JP3587459B2 - 食品成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品成形装置、より詳しくは、パン生地、饅頭生地等の外皮材によって、餡、調理した肉・野菜等の内材を確実に包み込み成形することができる食品成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こうした外皮材によって内材を包み込む食品成形に関する技術としては、従来より内材を棒状にしてその外側に外皮材を筒状にしたものを連続して形成し、シャッタ機構の開閉動作により絞り込んで成形切断することが行われてきている(例えば実公昭63−29433号公報)。しかしながら、上述したパン生地等の発酵性の生地を外皮材として用いる場合筒状に形成することは外皮材に加圧、捻りなどが加わって生地がダメージを受けてしまい、成形切断後に生地が十分膨らまなくなり、外皮材が弾性のない硬い食品になってしまうため、その成形加工は人間の手で行っているのが現状である。こうした外皮材の筒状形成を避けてシート状の外皮材で食品成形を行う方法も提案されている。例えば、実公平7−18299号公報では、カップ内にパン生地及び餡を入れ、封止ゲートによりパン生地を封止した点が記載されている。また、特開2000−50854号公報では、上面が開口したカップ状の雌型の内壁面に沿って外包材を椀状に形成し、この椀状に形成した外包材の内部に内材を供給した後、外包材の上縁部を複数のシャッタ片から成るシャッタで絞ることによって外包材の上縁部を封着して内材を包み込んだ点が記載されている。そして、シャッタ片で外包材を絞って封着する際に、雌型の開口部にプラグを配置することによって、絞った外包材のシャッタ片上方への突出防止を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなシート状の外皮材を用いて成形を行う場合、成形する食品の大きさによって外皮材の大きさが異なったり、同じ大きさでも外皮材の形状にバラツキがあることを考慮する必要がある。これは、外皮材をシート状に形成するために一対の回転ローラにより圧延する場合が多いが、生地に柔軟性があることから、外皮材の形状を一定にすることが困難なためである。しかしながら、上述したシート状の外皮材を用いた従来の食品成形方法では、こうした外皮材の形状の変化に十分対応できない。例えば、実公平7−18299号公報では、カップを用いているため、その開口領域が予め決まっており、大きな食品を成形する場合外皮材及び内材がともに大きくなると、封止ゲートで封着する際に封止ゲート上面から生地がはみ出してしまうおそれがある。生地支え高さ調整機構を設けて製品の容積の大小に対応する点が記載されているが、カップ内での調整に限られるので、十分な調整ができるとはいえない。成形する食品の大きさにより大きいカップに替えることも考えられるが、量産工程において、多品種の食品を生産する場合いちいちカップを交換することは現実的でない。また、カップ内に生地片がカップ周縁に載置された後封止ゲートで閉鎖して封着するようにしているが、封止ゲート同士を突き合わせて封着しているため、生地片の形状にバラツキがあると、封止ゲートの上から余分な生地片がはみ出して分離し滓として残ってしまう場合が生じることは避けられない。こうしてはみ出した生地は封止ゲートにより分離されて、封止ゲートの上面又は落下して装置内部に滓として残ることになり、残った生地の滓は取り除かないと、食品の中に入ると不良品になってしまい、また、装置の中に入り込み故障の原因にもなる。こうした問題に対処するために、予め生地片の形状を揃えることが考えられるが、そのための工程ラインが追加することで製造時間が長くなるとともに生地の受けるダメージも多くなってしまう。特開2000−50854号公報でも、同様にカップ状の雌型を用いており、上述したように、カップを用いて成形している以上外皮材及び内材の大きさへの対応には限界がある。また、シャッタ同士を突き合わせて封着動作を行う際に生じる生地のはみ出しを避けるため、プラグによって外皮材の突出防止を図っているものの、プラグが上下動により位置設定されるため、シャッタの閉動作の際にシャッタの間に挟まれた生地がシャッタの閉鎖によりシャッタ上部に押出されてはみ出すおそれがある。以上のように、カップ等を用いて成形することは、それによって制約を受けてしまい、大きさ、形状及び特性が一定しない生地に柔軟に対応することができず、また、シャッタの突合せによる生地の封着動作は生地のはみ出しや分離が生じやすい欠点がある。
【0004】
本発明は、従来の食品成形装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、成形する食品の外皮材及び内材の大きさ、形状及び特性に簡単に対応でき、外皮材の受けるダメージを少なくして確実に外皮材で内材を包み込み成形することができる食品成形装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る食品成形装置は、複数のシャッタ片から成る第一シャッタと、第一シャッタの下方に配設され、かつ、複数のシャッタ片から成る第二シャッタと、シート状外皮材で内材を包み込むために第一シャッタを動作させるとともに第二シャッタの複数のシャッタ片をそれぞれ駆動軸を中心に同一方向に回転動作させるシャッタ制御手段とを備える。
【0006】
本発明は、上記のような構成を有することで、外皮材で内材を確実に包み込み成形することができるとともに、外皮材の分離による滓の発生を防止できる。すなわち、外皮材及び内材の大きさ、形状及び特性に対応して、第一シャッタ及び第二シャッタの開口領域を適宜設定して両者を協働させて動作させれば、外皮材で内材を確実に包み込み成形ができる。そして、第二シャッタの複数のシャッタ片をそれぞれ駆動軸を中心に同一方向に回転動作させるため、シャッタ片同士を突き合わせることなく外皮材の周縁部を確実に寄せ集めて封着することができ、従来技術のような外皮材の分離による滓の発生も防止できる。すなわち、シャッタ片は、従来技術のように往復揺動するのではなく互いに回転動作して開閉するため、回転して外皮材の封着動作を行った後そのまま回転することで開口することから、シャッタの突き合せによる外皮材のはみ出し及び分離が避けられる。
【0007】
