JP3587336B2 - ビスカスヒータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性流体をせん断により発熱させ、放熱室内を循環する循環流体に熱交換して暖房熱源に利用するビスカスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平2−246823号公報に車両用暖房装置に利用されるビスカスヒータが開示されている。このビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対設された状態で通しボルトにより締結され、内部に発熱室と、この発熱室の外域にウォータジャケットとを形成している。ウォータジャケット内では循環水が入水ポートから取り入れられ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく循環されている。前部ハウジングには軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能なロータが固定されている。発熱室の壁面とロータの外面とは互いに近接するラビリンス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータの外面との間隙にはシリコーンオイル等の粘性流体が介在される。
【0003】
車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカスヒータでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱はウォータジャケット内の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ビスカスヒータにおいては、ロータの外周域と内周域とを比較した場合、外周域の方が軸心からの距離が大きいことから周回速度が大きく、このため、ロータの外周域の方が粘性流体の発熱に大きく貢献する。したがって、とくに寒冷地域でビスカスヒータを利用する場合や、ロータの低速回転域での利用態様が多い場合などにおいては、粘性流体の発熱に貢献しやすいロータの外周域に粘性流体を強制的に移動させうるビスカスヒータが望まれる。
【0005】
一方、ロータが高速回転になると粘性流体の発熱量が過剰になるため、粘性流体が熱劣化しやすくなる。したがって、とくに温暖地域でビスカスヒータを利用する場合や、ロータの高速回転域での利用態様が多い場合などにおいては、粘性流体の発熱に貢献しにくいロータの内周域に粘性流体を強制的に移動させうるビスカスヒータが望まれる。
【0006】
しかし、上記従来のビスカスヒータでは、発熱室内において粘性流体を特定方向に強制的に移動させるような手段を講じていないため、上記要望に応えることができかった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ビスカスヒータが利用される環境や態様等に応じて、発熱室内において粘性流体を特定方向に強制的に移動せしめることにより発熱性能が調整されたビスカスヒータを提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1のビスカスヒータは、内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータにおいて、
前記ロータ及び前記発熱室の壁面の少なくとも一方は、該ロータの回動により前記粘性流体を前記発熱室内において特定方向に移動せしめる移送手段を有し、
前記移送手段は、内周域の粘性流体を外周域に供給する積極供給手段であることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、駆動軸とともにロータが回動されると、移送手段により、粘性流体が発熱室内において特定方向に移動される。したがって、移送手段による粘性流体の移動方向の設定の仕方如何によって、発熱性能を向上又は低下せしめる位置に粘性流体が集まるように、発熱室内での粘性流体の流動を制御することができる。
また、移送手段により粘性流体の流動が生じれば、その結果として発熱室内での粘性流体の循環性が向上する。ここで、発熱室内における粘性流体の温度は内周域よりも外周域の方が高く、外周域にある粘性流体は高温により劣化し易い。発熱室内での粘性流体の循環性が向上すれば、高温の粘性流体と低温の粘性流体とが混ざり合うことにより粘性流体の温度が発熱室内で均一化し易くなる。このため、外周域にある高温の粘性流体が過度に加熱されることにより熱劣化することを抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
そして、このビスカスヒータでは、移送手段たる積極供給手段により、内周域の粘性流体が外周域に供給されるので、発熱性能の向上に大きく貢献するロータの外周域により多くの粘性流体を集めることができ、ビスカスヒータの発熱量を効果的に向上させることが可能である。
また、積極供給手段により内周域の粘性流体が外周域に供給されて外周域の圧力が上昇すれば、その圧力上昇により外周域にある粘性流体が圧力の低い内周側に流動しようとする。その結果、発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができる。したがって、外周域にある高温の粘性流体が過度に加熱されることにより熱劣化することを抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0008】
このビスカスヒータでは、駆動軸とともにロータが回動されると、移送手段により、粘性流体が発熱室内において特定方向に移動される。したがって、移送手段による粘性流体の移動方向の設定の仕方如何によって、発熱性能を向上又は低下せしめる位置に粘性流体が集まるように、発熱室内での粘性流体の流動を制御することができる。
【0009】
また、移送手段により粘性流体の流動が生じれば、その結果として発熱室内での粘性流体の循環性が向上する。ここで、発熱室内における粘性流体の温度は内周域よりも外周域の方が高く、外周域にある粘性流体は高温により劣化し易い。発熱室内での粘性流体の循環性が向上すれば、高温の粘性流体と低温の粘性流体とが混ざり合うことにより粘性流体の温度が発熱室内で均一化し易くなる。このため、外周域にある高温の粘性流体が過度に加熱されることにより熱劣化することを抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0012】
