JP3819510B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、能力可変型定速圧縮機を備えた空気調和機に係り、消費エネルギーの低減を図りつつ、適切な空気調和を実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の空気調和機では、冷暖房時における室温のオーバシュートやハンチングを防止するため、利用側(室内熱交換器)の能力要求に応じて、熱源側(圧縮機)で能力制御を行うものが主流となっている。圧縮機の能力制御方法としては、インバータ装置を用いて交流電流の周波数を変換し、これにより圧縮機の駆動回転数をリニアに制御するものが多い。この方法によれば、圧縮機の能力を0〜定格点まで任意に変動させることができるため、略完全な空気調和制御が実現可能となる。ところが、インバータ装置には、周波数変換に伴うエネルギーロスが避けられない他、望ましくない電磁波を環境に放出したり、大型のものでは装置コストが高くなる等、種々の問題がある。
【0003】
そこで、特開平8−247560号等では、一定速度で駆動される圧縮機構が内装された定速圧縮機を用いながら、パワーセーブ機構や冷媒戻し回路により能力制御を行う能力可変型定速圧縮機が提案されている。パワーセーブ機構は、圧縮機構のシリンダ側壁等に弁装置を付設したもので、この弁装置を開放することにより、例えば、圧縮行程前半における圧縮仕事が行われなくなる。また、冷媒戻し回路は、例えば、圧縮機の吐出側冷媒回路と吸込側冷媒回路との間にバイパス回路を設け、このバイパス回路に介装された弁装置を開放することにより、圧縮後の冷媒の一部を吸込側冷媒回路に環流させる。
【0004】
能力可変型定速圧縮機と通常の定速圧縮機とを組み合わせた場合、両圧縮機を個別に運転あるいは停止させたり、パワーセーブ機構や冷媒戻し回路を用いることにより、多段階の能力制御が可能となる。例えば、能力可変型定速圧縮機の定格能力を4馬力、定速圧縮機の定格能力を6馬力とし、パワーセーブ機構による能力可変型定速圧縮機の能力低減量を2馬力、冷媒戻し回路による能力低減量を1馬力とすると、1〜10馬力の範囲で1馬力毎(すなわち、10段階)に能力が切換えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した冷媒戻し回路を開放させると、圧縮後の冷媒の一部が吸込側冷媒回路に環流するため、圧縮機は無駄な圧縮仕事を行うことになる。例えば、9馬力の能力で運転が行われる際には、冷媒戻し回路により1馬力の圧縮仕事が廃棄されるが、エネルギー消費は10馬力の能力で運転が行われるときと略同等となる。これにより、インバータ装置と同等あるいはそれ以上のエネルギーロスが発生し、能力可変型定速圧縮機の採用を難しくさせる要因となっていた。尚、冷媒戻し回路を設けず、パワーセーブ機構のみによる能力制御を行うことも考慮されたが、その場合には、上述した圧縮機構成では能力切換えが2馬力毎(すなわち、5段階)となってしまう。そのため、空気調和機においては、利用側の能力要求が小さい(例えば、1〜3馬力程度)場合に、室温のオーバシュートやハンチングが起こり、被空調空間におけるユーザーの快適性を損なう虞があった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、消費エネルギーの低減等を図りつつ、適切な空気調和を実現した空気調和機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、所定速度で駆動される圧縮機構が内装された定速圧縮機と、前記圧縮機構に対して圧縮仕事の一部を行わせなくするパワーセーブ手段と、前記定速圧縮機により圧縮された冷媒の一部を当該定速圧縮機の吐出側冷媒回路から吸込側冷媒回路に環流させる冷媒戻し手段と、利用側からの能力要求に基づき前記定速圧縮機の目標圧縮仕事を決定し、この目標圧縮仕事に応じて前記定速圧縮機の圧縮仕事を調整するべく、前記パワーセーブ手段と前記冷媒戻し手段とを駆動制御する能力制御手段とを備えた空気調和機において、前記能力制御手段は所定の制御則に基づいて、前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事を抑制するものであり、前記所定の制御則とは、前記目標圧縮仕事に対応する前記能力要求の範囲の設定にあたって前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事の側を前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事の側に対して狭くするもの、或いは、現在の目標圧縮仕事に応じて前記冷媒戻し手段を駆動している際に前記要求馬力の単位時間あたりの変化率に基づき所定時間経過後に前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事に移行すると推定した場合その移行を先だって行うものを提案する。