また、前記シャッタ制御手段は、内材がシート状外皮材に配置された状態で第一シャッタを動作させる第一シャッタ制御手段と、前記第一シャッタの動作開始後に前記第二シャッタの動作開始タイミングを制御するとともに前記外皮材の周縁部を封着するように前記第二シャッタを動作させる第二シャッタ制御手段とを備えることが好ましい。このように、下方に配設した第二シャッタよりも第一シャッタを早く動作させることで、シート状外皮材の寄せ集めから封着動作までの一連の動作をスムーズに行うことができる。
【0008】
また、外皮材を椀状に形成することで、シャッタによる外皮材の寄せ集めから封着動作をスムーズに行うことができる。外皮材の椀状形成は、第一シャッタを開口させた状態で、第二シャッタのシャッタ片上に外皮材を供給し、外皮材の中央部を窪ませてもよく、また、第一シャッタのシャッタ片上に外皮材を供給し、外皮材の中央部を窪ませてもよい。椀状形成は、後述するように積極的に外皮材を湾曲させてもよいし、外皮材に内材が載置されることでその自重で湾曲させてもよく、いずれにしても外皮材が椀状形成されればよい。第一シャッタを開口させた状態で、第二シャッタのシャッタ片上に外皮材を供給し、外皮材の中央部を窪ませて椀状形成を行う場合には、外皮材の縁部を第二シャッタのシャッタ片上に保持することが好ましい。こうすることで、外皮材の椀状形成を確実に行うことができる。また、第二シャッタのシャッタ片上に配置された受け部材に外皮材を供給し、外皮材の縁部を受け部材上に保持するようにしてもよい。外皮材の縁部を保持する場合に部分的に保持してもよく、保持手段に部分的に保持するための突出部を設けて部分的に保持することができる。こうすることで、シャッタにより封着した部分の外皮材の肉厚を薄くすることができる。外皮材を椀状に形成する場合、第二シャッタのシャッタ片を開口させて、その開口部に外皮材形成手段を進入させることで外皮材の中央部を窪ませてもよく、また、その開口部から外皮材形成手段により外皮材の中央部を引き出すことで外皮材の中央部を窪ませてもよい。外皮材形成手段は、外皮材を第二シャッタの開口領域に押し込む押込み手段または外皮材を第二シャッタの開口領域で吸引する吸引手段でもよい。押込み手段は、前記内材を供給する内材供給手段を備えてもよく、こうすることで、成形処理をより効率的に行うことができる。このように、シャッタ片を用いて外皮材の椀状形成を行うと、椀状形成後シャッタ工程を直ちに行うことができ、また、椀状形成のためのスペースも別途設ける必要がなくなる。
【0009】
また、外皮材を椀状に形成する前に、第一シャッタを動作させて、外皮材の位置を調整することが好ましい。こうすることで、外皮材を供給した後のシャッタ片上の位置ずれが予め修正され、より確実な成形処理を行うことができる。また、第二シャッタの下方に、外皮材を支持する支持手段を備え、少なくとも前記シャッタ工程の間外皮材を支持することが好ましい。こうすることで、シャッタ工程の間外皮材をより安定した状態に保つことができる。さらに、支持手段として、第二シャッタの下方に配設され、かつ外皮材を支持する支持部材と、第二シャッタと支持部材との間の間隔を調整する支持間隔調整手段とを備えるようにしてもよい。第二シャッタと支持部材との間の間隔を適宜調整して成形すれば、外皮材及び内材の大きさ及び特性に臨機応変に対応することができる。また、第一シャッタ及び第二シャッタを一組として複数組備えるようにしてもよい。こうすることで、成形処理を同時に行うことができるようになり、生産効率を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。
【0011】
図1において符号1で指示するものは、図2の平面図に示した計4枚のシャッタ片10・10…が組み合って開閉可能に構成された第一シャッタである。なお、図2は、図1の面Sにおける平面図である。第一シャッタ1は、図1及び図2に示すように、駆動軸11・11…に各々固定された各シャッタ片10がこの駆動軸11を中心に回転動作して各シャッタ片10の先端が隣りのシャッタ片10の側辺を摺動するように構成されており、各シャッタ片10の両端は先細に形成され、両側に円弧状の側辺が形成されている。図3には、第一シャッタ1の各シャッタ片10が反時計回りに1回転することにより、シャッタ片10・10…の側辺で囲んだ開口領域を開閉させる様子を示している。まず、右隣りのシャッタ片の一方の側辺に先端部を摺動させて反時計回りに回転することで開口領域を狭めていき(図3(a))、各シャッタ片の一方の先端が集合することで閉じた状態になる(図3(b))。反時計回りの回転動作をそのまま継続して左隣りのシャッタ片の他方の側辺に先端部が摺動して開口領域が広がり(図3(c)、(d))、さらに反時計回りに回転して右隣りのシャッタ片の他方の側辺に先端部が摺動して開口領域が狭められ(図3(e))、各シャッタ片の他方の先端が集合して再び閉じた状態になる(図3(f))。さらに反時計回りに回転して1回転の動作が完了する(図3(g))。このように、反時計回りの1回転動作中にシャッタの開閉動作を2回行うことができる。
【0012】
図1において符号2で指示するものは、図2の平面図に示した計4枚のシャッタ片20・20…が組み合って開閉可能に構成され、上述した第一シャッタ1の下方に配設された第二シャッタである。第二シャッタ2の各シャッタ片20は、その上面が第一シャッタ1のシャッタ片10の下面と隙間の無いように配設される。第一シャッタ1の駆動軸11と同心状に設けられた駆動中空軸21・21…に各シャッタ片20は固定されており、駆動中空軸21を中心に反時計方向に回転動作して各シャッタ片20の先端が隣りのシャッタ片20の側辺を摺動するように構成されており、これらシャッタ片20・20…の側辺で囲んだ開口領域を第一シャッタ1と同様に開閉させる。
【0013】
シャッタ片10及びシャッタ片20の形状は、その上面及び下面については側辺を円弧状とした先細の両端を有する形状とし、側面はシャッタ辺10では上面及び下面とほぼ垂直に形成されるが、シャッタ片20では下面が上面に対して駆動軸を中心に所定角度回転した位置にあって側面は両者の間を連続する斜面となるように形成される。
【0014】
