JP3588216B2 - 圧縮機および空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、能力可変型の圧縮機とその圧縮機を備えた空気調和機に係り、消費エネルギーの低減を図りながら、リニアな能力制御を実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の空気調和機では、冷暖房時における室温のオーバシュートやハンチングを防止するため、利用側(室内熱交換器)の能力要求に応じて、熱源側(圧縮機)で能力制御を行うものが主流となっている。圧縮機の能力制御方法としては、インバータ装置を用いて交流電流の周波数を変換し、これにより圧縮機の駆動回転数をリニアに制御するものが多い。この方法によれば、圧縮機の能力を0〜定格点まで任意に変動させることができるため、略完全な空気調和制御が実現可能となる。ところが、インバータ装置には、周波数変換に伴うエネルギーロスが避けられない他、望ましくない電磁波を環境に放出したり、大型のものでは装置コストが高くなる等、種々の問題がある。
【0003】
そこで、特開平8−247560号等では、一定速度で駆動される圧縮機構が内装された定速圧縮機を用いながら、パワーセーブ機構や冷媒戻し回路により能力制御を行う能力可変型定速圧縮機が提案されている。パワーセーブ機構は、圧縮機構のシリンダ側壁等に弁装置を付設したもので、この弁装置を開放することにより、例えば、圧縮行程前半における圧縮仕事が行われなくなる。また、冷媒戻し回路は、例えば、圧縮機の吐出側冷媒回路と吸込側冷媒回路との間にバイパス回路を設け、このバイパス回路に介装された弁装置を開放することにより、圧縮後の冷媒の一部を吸込側冷媒回路に環流させる。
【0004】
能力可変型定速圧縮機を用いることにより、多段階の能力制御が可能となる。例えば、圧縮機の定格能力を4馬力とし、パワーセーブ機構による能力低減量を2馬力、冷媒戻し回路による能力低減量を1馬力とすると、1〜4馬力の範囲で1馬力毎(すなわち、4段階)に能力が切換えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した冷媒戻し回路を開放させると、圧縮後の冷媒の一部が吸込側冷媒回路に環流するため、圧縮機は無駄な圧縮仕事を行うことになる。例えば、3馬力の能力で運転が行われる際には、冷媒戻し回路により1馬力の圧縮仕事が廃棄されるが、エネルギー消費は4馬力の能力で運転が行われるときと略同等となる。これにより、インバータ装置と同等あるいはそれ以上のエネルギーロスが発生し、能力可変型定速圧縮機の採用を難しくさせる要因となっていた。また、空気調和機に上述した構成の能力可変型定速圧縮機を用いた場合、能力切換えが1馬力毎にしか行われないため、室温のオーバシュートやハンチングが起こり、被空調空間におけるユーザーの快適性を損なう虞があった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、消費エネルギーの低減等を図りながら、リニアな能力制御を実現した圧縮機とこの圧縮機を備えた空気調和機とを提供することを目的としている。
【0008】
この発明によれば、パワーセイブ手段の遮断弁が閉鎖されると、各圧縮要素において全ての圧縮仕事が行われ、圧縮機は定格能力をもって運転される。また、遮断弁が開放されると、その弁開度に応じた流量をもって、一の圧縮要素の圧縮空間から他の圧縮要素の吸込空間に流体が流出し、圧縮機は能力をリニアにセーブされた状態で運転される。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1の発明では、シリンダ内で偏心回転するロータと、このロータの外周面に摺接して吸入空間と圧縮空間とを画成するベーンとからなる圧縮要素を複数有した複ロータ型の圧縮機であって、一の圧縮要素における圧縮空間と他の圧縮要素における吸入空間とを所定の位相で連通させる連通路と、当該連通路内での流体の流通を遮断する遮断弁と、当該遮断弁の弁開度を制御する弁開度制御手段とからなるパワーセイブ手段と、前記 圧縮要素の少なくとも一つに設けられ、その圧縮要素の吸入空間と圧縮空間とを連通させる圧縮停止手段とを備え、前記弁開度制御手段により、前記遮断弁の弁開度をリニアに制御するとともに、前記圧縮停止手段を行わせたものを提案する。
【0010】
この発明によれば、パワーセイブ手段と圧縮停止手段の作動状態とにより、圧縮機は、定格能力をもって運転される他、比較的低出力の状態まで能力をリニアにセーブされた状態でも運転される。
【0011】
また、請求項3の発明では、請求項1または2記載の圧縮機を備えた空気調和機を提案する。
【0012】
この発明では、例えば、室外ユニット内に一対の圧縮要素を備えた定速圧縮機を配設し、この定速圧縮機にパワーセーブ手段と圧縮停止手段とを付設する。これにより、両圧縮要素の定格圧縮仕事が同一であれば、パワーセーブ手段および圧縮停止手段の駆動制御を行うことで、インバータを用いることなく、リニアな能力制御が実現される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、1台の室外ユニット1と複数台の室内ユニット3とからなる空気調和機の概略構成図であり、同図中には実線で冷媒回路を示し、一点鎖線で電気回路を示してある。
【0014】
室外ユニット1側には、圧縮機5、電磁式の四方弁9、室外熱交換器11、電動ファン13、アキュムレータ15、オイルセパレータ17等が設置されている。また、室内ユニット3側には、電動膨張弁21、室内熱交換器23、電動ファン25等が設置されている。冷媒回路を構成する機器は、ガス冷媒あるいは液冷媒の流通に供される冷媒配管31〜45により接続されている。図中、27は後述するパワーセーブ機構の駆動に供される比例制御形の電磁弁である。
【0015】
室外ユニット1内には、CPUを始め、入出力インタフェースやROM、RAM等から構成された、室外側コントロールユニット(以下、室外側ECUと記す)51が設置されている。室外側ECU51は、内蔵した制御プログラムや図示しない各種センサ等からの入力情報に基づき、圧縮機5や四方弁9、電動ファン13、電磁弁27を駆動制御する。
【0016】
一方、室内ユニット3内には、CPUを始め、入出力インタフェースやROM、RAM等から構成された、室内側コントロールユニット(以下、室内側ECUと記す)52が設置されている。室内側ECU52は、内蔵した制御プログラムや図示しないリモートコントローラおよび各種センサ等からの入力信号に基づき、電動膨張弁21や電動ファン25の駆動制御を行うと共に、室外側ECU51との間で相互に信号の授受を行う。
【0017】
本実施形態の場合、圧縮機5は上下一対の回転圧縮要素を有する電動ツインロータ型の定速圧縮機であり、その定格出力は4馬力に設定されている。また、圧縮機5には、図2に示すパワーセーブ機構と図5に示す圧縮停止機構とが設けられており、それらの作動により圧縮機5の能力制御が行われる。
【0018】
以下、本実施形態におけるパワーセーブ機構の構造および作用を説明する。
【0019】
圧縮機5の圧縮機構61は、図2にその半裁縦断面を示すように、メインフレーム65とベアリングプレート67とに挟持された上下一対のシリンダ69,70と、両シリンダ69,70および中間プレート71により画成された上下一対のシリンダ室73,75と、両シリンダ室73,75の内周面に沿い相互に180゜の位相をもって偏心回転する上下一対のロータ77,79とからなっている。図中、80は圧縮機ケーシングである。
【0020】
パワーセーブ機構81は、両シリンダ室73,75を所定の連通部位(後述するベーンと180゜位相のずれた部位)で連通させるもので、シリンダ69,70および中間プレート71の外周部を上下方向に貫通するバルブ孔83と、このバルブ孔83に摺動自在に保持された上下一対のピストンバルブ85,86と、これらピストンバルブ85,86を互いに離間する方向に付勢するバルブスプリング(圧縮コイルスプリング)87とを主要構成部材としている。尚、中間プレート71の部分では、ピストンバルブ85,86に対するストッパを形成するべく、バルブ孔83の内径がピストンバルブ85,86の外径より小径となっている。また、バルブスプリング87は、両ピストンバルブ85,86の受圧面に所定値以上の高圧(例えば、圧縮機5の最大吐出圧の40%)が作用したときに、完全に圧縮するように設定されている。
【0021】
バルブ孔83は、中間プレート71の近傍に穿孔された一対の連通孔88,89を介して、両シリンダ室73,75と連通されている。また、両シリンダ69,70および中間プレート71には、バルブ孔83に平行する冷媒導入孔91が貫通しており、この冷媒導入孔91に冷媒配管46からのガス冷媒が導入される。更に、メインフレーム65とベアリングプレート67とには、それぞれ、バルブ孔83と冷媒導入孔91とを連通させる連通凹部93,94が形成されている。
【0022】
前述した電磁弁27は、圧縮機5の吐出側冷媒配管31と吸入側冷媒配管41とを連通する第1、第2バイパス配管42、43の間に介装されている。そして、冷媒導入孔91に連通するパワーセーブ配管44は、第1バイパス配管42に接続しており、その接続部位の上流にはガス冷媒の流量を絞るためのキャピラリチューブ49が配設されている。
【0023】
本実施形態では、パワーセーブ機構81を作動させる場合、室外側ECU51は、電磁弁27を開放して第1バイパス配管42と第2バイパス配管43とを連通させる。電磁弁27の閉鎖時において、パワーセーブ配管44には、第1バイパス配管42を介して、吐出側冷媒配管31からの高圧冷媒ガスが導入されているが、電磁弁27が開放されると、この高圧冷媒ガスが第2バイパス配管43を介して吸入側冷媒配管41に流出する。
【0024】
そして、第1バイパス配管42からの高圧冷媒ガスの供給がキャピラリチューブ49の作用によりごく少量であることから、パワーセーブ配管44には吸入側冷媒配管41からの低圧冷媒ガスが流入することになる。尚、キャピラリチューブ49には、第1、第2バイパス配管42、43を介して連通された際において、吐出側冷媒配管31から吸入側冷媒配管41に流出する高圧冷媒ガスの量をごく少なくする作用もある。
【0025】
これにより、両ピストンバルブ85,86は、バルブスプリング87のばね力により、図2に示したように、メインフレーム65またはベアリングプレート67の端面に押し付けられる。その結果、両シリンダ室73,75は、連通孔88,89およびバルブ孔83を介して連通され、上方シリンダ室73(下方シリンダ室75)の圧縮空間から下方シリンダ室75(上方シリンダ室73)の吸入空間にガス冷媒が流出することになり、圧縮機構61全体として50%(=2馬力)がセーブされる。
【0026】
パワーセーブ機構81の作動を完全に停止させる場合、室外側ECU51は、電磁弁27を閉鎖して第1バイパス配管42と第2バイパス配管43との連通を遮断させる。これにより、パワーセーブ配管44には、第1バイパス配管42を介して、吐出側冷媒配管31からの高圧冷媒ガスが導入され、更に、この高圧冷媒ガスが、図3に示したように、冷媒導入孔91および連通凹部93、94を介して、バルブ孔83に流入する。
【0027】
すると、両ピストンバルブ85,86の受圧面に高圧が作用し、バルブスプリング87が圧縮することにより、両ピストンバルブ85,86が互いに接近して中間プレート71に当接する。その結果、両ピストンバルブ85,86の外周面により連通孔88,89が閉鎖され、両シリンダ室73,75間が連通されなくなる。これにより、圧縮機構61では圧縮仕事が全て行われ、圧縮機5が定格出力(本実施形態では、4馬力)を発生することになる。
【0028】
一方、パワーセーブ機構81を部分的に作動させる場合、室外側ECU51は、所定の駆動電流を供給することで電磁弁27の弁開度を調整し、第1バイパス配管42と第2バイパス配管43との連通量を制御する。これにより、パワーセーブ配管47には、第1バイパス配管42を介して、吐出側冷媒配管31からの高圧冷媒ガスが圧力を調整された状態で導入され、更に、この高圧冷媒ガスが、冷媒導入孔91および連通凹部93,94を介して、バルブ孔83に流入する。
【0029】
すると、両ピストンバルブ85,86の受圧面には所定の圧力が作用し、バルブスプリング87が圧縮することにより、図4に示したように、両ピストンバルブ85,86が所定の距離をもって対峙する。その結果、両ピストンバルブ85,86の外周面により両連通孔88,89が部分的に閉鎖され、両シリンダ室73,75間が部分的に連通され、圧縮機構61では圧縮仕事の一部がセーブされることになる。したがって、室外側ECU51により電磁弁27の弁開度がリニアに制御されれば、圧縮機5の能力もリニアに変化することになる。
【0030】
次に、本実施形態における圧縮停止機構の構造および作用を説明する。
【0031】
圧縮機5の上方シリンダ69には、図5にその半裁横断面を示すように、圧縮停止機構101が組み込まれている。圧縮停止機構101は、上方シリンダ69に埋設された電磁ストッパ103と、ベーン105に形成された係止凹部107とからなっている。電磁ストッパ103は、ソレノイド式のアクチュエータ(図示せず)を内蔵しており、その作動時にはロックピン109が図5中で左方に突出する。
【0032】
通常運転時においては、図5に示したように、電磁ストッパ103のロックピン109とベーン105の係止凹部107とが離間しており、ベーン105は図示しないベーンスプリングによりロータ77の外周面に押し付けられる。これにより、上方シリンダ室73が吸入空間121と圧縮空間123に画成され、ロータ77の回転に伴って圧縮仕事がなされる。
【0033】
ところが、室外側ECU51からの駆動電流により電磁ストッパ103が駆動(ソレノイドが励磁)されると、図6に示したように、ロックピン109が図中左方に突出し、その先端がベーン105の係止凹部107に嵌入する。これにより、ベーン105は上方シリンダ69の内周面から突出しなくなり、上方シリンダ室73では冷媒の吸入および圧縮が全く行われなくなり、圧縮機構61全体の圧縮仕事の一部(本実施形態では、50%=2馬力)がセーブされる。尚、電磁ストッパ103の作動時には、ロックピン109が瞬時に左方に突出するが、その先端が係止凹部107に嵌入するタイミングは、ベーン105がロータ77により上方シリンダ69内に押し込まれた瞬間となる。
【0034】
次に、冷房運転時における冷媒の流れを説明する。
【0035】
アキュムレータ15から冷媒配管41を経由して圧縮機5に吸引されたガス冷媒は、断熱圧縮されることにより高温の高圧ガス冷媒となって圧縮機5から吐出される。吐出された高圧ガス冷媒は、冷媒配管31、オイルセパレータ17、冷媒配管32を経由し、四方弁9により進路を制御された後、冷媒配管33を経由して室外熱交換器11に流入する。高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器11内を通過する間に外気により冷却され、凝縮することによって液冷媒となった後、冷媒配管34〜36を経由して各室内ユニット3の電動膨張弁21に流入する。
【0036】
液冷媒は、電動膨張弁21で流量を制御された後、室内熱交換器23に流入し、室内熱交換器23内を通過する間に気化してガス冷媒となり、気化潜熱により電動ファン25が送風した室内空気を冷却する。この際、室内側ECU52は、設定温度と室温との偏差に基づき電動ファン7の回転数を制御すると共に、室内熱交換器23の入口側冷媒温度と出口側冷媒温度との偏差が所定値(例えば、0〜1℃)となるように電動膨張弁21の開弁量(弁体駆動用ステップモータのステップ数)を制御する。
【0037】
室内熱交換器23で気化したガス冷媒は、冷媒配管37〜39、四方弁9、冷媒配管40を経由してアキュムレータ15に流入し、冷媒配管41から再び圧縮機5に吸引される。
【0038】
一方、暖房運転時には、四方弁9が破線で示すように切り換えられ、破線の矢印で示すように、冷媒の流れも冷房運転時とは逆になる。すなわち、圧縮機5から吐出された高温の高圧ガス冷媒は、室内熱交換器23に導入された後、室内熱交換器23内を通過する間に凝縮して液冷媒となり、凝縮潜熱により電動ファン25が送風した室内空気を加熱する。次に、液冷媒は、室外熱交換器11に流入し、室外熱交換器11内を通過する間に外気により加熱され、気化することによってガス冷媒となった後、アキュムレータ15から圧縮機5に再び吸入される。
【0039】
さて、空気調和機の運転が開始されると、室外側ECU51は、各室内側ECU52からの入力信号に基づき目標圧縮仕事を決定し、圧縮機5を起動する(起動用マグネットスイッチをONにする)と共に、パワーセーブ制御および圧縮停止制御を行う。
【0040】
すなわち、図9に示すように、目標圧縮仕事が2〜4馬力の場合、室外側ECU51は、電磁弁27に所定の駆動電流を供給してその弁開度を制御する。これにより、図7の模式図に示したように、両ピストンバルブ85,86のにより両連通孔88,89が部分的に閉鎖され、上方シリンダ室73(下方シリンダ室75)の圧縮空間123から下方シリンダ室75(上方シリンダ室73)の吸入空間121にガス冷媒の一部が流出する。これにより、圧縮機5の両シリンダ室73,75内での圧縮仕事は2〜4馬力の間でリニアに変化し、室外ユニット1としては目標圧縮仕事と等しい圧縮仕事がなされる。
【0041】
また、目標圧縮仕事が1〜2馬力の場合、室外側ECU51は、上方シリンダ69側の電磁ストッパ103を駆動すると共に、電磁弁27に所定の駆動電流を供給してその弁開度を制御する。すると、圧縮停止機構101により、図8の模式図に示したように、上方シリンダ室73では冷媒の吸入および圧縮が全く行われなくなり、前述したように2馬力がセーブされ、更にパワーセーブ機構81により下方シリンダ室75の圧縮空間123から上方シリンダ室73の吸入空間121にガス冷媒の一部が流出する。これにより、圧縮機5の全体としての圧縮仕事は1〜2馬力の間でリニアに変化し、室外ユニット1としては目標圧縮仕事と等しい圧縮仕事がなされる。
【0042】
このように、本実施形態では、図9に示したように、パワーセーブ機構81および圧縮停止機構101を駆動制御することにより、目標圧縮仕事が1馬力以下の場合を除き、1〜4馬力の範囲でリニアな能力制御をインバータを用いることなく実現できた。そして、この能力制御にあたっては、圧縮仕事を廃棄する冷媒戻し制御を行わないことにより、エネルギ効率を向上させることができた。
【0043】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、空気調和機の室外ユニットにパワーセーブ機構と圧縮停止機構とを備えた1台の定速圧縮機を設けるようにしたが、複数台の定速圧縮機を設け、そのうちの一台にパワーセーブ機構と圧縮停止機構とを備えるようにしてもよい。また、上記実施形態では、パワーセーブ機構や圧縮停止機構をツインロータ型の定速圧縮機に設けるようにしたが、トリプルロータ以上の圧縮機構を備えた定速圧縮機に設けるようにしてもよい。また、パワーセーブ機構については、例えば、圧縮機ケーシングの外部に連通回路と電磁弁とを設ける等、種々の構造が考えられるし、そのセーブ量についても自由に設定可能である。また、圧縮停止機構の駆動源として、高圧冷媒ガスを用いるようにしてもよい。その他、冷媒回路の具体的構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一の圧縮要素における圧縮空間と他の圧縮要素における吸入空間とを所定の位相で連通させる連通路と、当該連通路内での流体の流通を遮断する遮断弁と、当該遮断弁の弁開度を制御する弁開度制御手段とからなるパワーセイブ手段を圧縮機に備えるようにしたため、インバータを用いずに圧縮機のリニアな能力制御が可能になり、空気調和制御性の向上を図りながら、消費エネルギの低減等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和機の一実施形態を示す冷媒および電気回路図である。
【図2】パワーセーブ機構の作動状態を示す半裁縦断面図である。
【図3】パワーセーブ機構の不作動状態を示す半裁縦断面図である。
【図4】パワーセーブ機構の不作動状態を示す半裁縦断面図である。
【図5】圧縮停止機構の不作動状態を示す半裁横断面図である。
【図6】圧縮停止機構の作動状態を示す半裁横断面図である。
【図7】実施形態の作用を示す模式図である。
【図8】実施形態の作用を示す模式図である。
【図9】目標圧縮仕事と各機器の作動との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
3 室内ユニット
5 圧縮機
27 電磁弁
51 室外側ECU
81 パワーセーブ機構
101 圧縮停止機構
103 電磁ストッパ
105 ベーン
121 吸入空間
123 圧縮空間

Claims (2)

  1. シリンダ内で偏心回転するロータと、このロータの外周面に摺接して吸入空間と圧縮空間とを画成するベーンとからなる圧縮要素を複数有した複ロータ型の圧縮機であって、
    一の圧縮要素における圧縮空間と他の圧縮要素における吸入空間とを所定の位相で連通させる連通路と、当該連通路内での流体の流通を遮断する遮断弁と、当該遮断弁の弁開度を制御する弁開度制御手段とからなるパワーセイブ手段と、前記圧縮要素の少なくとも一つに設けられ、その圧縮要素の吸入空間と圧縮空間とを連通させる圧縮停止手段とを備え、前記弁開度制御手段により、前記遮断弁の弁開度をリニアに制御するとともに、前記圧縮停止手段を行わせたことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機を備えた空気調和機。
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