JP3588182B2 - フライホイール組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライホイール組立体、特に、エンジンのクランクシャフトからの曲げ振動を減衰するためのフレキシブルプレートを有するフライホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
フライホイール組立体は、たとえばクラッチが装着されるフライホイールと、フライホイールとクランクシャフトとを連結するフレキシブルプレートとから主に構成されている。フレキシブルプレートは回転方向に剛性が高く曲げ方向にたわみ可能である。このようなフライホイール組立体にクランクシャフトから曲げ振動が伝達されると、フレキシブルプレートが曲げ方向にたわむことにより、その振動を吸収する。フレキシブルプレートがない場合には、曲げ振動がフライホイールに伝達されるとその反力がエンジンブロックに伝わり、さらにエンジンマウントを介して車輌のボディを加振する。これによって加速時の騒音が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
フレキシブルプレートは、曲げ振動の低減に対しては剛性が低いほど効果がある。特に、フレキシブルプレートの剛性を低くすることにより、共振点を実使用領域からずらすことが可能になり、エンジン加速時騒音をさらに低減できる。また、クラッチでレリーズ操作をする際に、フライホイールが軸方向に大きく移動するために、クラッチの切れ効率が悪くなる。
【0004】
本発明の目的は、クラッチの切れ効率を損なうことなく加速時騒音を低減させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のフライホイール組立体には回転部材からトルクが伝達される。フライホイール組立体はフレキシブルプレートとフライホイールと弾性部材とを備えている。フレキシブルプレートは、曲げ方向に可撓性を有し内周部が回転部材に連結される円板本体を有している。フライホイールは外周部がフレキシブルプレートの外周部に固定される。弾性部材はフレキシブルプレートとフライホイールとの間で一方に固定され、他方との間に第1隙間を確保して配置されている。フレキシブルプレートとフライホイールとの間には第1隙間より大きな第2隙間が形成されている。フレキシブルプレートは、円板本体からフライホイール側に突出しフライホイールとの間に第2隙間を確保する突出部をさらに有している。突出部は円板本体の内周縁に形成された筒部である。このフライホイール組立体に回転部材から曲げ振動が伝達されると、フレキシブルプレート及び弾性部材がたわみ変形することにより曲げ振動を吸収する。フレキシブルプレートのたわみ変形が小さな範囲では、フレキシブルプレートのみが変形し、低剛性の特性が得られる。弾性部材がフレキシブルプレートとフライホイールとの他方に当接すると、弾性部材もたわみ変形することにより高剛性の特性が得られる。
【0006】
フライホイールにレリーズ荷重が作用すると、フライホイールはエンジン側に移動する。弾性部材がフレキシブルプレートとフライホイールとの間で圧縮されるときには高い剛性が得られる。フライホイールがさらに軸方向に移動を続けるとフレキシブルプレートの突出部がフライホイールに当接する。このように、フライホイールの軸方向移動が制限されるため、クラッチの切れ効率が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に本発明の一実施形態としてのフライホイール組立体1を示す。このフライホイール組立体1は、エンジン側のクランクシャフト100からのトルクを図示しないクラッチを介してトランスミッション側に伝達するための装置である。図1におけるO−Oはフライホイール組立体1の回転軸線である。
【0008】
フライホイール組立体1はクランクシャフト100の端部に装着されており、フライホイール2とフレキシブルプレート3とから主に構成されている。
フレキシブルプレート3は円板形状の板金製部材である。フレキシブルプレート3の内周部は、複数のボルト5によりクランクシャフト100に固定されている。フレキシブルプレート3の外周部にはフライホイール2がボルト4により固定されている。フレキシブルプレート3の内周縁には、トランスミッション側に延びる筒状支持部16が形成されている。筒状支持部16は図2から明らかなように波形状に絞り加工されており、外周側に突出する部分は複数のボルト5の円周方向間に対応している。また、筒状支持部16の内周側に突出した部分は切削加工により当接面を形成している。
