲に調製しておく。特に、反応溶液のpHをpH8.0〜8.8程度の範囲に調製しておくことが好ましい。反応溶液のpHがpH8.0〜8.8程度の範囲では、アポフェリチン1の保持部4の内表面にはマイナス電荷を持つアミノ酸残基が多く露出しているので、Co2+イオンは保持部4へと導かれる。このため、アポフェリチン1の保持部4に水酸化コバルト(CoO(OH))からなる微粒子が形成されやすい。各pHにおけるコバルト微粒子の形成状態を以下の表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003588602
【0039】
なお、pHが8.0〜8.8の範囲では、HEPESの緩衝能力が高い範囲を外れているが、HEPES濃度を高くしておけばよい。反応溶液中のHEPES濃度は、水酸化コバルト(CoO(OH))の沈殿が生じてもpH変化が十分小さければどのような濃度でも良い。例えば、反応溶液中のコバルトイオンの濃度が3mMの場合は、90mM以上の濃度のHEPES緩衝液を用いればよい。
【0040】
アポフェリチンの反応溶液中での濃度は、0.1〜1mg/ml(約0.2〜2μM)の範囲内となるように調製する。特に、0.5mg/ml(1μM)程度が好ましい。
【0041】
Co2+イオンの濃度は、アポフェリチン濃度に応じて調節する。Co2+イオンの濃度は、アポフェリチン濃度の1000倍〜5000倍程度がよいが、特に2000〜3000倍程度が好ましい。なお、Co2+イオンを上記濃度よりも高濃度で加えてもかまわないが、高濃度で添加した場合、アポフェリチンの保持部外でのCoO(OH)の形成が激しくなり、この沈殿にコバルト−アポフェリチン複合体が巻き込まれる可能性があり、回収率が低下するおそれがある。
【0042】
例えば、アポフェリチン濃度が0.5mg/ml(約1μM)の場合では、2〜3mMの濃度のCo2+イオンを加える。Co2+イオンを加えるためにはどのような化合物を用いてもよいが、硫酸アンモニウムコバルトまたは硝酸コバルトが特によい。硫酸アンモニウムコバルトまたは硝酸コバルトを用いると、後述するCo2+−HEPES会合体を形成しやすく、反応が急速に進行しない(爆発的に反応しない)からである。
【0043】
なお、本実施形態では、ステップSt1において、HEPESの最終濃度が30mM(pH8.8)に、アポフェリチンの最終濃度が0.5mg/ml(1μM)に、Co2+イオンの最終濃度が5mMになるように反応溶液を調製している。
【0044】
次に、ステップSt2では、0.01〜3%の過酸化水素水を、コバルトイオンの1/2〜1等量程度加える。例えば、Co2+イオンが2mMの場合、Hの最終濃度が1mM〜2mMの範囲内になるように添加する。
【0045】
なお、過酸化水素水の添加によってアポフェリチンが変性することがある。このため、アポフェリチンを安定化するために塩を加えることが有効である。塩としては、例えばNaSOなどが挙げられるが、それ以外の塩であっても良い。なお、コバルト−アポフェリチン複合体を作製する場合にはClイオンの存在が障害となる(Clイオンは、Co2+イオンを安定化し、CoO(OH)の形成を阻害する)ため、Clを含まない塩を用いることが好ましい。
【0046】
塩濃度は、10mM以上で加えても良いが、NaSOの場合では、実験結果から30mM〜150mM程度で安定化するためには十分である。
【0047】
以上の溶液条件をまとめた結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
Figure 0003588602
【0049】
また、これまでの溶液調整中にClイオンが入らないようにする。さらに望ましくは窒素をバブリングするなどの手段で溶液中の酸素を抜いておくのが良い。
【0050】
以上の条件において、ステップSt1では、反応溶液は、Co2+イオンが呈するピンク色の溶液となっている。
【0051】
ステップSt2において、過酸化水素水の添加によりCoO(OH)が生成すると、Co3+イオンが呈する茶色と緑色との中間色に変化する。分光光度計で計測したところ、350nm付近に吸収のピークがある水酸化物となっている。
【0052】
通常、上記の条件において、室温で反応させると、数時間から数日かかる。しかしながら、反応を速やかに進めるために、反応溶液を40℃から70℃程度に加温してもよい。このことによって、数時間から一晩で反応を終了させることができる。70℃以上ではアポフェリチン粒子が不安定になるので、室温〜70℃程度に加温することが好ましい。特に、反応溶液を50〜60℃程度に加温することが好ましい。あるいは、好熱菌のアポフェリチンを用いれば、80〜100℃程度に加温してもよい。これは、上記の温度条件において、生成するCoO(OH)の結晶性が良くなるからである。
【0053】
なお、本実施形態では、ステップSt2において、Hの最終濃度が2mMに、NaSOの最終濃度が75mMになるように反応溶液を添加し、反応溶液を50℃に加温している。
【0054】