【0008】
この発明によれば、例えば、利用側の能力要求が小さいときには、パワーセーブ手段と冷媒戻し手段とを的確に用いて能力要求に対応した能力制御を行い、利用側の能力要求が大きくなったときには、冷媒戻し手段を用いる比率を少なくなるように能力制御を行う。
【0009】
また、請求項2の発明では、所定速度で駆動される圧縮機構が内装された複数台の定速圧縮機から構成される圧縮機群と、前記定速圧縮機のうち少なくとも一台の圧縮機構に対して圧縮仕事の一部を行わせなくするパワーセーブ手段と、前記圧縮機群により圧縮された冷媒の一部を当該圧縮機群の吐出側冷媒回路から吸込側冷媒回路に環流させる冷媒戻し手段と、利用側からの能力要求に基づき前記圧縮機群の目標圧縮仕事を決定し、この目標圧縮仕事に応じて前記圧縮機群の圧縮仕事を調整するべく、前記パワーセーブ手段と前記冷媒戻し手段とを駆動制御する能力制御手段とを備えた空気調和機において、前記能力制御手段は、所定の制御則に基づいて、前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事を抑制するものであり、前記所定の制御則とは、前記目標圧縮仕事に対応する前記能力要求の範囲の設定にあたって前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事の側を前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事の側に対して狭くするもの、或いは、現在の目標圧縮仕事に応じて前記冷媒戻し手段を駆動している際に前記要求馬力の単位時間あたりの変化率に基づき所定時間経過後に前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事に移行すると推定した場合その移行を先だって行うものを提案する。
【0010】
この発明によれば、例えば、利用側の能力要求が小さいときには、パワーセーブ手段と冷媒戻し手段とを的確に用いて能力要求に対応した能力制御を一方の定速圧縮機に対して行い、利用側の能力要求がある程度大きくなったときには、冷媒戻し手段を用いる比率を少なくなるように能力制御を一方の定速圧縮機に対して行い、利用側の能力要求がより大きくなったときには、他方の定速圧縮機を更に起動させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、1台の室外ユニット1と複数台の室内ユニット3とからなる空気調和機の概略構成図であり、同図中には実線で冷媒回路を示し、一点鎖線で電気回路を示してある。
【0014】
室外ユニット1側には、第1,第2圧縮機5,7、電磁式の四方弁9、室外熱交換器11、電動ファン13、アキュムレータ15、オイルセパレータ17等が設置されている。また、室内ユニット3側には、電動膨張弁21、室内熱交換器23、電動ファン25等が設置されている。冷媒回路を構成する機器は、ガス冷媒あるいは液冷媒の流通に供される冷媒配管31〜49により接続されている。図中、27は後述するパワーセーブ機構の駆動に供される常閉形の第1電磁弁、29は冷媒戻し回路の開閉に供される常閉形の第2電磁弁、30はキャピラリチューブである。
【0015】
室外ユニット1内には、CPUを始め、入出力インタフェースやROM、RAM等から構成された、室外側コントロールユニット(以下、室外側ECUと記す)51が設置されている。室外側ECU51は、内蔵した制御プログラムや図示しない各種センサ等からの入力情報に基づき、両圧縮機5,7や四方弁9、電動ファン13、第1,第2電磁弁27,29を駆動制御する。
【0016】
