JP3588078B2 - 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用 - Google Patents

制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP3588078B2
JP3588078B2 JP2001501995A JP2001501995A JP3588078B2 JP 3588078 B2 JP3588078 B2 JP 3588078B2 JP 2001501995 A JP2001501995 A JP 2001501995A JP 2001501995 A JP2001501995 A JP 2001501995A JP 3588078 B2 JP3588078 B2 JP 3588078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
functional
monomer
meth
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001501995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003501517A (ja
Inventor
カール エフ. シメル,
カレン エイ. バーカック,
カート エイ. ハンバート,
ジョナサン ディー. ゴエツ,
ジェイムス ビー. オッドウヤー,
Original Assignee
ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/325,226 external-priority patent/US6197883B1/en
Priority claimed from US09/325,227 external-priority patent/US6288173B1/en
Application filed by ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド filed Critical ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド
Publication of JP2003501517A publication Critical patent/JP2003501517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3588078B2 publication Critical patent/JP3588078B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F293/00Macromolecular compounds obtained by polymerisation on to a macromolecule having groups capable of inducing the formation of new polymer chains bound exclusively at one or both ends of the starting macromolecule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F293/00Macromolecular compounds obtained by polymerisation on to a macromolecule having groups capable of inducing the formation of new polymer chains bound exclusively at one or both ends of the starting macromolecule
    • C08F293/005Macromolecular compounds obtained by polymerisation on to a macromolecule having groups capable of inducing the formation of new polymer chains bound exclusively at one or both ends of the starting macromolecule using free radical "living" or "controlled" polymerisation, e.g. using a complexing agent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D153/00Coating compositions based on block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Coating compositions based on derivatives of such polymers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、少なくとも2つのブロック、すなわち、第1のラジカル重合可能なモノマー(および必要に応じて、少量のヒドロキシ官能性のラジカル重合可能なモノマー)の残基を含む第1のブロック、ならびに第2のラジカル重合可能なモノマー(および必要に応じて、少量のヒドロキシ官能性のラジカル重合可能なモノマー)の残基を含む第2のブロックを含むブロックコポリマーに関する。より具体的には、本発明のブロックコポリマーの第2のモノマーは、第1のモノマーの算出されたガラス転移温度(Tg)より少なくとも20℃高い算出されたガラス転移温度を有する。本発明はまた、流動制御剤としてブロックコポリマーを含む熱硬化性コーティング組成物に関する。
【0002】
(発明の背景)
ブロックコポリマーは、独特の特性を有し、そして広範な種々の用途(例えば、界面活性剤、分散剤および流動制御剤としての用途が挙げられる)において使用される。ブロックコポリマーの独特の特性は、それらの高度に定義されたポリマー鎖構築に関する。モノマーの選択および合成方法に依存して、ブロックコポリマーは、予め選択された異なる特性(例えば、親水性またはポリマー混和性)を有する複数のセグメントまたはブロックを用いて調製され得る。当業者は、概念化したブロックコポリマーの特性に関してある一般的な予測を行い得るが、このようなコポリマーの実際の性能は、代表的には、実験的評価なしには確認され得ない。これは、特に、熱硬化性コーティング組成物に使用される流動制御剤の場合であり、組成物内および塗布されたコーティングが硬化する際のそのコーティングの表面の両方において生じる複数の組の不確定の相互作用に一部起因する。
【0003】
コーティング組成物(例えば、液体および粉末のコーティング組成物)は、多くの市場(例えば、自動車、電気器具および産業の市場)において広範に使用される。コーティングは、しばしば、それらが適用される基材に装飾品質および/または腐食保護を提供するために使用される。相応して、適用されたコーティングは、代表的には、少なくとも連続性の欠陥を含まない表面を有し、装飾仕上げの場合、非常に平滑な表面をも有することが要求される。自動車工業は、自動車クリアトップコート組成物(automotive clear top−coat composition)の場合のように、特に、使用されるコーティングの平滑さに関する厳密な条件を有する。
【0004】
コーティング組成物は、代表的には、硬化したコーティングの外観を改善するために流動制御剤(流動改変剤ともいわれる)を含む。流動制御剤は、表面活性特性を有し、その硬化サイクルの間の流動および適用されたコーティングの水準を変更することによって硬化したコーティングの外観を改善すると考えられる。官能基(例えば、カルボン酸基および/またはヒドロキシル基)を含む流動制御剤が公知であり、外観の向上に加えて、コーティングが適用される基材へのコーティングの接着を改善し得、および/または続いて適用されるコーティングの接着または適合性を改善し得る。
【0005】
コーティング組成物は、代表的には、最小のフィルム厚みにおける最適な特性(例えば、外観および/または腐食耐性)を提供するために必要とされる。例えば、自動車産業において、クリアトップコートは、代表的には、50ミクロン(2ミル)以下の硬化したフィルム厚みを有することが必要とされる。より薄いフィルム厚みで適用されたコーティングに関する利点として、例えば、削減された材料コスト、およびコートされた製品の重量利得が挙げられ、これは航空産業において特に所望される。しかし、適用されたコーティング組成物のフィルム構造(build)が減少するにつれて、生じる硬化したコーティングの外観は、代表的には、例えば、低下した測定光沢値によって証明されるように、減少する。
【0006】
より低いフィルム構造におけるコーティングの適用に加えて、近年の研究および開発は、コーティング組成物の環境におよぼす影響の減少、特にそれらの使用の間の揮発性有機物質の大気への放出に関する影響の減少に向けられてきている。従って、より低い揮発性有機物質含有率(VOC)を有するコーティング(例えば、粉末コーティングおよび高固体(high solid)コーティング)の関心が増加している。粉末コーティング組成物は、実質的に溶媒を含まない自由に流動する粒子状組成物である。粉末コーティングの外観は、代表的には、減少するフィルム厚み(例えば、75ミクロン(3ミル)未満のフィルム厚み、特に、50ミクロン(2ミル)未満のフィルム厚み)と共にある程度著しく低下する。適用されたコーティングの流動および水準を向上し得る溶媒の非存在下において、流動制御剤は、大部分の粉末コーティング組成物において重要な成分である。
【0007】
例えば、液体および粉末のコーティング組成物のようなコーティング組成物における流動制御剤として使用され得る新規なブロックコポリマーを開発することが所望される。特に、例えば、50ミクロン以下のフィルム厚みで適用される粉末コーティング組成物のように、ブロックコポリマーが組み込まれる組成物に改善された特性を付与し得る新規なブロックコポリマーを開発することが所望される。
【0008】
外観のような改善された特性を有するコーティング組成物(例えば、粉末コーティング組成物)を開発することも所望される。特に、より低いフィルム厚み(例えば、50ミクロン未満のフィルム厚み)における、外観のような改善された特性を有するコーティング組成物を開発することが所望される。
米国特許第5,312,652号は、シロキサンモノマーに基づく1つのブロックを有するブロックコポリマーの、金属シートの表面への適用を記載する。このブロックコポリマーは、この金属の表面に、防腐特性および円滑特性を提供する。
【0009】
米国特許第5,212,245号は、硬化可能な粒子状樹脂材料および流動制御剤を含む熱硬化性粉末コーティング組成物を記載する。この’245特許の流動制御剤は、アルキル基に6〜20個の炭素原子を含むアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートと、ヒドロキシアクリレートおよび/またはヒドロキシアルキルメタクリレートとのコポリマーとして記載される。’245特許の流動制御剤は、ブロックコポリマーとしても記載されないし、制御された重合方法もしくはリビングラジカル重合方法によって調製されたブロックコポリマーとしても記載されない。
【0010】
国際出願特許公報WO97/30131号は、液体または粒子状のいずれかの硬化可能なフィルム形成樹脂材料および流動制御剤を含む硬化可能なコーティング組成物を記載する。公報WO97/30131号の流動制御剤は、アルキル基に1〜20個の炭素原子を含む少なくとも1つのアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレート、アミノ官能性アクリレートおよび/またはアミノ官能性メタクリレート、ならびに必要に応じて、ヒドロキシアルキルアクリレートおよび/またはヒドロキシアルキルメタクリレートのコポリマーとして記載される。公報WO97/30131号の流動制御剤は、非リビングフリーラジカル重合方法によって調製されるとして記載される。
【0011】
米国特許第5,807,937号、同第5,789,487号および同第5,763,548号、ならびに国際出願特許公報WO98/40415号、WO98/01480号、WO97/18247号およびWO96/30421号は、原子移動ラジカル重合(ATRP)といわれるラジカル重合プロセスを記載する。ATRPプロセスは、予測可能な分子量および分子量分布を有する(コ)ポリマーの形成を生じるリビングラジカル重合として記載される。このATRPプロセスはまた、制御された構造(すなわち、制御可能なトポロジー、組成など)を有する高度に均一な生成物を提供するとして記載される。’937特許はまた、ATPRによって調製された(コ)ポリマーを記載し、これは、例えば塗料およびコーティングを含む広範な種々の適用において有用である。
【0012】
(発明の要旨)
本発明によれば、以下を含むブロックコポリマーが提供される:
(a)ヒドロキシ官能基を含まない、少なくとも1つの第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーおよび少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性エチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む第1のブロック;ならびに
(b)ヒドロキシ官能基を含まない、少なくとも1つの第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーおよび少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性エチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む第2のブロック;
ここで、第2のモノマーの算出されたTgは、第1のモノマーの算出されたTgより少なくとも20℃高い。
【0013】
本発明によれば、以下を含む熱硬化性組成物がまた提供される:
(a)官能基を有する第1の反応物;
(b)第1の反応物の官能基と共反応性である官能基を有する第2の反応物;および
(c)制御されたラジカル重合(例えば、リビングラジカル重合)によって調製されたポリマー性流動制御剤であって、以下を含むポリマー性流動制御剤、
(i)ヒドロキシ官能基を含まない、少なくとも1つの第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む第1のブロック;
(ii)ヒドロキシ官能基を含まない、少なくとも1つの第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む第2のブロック;
ここで、第2のモノマーは、第1のモノマーの算出されたTgより少なくとも20℃高い算出されたTgを有する。
【0014】
操作実施例を除いて、または他に指示されない限り、成分の量、反応条件を表し、そして明細書および特許請求の範囲に使用される全ての数字は、全ての場合において、用語「約」によって改変されることが理解されるべきである。
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明のブロックコポリマー(熱硬化性組成物のポリマー性流動制御剤)は、少なくとも2つのブロック、すなわち上記のような少なくとも第1および第2のブロックを含み、ここで各ブロックは、特性(例えば、算出されたTg、または隣接ブロックの組成と異なるモノマー残基の組成)を有する。本明細書中で使用される場合、用語「流動制御剤」および本発明のブロックコポリマーは、特に他に特定されない限り、同じである。本発明のブロックコポリマーは、代表的には、制御されたラジカル重合によって調製され、従って、モノマー残基のブロックおよびその構築はまた、そのブロックを調製するために使用されるモノマー供給の組成によって規定される。
【0016】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「制御されたラジカル重合」は、ラジカル移動可能な基(例えば、ハロゲン)を有する開始剤、および重合の間の低酸化状態と高酸化状態との間で可逆的に変化し得る遷移金属(例えば、Cu(0)およびCu(I)またはCu(I)およびCu(II))を含む触媒の存在下で実施されるラジカル重合の方法をいう。制御されたラジカル重合は、例えば、ATRPを用いる場合のように、生じるポリマーの分子量、ポリマー鎖構築および多分散性にわたる制御を提供する。制御されたラジカル重合の間に形成されたポリマー鎖の数は、しばしば、反応の開始において存在する開始剤の数にほぼ等しく、各ポリマー鎖は、代表的に、開始剤の残基を含む。
【0017】
ポリマーのポリマー鎖構築は、ポリマー鎖またはポリマー鎖のセグメント内の異なるモノマー残基の位置をいい、例えば、ランダム、勾配、交互またはブロックポリマー鎖構築である。より多くのモノマー種が本発明の流動制御剤のブロック(例えば、第1のブロック)を調製するために使用される場合、それらのモノマー種の残基は、ランダム様式、勾配様式、交互様式で、および/または、例えば第1のブロック内のモノマー残基のブロックとして存在し得る。例えば、第1のモノマーおよびヒドロキシ官能性モノマーの残基は、ランダム様式、勾配様式、交互様式で、ブロックコポリマーの第1のブロック内に、および/または第1のモノマー残基およびヒドロキシ官能性モノマー残基のブロックとして、存在し得る。このブロックコポリマーは、例えば、2個、3個、4個、5個またはそれ以上のブロックを含み得る。代表的には、本発明のブロックコポリマーは、2個または3個のブロックを含む。
【0018】
本発明のブロックコポリマーが2個より多くのブロックを含む場合、第1および第2のブロックが互いに隣接され得るか、または1個以上の追加のブロックによって隔てられ得る。第1および第2のブロックは、任意の順番でブロックコポリマー内に存在し得、例えば、第1または第2のブロックのいずれかが、重合開始剤(すなわち、尾部)の残基を含むブロックコポリマーの部分に対して最初に起こり得る。
【0019】
本発明のブロックコポリマーの全体のポリマー構築物は、直鎖状コポリマー、分枝状コポリマー、ハイパーブランチコポリマー、スターコポリマー、グラフトコポリマーおよびそれらの混合物から選択される。代表的には、本発明のブロックコポリマーの全体のポリマー構築物は、直鎖状、分枝状および星状のコポリマーから選択され、より代表的には、直鎖状コポリマーである。
