JP3586978B2 - ウエザストリップの製造方法 - Google Patents

ウエザストリップの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スポンジゴム部分を備えたウエザストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14に示すウエザストリップ100は、特開平7−101294号公報に開示されたもので、フランジ101に組み付けられる把持部102と、該把持部102から側方へ突出するスポンジゴム製の中空シール部103とを同時押出成形してなる。フランジ101と閉鎖部材104との間を通過する音は、スポンジゴム製の中空シール部103で一応遮断されて減衰するが、スポンジゴムによる遮音性は低いので音の減衰量は少ない。そこで、中空シール部103の表面に遮音性の高いソリッド状の付加材料105を同時押出成形により薄く被覆し、音の遮音性を高めるようにしている。
【0003】
図15に示すウエザストリップ110は、実公平7−24259号公報に開示されたもので、ドアサッシュ111の外周に組み付けられる基部112と、該基部112からほぼV字形に突出する車室側のスポンジゴム製の中空シール部113と、車外側のスポンジゴム製のリップ部114とを同時押出成形してなるものである。スポンジゴム製のリップ部114の上部外側面は車外から見える部位であるが、スポンジゴムの表面は粗く光沢がないので見栄えが良くない。そこで、リップ部114の上部外側面に光沢のあるソリッドゴム製の薄片115を同時押出成形により被覆し、場合によっては、さらに薄片の外面にポリエチレンフィルム116を接着することにより、光沢性を付与している。
【0004】
図16に示すウエザストリップ120は、実開平5−10053号公報に開示されたもので、ルーフ部121のリテーナ122に組み付けられるスポンジゴム製の基部123と、該基部123から突出するスポンジゴム製の中空シール部124とを同時押出成形してなるものである。基部123の両縁に形成されたスポンジゴム製の掛止突部125は、リテーナ122に組み付けられるときに、リテーナ122の保持突部126を乗り越えてから該保持突部126に掛止されるが、スポンジゴムは滑りが悪いので保持突部126を乗り越えにくい。そこで、掛止突部125の表面に滑りの良いソリッドゴム製の滑り層127を同時押出成形により薄く被覆し、掛止突部125が保持突部126をスムーズに乗り越えるようにして組付性を高めるようにしている。
【0005】
上記の通り、ウエザストリップのスポンジゴム部分における遮音性、光沢性、組付性等といった性能を向上させる目的で、該スポンジゴム部分の表面にソリッドゴム製の薄片を同時押出成形により被覆する技術は種々知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、スポンジゴム部分の表面にソリッドゴム製の薄片を同時押出成形により被覆するには、次のような問題があった。
▲1▼ 押出機に薄片専用のソリッドゴム材料を微量ずつ送り込む必要があり、そのための設備の改造が必要になる。
▲2▼ 薄片を同時押出成形するというのは極めて高度な技術であり、薄片の厚さを長さ方向に均一に保つことは非常に困難である。実際には、高度な押出調整をしたとしても、薄片の厚さはかなりばらつき、性能が一定しない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、スポンジゴム部分のうち遮音性、光沢性、組付性、シール性、耐久性等といった性能向上を必要とする部位に、厚さが長さ方向に均一なソリッド状のゴムスキン層を生産性良く形成することができるウエザストリップ及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
ところで、本出願人は先に、電子線照射を利用した次の二件の特許出願をしているが、電子線照射の目的も効果も本発明とは異なっている。
(1)特開平2−80211号公報の発明は、未加硫未発泡ゴム体の曲げ加工する部分の一表面に電子線を照射し、該一表面を発泡することなく硬化させてスキン層を形成した後、該未加硫未発泡ゴム体全体を加硫発泡させ、その際の膨張をスキン層が偏りをもって規制することにより、ゴム体が自然に曲がるようにしたというものである。
【0009】
すなわち、電子線を照射する目的は、膨張を規制できるように、伸長しにくい厚いスキン層を形成して、ゴム体を曲げるためであり、性能向上のためではない。従って、厚いスキン層を形成できるように、電子線の照射量は10〜50Mradが推奨される。