一般に、緩衝液は溶液中の化学物質に影響を及ぼさない。しかしながら、本実施形態で使用するHEPES緩衝液の場合、HEPESとCo2+イオンとの間で相互作用して、Co2+−HEPES会合体を形成すると考えられる。このときの反応溶液中の状態は、下記化学反応式2に示す平衡状態であると考えられる。
【0055】
【化2】
Figure 0003588602
【0056】
このときの反応溶液の状態を図3に模式的に表す。
【0057】
上記化学反応式2および図3に示すように、Co2+−HEPES会合体と、HEPES単体と、Co2+イオン単体とが平衡状態で存在するようになっている。
【0058】
上記ステップSt1において、HEPES緩衝液の代わりに水を用いた反応溶液を用いる場合、過酸化水素水の添加が行なわれると、上記化学反応式1に示すように、Co2+イオンは直ちに反応し、Co3+イオンの化合物CoO(OH)が形成される。CoO(OH)は不溶性なので直ちに沈殿し、その結果すべてのCo2+イオンはCoO(OH)沈殿となる。
【0059】
しかしながら、本実施形態の場合、過酸化水素水を添加すると、Hは、Co2+イオンとHEPESとが会合した状態であるCo2+−HEPES会合体を酸化することができないと考えられる。従って、アポフェリチンの外部では、わずかに水溶液中にあるCo2+イオンがHにより酸化されて、CoO(OH)の沈殿となっていく。
【0060】
それに対してアポフェリチン1の保持部4は、pHが8付近ではマイナスとなっているので、図3に示すように、アポフェリチン1の外部に比べてCo2+イオンの濃度が高くなっている。この結果、アポフェリチン1の保持部4内でCoO(OH)が優先的に形成されるようになる。さらに、CoO(OH)の表面が触媒作用を有するので、反応は保持部4内で急速に加速される。
【0061】
溶液全体にあるCo2+イオンは、Hの添加によりCoO(OH)沈殿となって量が減少するが、上記化学反応式2の反応は化学平衡であるので、Co2+−HEPES会合体が解離してCo2+イオンは供給される。従って、反応溶液中のCo2+イオンの濃度は、低濃度であるがほぼ一定に維持される。
【0062】
このようなメカニズムの結果、Co2+−HEPES会合体からCo2+イオンが供給され、アポフェリチン1の保持部4のマイナス電荷により濃縮される。このことによって、保持部4でCoO(OH)の形成が進行し、コバルト−アポフェリチン複合体が形成される。
【0063】
次に、ステップSt2以降の操作について説明する。
【0064】
まず、ステップSt2で得られた反応溶液を容器に入れ、遠心分離機を用いて毎分3,000回転、15〜30分の条件で遠心分離し、沈殿を除去する。続いて、沈殿を除去した後の上澄み液をさらに毎分10,000回転、30分の条件で遠心分離し、コバルト−アポフェリチン複合体が凝集した不要な集合体を沈殿させてから除去する。このとき、上澄み液中には、コバルト−アポフェリチン複合体が分散された状態で存在している。
【0065】
次に、この上澄み液の溶媒をpH7.0、100mMのHEPES緩衝液から150mMのNaCl溶液へと透析により置換して、新たなコバルト−アポフェリチン複合体溶液を作製する。ここでのpH調整は、特に行なわなくてよい。
【0066】
続いて、コバルト−アポフェリチン複合体溶液を1〜10mg/mlの任意の濃度に透析により濃縮した後、この溶液に最終濃度が10mMとなるようにCdSOを加え、コバルト−アポフェリチン複合体を凝集させる。
【0067】
次に、コバルト−アポフェリチン複合体溶液を毎分3,000回転、20分の条件で遠心分離し、溶液中のフェリチン凝集体を沈殿させる。その後、溶液の緩衝成分を150mMのNaClが入ったpH8.0、10〜50mMのTris緩衝液へと透析により置換する。
【0068】
次に、コバルト−アポフェリチン複合体溶液を濃縮後、ゲルろ過カラムによりコバルト−アポフェリチン複合体溶液をろ過することにより、コバルト−アポフェリチン複合体が得られる。この後、コバルト−アポフェリチン複合体は、適切な溶液中で保存される。
【0069】
以上に示したように、本実施形態では、緩衝液を用いてpH調整を行なうことによって、アポフェリチン溶液を所望のpHに調整することができる。従って、上記化学反応式1の反応が逆方向に進行することを防止でき、コバルト−アポフェリチン複合体に内包されるコバルト微粒子が溶液中に溶け出すことが防止される。従って、本実施形態によれば、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−アポフェリチン複合体を得ることができる。
【0070】
特に本実施形態ではNaOHを用いないので、アポフェリチンが変性してしまうおそれがない。このため、アポフェリチンが本来の性質を発揮できる状態、つまり、アポフェリチンがコバルト微粒子を十分に保持できる状態に維持することができる。
【0071】