【0020】
本発明のブロックコポリマーの第1のブロックは、代表的には、ブロックコポリマーの全重量を基準に、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、そしてより好ましくは、少なくとも15重量%の量で存在する。第1のブロックはまた、代表的には、ブロックコポリマーの全重量を基準に、95重量%未満、好ましくは90重量%未満、そしてより好ましくは85重量%未満の量で存在する。この第1のブロックは、これらの値(記載された値を含む)の任意の組み合わせの間の範囲の量で、本発明のブロックコポリマー内に存在する。
【0021】
本発明のブロックコポリマーの第2のブロックは、代表的には、ブロックコポリマーの全重量を基準に、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、そしてより好ましくは少なくとも15重量%の量で存在する。第2のブロックはまた、代表的には、ブロックコポリマーの全重量を基準に、95重量%未満、好ましくは90重量%未満、そしてより好ましくは85重量%未満の量で存在する。この第2のブロックは、これらの値(記載された値を含む)の任意の組み合わせの間の範囲の量の本発明のブロックコポリマー内に存在する。
【0022】
本発明のブロックコポリマーの第2のブロックに対する第1のブロックの重量比は、代表的には、0.05:1〜19:1、例えば、0.1:1〜9:1または0.2:1〜6:1である。本発明のブロックコポリマーは、代表的には、500〜100,000、例えば、1000〜50,000または5000から30,000の数平均分子量を有する。本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、他に示されない限り、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびZ平均分子量(Mz)の値は、ポリスチレン基準を使用するゲルパーミエーションクロマトグラフィーから決定される。従って、本明細書中で示されるMn、MwおよびMzの値は、絶対値を表さないが、むしろ一組のポリスチレン基準に対する平均値を表す。
【0023】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「算出されたTg」は、Foxによって、Bull.Amer.Physics.Soc.,1、3頁123(1956)に記載されるような方法に従って決定される。本発明のブロックコポリマーの第2のモノマーの算出されたTgは、代表的には、第1のモノマーの算出されたTgより、少なくとも20℃高く、好ましくは少なくとも30℃高く、そしてより好ましくは少なくとも40℃高い。代表的には、第2のモノマーの算出されたTgはまた、第1のモノマーの算出されたTgより235℃未満高く、例えば第1のモノマーの算出されたTgより150℃未満または100℃未満高い。本発明のブロックコポリマーの第2モノマーと第1のモノマーとの間の算出されたTgの差(すなわち、第2のモノマーの算出されたTg−第1のモノマーの算出されたTg)は、これらの値(記載された値を含む)の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0024】
本発明の組成物のブロックコポリマーの第1および第2のモノマーは、各々、ビニルモノマー、アリルモノマー、オレフィンおよびそれらの混合物から独立して選択され得る。第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得るビニルモノマーのクラスは、(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、ビニルハライドおよびカルボン酸のビニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「(メタ)アクリレート」および同様の用語は、メタクリレート、アクリレートおよびメタクリレートとアクリレートとの混合物を意味する。好ましくは、第1および第2のモノマーは、各々独立して、アルキル基内に1〜20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも1つから選択される。
【0025】
第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、アルキル基内に1〜20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体的な例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、より多くの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの例として、(メタ)アクリル酸無水物、ジエチレングリコールビス(メタ)アクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールビス(メタ)アクリレート(ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート)、アルコキシル化4,4’−イソプロピリデンジフェノールビス(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレートおよびアルコキシル化トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
第1および第2のモノマーの各々が選択され得る、ビニル芳香族モノマーの具体的な例として、スチレン、p−クロロメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびジビニルナフタレンが挙げられるが、これらに限定されない。第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、ビニルハライドは、塩化ビニルおよびフッ素化ビニリデンが挙げられるが、これらに限定されない。第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、カルボン酸のビニルエステルとして、酢酸ビニル、酪酸ビニル、3,4−ジメトキシ安息香酸ビニルおよび安息香酸ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「オレフィン」および同様の用語は、石油画分を分留することによって得られるような、1個以上の二重結合を有する不飽和の脂肪族炭化水素を意味する。第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、オレフィンの具体的な例として、プロピレン、1−ブテン、1,3−ブタジエン、イソブチレンおよびジイソブチレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「アリルモノマー」は、置換および/または無置換のアリル官能基を含むモノマー、すなわち、以下:
【0029】
【化8】
Figure 0003588078
の一般式Iによって表される1個以上の基を意味し、ここで、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cのアルキル基である。最も一般的には、Rは、水素またはメチルであり、結果として一般式Iは無置換(メタ)アリル基を表す。第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、アリルモノマーの例として、(メタ)アリルエーテル(例えば、メチル(メタ)アリルエーテル);カルボン酸のアリルエステル(例えば、酢酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、(メタ)アリル3,4−ジメトキシ安息香酸および安息香酸(メタ)アリル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
第1および第2のモノマーの各々が独立して選択され得る、他のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーとして、環式無水物(例えば、マレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物およびイタコン酸無水物);不飽和であるが、α,β−エチレン性不飽和を有さない酸のエステル(例えば、ウンデシレン酸のメチルエステル);およびエチレン性不飽和二塩基性酸のジエステル(例えば、マレイン酸ジエチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の好ましい実施形態において、ブロックコポリマーの第1のモノマーは、イソ−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよびそれらの混合物から選択される。本発明の特に好ましい実施形態において、第1のモノマーは、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0032】
本発明の好ましい実施形態において、ブロックコポリマーの第2のモノマーは、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびそれらの混合物を含む群から選択される。本発明の特に好ましい実施形態において、第2のモノマーはイソ−ブチルメタクリレートから選択される。
【0033】
本発明のブロックコポリマーの第1および第2のブロックは、各々独立して、少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマーの残基、さらに第1および第2のモノマーのそれぞれの残基を含み得る。好ましくは、第1および第2のブロックの両方は、少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む。第1および第2のブロック内に存在する場合、ヒドロキシ官能性モノマーの残基は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、同じまたは異なる量で存在し得る。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマー」は、ヒドロキシ官能基を有するモノマー(例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、およびヒドロキシ官能性残基に転化され得るモノマー(すなわち、ヒドロキシ官能性モノマー残基の前駆体)を含むことを意味し、例として、カルボン酸のビニルエステル(酢酸ビニル)、およびエポキシド官能性モノマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート)が挙げられる。
【0034】
ヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和モノマーの残基は、本発明のブロックコポリマーの第1のブロックおよび第2のブロックのいずれかまたは両方のうちの任意の位置を独立して占有し得る。ヒドロキシ官能性モノマー残基は、第1のブロックおよび第2のブロックのいずれかまたは両方においてランダムな様式で;勾配様式で;または第1のブロックおよび第2のブロックのいずれかまたは両方の全体を通して(例えば、第1のブロックの始まり、中間および/または末端で)任意の位置を占めるヒドロキシ官能性モノマーの1以上のブロックとして存在し得る。第1のブロックおよび第2のブロックが互いに隣接し、そしてさらに、各々が、ヒドロキシ官能性モノマー残基の隣接ブロックを含む場合、第1のブロックおよび第2のブロックは、本明細書中で先に考察したような、それらの調製において用いられるモノマーの供給によって定義される。
【0035】
本発明のブロックコポリマー第1のブロックおよび/または第2のブロックがヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む場合、ヒドロキシモノマー残基は代表的に、第1のブロックおよび/または第2のブロックに、それぞれ第1のブロックおよび第2のブロックの合計重量に基づいて少なくとも1重量パーセント、好ましくは少なくとも2重量パーセント、そしてより好ましくは少なくとも3重量パーセントの量で存在する。存在する場合、ヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基は代表的に、ブロックコポリマーの第1のブロックおよび/または第2のブロックに、それぞれ第1のブロックおよび第2のブロックの合計重量に基づいて、20重量パーセント未満、好ましくは15重量パーセント未満、そしてより好ましくは10重量パーセント未満の量で存在する。第1のブロックおよび第2のブロックの各々に存在し得るヒドロキシ官能性モノマーの残基の量は、独立して、記載した値を含めて、これらの値の任意の組み合わせの間の範囲に及び得る。
【0036】
本発明の1つの実施形態では、ヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和モノマーは、以下から選択される:アルキル基中に2個〜20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;重合の前または後のいずれかで加水分解される、エポキシド官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー;重合の前または後のいずれかで1以上のラクトンと反応される、アルキル基中に2個〜20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(i)(メタ)アクリル酸および4個〜26個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル、または(ii)グリシジル(メタ)アクリレートおよび4個〜26個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸の反応生成物であるβ−ヒドロキシエステル官能性(メタ)アクリレート;ならびにそれらの混合物。本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、「飽和モノカルボン酸」においてのような用語「飽和」は、エチレン性不飽和が存在しないことを示すことが意図されるが、例えば、ベンゼン環において見出されるような芳香族不飽和を除外することは意図されない。好ましい飽和モノカルボン酸はイソステアリン酸であり、そして飽和モノカルボン酸の好ましいグリシジルエステルは、CARDURA EグリシジルエステルとしてShell Chemical Companyから市販される。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキブチル(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物から選択され;エポキシド官能性モノマーは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルおよびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ラクトンは、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンおよびそれらの混合物からなる群より選択され;そしてβ−ヒドロキシエステル官能性(メタ)アクリレートは、グリシジル(メタ)アクリレートとイソステアリン酸との反応生成物である。本発明の特に好ましい実施形態では、ヒドロキシ官能性モノマーは、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
【0038】
本発明のブロックコポリマーは必要に応じて、少なくとも1つのアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーおよび必要に応じて、少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含むブロックを有し得る。アミン官能性モノマーは、1級アミン(−NH)、2級アミン(−N(R)H)、3級アミン(−N(R)(R))およびそれらの組み合わせから選択されるアミン官能性を有し得、ここで、RおよびRは各々独立して、C〜C20の直鎖状または分岐状のアルキル、C〜C環状アルキル、芳香族基および多環式芳香族基から選択される。代表的に、RおよびRは各々独立して、C〜C20の直鎖状または分岐状のアルキル(例えば、C〜Cアルキル)から選択される。
【0039】
アミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーは、アルキル基中に2個〜20個の炭素原子を有するアミノアルキル(メタ)アクリレートから選択され得る。好ましくは、アミン官能性モノマーのアミン基は3級アミンであり、そしてアミン官能性モノマーはジ(C〜C)アミノアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ジ(C〜C)アミノエチル(メタ)アクリレート)から選択される。本発明の好ましい実施形態では、アミン官能性モノマーはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
【0040】
アミン官能性モノマーの残基を含むブロックは必要に応じて、少なくとも1つのヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和モノマーの少量の残基を含み得る。ヒドロキシ官能性モノマーは、第1のブロックおよび/または第2のブロックに関して上記に本明細書中に引用および記載された通りの1以上のヒドロキシ官能性モノマーまたはヒドロキシ官能性モノマーの前駆体から選択され得る。ヒドロキシ官能性モノマーの残基は、アミン官能性モノマーの残基を含むブロックに、第1のブロックおよび第2のブロックに関して本明細書中で上記の通りの値の任意の組み合わせの間の範囲に及ぶ量(記載された値を含む)で存在し得る。ヒドロキシ官能性モノマー残基は、第1のブロックおよび第2のブロックに関して本明細書中上記で考察したように、アミン官能性モノマー残基を含むブロックにおいて任意の位置を占有し得る。
【0041】