【0010】
(2)特開平7−290465号公報の発明は、押出機から押し出された未加硫のゴム押出成形品を空中に支持した状態で、該ゴム押出成形品の表面部を電子線照射により加硫してゴム押出成形品の形状を安定させた後、前記ゴム押出成形品を搬送装置の上に載せた状態で、ゴム押出成形品の残部を加熱手段により加硫するというものである。
【0011】
すなわち、電子線を照射する目的は、製造中の未加硫のゴム押出成形品の形状を加硫前に安定させて、無駄な形状保持材を使わなくても、該ゴム押出成形品を搬送装置の上に載せて加硫できるようにするためであり、性能向上のためではない。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、押出成形した未加硫未発泡ゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム部分を備えたウエザストリップにおいて、前記スポンジゴム部分のうち製造後における性能向上を必要とする部位には、押出成形後かつ加硫発泡前の未加硫未発泡ゴムの表面を電子線照射により未発泡のまま架橋してなるゴムスキン層を形成したことを特徴とする。
【0013】
ここで、「製造後における性能向上を必要とする部位」としては、次のような部位を例示できる。
(1)音の通過経路にあるために遮音性が要求される部位
(2)外部から見えるために光沢性が要求される部位
(3)被シール部に当接するためにシール性が要求される部位
(4)繰り返し変形するために耐久性が要求される部位
(5)被組付部に圧入して組み付けるために滑り性が要求される部位
(6)被組付部に曲げて組み付けるために形状安定性が要求される部位
【0014】
また、上記ウエザストリップの製造方法に関する本発明は、押出成形した未加硫未発泡ゴムを送りながら、次の二工程を連続的に行うことを特徴とする
I)次工程で形成するスポンジゴム部分のうち製造後における性能向上を必要とする互いに向きの異なる複数の部位には、押出成形後かつ加硫発泡前の未加硫未発泡ゴムの表面に電子線を一方向から照射し、該照射の際に、前記一方向からの電子線を何れかの前記部位に絞るために開口付きの遮蔽板を配するとともに、前記一方向からの電子線を反射して他の前記部位に照射するために反射板を配して行い、該表面を未発泡のまま架橋することによりゴムスキン層を形成する電子線照射工程、
(II)残りの未加硫未発泡ゴムを加硫発泡させ膨張させることによりスポンジゴム部分を形成する加硫発泡工程。
【0015】
ゴムスキン層の厚さは、特に限定されないが、性能向上を実質的に図るためには、0.1mm以上とすることが好ましい。また、ゴムスキン層によって可撓性が過度に低下しないようにするためには、ゴムスキン層の厚さを0.8mm以下とすることが好ましい。さらに、ゴムスキン層が加硫発泡工程における未加硫未発泡ゴムの膨張に追従して伸長できるようにし、もってウエザストリップが曲がらないようにするためには、ゴムスキン層の厚さを0.8mm以下とすることが好ましい。
【0016】
電子線の照射量は、特に限定されないが、3Mrad以上10Mrad未満が好ましい。該照射量は、電子線の加速電圧及び未加硫未発泡ゴムの送り速度によって決まり、例えば、未加硫未発泡ゴムの送り速度が3〜10m/分程度であれば、電子線の加速電圧は130〜250keV程度の低エネルギ領域でよい。従って、低コストでコンパクトな電子線照射装置を使用できる。
【0017】
なお、本発明で扱うゴムの種類は、特に限定されず、EPDMゴム、EPMゴム等を例示できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車の各部に取り付けられるウエザストリップに具体化した幾つかの実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。
【0019】
まず、図1〜図4に示す第一実施形態は、サッシュレスドア型自動車のルーフサイド部に取り付けられるルーフサイド・ウエザストリップとその製造方法に関する。図1に示すように、ドア開口縁におけるルーフ部14にはリテーナ15が固着され、リテーナ15には相対向する車外側保持突部16及び車内側保持突部17が折曲形成されている。18はルーフ部14に取り付けられたトリムであり、19はサッシュレスドア(図示略)から上昇するウインドガラスである。
【0020】
ウエザストリップ1は、リテーナ15に圧入されて組み付けられる基部2と、該基部2から延びる車外側側壁3、ブリッジ部4及び車内側側壁5と、これら3,4,5に接続支持されてウインドガラス19が当接するシール壁6と、該シール壁6から室内側に延出してトリム18に当接するシールリップ7とからなり、内部は中空部8となっている。基部2の両縁には、車外側保持突部16及び車内側保持突部17に各々掛止される車外側掛止突部9及び車内側掛止突部10が形成されている。