一方、室内ユニット3内には、CPUを始め、入出力インタフェースやROM、RAM等から構成された、室内側コントロールユニット(以下、室内側ECUと記す)52が設置されている。室内側ECU52は、内蔵した制御プログラムや図示しないリモートコントローラおよび各種センサ等からの入力信号に基づき、電動膨張弁21や電動ファン25の駆動制御を行うと共に、室外側ECU51との間で相互に信号の授受を行う。
【0017】
第1実施形態の場合、第1,第2圧縮機5,7は共に上下一対の回転圧縮要素を有する電動ツインロータ型の定速圧縮機であり、第1圧縮機5側の定格出力が4馬力、第2圧縮機7側の定格出力が6馬力となっている。また、第1圧縮機5には、図2に示すパワーセーブ機構が設けられており、その作動により第1圧縮機5の圧縮仕事が2馬力にセーブされる。
【0018】
以下、パワーセーブ機構の構造および作用を説明する。
【0019】
第1圧縮機5の圧縮機構61は、図2にその半裁縦断面を示すように、メインフレーム65とベアリングプレート67とに挟持された上下一対のシリンダ69,70と、両シリンダ69,70および中間プレート71により画成された上下一対のシリンダ室73,75と、両シリンダ室73,75の内周面に沿って偏心回転するロータ77,79とからなっている。図中、80は圧縮機ケーシングである。
【0020】
パワーセーブ機構81は、両シリンダ室73,75を所定の連通部位で連通させるもので、シリンダ69,70および中間プレート71の外周部を上下方向に貫通するバルブ孔83と、このバルブ孔83に摺動自在に保持された上下一対のピストンバルブ85,86と、これらピストンバルブ85,86を互いに離間する方向に付勢するバルブスプリング(圧縮コイルスプリング)87とを主要構成部材としている。尚、中間プレート71の部分では、ピストンバルブ85,86に対するストッパを形成するべく、バルブ孔83の内径がピストンバルブ85,86の外径より小径となっている。また、バルブスプリング87は、両ピストンバルブ85,86の受圧面に所定値以上の高圧(例えば、第1圧縮機5の最大吐出圧の40%)が作用したときに、完全に圧縮するように設定されている。
【0021】
バルブ孔83は、中間プレート71の近傍に穿孔された一対の連通孔88,89を介して、両シリンダ室73,75と連通されている。また、両シリンダ69,70および中間プレート71には、バルブ孔83に平行する冷媒導入孔91が貫通しており、この冷媒導入孔91に冷媒配管46からのガス冷媒が導入される。更に、メインフレーム65とベアリングプレート67とには、それぞれ、バルブ孔83と冷媒導入孔91とを連通させる連通凹部93,94が形成されている。
【0022】
前述した第1電磁弁27は、第1圧縮機5の吐出側冷媒配管31と吸入側冷媒配管43とを連通する第1,第2バイパス配管45,46の間に介装されている。そして、冷媒導入孔91に連通するパワーセーブ配管47は、第1バイパス配管45に接続しており、その接続部位の上流にはガス冷媒の流量を絞るためのキャピラリチューブ95が配設されている。
【0023】
第1実施形態では、パワーセーブ機構81を作動させる場合、室外側ECU51は、第1電磁弁27を開放して第1バイパス配管45と第2バイパス配管46とを連通させる。第1電磁弁27の閉鎖時において、パワーセーブ配管47には、第1バイパス配管45を介して、吐出側冷媒配管31からの高圧冷媒ガスが導入されているが、第1電磁弁27が開放されると、この高圧冷媒ガスが第2バイパス配管46を介して吸入側冷媒配管43に流出する。
【0024】
そして、第1バイパス配管45からの高圧冷媒ガスの供給がキャピラリチューブ95の作用によりごく少量であることから、パワーセーブ配管47には吸入側冷媒配管43からの低圧冷媒ガスが流入することになる。尚、キャピラリチューブ95には、第1,第2バイパス配管45,46を介して連通された際において、吐出側冷媒配管31から吸入側冷媒配管43に流出する高圧冷媒ガスの量をごく少なくする作用もある。
【0025】
これにより、両ピストンバルブ85,86は、バルブスプリング87のばね力により、図2に示したように、メインフレーム65またはベアリングプレート67の端面に押し付けられる。その結果、両シリンダ室73,75は、連通孔88,89およびバルブ孔83を介して連通されることになり、圧縮機構61における圧縮仕事の一部(第1実施形態では、50%=2馬力)がセーブされる。尚、図3にはパワーセーブ機構81の作用を模式的に示してあるが、パワーセーブ機構81の作動時には、圧縮行程にあるシリンダ室(図3では、シリンダ室73)から吸入行程にあるシリンダ室(図3では、シリンダ室75)にガス冷媒が流出する。