本発明のブロックコポリマーが、アミン官能性モノマーの残基を含むブロックを有する場合、アミン官能性モノマーの残基を含むブロックは、ブロックコポリマーの合計重量に基づいて、少なくとも1重量パーセント、好ましくは少なくとも5重量パーセント、そしてより好ましくは少なくとも10重量パーセントの量で存在する。アミン官能性モノマーの残基を含むブロックもまた、ブロックコポリマーの合計重量に基づいて、35重量パーセント未満、好ましくは28重量パーセント未満、そしてより好ましくは20重量パーセント未満の量で存在し得る。アミン官能性モノマーの残基を含むブロックは、本発明のブロックコポリマー中に、記載した値を含めて、これらの値の任意の組み合わせの間の範囲に及ぶ量で存在し得る。
【0042】
アミン官能性モノマーの残基は、第1のブロックもしくは第2のブロックのいずれかに存在し得るか、あるいは、本発明のブロックコポリマーの別個のブロックに存在し得る。好ましくは、少なくとも1つのアミン官能性モノマーの残基、および必要に応じて少なくとも1つのヒドロキシ官能性モノマーの少量の残基を含むブロックは、第1のブロックおよび第2のブロックとは別のブロックとして存在し(例えば、第3のブロックとして存在する)、この場合、第1のブロックおよび第2のブロックは、アミン官能性モノマーの残基を含まない。
【0043】
アミン官能性モノマー残基は代表的に、アミン官能性モノマー残基を含むブロック中に、ブロック中のヒドロキシ官能性モノマー残基以外であるモノマー残基の合計重量に基づいて、少なくとも50重量パーセント、好ましくは少なくとも70重量パーセント、そしてより好ましくは少なくとも80重量パーセントの量で存在する。本発明の特に好ましい実施形態では、アミン官能性モノマー残基は、アミン官能性モノマー残基を含むブロック中にヒドロキシ官能性モノマー残基以外であるモノマー残基を100重量パーセント含む。
【0044】
本発明のブロックコポリマーをコーティング組成物においてポリマー性流動制御剤として用いる場合、本発明のブロックコポリマーは代表的に、本発明の熱硬化性コーティング組成物中に、本発明の組成物の合計樹脂固体重量に基づいて、少なくとも0.01重量パーセント、好ましくは少なくとも0.1重量パーセント、そしてより好ましくは少なくとも0.2重量パーセントの量で存在する。ポリマー性流動制御剤はまた、本発明の組成物中に代表的に、本発明の組成物の合計樹脂固体重量に基づいて、5重量パーセント未満、好ましくは4重量パーセント未満、そしてより好ましくは3重量パーセント未満の量で存在する。本発明の熱硬化性コーティング組成物中に存在するポリマー性流動制御剤の量は、記載した値を含めて、これらの値の任意の組み合わせの範囲に及び得る。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、ブロックコポリマーを調製するために用いられ得る制御されたラジカル重合方法は、原子移動ラジカル重合(ATRP)である。ATRP方法は、「リビング重合」、すなわち、本質的に鎖の転移を伴わず、そして本質的に鎖の終結を伴わずに増殖する鎖増殖重合と記載される。ATRPによって調製されるポリマーの分子量は、反応物の化学量論、すなわち、モノマーおよび開始剤の初期濃度によって制御され得る。さらに、ATRPはまた、例えば、狭い分子量分布(例えば、2.5未満の多分散指数の値(PDI))、および充分に定義されたポリマー鎖構造(例えば、ブロックコポリマーおよび交互コポリマー)を含む特徴を有するポリマーを提供する。
【0046】
ATRPプロセスは一般的に、以下を含むと記載され得る:開始システムの存在下での1以上のラジカル重合可能なモノマーを重合する工程;ポリマーを形成する工程;および形成されたポリマーを単離する工程。開始システムは、以下を含む:ラジカル移動可能な原子または基を有する開始剤;遷移金属化合物、すなわち、触媒(これは、開始剤を伴う可逆性酸化還元サイクルに関与する);およびリガンド(遷移金属化合物と配位する)。ATRPプロセスはさらに、米国特許第5,807,937号、同第5,789,487号および同第5,763,548号において詳細に記載される。
【0047】
ATRPによる本発明のブロックコポリマーの調製において、開始剤は、各々が少なくとも1つのラジカル移動可能な基を有し、これが代表的にハロ基である、以下からなる群より選択され得る:直鎖または分枝状の脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、多環式芳香族化合物、複素環式化合物、スルホニル化合物、スルフェニル化合物、カルボン酸のエステル、ポリマー性化合物およびそれらの混合物。開始剤はまた、官能基(例えば、オキシラニル(oxyranyl)基(例えば、グリシジル基)で置換され得る。さらに有用な開始剤およびこれらと会合し得る種々のラジカル移動可能な基(例えば、シアノ基、シアナト基、チオシアナト基およびアジド基)は、米国特許第5,807,937号の第17欄の第4行〜第18欄の第28行に記載される。
【0048】
ラジカル移動可能な基を有するポリマー性化合物(オリゴマー化合物を含む)は、ATRP開始剤として用いられ得、そして本明細書中で「マクロ開始剤(macroinitiator)といわれる。マクロ開始剤の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:カチオン性重合によって調製され、そして末端ハライド(例えば、クロリド)を有するポリスチレン、ならびに従来の非リビングラジカル重合によって調製された2−(2−ブロモプロピオンオキシ)エチルアクリレートおよび1以上のアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ブチルアクリレート)のポリマー。マクロ開始剤は、ATRPプロセスにおいて用いられて、グラフトポリマー(例えば、グラフト化ブロックコポリマーおよび櫛状コポリマー)が調製され得る。さらに、マクロ開始剤の考察は、米国特許第5,789,487号の第13欄、第27行〜第18欄の第58行に見出される。
【0049】
好ましくは、ATRP開始剤は、以下からなる群より選択され得る:ハロメタン、メチレンジハライド、ハロホルム、四ハロゲン化炭素、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、メタンスルホニルハライド、p−トルエンスルホニルハライド、メタンスルフェニルハライド、p−トルエンスルフェニルハライド、1−フェニルエチルハライド、2−ハロ−C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、p−ハロメチルスチレン、モノヘキサキス(α−ハロ−C〜C−アルキル)ベンゼン、ジエチル−2−ハロ−2−メチルマロネートおよびそれらの混合物。特に好ましいATRP開始剤は、ジエチル−2−ブロモ−2−メチルマロネートおよびp−トルエンスルホニルクロリドである。
【0050】
本発明のブロックコポリマーのATRP調製において用いられ得る触媒としては、開始剤および伸張するポリマー鎖との酸化還元サイクルに関与し得る任意の遷移金属化合物が挙げられる。遷移金属化合物がポリマー鎖と直接的な炭素−金属結合を形成しないことが好ましい。本発明において有用な遷移金属触媒は、以下の一般式IIによって表され得:
【0051】
【化9】
Figure 0003588078
ここで、TMは遷移金属であり、nは0〜7の値を有する遷移金属上の形式電荷であり、そしてXは対イオンまたは共有結合によって結合した成分である。遷移金属(TM)の例としては、Cu、Fe、Au、Ag、Hg、Pd、Pt、Co、Mn、Ru、Mo、NbおよびZnが挙げられるがこれらに限定されない。Xの例としては、ハロゲン、ヒドロキシ、酸素、C〜C−アルコキシ、シアノ、シアナト、チオシアナトおよびアジドが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい遷移金属はCu(I)であり、そしてXは好ましくはハロゲン(例えば、クロリド)である。従って、好ましいクラスの遷移金属触媒は、銅ハライド(例えば、Cu(I)Cl)である。遷移金属触媒が少量(例えば、1モルパーセント)の酸化還元共役体(例えば、Cu(I)Clが使用される場合、Cu(II)Cl)を含むこともまた好ましい。本発明のブロックコポリマーを調製する際に有用なさらなる触媒は、米国特許第5,807,937号の第18欄、第29行〜56行に記載される。酸化還元共役体は、米国特許第5,807,937号の第11欄、第1行〜第13欄、第38行にさらに詳細に記載される。
【0052】
本発明のブロックコポリマーのATRP調製において用いられ得るリガンドとしては、1以上の窒素、酸素、リンおよび/または硫黄原子を有する化合物(これらは、例えば、σ結合および/またはπ結合を介して遷移金属触媒化合物に配位し得る)が挙げられるがこれらに限定されない。有用なリガンドのクラスとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:非置換および置換のピリジンおよびビピリジン;ポルフィリン;クリプタンド;クラウンエーテル;例えば、18−クラウン−6;ポリアミン(例えば、エチレンジアミン);グリコール(例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール));一酸化炭素;および配位モノマー(例えば、スチレン、アクリロニトリルおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)。好ましいクラスのリガンドは、置換ビピリジン(例えば、4,4’−ジアルキルビピリジル)である。本発明のブロックコポリマーを調製する際に用いられ得るさらなるリガンドは、米国特許第5,807,937号の第18欄、第57行〜第21欄、第43行に記載される。
【0053】
本発明のブロックコポリマーのATRP調製では、開始剤、遷移金属化合物およびリガンドの量および相対比率は、ATRPが最も有効に行われるためのものである。用いられる開始剤の量は、広範に変動し得、そして代表的に反応媒体中に10−4モル/リットル(M)〜3M(例えば、10−3M〜10−1M)の濃度で存在する。ブロックコポリマーの分子量は開始剤およびモノマーの相対濃度に直接関連し得るので、開始剤のモノマーに対するモル比は、ポリマー調製において重要な要因である。開始剤のモノマーに対するモル比は代表的に、10−4:1〜0.5:1(例えば、10−3:1〜5×10−2:1)の範囲内である。
【0054】
ATRP方法によって本発明のブロックコポリマーを調製する際に、遷移金属化合物の開始剤に対するモル比は代表的に、10−4:1〜10:1(例えば、0.1:1〜5:1)の範囲内である。リガンドの遷移金属化合物に対するモル比は代表的に、0.1:1〜100:1(例えば、0.2:1〜10:1)の範囲内である。
【0055】
本発明のブロックコポリマーは、溶媒の非存在下で(すなわち、バルク重合プロセスによって)調製され得る。一般的に、ブロックコポリマーは、溶媒(代表的に、水および/または有機溶媒)の存在下で調製される。有用な有機溶媒のクラスとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:カルボン酸のエステル、エーテル、環式エーテル、C〜C10アルカン、C〜Cシクロアルカン、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホンおよびそれらの混合物。超臨界的溶媒(例えば、CO、C−Cアルカンおよびフッ化炭素)もまた用いられ得る。好ましいクラスの溶媒は芳香族炭化水素溶媒であり、特に好ましいその例は、キシレンおよび混合芳香族溶媒(例えば、Exxon Chemical Americaから商標SOLVESSOの下で市販される混合芳香族溶媒)である。さらなる溶媒は、米国特許第5,807,937号の第21欄、第44行〜第22行、第54行にさらに詳細に記載される。
【0056】
本発明のブロックコポリマーのATRP調製は代表的に、25℃〜140℃(例えば、50℃〜100℃)の範囲内の反応温度で、そして1気圧〜100気圧の範囲内で(通常は周囲の圧力で)行われる。原子移動ラジカル重合は代表的に、24時間未満で、例えば、1時間と8時間との間に完了する。
【0057】
ブロックコポリマーが溶媒の存在下でATRPによって調製される場合、溶媒は代表的に、ポリマーが形成された後に、当業者に公知である適切な手段(例えば、減圧蒸留)によって除去される。あるいは、ブロックコポリマーは、公知の方法に従って溶媒から沈澱させ、濾過し、洗浄し、そして乾燥され得る。溶媒の除去または溶媒からの分離後、ブロックコポリマーは代表的に、合計ポリマー重量に基づいて少なくとも95重量パーセント、そして好ましくは少なくとも重量98パーセントの固形分(1グラムのサンプルを110℃のオーブンに60分間置くことによって測定した場合)を有する。
【0058】
ATRP遷移金属触媒およびその関連したリガンドは代表的に、例えば、流動制御剤としての使用の前にブロックコポリマーから分離または除去される。ATRP触媒の除去は、例えば、ポリマー、溶媒および触媒の混合物への触媒結合剤の添加、続いて濾過を含む公知の方法を用いて達成される。適切な触媒結合剤の例としては、例えば、アルミナ、シリカ、粘土またはそれらの組み合わせが挙げられる。ポリマー、溶媒およびATRP触媒の混合物は、触媒結合剤のベッドを通され得る。あるいは、ATRP触媒は、インサイチュで酸化され得、触媒の酸化残基は、ブロックコポリマー中に保持される。
【0059】
ブロックコポリマーは、直鎖状ポリマー、分岐ポリマー、ハイパーブランチ(hyperbranched)ポリマー、スターポリマー、グラフトポリマーおよびそれらの混合物からなる群より選択され得る。ブロックコポリマーの外観、すなわち、全体の構築は、その調製において用いられる開始剤およびモノマーの選択によって制御され得る。直鎖状ブロックコポリマーは、ATRPによる調製の場合、1個または2個のラジカル移動可能な基(例えば、ジエチル−2−ハロ−2−メチルマロネートおよびα,α’−ジクロロキシレン)を有する開始剤を用いることによって調製され得る。分岐ブロックコポリマーは、ATRPによる調製の場合、分岐モノマー(すなわち、ラジカル移動可能な基または1より多くのエチレン性不飽和のラジカル重合可能な基を含むモノマー)(例えば、2−(2−ブロモプロピオンオキシ)エチルアクリレート、p−クロロメチルスチレンおよびジエチレングリコールビス(メタクリレート))を用いることによって調製され得る。ハイパーブランチブロックコポリマーは、用いられる分岐モノマーの量を増加させることによって調製され得る。
【0060】
スターブロックコポリマーは、ATRPによる調製の場合、3個以上のラジカル移動可能な基を有する開始剤(例えば、ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼン)を用いて調製され得る。グラフトポリマーの形態のブロックコポリマーは、本明細書中に上記で記載されるマクロ開始剤を用いて調製され得る。グラフトポリマー、分岐ポリマー、ハイパーブランチポリマーおよびスターポリマーは、米国特許第5,807,937号の第31欄、第40行〜第38欄、第55行にさらに詳細に記載される。
【0061】
グラジエント(gradient)コポリマーは、ATRP方法によって2種以上のモノマーから調製され得、そして一般的に、ポリマー骨格に沿って徐々にそして系統的かつ予測可能な様式で変化する構造を有すると記載される。グラジエントコポリマーは、(a)重合が生じている間の反応媒体に対して供給されるモノマーの比を変動させること、(b)異なる重合比を有するモノマーを含むモノマー供給を用いること、または(c)(a)と(b)との組み合わせによって、ATRP法によって調製され得る。グラジエントコポリマーは、米国特許第5,807,937号の第29欄、第29行〜第31欄、第35行にさらに詳細に記載される。
【0062】
本発明のブロックコポリマーは、以下の代表的なポリマー鎖構造IIIおよびIVのうちの少なくとも1つを含むとさらに記載され得:
【0063】
【化10】
Figure 0003588078
ここで、Mは、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1つの第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーおよび必要に応じて、少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性エチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基であり;Gは、ヒドロキシ官能性を含まない少なくとも1つの第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーおよび必要に応じて、少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性エチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基であり;上記第2のモノマーは、上記第1のモノマーの算出されたTgよりも少なくとも30℃高い算出されたTgを有し;sおよびpは、残基のブロックにおいて出現する残基の平均数を表し;sおよびpは各々独立して、各構造について2〜100である。ポリマー鎖構造IIIおよびIVを用いて、MおよびGの各々が必要に応じて、そして独立して、それぞれ第1のモノマーおよび第2のモノマーに加えて、本明細書中で上記に記載したように、少量のヒドロキシ官能性エチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(例えば、ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート)の残基であり得、この場合、sおよびpは各々独立して、各構造について3〜100である。
【0064】
ポリマー鎖構造IIIおよびIVを参照して、第1および第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーは、本明細書中で上記に記載した第1のモノマーおよび第2のモノマーと同じである。本発明の1つの実施形態では、第1のモノマーまたは第2のモノマーのいずれか一つは、本明細書中で上記に記載した通りのアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)および必要に応じて、少量のヒドロキシ官能性モノマー(例えば、ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート)から選択される。