図4は図1の面Uにおける平面図で、第一シャッタ1のシャッタ駆動機構を示している。図1及び図4に示すように、第一シャッタ1の駆動機構は、各駆動軸11の下端部に固定されたスプロケット12と、モータ16の回転軸に固定された駆動スプロケット14と、スプロケット12及び駆動スプロケット14に装着されたチェーン13とで連結してモータの回転を駆動軸11に伝達している。したがって、モータ16を反時計回りに適宜回転制御させることで第一シャッタ1は図3に示すような開閉動作を行う。また、チェーン13はテンションスプロケット15によってその張力を調整されるようになっている。図5は図1の面Tにおける平面図で、第二シャッタ2のシャッタ駆動機構を示している。図1及び図5に示すように、第二シャッタ2の駆動機構は、各駆動中空軸21の下端部に固定されたスプロケット22と、モータ26の回転軸に固定された駆動スプロケット24と、スプロケット22及び駆動スプロケット24に装着されたチェーン23とで連結してモータの回転を駆動中空軸21に伝達している。したがって、モータ26を反時計回りに適宜回転制御させることで第二シャッタ2は第一シャッタ1と同様に開閉動作を行う。また、チェーン23はテンションスプロケット25によってその張力を調整されるようになっている。
【0015】
図1において符号3で指示するものは、外皮材を椀状に形成するための押込み手段である。本実施形態の押込み手段3は、図1に示すように、ステー31に固定された押込み部材30と、このステー31を上下動させる送りねじ機構32と、この送りねじ機構32を駆動するモータ33とから構成されており、このモータ33の回転方向、回転角度等を制御することによって押込み部材30を適宜に上下昇降させる。改めて詳述するが、この押込み部材30を下降させて第二シャッタ2の開口領域に進入させることにより、第二シャッタ2のシャッタ片20上に供給したシート状外皮材の中央部を窪ませて椀状に形成するのである。
【0016】
また、本実施形態では、外皮材を椀状に形成すると共に椀状形成した外皮材の底部に内材を供給する内材供給手段を備えている。即ち、押込み部材30は、下端に内材を吐出するための吐出孔を備えた筒体により構成されており、この吐出孔を開閉するための弁40が内装されている。そして、ホッパ45内へ投入した内材を、従来公知のポンプ44により供給パイプ43を通じて押込み部材30の筒内へ圧送し、前記ステー31に固定されたエアシリンダ42の駆動によりロッド41を介して弁40を上下動させることで、吐出孔を適宜開閉して椀状形成した外皮材の底部に所要量の内材を供給する。
【0017】
図1において符号5で指示するものは、外皮材の縁部を第二シャッタ2上に保持する保持手段である。保持手段5は、押込み部材30を囲むように設けられた複数の通孔を有するリング状のステー52、このステー52の通孔に上下スライド可能に挿嵌され、上端にステー52に係止可能な頭部を備えた複数の支持ロッド51、この支持ロッド51の下端に固定されるとともに押込み部材30を囲むように設けられたリング状の押え部材50、ステー52を上下動させるエアシリンダ53を備えている。押え部材50とステー52との間には、各支持ロッド51に被嵌され、押え部材50を下方へ付勢するためのコイルばねが設けられており、押え部材50が常時下方に付勢されるようになっている。したがって、エアシリンダ53によってステー52を下降させることで、押え部材50を第二シャッタ2のシャッタ片20上の外皮材に押し付けることができる。
【0018】
図1において符号6で指示するものは、第二シャッタ2の下方に配設され、外皮材を支持するための支持手段である。支持手段6は、図1に示すように、支持部材60と、この支持部材60によってベルトが上下動されるベルトコンベヤ63とから構成されている。支持部材60は、支持ロッド61を介してラック−ピニオン機構62に連結され、モータ64によりラック−ピニオン機構62が駆動されることで支持ロッド61を介して適宜に上下動して第二シャッタ2との間隔が調整される。本実施形態では、支持間隔調整手段として、支持ロッド61、ラック−ピニオン機構62、モータ64及び後述するモータ64のモータ制御手段が含まれる。
【0019】
図6には、第一シャッタ制御手段、第二シャッタ制御手段及びモータ64のモータ制御手段を示す。第一シャッタ制御手段は、モータ16を駆動制御するモータ制御装置17、モータ16の回転方向、回転角度を検出する検出器18及びモータ16の開始タイミング、回転方向、回転角度などの駆動データを設定する設定器70からなる。第一シャッタ1の上方には外皮材の有無を検出する光センサ72が設けられており、光センサ72からの出力信号は検出器71で処理され、設定器70に入力される。そして、設定器70は検出器71からの検出信号と設定された駆動データとに基づき設定信号をモータ制御装置17に入力する。モータ制御装置17は、設定信号により設定された開始タイミングでモータ16の回転を開始させ、検出器18からの検出信号に基づきモータ16の回転を設定信号に従って制御する。
【0020】
第二シャッタ制御手段は、モータ26を駆動制御するモータ制御装置27、モータ26の回転方向、回転角度を検出する検出器28及びモータ26の開始タイミング、回転方向、回転角度などの駆動データを設定する設定器70からなる。そして、第一シャッタ制御手段と同様に、設定器70から設定信号がモータ制御装置27に入力されると、モータ制御装置27は、設定された開始タイミングでモータ26の回転を開始させ、検出器28からの検出信号に基づきモータ26の回転を制御する。
【0021】
モータ64のモータ制御手段は、モータ64を駆動制御するモータ制御装置65、モータ64の回転方向、回転角度を検出する検出器66及びモータ64の開始タイミング、回転方向、回転角度などの駆動データを設定する設定器70からなる。そして、第一シャッタ制御手段と同様に、設定器70から設定信号がモータ制御装置65に入力されると、モータ制御装置65は、設定された開始タイミングでモータ64の回転を開始させ、検出器66からの検出信号に基づきモータ64の回転を制御する。
【0022】
以下、図7〜図15を参照しながら本実施形態の食品成形装置による食品成形工程について説明する。図7(a)〜図15(a)は、それぞれ図7(b)〜図15(b)に示す各工程での第一及び第二シャッタの平面図を示している。なお、本実施形態では、外皮材Fとしてパン生地を使用し、内材Gとして餡を使用した例で説明する。
【0023】