【0021】
材質的には、ウエザストリップ1の略全体が、押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されているが、該スポンジゴム11のうち製造後における性能向上を必要とする部位A及び部位Bには、後述する電子線照射により、太線で示すような厚さ0.1〜0.8mmのソリッド状のゴムスキン層12が形成されている。
【0022】
部位Aは、音の通過経路にあるために遮音性が要求され、外部から見えるために光沢性が要求され、かつウインドガラス19に当接するためにシール性が要求されるシール壁6の表面の一部である。部位Bは、リテーナ15への圧入時に車内側保持突部17を乗り越えさせるために滑り性が要求される車内側掛止突部10の表面である。
【0023】
図2は、上記ウエザストリップ1の製造装置を概略的に示し、押出機20の押出口には第一加硫槽21が設置されている。第一加硫槽21の内部には、ベルトコンベア搬送装置22と、その上で送られるウエザストリップ1の特定部位に向けて例えば上方から電子線を照射する電子線照射装置23が設けられ、その照射角度は適宜変更できるようになっている。
【0024】
第一加硫槽21の出口には第二加硫槽24が設置され、その内部にはベルトコンベア搬送装置25とマイクロ波加熱装置26とが設けられている。さらに、第二加硫槽24の出口には第三加硫槽27が設置され、その内部にはベルトコンベア搬送装置28と電熱加熱装置29とが設けられている。
【0025】
この製造装置を使用して上記ウエザストリップ1を製造するには、EPDMの未加硫未発泡ゴム30を、押出機20から例えば約6m/分の押出速度でウエザストリップ1の断面形状に押し出し、該未加硫未発泡ゴム30を同じ送り速度で送りながら、次の二工程を連続的に行う。
【0026】
(I)電子線照射工程
まず、未加硫未発泡ゴム30を第一加硫槽21に送り、図3に示すように、例えばシール壁6が上側になり基部2が下側になった姿勢で、ベルトコンベア搬送装置22の上に載せて搬送する。このとき、上方の電子線照射装置23から未加硫未発泡ゴム30の部位A及び部位Bの表面に向けて、加速電圧130〜250keV程度で電子線を照射する。電子線を部位Aに絞るために、未加硫未発泡ゴム30の直上方に開口32付きの遮蔽板31を配したり、上方からの電子線を反射して部位Bに照射するために、未加硫未発泡ゴム30の直側方に反射板33を配したりする等、照射に工夫を加える。部位A,Bの表面では、電子線のエネルギによってポリマー分子の側鎖が切断され、該切断により生成したラジカルの再結合により、未発泡のまま高速に架橋が進行するため、厚さ0.1〜0.8mmのソリッド状のゴムスキン層12が形成される。そして、このゴムスキン層12の厚さは、長さ方向に均一にでき、しかも生産性良く形成することができる。
【0027】
(II)加硫発泡工程
次に、未加硫未発泡ゴム30を第二加硫槽24に送り、ベルトコンベア搬送装置25で搬送しながら、マイクロ波加熱装置26から放射されるマイクロ波により全体的に加熱する。続いて、未加硫未発泡ゴム30を第三加硫槽27に送り、ベルトコンベア搬送装置28で搬送しながら、電熱加熱装置29から輻射される熱により表面部から加熱する。両加硫槽24,27における加熱により、図4に示すように、前記ゴムスキン層12を除く残りの未加硫未発泡ゴム30が加硫発泡して膨張し、スポンジゴム11が形成される。
【0028】
このようにして製造されたウエザストリップ1を、図1に示すように、リテーナ15に組み付けるには、まず、車外側掛止突部9をリテーナ15の内底部に差し込んで車外側保持突部16に掛止させた後、車内側掛止突部10を押圧して車内側保持突部17を乗り越えさせ、リテーナ15の内奥部に圧入する。このとき、車内側掛止突部10の表面の部位Bには、スポンジゴムより表面粗度が細かく摩擦抵抗の低いソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、車内側保持突部17をスムーズに乗り越えさせることができる。これにより、ウエザストリップ1の組付性が改善される。
【0029】