【0026】
一方、パワーセーブ機構81の作動を停止させる場合、室外側ECU51は、第1電磁弁27を閉鎖して第1バイパス配管45と第2バイパス配管46との連通を遮断させる。すると、パワーセーブ配管47には、第1バイパス配管45を介して、吐出側冷媒配管31からの高圧冷媒ガスが導入され、更に、この高圧冷媒ガスが、図4に示したように、冷媒導入孔91および連通凹部93,94を介して、バルブ孔83に流入する。
【0027】
すると、両ピストンバルブ85,86の受圧面に高圧(この場合、第1圧縮機5の最大吐出圧の50%)が作用し、バルブスプリング87が圧縮することにより、両ピストンバルブ85,86が互いに接近して中間プレート71に当接する。その結果、両ピストンバルブ85,86の外周面により連通孔88,89が閉鎖され、両シリンダ室73,75間が連通されなくなる。これにより、圧縮機構61では圧縮仕事が全て行われ、第1圧縮機5が定格出力(第1実施形態では、4馬力)を発生することになる。
【0028】
次に、冷媒戻し回路の構成および作用を説明する。
【0029】
第1実施形態の冷媒回路では、オイルセパレータ17から四方弁9への高圧側冷媒配管34と四方弁9からアキュムレータ15への低圧側冷媒配管42とが冷媒戻し配管49により連通されており、この冷媒戻し配管49の管路には前述した第2電磁弁29とキャピラリチューブ30とが介装されている。
【0030】
第1実施形態では、室外ユニット1での圧縮仕事を廃棄する場合、室外側ECU51は、第1電磁弁27を開放して高圧側冷媒配管34と低圧側冷媒配管42とを連通させる。すると、高圧側冷媒配管34内の高圧冷媒ガスが低圧側冷媒配管42側に流出し、第1圧縮機5あるいは第2圧縮機7が行った圧縮仕事の一部が廃棄される。圧縮仕事の廃棄量はキャピラリチューブ30により制御され、第1実施形態では、パワーセーブ機構81によるセーブ量の半分(すなわち、1馬力)に設定されている。
【0031】
次に、冷房運転時における冷媒の流れを説明する。
【0032】
アキュムレータ15から冷媒配管43,44を経由して第1,第2圧縮機5,7に吸引されたガス冷媒は、断熱圧縮されることにより高温の高圧ガス冷媒となって両圧縮機5,7から吐出される。吐出された高圧ガス冷媒は、冷媒配管32,33、オイルセパレータ17、冷媒配管34を経由して、四方弁9により進路を制御された後、冷媒配管35を経由して室外熱交換器11に流入する。高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器11内を通過する間に外気により冷却され、凝縮することによって液冷媒となった後、冷媒配管36〜38を経由して各室内ユニット3の電動膨張弁21に流入する。
【0033】
液冷媒は、電動膨張弁21で流量を制御された後、室内熱交換器23に流入し、室内熱交換器23内を通過する間に気化してガス冷媒となり、気化潜熱により電動ファン25が送風した室内空気を冷却する。この際、室内側ECU52は、設定温度と室温との偏差に基づき電動ファン7の回転数を制御すると共に、室内熱交換器23の入口側冷媒温度と出口側冷媒温度との偏差が所定値(例えば、0〜1℃)となるように電動膨張弁21の開弁量(弁体駆動用ステップモータのステップ数)を制御する。
【0034】
室内熱交換器23で気化したガス冷媒は、冷媒配管39〜41、四方弁9、冷媒配管42を経由してアキュムレータ15に流入し、冷媒配管43,44から再び第1,第2圧縮機5,7に吸引される。
【0035】
一方、暖房運転時には、四方弁9が破線で示すように切り換えられ、破線の矢印で示すように、冷媒の流れも冷房運転時とは逆になる。すなわち、第1,第2圧縮機5,7から吐出された高温の高圧ガス冷媒は、室内熱交換器23に導入された後、室内熱交換器23内を通過する間に凝縮して液冷媒となり、凝縮潜熱により電動ファン25が送風した室内空気を加熱する。次に、液冷媒は、室外熱交換器11に流入し、室外熱交換器11内を通過する間に外気により加熱され、気化することによってガス冷媒となった後、アキュムレータ15から第1,第2圧縮機5,7に再び吸入される。
【0036】