まず、図6で示される設定器70に第一シャッタ1、第二シャッタ2及び支持部材60の動作に関する駆動データを入力し、図7(a)に示すように、第一シャッタ1を開口させ、第二シャッタ2を閉鎖させた初期設定の状態におき、図7(b)のように押込み部材30を上昇させた状態で第二シャッタ2のシャッタ片20上にシート状の外皮材Fを戴置する。図示されていないが、支持部材60も第二シャッタ2の下方に初期設定の間隔で配置されている。外皮材Fが載置されると、図6に示す光センサ72がそれを検知し、検出器71から検知信号が設定器70に入力される。この検知信号に応答して設定器70から順次設定されたタイミングで駆動制御信号が各モータ制御装置17、27、65に入力される。本実施形態では、外皮材Fをシャッタ片20上に安定的に戴置するため、第二シャッタ2の初期設定の状態を全閉させた状態で外皮材Fを載置しているが、この第二シャッタ2を外皮材Fが落下しない程度に開口させた状態で外皮材Fを載置するようにしても良い。また、シャッタ片20上に外皮材Fを戴置した後、第一シャッタ1のシャッタ片10を回転動作させて開口面積が縮小した状態にすれば、縮小された開口状態に合わせて外皮材Fをセットでき、外皮材Fが所定位置に収まるように外皮材Fの位置調整を行なうことができる。
【0024】
次に、図8(a)に示すように、第二シャッタ2のシャッタ片20を時計方向に所定角度回転動作させて、外皮材の大きさ及び内材の量等に対応して予め設定された量だけ第二シャッタ2を開口させるとともに、支持部材60を上昇させて第二シャッタ2との間隔を予め設定された間隔に調整する。また、エアシリンダ53を作動させて押え部材50を下降させ、シャッタ片20上に外皮材Fの周縁部を押し付けて保持する。このように外皮材Fの周縁部を保持した状態で、図9(b)に示すように、押込み部材30を第二シャッタ2の開口部に進入させて外皮材Fの中央部を窪ませることにより外皮材Fを椀状に形成する。このとき、外皮材Fは支持部材60で支持される位置まで窪み、外皮材を所定の形状に椀状形成することができる。
【0025】
次に、図10(b)に示すように、押込み部材30を上昇させながら押込み部材30内の弁40を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて椀状形成された外皮材Fの底部に配置される。所定量の内材Gが吐出された時点で弁40を下降させ吐出孔を閉じる。内材Gは、第二シャッタ2の開口部にほぼ一致する領域に広がっている。このように本実施形態では、第二シャッタ2の開口部と支持部材60の位置調整によって、封着に必要な外皮材の周縁部の幅を保持手段により確保しつつ、内材Gの量に対応して外皮材を椀状形成することができる。また、押込み部材30を上昇させると同時にこの押込み部材30を通して内材Gを供給しているので、押込み部材30の上昇に伴ってパン生地から成る外皮材Fが収縮してしまうのを防ぐことができるとともに、外皮材の形状形成と内材の供給を効率よく行うことができる。そして、押込み部材30を上昇させて、図11(b)に示すように、押え部材50を外皮材Fの周縁部から離す。
【0026】
次に、図12(a)に示すように、予め設定された動作開始タイミングで第一シャッタ1の各シャッタ片10を反時計方向に回転動作させて、第二シャッタ2のシャッタ片上に位置する外皮材Fの周縁部を寄せ集める(図12(b)参照)。そして、図13に示すように、第一シャッタ1の動作開始後予め設定された動作開始タイミングで第二シャッタ2の各シャッタ片20が反時計方向に回転動作し、第一シャッタ1が寄せ集めた外皮材Fの周縁部をさらに寄せ集めるようにする。このとき、外皮材Fの周縁部を内材Gに沿って中央に集めることができるので、外皮材Fと内材Gとの間の空気を逃がしながら外皮材Fで内材Gを包んでゆくことができる。
【0027】
そして、図14(a)及び図15(a)に示すように、第二シャッタ2のシャッタ片20をさらに反時計方向に回転動作させることにより、集めた外皮材Fの周縁部を確実に封着して外皮材Fで内材Gを包み込んだ成形品Hを得るのである(図14(b)及び図15(b)参照)。このとき、第一シャッタ1は完全に閉じた状態になっているので、外皮材Fを第二シャッタ2で封着する際に外皮材Fがはみ出すことはない。その後、成形品Hを支える支持部材60が下降してベルト上に成形品Hが載置された状態となり、ベルトコンベア63を駆動して成形品Hをベルト搬送する。
【0028】
このように本実施形態によれば、まず、第一シャッタ1が外皮材Fの周縁部を集め(図13(b)の符号A参照)、次いで下方の第二シャッタ2が、集めた部分(図13(b)の符号A参照)とは異なる外皮材Fの周辺部分(図13(b)の符号B参照)を更に集めて封着するので、外皮材Fの形状にばらつきがあったとしても、第一シャッタ1により外皮材の周縁部を寄せ集めてから第二シャッタ2の動作により封着するので、外皮材を両シャッタである程度引き伸ばして外皮材の周縁部を確実に封着することができる。
【0029】
図15では第一シャッタ1は閉じた状態で停止しているが、第二シャッタ2は反時計回りに回転して閉じた状態になった後もそのまま回転し、第一シャッタ1も第二シャッタ2とともに反時計回りに回転を開始する。そして、図16(a)に示すように、第一シャッタ1の各シャッタ片10及び第二シャッタ2の各シャッタ片20は重なるように配列される。第一シャッタ1はこの状態で停止するが、第二シャッタ2はさらに回転を継続して、図16(b)に示すように再び閉じた状態になって停止し、図7の初期状態になる。
【0030】
このように、第二シャッタ2のシャッタ片20は、外皮材Fの封着動作の間反時計回りに回転動作を行うので、シャッタ片20同士が突き合わされることがないため、外皮材Fの分離を防止でき、また外皮材Fが圧迫されて受けるダメージを軽減できる。
【0031】
以上が外皮材Fにより内材Gを包み込み成形するための一連の動作であるが、図9に示すように押込み部材30を第二シャッタ2の開口領域に進入させずに内材Gの吐出により外皮材Fの椀状形成を行ってもよい。図17に示すように、図8と同様に押え部材50により外皮材Fの周縁部を第二シャッタ2の上面に保持し(図17(a))、押込み部材30が下降して外皮材Fに接触しない位置で停止し内材Gを吐出する(図17(b))。外皮材Fは内材Gの吐出圧力とその自重により湾曲し椀状形成がなされる。そして、図12〜図15と同様に第一シャッタ1及び第二シャッタ2が動作して外皮材Fの封着動作が行われる(図17(c)、(d))。