【0065】
一般的ポリマー鎖構造IIIおよびIVをさらに参照すると、Mは、ヒドロキシ官能性がない1以上の型の第1モノマー残基を表し、そして必要に応じて、ヒドロキシ官能性モノマーの少量の残基を表す一方で、pは、M残基のブロック(M−ブロック)あたりに生じるM残基の平均総数を表す。一般構造IIIおよびIVの−(M)−部分は、(1)第1モノマー残基のモノブロックまたは必要に応じて第1モノマー残基およびヒドロキシ官能性モノマー残基のジブロック、(2)第1モノマー残基の2つの型の交互性ブロック(必要に応じて、ヒドロキシ官能性モノマー残基のブロックを含む)、(3)第1モノマー残基およびヒドロキシ官能性モノマー残基の2つ以上の型のポリブロック、あるいは(4)第1モノマー残基の2つ以上の型のグラジエントブロック(必要に応じてヒドロキシ官能性モノマー残基のブロックを含む)を表す。
【0066】
例示の目的のために、M−ブロックが、例えば、7モルの2−エチルヘキシルメタクリレート(2−EHA)および3モルのヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)から調製される場合、一般構造IIIおよびIVの−(M)−部分は、当業者に知られているように、調製の条件に依存して、以下を表し得る:(a)合計で10残基(すなわち、s=10)である、7残基の2−EHAおよび3残基のHPMAのジブロック;(b)合計で10残基である、7残基の2−EHAおよび3残基のHPMAのランダムブロック;または(c)合計10残基である、3残基の2−EHAおよび3残基のHPMAの交互性ブロックならびに4残基の2−EHAのホモブロック。従って、一般構造IIIおよびIVの−(G)−部分ならびに以下の一般構造の−(E)−部分は、上記で提供される−(M)−部分の様式と類似の様式で各々記載され得る。
【0067】
例示のさらなる目的のために、M−ブロックが、例えば、10モルの2−エチルヘキシルメタクリレートから調製される場合、一般構造IIIおよびIVの−(M)−部分は、2−エチルヘキシルメタクリレートの10残基のホモブロックを表す。Mブロックが、例えば、5モルの2−エチルヘキシルメタクリレートおよび5モルのラウリルメタクリレートから調製される場合、一般構造IIIおよびIVの−(M)−部分は、当業者に知られているように、調製の条件に依存して、以下を表す:(a)合計10残基(すなわち、s=10)である、5残基の2−エチルヘキシルメタクリレートおよび5残基のラウリルメタクリレートのジブロック;(b)合計10残基である、5残基の2−エチルヘキシルメタクリレートおよび5残基のラウリルメタクリレートのランダムブロック;(c)2−エチルヘキシルメタクリレート残基またはラウリルメタクリレート残基のいずれかで始まり、かつ合計10残基である、2−エチルヘキシルメタクリレート残基およびラウリルメタクリレート残基の交互性ブロック;または(d)2−エチルへキシルメタクリレート残基またはラウリルメタクリレート残基のいずれかで始まり、かつ合計10残基である、2−エチルヘキシルメタクリレート残基およびラウリルメタクリレート残基のグラジエントブロック。従って、一般構造IIIおよびIVの−(G)−部分および以下の一般構造の−(E)−部分は、上記で提供される−(M)−部分の様式と類似の様式で各々記載され得る。
【0068】
第1モノマーおよび第2モノマーの各々は、1を超えるモノマー種から選択され得、そしてこれらの異なるモノマー種の残基は、これらのブロックにおけるヒドロキシ官能性モノマーの任意の残基の構造体とは別の種々の構造体を形成し得る。例えば、M−ブロックが、1を超える種の第1モノマー残基(例えば、第1モノマーMの5残基および第1モノマーMの5残基)の勾配、ならびにヒドロキシ官能性モノマー残基のブロック(例えば、3つのヒドロキシ官能性モノマー残基MOHのブロック)を含む場合、一般構造IIIおよびIVの−(M)−部分は、以下の一般構造V:
【0069】
【化11】
Figure 0003588078
によってより特異的に表され得る。
【0070】
さらなる例示の目的のために、M−ブロックが、例えば、5モルのモノマーMおよび5モルのモノマーMから調製され、そして一般構造IIIおよびIVの−(M)−部分が、モノマーMおよびMの残基のグラジエントブロックの形態である場合、このグラジエントブロックは、以下の一般構造V:
【0071】
【化12】
Figure 0003588078
によってより特異的に表され得る。
【0072】
本発明のブロックコポリマーは、以下の代表的ポリマー鎖構造VI〜XI:
【0073】
【化13】
Figure 0003588078
の少なくとも1つを含むとさらに記載され得、ここで、Eは、少なくとも1つのアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(本明細書中の上記で記載されるような)の残基であり;そして必要に応じて、少量の少なくとも1つのヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基であり;MおよびGは、本明細書中の上記で記載された通りであり、そしてこれらは、アミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含まず;qは、残基のブロックにおいて生じる残基の平均数を表し;そしてqは、各々の構造について、独立して、2〜100である。
【0074】
本発明のブロックコポリマーが、ラジカル移動可能な基を有する開始剤の存在下で原子移動ラジカル重合によって調製され、このブロックコポリマーは、さらに、以下の代表的ポリマー鎖構造XII〜XVII:
【0075】
【化14】
Figure 0003588078
の少なくとも1つを有するとさらに記載され得、ここで、M、GおよびEは、本明細書中の上記に記載された通りであり;φは、上記のラジカル移動可能な基の開始剤がない残基であるかまたはこの残基に由来し;Tは、この開始剤のラジカル移動可能な基であるかまたはこの基に由来し;zは、開始剤のラジカル移動可能な基の数と少なくとも等しくかつ各々の構造について独立して、少なくとも1(例えば、1〜100または1〜5)である。本発明の好ましい実施形態において、ポリマー鎖構造XII〜XVIIのzは、1である。
【0076】
ポリマー鎖構造XII〜XVIIを参照すると、M、GおよびEの各々はまた、必要に応じてかつ独立して、少なくとも1つのヒドロキシ官能性の、エチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの少量の残基(例えば、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)であり、この場合において、s、pおよびqは、各々独立して、3〜100である。ヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーは、本明細書中の上記で記載される通りである。
【0077】
ポリマー構造XII〜XVIIの記号Tは、開始剤のラジカル移動可能な基であるかまたはこの基に由来する。例えば、ポリマーブロックコポリマーが、ジエチル−2−ブロモ−2−メチルマロネートの存在下で調製される場合、Tは、ラジカル移動可能な臭素基であり得る。
【0078】
ラジカル移動可能な基は、必要に応じて(a)取り除かれ得るかまたは(b)化学的に別の部分に変換され得る。(a)または(b)のいずれかにおいて、記号Tは、本明細書中で、開始剤のラジカル移動可能な基に由来すると考慮される。ラジカル移動可能な基は、求核化合物(例えば、アルカリ金属アルコキシレート)での置換によって取り除かれ得る。しかし、本発明において、ラジカル移動可能な基が、取り除かれるかまたは化学的に変換される方法はまた、比較的穏やかであることが、望ましい。
【0079】
本発明の実施形態において、ラジカル性の移動可能な基が、ハロゲンである場合、このハロゲンは、穏やかな脱ハロゲン化反応の手段によって取り除かれ得る。この反応は、代表的に、ブロックコポリマーが形成された後の後反応としてかつ少なくともATRP触媒の存在下で実行される。好ましくは、脱ハロゲン化後反応は、ATRP触媒およびその関連リガンドの両方の存在下で実行される。
【0080】
穏やかな脱ハロゲン化反応は、本発明のハロゲン末端化ブロックコポリマーを1以上のエチレン性不飽和の化合物と接触させることによって実行され、ある範囲の条件の少なくとも一部のもとで容易にラジカル重合可能でなく、この条件下で、原子移動ラジカル重合が実行され、本明細書中の後で、「限定されたラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物」(LRPEU化合物)といわれる。本明細書中で使用される場合、「ハロゲン末端化」および同様の用語によって、例えば、分枝状ポリマー、櫛型ポリマーおよびスターポリマーで存在するように、懸垂型ハロゲンもまた含まれることが意味される。
【0081】
任意の理論によって限定されることを意図しないが、手元の証拠に基づいて、ハロゲン末端化ブロックコポリマーと1以上のLRPEU化合物との間の反応は、(1)末端ハロゲン基の除去、および(2)少なくとも1つの炭素−炭素二重結合の追加を生じ、ここで、この末端炭素−ハロゲン結合は、壊されると考えられる。脱ハロゲン化反応は、代表的に、0℃〜200℃の範囲の温度(例えば、0℃〜160℃)、0.1〜100気圧の範囲の圧力(例えば、0.1〜50気圧)で実施される。この反応はまた、代表的に、24時間未満(例えば、1時間と8時間との間)で実行される。LRPEU化合物は、化学量論量未満で添加され得る一方で、ブロックコポリマー中に存在する末端ハロゲンのモルに対して少なくとも化学量論量で好ましくは添加される。過剰な化学量論量で添加される場合、LRPEUは、代表的に、5モル%(例えば、1〜3モル%)以下の量で存在し、末端ハロゲンの総モルを超過して存在する。
【0082】
穏やかな条件下で、本発明のブロックコポリマーを脱ハロゲン化するために有用な、限定されたラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、以下の一般式XVIIIによって表される化合物が挙げられる。
【0083】
【化15】
Figure 0003588078
一般式XVIIIにおいて、RおよびRは、以下のような同一または異なる有機基であり得る:1〜4炭素原子を有するアルキル基;アリール基;アルコキシ基;エステル基;アルキル硫黄基;アシルオキシ基;および窒素含有アルキル基。ここで、R基およびR基の少なくも一方は、有機基であるが、一方で他方は、有機基または水素であり得る。例えば、RまたはRの一方が、アルキル基である場合、他方は、アルキル、アリール、アシルオキシ、アルコキシ、アレン、硫黄含有アルキル基または窒素含有アルキルおよび/または窒素含有アリール基であり得る。R基は、水素またはブロックコポリマーの末端ハロゲンとLRPEU化合物との間の反応が、妨げられないように選択された低級アルキルから選択された同一または異なる基であり得る。また、R基は、R基および/またはR基に結合されて環式化合物を形成し得る。
【0084】
LRPEU化合物は、ハロゲン基がないことが、好ましい。適切なLRPEU化合物の例としては、これらに限定されないが、1,1−ジメチルエチレン、1,1−ジフェニルエチレン、酢酸イソプロペニル、α−メチルスチレン、1,1−ジアルコキシオレフィンおよびそれらの混合物が挙げられる。さらなる例としては、イタコン酸ジメチルおよびジイソブテン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン)が挙げられる。
【0085】
例示の目的のために、ハロゲン末端ブロックコポリマーとLRPEU化合物(例えば、α−メチルスチレン)との間の反応は、以下の一般スキーム1にまとめられる。
【0086】
【化16】
Figure 0003588078
一般スキーム1において、P−Xは、ハロゲン末端化ブロックコポリマーを表す。
【0087】
本発明のブロックコポリマーが、熱硬化性コーティング組成物でポリマー流動制御剤として使用される場合、このコーティング組成物は、流体コーティング組成物(例えば、水性でかつ溶媒ベースのコーティング組成物および電着可能コーティング組成物)、または相互反応性固体粒状組成物(例えば、粉末コーティング組成物)の形態であり得る。本発明のコーティング組成物は、着色され得るかまたは透明であり得、そして単独でかまたはプライマー、ベースコートまたはトップコートの組み合わせで使用され得る。
【0088】
本発明の好ましい実施形態において、コーティング組成物は、相互反応性固体であり、(a)、(b)および(c)の粒状の混合物である。硬化可能な粉末コーティング組成物は、代表的に、官能基を有する第1反応体(例えば、エポキシド官能性ポリマー反応体)および官能基(第1反応体の官能基と相互反応性でありかつ共有結合を形成し得る)を有する架橋剤である第2反応体を含む。硬化可能な粉末コーティング組成物の第1および第2の反応体は、各々独立して、1以上の官能性種を含み得、そして物理的特性(例えば、滑らかさ、透明さ、溶媒耐性および硬度)の所望の組み合わせを有する硬化されたコーティングを提供するために十分な量で各々存在する。
【0089】
本発明の組成物が選択され得る、硬化可能な粉末コーティング組成物の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:第1反応体としてのエポキシド官能性ポリマーおよび第2反応体としてのエポキシド反応性架橋剤(例えば、カルボン酸官能性架橋剤)を含む粉末コーティング組成物(例えば、米国特許第5,407,707号、同第5,663,240号および同第5,710,214号に記載されるような);第1反応体としてのカルボン酸官能性ポリマーおよび第2反応体としてのβ−ヒドロキシアルキルアミド官能性架橋剤を含む粉末コーティング組成物(例えば、米国特許第4,801,680号、同第4,889,890号、同第4,937,288号、同第5,098,955号、同第5,202,382号および同第5,214,101号に記載されるような);ならびに第1反応体としてヒドロキシ官能性ポリマーおよび第2反応体としてキャップされたイソシアネート官能性架橋剤を含む粉末コーティング組成物(例えば、米国特許第4,997,900号、同第5,439,896号、同第5,508,337号、同第5,510,444号、同第5,554,692号、同第5,621,064号および同第5,777,061号に記載されるような)。
【0090】
硬化可能な粉末コーティング組成物中の結合剤樹脂の大部分を含むポリマーは、室温にて固体であり、代表的に、30℃〜80℃(例えば、35℃〜50℃)という、走査熱量分析法(DSC)に由来するガラス転移中間値を有する。これらのポリマーはまた、代表的に500〜15,000の数平均分子量(Mn)を有する。
【0091】
本発明の硬化可能な粉末コーティング組成物の第1反応体が選択され得るエポキシド官能性ポリマーのクラスとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:エポキシド官能性ビニルポリマー(例えば、エポキシド官能性(メタ)アクリル酸ポリマー)、エポキシド官能性ポリエーテル、エポキシド官能性ポリエステルおよびそれらの組み合わせ。エポキシド官能性ビニルポリマーは、当業者に公知のフリーラジカル重合方法によって調製され得る。このような公知のフリーラジカル重合方法は、代表的に適切な開始剤を利用し、この開始剤としては、有機ペルオキシドおよびアゾ型化合物および鎖移動剤(例えば、α−メチルスチレンダイマーおよびt−ドデシルメルカプタン)が挙げられる。
【0092】
エポキシド官能性ビニルポリマーは、代表的に、1以上のエポキシド官能性の、エチレン性で不飽和のモノマー(例えば、グリシジルメタクリレート)を、エポキシド官能性がない1以上のエチレン性で不飽和のモノマー(例えば、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよびスチレン)と重合させることによって調製される。エポキシド官能性ビニルポリマーの調製において使用され得るエポキシド官能性の、エチレン性で不飽和のモノマーの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレートおよびアリルグリシジルエーテル。エポキシド官能性がないエチレン性で不飽和のモノマーの例としては、米国特許第5,407,707号、第2欄、17〜56行目に記載されるモノマーが挙げられる。
【0093】
本発明の好ましい実施形態において、エポキシド官能性ビニルポリマーは、(メタ)アクリレートモノマーの大部分から調製され、そして本明細書中で「エポキシド官能性(メタ)アクリル酸ポリマー」としていわれる。エポキシド官能性ビニルポリマーは、代表的に、500〜5000(例えば、800〜2500)の数平均分子量を有する。
【0094】
エポキシド官能性ポリエーテルは、ヒドロキシ官能性モノマー(例えば、ジオール)およびエポキシド官能性モノマーならびに/またはヒドロキシおよびエポキシド官能性の両方を有するモノマーから調製され得る。適切なエポキシド官能性ポリエーテルとしては、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)に基づくエーテルが挙げられるが、これらに限定されず、これの特定の例は、Shell Chemicalsから市販されるEPON(登録商標)RESIN 2002である。
【0095】
エポキシド官能性ポリエステルは、当該分野で認識された方法によって調製され得、この方法は、代表的に、ヒドロキシ官能性ポリエステルを第1に調製し、次いで、これをエピクロロヒドリンと反応させる工程を包含する。ヒドロキシ官能性を有するポリエステルは、当該分野で認識された方法によって調製され得、この方法は、少なくとも2つの酸(またはエステル)官能性を有するカルボン酸(および/またはそのエステル)と少なくとも2つのヒドロキシ官能性おを有するポリオールとを反応させる工程を包含する。当業者に公知のように、反応体のヒドロキシ基に対するカルボン酸基のモル当量比は、生じたポリエステルがヒドロキシ官能性および所望される分子量を有するように選択される。
【0096】
