JP5536383B2 - 末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents
末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法 Download PDFInfo
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で表される基、あるいは重合性のオレフィンを含まない炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R1は、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
<重合体主鎖>
本発明の末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体(I)の主鎖を構成する(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
なかでも、生成物の物性等から、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが好ましい。
ラジカル重合は一般に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等による停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされる。しかしリビングラジカル重合は、ラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。従ってリビングラジカル重合法は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、本発明の特定の官能基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法としてより好ましいものである。
上記リビングラジカル重合法において、触媒として用いられる0価の遷移金属、または遷移金属単体としては、銅(Cu(0))、ニッケル(Ni(0))、ルテニウム(Ru(0))、または鉄(Fe(0))が好ましく、この中でも銅(Cu(0))がより好ましい。
重合開始剤として使用される有機ハロゲン化物は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が好ましい。具体的に例示するならば、
C6H5−CH2X、C6H5−C(H)(X)CH3、C6H5−C(X)(CH3)2
(ただし、上の化学式中、C6H5はフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R10−C(H)(X)−CO2R11、R10−C(CH3)(X)−CO2R11、R10−C(H)(X)−C(O)R11、R10−C(CH3)(X)−C(O)R11、
(式中、R10、R11は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R10−C6H4−SO2X
(式中、R10は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
このリビングラジカル重合法を用いる場合、溶媒は特に限定されないが、例示するならば、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン等の高極性非プロトン性溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、デカン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;イオン性液体等が挙げられる。
ラジカル重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)としては、下記一般式(1)で表される化合物から選ばれるものが好ましい。
で表される基、あるいは重合性のオレフィンを含まない炭素数1〜20の炭化水素基を示し、 R1は、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
で表される基を示し、 R2は、水素原子あるいはメチル基を示す}
上記一般式(1)のR1の具体例としては、
−(CH2)n−(nは1〜20の整数)、
−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−、−CH2CH(CH3)−、
−(CH2)n−O−CH2−(nは1〜19の整数)、
−CH(CH3)−O−CH2−、−CH(CH2CH3)−O−CH2−、−C(CH3)2−O−CH2−、−C(CH3)(CH2CH3)−O−CH2−、−C(CH2CH3)2−O−CH2−、
−(CH2)n−O−(CH2)m−
(m、nは1〜19の整数、ただし2≦m+n≦20)、
−(CH2)n−C(O)O−(CH2)m−
(m、nは1〜19の整数、ただし2≦m+n≦20)、
−(CH2)n−OC(O)−(CH2)m−C(O)O−(CH2)l−、
(lは0〜18の整数、m,nは1〜17の整数、ただし2≦l+m+n≦20)、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−(CH2)m−、
(mは0〜13の整数、nは1〜14の整数、ただし1≦m+n≦14)、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−O−(CH2)m−、
(mは0〜13の整数、nは1〜14の整数、ただし1≦m+n≦14)、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−O−CH(CH3)−、
(nは1〜12の整数)、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−O−C(CH3)2−、
(nは1〜11の整数)、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−C(O)O−(CH2)m−、
(m,nは1〜12の整数、ただし2≦m+n≦13)、
−(CH2)n−OC(O)−o−,m−,p−C6H4−C(O)O−(CH2)m−、
(m,nは1〜11の整数、ただし2≦m+n≦12)、
−(CH2)n−o−,m−,p−C6H4−OC(O)−(CH2)m−、
(m,nは1〜12の整数、ただし2≦m+n≦13)、
−(CH2)n−C(O)O−o−,m−,p−C6H4−(CH2)m−、
(m,nは1〜11の整数、ただし2≦m+n≦12)、
等が挙げられる。なお、R1のうちの炭素数1〜20のアルキレン基は、その中にアリーレン基(例えばフェニレン基等)を含んでいてもよい。
−(CH2)n−CH3、
−CH(CH3)−(CH2)n−CH3、
−CH(CH2CH3)−(CH2)n−CH3、
−CH(CH2CH3)2、
−C(CH3)2−(CH2)n−CH3、
−C(CH3)(CH2CH3)−(CH2)n−CH3、
−C6H5、
−C6H4(CH3)、
−C6H3(CH3)2、
−(CH2)n−C6H5、
−(CH2)n−C6H4(CH3)、
−(CH2)n−C6H3(CH3)2
(nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下)
で表される基を示し、R2は、水素原子あるいはメチル基を示し、R4は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す}
なお、R2は、水素原子あるいはメチル基であるが、水素原子が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の末端にオレフィン化合物(A)を付加させる方法としては、例えば特開2000−044626号公報に記載の、従来公知の方法を用いることができる。これは即ち、リビングラジカル重合系に、重合性の低い(活性化されていない)オレフィン化合物(A)を添加することにより、重合体生長末端にほぼ1つだけオレフィンを付加させ、末端に様々な官能基を有する重合体を製造する方法である。