【0032】
また、第一シャッタ1及び第二シャッタ2の動作タイミングと支持部材60の位置とを調整することで様々な場合に対応することができる。例えば、外皮材Fの大きさが所定の大きさより小さい場合外皮材Fの寄せ集めを多くする必要があるが、第二シャッタ2の動作開始タイミングを早くすることにより外皮材Fの寄せ集めを多くすることができる。これは、第一シャッタ1の動作中に第二シャッタ2を動作させることにより第一シャッタ1が寄せ集めた外皮材Fが戻らない間に第二シャッタ2がさらに寄せ集めて封着するため、確実な封着が可能となる。つまり、第二シャッタ2の動作開始タイミングが早くなるほど外皮材Fの寄せ集めを多くすることができる。逆に、外皮材Fの寄せ集めが多すぎる場合には支持部材60の下方移動開始タイミングを早くすることで、第二シャッタ2の封着動作の際に外皮材Fを下方に移動させ、外皮材Fの寄せ集め量を調整することができる。したがって、例えば、外皮材Fが伸張性に富む場合には、図18に示すように第二シャッタ2のみによる封着動作を行うこともできる。すなわち、図11において内材を押込み部材30から供給した後(図18(a))支持部材60を下方に移動させて外皮材Fの周縁部が第二シャッタ2上面より下に位置するように調整し(図18(b))第一シャッタ1が閉じた後(図18(c))第二シャッタ2を動作させて外皮材Fの周縁部を封着動作させる(図18(d))。この場合には、第一シャッタ1が閉じた状態で第二シャッタ2が閉じるので、第一シャッタ1は、第二シャッタ2から外皮材Fがはみ出すのを防止する。
【0033】
さらに、図19に示すように、第一シャッタ1と第二シャッタ2との間に、外皮材Fを受ける受け部材として薄板80を挟んでおくと、押え部材50と薄板80により外皮材Fを確実に保持できる。薄板80には、図19(a)の平面図に示すような開口部81が設けられており、開口部81に上記実施形態のように押込み部材30を進入させて外皮材Fを椀状形成することが可能となる。また、開口部81の大きさがそれぞれ異なった複数の薄板を備えておけば、成形品の大きさに合わせて薄板を変更するだけで、様々な大きさの成形品に簡単に対応することができる。そして、上述したように、第一シャッタ1及び第二シャッタ2の動作タイミングと支持部材60の位置とを調整することにより外皮材Fの周縁部の寄せ集め及び封着動作が最適になるように調整することができる。また、図19では、受け部材80を第一シャッタ1及び第二シャッタ2の間に挟んでいるが、図20のように第二シャッタ2の下面に隣接して配置することもできる。受け部材80上に外皮材Fを配置し、図11に示すように内材Gを押込み部材30から供給した後(図20(a))第一シャッタ1を動作開始し続いて第二シャッタ2を動作させて受け部材80上の外皮材Fの周縁部を寄せ集める(図20(b))。第一シャッタ1が閉じた状態になって第二シャッタにより外皮材の周縁部をさらに寄せ集め封着する(図20(c)、(d))。図20は、特に、外皮材F及び内材Gが小さいために外皮材Fの周縁部に余裕のない場合等に確実に封着動作をすることができる。図20においても、支持部材60の位置を調整して第二シャッタ2と支持部材60との間隔を狭く設定しておけば、外皮材Fの周縁部を十分確保するよう設定することもできる。また、第二シャッタ2の動作タイミングを早くすることで外皮材Fの周縁部の寄せ集め量を多くすることもできる。こうした受け部材を用いれば、図7の初期状態で第二シャッタ2を閉じた状態にしておく必要がなくなり、第二シャッタ2を常に反時計回りに回転動作すればよい。したがって、シャッタの動作制御も簡略化することができる。
【0034】
保持手段5は、外皮材Fの縁部を部分的に保持するようにしてもよい。図21(a)では、外皮材Fの縁部を部分的に保持するための突出部として、リング状の押え部材50に押え突起50a・50a・・・を等間隔に形成している。図21(b)に示すように、押え突起50a・50a・・・を下面になるようにして押え部材50を外皮材Fの縁部に押さえつけることで部分的に保持されるようになる。このように外皮材Fを部分的に保持した状態で押込み手段3を押込むと、図21(c)に示すように、押え突起50a・50a・・・により保持された部分で外皮材Fが引き伸ばされ、耳部fが形成される。シャッタにより封着動作を行えば、寄せ集められる外皮材Fの周縁部の量が減少して、封着部分の肉厚を軽減することができる。ここで、押え突起50a・50a・・・の形状は部分的に外皮材Fの縁部を保持可能なものであればよく、図21(a)に示すものに限定されることはない。
【0035】
次に、上記実施形態において保持手段を省略した別の実施形態を説明する。図22は、図7〜図15までの食品成形工程と同様にその食品成形工程を図22(a)から(e)まで順を追って示したものである。まず、第一シャッタ1及び第二シャッタ2をシート状の外皮材Fが落下しない程度に開いた状態に設定し、支持部材60を所定の位置に設定する(図22(a))。なお、第一シャッタ1を閉じた状態にして外皮材Fを配置してもよい。次に、第一シャッタ1及び第二シャッタ2を押込み部材30が挿入できる程度に開口し、支持部材60を上方に移動させた後、押込み部材30を挿入する(図22(b))。押込み部材30の挿入により外皮材Fは椀状に形成されるとともに押込み部材30から内材Gが供給された後押込み部材30は上方に退避する(図22(c))。このとき、外皮材Fの周縁部は第一シャッタ1及び第二シャッタ2の開口部に当接した状態になっている。次に、第一シャッタ1が閉動作を開始し、外皮材Fの周縁部を寄せ集め、その後第二シャッタ2が動作を開始してさらに外皮材Fを寄せ集めて封着動作を行う(図22(d),(e))。なお、上記実施形態と同様に第一シャッタ1及び第二シャッタ2の動作開始タイミングを制御することで外皮材Fの寄せ集め量を調整することができる。また、支持部材60の位置調整により封着に必要な外皮材Fの周縁部の量も調整できる。例えば、図23には、外皮材Fの伸張性がよく外皮材Fの周縁部の必要量が少なくてよい場合を示している。まず、図22(c)において支持部材60を下方に移動して第二シャッタ2との間隔を広げておき、外皮材Fの周縁部が第二シャッタ2の開口部のみに当接した状態にする(図23(a))。この状態で第一シャッタ1を閉じて第二シャッタ2を閉じれば(図23(b))、第二シャッタ2のみで寄せ集めるため寄せ集め量が少なくなるとともに第一シャッタ1が閉じた状態で第二シャッタ2が閉じるので、第二シャッタ2からの外皮材Fのはみ出しも防止できる(図23(c))。このように、この実施形態では、上述した実施形態と同様に、第一シャッタ1及び第二シャッタ2の動作開始タイミングの調整と支持部材60の位置調整とにより外皮材の確実な封着動作ができるとともに、保持手段を省略できるため機構が簡略化でき、その分成形工程の時間を短縮することも可能となる。