ヒドロキシ官能性ポリエステルを調製する際に有用な多官能性カルボン酸の例は、当業者に知られ、そして例えば、以下が挙げられる:フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸。ヒドロキシ官能性ポリエステルを調製する際に有用なポリオールの例は、当業者に知られ、そして例えば、以下が挙げられる:グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコールおよび1,4−ジメチロールシクロヘキサン。
【0097】
エポキシド官能性ポリマーを含む熱硬化性粉末コーティング組成物において使用されるエポキシド反応性架橋剤は、ヒドロキシ、チオール、1級アミン、2級アミン、カルボキシルおよびそれらの混合物からなる群より選択される官能基を有し得る。アミン官能性を有する有用なエポキシド反応性架橋剤としては、例えば、ジシアンジアミドおよび置換ジシアンジアミドが挙げられる。好ましくは、エポキシド反応性架橋剤は、カルボン酸基を有する。本発明の1つの実施形態において、エポキシド反応性架橋剤は、カルボン酸官能性を有し、そして実質的に結晶である。「結晶」によって、相互反応体が、少なくとも幾つかの結晶性ドメインを含み、そして幾つかのアモルファスドメインを相応して含み得ることが、意味される。必ずというわけではないが、エポキシド反応性架橋剤は、エポキシ官能性ポリマーの融解粘度より低い融解粘度を(同じ温度にて)有することが、好ましい。本明細書中で使用される場合、「エポキシド反応性架橋剤」によって、エポキシド反応性架橋剤は、エポキシド官能性と反応性である少なくとも2つの官能基を有することが、意味される。
【0098】
好ましくは、エポキシド反応性架橋剤は、カルボン酸官能性架橋剤(代表的に、4〜20炭素原子を含む)である。本発明において有用なカルボン酸官能性架橋剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ドデカン二酸、アゼライン酸、アジピン酸、1,6−ヘキサン二酸、コハク酸、ピメリン酸、セバシン酸、マレイン酸、クエン酸、イタコン酸、アコニット酸およびそれらの混合物。
【0099】
他の適切なカルボン酸官能性架橋剤としては、以下の一般式XIXによって表される架橋剤が挙げられる。
【0100】
【化17】
Figure 0003588078
一般式XIXにおいて、Rは、ポリオールの残基であり、Aは、1〜10炭素原子を有する二価結合基であり、そしてbは、2〜10の整数である。一般式XIXのRが誘導され得るポリオールの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:エチレングリコール、ジ(エチレングリコール)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジ−トリメチロールプロパン、ジ−ペンタエリトリトールおよびそれらの混合物。Aが選択され得る二価結合基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、シクロヘキシレン(例えば、1,2−シクロヘキシレン)、置換シクロヘキシレン(例えば、4−メチル−1,2−シクロヘキシレン)、フェニレン(例えば、1,2−フェニレン)ならびに置換フェニレン(例えば、4−メチル−1,2−フェニレンおよび4−カルボン酸−1,2−フェニレン)。二価結合基Aは、好ましくは、脂肪のものである。
【0101】
一般式XIXによって表される架橋剤は、代表的にポリオールおよび二塩基性酸または環式無水物から調製される。例えば、トリメチロールプロパンおよびヘキサヒドロ−4−メチル無水フタル酸は、それぞれ1:3のモル比で一緒に反応して、カルボン酸官能性架橋剤を形成する。この特定の架橋剤は、以下のように一般式XIXを参照して記載され得、Rは、トリメチロールプロパンの残基であり、Aは、二価の結合基の4−メチル−1,2−シクロヘキシレンであり、そしてbは3である。一般式XIXを参照して、本明細書中で記載されるカルボン酸官能性架橋剤は、それらの調製から生じそしてその中に含まれる任意の未反応性出発物質および/または副生成物(例えば、オリゴマー種)もまた含むことが、意味される。
【0102】
エポキシド官能性ポリマーおよびエポキシド反応性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物はまた、通常、架橋剤の反応性官能基とこのポリマーのエポキシド基との間の反応を触媒するための1つ以上の硬化触媒を含む。酸官能性架橋剤と共に使用するための硬化触媒の例としては、三級アミン(例えば、メチルジココアミン(dicocoamine))、およびスズ化合物(例えば、水酸化トリフェニルスズ)が挙げられる。硬化触媒は、代表的には硬化性粉末コーティング組成物中に、この組成物の樹脂固形物の全重量に基づいて5重量%より少ない量(例えば、0.25重量%〜2.0重量%)で存在する。
【0103】
エポキシド官能性ポリマーおよびエポキシド反応性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物は代表的には、エポキシド官能性ポリマーを、この組成物の樹脂固形物の全重量に基づいて60〜95重量%の量(例えば、この組成物の樹脂固形物の全重量に基づいて70重量%〜85重量%)でこの組成物中に存在させる。エポキシド反応性架橋剤は、代表的には、硬化性粉末コーティング組成物中に、これらの記載される範囲(すなわち、5〜40重量%、および特に15〜30重量%)のバランスに対応する量で存在する。架橋剤中の反応性官能基の当量に対する、エポキシド官能基のエポキシド当量の当量比は、代表的には、0.5:1〜2:1(例えば、0.8:1〜1.5:1)である。エポキシド官能性ポリマーおよびカルボン酸官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物は、代表的には121℃〜177℃の温度で10〜60分の期間にわたって硬化される。
【0104】
第1の反応物(a)としてカルボン酸官能性ポリマーおよび第2の反応物(b)としてβ−ヒドロキシアルキルアミド官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物はまた、本発明において有用である。有用なカルボン酸官能性ポリマーのクラスとしては、カルボン酸官能性ビニルポリマー、カルボン酸官能性ポリエステル、カルボン酸官能性ポリウレタンおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
カルボン酸官能性ビニルポリマーは、フリーラジカル重合法により調製され得、この重合法は、当業者に公知であり、例えば、本明細書中に以前に記載されるようなフリーラジカル重合法である。カルボン酸官能性ビニルポリマーは、代表的には、1つ以上のカルボン酸官能性エチレン性不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸)を、カルボン酸官能基のない1つ以上のエチレン性不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ブチルおよびスチレン)と共に重合させることにより調製される。あるいは、カルボン酸官能性ビニルポリマーは、最初にヒドロキシ官能性ビニルポリマーを調製し、次いでこれを環状酸無水物(例えば、無水コハク酸)と反応させることにより調製され得る。本発明において有用なカルボン酸官能性ビニル(例えば、(メタ)アクリル)ポリマーは、米国特許第4,937,288号、第2欄、1行〜第4欄、17行に、さらに詳細に記載される。
【0106】
カルボン酸官能基を有するポリエステルは、当業者に認識される方法により調製され得る。この方法は、少なくとも2つの酸(またはエステル)官能基を有するカルボン酸(および/またはそのエステル)と、少なくとも2つのヒドロキシ官能基を有するポリオールとを反応させる工程を包含する。当業者に公知であるように、反応物のヒドロキシル基に対するカルボン酸基のモル当量比は、生じるポリエステルがカルボン酸官能基および所望の分子量を有するように選択される。本発明において有用なカルボン酸官能性ポリエステルは、例えば、米国特許第4,937,288号、第4欄、18行〜第6欄、12行に記載される。
【0107】
ポリオールおよびポリイソシアネートをポリウレタンポリオールを形成するように反応させ、次いでこれをポリカルボン酸または環状酸無水物と反応させて、遊離のカルボン酸基を反応生成物に導入することにより、カルボン酸官能性ポリウレタンが調製され得る。β−ヒドロキシアルキルアミド架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物において使用され得るカルボン酸官能性ポリウレタンは、米国特許第4,937,288号、第6欄、13〜39行にさらに詳細に記載される。
【0108】
1つ以上のβ−ヒドロキシアルキルアミド架橋剤は、第1の反応物として、カルボン酸官能性ポリマーを含む硬化性粉末コーティング組成物中に存在し得る。β−ヒドロキシアルキルアミド架橋剤は、以下の一般式XX:
【0109】
【化18】
Figure 0003588078
により表され得、ここでRは、HまたはC〜Cアルキルであり;Rは、H,C〜Cアルキルまたは
【0110】
【化19】
Figure 0003588078
であり、ここでRは、上記に記載されるとおりであり、Qは、化学結合または飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基(2〜20個の炭素原子を含む置換炭化水素基を含む)から誘導される一価または多価の有機基であり、mは、1または2であり、tは、0〜2であり、そしてm+tは、少なくとも2である。好ましくは、Qは、アルキレン基−(CH−(ここでxは、2〜12、好ましくは4〜10である)であり;mは、1〜2であり、tは、0〜2であり、そしてm+tは少なくとも2であり、好ましくは2より大きく、通常2より大きく4以下の範囲内である。一般式XXで表されるβ−ヒドロキシアルキルアミド架橋剤は、例えば、米国特許第4,937,288号第7欄6〜16行に記載されるような、当業者に認識される方法により調製され得る。
【0111】
カルボン酸官能性ポリマーおよびβ−ヒドロキシアルキルアミド架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物は、代表的には、カルボン酸官能性ポリマーを、この組成物の樹脂固形物の全重量に基づいて60重量%〜95重量%の量(例えば、この組成物の樹脂固形物の全重量に基づいて80重量%〜90重量%)で、この組成物中に存在させる。β−ヒドロキシアルキルアミド(hydroxyakylamide)架橋剤は、代表的には、硬化性粉末コーティング組成物中に、これらの記載される範囲(すなわち、5〜40重量%、およびとくに10〜20重量%)のバランスに対応する量で存在する。
【0112】
適切な硬化レベルを達成するために、カルボン酸官能性ポリマー中のカルボン酸当量に対する、β−ヒドロキシアルキルアミド架橋剤中のヒドロキシ当量の当量の当量比は、好ましくは、0.6:1〜1.6:1、より好ましくは0.8:1〜1.3:1である。0.6:1〜1.6:1の範囲外の比は、それに伴う結果として生じる不良な硬化応答に起因して、一般的に好ましくない。カルボン酸官能性ポリマーおよびβ−ヒドロキシアルキルアミド官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物は、代表的には、149℃〜204℃の温度で、10〜60分の期間にわたって硬化される。
【0113】
ヒドロキシ官能性ポリマーおよびキャップされたイソシアネート官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物はまた、本発明において有用である。このような組成物において使用され得るヒドロキシ官能性ポリマーとしては、ヒドロキシ官能性ビニルポリマー、ヒドロキシ官能性ポリエステル、ヒドロキシ官能性ポリウレタンおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
ヒドロキシ官能基を有するビニルポリマーは、フリーラジカル重合法により調製され得、これらの重合法は、例えば、米国特許第5,508,337号、第3欄、15〜第5欄、23行に記載されるように、当業者に公知である。本発明の実施形態において、ヒドロキシ官能性ビニルポリマーは、多数の(メタ)アクリレートモノマーから調製され、そして本明細書中で「ヒドロキシ官能性(メタ)アクリルポリマー」という。
【0115】
キャップされたイソシアネート官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物において有用なヒドロキシ官能性ポリエステルは、当業者に認識される方法により調製され得る。代表的には、ジオールおよびジカルボン酸またはジカルボン酸のジエステルは、ヒドロキシ基のモル当量がカルボン酸基(またはカルボン酸基のエステル)のモル当量より多い割合で、反応媒体から水またはアルコールを同時に除去して反応される。本発明において有用なヒドロキシ官能性ポリエステルは、米国特許第5,508,337号、第5欄、24行〜第6欄、30行にさらに詳細に記載される。
【0116】
ヒドロキシ官能性ウレタンは、例えば、本明細書中に以前に記載したような当業者に認識される方法により調製され得る。本発明において有用なヒドロキシ官能性ウレタンは、米国特許第5,510,444号、第5欄、33行〜第7欄、61行にさらに詳細に記載される。
【0117】
「キャップされたイソシアネート架橋剤」は、硬化条件下(例えば、高温で)脱キャップ(decap)(または脱ブロック)して遊離のイソシアネート基および遊離のキャッピング基を形成し得る、2つ以上のキャップされたイソシアネート基を有する架橋剤を意味する。架橋剤を脱キャップすることにより形成される遊離のイソシアネート基は、好ましくは反応して実質的に不変の共有結合をヒドロキシ官能性ポリマーのヒドロキシ基と形成し得る。
【0118】
キャップされたイソシアネート架橋剤のキャッピング基は、イソシアネートから脱キャップする際に(すなわち、遊離のキャッピング基になる場合)、硬化性粉末コーティング組成物に不利に影響しないことが望ましい。例えば、遊離のキャッピング基は、気体を通気する時に硬化フィルムにおいてトラップされず、かつ硬化フィルムを過剰に可塑化しないことが望ましい。本発明において有用なキャッピング基は、好ましくは、堅牢であるか、またはそのガラス化の前にコーティングを形成することから実質的に免れ得る特徴を有する。
【0119】
キャップされたイソシアネート架橋剤のキャッピング基のクラスは、以下から選択され得る:ヒドロキシ官能性化合物(例えば、エチレングリコールブチルエーテル、フェノールおよびp−ヒドロキシ安息香酸メチル);1H−アゾール類(例えば、1H−1,2,4−トリアゾールおよび1H−2,5−ジメチルピラゾール);ラクタム類(例えば、e−カプロラクタムおよび2−ピロリジノン);ケトオキシム類(例えば、2−プロパノンオキシムおよび2−ブタノンオキシムおよび米国特許第5,508,337号第7欄、11行〜22行(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるケトオキシム。他の適切なキャッピング基としては、モルホリン、3−アミノプロピルモルホリンおよびN−ヒドロキシフタルイミドが挙げられる。
【0120】
キャップされたイソシアネート架橋剤のイソシアネートまたはイソシアネートの混合物は、2つ以上のイソシアネート基を有し、そして好ましくは室温で固体である。キャップされたイソシアネート架橋剤を調製するために使用され得る適切なイソシアネートの例としては、モノマージイソシアネート類(例えば、α,α’−キシレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートおよび1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートすなわちIPDI)、およびイソシアノウート(isocyanurate)、ウレチジノ、ビルート(biruet)またはアロファナート連結を含むモノマージイソシアネートの二量体および三量体(例えば、IPDIの三量体))が挙げられる。本発明において有用なイソシアネートは、米国特許第5,777,061号の第3欄4行から第4欄40行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)にさらに詳細に記載される。特に好ましいイソシアネートは、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサンの三量体である。
【0121】
キャップされたイソシアネート架橋剤はまた、オリゴマーのキャップされたイソシアネート官能性付加物から選択され得る。本明細書中で使用される場合、「キャップされたオリゴマーポリイソシアネート官能性付加物」は、ポリマー鎖伸長が実質的に自由な物質を意味する。キャップされたオリゴマーポリイソシアネート官能性付加物は、当業者に認識される方法により、例えば、それぞれ1:3のモル比の3つ以上の活性水素基を含む化合物(例えば、トリメチロールプロパン(TMP))、およびイソシアネートモノマー(例えば、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI))から調製され得る。TMPおよびIPDIの場合、当業者に認識される不完全(starved)供給および/または希釈溶液合成技術を利用することにより、平均3つのイソシアネート官能基を有するオリゴマー付加物が調製され得る(「TMP−3IPDI」)。次いで、TMP−3IPDI付加物1つにつき3つの遊離イソシアネート基は、キャッピング基(例えば、2−プロパノンオキシムまたはe−カプロラクタム)でキャップされる。
【0122】
キャップされたポリイソシアネート架橋剤のイソシアネート基とヒドロキシ官能性ポリマーのヒドロキシ基との間の反応を触媒するために、1つ以上の触媒が、粉末コーティング組成物中に、例えば、この組成物の全樹脂固体に基づいて0.1〜5重量%の量で代表的には存在する。有用な触媒のクラスとしては、金属化合物、特に有機スズ化合物(例えば、オクタン酸スズ(II)およびジラウリル酸ジブチルスズ(IV))、および三級アミン(例えば、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)が挙げられる。有機スズ化合物および三級アミンの例は、米国特許第5,508,337号第7欄,28行〜49行(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0123】