本発明で得られる末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体(I)は、特に限定されないが、単独で、又は各種添加剤を配合することにより、硬化性組成物とすることができる。物性を調製するための添加剤としては、特に限定されないが、例えば硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着性付与剤、老化防止剤、顔料、物性調整剤、溶剤等を配合することができる。 このようにして得られる硬化性組成物の用途としては、特に限定されないが、電気・電子部品{重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板のシーリング材(冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロン又は漏電ブレーカー用のシール材)、ポッティング材(トランス高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トランス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池又はテレビ用フライバックトランスのポッティング)、コーティング材(高電圧用厚膜抵抗器もしくはハイブリッドICの回路素子;HIC;電気絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュール;印刷回路;セラミック基板;ダイオード、トランジスタもしくはボンディングワイヤーのバッファー材;半導電体素子;又は光通信用オプティカルファイバーのコーティング)、フォトレジスト材もしくは接着剤(ブラウン管ウェッジ、ネック、電気絶縁部品、半導電部品又は導電部品の接着);電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;又はゲルもしくはコンデンサの封入)}、自動車部品(自動車エンジンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィルター用のシーリング材;イグナイタHICもしくは自動車用ハイブリッドIC用のボッティング材;自動車ボディ、自動車用窓ガラスもしくはエンジンコントロール基板用のコーティング材;又はオイルパンのガスケット、タイミングベルトカバーのガスケット、モール、ヘッドランプレンズ、サンルーフシールもしくはミラー用の接着剤;燃料噴射装置、燃料加熱装置、エアダンパ、圧力検出装置、熱交換器用樹脂タンクのオイルクーラー、可変圧縮比エンジン、シリンダ装置、圧縮天然ガス用レギュレータ、圧力容器、筒内直噴式内燃機関の燃料供給システムもしくは高圧ポンプ用のOリング)、船舶(配線接続分岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリング材;又は電線もしくはガラス用の接着剤)、航空機又は鉄道車輛、土木・建築(商業用ビルのガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケースにおける内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用される建材用シーラント;複層ガラス用シーリング材;道路の補修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、石材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接着剤;又は粘着シート、防水シートもしくは防振シート)、医療(医薬用ゴム栓、シリンジガスケットもしくは減圧血管用ゴム栓用のシール材料)又はレジャー(スイミングキャップ、ダイビングマスクもしくは耳栓用のスイミング部材;又はスポーツシューズもしくは野球グローブ用のゲル緩衝部材)等の様々な用途に利用可能である。
「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−802.5、shodex GPC K−804昭和電工(株)製(2本並列して使用))を、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
重合体1分子当たりに導入された反応性官能基数は、1H−NMRによる濃度分析、及びGPCにより求まる数平均分子量を基に算出した。
アクリル酸n−ブチル100部、箔状のCu(0)0.37部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下室温で撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに室温撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後PMDETAと称す)0.153部を加えて80℃で2時間加熱撹拌し、アクリル酸n−ブチルの反応率が79モル%に達したところで触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[1]を得た。重合体[1]の数平均分子量は21000、分子量分布は1.46であり、また重合体一分子当たりの臭素末端は0.87個であった。重合停止後もCu(0)は箔状を保っており、ピンセットで容易に取り除くことができた。
アクリル酸n−ブチル100部、箔状のCu(0)0.37部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下室温で撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに室温撹拌した。これにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.203部を加えて50℃で2時間加熱撹拌し、アクリル酸n−ブチルの反応率が85モル%に達したところで触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[2]を得た。重合体[2]の数平均分子量は17500、分子量分布は1.06であり、また重合体一分子当たりの臭素末端は0.98個であった。重合停止後もCu(0)は箔状を保っており、ピンセットで容易に取り除くことができた。
アクリル酸n−ブチル100部、箔状のCu(0)0.37部(モノマーに対してCu量=3.7×10-3)、ジメチルスルホキシド1.23部を仕込み、窒素気流下70℃で撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに室温撹拌した。これにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.203部を加えて2時間80℃で加熱撹拌し、アクリル酸n−ブチルの反応率が96モル%に達したところで触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[3]を得た。重合体[3]の数平均分子量は22200、分子量分布は1.10であり、また重合体一分子当たりの臭素末端は0.73個であった。重合停止後もCu(0)は箔状を保っており、ピンセットで容易に取り除くことができた。
アクリル酸n−ブチル100部、箔状のCu(0)0.37部、N,N−ジメチルアセトアミド1.1部を仕込み、窒素気流下85℃で撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに85℃撹拌した。これにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.203部を加えて85℃で4時間加熱撹拌したところ、アクリル酸n−ブチルの反応率が94モル%に達した。
これに1,7−オクタジエン21部添加して80℃で1時間加熱撹拌したところで、触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[4]を得た。重合体[4]の数平均分子量は20200、分子量分布は1.31であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は0.76個であった。重合停止後もCu(0)は箔状を保っており、ピンセットで容易に取り除くことができた。