【0036】
上記の実施形態では、第一シャッタ及び第二シャッタを完全に閉じた状態としているが、外皮材を封着することができれば完全に閉じなくてもよい。第一シャッタ1及び第二シャッタ2を完全に閉じない場合の一例を図24〜図26に示す。図24は図12と同様の工程を示しているが、図24(a)に示すように、第一シャッタ1及び第二シャッタ2は両方の先端が切欠かれた形状となっている。図25に示すように、第一シャッタ1の各シャッタ片10の先端を集合させると切欠けた分だけ間隙が生じて閉じた状態にはならないが、外皮材Fの周縁部を寄せ集めることはできる。図26に示すように、続いて第二シャッタ2のシャッタ片20を反時計回りに回転させると、同様に完全に閉じた状態とはならないが、寄せ集められた外皮材Fの周縁部を封着動作することはできる。第一シャッタ1及び第二シャッタ2が完全に閉じることはないので、外皮材Fは分割又は切断されることがなく、封着動作による外皮材Fへのダメージも軽減される。
【0037】
成形品Hは、図27に示すように、上面に突起部Cが形成される。突起部Cは、図示されないローラー等により押し潰しベルトコンベヤを移動する間に反転させて突起部Cを押し潰した個所が底面となるようにすれば、最終的に成形品Hの上面は外皮材の滑らかな面に仕上げられる。
【0038】
また、上述した実施形態では外皮材Fを押込み部材30により椀状形成しているが、押込み部材30の代わりに支持部材に吸引手段を設けることで椀状形成することもできる。この場合、外皮材Fは、第二シャッタ2の開口部から吸引手段により引き出されることになる。図28〜図33にその食品成形工程を示す。図28に示すように、エアシリンダ53の進退動作に応じて押え部材50は上下動する。支持部材9は先端に複数の通気孔90を設けた管状部材91で構成され、管状部材91には図示されていない吸排気装置に接続されている。そして、支持部材9は、通気孔90から吸気することで外皮材Fを吸着保持するとともに通気孔90から排気することで吸着保持した外皮材Fを離すようになる。図28では、第一シャッタ1が開いた状態に設定され、第二シャッタ2は閉じた状態に設定されており、第二シャッタ2の上面に内材Gを配置した外皮材Fが供給される。図29では、第二シャッタ2を開いた状態にした後押え部材50が下降して外皮材Fの周縁部を第二シャッタ2の上面に押え付ける。支持部材9が上方に移動して外皮材Fの下面に当接し、通気孔90から吸気することで外皮材Fを吸着保持する。図30では、支持部材9が外皮材Fを吸着保持した状態で下降することで、外皮材Fが第二シャッタ2の開口部から引き出されて椀状に形成される。支持部材9の下方への移動距離は、上述の実施形態と同様に外皮材Fの周縁部の必要量を最適にするために調整することができる。図31では、押え部材50が上昇して退避し、第一シャッタ1が閉動作を開始し、外皮材Fの周縁部を寄せ集める。図32では、第一シャッタ1が閉じた状態になるとともに第二シャッタ2が動作開始してさらに外皮材Fの周縁部を寄せ集めながら封着動作を行う。図33では、第二シャッタ2が閉じた状態になって封着動作が終了するが、第一シャッタが閉じた状態となっているので、第二シャッタ2からの外皮材Fのはみ出しは防止される。そして、第一シャッタ1及び第二シャッタ2の動作タイミングは、上述の実施形態と同様に第一シャッタ1の動作開始後の第二シャッタ2の動作開始タイミングを調整することで外皮材の寄せ集め量を調整することができる。
【0039】
本発明の食品成形装置は、これらの実施形態に限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態では、第一シャッタ1及び第二シャッタ2として、4枚のシャッタ片を用いているが、シャッタ片の枚数は特に限定されることはなく、第一シャッタ及び第二シャッタでシャッタ片の枚数が異なってもよい。さらに、シャッタの形状についても上記実施例のような形状に限定されない。例えば、図34に示すように、シャッタ片101の先細の先端部を一方の先端のみ形成し、回動軸102が1回転する間にシャッタ片102が開閉動作を1回行うようにしてもよい。第一シャッタ1の駆動機構についても、上述した実施形態の回転機構だけではなく、例えば往復揺動機構を用いてもよく、上述したように外皮材の配置から封着までの動作を行うことができる駆動機構であれば、特に限定されない。
【0041】
また、上記実施形態では、第一シャッタ1と第二シャッタ2とは隙間の無いように配設されているが、外皮材の封着動作に支障がなければ、ある程度の隙間は許容される。さらに、上記実施形態では、第一シャッタ1及び第二シャッタ2とも閉じた状態では平面状態になっているが、外皮材を集めることが可能であれば曲面状態になるような各シャッタ片の形状にすることもでき、こうした構成についても種々の変更が可能である。
【0042】
また、上述した実施形態では、設定器に第一シャッタ、第二シャッタ及び支持手段の駆動のための制御データを入力しているが、食品成形装置に搬送されてくる外皮材の形状をビデオカメラで画像認識し、認識された形状から制御データを生成し、その形状に合わせて自動的に設定データを変更すれば、よりきめ細かい調整が自動的に行うことができ、外皮材の封着がより確実に行われるようになる。
【0043】
また、上述した実施形態では、外皮材F及び成形品Hを支持する支持手段として、平板状の支持部材60でベルトコンベヤ63のベルトを上下動させるようにしているが、ベルトコンベヤ63自体を上下動させてもよい。
【0044】