ヒドロキシ官能性ポリマーおよびキャップされたイソシアネート官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物は、その組成物中に代表的には、この組成物の樹脂固体の全重量に基づいて55重量%〜95重量%の量(例えば、この組成物の樹脂固体の全重量に基づいて75重量%〜90重量%)で、ヒドロキシ官能性ポリマーを存在させる。キャップされたイソシアネート官能性架橋剤は、代表的には、粉末組成物中に、これらの記載された範囲(すなわち、5〜45重量%、および特に10〜25重量%)のバランスに対応する量で存在する。
【0124】
ヒドロキシ官能性ポリマー中のヒドロキシ当量に対する、キャップされたイソシアネート架橋剤中のイソシアネート当量の当量比は、代表的には、1:3〜3:1(例えば、1:2〜2:1)の範囲内である。この範囲外の当量比が使用され得るが、これらは、一般的にこの当量比から得られる硬化フィルムにおける性能不足に起因してあまり望ましくない。ヒドロキシ官能性ポリマーおよびキャップされたイソシアネート官能性架橋剤を含む粉末コーティング組成物は、代表的には120℃〜190℃の温度で、10〜60分の期間にわたって硬化される。
【0125】
硬化性粉末コーティング組成物は、硬化されたコーティングのスリップ特性を改善するためのろうのような添加物、ベンゾインのような脱気添加物、コーティング特性を改変かつ最適化するためのアジュバント樹脂、抗酸化剤および紫外(UV)光吸収剤を必要に応じて含み得る。有用な抗酸化物およびUV光吸収剤の例としては、Ciba−GeigyからIRGANOXおよびTINUVINの商品名で市販されるものが挙げられる。これらの任意の添加物は、使用される場合、代表的には、硬化性組成物の樹脂固体の全重量に基づいて、20重量%までの量で存在する。
【0126】
本発明において有用な硬化性粉末コーティング組成物は、代表的には、官能性ポリマー(例えば、エポキシド官能性ポリマー)、架橋剤、ポリマーフロー制御剤および添加剤(例えば、脱気剤および触媒)を、ブレンダー(例えば、Henshel刃ブレンダー)で、最初にドライブレンドすることにより調製される。このブレンダーは、ブレンダー中に充填された材料の均一なドライブレンドを生じるのに充分な時間の間操作される。次いで均一なドライブレンドは、エクストルーダー(例えば、対スクリュー同時回転エクストルーダー)で溶融ブレンドされ、成分を溶融するがゲル化しないのに充分な温度範囲内で操作される。例えば、エポキシド官能性(メタ)アクリルポリマーおよびカルボン酸官能性架橋剤を含む硬化性粉末コーティング組成物を調製する場合、エクストルーダーは、代表的には、80℃〜140℃の温度範囲(たとえば、100℃から125℃)内で操作される。
【0127】
必要に応じて、本発明の硬化性粉末コーティング組成物は、2つ以上の工程で溶融ブレンドされ得る。例えば、第1の溶融ブレンドは、硬化触媒の非存在下で調製される。第2の溶融ブレンドは、より低い温度で、第1の溶融ブレンドおよび硬化触媒のドライブレンドから調製される。溶融ブレンド硬化性粉末コーティング組成物は、代表的には、例えば15〜30ミクロンの平均粒子サイズまで粉砕される。
【0128】
本発明の実施形態において、熱硬化性粉末コーティング組成物は、水のような液体媒体中でスラリー化され、これがスプレーで塗布され得る。語「共反応性固体粒子混合物」は、明細書および特許請求の範囲において使用される場合、熱硬化性組成物は、ドライ粉末形態またはスラリーの形態であり得る。
【0129】
本発明は、以下の実施例により詳細に記載され、これらの実施例における多数の改変および変形が当業者に明らかであるため、これらの実施例は、例示のみを意図される。他に特定されない限り、全ての割合およびパーセントは、重量による。
【0130】
(合成実施例A〜E)
合成実施例A〜Eは、実施例1〜5の粉末コーティング組成物におけるポリマーフロー制御剤として使用されるブロックコポリマーの調製を記載する。実施例A〜Dで調製されるブッロクコポリマーは、本発明の熱硬化性コーティング組成物において有用なフロー改変剤の代表である。実施例Eのブロックコポリマーは、比較のコポリマーである。合成実施例A〜Eにおいて、以下のモノマー略語が使用される:ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA);ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA);イソ−ブチルメタクリレート(IBMA);2−エチルヘキシルメタクリレート(2−EHMA);およびジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)。合成実施例A〜Eのモノマーを、販売者から受け取ったまま使用した(すなわち、これらを使用の前にさらに精製はしなかった)。以下の合成実施例において、パーセントモノマー転化率は、反応容器から取り出した0.2gのサンプル(110℃/1時間)中に存在する遊離のモノマーの固体の重量パーセントを測定し、そしてこの値を100から引くことにより決定した。実施例A〜Dの各々に示されるブロックコポリマー構造は、ブロックコポリマーの一般式を表す。
【0131】
(実施例A)
本発明に従うトリブロックコポリマーを、以下の表Aに列挙される成分から制御されたラジカル重合によって調製した。本実施例のトリブロックコポリマーを以下のように要約する:
(IBMA/HPMA)−(2−EHMA/HPMA)−(DMAEMA/HPMA)
【0132】
【表1】
Figure 0003588078
(a)銅粉末は、25ミクロンの平均粒子サイズ、および1g/cmの密度を有し、これをOMG Americasから購入した。
(b)The Dallas Group of Americaから購入したMAGNESOL合成マグネシウムシリケート。
【0133】
充填1を、モーター駆動ステンレス鋼攪拌羽、水冷却器、および加熱マントルおよび温度フィードバック制御デバイスを通して接続される温度計を備えた2リットルの4つ口フラスコに添加した。このフラスコの内容物を90℃まで加熱し、そして1時間90℃に保ち、その後充填2を30分間かけてフラスコに連続的に添加する。このフラスコの内容物を90℃に維持した。充填2のモノマー転化率が、99%に達したと決定された場合、充填3をこのフラスコに30分かけて添加した。90℃で4時間攪拌を続けながら、充填3のモノマー転化率が、99%であること見出され、その後充填4を10分間かけて添加した。さらに2時間90℃に保った後、モノマー転化率が実質的に完全であると決定した。充填5および6を、続けて添加し、そしてこのフラスコの内容物を、MAGNESOL合成マグネシウムシリケートを押し固めたフィルターを通した。次いでこの濾過された樹脂を、真空ストリッピングして(0.2gのサンプルで決定した(110℃/1時間))99%の全重量固体にした。
【0134】
実施例Aのトリブロックコポリマーは、以下を有することが見出された:Mn=10,301;Mn=18,456;z平均分子量(Mz)=26,922;および多分散性指標(PDI)(すなわち、Mw/Mn)=1.8。
【0135】
(実施例B)
本発明に従うジブロックコポリマーを、以下の表Bに列挙される成分から、制御されたラジカル重合により調製した。本実施例のジブロックコポリマーは、以下のように要約される:
(IBMA/HPMA)−(2−EHMA/HPMA)
【0136】
【表2】
Figure 0003588078
充填1を、実施例Aにおいて記載され、そして備え付けられたフラスコに添加した。このフラスコの内容物を、この合成手順の過程を通して90℃に維持した。充填1の添加の1時間後に、このフラスコに充填2を30分かけて添加した。充填2のモノマー転化率が99パーセントに達したことが決定されたときに、このフラスコに充填3を30分かけて添加した。充填3の添加の完了の6時間後に、このモノマー転化が実質的に完了したことを決定した。充填4および5を連続して添加し、そしてこのフラスコの内容物を、MAGNESOL合成マグネシウムシリケートを押し固めたフィルターを通した。次いで、濾過した残渣を真空ストリッピングして、99パーセントの全重量固体にした。
【0137】
実施例Bのジブロックコポリマーが、以下を有することを見出した:Mn=10,661;Mn=16,098;Mz=21,476;およびPDI=1.5。
【0138】
(実施例C)
本発明に従うジブロックコポリマーを、以下の表Cに列挙されるような成分からの、制御されたラジカル重合によって調製した。この実施例のジブロックコポリマーを、以下のように要約する:
(IBMA)−(2−EHMA)
【0139】
【表3】
Figure 0003588078
実施例Cのジブロックコポリマーを、実施例Bに記載される方法と同様の様式で調製した。実施例Cのジブロックコポリマーは、以下を有することが見出された:99パーセントの全固体重量;Mn=8,538;Mw=12,809;Mz=17,210;およびPDI=1.5。
(実施例D)
本発明に従うトリブロックコポリマーを、以下の表Dに列挙される成分から、制御されたラジカル重合によって調製した。この実施例のトリブロックコポリマーを、以下のように要約する:
(2−EHMA/HPMA)−(2−EHMA/HEMA)−(DMAEMA)
【0140】
【表4】
Figure 0003588078
充填1を、実施例Aにおいて記載され、そして備え付けられたフラスコに添加した。このフラスコの内容物を、この合成手順の過程を通して90℃に維持した。充填1の添加の1時間後に、このフラスコに充填2を30分かけて添加した。充填2のモノマー転化率が99パーセントに達したことが決定されたときに、このフラスコに充填3を60分かけて添加した。充填3の添加の完了の4時間後に、このモノマー転化率が98パーセントに達したことを決定し、この時点で充填4を30分かけて添加した。2時間後に、このモノマー転化は実質的に完了したことを決定し、そして充填5および6をこのフラスコに添加した。次いで、このフラスコの内容物を、MAGNESOL合成マグネシウムシリケートを押し固めたフィルターを通し、そして濾過した樹脂を真空ストリッピングして、99パーセントの全重量固体にした。
【0141】
実施例Dのトリブロックコポリマーは、以下を有することが見出された:Mn=11,944;Mn=23,140;Mz=32,708;およびPDI=1.8。
【0142】
(実施例E)
比較のランダムコポリマーを、以下の表Eに列挙される成分から、標準的な(すなわち、非制御または非リビングの)ラジカル重合によって調製した。
【0143】
【表5】
Figure 0003588078
(c)Du Pont Chemicalsから市販のVAZO 67フリーラジカル開始剤。
【0144】
充填1を、実施例Aにおいて記載され、そして備え付けられたフラスコに添加し、そして80℃で1時間保持し、その後、このフラスコに充填2を2.5時間かけて添加した。充填2の添加が開始されて10分後に、このフラスコに充填3(列挙したモノマーの均質混合物)を2時間かけて添加した。このフラスコの内容物を、充填2および充填3の添加の過程を通して、80℃に維持した。充填2の添加が完了したときに、このフラスコの内容物を真空ストリッピングして、99パーセントの全重量固体にした。
【0145】
実施例Eのランダムコポリマーは、以下を有することが見出された:Mn=15,151;Mn=34,992;Mz=56,473;およびPDI=2.3。
【0146】
(粉末コーティング実施例1〜5)
粉末コーティング実施例1〜4は、本発明に従う熱硬化性コーティング組成物の代表であり、一方、粉末コーティング実施例5は比較例である。粉末コーティング組成物を、表1に列挙される成分から調製した。
【0147】
【表6】
Figure 0003588078
(d)グリシジルメタクリレートを含み、そして300グラム/当量のエポキシ当量を有する(メタ)アクリレートモノマーから調製した、室温で固体のアクリルポリマー。
(e)ドデカン二酸。
(f)Hoechst−Celaneseから市販のWAX C MICRO POWDER添加剤。これは、エチレンビスステロイルアミドであると記載される。
(g)Ciba−Geigy Corp.から市販のTINUVIN 144紫外光安定剤。これは、2−tert−ブチル−2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)[ビス(メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)]ジプロピオネートであると記載される。
(h)Ciba−Geigy Corp.から市販のCGL−1545紫外光安定剤。これは、2−[4((2−ヒドロキシ−3−(2−エチルへキシルオキシ)プロピル)−オキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンであると記載される。
(i)Sanko Chemical Corp.から市販のGCA−1抗黄変剤。
(j)Akzo−Nobel Corp.から市販のARMEEN M2Cアミン触媒。これは、メチルジココアミンであると記載される。
【0148】
表1に列挙される成分を、Henshelドライブレンダー中で60から90秒間、前ブレンドした。次いで、この前ブレンドを、Werner&Pfleider同時回転対スクリューエクストルーダー中で溶融混合し、100℃〜125℃の温度を有する溶融押出し物を形成した。この溶融押出し物を、薄いシートにプレスし、冷却し、そして一組のチルドローラー上で凝固させ、小さなチップに切断し、粉砕し、そして分類して、17〜27ミクロンの平均粒子サイズを有する熱硬化性の透明な粉末コーティング組成物を形成した。
【0149】
(a)62〜70ミクロンおよび(b)47〜55ミクロンの硬化したフィルム厚(CFT)を有する2セットの粉末コーティングしたパネルを、試験パネル基板上に実施例1〜5の粉末コーティング組成物を静電的スプレー塗布することによって調製した。この粉末コーティング組成物を、145℃で30分間硬化した。この試験パネル基板を、PPG Industries,Inc.からED−5051エレクトロプライマーとして入手可能な、硬化黒色エレクトロコートプライマーを用いて予めコーティングした。この2セットの粉末コーティング試験パネルの外観を評価し、そして結果を表2および表3に要約した。
【0150】
【表7】
Figure 0003588078
(k)塗布した粉末コーティングクリアコートの、ミクロン単位における硬化フィルム厚。
(l)20°の光沢値を、製造者が提案する操作の方法に従って、BYK Gardner Haze−Gloss Meterを使用して得た。
(m)長波値を、製造者が提案する操作の方法に従って、BYK Wavescan Plus機器を使用して得た。大きさがより小さい長波値は、外観がより滑らかなコーティングを示す。
(n)張力値を、製造者が提案する操作の方法に従って、BYK Wavescan Plus機器を使用して得た。大きさがより大きい張力値は、外観がより滑らかなコーティングを示す。
【0151】
【表8】
Figure 0003588078
表2および表3に要約される結果は、本発明に従う熱硬化性コーティング組成物(すなわち、実施例1〜4)が、比較のコーティング組成物(すなわち、実施例5)の外観よりも量的により良い外観を有することを示す。本発明に従う熱硬化性コーティング組成物(すなわち、実施例1〜4)はまた、比較組成物(すなわち、実施例5)の外観よりも視覚的により良い(例えば滑らかな)外見を有することも見出された。
【0152】
本発明は、その特定の実施形態の特定の詳細を参照して記載されてきた。このような詳細は、これが添付の特許請求の範囲に含まれるような範囲およびこのような程度を除いて、本発明の範囲を限定するとみなされることは意図されない。

Claims (56)

  1. ブロックコポリマーであって、以下:
    (a)5〜95重量%の第1のブロックであって、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の量の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、第1のブロック;ならびに
    (b)5〜95重量%の第2のブロックであって、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、第2のブロック;
    を含有し、
    ここで、該第1および第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーが、(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、ビニルハライド、カルボン酸のビニルエステル、不飽和の脂肪族炭化水素、環式無水物、および以下:
    Figure 0003588078
    の一般式Iによって表されるアリルモノマー(式中、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cのアルキル基である)からなる群から選択され;
    ここで、該第2のモノマーの算出されたTgが、該第1のモノマーの算出されたTgよりも20℃〜235℃高く;
    ここで、該ブロックコポリマーの数平均分子量が、500〜100,000であり、
    ここで、該第1のブロック対該第2のブロックの重量比が、0.05:1〜19:1である、ブロックコポリマー。
  2. 請求項1に記載のブロックコポリマーであって、ここで、該ブロックコポリマーが、少なくとも1種類のアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および少量の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含むブロックを含有する、ブロックコポリマー。
  3. 請求項2に記載のブロックポリマーであって、ここで、少なくとも1種類のアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および少量の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む前記ブロックが、第3のブロックであり、そして前記第1および第2のブロックの各々が、アミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含まない、ブロックポリマー。