また、シール壁6の部位Aは音の通過経路にあるが、スポンジゴムより密度が高く音を通しにくいソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、遮音性が向上する。また、部位Aは外部から見えるが、スポンジゴムより表面粗度が細かく艶のあるソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、光沢性が向上する。さらに、部位Aにはウインドガラス19が当接するが、スポンジゴムより表面粗度が細かく密着性の良いソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、シール性が向上する。
【0030】
なお、図5に示す変更例のように、部位Aをシール壁6及びシールリップ7の略全体に拡張し、該部位Aの表面に電子線を照射してゴムスキン層12を形成することもできる。ゴムスキン層12の形成部位を拡張した分だけ、遮音性が高くなるとともに、光沢性を示す範囲が広くなる。
【0031】
また、図6に示す別の変更例のように、シール壁6及びシールリップ7の略全体に渡る部位Aと、車内側掛止突部10にかかる部位Bとに加え、車外側側壁3及び車内側側壁5の略全体にわたる部位Cの表面に、電子線を照射してゴムスキン層12を形成することもできる。部位Cは、ウインドガラス19がシール壁6に当接するたびに、繰り返し変形する部位であるが、スポンジゴムより丈夫なソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、耐久性が向上する。
【0032】
次に、図7に示す第二実施形態のウエザストリップ35は、ブリッジ部4及び車内側側壁5をシール壁6より突出させ、その突端にウインドガラス19の内面に当接するガラス用リップ36を形成した点においてのみ、第一実施形態と相違するものである。ゴムスキン層12を部位A及び部位Bに形成する点は第一実施形態と同一であり、その他の第一実施形態と共通の部分については、共通の符号を付して説明を省略する。
【0033】
次に、図8は、サッシュドア型自動車のルーフサイド部38に組み付けられる第三及び第四実施形態のウエザストリップ40,46と、ドアサッシュ39に組み付けられる第五及び第六実施形態のウエザストリップ51,55とをまとめて示している。
【0034】
第三実施形態のウエザストリップ40はドリップチャンネルとしても作用するドリップ・ウエザストリップであって、断面T字形のルーフサイドレール41に組み付けられる断面コ字形の基部42と、該基部42からドアサッシュ39側に延びて当接するシールリップ43と、該基部42からルーフサイド部38側に延びて当接するシールリップ44とからなる。
【0035】
材質的には、基部42が、押出成形した未加硫EPDMゴムを加硫させてなるソリッドゴム13で構成され、両シールリップ43,44が、前記未加硫EPDMゴムと同時に共押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されている。シールリップ43の上面の部位Dには、前述した電子線照射によりゴムスキン層12が形成されている。部位Dは音の通過経路にあるが、ソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、遮音性が向上する。
【0036】
第四実施形態のウエザストリップ46はドアオープニングトリム・ウエザストリップであって、ルーフサイド部38の下縁に組み付けられる断面U字形の基部47と、該基部47から車内側に延びる延出部48と、該基部47からドアサッシュ39側へ延びて当接する断面半円形の中空シール部49とからなる。
【0037】
材質的には、基部47及び延出部48が、押出成形した未加硫EPDMゴムを加硫させてなるソリッドゴム13で構成され、中空シール部49が、前記未加硫EPDMゴムと同時に共押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されている。中空シール部49の表面の部位Eには、前述した電子線照射によりゴムスキン層12が形成されている。部位Eは、音の通過経路にあるために遮音性が要求され、ドアサッシュ39に当接するためにシール性が要求され、かつ該当接のたびに繰り返し変形するために耐久製が要求される部位であるが、ソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、これらの性質が向上する。なお、部位Eは中空シール部49の頂部を除いてもよい。
【0038】
第五実施形態のウエザストリップ51はドア・ウエザストリップであって、ドアサッシュ39の周端面に組み付けられる基部52と、該基部52からルーフサイド部38側へ延びて当接する断面略円形の中空シール部53とからなる。
【0039】