上記実施形態では、第一シャッタ及び第二シャッタは1組だけであるが、図35に示すように複数組設けることも可能である。図35では、第一シャッタ及び第二シャッタを、第一シャッタのシャッタ片103及び第二シャッタのシャッタ片104の組と、第一シャッタのシャッタ片105及び第二シャッタのシャッタ片106の組の2組を並列して配設している。そして、1つのシャッタ片103及び1つのシャッタ片104を共用するようにしており、こうすることで使用するシャッタ片等の部品を減らすことができる。上記実施形態で説明した押込み部材等の外皮材形成手段、押え部材等の保持手段、ホッパ等の内材供給手段、支持部材等の支持手段は、配設する組数に応じて設ければよい。このように複数組の隣接するシャッタ片の駆動軸を共通化していけば、3組以上でも同様に並列配置していくことができ、同時に複数の成形処理が可能となる。したがって、生産効率が大幅にアップするとともに、駆動軸の共通化により装置の構造が単純化でき、さらにコンパクト化も達成できる。
【0045】
上述した従来技術では、押込みによる外皮材の椀状形成から外皮材の封着までの工程をカップを移動しながら行う必要があるが、本発明ではカップを用いていないので、押込みによる外皮材の椀状形成から外皮材の封着まで1箇所で行うことができ、さらに封着された成形品を支持部材からそのまま搬送することができ、製造時間を大幅に短縮できるとともに装置の設置スペースを大幅に縮小することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、上記のような構成を有することで、外皮材で内材を確実に包み込み成形することができるとともに、外皮材の分離による滓の発生を防止できる。すなわち、外皮材及び内材の大きさ、形状及び特性に対応して、第一シャッタ及び第二シャッタの開口領域を適宜設定して両者を協働させて動作させれば、外皮材で内材を確実に包み込み成形ができる。そして、第二シャッタの複数のシャッタ片をそれぞれ駆動軸を中心に同一方向に回転動作させるため、シャッタ片同士を突き合わせることなく外皮材の周縁部を確実に寄せ集めて封着することができ、従来技術のような外皮材の分離による滓の発生も防止できる。すなわち、シャッタ片は、従来技術のように往復揺動するのではなく互いに回転動作して開閉するため、回転して外皮材の封着動作を行った後そのまま回転することで開口することから、シャッタの突き合せによる外皮材のはみ出し及び分離が避けられる。また、第一シャッタの動作開始後に第二シャッタが動作開始することで、外皮材の寄せ集めから封着動作までの一連の動作をスムーズに行うことができる。
【0047】
また、外皮材を椀状に形成することで、第一シャッタ及び第二シャッタの動作を行う際に外皮材の寄せ集めから封着動作を確実に行うことができる。さらに、第二シャッタの開口領域において外皮材の椀状形成を行うと、椀状形成後シャッタ工程を直ちに行うことができ、また、椀状形成のためのスペースも別途設ける必要がなくなる。
【0048】
また、外皮材を椀状に形成する前に、第一シャッタを動作させて、外皮材の位置を調整することで、外皮材を供給した後のシャッタ片上の位置ずれが予め修正され、より確実な成形処理を行うことができる。また、第二シャッタの下方に、外皮材を支持する支持手段を備え、少なくとも前記シャッタ工程の間外皮材を支持することで、シャッタ工程の間外皮材をより安定した状態に保つことができ、さらに、第二シャッタと支持部材との間の間隔を調整する支持間隔調整手段とを備えるようにして、第二シャッタと支持部材との間の間隔を適宜調整して成形すれば、外皮材及び内材の大きさ及び特性に臨機応変に対応することができる。また、第一シャッタ及び第二シャッタを一組として複数組備えるようにしてもよい。こうすることで、成形処理を同時に行うことができるようになり、生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品成形装置の部分断面正面図である。
【図2】同装置の第一シャッタ及び第二シャッタを示す概略平面図である。
【図3】同装置の第一シャッタの回転動作を示す概略平面図である。
【図4】同装置の第一シャッタの駆動機構を示す概略平面図である。
【図5】同装置の第二シャッタの駆動機構を示す概略平面図である。
【図6】同装置の各制御手段を説明する概略ブロック図である。
【図7】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図8】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図9】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図10】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図11】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図12】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図13】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図14】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図15】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図16】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図17】本発明に係る食品成形装置による別の食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図18】本発明に係る食品成形装置による別の食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図19】受け部材を備えた食品成形装置のシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図20】受け部材を備えた食品成形装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図21】外皮材を部分的に保持する場合の説明図である。