また、本実施形態のコバルト−アポフェリチン複合体の作製方法では、溶液全体にあるCo2+イオンは、Hの添加によりCoO(OH)沈殿となって量が減少するが、上記化学反応式2の平行反応により、Co2+−HEPES会合体が解離してCo2+イオンは供給される。Co2+イオンは、アポフェリチン1の保持部4のマイナス電荷により濃縮され、保持部4でCoO(OH)の形成が進行し、コバルト−アポフェリチン複合体が形成される。このため、反応スケールを工業的規模まで大きくした場合に、酸化剤(本実施形態ではH)を均一に拡散させることに特別注意を払わなくとも、酸化剤を添加するだけでコバルト−アポフェリチン複合体が形成される。従って、本実施形態のコバルト−アポフェリチン複合体の作製方法では、工業的規模で行なうことが比較的容易である。
【0072】
図4は、本実施形態により得られたコバルト−アポフェリチン複合体の電子顕微鏡写真である。図4には、代表的に矢印で示すように、アポフェリチンの内部(保持部)にCoO(OH)が取り込まれている様子が示されている。
【0073】
一方、図5は、HEPES緩衝液の代わりにリン酸緩衝液またはTAPS緩衝液を用いて本実施形態の方法を実施して得られたアポフェリチンの電子顕微鏡写真である。図5と図4とを比較してみると、図5では、代表的に矢印で示すようにアポフェリチンの内部(保持部)にCoO(OH)が取り込まれていないことがわかる。つまり、リン酸緩衝液を用いた場合には、アポフェリチンの保持部でCoO(OH)の形成が起こらない。本発明者は、他の緩衝液(例えば、Tris緩衝液、TAPS緩衝液、酢酸緩衝液など)でも、アポフェリチンの保持部でCoO(OH)の形成が起こらないことも確認している。この結果から、Co2+イオンは、アポフェリチンの保持部に濃縮される前にすべてアポフェリチンの外部の溶液中でCoO(OH)の沈殿となっているものと考えられる。つまり、TAPS緩衝液、Tris緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液などの場合には、Co2+イオンとリン酸、酢酸、またはTrisとの間では、上記化学反応式2および図3のような平行状態が成り立っていないと考えられる。
【0074】
以上のことから、本実施形態では用いているHEPESは、緩衝剤であり、且つ、Co2+イオンと会合する会合剤として機能していると考えられる。従って、本実施形態で用いるHEPES緩衝液の代わりに、緩衝液および会合剤としてそれぞれ別の試薬を用いれば、本実施形態と同様に、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−アポフェリチン複合体が得られる。つまり、緩衝液として、例えば、TAPS緩衝液、Tris緩衝液、リン酸緩衝液などを、会合剤としては、シクロデキストラン、クラウンエーテル、カリックスアーレンなどをそれぞれ用いれば、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0075】
また、本実施形態では、コバルトを導入するタンパク質としてアポフェリチンを用いたが、内部に金属粒子を保持することが可能な他のタンパク質(例えば、Dpsタンパク質、CCMVタンパク質など)を代わりに用いてもよい。
【0076】
またさらに、本実施形態では、酸化剤としてHを用いたが、他の公知の酸化剤を代わりに用いてもよい。例えば、KMnO、KCr、HNO
などを酸化剤としてHの代わりに用いることができる。
【0077】
(実施形態2)
本実施形態では、上記実施形態1において作製されたコバルト−アポフェリチン複合体を利用して形成されるドット体をフローティングゲートとして含む不揮発メモリセルについて説明する。
【0078】
図6(a)〜図6(d)は、本実施形態の不揮発性メモリセルの製造方法を示す工程断面図である。
【0079】
まず、図6(a)に示す工程で、p型Si基板101上に、LOCOS法により、活性領域を取り囲む素子分離酸化膜102を形成した後、基板上にトンネル絶縁膜として機能するゲート酸化膜103を熱酸化法によって形成する。その後、6nm程度の粒径を有する金属または半導体の微粒子からなるドット体104を基板上に形成する。なお、ドット体104を基板上に形成する方法については、後述する。
【0080】
次に、図6(b)に示す工程で、基板上に、スパッタ法またはCVD法により、ドット体104を埋めるSiO膜を堆積する。
【0081】
次に、図6(c)に示す工程で、基板上にAl膜を堆積する。続いて、フォトレジストマスクPr1を用いて、SiO膜およびAl膜のパターニングを行なって電極間絶縁膜となるシリコン酸化膜105及び制御ゲート電極となるAl電極106を形成する。このとき、ゲート酸化膜103のうちフォトレジストマスクPr1で覆われていない部分は除去されるので、その上のドット体104も同時に除去される。その後、フォトレジストマスク及びAl電極106をマスクとして不純物イオンの注入を行なって、第1、第2n型拡散層107a、107bを形成する。
【0082】