アクリル酸n−ブチル100部、箔状のCu(0)0.37部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下室温で撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに室温撹拌した。これにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.203部を加え、その後逐一Me6TRENを添加していき50℃で3時間、65℃で2時間加熱撹拌したところアクリル酸n−ブチルの反応率が95モル%に達した。ここまでのMe6TRENの使用量は0.248部であった。
これに1,7−オクタジエン22部、アセトニトリル26部を添加して65℃で1時間加熱撹拌したところで、触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[5]を得た。重合体[5]の数平均分子量は22900、分子量分布は1.10であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は1.09個であった。重合停止後もCu(0)は箔状を保っており、ピンセットで容易に取り除くことができた。
アクリル酸n−ブチル100部、箔状のCu(0)0.37部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下70℃で撹拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル1.76部を加え、さらにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.045部を加え、途中Me6TRENを適宜追加し、アクリル酸n−ブチルの反応率が95モル%に達するまで80℃で加熱撹拌を続けた。ここまでのMe6TRENの使用量は0.18部であった。
これに1,7−オクタジエン22部、アセトニトリル26部を添加し、70℃で3時間加熱撹拌した後、Me6TREN0.14部添加し、さらに2時間加熱撹拌したところで、触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[6]を得た。重合体[6]の数平均分子量は22700、分子量分布は1.27であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は2.4個であった。重合停止後もCu(0)は箔状を保っており、ピンセットで容易に取り除くことができた。
アクリル酸n−ブチル100部、粉末状Cu(0)0.01部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下80℃90分間撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに80℃撹拌した。これにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.011部を加えて85℃3.5時間加熱撹拌し、アクリル酸n−ブチルの反応率は93モル%に達した。
これに1,7−オクタジエン22部、アセトニトリル26部を添加し、80℃で2時間加熱撹拌した後、Me6TREN0.011部添加し、さらに1時間加熱撹拌したところでMe6TREN0.011部添加、さらにもう1時間加熱撹拌したところで触媒を酸素で失活させ重合を停止させ、重合体[7]を得た。重合体[7]の数平均分子量は22000、分子量分布は1.50であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は0.83個であった。
アクリル酸n−ブチル100部、CuBr0.022部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下80℃で20分間撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル0.95部を加え、さらに80℃撹拌した。これにトリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン(以後Me6TRENと称す)0.007部を加えた。Me6TREN添加から25分間撹拌した時点でアクリル酸n−ブチルの反応率は23モル%であったが、45分間撹拌してもアクリル酸n−ブチルの反応率は23モル%であり、ほとんど変化が無かった。この後、逐一Me6TRENを添加していきながら、80℃で加熱撹拌した。210分間反応させたところでアクリル酸n−ブチルの反応率は40モル%であり、これ以上重合は進行していなかった。そこで、触媒を酸素で失活させて重合を停止させ、重合体[8]を得た。ここまでのMe6TRENの添加量は0.036部であった。得られた重合体[8]の数平均分子量は8560、分子量分布は1.18であり、活性な臭素末端は1分子あたり平均で1.0個であった。
アクリル酸エチル100部、CuBr0.34部、アセトニトリル8.5部を仕込み、窒素気流下80℃で20分間撹拌した。これに2−ブロモ酪酸エチル1.04部を加え、さらに80℃撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン0.014部(以後PMDETAと称す)を加えた。この後、逐一PMDETAを添加していきながら、アクリル酸エチルの反応率が95モル%に達するまで加熱撹拌を続けた。ここまでのPMDETAの添加量は0.11部であった。
これに1,7−オクタジエン6.9部、アセトニトリル26部、PMDETA0.22部を添加し、80℃で加熱撹拌した。その後11時間加熱撹拌し、重合体[9]を得た。重合体[9]の数平均分子量は21400、分子量分布は1.11であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は0.99個であった。
Claims (6)
- 重合開始剤として有機ハロゲン化合物を使用し、0価の銅、およびアミン化合物からなる触媒の存在下、リビングラジカル重合により(メタ)アクリル系モノマーを重合し、得られたハロゲン末端(メタ)アクリル系重合体に、上記触媒の存在下、アルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を反応させて、末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体(I)を製造することを特徴とする、(メタ)アクリル系重合体(I)の製造方法であって、
0価の銅は、生成した(メタ)アクリル系重合体総量100重量部に対し0.1〜0.0001重量部であり、
アルケニル基を有するオレフィン化合物(A)が、一般式(1):
で表される基を示し、R1は、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
で表される化合物である(メタ)アクリル系重合体(I)の製造方法。 - 末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体(I)の主鎖が(メタ)アクリル酸エステル系重合体である、請求項1に記載の(メタ)アクリル系重合体(I)の製造方法。
- 末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体(I)の数平均分子量が3000以上である、請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル系重合体(I)の製造方法。
- 末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体(I)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が1.8未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル系重合体(I)の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法により得られた、末端に反応性官能基を有する(メタ)アクリル系重合体。
- 請求項5の(メタ)アクリル系重合体を含有する硬化性組成物。
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