【図22】保持手段を省略した食品成形装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図23】同装置による別の食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図24】本発明に係る食品成形装置による別の食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図25】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図26】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図27】同装置による食品成形工程において整形された成形品の斜視図である。
【図28】吸引手段を備えた食品成形装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図29】同装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図30】同装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図31】同装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図32】同装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図33】同装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図34】シャッタに関する変形例を示す概略平面図である。
【図35】第一及び第二シャッタを複数組設けた変形例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
F 外皮材
G 内材
H 成形品
1 第一シャッタ
10 第一シャッタのシャッタ片
11 駆動軸
12 スプロケット
13 チェーン
14 駆動スプロケット
15 テンションスプロケット
16 モータ
17 モータ制御装置
18 検出器
2 第二シャッタ
20 第二シャッタのシャッタ片
21 駆動中空軸
22 スプロケット
23 チェーン
24 駆動スプロケット
25 テンションスプロケット
26 モータ
27 モータ制御装置
28 検出器
3 外皮材形成手段
30 押込み部材
31 ステー
32 送りねじ機構
33 モータ
40 弁
41 ロッド
42 エアシリンダ
43 供給パイプ
44 ポンプ
45 ホッパ
5 保持手段
50 押え部材
51 支持ロッド
52 ステー
53 エアシリンダ
6 支持手段
60 支持部材
61 支持ロッド
62 ラック−ピニオン機構
63 ベルト
64 モータ
65 モータ制御装置
66 検出器
70 設定器
71 検出器
72 センサ
80 薄板(受け部材)
9 支持部材
90 通気孔
91 管状部材
101 変形例のシャッタ片
102 変形例の駆動軸
103 変形例の第一シャッタ
104 変形例の第二シャッタ
105 変形例の第一シャッタ
106 変形例の第二シャッタ

Claims (13)

  1. 複数のシャッタ片から成る第一シャッタと、第一シャッタの下方に配設され、かつ、複数のシャッタ片から成る第二シャッタと、内材がシート状外皮材に配置された状態で前記第一シャッタを動作させる第一シャッタ制御手段と、前記外皮材で前記内材を包み込む際に前記第二シャッタを構成する複数のシャッタ片をそれぞれ駆動軸を中心に同一方向に回転させて前記第二シャッタを開閉させる第二シャッタ制御手段とを備えたことを特徴とする食品成形装置。
  2. 前記第二シャッタ制御手段は、前記第一シャッタの動作開始後に前記第二シャッタの動作開始タイミングを制御するとともに前記外皮材の周縁部を封着するように前記第二シャッタを動作させることを特徴とする請求項1に記載の食品成形装置。
  3. 前記第二シャッタの下方に、前記外皮材を支持する支持手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の食品成形装置。
  4. 前記支持手段は、前記第二シャッタの下方に配設され、かつ前記外皮材を支持する支持部材と、前記第二シャッタと前記支持部材との間の間隔を調整する支持間隔調整手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の食品成形装置。
  5. 前記外皮材を椀状に形成する外皮材形成手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の食品成形装置。
  6. 前記外皮材形成手段は、前記外皮材を前記第二シャッタの開口領域に押し込む押込み手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の食品成形装置。
  7. 前記押込み手段は、前記内材を供給する内材供給手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の食品成形装置。
  8. 前記外皮材形成手段は、前記外皮材を前記第二シャッタの開口領域で吸引する吸引手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の食品成形装置。
  9. 前記第二シャッタの開口領域において開口部を有する受け部材を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の食品成形装置。
  10. 前記外皮材の縁部を前記第二シャッタのシャッタ片上に保持する保持手段を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の食品成形装置。
  11. 前記外皮材の縁部を前記受け部材に保持する保持手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の食品成形装置。
  12. 前記保持手段は、前記外皮材の縁部を部分的に保持するための突出部を備えたことを特徴とする請求項10又は11に記載の食品成形装置。
  13. 前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを一組として複数組備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の食品成形装置。
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