材質的には、ウエザストリップ51の略全体が、押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されているが、中空シール部53の表面の二つの部位Fには、前述した電子線照射によりゴムスキン層12が形成されている。部位Fは、音の通過経路にあるために遮音性が要求され、かつルーフサイド部38に当接するたびに繰り返し変形するため、耐久製が要求される部位であるが、ソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、これらの性質が向上する。なお、部位Fは中空シール部53の全表面としてもよいが、その場合、中空シール部53のたわみ性が低下してドア閉力が増加する可能性もあるので、ケースバイケースで決定する。
【0040】
第六実施形態のウエザストリップ55はウインドガラス56の周縁をシールするドアガラスランであってあって、ドアサッシュ39のリテーナ57に組み付けられる断面門形の基部58と、該基部58内に掛け渡されてウインドガラス56の上端が当接するシール壁59と、該基部58から延びてウインドガラス56の内面に当接するシールリップ60と、該基部58からリテーナ57側に突出する突部61とからなる。
【0041】
材質的には、基部58が、押出成形した未加硫EPDMゴムを加硫させてなるソリッドゴム13で構成され、その他の59,60,61が、前記未加硫EPDMゴムと同時に共押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されている。シール壁59の下面の部位Gには、前述した電子線照射によりゴムスキン層12が形成されている。部位Gは、ウインドガラス56が当接する部位であるが、ソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、シール性が向上する。なお、部位Gはシール壁59の全下面としてもよい。
【0042】
次に、図9〜図12は、自動車のサンルーフ部に組み付けられる第七〜第九実施形態のサンルーフ・ウエザストリップ70,80,85を示している。
【0043】
図9に示す第七実施形態のウエザストリップ70は、サンルーフガラス71の周縁取付材72に組み付けられる断面U字形の基部73と、該基部73の下部からルーフ材75側に突出した突部74と、該基部73及び突部74からルーフ材75側へ延びて当接する断面略半円形の中空シール部76とからなる。
【0044】
材質的には、基部73及び突部74が、押出成形した未加硫EPDMゴムを加硫させてなるソリッドゴム13で構成され、中空シール部76が、前記未加硫EPDMゴムと同時に共押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されている。中空シール部76の表面の部位Hには、前述した電子線照射によりゴムスキン層12が形成されている。部位Hは、音の通過経路にあるために遮音性が要求され、ルーフ材75に当接するたびに繰り返し変形するために耐久製が要求される部位であるが、ソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、これらの性質が向上する。なお、部位Hは中空シール部76の全表面としてもよい
【0045】
図10に示す第八実施形態のウエザストリップ80は、基部81がサンルーフガラス71の下面受け材82の縦フランジ部83に組み付け可能な形状に形成された点においてのみ、第七実施形態と相違するものである。
【0046】
図11に示す第九実施形態のウエザストリップ85は、基部86がルーフ材75側に挟持可能な形状に形成されるとともに、中空シール部76がサンルーフガラス71の周縁保護材87側に当接するように構成された点においてのみ、第七実施形態と相違するものである。
【0047】
ところで、図12は図11のウエザストリップ85の平面図であり、コーナ部では、ルーフ材75に対しウエザストリップ85は曲げて組み付けられるため、その曲げによって中空シール部76が基部86側へ潰れ変形しやすい。しかし、前記部位Hはその曲げに対して中空シール部76の形状を支える部位であり、同部位Hにはソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、中空シール部76の潰れ変形が防止され(形状安定性の向上)、シール性が維持される。なお、このように、被組付部に曲げて組み付けるために形状安定性が要求される部位に、ソリッド状のゴムスキン層を形成することは、本明細書に挙げたいずれの実施形態においても適用できる。
【0048】