さて、空気調和機の運転が開始されると、室外側ECU51は、各室内側ECU52からの入力信号から算出した能力要求Pdに基づき目標圧縮仕事Wtを決定し、第1,第2圧縮機5,7の駆動制御の他、パワーセーブ制御および冷媒戻し制御を行う。
【0037】
すなわち、図5に示すように、目標圧縮仕事Wtが10馬力の場合には、第1,第2圧縮機5,7を起動させるマグネットスイッチをONにする。第1,第2圧縮機5,7の定格出力は4馬力および6馬力であるから、パワーセーブ機構81の第1電磁弁27および冷媒戻し配管49の第2電磁弁29がOFF(閉鎖)した状態では10馬力の圧縮仕事を得ることができる。
【0038】
また、目標圧縮仕事Wtが9馬力の場合には、第1,第2圧縮機5,7を起動させるマグネットスイッチをONとしたままで、第2電磁弁29を開放させて冷媒戻し配管49により1馬力の圧縮仕事を減じる。
【0039】
また、目標圧縮仕事Wtが8馬力の場合には、第1,第2圧縮機5,7のマグネットスイッチを共にONとしたままで、第1電磁弁27を開放させてパワーセーブ機構81を作動させる。この場合、パワーセーブ機構81により、第1圧縮機5の圧縮仕事が2馬力となり、他方の圧縮機12の圧縮仕事は6馬力であるから、圧縮仕事の合計は8馬力となる。
【0040】
また、目標圧縮仕事Wtが7馬力の場合には、第1,第2圧縮機5,7のマグネットスイッチを共にONとしたままで、第1電磁弁27を開放させてパワーセーブ機構81を作動させて8馬力の圧縮仕事を得た上で、第2電磁弁29を開放させて冷媒戻し配管49により1馬力の圧縮仕事を減じる。
【0041】
また、目標圧縮仕事Wtが6馬力の場合には、第2圧縮機7のマグネットスイッチのみをONにし、6馬力の圧縮仕事を得る。
【0042】
また、目標圧縮仕事Wtが5馬力の場合には、第2圧縮機7のマグネットスイッチのみをONとしたままで、第2電磁弁29を開放させて冷媒戻し配管49により1馬力の圧縮仕事を減じる。
【0043】
また、目標圧縮仕事Wtが4馬力の場合には、第1圧縮機5のマグネットスイッチのみをONにし、4馬力の圧縮仕事を得る。
【0044】
また、目標圧縮仕事Wtが3馬力の場合は、第1圧縮機5のマグネットスイッチのみをONとしたまま、第2電磁弁29を開放させて冷媒戻し配管49により1馬力分の圧縮仕事を減じる。
【0045】
また、目標圧縮仕事Wtが2馬力の場合は、第1圧縮機5のマグネットスイッチのみをONにした上で、第1電磁弁27を開放させ、パワーセーブ機構81の作用により2馬力の圧縮仕事を得る。
【0046】
また、目標圧縮仕事Wtが1馬力の場合は、第1圧縮機5のマグネットスイッチのみをONにした上で、第1電磁弁27と第2電磁弁29とを開放させ、パワーセーブ機構81の作用により2馬力の圧縮仕事を得た上で、冷媒戻し配管49により1馬力の圧縮仕事を減じる。
【0047】
以上述べたように、第1実施形態では、第1,第2圧縮機5,7の駆動制御と第1,第2電磁弁27,29の開閉制御とを組み合わせることにより、1〜10馬力まで1馬力毎に10段階の能力制御が可能となる。ところが、冷媒戻し配管49により1馬力の圧縮仕事を減じると(奇数馬力で運転すると)、前述したように、第1圧縮機5は無駄な圧縮仕事を行うことになり、エネルギーロスが発生する。そこで、第1実施形態では、能力要求Pdが所定値を超えた場合、以下に述べるようにして奇数馬力での運転を抑制し、エネルギーロスの低減を図る。
【0048】
すなわち、室外側ECU51は、空気調和機の運転が開始されると、所定の制御インターバル(例えば、10秒)で、図6の目標圧縮仕事決定サブルーチンを繰り返し実行する。このサブルーチンを開始すると、室外側ECU51は、ステップS1で各室内側ECU52からの入力信号に基づき能力要求Pdを算出した後、ステップS3で能力要求Pd(0.1馬力単位)が3.3馬力を超えているか否かを判定する。そして、この判定がNo(否定)であれば、室外側ECU51は、ステップS5で、能力要求Pdを四捨五入して目標圧縮仕事Wtを得る。
【0049】
一方、ステップS3の判定がYes(肯定)であった場合、室外側ECU51は、ステップS7で、偶数馬力N(4,6,8,10馬力)となる能力要求Pdの範囲をN±0.6馬力とし、目標圧縮仕事Wtが奇数馬力n(5,7,9馬力)となる能力要求Pdの範囲をn±0.3馬力として、目標圧縮仕事Wtを決定する。尚、本実施形態では、室外ユニット1の最大能力が10馬力であるため、能力要求Pdが10.6馬力を超えた場合には、目標圧縮仕事Wtは10馬力となる。