(2)請求項2記載のビスカスヒータは、請求項1記載のビスカスヒータにおいて、積極供給手段は、ロータの前後端面の少なくとも一方に形成され、径方向に対して該ロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、ロータが回動されると、径方向に対してロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲するようにロータの前後端面に形成された凸条又は凹条が、粘性流体を外周側に押し込むため、内周域の粘性流体を外周域に効果的に供給することができ、発熱性能の向上に大きく貢献するロータの外周域により多くの粘性流体を集めてビスカスヒータの発熱量を効果的に向上させることが可能である。
【0013】
また、径方向に対してロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲するように形成された凸条又は凹条は、粘性流体における分子の拘束作用を助長させるため、ロータの回動に追従して主に円周方向に流動する粘性流体に対してさらに一層、せん断力を与えることができる。このため、粘性流体の発熱量をより効果的に向上させることが可能となる。
【0014】
さらに、上記積極供給手段が凹条である場合には、粘性流体中に混入している気体(又は気泡)が凹条内に集められるので、ロータの外面とハウジングの壁面との所定間隙(該凹条以外の部分の間隙)、すなわち発熱有効領域に気体がほとんど存在しなくなる。このため、より効率的に粘性流体にせん断力を与えることが可能となる。
【0015】
加えて、ロータの前後端面の少なくとも一方に形成された凸条又は凹条により、凸条又は凹条が形成されたロータの前後端面近傍の粘性流体は内周域から外周域に流動し、発熱室の前後壁面近傍の粘性流体は外周域の圧力上昇により外周域から内周域に流動しようとするため、その結果発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0016】
(3)請求項3記載のビスカスヒータは、請求項2記載のビスカスヒータにおいて、凸条又は凹条は、一端がロータの外周端まで延在していることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、一端がロータの外周端まで延在する凸条又は凹条により、内周域の粘性流体をロータの外周端まで確実に送り込むことができるので、内周域の粘性流体をより効果的に外周域に供給することができる。したがって、ビスカスヒータの発熱量及び粘性流体の耐久性を効果的に向上させることが可能である。
【0017】
(4)請求項4記載のビスカスヒータは、請求項1乃至3記載のビスカスヒータにおいて、積極供給手段は、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成され、径方向に対してロータの回動方向側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、ロータが回動されると、ロータの回動に追従回動してロータの回動方向に流動する粘性流体が、径方向に対してロータの回動方向側に傾斜又は湾曲するように発熱室の前後壁面に形成された凸条又は凹条により、外周側に押しやられるため、内周域の粘性流体を外周域に効果的に供給することができる。
【0018】
なお、この発熱室の前後壁面に形成された凸条又は凹条も、ロータに形成された凸条又は凹条と同様、粘性流体のせん断力を効果的に向上させることができる。
また、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成された凸条又は凹条により、凸条又は凹条が形成された発熱室の前後壁面近傍の粘性流体は内周域から外周域に流動し、ロータの前後端面近傍の粘性流体は外周域の圧力上昇により外周域から内周域に流動しようとするため、その結果発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0019】
加えて、このビスカスヒータでは、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成された凸条又は凹条が、発熱室から放熱室への伝熱性を向上させる熱伝達向上手段として機能しうる。すなわち、発熱室の壁面においては、凸条又は凹条の側面積の分だけ伝熱面積が増大しており、その増大分だけ粘性流体から発熱室壁面へ熱伝達される熱流量が増大する。このため、発熱室から放熱室への伝熱量を増大させることができる。したがって、発熱室及び放熱室間において、より効果的に熱交換させることが可能となる。また、発熱室においては、放熱室への伝熱性が向上した分だけ熱がこもることを抑えることができるので、粘性流体の温度が過度に上昇することによる粘性流体の劣化を抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0020】
(5)請求項5記載のビスカスヒータは、請求項2乃至4記載のビスカスヒータにおいて、凸条又は凹条は渦巻き状に形成されていることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、渦巻き状に形成された凸条又は凹条により、内周域の粘性流体を外周域により効果的に供給することができる。
(6)請求項6記載のビスカスヒータは、請求項2乃至5記載のビスカスヒータにおいて、凹条は、ロータの端面と発熱室の壁面との間隙の大きさよりも深い最深底部を少なくとも一部に有していることを特徴とする。
【0021】
このビスカスヒータでは、粘性流体が凹条内に導入されやすくなるため、内周域の粘性流体を外周域により効果的に供給することができる。また、凹条の深さがある一定以上の深さになると、ワイセンベルク効果よりも遠心力が大きく働くことになるため、凹条内に存在する粘性流体をさらに一層、外周域に供給しやすくなる。
【0022】
(7)請求項7記載のビスカスヒータは、請求項2乃至6記載のビスカスヒータにおいて、凹条は、外周に向かって浅くなる傾斜底部を少なくとも外周側に有していることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、凹条内に導入された粘性流体が外周に向かって浅くなる傾斜底部に案内されて外周側に導かれやすくなるため、内周域の粘性流体を外周域により効果的に供給することができる。
【0023】
(8)請求項8記載のビスカスヒータは、請求項2乃至7記載のビスカスヒータにおいて、凸条又は凹条は角張った凸状角部を有していることを特徴とする。 このビスカスヒータでは、凸条又は凹条の角張った凸状角部により、粘性流体をより効果的にせん断することができる。また、凹条がこの凸状角部を有している場合は、一旦凹条内に集まった気体が外に逃げにくくなり、凹条の気体貯溜能力を高めて、粘性流体に効果的にせん断力を与えることができる。
(9)請求項9記載のビスカスヒータは、請求項1乃至8記載のビスカスヒータにおいて、ロータ及び発熱室の壁面の少なくとも一方には放射溝が形成されていることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、ロータの回動により主に円周方向に流れる粘性流体に対して、該粘性流体の流れ方向に対して略垂直に交差する放射溝により効果的にせん断力を与えることができ、粘性流体の発熱量をより効果的に向上させることができる。
(10)請求項10記載のビスカスヒータは、請求項1乃至9記載のビスカスヒータにおいて、ハウジングには、発熱室と回収通路及び供給通路により連通され、該発熱室の壁面とロータの外面との間隙の容積を超える粘性流体を収容可能な貯留室が配設されていることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、貯留室が間隙の容積を超える粘性流体を収容可能であるため、粘性流体の厳しい収容量管理が不要となる。そして、貯留室を発熱室の中央域と連通させた場合には、ワイセンベルク効果及び気体の移動により発熱室の中央域に集められた粘性流体を、回収通路を介して発熱室から貯留室内に回収可能であるとともに、粘性流体を供給通路により貯留室から発熱室内に供給可能である。こうして、このビスカスヒータでは、発熱室と貯留室との間で粘性流体を入れ換えつつ、十分な発熱量を発揮するために必要な粘性流体の収容量を確保することができる。また、貯留室の存在により粘性流体の収容割合を低下させることができるので、粘性流体の収容割合の増大に伴う内圧上昇により軸封装置の軸封能力が低下することを防止することができる。
また、移送手段により粘性流体を特定の方向に移動できるため、貯留室と繋がる回収及び供給通路の位置に自由度が生まれる。この自由度は、搭載スペース及び体格が限定され得る車両用補助ヒータに大きく貢献する。
また、このビスカスヒータでは、貯留室内に間隙の容積を超える粘性流体を収納可能であることから、せん断される粘性流体の量に余裕を生じ、特定の粘性流体のみを常にせん断することにならないため、粘性流体の劣化遅延を図ることが可能になる。
【0024】
(11)請求項11記載のビスカスヒータは、内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータにおいて、
前記ロータ及び前記発熱室の壁面の少なくとも一方は、該ロータの回動により前記粘性流体を前記発熱室内において特定方向に移動せしめる移送手段を有し、
前記移送手段は、外周域の粘性流体を内周域に供給する消極供給手段であることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、移送手段たる消極供給手段により、外周域の粘性流体が内周域に供給されるので、発熱性能の向上に貢献しにくいロータの内周域により多くの粘性流体を集めることができ、粘性流体の過剰発熱を効果的に抑えることができる。
【0025】
また、消極供給手段により外周域の粘性流体が内周域に供給されて内周域の圧力が上昇すれば、その圧力上昇により内周域にある粘性流体が圧力の低い外周側に流動しようとする。その結果、発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により、外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができる。したがって、外周域にある高温の粘性流体が過度に加熱されることにより熱劣化することを抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0026】
(12)請求項12記載のビスカスヒータは、請求項11記載のビスカスヒータにおいて、消極供給手段は、ロータの前後端面の少なくとも一方に形成され、径方向に対して該ロータの回動方向側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、ロータが回動されると、径方向に対してロータの回動方向側に傾斜又は湾曲するようにロータの前後端面に形成された凸条又は凹条が、粘性流体を内周側に押し込むため、外周域の粘性流体を内周域に効果的に供給することができる。
【0027】
また、径方向に対してロータの回動方向側に傾斜又は湾曲するように形成された凸条又は凹条は、粘性流体における分子の拘束作用を助長させるため、ロータの回動に追従して主に円周方向に流動する粘性流体に対してさらに一層、せん断力を与えることができる。このため、粘性流体の発熱量をより効果的に向上させることが可能となる。
【0028】
加えて、ロータの前後端面の少なくとも一方に形成された凸条又は凹条により、凸条又は凹条が形成されたロータの前後端面近傍の粘性流体は外周域から内周域に流動し、発熱室の前後壁面近傍の粘性流体は内周域の圧力上昇により内周域から外周域に流動しようとするため、その結果発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0029】
(13)請求項13記載のビスカスヒータは、請求項11又は12記載のビスカスヒータにおいて、消極供給手段は、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成され、径方向に対してロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、ロータが回動されると、ロータの回動に追従回動してロータの回動方向に流動する粘性流体が、径方向に対してロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲するようにハウジングの前後壁面に形成された凸条又は凹条により、内周側に押し込められるため、外周域の粘性流体を内周域に効果的に供給することができる。
【0030】
また、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成された凸条又は凹条により、凸条又は凹条が形成された発熱室の前後壁面近傍の粘性流体は外周域から内周域に流動し、ロータの前後端面近傍の粘性流体は内周域の圧力上昇により内周域から外周域に流動しようとするため、その結果発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0031】
さらに、このビスカスヒータでは、請求項4記載のビスカスヒータと同様に、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成された凸条又は凹条が、発熱室から放熱室への伝熱性を向上させる熱伝達向上手段として機能しうる。このため、発熱室から放熱室への伝熱量を増大させることができ、発熱室及び放熱室間において、より効果的に熱交換させることが可能となる。また、発熱室においては、放熱室への伝熱性が向上した分だけ熱がこもることを抑えることができので、粘性流体の温度が過度に上昇することによる粘性流体の劣化を抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0032】
(14)請求項14記載のビスカスヒータは、請求項12又は13記載のビスカスヒータにおいて、凸条又は凹条は渦巻き状に形成されていることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、渦巻き状に形成された凸条又は凹条により、外周域の粘性流体を内周域により効果的に供給することができる。
【0033】
(15)請求項15記載のビスカスヒータは、請求項12乃至14記載のビスカスヒータにおいて、凹条は、ロータの端面と発熱室の壁面との間隙の大きさよりも深い最深底部を少なくとも一部に有していることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、粘性流体が凹条内に導入されやすくなるため、外周域の粘性流体を内周域により効果的に供給することができる。
【0034】
(16)請求項16記載のビスカスヒータは、請求項12乃至15記載のビスカスヒータにおいて、凹条は、内周に向かって浅くなる傾斜底部を少なくとも内周側に有していることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、凹条内に導入された粘性流体が内周に向かって浅くなる傾斜底部に案内されて内周側に導かれやすくなるため、外周域の粘性流体を内周域により効果的に供給することができる。
【0035】
(17)請求項17記載のビスカスヒータは、請求項11乃至16記載のビスカスヒータにおいて、ロータ及び発熱室の壁面の少なくとも一方には放射溝が形成されていることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、ロータの回動により主に円周方向に流れる粘性流体に対して、該粘性流体の流れ方向に対して略垂直に交差する放射溝により効果的にせん断力を与えることができ、粘性流体の発熱量をより効果的に向上させることができる。
【0036】
(18)請求項18記載のビスカスヒータは、請求項11乃至17記載のビスカスヒータにおいて、ハウジングには、発熱室と回収通路及び供給通路により連通され、該発熱室の壁面とロータの外面との間隙の容積を超える粘性流体を収容可能な貯留室が配設されていることを特徴とする。
このビスカスヒータでは、貯留室が間隙の容積を超える粘性流体を収容可能であるため、粘性流体の厳しい収容量管理が不要となる。そして、貯留室を発熱室の中央域と連通させた場合には、ワイセンベルク効果及び気体の移動により、さらには消極供給手段により発熱室の中央域に集められた粘性流体を、回収通路を介して発熱室から貯留室内に回収可能であるとともに、粘性流体を供給通路により貯留室から発熱室内に供給可能である。こうして、このビスカスヒータでは、発熱室と貯留室との間で粘性流体を入れ換えつつ、十分な発熱量を発揮するために必要な粘性流体の収容量を確保することができる。また、貯留室の存在により粘性流体の収容割合を低下させることができるので、粘性流体の収容割合の増大に伴う内圧上昇により軸封装置の軸封能力が低下することを防止することができる。
【0037】
また、移送手段により粘性流体を特定の方向に移動できるため、貯留室と繋がる回収及び供給通路の位置に自由度が生まれる。この自由度は、搭載スペース及び体格が限定され得る車両用補助ヒータに大きく貢献する。
また、このビスカスヒータでは、貯留室内に間隙の容積を超える粘性流体を収納可能であることから、せん断される粘性流体の量に余裕を生じ、特定の粘性流体のみを常にせん断することにならないため、粘性流体の劣化遅延を図ることが可能になる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、各請求項記載の発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
このビスカスヒータでは、図1に示すように、製造を容易にするため、前部ハウジング本体1、前部プレート2、後部プレート3及び後部ハウジング本体4が前部ハウジング本体1と前部プレート2との間及び後部プレート3と後部ハウジング本体4との間にガスケット5、6を介し、各々積層された状態で複数本の通しボルト7により締結されている。ここで、前部ハウジング本体1及び前部プレート2が前部ハウジングを構成し、後部プレート3及び後部ハウジング本体4が後部ハウジングを構成している。そして、前部プレート2の後端面に底面が平坦に凹設された抉部2aは後部プレート3の平坦な前端面3aとともに閉塞状態に保持された断面円形状の発熱室8を形成している。ここに、前部プレート2の後端面の抉部2a及び後部プレート3の前端面3aが発熱室8の前後壁面を構成する。
【0039】
また、前部ハウジング本体1の内面と前部プレート2の前端面とが発熱室8の前部に隣接する前部放熱室としての前部ウォータジャケットFWを形成し、後部プレート3の後端面と後部ハウジング本体4の内面とが発熱室8の後部に隣接する後部放熱室としての後部ウォータジャケットRWを形成している。
後部ハウジング本体4の後面の外域には入水ポート9及び図示しない出水ポートが隣接して形成され、入水ポート9と出水ポートとは後部ウォータジャケットRWに連通されている。後部プレート3及び前部プレート2には、各通しボルト7間で等間隔に複数の流体路としての水路10が貫設され、前部ウォータジャケットFWと後部ウォータジャケットRWとは水路10により連通されている。
【0040】
また、前部プレート2のボス2b内には発熱室8に隣接して軸封装置12が設けられ、前部ハウジング本体1のボス1a内には軸受装置13が設けられている。これら軸封装置12及び軸受装置13を介して駆動軸14が回動可能に支承され、駆動軸14の後端には、図2に示すように、軸長より駆動軸14の軸心からの半径の長い前後端面を有する平円板形状のロータ15が圧入され、このロータ15は発熱室8内で回動可能になされている。なお、ロータ15の外径は発熱室8の内径よりも若干小さくされている。また、ロータ15の前後端面15a、15bと発熱室8の前後壁面との間隙はそれぞれ約0.2mmとされている。そして、発熱室8の壁面とロータ15の外面との間隙には、粘性流体としてのシリコーンオイルが介在されている。また、駆動軸14の先端には図示しないプーリ又は電磁クラッチが設けられ、車両のエンジンによりベルトで回転されるようになっている。
【0041】
さて、本実施形態のビスカスヒータでは、図2に示すように、発熱室8を区画する後部プレート3の前端面3aには、放射状に延在する9本の放射溝(せん断向上手段)16が周方向に等間隔で形成されている。この放射溝16は、図3の部分断面図に示すように、角張った凸状角部16aを有している。また、後部プレート3の前端面3aには、ロータ15の径方向に対してロータ15の回動方向(図2のP矢印方向)側に傾斜して形成された1本の斜め溝(凹条)17が形成されている。この斜め溝17は、図4及び図5の部分断面図に示すように、角張った凸状角部17aと、内周側に設けられた深さ2mmの最深底部17bと、外周側に設けられ外周に向かうに連れて深さが徐々に浅くなる傾斜底部17cとを有している。斜め溝17の径方向に対する傾斜角度は30度である。なお、発熱室8を区画する前部プレート2の抉部2aの後端面にも、9本の放射溝16と1本の斜め溝17とが同様に形成されている。また、これらの斜め溝17は、ロータ15の回動により内周域の粘性流体を外周域に供給する移送手段たる積極供給手段として機能する。
【0042】
車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカスヒータでは、駆動軸14がプーリ等を介してエンジンにより駆動されれば、発熱室8内でロータ15が回動するため、シリコーンオイルが発熱室8の壁面とロータ15の外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱は後部ウォータジャケットRW及び前部ウォータジャケットFW内の循環流体としての循環水に充分に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供されることとなる。
【0043】
このビスカスヒータでは、ロータ15が回動されると、ロータ15の回動に追従回動してロータ15の回動方向に流動する粘性流体が、径方向に対してロータ15の回動方向側に傾斜するように発熱室8の前後壁面(前部プレート2の抉部2aの後端面及び後部プレート3の前端面3a、以下同様)にそれぞれ形成された斜め溝17により、外周側に押しやられるため、内周域の粘性流体を外周域に効果的に供給することができる。とくに、この斜め溝17は、ロータ15の前後端面15a、15bと発熱室8の前後壁面との間隙の大きさよりも深い最深底部17bを有していることから、粘性流体が斜め溝17内に導入されやすいとともに、外周側に外周に向かうに連れて徐々に浅くなる傾斜底部17cを有していることから、斜め溝17内に導入された粘性流体が傾斜底部17cに案内されて外周側に導かれやすくなるため、内周域の粘性流体を外周域により効果的に供給することができる。
【0044】
一方、上記放射溝16及び斜め溝17は、ロータ15の回動に追従して主に円周方向に流動する粘性流体に対して効果的にせん断力を与えることができる。また、粘性流体中に混入している気体が放射溝16及び斜め溝17内に集められるので、発熱有効領域であるロータ15の前後端面15a、15bと発熱室8の前後壁面との所定間隙(放射溝16及び斜め溝17以外の部分の間隙)に気体がほとんど存在しなくなる。さらに、放射溝16及び斜め溝17は角張った凸状角部16a及び17aをそれぞれ有しているので、放射溝16及び斜め溝17の角部が面取りされて丸まっている場合と比較して、粘性流体の分子の拘束作用を助長させることが可能となり、より効果的に粘性流体にせん断力を与えることができる。また、放射溝16及び斜め溝17内に集まった気体が外に逃げにくくなるので、放射溝16及び斜め溝17の気体貯溜能力が高まる。このように、このビスカスヒータでは、粘性流体にきわめて効果的にせん断力を与えることができる。
【0045】
したがって、このビスカスヒータでは、粘性流体の発熱量をきわめて効果的に向上させることが可能となる。
また、発熱室8の前後壁面に形成された斜め溝17により、発熱室8の前後壁面近傍の粘性流体は内周域から外周域に流動し、ロータ15の前後端面15a、15b近傍の粘性流体は外周域の圧力上昇により外周域から内周域に流動しようとするため、その結果発熱室8内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0046】
加えて、このビスカスヒータでは、発熱室8の前後壁面に形成された放射溝16及び斜め溝17が、発熱室8から放熱室FW、RWへの伝熱性を向上させる熱伝達向上手段として機能しうる。すなわち、発熱室8の壁面においては、放射溝16及び斜め溝17の側面積の分だけ伝熱面積が増大しており、その増大分だけ粘性流体から発熱室8の壁面へ熱伝達される熱流量が増大する。このため、発熱室8から放熱室FW、RWへの伝熱量を増大させることができる。したがって、発熱室8及び放熱室FW、RW間において、より効果的に熱交換させることが可能となる。また、発熱室8においては、放熱室FW、RWへの伝熱性が向上した分だけ熱がこもることを抑えることができので、粘性流体の温度が過度に上昇することによる粘性流体の劣化を抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0047】
(実施形態2)
本実施形態のビスカスヒータは、図6に示すように、後部プレート3の前端面3aに、9本の上記斜め溝17を形成したものである。なお、前部プレート2の抉部2aの後端面にも9本の斜め溝17が同様に形成されている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0048】
したがって、このビスカスヒータでは、9本の斜め溝17により、さらに効果的に粘性流体を内周域から外周域に供給することができ、粘性流体の発熱量をさらに向上させるとともに、発熱室8の半径方向における粘性流体の循環性の向上により粘性流体の耐久性をさらに向上させることが可能となる。
(実施形態3)
本実施形態のビスカスヒータは、図7に示すように、後部プレート3の前端面3aに渦巻き溝(スパイラル溝)18を形成したものである。なお、前部プレート2の抉部2aの後端面にも渦巻き溝(スパイラル溝)18が同様に形成されている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。この渦巻き溝18は、中心から外周に向かってロータ15の回動方向と同一方向に渦が巻くように形成されている。すなわち、渦巻き溝18は、径方向に対してロータ15の回動方向側に湾曲して形成され、内周域の粘性流体を外周域に供給する移送手段たる積極供給手段(凹条)として機能する。
【0049】
したがって、このビスカスヒータでは、渦巻き溝18により、さらに円滑に粘性流体を内周域から外周域に供給することができ、粘性流体の発熱量を迅速に向上させるとともに、発熱室8の半径方向における粘性流体の循環性の向上により粘性流体の耐久性をさらに向上させることが可能となる。
(実施形態4)
本実施形態のビスカスヒータは、図8に示すように、ロータ15の前後端面15a及び15bに、6本の放射溝16及び1本の上記斜め溝17をそれぞれ形成したものである。なお、この斜め溝17は、径方向に対してロータ15の回動方向の逆側に傾斜して形成されている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0050】
したがって、このビスカスヒータでは、ロータ15の前後端面15a、15bにも斜め溝17がそれぞれ形成されていることから、さらに効果的に粘性流体を内周域から外周域に供給することができる。また、ロータ15の前後端面15a、15bにも放射溝16がそれぞれ形成されていることから、さらに効果的に粘性流体にせん断を与えることができる。したがって、このビスカスヒータでは、粘性流体の発熱量をさらに向上させることが可能となる。
【0051】
なお、発熱室8の前後壁面には9本の放射溝16がそれぞれ形成され、一方ロータ15の前後端面15a、15bには6本の放射溝16がそれぞれ形成されていることから、発熱室8の前後壁面にそれぞれ形成された放射溝16の周方向の間隔と、ロータ15の前後端面15a、15bにそれぞれ形成された放射溝16の周方向の間隔とが互いに異なっている。このため、ロータ15の回動中に、発熱室の前後壁面に形成された9本の放射溝16とロータ15の前後端面15a、15bに形成された6本の放射溝16とが全て同時に相互に対向することはなく、トルク変動に基づく振動や騒音の発生を抑制することができる。
【0052】
(実施形態5)
本実施形態のビスカスヒータは、図9に示すように、ロータ15の前後端面15a及び15bに9本の傾斜凸条19をそれぞれ形成したものである。この傾斜凸条19は、径方向に対してロータ15の回動方向の逆側に傾斜して形成されており、内周域の粘性流体を外周域に供給する移送手段たる積極供給手段(凸条)として機能する。また、傾斜凸条19は、図10の部分断面図に示すように、角張った凸状角部19aを有しており、粘性流体の分子を拘束する作用を助長させることにより、粘性流体に効果的にせん断力を与えることができる。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0053】
したがって、このビスカスヒータにおいても、粘性流体を内周域から外周域に効果的に供給することができるとともに、粘性流体に効果的にせん断力を与えることができ、粘性流体の発熱量をさらに向上させることが可能となる。
(実施形態6)
本実施形態のビスカスヒータは、図11に示すように、後部ハウジング本体4の中央域には貯留室SRが形成されている。また、後部プレート3には、中央域の上方の位置に回収通路としての回収孔3cが貫設されている。さらに、後部プレート3には、中央域の下方の位置に回収孔3cより連通面積の大きな供給通路としての供給孔3eが貫設されている。
【0054】
そして、後部プレート3の前端面3aには、図12に示すように、ロータ15の径方向に対してロータ15の回動方向(図12のP矢印方向)の逆側に傾斜して形成された9本の斜め溝(凹条)20が形成されている。この斜め溝20は、図13び図14の部分断面図に示すように、角張った凸状角部20aと、外周側に設けられた深さ2mmの最深底部20bと、内周側に設けられ内周に向かうに連れて深さが徐々に浅くなる傾斜底部20cとを有している。斜め溝20の径方向に対する傾斜角度は30度である。なお、発熱室8を区画する前部プレート2の抉部2aの後端面にも、9本の斜め溝20が同様に形成されている。また、これらの斜め溝20は、ロータ15の回動により外周域の粘性流体を内周域に供給する移送手段たる消極供給手段として機能する。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0055】
このビスカスヒータでは、ロータ15の低速回転時には、傾斜溝20による粘性流体の移送効果が小さく、粘性流体は外周付近まで供給されて高トルク、高発熱で運転される。そして、ロータ15が高速回転になると、ワイセンベルク効果とともに、径方向に対してロータ15の回動方向の逆側に傾斜するように発熱室8の前後壁面にそれぞれ形成された斜め溝20が、粘性流体を内周側に押し込むため、外周域の粘性流体を内周域に効果的に供給することができる。とくに、この斜め溝20は、ロータ15の前後端面15a、15bと発熱室8の前後壁面との間隙の大きさよりも深い最深底部20bを有していることから、粘性流体が斜め溝20内に導入されやすいとともに、内周に向かうに連れて徐々に浅くなる傾斜底部20cを内周側に有していることから、斜め溝20内に導入された粘性流体が傾斜底部20cに案内されて内周側に導かれやすくなるため、外周域の粘性流体を内周域により効果的に供給することができる。
【0056】
したがって、ロータ15が高速回転になった場合でも、発熱性能の向上に貢献しにくいロータ15の内周域により多くの粘性流体を集めることができ、摩擦トルクの低下により、粘性流体の過剰発熱、ひいては粘性流体の熱劣化を効果的に抑えることができる。
また、このビスカスヒータでは、貯留室SRが間隙の容積を超える粘性流体を収容可能であるため、粘性流体の厳しい収容量管理が不要となる。そして、貯留室SRを発熱室8の中央域と連通させているため、ワイセンベルク効果及び気体の移動により、さらには上記斜め溝20により発熱室8の中央域に集められた粘性流体を、回収通路3cを介して発熱室8から貯留室SR内に回収可能であるとともに、粘性流体を供給通路3eにより貯留室SRから発熱室8内に供給可能である。こうして、このビスカスヒータでは、発熱室8と貯留室SRとの間で粘性流体を入れ換えつつ、十分な発熱量を発揮するために必要な粘性流体の収容量を確保できるとともに、粘性流体の収容割合の増大に伴って軸封装置12の軸封能力が低下することを防止できる。
【0057】
さらに、このビスカスヒータでは、貯留室SR内に間隙の容積を超える粘性流体を収納可能であることから、せん断される粘性流体の量に余裕を生じ、特定の粘性流体のみを常にせん断することにならないため、粘性流体の劣化遅延を図ることが可能になる。
また、発熱室8の前後壁面に形成された斜め溝20により、発熱室8の前後壁面近傍の粘性流体は外周域から内周域に流動し、ロータ15の前後端面15a、15b近傍の粘性流体は内周域の圧力上昇により内周域から外周域に流動しようとするため、その結果発熱室8内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0058】
加えて、このビスカスヒータでは、発熱室8の前後壁面に形成された斜め溝20が、発熱室8から放熱室FW、RWへの伝熱性を向上させる熱伝達向上手段として機能しうるため、発熱室8から放熱室FW、RWへの伝熱量を増大させることができる。したがって、発熱室8及び放熱室FW、RW間において、より効果的に熱交換させることが可能となる。また、発熱室8においては、放熱室FW、RWへの伝熱性が向上した分だけ熱がこもることを抑えることができので、粘性流体の温度が過度に上昇することによる粘性流体の劣化を抑えることができ、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0059】
(実施形態7)
本実施形態のビスカスヒータは、図15に示すように、後部プレート3の前端面3aに渦巻き溝(スパイラル溝)21を形成したものである。なお、前部プレート2の抉部2aの後端面にも渦巻き溝(スパイラル溝)21が同様に形成されている。その他の構成は上記実施形態6と同様である。この渦巻き溝21は、中心から外周に向かってロータ15の回動方向と逆方向に渦が巻くように形成されている。すなわち、渦巻き溝21は、径方向に対してロータ15の回動方向の逆側に湾曲して形成され、外周域の粘性流体を内周域に供給する移送手段たる消極供給手段(凹条)として機能する。
【0060】
したがって、このビスカスヒータでは、渦巻き溝21により、さらに効果的に粘性流体を外周域から内周域に供給することができ、粘性流体の過剰発熱をさらに効果的に抑えることができるとともに、発熱室8の半径方向における粘性流体の循環性の向上により粘性流体の耐久性をさらに向上させることが可能となる。
(実施形態8)
本実施形態のビスカスヒータは、図16に示すように、ロータ15の前後端面15a、15bにも、9本の斜め溝20をそれぞれ形成したものである。なお、この斜め溝20は、径方向に対してロータ15の回動方向側に傾斜して形成されている。その他の構成は上記実施形態6と同様である。
【0061】
したがって、このビスカスヒータでは、ロータ15の前後端面15a、15bにも斜め溝20がそれぞれ形成されていることから、さらに効果的に粘性流体を外周域から内周域に供給することができ、粘性流体の過剰発熱をさらに効果的に抑えることができるとともに、発熱室8の半径方向における粘性流体の循環性の向上により粘性流体の耐久性をさらに向上させることが可能となる。
【0062】
(実施形態9)
本実施形態のビスカスヒータは、図17に示すように、ロータ15の前後端面15a、15bに、16本のスパイラル溝22をそれぞれ形成したものである。このスパイラル溝22は、径方向に対してロータ15の回動方向の逆側に湾曲して形成され、内周域の粘性流体を外周域に供給する移送手段たる積極供給手段(凹条)として機能する。そして、このスパイラル溝22は、外周側の一端がロータ15の外周端まで延在しており、内周側の他端が前部プレート2の抉部2aの内周端、すなわち実質的な発熱室8の内周端まで延在している。
【0063】
その他の構成については、発熱室8の前後壁面に斜め溝17を形成しないこと以外は上記実施形態1と同様である。
したがって、このビスカスヒータでは、ロータ15の前後端面15a、15bに形成されたスパイラル溝22により、粘性流体が外周側に押しやられるため、内周域の粘性流体を外周域に効果的に供給することができる。特に、このスパイラル溝22は発熱室8の内周端近傍からロータ15の外周端まで延在しているため、内周域の粘性流体をロータ15の外周端まで確実に送り込むことができるので、内周域の粘性流体をより効果的に外周域に供給することができる。したがって、ビスカスヒータの発熱量及び粘性流体の耐久性を効果的に向上させることが可能である。
【0064】
また、ロータ15の前後端面15a、15bに形成されたスパイラル溝22により、ロータ15の前後端面近傍の粘性流体は内周域から外周域に流動し、発熱室8の前後壁面近傍の粘性流体は外周域の圧力上昇により外周域から内周域に流動しようとするため、その結果発熱室内の半径方向における粘性流体の循環性が向上する。特に、発熱室8の前後壁面には複数の放射溝16が形成されており、ロータ15の前後端面及び発熱室8の前後壁面間の隙間が放射溝16の形成部分で増大しているため、発熱室8の前後壁面近傍の粘性流体はこの放射溝16内を通ることにより、外周域から内周域に流動し易くなり、半径方向の循環性が向上する。このため、内周域にある低温の粘性流体により外周域にある高温の粘性流体の温度を低下させることができるので、外周域にある粘性流体の温度が過度に上昇して熱劣化することを抑えて、粘性流体の耐久性を向上させることが可能となる。
【0065】
なお、上記スパイラル溝22の傾斜角度としては、径方向に対して10〜45度程度とすることができる。
(実施形態10)
本実施形態のビスカスヒータは、図18に示すように、上記実施形態9のビスカスヒータにおいて、ロータ15の前端面15a、15bに形成された各スパイラル溝22の外周側端部をロータ15の厚さ方向に貫通させてロータ15の外周側面に16個の欠切部22aを形成したものである。
【0066】
したがって、このビスカスヒータでは、ロータ15に前後に貫通する欠切部22aが形成されていることから、粘性流体をロータ15の前後に流通させることができる。このため、ロータ15の前後両側における粘性流体の圧力分布を均一化することができ、粘性流体の量がロータ15の前方側及び後方側で均一化される。したがって、粘性流体の偏在により発熱量が低下することを回避することができる。
【0067】
また、欠切部22aはオイルかき揚げ効果を発揮しうる。すなわち、ビスカスヒータの停止放置状態においてロータ15の外周側面に設けられた欠切部21aの一部は、発熱室8内に不可避的に残留する気体の存在により発熱室8の下方部に自重により滞留している粘性流体中に浸っており、ビスカスヒータの駆動後ロータ15の回動に伴って、この粘性流体中に浸っていた欠切部22aに粘性流体を保持させて発熱室8の上方部に持ち上げることができる。このため、ビスカスヒータの起動後、発熱室8の下方部に滞留している粘性流体を発熱有効領域の全域に速やかに行き渡らせることが可能となり、ビスカスヒータの立ち上がり性向上に貢献する。
【0068】
なお、積極供給手段としての上記斜め溝17及び上記傾斜凸条19の傾斜角度としては、内周域の粘性流体を外周域により効果的に供給するという観点からは、径方向に対して10〜45度程度とすることが好ましい。また、消極供給手段としての上記斜め溝20の傾斜角度としては、外周域の粘性流体を内周域により効果的に供給するという観点からは、径方向に対して10〜45度程度とすることが好ましい。
【0069】
これら傾斜角度については、粘性流体を特定方向に移動させる分力付与部位としての側壁(ロータか、発熱室壁面かの形成位置、及び凹条、凸条によって決まる凹凸条の側壁をいう)に適応される。また、凸条の高さ及び溝の深さは、大きくすれば粘性流体の移動を促進することになるため、ビスカスヒータが利用される環境や態様に応じて適宜設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のビスカスヒータの断面図である。
【図2】実施形態1のビスカスヒータに係る後部プレートの平面図である。
【図3】実施形態1のビスカスヒータに係る後部プレートの部分断面図で、図2のA−A線矢視図である。
【図4】実施形態1のビスカスヒータに係る後部プレートの部分断面図で、図2のB−B線矢視図である。
【図5】実施形態1のビスカスヒータに係る後部プレートの部分断面図で、図2のC−C線矢視図である。
【図6】実施形態2のビスカスヒータに係る後部プレートの平面図である。
【図7】実施形態3のビスカスヒータに係る後部プレートの平面図である。
【図8】実施形態4のビスカスヒータに係るロータの平面図である。
【図9】実施形態5のビスカスヒータに係るロータの平面図である。
【図10】実施形態5のビスカスヒータに係るロータの部分断面図で、図9のD−D線矢視図である。
【図11】実施形態6のビスカスヒータの断面図である。
【図12】実施形態6のビスカスヒータに係る後部プレートの平面図である。
【図13】実施形態6のビスカスヒータに係る後部プレートの部分断面図で、図12のE−E線矢視図である。
【図14】実施形態6のビスカスヒータに係る後部プレートの部分断面図で、図12のF−F線矢視図である。
【図15】実施形態7のビスカスヒータに係る後部プレートの平面図である。
【図16】実施形態8のビスカスヒータに係るロータの平面図である。
【図17】実施形態9のビスカスヒータに係るロータの平面図である。
【図18】実施形態10のビスカスヒータに係るロータの平面図である。
【符号の説明】
8…発熱室
FW…前部放熱室(前部ウォータジャケット)
RW…後部放熱室(後部ウォータジャケット)
SR…貯留室
1、2、3、4…ハウジング(1…前部ハウジング本体、2…前部プレート、3…後部プレート、4…後部ハウジング本体)
13…軸受装置
14…駆動軸
15…ロータ
7…通しボルト
16…放射溝
17…斜め溝(積極供給手段としての凹条)
18…渦巻き溝(積極供給手段としての凹条)
19…傾斜凸条(積極供給手段としての凸条)
20…斜め溝(消極供給手段としての凹条)
21…渦巻き溝(消極供給手段としての凹条)
22…スパイラル溝(積極供給手段としての凹条)
16a、17a、19a、20a…凸状角部
17b、20b…最深底部
17c、20c…傾斜底部
22a…欠切部
Claims (18)
- 内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータにおいて、
前記ロータ及び前記発熱室の壁面の少なくとも一方は、該ロータの回動により前記粘性流体を前記発熱室内において特定方向に移動せしめる移送手段を有し、
前記移送手段は、内周域の粘性流体を外周域に供給する積極供給手段であることを特徴とするビスカスヒータ。 - 積極供給手段は、ロータの前後端面の少なくとも一方に形成され、径方向に対して該ロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする請求項1記載のビスカスヒータ。
- 凸条又は凹条は、一端がロータの外周端まで延在していることを特徴とする請求項2記載のビスカスヒータ。
- 積極供給手段は、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成され、径方向に対してロータの回動方向側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする請求項1乃至3記載のビスカスヒータ。
- 凸条又は凹条は渦巻き状に形成されていることを特徴とする請求項2乃至4記載のビスカスヒータ。
- 凹条は、ロータの端面と発熱室の壁面との間隙の大きさよりも深い最深底部を少なくとも一部に有していることを特徴とする請求項2乃至5記載のビスカスヒータ。
- 凹条は、外周に向かって浅くなる傾斜底部を少なくとも外周側に有していることを特徴とする請求項2乃至6記載のビスカスヒータ。
- 凸条又は凹条は角張った凸状角部を有していることを特徴とする請求項2乃至7記載のビスカスヒータ。
- ロータ及び発熱室の壁面の少なくとも一方には放射溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8記載のビスカスヒータ。
- ハウジングには、発熱室と回収通路及び供給通路により連通され、該発熱室の壁面とロータの外面との間隙の容積を超える粘性流体を収容可能な貯留室が配設されていることを特徴とする請求項1乃至9記載のビスカスヒータ。
- 内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータにおいて、
前記ロータ及び前記発熱室の壁面の少なくとも一方は、該ロータの回動により前記粘性流体を前記発熱室内において特定方向に移動せしめる移送手段を有し、
前記移送手段は、外周域の粘性流体を内周域に供給する消極供給手段であることを特徴とするビスカスヒータ。 - 消極供給手段は、ロータの前後端面の少なくとも一方に形成され、径方向に対して該ロータの回動方向側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする請求項11記載のビスカスヒータ。
- 消極供給手段は、発熱室の前後壁面の少なくとも一方に形成され、径方向に対してロータの回動方向の逆側に傾斜又は湾曲して形成された凸条又は凹条であることを特徴とする請求項11又は12記載のビスカスヒータ。
- 凸条又は凹条は渦巻き状に形成されていることを特徴とする請求項12又は13記載のビスカスヒータ。
- 凹条は、ロータの端面と発熱室の壁面との間隙の大きさよりも深い最深底部を少なくとも一部に有していることを特徴とする請求項12乃至14記載のビスカスヒータ。
- 凹条は、内周に向かって浅くなる傾斜底部を少なくとも内周側に有していることを特徴とする請求項12乃至15記載のビスカスヒータ。
- ロータ及び発熱室の壁面の少なくとも一方には放射溝が形成されていることを特徴とする請求項11乃至16記載のビスカスヒータ。
- ハウジングには、発熱室と回収通路及び供給通路により連通され、該発熱室の壁面とロータの外面との間隙の容積を超える粘性流体を収容可能な貯留室が配設されていることを特徴とする請求項11乃至17記載のビスカスヒータ。
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