  4. 前記ブロックコポリマーが、制御されたラジカル重合によって調製される、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  5. 請求項4に記載のブロックコポリマーであって、ここで該ブロックコポリマーが、少なくとも1つのラジカル移動可能な基を有する開始剤の存在下において開始される原子移動ラジカル重合によって調製される、ブロックコポリマー。
  6. 請求項5に記載のブロックコポリマーであって、ここで、該ブロックコポリマーは、前記ラジカル移動可能な基を含まない前記開始剤の残基、および該ラジカル移動可能な基の残基またはこの基から誘導される残基を含み、該開始剤が、直鎖状または分枝状の脂肪族化合物、環状脂肪族化合物、芳香族化合物、多環式芳香族化合物、複素環式化合物、スルホニル化合物、スルフェニル化合物、カルボン酸のエステル、ポリマー化合物およびこれらの混合物からなる群から選択され、この各々が少なくとも1種類のラジカル移動可能なハライドを有する、ブロックコポリマー。
  7. 請求項6に記載のブロックコポリマーであって、ここで前記開始剤が、ハロメタン、メチレンジハライド、ハロホルム、四ハロゲン化炭素、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、メタンスルホニルハライド、p−トルエンスルホニルハライド、メタンスルフェニルハライド、p−トルエンスルフェニルハライド、1−フェニルエチルハライド、2−ハロ−C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、p−ハロメチルスチレン、モノ−ヘキサキス(α−ハロ−C〜C−アルキル)ベンゼン、ジエチル−2−ハロ−2−メチルマロネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  8. 請求項1に記載のブロックコポリマーであって、ここで、該ブロックコポリマーが、直鎖状コポリマー、分枝状コポリマー、ハイパーブランチコポリマー、星状コポリマー、グラフトコポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  9. 請求項1に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記第1のブロックが、該ブロックコポリマーの全重量に基づいて、5重量パーセント〜95重量パーセントの量で存在し、そして前記第2のブロックが、該ブロックコポリマーの全重量に基いて、5重量パーセント〜95重量パーセントの量で存在する、ブロックコポリマー。
  10. 請求項3に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記第3のブロックが、該ブロックコポリマーの全重量に基づいて、1重量パーセント〜35重量パーセントの量で存在する、ブロックコポリマー。
  11. 請求項1に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記ヒドロキシ官能性モノマーが、前記第1のブロックの全重量に基づいて、1重量パーセント〜10重量パーセントの量で該第1のブロック中に存在し、そして前記ヒドロキシ官能性モノマーが、前記第2のブロックの全重量に基いて、1重量パーセント〜10重量パーセントの量で該第2のブロック中に存在する、ブロックコポリマー。
  12. 請求項3に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記ヒドロキシ官能性モノマーが、前記第3のブロックの全重量に基づいて、1重量パーセント〜20重量パーセントの量で該第3のブロック中に存在する、ブロックコポリマー。
  13. 請求項1に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記第1のモノマーおよび第2のモノマーの各々が、独立して、ビニルモノマー、アリルモノマー、オレフィンおよびこれらの混合物から選択される、ブロックコポリマー。
  14. 請求項13に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記第1のモノマーが、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  15. 請求項13に記載のブロックコポリマーであって、前記第2のモノマーが、イソ−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  16. 請求項2に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記アミン官能性モノマーが、ジ(C〜Cアルキル)アミノエチル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  17. 請求項2に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記ヒドロキシ官能性モノマーが、以下:アルキル基に2〜20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エポキシド官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(これは、加水分解される);アルキル基に2〜20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(これは、ラクトンと反応する);β−ヒドロキシエステル官能性(メタ)アクリレート(これは、(i)(メタ)アクリル酸および4〜26個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸のグリシジルエステルの反応生成物、または(ii)グリシジル(メタ)アクリレートおよび4〜26個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸の反応生成物である);ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  18. 請求項17に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物から選択され;前記エポキシド官能性モノマーが、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルおよびこれらの組合わせからなる群から選択され;前記ラクトンが、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらの混合物からなる群から選択され;そして前記β−ヒドロキシエステル官能性(メタ)アクリレートが、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソステアリン酸の反応生成物である、ブロックコポリマー。
  19. 前記ブロックコポリマーが、1,000〜50,000の数平均分子量を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  20. 前記第2のモノマーの算出されたTgが、前記第1のモノマーの算出されたTgよりも30℃〜235℃高い、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  21. 以下のポリマー鎖構造:
    Figure 0003588078
    の少なくとも1つを含むブロックコポリマーであって、ここで、該ブロックコポリマーが、5〜95重量%の、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の、少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、の残基であるM;5〜95重量%の、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、の残基であるGを含み;該第2のモノマーは、該第1のモノマーの算出されたTgよりも20℃〜235℃高い算出されたTgを有し;sおよびpは、残基のブロックにおいて生じる残基の平均数を表し;sおよびpは、各々独立して、各構造について3〜100であり、該ブロックコポリマーは、500〜100,000の数平均分子量を有し、
    ここで、該第1および第2のモノマーが、(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、ビニルハライド、カルボン酸のビニルエステル、不飽和の脂肪族炭化水素、環式無水物、および以下:
    Figure 0003588078
    の一般式Iによって表されるアリルモノマー(式中、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cのアルキル基である)からなる群から選択され;
    ここで、該第1のブロック対該第2のブロックの重量比が、0.05:1〜19:1である、ブロックコポリマー。
  22. 請求項21に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記第1のモノマーおよび前記第2のモノマーの1つが、少なくとも1種類のアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーから選択される、ブロックコポリマー。
  23. 請求項21に記載のブロックコポリマーであって、ここで、該ブロックコポリマーは、以下のポリマー鎖構造:
    Figure 0003588078
    の少なくとも1つを含み、ここで、Eは、少なくとも1種類のアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーおよび少量の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基であり;MおよびGの各々は、アミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含まず;qは、残基のブロックにおいて生じる残基の平均数を表し;そしてqは、各構造について独立して3〜100である、ブロックコポリマー。
  24. 前記ブロックコポリマーが、制御されたラジカル重合によって調製される、請求項23に記載のブロックコポリマー。
  25. 請求項24に記載のブロックコポリマーであって、ここで、該ブロックコポリマーが、ラジカル移動可能な基を有する開始剤の存在下において原子移動ラジカル重合によって調製され、該ブロックコポリマーが、以下の代表的なポリマー鎖構造:
    Figure 0003588078
    の少なくとも1つを有し、ここで、φが、該ラジカル移動可能な基を含まない該開始剤の残基であるかまたはこの残基から誘導され;Tが、該開始剤の該ラジカル移動可能な基であるかまたはこの基から誘導され;zが、各構造について独立して、少なくとも1である、ブロックコポリマー。
  26. Tがハライドである、請求項25に記載のブロックコポリマー。
  27. Tが脱ハロゲン化の後反応から誘導される、請求項26に記載のブロックコポリマー。
  28. 請求項27に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記脱ハロゲン化の後反応が、該ブロックコポリマーを、制限されたラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物と接触させることを包含する、ブロックコポリマー。
  29. 請求項28に記載のブロックコポリマーであって、ここで、前記制限されたラジカル重合可能なエチレン性不飽和化合物が、1,1−ジメチルエチレン、1,1−ジフェニルエチレン、イソプロペニルアセテート、α−メチルスチレン、1,1−ジアルコキシオレフィンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、ブロックコポリマー。
  30. 熱硬化性コーティング組成物であって、以下:
    (a)官能基を有する第1の反応物;
    (b)該第1の反応物の官能基と共反応性の官能基を有する第2の反応物;および
    (c)請求項1または21に記載のブロックコポリマーを含むポリマー性流動制御剤;
    を含有する、熱硬化性コーティング組成物。
  31. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤の前記第1および第2のブロックの各々が、独立して、1〜20%の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、組成物。
  32. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤が、少なくとも1種類のアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含むブロックを有する、組成物。
  33. 請求項31に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤が、少なくとも1種類のアミン官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基、および少量の、少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含むブロックを有する、組成物。
  34. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤が、直鎖状ポリマー、分枝状ポリマー、ハイパーブランチポリマー、星状ポリマー、グラフトポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
  35. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤が、少なくとも1つのラジカル移動可能な基を有する開始剤の存在下において開始される原子移動ラジカル重合によって調製される、組成物。
  36. 請求項35に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤が、前記ラジカル移動可能な基を含まない前記開始剤の残基、および該ラジカル移動可能な基の残基またはこの基から誘導される残基を含み、該開始剤が、直鎖状または分枝状の脂肪族化合物、環状脂肪族化合物、芳香族化合物、多環式芳香族化合物、複素環式化合物、スルホニル化合物、スルフェニル化合物、カルボン酸のエステル、ポリマー化合物およびこれらの混合物からなる群から選択され、この各々が少なくとも1種類のラジカル移動可能なハライドを有する、組成物。
  37. 請求項36に記載の組成物であって、ここで、前記開始剤が、ハロメタン、メチレンジハライド、ハロホルム、四ハロゲン化炭素、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、メタンスルホニルハライド、p−トルエンスルホニルハライド、メタンスルフェニルハライド、p−トルエンスルフェニルハライド、1−フェニルエチルハライド、2−ハロ−C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、p−ハロメチルスチレン、モノ−ヘキサキス(α−ハロ−C〜C−アルキル)ベンゼン、ジエチル−2−ハロ−2−メチルマロネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
  38. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記第1のブロックが、前記ポリマー性流動制御剤の全重量に基づいて、5重量パーセント〜95重量パーセントの量で存在し、そして前記第2のブロックが、該ポリマー性流動制御剤の全重量に基いて、5重量パーセント〜95重量パーセントの量で存在する、組成物。
  39. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記第1のブロック対前記第2のブロックの重量比が、0.05:1〜19:1である、組成物。
  40. 請求項31に記載の組成物であって、ここで、前記ヒドロキシ官能性モノマーが、前記第1のブロックの全重量に基づいて、1重量パーセント〜10重量パーセントの量で該第1のブロック中に存在し、そして前記ヒドロキシ官能性モノマーが、前記第2のブロックの全重量に基いて、1重量パーセント〜10重量パーセントの量で該第2のブロック中に存在する、組成物。
  41. 前記第1および第2のモノマーの各々が独立して、ビニルモノマー、アリルモノマー、オレフィンおよびこれらの混合物から選択される、請求項30に記載の組成物。
  42. 請求項41に記載の組成物であって、ここで、前記第1のモノマーが、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
  43. 請求項41に記載の組成物であって、ここで前記第2のモノマーが、イソ−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
  44. 請求項32に記載の組成物であって、ここで前記アミン官能性モノマーが、ジ(C〜Cアルキル)アミノエチル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
  45. 請求項31に記載の組成物であって、ここで、前記ヒドロキシ官能性モノマーが、以下:アルキル基に2〜20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エポキシド官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(これは、加水分解される);アルキル基に2〜20個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(これは、ラクトンと反応する);β−ヒドロキシエステル官能性(メタ)アクリレート(これは、(i)(メタ)アクリル酸および4〜26個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸のグリシジルエステルの反応生成物、または(ii)グリシジル(メタ)アクリレートおよび4〜26個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸の反応生成物である);ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