【0050】
このように、本実施形態では、能力要求Pdが3.3馬力を超えた場合、図7のグラフに示したように、能力要求Pdに対する目標圧縮仕事Wtは偶数馬力Nとなる場合が奇数馬力nとなる場合に較べて多くなる。これにより、冷媒戻し配管49により圧縮仕事が廃棄される頻度が少なくなり、エネルギーロスの大幅な低減が実現された。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態を説明するが、この実施形態については、目標圧縮仕事Wtの決定手順のみが第1実施形態と相違するため、装置構成や各機器類の制御方法等の説明は省略する。
【0052】
第2実施形態の場合、室外側ECU51は、空気調和機の運転が開始されると、所定の制御インターバル(例えば、10秒)で、図8の目標圧縮仕事決定サブルーチンを繰り返し実行する。このサブルーチンを開始すると、室外側ECU51は、ステップS11で各室内側ECU52からの入力信号に基づき能力要求Pdを算出した後、ステップS13で能力要求Pdを四捨五入して目標圧縮仕事Wtを得る。
【0053】
次に、室外側ECU51は、ステップS15で、目標圧縮仕事Wtが3馬力以上であるか否かを判定し、この判定がNoであればそのままスタートに戻る。ステップS15の判定がYesであった場合、室外側ECU51は、ステップS17で目標圧縮仕事Wtが奇数馬力であるか否かを判定し、この判定がNoであればそのままスタートに戻る。
【0054】
ステップS17の判定がYes、すなわち、目標圧縮仕事Wtが3馬力以上でかつ奇数馬力であった場合、室外側ECU51は、ステップS19で能力要求Pdの変化率(時間微分値)ΔPdを算出する。しかる後、室外側ECU51は、ステップS21で、算出した変化率ΔPdに基づいて、a分(例えば、3分)後に目標圧縮仕事Wtが偶数馬力に移行するか否かを判定し、この判定がNoであればそのままスタートに戻る。
【0055】
ステップS21の判定がYesであった場合、室外側ECU51は、ステップS23で、偶数馬力への移行を先立って行う。すなわち、目標圧縮仕事Wtを7馬力として運転中している際に、能力要求Pdが上昇してステップS21の判定がYesになった場合、室外側ECU51は、目標圧縮仕事Wtを8馬力に切り換える。あるいは、目標圧縮仕事Wtを7馬力として運転している際に、能力要求Pdが下降してステップS21の判定がYesになった場合、室外側ECU51は、目標圧縮仕事Wtを6馬力に切り換える。
【0056】
このように、第2実施形態では、目標圧縮仕事Wtが3馬力を超えた場合、図9に示したように、能力要求Pdに対する目標圧縮仕事Wtは偶数馬力Nとなる場合が奇数馬力nとなる場合に較べて多くなる。これにより、第1実施形態と同様に、冷媒戻し配管49により圧縮仕事が廃棄される頻度が少なくなり、エネルギーロスの大幅な低減が実現された。尚、本実施形態の場合、運転状況によっては殆どの場合に偶数馬力で運転され、室温のハンチングが発生する虞があるが、その場合にはこの制御を中止する。また、室内熱交換器の凝縮あるいは蒸発温度が規定値を外れる場合にも、これを解消するための制御を優先する。
【0057】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらの実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では2台の定速圧縮機のうち1台にパワーセーブ機構と冷媒戻し回路とを設けるようにしたが、単一の定速圧縮機を用いるようにしてもよいし、3台以上の圧縮機を用いるようにしてもよい。また、冷媒戻し制御を行う目標圧縮仕事の下限値や能力制御の単位については、システム構成等に応じて種々選択可能である。また、パワーセーブ機構については、例えば、圧縮機ケーシングの外部に連通回路と電磁弁とを設ける等、種々の構造が考えられる。その他、冷媒回路の具体的構成や制御に用いる各種数値等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パワーセーブ機構と冷媒液戻し回路とにより能力制御を行うようにしたため、インバータ圧縮機を用いずに定速圧縮機のみできめ細かく出力を制御することができ、しかも所定の制御則に基づいて、冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事を抑制するようにしたため、全体として、快適な空調状態を損なうことなくエネルギ効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和機の冷媒および電気回路図である。