その後、図6(d)に示す工程で、周知の方法により、層間絶縁膜108の形成と、層間絶縁膜108へのコンタクトホール109の開口と、コンタクトホール109内へのタングステンの埋め込みによるタングステンプラグ110の形成と、第1、第2アルミニウム配線111a、111bの形成とを行なう。
【0083】
本実施形態では、基板としてp型Si基板を用いたが、n型Si基板を用いてもよく、さらに、GaAsをはじめとする化合物半導体その他の半導体により構成される基板を用いてもよい。
【0084】
次に、図6(a)に示す工程において、ドット体104を基板上に形成する方法を、図7および図8を参照しながら以下に説明する。なお、本発明は、以下に説明する方法には限定されず、他の公知の方法を適用することも可能である。
【0085】
まず、図7(a)に示す工程で、上記実施形態1で得られたコバルト−アポフェリチン複合体(以下、本明細書中では複合体と略す)150を用意し、この複合体150を基板130の表面上に配置する。このことによって、複合体150が基板130の表面上に高密度、且つ高精度で配置された複合体膜が形成される。なお、基板130とは、図6(a)に示す工程で、p型Si基板101上に、LOCOS法により、活性領域を取り囲む素子分離酸化膜102を形成した後、基板上にトンネル絶縁膜として機能するゲート酸化膜103が熱酸化法によって形成されたものを指す。以下の説明においても同様である。
【0086】
次に、図7(b)に示す工程で、複合体150のうちのタンパク質分子140を除去して、コバルト微粒子104aのみを残存させることによって、基板130上にドット体104を形成する。
【0087】
ここで、図7(a)に示す工程において、複合体150を基板130の表面上に高密度、且つ高精度で配置する、すなわち、基板130の表面上に2次元状に配列および固定する方法について説明する。本実施形態では、以下に、特開平11−45990号公報に記載の方法を図8を参照しながら説明する。
【0088】
まず、図8(a)に示すように、複合体150を分散した液体160(本実施形態では、濃度40mM、pH5.3のリン酸バッファ溶液と、濃度40mMの塩化ナトリウム水溶液との等量混合溶液にコバルト−アポフェリチン複合体を分散したもの)を用意する。
【0089】
続いて、図8(b)に示すように、PBLH(Poly−1−Benzil−L−Histidine)を注射器などで静かに液体160の表面に展開する。このことによって、液体160の表面にPBLHからなるポリペプチド膜1700が形成される。この後、液体160のpHを調節しておく。
【0090】
次に、図8(c)に示すように、時間の経過に伴って複合体150がポリペプチド膜170に付着し、複合体150の2次元結晶ができる。これは、ポリペプチド膜170が正電荷を帯びているのに対し、複合体150は負電荷を帯びているからである。
【0091】
次に、図8(d)に示すように、ポリペプチド膜170上に基板130を載置して(浮かべて)、ポリペプチド膜170を基板130に付着させる。
【0092】
次に、図8(e)に示すように、基板130を取り出せば、ポリペプチド膜170を介して、複合体150の2次元結晶が付着した基板130を得ることができる。
【0093】
次に、図7(b)に示す工程をさらに詳細に説明する。
【0094】
タンパク質分子は一般に熱に弱いため、複合体150のうちのタンパク質分子140の除去は、熱処理によって行なう。例えば、窒素等の不活性ガス中において、400〜500℃にて、約1時間静置すると、タンパク質分子140、および方法1の場合のポリペプチド膜170が焼失し、基板130上にはコバルト微粒子104aが2次元状に、高密度で、且つ高精度で規則正しく配列したドット体104として残存する。
【0095】
以上のようにして、図7(b)に示すように、複合体150に保持させたコバルト微粒子104aを、基板130上に2次元状に出現させ、高密度且つ高精度に配列したドット体104を形成することができる。
【0096】
図6(d)に示すように、本実施形態のメモリセル100は、制御ゲートとして機能するAl電極106と、ソースまたはドレインとして機能する第1、第2n型拡散層107a、107bとからなるMOSトランジスタ(メモリセルトランジスタ)を備え、フローティングゲートとして機能するドット体104に蓄えられた電荷の量で上記メモリトランジスタの閾値電圧が変化することを利用した不揮発性メモリセルである。
【0097】
この不揮発性メモリセルは、二値を記憶するメモリとしての機能が得られるが、ドット体104に蓄えられる電荷の有無のみだけでなく電荷の蓄積量を制御することで、三値以上の多値メモリを実現することもできる。
【0098】
データの消去の際には、酸化膜を介したFN(Fowler−Nordheim)電流や直接トンネリング電流を利用する。
【0099】
また、データの書き込みには、酸化膜を介したFN電流や直接トンネリング電流あるいはチャネルホットエレクトロン(CHE)注入を用いる。
【0100】
本実施形態の不揮発性メモリセルでは、フローティングゲートが量子ドットとして機能できる程度に粒径の小さいコバルト微粒子により構成されているので、電荷の蓄積量がわずかである。したがって、書き込み、消去の際の電流量を小さくでき、低消費電力の不揮発性メモリセルを構成することができる。