【0009】
フレキシブルプレート3の径方向中間部には、複数の丸孔19が円周方向に等間隔で形成されている。フレキシブルプレート3の丸孔19の大きさ、個数を調整することにより、フレキシブルプレート3の曲げ方向の剛性を調整できる。フレキシブルプレート3の外周縁には、エンジン側に突出する外周筒部18が形成されている。外周筒部18の外周にはリングギア20が溶接されている。
【0010】
フライホイール2はほぼ円板状の鋳物製部材である。フライホイール2のトランスミッション側外周面には、図示しないクラッチディスク組立体の摩擦フェーシングが押圧される摩擦面11が形成されている。摩擦面11の内周側には複数の空気孔12が形成されている。空気孔12は円周方向に延びており、エンジン側にいくにしたがって半径方向両側に広がっている。なお、空気孔12と丸孔19は対応して形成されている。フライホイール2の内周部には、ボルト5の頭部との干渉を避けるためにボルト頭部逃し孔14が形成されている。さらに、フライホイール2の内周縁にはエンジン側に延びる筒部13が形成されている。筒部13は、筒状支持部16の内周当接面に隙間嵌めされている。ここでフライホイール2とフレキシブルプレート3との芯出しが行われているため、芯出しのための特別な部材を省略できる。筒部13の外周面は球面でもよいが、円柱の外周面でもよい。
【0011】
座金プレート8は、フレキシブルプレート3の内周部とフライホイール2の内周部との間に配置されている。座金プレート8は環状であり、外径はクランクシャフト100の端部よりも大きい。また、図3で拡大して示すように、座金プレート8の外周部8aは所定の角度でフライホイール2側に折り曲げられ、さらにその外周部はフライホイール2の側面に対して平行な平坦面8bとなるように折り曲げられている。この座金プレート8の外周部には円周方向に等間隔で複数の半径方向スリットが形成されている。このような構成により、座金プレート8はクラッチレリーズ操作方向(軸方向)に剛性が高く、曲げ方向に剛性が低くなっている。ただし、外周部8aの軸方向の剛性は、フレキシブルプレート3の軸方向の剛性に比較して高い。
【0012】
ここで、座金プレート8の外径をクランクシャフト100端部の外径よりも大きくすることにより、フレキシブルプレート3の変形が抑制され、フレキシブルプレート3の最も応力の高い部分、すなわちクランクシャフト100の外周部との接合部での応力を拡散できる。また、座金プレート8の外周端部を平坦面8bとしているため、大きな曲げ振動が発生した場合に、座金プレート8がフライホイール2の側面に常に安定して当接する。この結果、摩擦の大きさの経時変化を抑えられる。
【0013】
なお、フレキシブルプレート3とフライホイール2とは、筒状支持部16とフライホイール2の側面との間に隙間Dが形成されるように配置されている。そして、組立状態では、座金プレート8の外周平坦面8bはフライホイール2の側面に当接しておらず、隙間d(図3参照)が確保されている。隙間dは隙間Dより短い。
【0014】
フライホイール2は、フライホイール2及びフレキシブルプレート3のそれぞれに空気孔12及び丸孔19を通る空気によって冷却される。そのため、フライホイール2の摩擦面11に摩擦熱が発生しても、高温になりにくい。その結果、熱による摩擦フェーシングの異常磨耗や特性の早期劣化を抑えることができる。
つぎにフライホイール組立体1の動作について説明する。
【0015】
曲げ振動減衰
エンジン側のクランクシャフト100からフライホイール組立体1にトルクが伝達されると、フレキシブルプレート3及び座金プレート8が曲げ方向にたわんみ、筒状支持部16と筒部13とが摺動して摩擦を発生することで曲げ振動を減衰する。これにより、加速時騒音が生じにくくなる。また、フライホイール2の面振れが抑えられることで、図示しないクラッチディスク組立体の摩擦フェーシングの偏磨耗を抑えられる。
【0016】
フレキシブルプレート3のたわみ変形が小さな範囲では、フレキシブルプレート3と座金プレート8のイニシャル荷重に応じた低剛性の特性が得られる。特にフレキシブルプレート3は厚みが小さくなりかつ丸孔19により剛性がさらに低い。