【図2】パワーセーブ機構の作動状態を示す半裁縦断面図である。
【図3】パワーセーブ機構の作用を示す説明図である。
【図4】パワーセーブ機構の不作動状態を示す半裁縦断面図である。
【図5】目標圧縮仕事と各機器の作動との関係を示す図である。
【図6】第1実施形態における目標圧縮仕事決定サブルーチンの手順を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態の作用を説明するグラフである。
【図8】第2実施形態における目標圧縮仕事決定サブルーチンの手順を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態の作用を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 室外ユニット
3 室内ユニット
5 第1圧縮機
7 第2圧縮機
27 第1電磁弁
29 第2電磁弁
49 冷媒戻し配管
51 室外側ECU
81 パワーセーブ機構
Claims (2)
- 所定速度で駆動される圧縮機構が内装された定速圧縮機と、前記圧縮機構に対して圧縮仕事の一部を行わせなくするパワーセーブ手段と、前記定速圧縮機により圧縮された冷媒の一部を当該定速圧縮機の吐出側冷媒回路から吸込側冷媒回路に環流させる冷媒戻し手段と、利用側からの能力要求に基づき前記定速圧縮機の目標圧縮仕事を決定し、この目標圧縮仕事に応じて前記定速圧縮機の圧縮仕事を調整するべく、前記パワーセーブ手段と前記冷媒戻し手段とを駆動制御する能力制御手段とを備えた空気調和機において、前記能力制御手段は所定の制御則に基づいて、前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事を抑制するものであり、前記所定の制御則とは、前記目標圧縮仕事に対応する前記能力要求の範囲の設定にあたって前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事の側を前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事の側に対して狭くするもの、或いは、現在の目標圧縮仕事に応じて前記冷媒戻し手段を駆動している際に前記要求馬力の単位時間あたりの変化率に基づき所定時間経過後に前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事に移行すると推定した場合その移行を先だって行うものであることを特徴とする空気調和機
- 所定速度で駆動される圧縮機構が内装された複数台の定速圧縮機から構成される圧縮機群と、前記定速圧縮機のうち少なくとも一台の圧縮機構に対して圧縮仕事の一部を行わせなくするパワーセーブ手段と、前記圧縮機群により圧縮された冷媒の一部を当該圧縮機群の吐出側冷媒回路から吸込側冷媒回路に環流させる冷媒戻し手段と、利用側からの能力要求に基づき前記圧縮機群の目標圧縮仕事を決定し、この目標圧縮仕事に応じて前記圧縮機群の圧縮仕事を調整するべく、前記パワーセーブ手段と前記冷媒戻し手段とを駆動制御する能力制御手段とを備えた空気調和機において、前記能力制御手段は所定の制御則に基づいて、前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事を抑制するものであり、前記所定の制御則とは、前記目標圧縮仕事に対応する前記能力要求の範囲の設定にあたって前記冷媒戻し手段の駆動を必要とする目標圧縮仕事の側を前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事の側に対して狭くするもの、或いは、現在の目標圧縮仕事に応じて前記冷媒戻し手段を駆動している際に前記要求馬力の単位時間あたりの変化率に基づき所定時間経過後に前記冷媒戻し手段の駆動を必要としない目標圧縮仕事に移行すると推定した場合その移行を先だって行うものであることを特徴とする空気調和機。
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