【0101】
また、本実施形態の不揮発性メモリセルでは、フローティングゲートを構成するコバルト微粒子のサイズが均一であるため、電荷の注入、引き抜きの際の特性が各コバルト微粒子間で揃っており、これらの操作において制御が容易に行なえる。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、均一な粒径を有するコバルト微粒子を内包するコバルト−タンパク質複合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、アポフェリチンの構造を示す模式図である。
【図2】図2は、実施形態1のコバルト−アポフェリチン複合体の作製方法を表すフローチャートである。
【図3】図3は、反応溶液の状態を模式的に表す図である。
【図4】図4は、実施形態1により得られたコバルト−アポフェリチン複合体の電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、HEPES緩衝液の代わりにTAPS緩衝液を用いて実施形態1の方法を実施して得られたアポフェリチンの電子顕微鏡写真である。
【図6】図6(a)〜図6(d)は、本実施形態の不揮発性メモリセルの製造方法を示す工程断面図である。
【図7】図7は、ドット体を基板の表面上に2次元状に配列および固定する方法を示す工程断面図である。
【図8】図8は、複合体を基板の表面上に2次元状に配列および固定する方法について説明する図である。
【符号の説明】
1 アポフェリチン
3 チャネル
4 保持部
100 メモリセル
101 p型Si基板
102 素子分離酸化膜
103 ゲート酸化膜
104 ドット体
104a コバルト微粒子
105 シリコン酸化膜
106 Al電極
107a 第1n型拡散層
107b 第2n型拡散層
108 層間絶縁膜
109 コンタクトホール
110 タングステンプラグ
111a 第1アルミニウム配線
111b 第2アルミニウム配線
130 基板
140 タンパク質分子
150 コバルト−アポフェリチン複合体
160 液体
170 ポリペプチド膜

Claims (8)

  1. Co2+イオンと、タンパク質と、HEPES緩衝剤とをみ、pHが8.0以上8.8以下である溶液を調製するステップ(a)と、
    上記溶液中に酸化剤を加えることによって、上記タンパク質にコバルトを含む微粒子を内包させるステップ(b)と、
    を含むコバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  2. 請求項1に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    上記タンパク質は、アポフェリチンであることを特徴とするコバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  3. 請求項1に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    上記酸化剤は、H22であることを特徴とするコバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  4. 請求項1に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    前記ステップ(b)が70℃以下の温度で行われる、コバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  5. 請求項1に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    前記ステップ(b)が40℃以上70℃以下の温度で行われる、コバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  6. 請求項5に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    前記ステップ(b)が50℃以上60℃以下の温度で行われる、コバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  7. 請求項1に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    前記タンパク質が好熱菌のアポフェリチンであって、
    前記ステップ(b)が80℃以上100℃以下の温度で行われる、コバルト−タンパク質複合体の作製方法。
  8. 請求項1に記載のコバルト−タンパク質複合体の作製方法において、
    前記コバルトの微粒子がCoO(OH)からなる、コバルト−タンパク質複合体の作製方法。
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