フレキシブルプレート3のたわみ変形が大きくなると、座金プレート8の平坦面8bがフライホイール2の側面に当接する。この場合には、フレキシブルプレート3のばね特性に加えて座金プレート8の剛性によって高剛性の特性が得られる。これと同時に、座金プレート8の平坦面8bとフライホイール2との接触によって生じる摩擦により、曲げ振動が減衰される。
【0017】
さらにフレキシブルプレート3のたわみ変形が大きくなると、筒状支持部16の先端がフライホイール2の側面に当接する。
このように座金プレート8及び筒状支持部16を設けることにより、エンジンの燃焼による曲げ振動によるフレキシブルプレート3の過大変位を制限している。そのため応力が大きくなり過ぎず、フレキシブルプレート3の寿命が延びる。
【0018】
レリーズ荷重支持
クラッチレリーズ時には、レリーズ荷重がフライホイール2に作用する。フライホイール2はエンジン側に移動し、フレキシブルプレート3を軸方向に変形させる。やがてフライホイール2は座金プレート8に当接しフレキシブルプレート3と座金プレート8とを変形させる。最後にフライホイール2はフレキシブルプレート3の筒状支持部16に当接する。この状態でレリーズ荷重はフライホイール11から筒状支持部16を介してクランクシャフト100に作用している。このようにフライホイール2の軸方向移動量を減らすことにより、クラッチの切れ効率が向上している。また、レリーズ荷重を直接クランクシャフト100側で受けるため、フレキシブルプレート3の厚みを従来より小さくできる。この結果、フレキシブルプレート3の制振機能が向上する。
【0019】
その他の効果
フライホイール2は筒状支持部16により半径方向の移動や傾きが制限されている。その結果、フライホイール2は傾いた状態での振れ回りをおこしにくい。また、フレキシブルプレート3が破損しても、筒状支持部16に支持されてフライホイール2は飛び出しにくい。
【0020】
筒状支持部16は絞り加工されているため剛性が高い。そのため、径方向の厚みを従来より減らせる。また、筒状支持部16の径方向外側に突出した各部分はボルト5の円周方向間に配置されているため、筒状支持部16の径を大きくして、ボルト5側に配置することが可能となっている。このようにして、筒部13とボルト5との間の僅かな隙間に筒状支持部16を配置でき、スペースを有効に利用できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係るフライホイール組立体では、フライホイールにレリーズ荷重が作用すると、フライホイールはエンジン側に移動する。弾性部材がフレキシブルプレートとフライホイールとの間で圧縮されるときには高い剛性が得られる。フライホイールがさらに軸方向に移動を続けるとフライホイールにフレキシブルプレートの突出部が当接する。このように、フライホイールの軸方向移動が制限されるため、クラッチの切れ効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのフライホイール組立体の縦断面概略図。
【図2】フライホイール組立体の一部断面側面図。
【図3】図1の部分拡大図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体
2 フライホイール
3 フレキシブルプレート
8 座金プレート
13 筒部
16 筒状支持部
Claims (2)
- 回転部材からトルクが伝達されるフライホイール組立体であって、
曲げ方向に可撓性を有し、内周部が前記回転部材に連結される円板本体を有するフレシキブルプレートと、
外周部が前記フレキシブルプレートの外周部に固定されるフライホイールと、
前記フレキシブルプレートと前記フライホイールとの間で一方に固定され、他方との間に第1隙間を確保して配置された弾性部材とを備え、
前記フレキシブルプレートと前記フライホイールとの間には前記第1隙間より大きな第2隙間が形成されており、
前記フレキシブルプレートは、前記円板本体から前記フライホイール側に突出し前記フライホイールとの間に前記第2隙間を確保する突出部をさらに有しており、
前記突出部は前記円板本体の内周縁に形成された筒部である、
フライホイール組立体。 - 前記弾性部材は環状部材である、請求項1に記載のフライホイール組立体。
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