次に、図13は、自動車のトランク部に組み付けられる第十実施形態のトランク・ウエザストリップ90を示している。このウエザストリップ90は、トランク部91のフランジ92に組み付けられる断面U字形の基部93と、該基部93の下部からトランク部91側へ延びて当接するシールリップ94と、該基部93の上部からトランクフード95側へ延びて当接する断面略円形の中空シール部96と、該基部93からトランク内側へ突出する突部97とからなる。
【0049】
材質的には、基部93が、押出成形した未加硫EPDMゴムを加硫させてなるソリッドゴム13で構成され、その他の94,96,97が、前記未加硫EPDMゴムと同時に共押出成形した未加硫未発泡EPDMゴムを加硫発泡させてなるスポンジゴム11で構成されている。シールリップ94の下面の部位Iと、中空シール部96の表面の部位Jには、前述した電子線照射によりゴムスキン層12が形成されている。部位I及び部位Jは、それぞれトランク部91及びトランクフード95に当接する部位であるが、ソリッド状のゴムスキン層12が形成されているので、シール性が向上する。
【0050】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)第一加硫槽において、複数の電子線照射装置から電子線を多方向に照射すること。
(2)未加硫未発泡ゴムを空中に支持して送りながら電子線を照射すること。
(3)上記実施形態以外の自動車各部に組み付けられるウエザストリップに具体化すること。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、スポンジゴム部分のうち遮音性、光沢性、組付性、シール性、耐久性等といった性能向上を必要とする部位に、厚さが長さ方向に均一なソリッド状のゴムスキン層を生産性良く形成することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態のウエザストリップを示す断面図である。
【図2】同ウエザストリップの製造装置の概略を示す正面図である。
【図3】同製造方法における電子線照射工程を示す断面図である。
【図4】同製造方法における加硫発泡工程を示す断面図である。
【図5】同製造方法の変更例における電子線照射工程を示す断面図である。
【図6】同製造方法の別の変更例における電子線照射工程を示す断面図である。
【図7】第二実施形態のウエザストリップを示す断面図である。
【図8】第三〜第六実施形態のウエザストリップをまとめて示す断面図である。
【図9】第七実施形態のウエザストリップを示す断面図である。
【図10】第八実施形態のウエザストリップを示す断面図である。
【図11】第九実施形態のウエザストリップを示す断面図である。
【図12】同ウエザストリップのコーナー部を示す平面図である。
【図13】第十実施形態のウエザストリップを示す断面図である。
【図14】従来のウエザストリップを示す断面図である。
【図15】従来の別のウエザストリップを示す断面図である。
【図16】従来の別のウエザストリップを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ウエザストリップ
11 スポンジゴム
12 ゴムスキン層
21 第一加硫槽
23 電子線照射装置
24 第二加硫槽
27 第三加硫槽
30 未加硫未発泡ゴム
35 ウエザストリップ
40 ウエザストリップ
46 ウエザストリップ
51 ウエザストリップ
55 ウエザストリップ
70 ウエザストリップ
80 ウエザストリップ
85 ウエザストリップ
90 ウエザストリップ
A〜J 部位

Claims (2)

  1. 押出成形した未加硫未発泡ゴムを送りながら、次の二工程を連続的に行うことを特徴とするウエザストリップの製造方法;
    (I)次工程で形成するスポンジゴム部分のうち製造後における性能向上を必要とする互いに向きの異なる複数の部位には、押出成形後かつ加硫発泡前の未加硫未発泡ゴムの表面に電子線を一方向から照射し、該照射の際に、前記一方向からの電子線を何れかの前記部位に絞るために開口付きの遮蔽板を配するとともに、前記一方向からの電子線を反射して他の前記部位に照射するために反射板を配して行い、該表面を未発泡のまま架橋することによりゴムスキン層を形成する電子線照射工程、
    (II)残りの未加硫未発泡ゴムを加硫発泡させ膨張させることによりスポンジゴム部分を形成する加硫発泡工程。
  2. 前記ゴムスキン層は、前記加硫発泡工程における未加硫未発泡ゴムの膨張に追従して伸長できる程度の厚さに形成する請求項記載のウエザストリップの製造方法。
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