  46. 請求項45に記載の組成物であって、ここで、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択され;前記エポキシド官能性モノマーが、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルおよびこれらの組合わせからなる群から選択され;前記ラクトンが、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらの混合物からなる群から選択され;そして前記β−ヒドロキシエステル官能性(メタ)アクリレートが、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソステアリン酸の反応生成物である、組成物。
  47. 前記ポリマー性流動制御剤が、500〜100,000の数平均分子量を有する、請求項30に記載の組成物。
  48. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記ポリマー性流動制御剤が、該組成物の全樹脂固体重量に基づいて、0.01重量パーセント〜5重量パーセントの量で存在する、組成物。
  49. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記第2のモノマーの算出されたTgが、前記第1のモノマーの算出されたTgよりも、少なくとも30℃高い、組成物。
  50. 請求項30に記載の組成物であって、ここで、前記コーティング組成物が、(a)、(b)および(c)の、共反応可能な固体の粒子状混合物である、組成物。
  51. 請求項50に記載の組成物であって、ここで、前記第1の反応物が、エポキシド官能性ポリマー、カルボン酸官能性ポリマーおよびヒドロキシ官能性ポリマーから選択され、そして前記第2の反応物が、該第1の反応物の官能基と共反応性の官能基を有する架橋剤である、組成物。
  52. 請求項51に記載の組成物であって、ここで、前記第1の反応物が、カルボン酸官能性ポリマーから選択され、そして前記第2の反応物が、β−ヒドロキシアルキルアミド官能性架橋剤である、組成物。
  53. 請求項51に記載の組成物であって、ここで、前記第1の反応物が、ヒドロキシ官能性ポリマーから選択され、そして前記第2の反応物がキャップされたイソシアネート官能性架橋剤である、組成物。
  54. 請求項51に記載の組成物であって、ここで、前記第1の反応物が、エポキシド官能性ポリマーから選択され、そして前記第2の反応物が、カルボン酸官能性架橋剤である、組成物。
  55. 請求項54に記載の組成物であって、ここで、前記第1の反応物が、エポキシド官能性(メタ)アクリルポリマーであり、そして前記カルボン酸官能性架橋剤が、ドデカン二酸、アゼライン酸、アジピン酸、1,6−ヘキサン二酸、コハク酸、ピメリン酸、セバシン酸、マレイン酸、クエン酸、イタコン酸、アコニット酸、以下の一般式:
    Figure 0003588078
    によって表されるカルボン酸官能性架橋剤であって、ここでRはポリオールの残基であり、Aは2〜10個の炭素原子を有する二価の連結基であり、そしてbは2〜10の整数である、架橋剤、ならびにこのようなカルボン酸官能性架橋剤の混合物からなる群から選択される、組成物。
  56. 請求項55に記載の組成物であって、ここで、Rが誘導される前記ポリオールが、エチレングリコール、ジ(エチレングリコール)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ−トリメチロールプロパンおよびジ−ペンタエリスリトールからなる群から選択され;Aが、1,2−シクロへキシレンおよび4−メチル−1,2−シクロへキシレンからなる群から選択され;そしてbが2〜6の整数である、組成物。
JP2001501995A 1999-06-03 2000-06-02 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用 Expired - Fee Related JP3588078B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/325,226 US6197883B1 (en) 1999-06-03 1999-06-03 Thermosetting coating compositions containing flow modifiers prepared by controlled radical polymerization
US09/325,226 1999-06-03
US09/325,227 1999-06-03
US09/325,227 US6288173B1 (en) 1999-06-03 1999-06-03 Block copolymers
PCT/US2000/015202 WO2000075791A2 (en) 1999-06-03 2000-06-02 Block copolymers prepared by controlled radical polymerization and their use as flow modifiers

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003357060A Division JP2004099907A (ja) 1999-06-03 2003-10-16 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003501517A JP2003501517A (ja) 2003-01-14
JP3588078B2 true JP3588078B2 (ja) 2004-11-10

Family

ID=26984831

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001501995A Expired - Fee Related JP3588078B2 (ja) 1999-06-03 2000-06-02 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用
JP2003357060A Pending JP2004099907A (ja) 1999-06-03 2003-10-16 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003357060A Pending JP2004099907A (ja) 1999-06-03 2003-10-16 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用

Country Status (11)

Country Link
EP (1) EP1185571B1 (ja)
JP (2) JP3588078B2 (ja)
KR (1) KR100469220B1 (ja)
AT (1) ATE290028T1 (ja)
AU (1) AU6047700A (ja)
BR (1) BR0012106A (ja)
CA (1) CA2376006C (ja)
DE (1) DE60018415T2 (ja)
ES (1) ES2238296T3 (ja)
PT (1) PT1185571E (ja)
WO (1) WO2000075791A2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1474453B1 (en) * 2002-02-15 2007-07-25 PPG Industries Ohio, Inc. Waterborne film-forming compositions containing alternating copolymers of isobutylene type monomers
US6686432B2 (en) 2002-02-15 2004-02-03 Ppg Industries Ohio, Inc. Alternating copolymers of isobutylene type monomers
US7795347B2 (en) 2003-03-14 2010-09-14 Mitsui Chemicals, Inc. Multi-branched polymer, process for producing the same, and applications thereof
WO2005059048A1 (en) * 2003-12-10 2005-06-30 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Coating compositions containing levelling agents prepared by nitroxyl mediated polymerisation
US20060084755A1 (en) * 2004-10-19 2006-04-20 Good David J Reactive hot melt adhesive with block acrylic copolymer
DE102007039535A1 (de) 2007-08-21 2009-02-26 Evonik Röhm Gmbh Verfahren zur Herstellung von Pentablockcopolymeren mit OH-funktionalisierten Blöcken auf (Meth)acrylatbasis
JP5536383B2 (ja) * 2009-07-09 2014-07-02 株式会社カネカ 末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法
ES2663010T3 (es) * 2010-11-08 2018-04-10 Nippon Soda Co., Ltd. Nuevo copolímero
WO2014204255A1 (ko) * 2013-06-19 2014-12-24 주식회사 엘지화학 점착제 조성물
KR101646332B1 (ko) 2013-06-19 2016-08-08 주식회사 엘지화학 점착제 조성물
KR101757962B1 (ko) * 2013-06-19 2017-07-26 주식회사 엘지화학 점착제 조성물
CN105593256B (zh) 2013-08-30 2018-06-05 株式会社Lg化学 嵌段共聚物
WO2015093874A1 (ko) * 2013-12-20 2015-06-25 주식회사 엘지화학 광학 필름
JP6372565B2 (ja) * 2014-04-21 2018-08-15 日立化成株式会社 ブロックポリマの製造方法
JP6484927B2 (ja) * 2014-04-23 2019-03-20 日立化成株式会社 ブロックポリマ及びその製造方法
US10023761B2 (en) * 2015-06-29 2018-07-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Coatings for plastic substrates
CN107709444B (zh) * 2015-06-29 2021-06-11 陶氏环球技术有限责任公司 用过氧化物引发剂制备交联的聚烯烃的组合物和方法
CN109476797B (zh) * 2016-07-21 2021-09-07 大塚化学株式会社 嵌段共聚物、组合物和膜
US11708470B2 (en) 2016-12-21 2023-07-25 Ppg Industries Ohio, Inc. Plastic substrate adhesion promoter with random copolymer
JP7132603B2 (ja) * 2018-08-13 2022-09-07 ヤマトプロテック株式会社 避難装置
WO2024069162A1 (en) * 2022-09-26 2024-04-04 Molecular Medical Ltd Polymers

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4908397A (en) * 1988-06-27 1990-03-13 E. I. Du Pont De Nemours And Company Multi-component coating composition comprising an anhydride containing polymer, a glycidyl component and a self-stabilized dispersion resin
US5272201A (en) * 1990-04-11 1993-12-21 E. I. Du Pont De Nemours And Company Amine-containing block polymers for pigmented ink jet inks
FR2677375B1 (fr) * 1991-06-04 1994-09-16 Lorraine Laminage Procede pour former un revetement anticorrosif a base de copolymere sur une surface metallique et produits ainsi obtenus.
US5219945A (en) * 1992-02-20 1993-06-15 E. I. Du Pont De Nemours And Company ABC triblock methacrylate polymers
KR960013075A (ko) * 1994-09-16 1996-04-20 안경식 홈 오토메이션 시스템을 이용한 타지역 카메라의 원격 제어장치 및 그 방법
JPH08193107A (ja) * 1995-01-17 1996-07-30 Nippon Oil & Fats Co Ltd 不飽和基含有型含フッ素ブロック共重合体組成物及びその製造方法
JPH09279087A (ja) * 1996-04-15 1997-10-28 Nof Corp 水分散型水系塗料組成物
SG55445A1 (en) * 1997-01-07 1998-12-21 Denki Kagaku Kogyo Kabushili K Block copolymer block copolymer compostion and heat shrinkable films made thereof
US5859113A (en) * 1997-07-17 1999-01-12 E. I. Du Pont De Nemours And Company Pigment dispersions containing hydroxylated AB-block polymer dispersant

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004099907A (ja) 2004-04-02
JP2003501517A (ja) 2003-01-14
PT1185571E (pt) 2005-06-30
EP1185571A2 (en) 2002-03-13
DE60018415T2 (de) 2006-04-06
BR0012106A (pt) 2002-03-12
WO2000075791A3 (en) 2001-02-01
KR100469220B1 (ko) 2005-02-07
DE60018415D1 (de) 2005-04-07
ATE290028T1 (de) 2005-03-15
EP1185571B1 (en) 2005-03-02
ES2238296T3 (es) 2005-09-01
AU6047700A (en) 2000-12-28
WO2000075791A2 (en) 2000-12-14
KR20020010693A (ko) 2002-02-04
CA2376006A1 (en) 2000-12-14
CA2376006C (en) 2005-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6197883B1 (en) Thermosetting coating compositions containing flow modifiers prepared by controlled radical polymerization
JP3588078B2 (ja) 制御されたラジカル重合によって調製されるブロックコポリマーおよび流動改変剤としてのその使用
US6191225B1 (en) Thermosetting compositions containing carboxylic acid functional polymers and epoxy functional polymers prepared by atom transfer radical polymerization
US6339126B1 (en) Thermosetting compositions containing carboxylic acid functional polymers prepared by atom transfer radical polymerization
US6583223B2 (en) Coating compositions which contain a low surface tension (meth) acrylate containing block copolymer flow control agent
US6288173B1 (en) Block copolymers
JP3586649B2 (ja) 原子移動ラジカル重合によって調製されるエポキシ官能性ポリマーを含む熱硬化性組成物
US6391391B2 (en) Coating substrate with atom transfer radical polymerized carboxyl polymer and polyepoxide
WO2003027159A2 (en) Compositions containing a low surface tension (meth)acrylate containing block copolymer

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040811

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees