JP3587225B2 - 回転電機の回転子におけるコイル導体の組立方法及び組立装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機の回転子におけるコイル導体の組立方法及び組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、特願平7−326983号に記載された「回転電機の回転子の製造方法」がある。この先願には、電機子コイルの一部を形成する略コの字形のコイル導体が記載されている。そのコイル導体は、図26に示す様に、電機子鉄心100のスロット110内に挿入される直線状のコイル辺210と、このコイル辺210の両端からコイル辺210に対して略直角に伸びる一対のコイル端部220とを有し、この一対のコイル端部220が互いにコイル辺210を中心として反対側へ所定角度傾斜した形に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先願に記載されたコイル導体200は、両コイル端部220が互いに反対側へ傾斜しているため、1本ずつ電機子鉄心100に組み立てていくと、既に電機子鉄心100に組み立てられたコイル導体200と、新たに組み立てようとするコイル導体200とのコイル端部220同士が干渉するため、全てのコイル導体200を電機子鉄心100へ組み立てることは極めて困難であった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、コイル導体のコイル端部同士が干渉することなく、全てのコイル導体を電機子鉄心へ組み立てることのできるコイル導体の組立方法及び組立装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の手段によれば、2本目以降のコイル導体を1本ずつ順次電機子鉄心に組み立てる際に、コイル導体と電機子鉄心とを相対的に所定角度傾けて、その傾きを保ちながらコイル導体を電機子鉄心に近接させ、その後、コイル導体と電機子鉄心との傾きを戻してコイル辺をスロット内へ挿入可能な姿勢に修正してから、コイル辺をスロット内へ挿入する。この場合、コイル導体と電機子鉄心とを相対的に所定角度傾けることで、コイル導体を電機子鉄心に近づける際に、既に電機子鉄心に組み立てられているコイル導体に対して、コイル端部同士の干渉を防ぐことができる。これにより、全てのコイル導体を、コイル端部同士が干渉することなく、1本ずつ順次電機子鉄心へ組み立てることができる。
【0005】
請求項2の手段によれば、請求項1に記載したコイル導体と電機子鉄心との相対的な傾きとは、コイル辺が電機子鉄心の軸芯と平行な状態でスロットに対しコイル端部の傾斜方向と反対側へ所定角度だけ回転した状態である。この場合、電機子鉄心の周方向で両コイル端部の先端同士間の距離を小さくできるため、既に電機子鉄心に組み立てられたコイル導体に対して、互いのコイル端部間に隙間を保ちながらコイル導体を電機子鉄心の外周面に近接させることができる。
【0006】
請求項3の手段によれば、複数本のコイル導体のうち最後に電機子鉄心へ組み立てるコイル導体は、コイル辺を電機子鉄心の軸芯と平行な状態でスロットに対し所定角度だけ回転させた姿勢で電機子鉄心へ近づけた後、コイル辺をスロットに対し平行な姿勢に戻しながら、且つ電機子鉄心の軸芯に対してコイル辺を長手方向に傾けてスロットへ挿入する。
最後のコイル導体を電機子鉄心へ組み立てる時には、コイル辺を挿入しようとするスロットの両隣に位置するスロットに既に他のコイル辺が挿入されているため、コイル辺を電機子鉄心の軸芯と平行な状態でスロットに対し所定角度傾けた姿勢から元の姿勢に戻す際に、何方か一方のコイル端部同士が干渉する場合がある。そこで、スロットに対し所定角度傾けたコイル辺を再びスロットに対し平行な姿勢に戻しながら、且つ電機子鉄心の軸芯に対してコイル辺を長手方向に傾けることにより、何方か一方のコイル端部は、その先端が電機子鉄心の半径方向内側へずれるため、既に電機子鉄心に組み立てられている両隣のコイル導体に対して、コイル端部同士が干渉することなくコイル導体を電機子鉄心に組み立てることができる。
【0007】
請求項4の手段によれば、既に電機子鉄心に組み立てられた少なくとも1本前のコイル導体をコイル辺がスロット内の底部から浮き上がった状態に保持しながら次のコイル導体を電機子鉄心に組み立てる。この場合、既に電機子鉄心に組み立てられたコイル導体のコイル辺がスロット内の底部から浮き上がった状態に保持されることにより、電機子鉄心に対するコイル導体の挿入スペースを大きく確保できる。即ち、コイル辺がスロット内の底部から浮き上がった状態に保持されている場合は、コイル辺がスロット内の底部まで挿入されている場合と比較して、周方向に隣接するコイル端部同士の間隔が広くなる。従って、その分、コイル導体の挿入スペースが大きくなって、コイル端部同士の干渉を防ぐことが可能となる。
【0008】
請求項5の手段によれば、請求項4に記載したコイル導体の組立方法において、電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、外周面をカム面とする内カムを備え、電機子鉄心に組み立てられたコイル導体に対して、コイル端部の先端を内カムのカム面に当接させることにより、コイル辺をスロット内底部から浮き上がった状態に保持することができる。これにより、請求項4に記載した様に、周方向に隣接するコイル端部同士の間隔が広くなるため、コイル導体の挿入スペースが大きくなって、コイル端部同士の干渉を防ぐことが可能となる。
【0009】
請求項6の手段によれば、請求項5に記載したコイル導体の組立方法において、電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、内周面をカム面とする外カムを備え、電機子鉄心に組み立てられたコイル導体に対して、コイル辺の外周端面を外カムのカム面に当接させながら電機子鉄心と外カムとを相対回転させることにより、コイル辺をスロット内の底部まで挿入することができる。この場合、外カムによって電機子鉄心に組み立てられたコイル導体を保持できるため、スロットからコイル辺が突出したり、電機子鉄心からコイル導体が脱落するのを防止できる。
【0010】
請求項7の手段によれば、電機子鉄心に組み立てられた下層コイル導体を第1の内カムと第1の外カムとで保持し、その後、上層コイル導体を電機子鉄心に組み立てて、第2の内カムと第2の外カムとで保持することができる。この場合、第1の内カムと第1の外カムを使用することで全ての下層コイル導体を互いのコイル端部同士が干渉することなく電機子鉄心へ組み立てることができ、且つ、第2の内カムと第2の外カムを使用することで全ての上層コイル導体を互いのコイル端部同士が干渉することなく電機子鉄心へ組み立てることができる。
【0011】
請求項8〜10の手段に記載したコイル組立装置は、コイル導体を電機子鉄心のスロット開口部に対向する位置に搬送するコイル搬送手段と、このコイル搬送手段により搬送されたコイル導体のコイル辺をスロットに挿入するコイル挿入手段と、電機子鉄心とコイル導体とを相対的に所定角度回転させる回転手段と、コイル挿入手段と回転手段の作動を同期させる制御手段とを備えている。これにより、コイル導体と電機子鉄心とを相対的に所定角度傾けて、その傾きを保ちながらコイル導体を電機子鉄心に近接させ、その後、コイル導体と電機子鉄心との傾きを戻してコイル辺をスロット内へ挿入可能な姿勢に修正してから、コイル辺をスロット内へ挿入することができる。その結果、既に電機子鉄心に組み立てられているコイル導体に対して、コイル端部同士の干渉を防ぐことができる。
【0012】
請求項11の手段によれば、請求項8〜10に記載した何れかのコイル導体の組立装置において、挿入手段は、コイル導体を案内する開口部と、この開口部を案内としてコイル導体のコイル辺をスロット内へ挿入するコイル挿入矢と、開口部と電機子鉄心のスロット開口部との相対位置を決める位置決め手段とを有する。この場合、開口部を案内としてコイル導体をコイル挿入矢で押し込むことにより、電機子鉄心のスロット内にコイル辺を挿入することができる。従って、コイル導体をクランプ、アンクランプする必要がなく、高速でのコイル導体の組み立てが可能となる。
【0013】
請求項12の手段によれば、請求項11に記載したコイル導体の組立装置において、コイル挿入手段は、開口部の保持位置にセットされたコイル導体を保持する保持手段を具備している。これにより、開口部の保持位置にセットされたコイル導体をスロットに挿入可能な適正な姿勢で保持することができるため、コイル辺のスロット内への挿入不良を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のコイル導体の組立方法及び組立装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はコイル組立装置の全体図である。
本実施例は、例えば、図3に示すスタータのアーマチャA(回転子)を製造するもので、後述するコイル組立装置1を使用して、複数本のコイル導体2を1本ずつ順次電機子鉄心3に組み立てる方法を示す。
コイル導体2は、電機子コイルの一部を形成するもので導電性に優れた金属材料(例えば銅)により形成され、図2に示す様に、直線状のコイル辺2aと、このコイル辺2aの両端からコイル辺2aに対して略直角に延びる一対のコイル端部2bとを有し、この一対のコイル端部2bが互いにコイル辺2aを中心として反対側へ所定角度傾斜して設けられている。
なお、電機子コイルは、図3に示す様に、下層コイル導体2Aと上層コイル導体2Bとから成り、両コイル導体2A、2Bの端部同士を電気的に接続して形成される。但し、以下の説明では、下層コイル導体2Aと上層コイル導体2Bとを区別することなく、両コイル導体2A、2Bを総称してコイル導体2と呼ぶ。
【0015】
電機子鉄心3は、プレスマシン等で円板状に形成された薄い鋼板を複数枚積層して構成され、回転軸4の外周に嵌合して回転軸4と一体に回転可能に設けられている。電機子鉄心3の外周部には、所定数(例えば25個)のスロット3aがそれぞれ軸方向に沿って設けられ、各スロット3aが電機子鉄心3の周方向に等ピッチに配置されている。また、電機子鉄心3の軸方向端面には、電機子鉄心3を軸方向に貫通する長穴3b(図2参照)が開口している。この長穴3bは、円弧状に形成されて電機子鉄心3の周方向に複数個(例えば3箇所)設けられている。なお、以下の説明では、回転軸4と電機子鉄心3とを総称してロータR(つまり、回転軸4に電機子鉄心3を組付けたもの)と呼ぶ。但し、回転軸4と電機子鉄心3とを個々に指す場合には、それぞれ回転軸4、電機子鉄心3と呼ぶ。
【0016】
コイル組立装置1は、図1に示す様に、コイル導体2を把持するチャック部5、このチャック部5に所定の動作を付与するアクチュエータ(図示しない)、ロータRを支持するロータ受け部6、及び回転動力を発生する電動機7(本発明の第2の回転機構)等から構成されている。
チャック部5は、固定部材5aの両側に弾性部材5b(例えば板ばね)が取り付けられて、その両弾性部材5bでコイル導体2の両側(コイル端部2bの外側面)を支持してコイル導体2を把持している。なお、弾性部材5bには、コイル導体2を所定の姿勢で把持できる様にコイル導体2の位置決め手段(図示しない/例えばコイル端部2bが嵌まり込む嵌合溝)が設けられている。
アクチュエータは、本発明の第1の回転機構と第3の回転機構を具備するもので、固定部材5aに連結された作動軸5cを通じてチャック部5に所定の動作を付与する。その「所定の動作」とは、作動軸5cを中心として回転する「回転動作」、作動軸5cの軸方向に上下移動する「上下動作」、及び作動軸5cのアクチュエータ側の端部(図示しない)を支点として揺動する「揺動動作」である。
【0017】
ロータ受け部6は、一定の間隔を保って直立する2つの直立壁面6a、6bを具備したベース部6Aと、回転軸4の一端面を支持する支持ピン6Bと、回転軸4の他端面を支持する回転シャフト6Cとを備え、支持ピン6Bと回転シャフト6CによってロータRを回転自在に支持している。支持ピン6Bは、ベース部6Aの一方の直立壁面6aに軸受(図示しない)を介して回転自在に支持されている。また、回転シャフト6Cは、ベース部6Aの他方の直立壁面6bに軸受(図示しない)を介して回転自在に支持され、電動機7の回転動力が伝達されて回転する。
【0018】
電動機7は、回転シャフト6Cと駆動ピン8を通じてロータRに回転力を付与する。但し、この電動機7は、回転角度を微小制御できる例えばサーボモータであり、駆動ピン8を介してロータRを所定の回転位置に位置決めすることができる。
駆動ピン8は、一端が回転シャフト6Cに連結された連結部材9に固定されて、他端が電機子鉄心3の端面に開口する長穴3bに差し込まれている。この駆動ピン8は、電機子鉄心3の各長穴3bにそれぞれ1本ずつ合計3本設けられ、連結部材9とともに回転シャフト6Cと一体に回転する。
【0019】
次に、コイル組立装置1を使用してコイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てる工程を図4〜図8を参照しながら説明する。
この組立工程は、複数本あるコイル導体2を1本ずつ順次電機子鉄心3へ組み立てるものであるが、組み立てに使用するコイル導体2の本数をn本とした場合、最初の1本目のコイル導体2と、2本目からn−1本目までのコイル導体2と、最後のn本目のコイル導体2とでそれぞれ組立方法が異なる。
以下、1本目のコイル導体2、2本目からn−1本目までのコイル導体2、及びn本目のコイル導体2に分けて説明する。
【0020】
a)1本目のコイル導体2
まず、回転軸4の両端面を支持ピン6Bと回転シャフト6Cで支持してロータ受け部6でロータRを支持する。この時、電機子鉄心3の端面に開口する長穴3bに駆動ピン8が差し込まれ、その駆動ピン8を介してロータRの回転方向の位置決めが行われる。
つぎに、任意な位置から1本目のコイル導体2をチャック部5で把持して取り出し、ロータ受け部6に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移動する(図1に示す状態)。この時、コイル導体2は、コイル辺2aが電機子鉄心3のスロット3aに対し平行な姿勢に位置決めされている(これは、1本目からn本目まで同じである)。また、ロータRは、1つのスロット3aが電機子鉄心3の最上部に来る様に駆動ピン8を通じて位置決めされている。
続いて、作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を下降させて電機子鉄心3の最上部に位置するスロット3aにコイル辺2aを挿入する。これにより、1本目のコイル導体2の電機子鉄心3への組み立てが終了する。
【0021】
b)2本目からn−1本目までのコイル導体2
1本目と同様に、任意な位置から2本目のコイル導体2をチャック部5で把持して取り出し、ロータ受け部6に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移動する。一方、ロータRは、1本目のコイル導体2の組み立てが終了した後、チャック部5により2本目のコイル導体2が電機子鉄心3の径方向上方へ移動するまでの間に、次のスロット3aが電機子鉄心3の最上部に来る様に1スロット3a分だけ回転して位置決めされている(この電機子鉄心3の位置決め工程は、3本目のコイル導体2以降も同様に行われる)。
【0022】
このまま1本目のコイル導体2と同様に2本目のコイル導体2を下降させると、両コイル端部2bがコイル辺2aに対して反対側へ傾斜しているため、1本目のコイル導体2のコイル端部2bと干渉して組み立て不能となる。そこで、コイル端部2b同士の干渉を防ぐために、作動軸5cを中心とする回転動作をチャック部5に付与してコイル導体2を任意の角度分だけ回転させる。即ち、コイル辺2aを回転軸4と平行に保ったまま、スロット3aに対しコイル辺2aを所定角度だけ回転させる。但し、図4に示す様に、コイル端部2bの傾斜方向と反対側(図4の矢印で示す方向)へ回転させる。
【0023】
続いて、図5に示す様に、上記姿勢(コイル導体2を回転させた姿勢)を保ったまま作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させる。この時、コイル導体2は、図4に示した様に、両コイル端部2bがコイル辺2aの長手方向の延長線上に略位置している(つまり、両コイル端部2bの周方向への突出量が小さくなる)ため、既に電機子鉄心3へ組み立てられているコイル導体2に対してコイル端部2b同士が干渉することなく電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させることができる。
その後、再び作動軸5cを中心とする回転動作をチャック部5に付与する。但し、上述の回転動作と反対側へ回転させて上述の回転動作を付与する前の状態(姿勢)へ戻す。これにより、チャック部5に把持されたコイル導体2のコイル辺2aがスロット3aと平行となり、スロット3a内へ挿入可能となる(図6参照)。
【0024】
続いて、更に作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を下降させて電機子鉄心3の最上部に位置するスロット3a内にコイル辺2aを挿入する。これにより、2本目のコイル導体2の電機子鉄心3への組み立てが終了する。
3本目からn−1本目までは、2本目と同様の工程を繰り返して順次電機子鉄心3へ組み立てていく。なお、図5及び図6では2本目からn−1本目までのコイル導体2を代表して5本目のコイル導体2を電機子鉄心3に組み立てる様子を示しているが、5本目以外のコイル導体2でも同じである。
【0025】
c)n本目のコイル導体2
最後に、n本目のコイル導体2をチャック部5で把持して取り出し、ロータ受け部6に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移動する。
続いて、2本目からn−1本目までのコイル導体2と同様に、作動軸5cを中心とする回転動作をチャック部5に付与してコイル導体2を任意の角度分だけ回転させた後、作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させる。この時、コイル導体2は、2本目からn−1本目までのコイル導体2と同様、既に電機子鉄心3へ組み立てられているコイル導体2に対してコイル端部2b同士が干渉することなく電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させることができる。
【0026】
このn本目のコイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てる時には、既に両隣のスロット3aにそれぞれ他のコイル導体2(1本目とn−1本目のコイル導体2)のコイル辺2aが挿入されているため、電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させたコイル導体2をそのまま元の姿勢(コイル辺2aがスロット3aと平行となる姿勢)に戻すと、図7(c)に示す様に、コイル辺2aに対して傾斜角の大きい一方のコイル端部2b1 が、最初に電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2と干渉する恐れがある。
【0027】
そこで、図8に示す様に、コイル辺2aがスロット3aと平行となる様にコイル導体2の姿勢を元に戻しつつ、更に回転軸4に対してコイル辺2aを長手方向に傾ける動作を付与する(図8(b)参照)。これにより、一方のコイル端部2b1 は、電機子鉄心3の径方向内側へずれるため、一方のコイル端部2b1 同士の干渉を避けながらコイル辺2aをスロット3a内へ挿入することができる。これにより、n本目のコイル導体2の電機子鉄心3への組み立てが終了する。なお、図7(a)では、コイル導体2を元の姿勢に戻す前の状態(二点鎖線で示す位置)の時に、他方のコイル端部2b2 がn−1本目のコイル導体2の他方のコイル端部2b2 と干渉している様に見えるが、この場合、互いのコイル端部2b2 が電機子鉄心3の軸方向に若干の間隔を有して重なっているだけで、干渉している訳ではない。
【0028】
上記の実施例では、下層コイル導体2Aと上層コイル導体2Bとを区別することなく、コイル導体2として説明したが、実際の組立工程では、全て(n本)の下層コイル導体2Aを上記の組立方法で電機子鉄心3へ組み立てた後、その電機子鉄心3に対して更に全て(n本)の上層コイル導体2Bを同様の組立方法で組み立てている。
なお、コイル導体2と電機子鉄心3との絶縁処理は、コイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てる際に、スロット3aの内壁面と下層コイル辺2aとの間、及び下層コイル辺2aと上層コイル辺2aとの間にそれぞれ絶縁体を介在させ、且つ電機子鉄心3の端面と下層コイル端部2bとの間、及び下層コイル端部2bと上層コイル端部2bとの間にそれぞれ絶縁体を介在させても良い。あるいは、コイル導体2に絶縁紙や絶縁テープを巻き付けたり、絶縁体を塗布する等の方法によって絶縁処理を施しても良い。
【0029】
(本実施例の効果)
本実施例では、2本目からn−1本目までのコイル導体2に対して、そのコイル導体2を把持するチャック部5に回転動作を与えてコイル導体2を電機子鉄心3に対して任意の角度分だけ回転させることにより、既に電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2に対してコイル端部2b同士が干渉することなく電機子鉄心3の外周面近傍まで近づけることができる。この後、コイル導体2の姿勢を元に戻すことでコイル辺2aをスロット3a内へ挿入することができる。
また、n本目のコイル導体2は、コイル辺2aがスロット3aと平行となる様にコイル導体2の姿勢を元に戻しながら、更に回転軸4に対してコイル辺2aを長手方向に傾けることにより、既に電機子鉄心3へ組み立てられているコイル導体2に対して、互いの一方のコイル端部2b同士が干渉することなくコイル辺2aをスロット3a内へ挿入することができる。
【0030】
(変形例)
上記実施例では、n本目のコイル導体2を組み立てる際に、チャック部5に揺動動作を付与しているが、図9に示す様に、支持軸10を中心としてロータ受け部6とともに電機子鉄心3に揺動動作を付与する構成としても良い。
上記実施例では、1本目のコイル導体2と2本目からn−1本目までのコイル導体2とで組立方法が異なる場合を説明したが、1本目のコイル導体2も2本目からn−1本目までのコイル導体2と同様の組立方法で行っても良い。
【0031】
(第2実施例)
図10はコイル組立装置1の断面図である。
本実施例は、第1実施例と同様に、複数のコイル導体2を1本ずつ順次電機子鉄心3に組み立てる方法を示すものであり、第1実施例と使用するコイル組立装置1の構造が異なる。但し、ロータR及びコイル導体2については第1実施例と同じであり、その説明は省略する。また、コイル組立装置1については、第1実施例と同一名称あるいは同様の機能を有する構成部品を同一番号で説明する。
【0032】
コイル組立装置1は、コイル導体2を把持するチャック部5(図11参照)、このチャック部5に所定の動作を付与するアクチュエータ(図示しない)、電機子鉄心3を支持するロータ受け部6、回転動力を発生する電動機7(本発明の第2の回転機構)、及び電機子鉄心3の軸方向両側に設けられる外カム11と内カム12等から構成されている。
チャック部5は、図11に示す様に、固定部材5aの両側に弾性部材5b(例えば板ばね)が取り付けられて、その両弾性部材5bでコイル端部2bの外側面を支持してコイル導体2を把持している。なお、弾性部材5bには、コイル導体2を所定の姿勢で把持できる様にコイル導体2の位置決め手段(図示しない/例えばコイル端部2bが嵌まり込む嵌合溝)が設けられている。
【0033】
アクチュエータは、本発明の第1の回転機構を具備するもので、固定部材5aに連結された作動軸5cを通じてチャック部5に所定の動作を付与する。その「所定の動作」とは、作動軸5cを中心として回転する「回転動作」と、作動軸5cの軸方向に上下移動する「上下動作」である。
ロータ受け部6は、一定の間隔を保って直立する2つの直立壁面6a、6bを具備したベース部6Aと、回転軸4の一端面を支持する支持ピン6Bと、回転軸4の他端面を支持する回転シャフト6Cとを備え、支持ピン6Bと回転シャフト6Cによって電機子鉄心3を回転自在に支持している。なお、支持ピン6Bは、ベース部6Aの一方の直立壁面6aに軸受6Dを介して回転自在に支持されている。また、回転シャフト6Cは、ベース部6Aの他方の直立壁面6bに軸受6Eを介して回転自在に支持され、電動機7の回転動力が伝達されて回転する。
【0034】
電動機7は、回転シャフト6Cと駆動ピン8を通じて電機子鉄心3に回転力を付与する。但し、この電動機7は、回転角度を微小制御できる例えばサーボモータであり、駆動ピン8を介して電機子鉄心3を所定の回転位置に位置決めすることができる。
駆動ピン8は、一端が回転シャフト6Cに連結された連結部材9に固定されて、他端が電機子鉄心3の端面に開口する長穴3b(図2参照)に差し込まれている。この駆動ピン8は、電機子鉄心3の各長穴3bにそれぞれ1本ずつ合計3本設けられ、連結部材9とともに回転シャフト6Cと一体に回転する。
【0035】
外カム11は、ロータ受け部6に支持された電機子鉄心3の軸方向両側に1個ずつ配されて、それぞれロータ受け部6の各直立壁面6a、6bに固定されている。この外カム11は、直立壁面6a、6bから電機子鉄心3側へ略筒状に伸びて設けられ、その先端部内周面が電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2の外周位置を規制するカム面11aとして形成されている。このカム面11aは、図12に示す様に、略円形状に設けられている。また、この外カム11には、図12に示す様に、周方向の一部(本実施例では、周方向の最上部)にコイル導体2を通すための開口部11bが形成されている。
内カム12は、外カム11と同様に電機子鉄心3の軸方向両側に1個ずつ配されて、各外カム11の内周面にそれぞれ固定ピン13を介して固着されている。この内カム12は、筒状に設けられて、その外周面が電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2の内周位置を規制するカム面12aとして形成されている。このカム面12aは、図12に示す様に、周方向の一部分のみ回転中心からの距離が大きくなる形状に設けられている。
【0036】
次に、コイル組立装置1を使用してコイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てる工程を図12を参照しながら説明する。
この組立工程は、複数本あるコイル導体2を1本ずつ順次電機子鉄心3へ組み立てるものであるが、組み立てに使用するコイル導体2の本数をn本とした場合、最初の1本目のコイル導体2と、2本目からn本目までのコイル導体2とでそれぞれ組立方法が異なる。
以下、1本目のコイル導体2と、2本目からn本目までのコイル導体2とに分けて説明する。
【0037】
a)1本目のコイル導体2
まず、回転軸4の両端面を支持ピン6Bと回転シャフト6Cで支持してロータ受け部6でロータRを支持する。この時、電機子鉄心3の端面に開口する長穴3bに駆動ピン8が差し込まれ、その駆動ピン8を介してロータRの回転方向の位置決めが行われる。
つぎに、任意な位置から1本目のコイル導体2をチャック部5で把持して取り出し、ロータ受け部6に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移動する。この時、コイル導体2は、コイル辺2aが電機子鉄心3のスロット3aに対し平行な姿勢に位置決めされている(これは、1本目からn本目まで同じである)。また、ロータRは、1つのスロット3aが電機子鉄心3の最上部に来る様に駆動ピン8を通じて位置決めされている。
続いて、作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を下降させて電機子鉄心3の最上部に位置するスロット3aにコイル辺2aを挿入する。この時、コイル導体2は、コイル端部2bの先端が内カム12に設けられたカム面12aの最大凸部に当接することで、コイル辺2aがスロット3aから浮き上がった状態に保持されている。
【0038】
b)2本目からn本目までのコイル導体2
続いて、1本目と同様に、任意な位置から2本目のコイル導体2をチャック部5で把持して取り出し、ロータ受け部6に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移動する。一方、ロータRは、1本目のコイル導体2の組み立てが終了した後、チャック部5により2本目のコイル導体2が電機子鉄心3の径方向上方へ移動するまでの間に、次のスロット3aが電機子鉄心3の最上部に来る様に1スロット3a分だけ回転して位置決めされている(この電機子鉄心3の位置決め工程は、3本目のコイル導体2以降も同様に行われる)。これにより、既に電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2は、電機子鉄心3の回転に伴ってコイル端部2bの先端が内カム12のカム面12aを摺接しながら移動する(図12(a)参照)。
【0039】
このまま1本目のコイル導体2と同様に2本目のコイル導体2を下降させると、コイル辺2aに対して両コイル端部2bが反対側へ傾斜しているため、コイル端部2bが1本目のコイル導体2のコイル端部2bと干渉して組み立て不能となる。そこで、コイル端部2b同士の干渉を防ぐために、作動軸5cを中心とする回転動作をチャック部5に付与してコイル導体2を任意の角度分だけ回転させる。即ち、コイル辺2aを回転軸4と平行に保ったまま、スロット3aに対しコイル辺2aを所定角度だけ回転させる。但し、第1実施例の図4に示した様に、コイル端部2bの傾斜方向と反対側(図4の矢印で示す方向)へ回転させる。
【0040】
続いて、上記姿勢(コイル導体2を回転させた姿勢)を保ったまま作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させる。この時、1本目のコイル導体2がスロット3a内の底部からコイル辺2aが浮き上がった状態に保持されているため、2本目のコイル導体2は、1本目のコイル導体2に対してコイル端部2b同士が干渉することなく電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させることができる。
その後、再び作動軸5cを中心とする回転動作をチャック部5に付与する。但し、上述の回転動作と反対側へ回転させて上述の回転動作を付与する前の状態(姿勢)へ戻す。これにより、チャック部5に把持されたコイル導体2のコイル辺2aがスロット3aと平行となり、スロット3a内へ挿入可能となる。
【0041】
続いて、更に作動軸5cの軸方向に沿ってチャック部5を下方へ移動させ、チャック部5に把持されたコイル導体2を下降させて電機子鉄心3の最上部に位置するスロット3a内にコイル辺2aを挿入する。この時、コイル導体2は、コイル端部2bの先端が内カム12に設けられたカム面12aの最大凸部12bに当接することで、コイル辺2aがスロット3aから浮き上がった状態に保持される。これにより、2本目のコイル導体2の電機子鉄心3への組み立てが終了する。以後、3本目からn本目までは、2本目と同様の工程を繰り返して順次電機子鉄心3へ組み立てていく。
【0042】
既に電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2は、次のコイル導体2が組み立てられる毎に電機子鉄心3が1スロット3a分ずつ回転することにより、外カム11及び内カム12との相対位置が順次変化する。これにより、数本目のコイル導体2が電機子鉄心3に組み立てられる時には、1本目のコイル導体2は、そのコイル端部2bの先端が内カム12のカム面12aから離れて、コイル端部2bの外周端面が外カム11のカム面11aに当接する様になり、それ以後、暫くは外カム11のカム面11aに倣ってコイル辺2aがスロット3a内の底部まで挿入された状態が続く(図12(b)参照)。
【0043】
更に、電機子鉄心3が回転して、残り数本のコイル導体2を残す所までくると、コイル端部2bの外周端面が外カム11のカム面11aから離れて、コイル端部2bの先端が内カム12のカム面12aに当接することで、再びコイル辺2aがスロット3a内の底部から浮き上がった状態に保持される(図12(c)参照)。
以上の工程を経て全てのコイル導体2が電機子鉄心3へ組み立てられると、図12(c)に示す様に、電機子鉄心3の上部側に位置する数本のコイル導体2は、コイル端部2bの先端が内カム12のカム面12aに当接した状態で保持され、残りのコイル導体2は、コイル端部2bの外周端面が外カム11のカム面11aに当接した状態で保持されている。
【0044】
上記の説明は、下層コイル導体2Aを電機子鉄心3へ組み立てる時の工程を示すものであり、実際には、この後、図13(a)、(b)に示す様に、上層コイル導体2Bを電機子鉄心3へ組み立てる工程を実行する。
但し、この上層コイル導体2Bを電機子鉄心3へ組み立てる工程では、下層コイル導体2Aの場合と外カム11及び内カム12の形状が異なるため、上層コイル導体2B用の外カム11A及び内カム12Aに取り替えて行う。上層コイル導体2Bの電機子鉄心3への組立工程は、下層コイル導体2Aの場合と同様である。
【0045】
(本実施例の効果)
本実施例では、既に電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2のコイル端部2b先端を内カム12のカム面12aに当接させることにより、コイル辺2aがスロット3a内の底部から浮き上がった状態に保持しながら次のコイル導体2を電機子鉄心3に組み立てることができる。この場合、既に電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2と、これから電機子鉄心3に組み立てるコイル導体2との周方向の隙間を広く確保できるため、その分、コイル導体2の挿入スペースが大きくなって、コイル端部2b同士の干渉を防ぐことができる。
また、電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2を外カム11によって保持することにより、スロット3a内からコイル辺2aが飛び出したり、電機子鉄心3からコイル導体2が脱落するのを防止できる。また、外カム11によってスロット3a内の底部までコイル辺2aを押し込むことにより、全てのコイル導体2を組み立てた後、コイル導体2が電機子鉄心3から脱落するのを防止できる。
【0046】
(変形例)
上記実施例では、外カム11と内カム12とを固定した状態で、コイル導体2を組み立てる際に電機子鉄心3を1スロット3a分ずつ回転させたが、図14に示す様に、電機子鉄心3を固定したまま、外カム11と内カム12とを回転させて、コイル導体2の組み立てる位置を電機子鉄心3の周方向に順次移動させても良い。
上記実施例では、1本目のコイル導体2と2本目からn本目までのコイル導体2とで組立方法が異なる場合を説明したが、1本目のコイル導体2も2本目からn本目までのコイル導体2と同様の組立方法で行っても良い。
【0047】
(第3実施例)
図15はコイル組立装置の正面断面図、図16はコイル組立装置の側面断面図である。 本実施例は、第1実施例及び第2実施例と同様に、複数のコイル導体2を1本ずつ順次電機子鉄心3に組み立てる方法を示すものであり、使用するコイル組立装置14の構造が異なる。但し、ロータR及びコイル導体2については第1実施例と同じであり、その説明は省略する。
【0048】
本実施例のコイル組立装置14は、コイル導体2を搬送する傾斜シュート15、この傾斜シュート15により搬送されたコイル導体2を1本ずつ切り出すコイル切り出し装置16(図17及び図18参照)、このコイル切り出し装置16により切り出されたコイル導体2を保持するコイル保持装置17、このコイル保持装置17に保持されたコイル導体2を電機子鉄心3のスロット3a内へ挿入するコイル挿入装置18、電機子鉄心3を保持する鉄心保持装置19(図21及び図22参照)、この鉄心保持装置19を回動する回動装置20(本発明の第1の回転機構)、鉄心保持装置19を上下移動させる上下移動装置21、及び本装置を駆動する駆動装置22等より構成される。
【0049】
a)傾斜シュート15は、図15に示す様に、傾斜シュート15に供給されたコイル導体2が自重で傾斜シュート15上を滑り落ちることができる様に所定の傾斜角度が付与されている。傾斜シュート15の一方の側面には、図19(a)、(b)に示す様に、コイル導体2が傾斜シュート15上を滑り落ちる際に、コイル導体2の一方のコイル端部2b1 を案内するガイド壁15aが設けられている。このガイド壁15aの先端には、コイル導体2が傾斜シュート15上を滑り落ちてコイル保持装置17に保持された時に、一方のコイル端部2b1 の先端部を受ける受け面15bが設けられている(図19(a)参照)。なお、一方のコイル端部2b1 とは、傾斜シュート15上を滑り落ちるコイル導体2の進行方向と反対側へ傾斜している方のコイル端部2bである。
【0050】
b)コイル切り出し装置16は、図17に示す様に、傾斜シュート15の先端部に枢軸ピン23を介して回動自在に支持されたレバー24と、このレバー24を一方向(図17の上方)へ付勢するコイルばね25とで構成される。コイルばね25に付勢されたレバー24は、先端部が傾斜シュート15に形成されたストッパ面15cに当接して回動規制されている。このレバー24には、上方へ突出する突起部24aが一体に設けられ、レバー24がストッパ面15cに当接して回動規制されている状態で、突起部24aの先端が傾斜シュート15の表面上へ突出している(図17参照)。従って、傾斜シュート15を滑り落ちてきたコイル導体2はレバー24の突起部24aに当接して停止する(以後、この停止位置をエスケーブ位置と呼ぶ)。
【0051】
c)コイル保持装置17は、図15に示す様に、傾斜シュート15の先端面15d(図17参照)に対向して本装置のベース26に固定された板状の保持ベース27と、この保持ベース27に対してスライド可能に設けられたコイル保持具28と、このコイル保持具28に連結されたL型レバー29と、このL型レバー29を作動させる板カム30等より構成される。
保持ベース27は、上面にスライド溝を有し、且つ傾斜シュート15の先端面15dと対向する先端側に傾斜シュート15を滑り落ちて保持されたコイル導体2の他方のコイル端部2b2 を受ける受け面27aが設けられている(図19(a)参照)。
【0052】
コイル保持具28は、保持ベース27のスライド溝を摺動自在に設けて、コイル保持具28の後端側に配されたコイルばね31により前方(傾斜シュート15側)へ付勢されている。コイル保持具28の先端には、図19(a)に示す様に、傾斜シュート15から滑り落ちたコイル導体2のコイル辺2aを保持するL字型壁面28a、28b(コイル保持部)が形成されている。また、このコイル保持具28には、凹状の溝28c(図17参照)が一体に設けられている。
L型レバー29は、ベース26に対し枢軸ピン32を介して回転自在に支持され、両先端にそれぞれカムフォロア29a、29bが設けられて、その一方のカムフォロア29aがコイル保持具28の凹状の溝28cに摺動自在に嵌合している。
板カム30は、ベース26に軸受33を介して回転自在に支持された上部シャフト34(図16参照)に固定されて上部シャフト34と一体に回転する。この板カム30の外周面には、L型レバー29の他方のカムフォロア29bが接触している。
【0053】
d)コイル挿入装置18は、図15に示す様に、枢軸ピン35を介してベース26に回転自在に支持されたレバー36、このレバー36に連結されたコイル挿入矢37、レバー36を作動させる板カム38、及びレバー36を引っ張る引っ張りばね39等より構成される。
レバー36は、その先端部と略中央部とにそれぞれカムフォロア36a、36bを具備している。
コイル挿入矢37は、コイル保持具28のL字型壁面28a、28bにコイル導体2が保持される保持位置の上方に位置し、ベース26に対し上下方向に移動可能に設けられている。このコイル挿入矢37は、上端部に凹状の溝(符号なし)が設けられて、その溝にレバー36の先端部に具備されたカムフォロア36aが摺動自在に嵌合している。
板カム38は、上記の板カム30と同じく上部シャフト34に固定されて上部シャフト34と一体に回転する。この板カム38の外周面には、レバー36の中央部に設けられたカムフォロア36bが接触している。
引っ張りばね39は、レバー36とベース26との間に掛け渡されて、レバー36に対して、カムフォロア36bを板カム38の外周面に押しつける力を付与している。
【0054】
e)鉄心保持装置19は、図20に示す様に、回転軸4の一端を受ける受け溝40aが設けられたコの字型の枠体40と、回転軸4の他端面中央部を支持するシャフト41と、鉄心保持装置19の上下移動に伴ってシャフト41に回転力を与える回転機構(下述する)等より構成される。
枠体40は、下述の上下移動装置21に設けられる駆動シャフト42の上端に固定されて、駆動シャフト42と一体に鉄心保持装置19全体が上下移動する。
シャフト41は、中空シャフト44の内周に摺動自在に嵌合し、かつ中空シャフト44を介して軸受43に回転自在に嵌合し、軸受43は枠体40に固定されている。このシャフト41は、先端側に円形のフランジ部41aが一体に設けられ、そのフランジ部41aの外径部に歯車41bが形成されている。また、フランジ部41aには、鉄心保持装置19に保持された電機子鉄心3の位置決めを行うための位置決めピン45が固定されている。この位置決めピン45は、フランジ部41aから前方(電機子鉄心3側)へ伸びて、その先端部が電機子鉄心3の端面に開口する長穴3b(図2参照)に差し込まれている。フランジ部41aと中空シャフト44との間には、中空シャフト44に対してフランジ部41aを軸方向前方(図20の左方向)へ付勢するコイルばね46が介在されている。
【0055】
回転機構(本発明の第2の回転機構)は、シャフト41の下方でシャフト41と平行に軸受47を介して枠体40に回転自在に支持されたシャフト48、このシャフト48に固定されて歯車41bに噛み合う歯車49、シャフト48の両端部に固定された一組の歯車50、51、シャフト48の回転を規制する保持具52、シャフト48に嵌合してシャフト48に対し回動自在に設けられたレバー53(図21参照)、このレバー53に枢軸ピン54を介して回転自在に取り付けられたレバー55(図21参照)等より構成される。
保持具52は、シャフト48に固定された歯車50と係合する係合ピン52aと、この係合ピン52aを歯車50側へ付勢するコイルばね52bとから成る。
レバー53は、図21に示す様に、一端部がコイルばね56に付勢されてシャフト48に対し一方向(図21の反時計方向)へ回転力が付与されている。但し、レバー53の他端部が、枠体40に固定されたストッパボルト57の上端部に当接して回転規制されている。
レバー55は、歯車51と噛み合う爪部55aを有し、この爪部55aが歯車51と噛み合った状態でコイルばね58に付勢されている。
【0056】
f)回動装置20は、図15に示す様に、ベース26に対し枢軸ピン59を介して回転自在に取り付けられたL型レバー60と、このL型レバー60を作動させる板カム61(図16参照)と、L型レバー60を引っ張る引っ張りばね62と、L型レバー60に連結された往復動シャフト63と、この往復動シャフト63を通じて回転力が伝達されるピニオン64等より構成される。
L型レバー60は、両先端部にそれぞれカムフォロア60a、60bが設けられている(なお、カムフォロア60aは、図15において下述のレバー68に設けられるカムフォロア68bと同位置にあるため、図15ではカムフォロア68bに隠れて見えない)。
板カム61は、ベース26に軸受65(図16参照)を介して回転自在に支持された下部シャフト66(図16参照)に固定され、その下部シャフト66と一体に回転する。この板カム61の外周面には、L型レバー60の一方のカムフォロア60aが接触している。
【0057】
引っ張りばね62は、L型レバー60とベース26との間に掛け渡されて、L型レバー60に対してカムフォロア60aを板カム61の外周面に押しつける力を付与している。
往復動シャフト63は、一側面に凹状の溝(符号なし)を有し、この溝にL型レバー60の他方のカムフォロア60bが摺動自在に嵌合している。往復動シャフト63の他側面にはラック63a(図16参照)が形成されている。
ピニオン64は、両端外周部がベース26に固定された軸受67を介して回転自在に支持され、往復動シャフト63に設けられたラック63aと噛み合っている。また、ピニオン64の内周面には、軸方向(図15の上下方向)に伸びるスプライン64aが設けられている。
【0058】
g)上下移動装置21は、L型レバー60と共通の枢軸ピン59を介してベース26に回転自在に支持されたレバー68と、このレバー68に連結された前述の駆動シャフト42と、レバー68を作動させる板カム69と、レバー68を引っ張る引っ張りばね70等より構成される。
レバー68は、両先端部にそれぞれカムフォロア68a、68bが設けられている。
駆動シャフト42は、ピニオン64の内周を通ってベース26に対し上下方向に配置され、その下端部に凹状の溝42aが設けられ、この溝42aにレバー68の一方のカムフォロア68aが摺動自在に嵌合している。この駆動シャフト42は、外周面にスプライン42bが形成されて、このスプライン42aがピニオン64の内周面に形成されたスプライン64aに噛み合わされている。
板カム69は、前述の下部シャフト66(図16参照)に固定され、その下部シャフト66と一体に回転する。この板カム69の外周面には、レバー68の他方のカムフォロア68bが接触している。
引っ張りばね70は、レバー68とベース26との間に掛け渡されて、レバー68に対してカムフォロア68bを板カム69のカム面に押しつける力を付与している。なお、図15では、引っ張りばね70と上述の引っ張りばね62とを共通に示している。
【0059】
h)駆動装置22は、図15及び図16に示す様に、回転力を発生する電動機71と、この電動機71の出力軸71aに固定された傘歯車72と、前述の下部シャフト66に固定されて傘歯車72に噛み合う傘歯車73と、下部シャフト66の端部に固定されたタイミングベルトプーリ74と、コイル保持具28で説明した上部シャフト34の端部に固定されたタイミングベルトプーリ75と、両プーリ74、75に噛み合ってプーリ74の回転をプーリ75に伝達するタイミングベルト76、このタイミングベルト76の張力を調整するテンション77等より構成される。
【0060】
次に、上記のコイル組立装置14を用いて電機子鉄心3にコイル導体2を組み立てていく工程を説明する。
まず、図22に示す様に、作業者の手Hで複数のコイル導体2を仮マガジン78に並べた後(自動で並べても良い)、図23に示す様に、仮マガジン78から傾斜シュート15へ供給する。
続いて、図20において、鉄心保持装置19のシャフト41を図中右方向へ引いた状態で電機子鉄心3の回転軸4の一端部を枠体40の受け溝40aに合わせ、且つ電機子鉄心3の端面に開口する長穴3bに位置決めピン45を差し込みながらシャフト41を元の位置に戻す。この時、シャフト41は、コイルばね46の付勢力を受けて回転軸4を軸方向(図20の左方向)に押し付けながら回転軸4の他端面を軸支する。これにより、ロータRは、鉄心保持装置19に円周方向の位置決めが成され、且つ軸方向にもしっかり保持される。
【0061】
続いて、図17に示す様に、最初に電機子鉄心3へ組み立てるコイル導体2をコイル保持具28の保持位置にセットする。ここで、コイル保持具28は、図19に示す様に、コイル辺2aを保持するL字型壁面28a、28b、即ちコイル辺2aの下面を受ける底面28aと、コイル辺2aの前面(図19の左側面)を受ける受け面28bとを有し、底面28aが傾斜シュート15の先端面15dの最上部より一段低い位置に設定されている。また、コイル保持具28の受け面28bと傾斜シュート15の先端面15dとの間隔がコイル辺2aの幅2c(図17参照)より若干大きく設定されている。これにより、コイル導体2は、傾斜シュート15の先端面15dと、コイル保持具28のL字型壁面28a、28bとにより、コイル辺2aの3面(前面、下面、後面)が囲まれた状態で保持位置にセットされる。
更に、保持ベース27には、図19(a)に示す様に、保持位置にセットされたコイル導体2の他方のコイル端部2b2 を受ける受け面27aが設けられ、傾斜シュート15には、コイル導体2の一方のコイル端部2b1 を受ける受け面15bが設けられており、両受け面27a、15b間の寸法が両コイル端部2b1 、2b2 間の寸法より若干大きく設定されている。これにより、保持位置にセットされたコイル導体2を安定して保持することができる。
【0062】
保持位置にコイル導体2をセットした後、電動機71を起動させて電動機71の出力軸71aに固定された傘歯車72を回転させる。これにより、傘歯車72に噛み合う傘歯車73が回転して、傘歯車73が固定された下部シャフト66が回転するとともに、この下部シャフト66の回転がプーリ74とプーリ75とに噛み合うタイミングベルト76を介して上部シャフト34に伝達されて上部シャフト34が回転する。この2本のシャフト66、34が回転することにより、下部シャフト66に固定された板カム61と板カム69、及び上部シャフト34に固定された板カム30と板カム38とが回転する。
この結果、各板カム61、69、30、38の回転に伴い各レバー60、68、29、36が作動して、コイル挿入矢37、コイル保持具28、及び駆動シャフト42(鉄心保持装置19)が動作する。
以下に、各構成要素ごとの動作を説明するが、コイル挿入矢37、コイル保持具28、及び駆動シャフト42(鉄心保持装置19)の動作タイミングは、全て各板カム61、69、30、38に設けられたカム曲線により同期させて制御される。
【0063】
まず、コイル導体2の切り出しとスロット3aへの挿入動作について説明する。
板カム38の回転により、この板カム38の外周面にカムフォロア36bが当接するレバー36が枢軸ピン35を中心として図15の反時計方向へ回転する。これにより、レバー36に連結されたコイル挿入矢37が下方へ下降し、保持位置にセットされたコイル導体2(コイル辺2a)に当接する直前のタイミングで一旦停止する(図17参照)。
また、板カム30の回転により、この板カム30の外周面にカムフォロア29bが当接するL型レバー29が枢軸ピン32を中心として図15の時計方向へ回転する。これにより、L型レバー29に連結されたコイル保持具28が保持ベース27のスライド溝を摺動して図15の左方向へ移動する。この時、コイル保持具28の先端面28dと傾斜シュート15の先端面15dとの間がコイル辺2aの幅2cより大きく開く(図18参照)。
【0064】
続いて、一旦停止していたコイル挿入矢37が更に下降して、図18に示す様に、コイル挿入矢37の段付部で傾斜シュート15に取り付けられたレバー24の先端を押さえながら、コイル導体2のコイル辺2aをスロット3a内の底部まで押し込む。この時、コイル導体2のコイル辺2aは、傾斜シュート15の先端面15dと保持ベース27の先端面27b(図17参照)とで形成される開口部79(図17参照)に案内されてスロット3aへ挿入される。その開口部79は、コイル辺2aをスロット3aへスムーズに挿入できる様に、スロット3aの開口部寸法より若干小さく設定されている。また、電機子鉄心3を保持する鉄心保持装置19は、傾斜シュート15の先端面15dと保持ベース27の先端面27bとで形成される開口部79とスロット3aの位置が合う様に回動装置20により制御されている。
【0065】
一方、コイル挿入矢37の下降途中でコイル挿入矢37の段付部に押されたレバー24は、枢軸ピン23を中心として図17の反時計方向へ回転することにより、傾斜シュート15の表面上に突出していた突起部24aが下降する。これにより、それまで突起部24aに当接して傾斜シュート15のエスケーブ位置に停止していたコイル導体2が自重で傾斜シュート15を下方へ移動し、図18に示す様に、コイル挿入矢37の側面に当接してエスケーブ後位置で停止する。その後、コイル挿入矢37が上昇し、コイル保持具28が元の位置に復帰する。この時、コイル挿入矢37の上昇に伴って、それまでコイル挿入矢37の段付部に押されていたレバー24がコイルばね25の反力を受けて元の位置に復帰し、エスケーブ後位置に停止していたコイル導体2とエスケーブ位置のコイル導体2との間に突起部24aが上昇する。
コイル挿入矢37が上昇してコイル導体2が通過できる隙間が生じると、エスケーブ後位置に停止していたコイル導体2が自重で傾斜シュート15を滑り落ち、つぎに組み立てられるコイル導体2としてコイル保持具28の保持位置にセットされる。
【0066】
次に、鉄心保持装置19の上下動作及び旋回動作について説明する。
a)上下移動装置21による駆動シャフト42の上下動作について説明する。
下部シャフト66と一体に板カム69が回転すると、この板カム69の外周面にカムフォロア68bが当接するレバー68が枢軸ピン59を中心として回転し、そのレバー68に連結された駆動シャフト42が上下動する。
b)回動装置20による駆動シャフト42の回転動作について説明する。
下部シャフト66と一体に板カム61が回転すると、この板カム61の外周面にカムフォロア60aが当接するL型レバー60が枢軸ピン59を中心として回転し、そのL型レバー60に連結された往復動シャフト63がスライドする(図15で左右方向に移動する)。これにより、往復動シャフト63の側面に形成されたラック63aに噛み合うピニオン64が回転して、そのピニオン64の回転がスプライン64aとスプライン42bを通じて駆動シャフト42に伝達されて駆動シャフト42が回転する。
【0067】
上下移動装置21の作動により駆動シャフト42とともに鉄心保持装置19が上昇すると、その上昇途中でレバー53に枢軸ピン54を介して回転自在に取り付けられたレバー55の爪部55aが歯車51の歯面を滑りながら次の歯に噛み合う。更に駆動シャフト42が上昇し、上昇端まで達すると、回動装置20の作動を受けて駆動シャフト42とともに鉄心保持装置19が所定角度だけ回転する。なお、この「所定角度」は、これから電機子鉄心3に組み立てようとするコイル導体2のコイル端部2bが、既に電機子鉄心3に組み立てられているコイル導体2のコイル端部2bと干渉しない様に設定されている。
更に、電機子鉄心3の上方からコイル導体2が組み立てられるのに連動して、コイル辺2aがスロット3aに挿入される直前までに駆動シャフト42とともに鉄心保持装置19が所定角度だけ逆回転して元の位置へ戻った状態で、コイル辺2aがコイル挿入矢37に押されてスロット3a内へ挿入される。
【0068】
その後、駆動シャフト42とともに鉄心保持装置19が下降し、初期位置(図15に示す位置)に復帰すると、他端部がストッパボルト57に当接して規制されたレバー53がシャフト48を中心として回転する。このレバー53の回転に伴って、レバー53に支持されたレバー55が歯車51を回転させることにより、この歯車51が固定されたシャフト48が回転する。これにより、シャフト48に固定された歯車49が回転して、この歯車49と噛み合う歯車41bがシャフト41と一体に回転する。その結果、電機子鉄心3が1スロット3a分だけ回転して、次のコイル導体2が組み立てられる状態となる。
【0069】
以上のコイル導体2の切り出しと、スロット3a内へのコイル辺2aの挿入、及び電機子鉄心3の旋回と上昇下降の所定工程を、コイル導体2の所定数分繰り返すことにより、全てのコイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てることができる。
なお、本実施例では、電機子鉄心3を鉄心保持装置19に装着する作業、及びコイル導体2を傾斜シュート15へ供給する作業を手動で実施したが、自動で行っても良い。
【0070】
(本実施例の効果)
本実施例によれば、電機子鉄心3を所定角度回転させることで、既に電機子鉄心3に組み立てられているコイル導体2に対してコイル端部2b同士が干渉することなくコイル導体2を電機子鉄心3に組み立てることができる。
また、本実施例では、鉄心保持装置19により電機子鉄心3をクランプしているが、電機子鉄心3は剛性が高いので強度にクランプでき、高速で回転させても位置ずれの心配が無い。従って、コイル導体2と電機子鉄心3のスロット3aとの位置ずれも無く高速でのコイル導体2の組み立てが可能である。
本実施例のコイル組立装置14では、コイル導体2をコイル保持具28の保持位置にセットした後、保持ベース27の先端面27bと傾斜シュート15の先端面15dとで形成される開口部79を案内として、コイル導体2をコイル挿入矢37で押し込むことにより電機子鉄心3のスロット3a内へ挿入できる。このため、コイル導体2をクランプ、アンクランプする必要が無く、高速でのコイル導体2の組み立てが可能である。
【0071】
コイル保持具28の保持位置にセットされたコイル導体2は、コイル辺2aがスロット3a内へ挿入可能な適正姿勢で保持されるため、スロット3aへの挿入不良を防止できる。
コイル挿入矢37がコイル導体2を押し込む動作と同時に、コイル切り出し装置16が連動してエスケーブ位置にあるコイル導体2をエスケーブ後位置に移動させることができるため、すぐに次のコイル導体2を電機子鉄心へ組み立てる作業を開始でき、高速でのコイル導体2の組み立てが可能である。
コイル導体2を搬送する手段として傾斜シュート15を採用したことにより、コイル導体2が傾斜シュート15を自重で滑り落ちるため、コイル切り出し装置16のレバー24が下がった時の動き出すタイミングに最も追従性が良い。従って、高速でのコイル導体2の切り出しができる。また、コイル導体2の搬送に特別な動力源や、搬送装置とコイル切り出し装置16とを同期させる制御手段も必要としないため、設備も極めて小型で安価にできる。
【0072】
本実施例のコイル組立装置14では、コイル導体2の供給から、その供給されたコイル導体2を電機子鉄心3のスロット3aへ挿入するまでの一連の動作を連続的に極めてスムーズ、且つ効率的に行うことができる。
特に、コイル導体2の供給は、図23に示した様な仮マガジン78に位置決めすることなく複数個並べて置き、その並べて置いたコイル導体2を仮マガジン78から傾斜シュート15へ流し込むだけで良いため、特別な位置決めを設けた大型のマガジン等を使用する必要がない。また、コイル導体2をマガジン等に事前に位置決めして収納する必要もないため、マガジンの交換も不要である。従って、コイル組立装置14へコイル導体2を供給する際の作業性が極めて良好である。
更に、コイル導体2をスロット3aへ挿入する工程では、チャック部材等でコイル導体2を把持する必要がない上、複雑なコイル導体2の移動もなく、上方からコイル挿入矢37によって押し込むだけで良いため、極めて短時間でコイル導体2の組み立てができる。また、コイル導体2の挿入動作と切り出し動作とが連動しているため、極めて信頼性が高く、シンプルな機構であり設備も小型で安価にできる。
【0073】
(第4実施例)
図24はコイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てる前の状態を示す正面図であり、図25はコイル導体2を電機子鉄心3へ組み立てる過程を示す正面図である。
本実施例の組立装置14は、電機子鉄心3に対してコイル導体2を下方から押し上げて組み立てる構成であり、コイル辺2aをスロット3aの底部まで挿入するためのガイド部材80を有するコイル保持具81と、スロット3aに挿入されたコイル辺2aがスロット3aから飛び出すのを防止する飛出し防止ガイド82とを具備している。また、コイル導体2の搬送手段として水平フィーダ83を用いている。
【0074】
以下に、本実施例の作用を説明する。
まず、図示しない回動装置によって鉄心保持装置とともに電機子鉄心3を所定角度だけ回転させる。
一方、コイル導体2は、水平フィーダ83によって保持位置へ供給された後、コイル保持具81と飛出し防止ガイド82とで挟まれた開口部84(図24参照)をガイドとしてコイル挿入矢37により下方から押し上げられるのに連動して、コイル辺2aがスロット3aに挿入される直前までに、鉄心保持装置19とともに電機子鉄心3が所定角度だけ逆回転し、コイル辺2aとスロット3aが平行になった状態でコイル挿入矢37が上昇してコイル辺2aがスロット3a内へ挿入される。この時、電気子鉄心3とコイル挿入矢37及びコイル辺2aとガイド部材80との干渉を避けるため、コイル辺2aが電機子鉄心3の外径より若干低い位置(外側)で停止する。なお、開口部84の幅は、スロット3aの開口幅より若干小さく設定されている。
【0075】
次に、コイル挿入矢37を前記の状態で保持し、電機子鉄心3をスロット3a分だけ回転させて、コイル導体2をコイル挿入矢37からガイド部材80に乗り移す。その後、コイル挿入矢37を下降させ、コイル導体2の切り出しと挿入の1サイクルを終了する。
電機子鉄心3に組み立てられたコイル導体2は、電機子鉄心3が1スロット3a分ずつ回転するのに伴って、図25に示す様に、コイル辺2aの外周端面がガイド部材80の内周面に倣ってスロット3aの底部へ押し込まれる。なお、コイル挿入矢37と、コイル導体2を切り出すレバー24と、水平フィーダ83は同期して動作する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コイル組立装置の斜視図である(第1実施例)。
【図2】ロータとコイル導体の斜視図である。
【図3】アーマチャの半断面図である。
【図4】コイル導体を所定角度回転した状態を示す上面図である。
【図5】(a)はコイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向一方側から見た正面図、(b)はその側面図である。
【図6】(a)はコイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向他方側から見た正面図、(b)はその側面図である。
【図7】(a)はコイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向一方側から見た正面図、(b)はその側面図、(c)は軸方向他方側から見た正面図である。
【図8】(a)はコイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向一方側から見た正面図、(b)はその側面図、(c)は軸方向他方側から見た正面図である。
【図9】コイル組立装置の斜視図である(第1実施例の変形例)。
【図10】コイル組立装置の断面図である(第2実施例)。
【図11】チャック部材の斜視図である(第2実施例)。
【図12】(a)〜(c)は下層コイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向一方側から見た正面図である(第2実施例)。
【図13】(a)〜(c)は上層コイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向一方側から見た正面図である(第2実施例)。
【図14】(a)、(b)は下層コイル導体を電機子鉄心へ組み立てる工程をロータの軸方向一方側から見た正面図である(第1実施例の変形例)。
【図15】コイル組立装置の正面断面図である(第3実施例)。
【図16】コイル組立装置の側面断面図である(第3実施例)。
【図17】コイル導体を保持位置にセットした状態を示す正面図である(第3実施例)。
【図18】コイル辺をスロット内へ挿入した状態の正面図である(第3実施例)。
【図19】(a)はコイル導体を保持位置にセットした状態を示す拡大正面図、(b)は図19(a)のA−A断面図である(第3実施例)。
【図20】鉄心保持装置の側面図である(第3実施例)。
【図21】鉄心保持装置の正面図である(第3実施例)。
【図22】コイル導体の供給工程を示す斜視図である(第3実施例)。
【図23】コイル導体の供給工程を示す斜視図である(第3実施例)。
【図24】コイル導体を電機子鉄心へ組み立てる前の状態を示す正面図である(第4実施例)。
【図25】コイル導体を電機子鉄心へ組み立てる過程を示す正面図である(第4実施例)。
【図26】回転子の斜視図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 コイル組立装置(第1実施例、第2実施例)
2 コイル導体
2A 下層コイル導体
2B 上層コイル導体
2a コイル辺
2b コイル端部
3 電機子鉄心
3a スロット
7 電動機(第2の回転機構)
11 外カム(第1の外カム)
11A 外カム(第2の外カム)
11a 外カムのカム面
12 内カム(第1の内カム)
12A 内カム(第2の内カム)
12a 内カムのカム面
14 コイル組立装置(第3実施例)
15 傾斜シュート(コイル搬送手段)
18 コイル挿入装置(コイル挿入手段)
20 回動装置(第1の回転機構)
28 コイル保持具(保持手段)
37 コイル挿入矢
79 開口部(第3実施例)
84 開口部(第3実施例)
A アーマチャ(回転電機の回転子)
Claims (12)
- 外周に複数のスロットを有する電機子鉄心と、
複数本のコイル導体を前記電機子鉄心に組み立てて形成される電機子コイルとを備え、 前記コイル導体は、前記スロットに挿入される直線状のコイル辺と、前記スロットより軸方向に突出する前記コイル辺の両端から前記電機子鉄心の端面と略平行に径方向内側へ延びる一対のコイル端部とを有し、この一対のコイル端部が互いに前記コイル辺を中心として反対側へ所定角度傾斜して設けられている回転電機の回転子において、
前記複数本のコイル導体のうち、最初の1本目のコイル導体を前記電機子鉄心に組み立てた後、2本目以降のコイル導体を1本ずつ順次前記電機子鉄心に組み立てる方法であって、
1本の前記コイル導体を前記電機子鉄心の径方向外周に配置し、そのコイル導体のコイル端部が既に前記電機子鉄心に組み立てられている他のコイル導体のコイル端部と干渉しない様に前記コイル導体と前記電機子鉄心とを相対的に所定角度傾けて、その傾きを保ちながら前記コイル端部が前記他のコイル導体のコイル端部と干渉しない位置まで前記コイル導体を前記電機子鉄心に近接させ、その後、前記コイル導体と前記電機子鉄心との傾きを戻して前記コイル辺を前記スロット内へ挿入可能な姿勢に修正してから前記コイル辺を前記スロット内へ挿入することを特徴とするコイル導体の組立方法。 - 前記コイル導体と前記電機子鉄心との相対的な傾きとは、前記コイル辺が前記電機子鉄心の軸芯と平行な状態で前記スロットに対し前記コイル端部の傾斜方向と反対側へ所定角度だけ回転した状態であることを特徴とする請求項1に記載したコイル導体の組立方法。
- 請求項2に記載したコイル導体の組立方法において、
複数本のコイル導体のうち最後に前記電機子鉄心へ組み立てるコイル導体は、前記コイル辺を前記電機子鉄心の軸芯と平行な状態で前記スロットに対し所定角度だけ回転させた姿勢で前記電機子鉄心へ近づけた後、前記コイル辺を前記スロットに対し平行な姿勢に戻しながら、且つ前記電機子鉄心の軸芯に対して前記コイル辺を長手方向に傾けて前記スロットへ挿入することを特徴とするコイル導体の組立方法。 - 既に前記電機子鉄心に組み立てられた前記コイル導体を前記コイル辺が前記スロット内の底部から浮き上がった状態に保持しながら次のコイル導体を前記電機子鉄心に組み立てることを特徴とする請求項1〜3に記載した何れかのコイル導体の組立方法。
- 請求項4に記載したコイル導体の組立方法において、
前記電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、外周面をカム面とする内カムを備え、
前記電機子鉄心に組み立てられた前記コイル導体に対して、前記コイル端部の先端を前記内カムのカム面に当接させることにより、前記コイル辺を前記スロット内底部から浮き上がった状態に保持することを特徴とするコイル導体の組立方法。 - 請求項5に記載したコイル導体の組立方法において、
前記電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、内周面をカム面とする外カムを備え、
前記電機子鉄心に組み立てられた前記コイル導体に対して、前記コイル辺の外周端面を前記外カムのカム面に当接させながら前記電機子鉄心と前記外カムとを相対回転させることにより、前記コイル辺を前記スロット内の底部まで挿入することを特徴とするコイル導体の組立方法。 - 外周に複数のスロットを有する電機子鉄心と、
直線状の下層コイル辺、及びこの下層コイル辺の両端から前記下層コイル辺に対して略直角に伸びる一対の下層コイル端部とを有し、この一対の下層コイル端部が互いに前記下層コイル辺を中心として反対側へ所定角度傾斜して設けられた複数の下層コイル導体と、
直線状の上層コイル辺、及びこの上層コイル辺の両端から前記上層コイル辺に対して略直角に伸びる一対の上層コイル端部とを有し、この一対の上層コイル端部が互いに前記上層コイル辺を中心として反対側へ所定角度傾斜して設けられた複数の上層コイル導体と、
前記電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、外周面をカム面とする第1の内カムと、
前記電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、内周面をカム面とする第1の外カムと、
前記電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、外周面をカム面とする第2の内カムと、
前記電機子鉄心と相対回転可能に設けられ、内周面をカム面とする第2の外カムとを準備し、
前記下層コイル導体を前記電機子鉄心の径方向外周に配置し、その下層コイル導体の下層コイル端部が既に前記電機子鉄心に組み立てられている他の下層コイル導体の下層コイル端部と干渉しない様に前記下層コイル導体と前記電機子鉄心とを相対的に所定角度傾けて、その傾きを保ちながら前記下層コイル端部が前記他の下層コイル導体の下層コイル端部と干渉しない位置まで前記下層コイル導体を前記電機子鉄心に近接させ、その後、前記下層コイル導体と前記電機子鉄心との傾きを戻して前記下層コイル辺を前記スロット内へ挿入可能な姿勢に修正して、前記下層コイル辺を前記スロット内へ挿入させながら前記下層コイル端部の先端を前記第1の内カムのカム面に当接させて前記下層コイル辺を前記スロット内の底部から浮き上がった状態に保持し、前記電機子鉄心と前記第1の内カム及び前記第1の外カムとを相対回転させることによって前記スロット内の底部から浮き上がった状態に保持された前記下層コイル辺を前記第1の外カムのカム面に当接させて前記スロット内の底部まで挿入し、
次に、前記上層コイル導体を前記電機子鉄心の径方向外周に配置し、その上層コイル導体の上層コイル端部が既に前記電機子鉄心に組み立てられている他の上層コイル導体の上層コイル端部と干渉しない様に前記上層コイル導体と前記電機子鉄心とを相対的に所定角度傾けて、その傾きを保ちながら前記上層コイル端部が前記他の上層コイル導体の上層コイル端部と干渉しない位置まで前記上層コイル導体を前記電機子鉄心に近接させ、その後、前記上層コイル導体と前記電機子鉄心との傾きを戻して前記上層コイル辺を前記スロット内へ挿入可能な姿勢に修正して、前記上層コイル辺を前記スロット内へ挿入させながら前記上層コイル端部の先端を前記第2の内カムのカム面に当接させて前記上層コイル辺を既に前記スロット内に挿入されている前記下層コイル辺より上方に浮き上がった状態に保持し、前記電機子鉄心と前記第2の内カム及び前記第2の外カムとを相対回転させることによって前記上層コイル辺を前記第2の外カムのカム面に当接させて既に前記スロット内に挿入されている前記下層コイル辺の上部まで挿入することを特徴とするコイル導体の組立方法。 - 外周に複数のスロットを有する電機子鉄心と、
複数本のコイル導体を前記電機子鉄心に組み立てて形成される電機子コイルとを備え、 前記コイル導体は、前記スロットに挿入される直線状のコイル辺と、前記スロットより軸方向に突出する前記コイル辺の両端から前記電機子鉄心の端面と略平行に径方向内側へ延びる一対のコイル端部とを有し、この一対のコイル端部が互いに前記コイル辺を中心として反対側へ所定角度傾斜して設けられている回転電機の回転子において、
前記コイル導体を1本ずつ順次前記電機子鉄心に組み立てる装置であって、
前記コイル導体を前記電機子鉄心のスロット開口部に対向する位置に搬送するコイル搬送手段と、
このコイル搬送手段により搬送された前記コイル導体のコイル辺を前記スロットに挿入するコイル挿入手段と、
前記電機子鉄心と前記コイル導体とを相対的に所定角度回転させる回転手段と、
前記コイル挿入手段と前記回転手段の作動を同期させる制御手段とを備えたコイル導体の組立装置。 - 請求項8に記載したコイル導体の組立装置において、
前記回転手段は、
前記コイル辺と前記電機子鉄心の軸芯とが平行な状態で、前記スロットと前記コイル辺とを相対的に所定角度回転させる第1の回転機構と、
前記電機子鉄心と前記コイル導体とを円周方向へ相対的に所定角度回転させる第2の回転機構とから成ることを特徴とするコイル導体の組立装置。 - 請求項8に記載したコイル導体の組立装置において、
前記回転手段は、
前記コイル辺と前記電機子鉄心の軸芯とが平行な状態で、前記スロットと前記コイル辺とを相対的に所定角度回転させる第1の回転機構と、
前記電機子鉄心と前記コイル導体とを円周方向へ相対的に所定角度回転させる第2の回転機構と、
前記コイル辺と前記電機子鉄心とを前記電機子鉄心の軸芯に沿って相対的に所定角度回転させる第3の回転機構と
から成ることを特徴とするコイル導体の組立装置。 - 請求項8〜10に記載した何れかのコイル導体の組立装置において、
前記挿入手段は、
前記コイル導体を案内する開口部と、
この開口部を案内として前記コイル導体のコイル辺を前記スロット内へ挿入するコイル挿入矢と、
前記開口部と前記電機子鉄心のスロット開口部との相対位置を決める位置決め手段とを有することを特徴とするコイル導体の組立装置。 - 請求項11に記載したコイル導体の組立装置において、
前記コイル挿入手段は、
前記開口部の保持位置にセットされた前記コイル導体を保持する保持手段を具備していることを特徴とするコイル導体の組立装置。
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