JPH0577380A - ゴム積層体の製造方法 - Google Patents

ゴム積層体の製造方法

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JPH0577380A
JPH0577380A JP3270181A JP27018191A JPH0577380A JP H0577380 A JPH0577380 A JP H0577380A JP 3270181 A JP3270181 A JP 3270181A JP 27018191 A JP27018191 A JP 27018191A JP H0577380 A JPH0577380 A JP H0577380A
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JP
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thermoplastic resin
rubber
rubber substrate
adhered
corona discharge
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JP3270181A
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English (en)
Inventor
Tadanobu Iwasa
忠信 岩佐
Sukenori Aritake
祐則 有竹
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着に向いていないEPDM製のゴム基体と
極性を有する熱可塑性樹脂材とを、簡便な方法で強固に
接着させる。 【構成】 EPDMからなるゴム基体5に、極性を有す
る熱可塑性樹脂フィルム7を直に接着するには、押出成
形・加硫後のゴム基体5の表面にコロナ放電処理を施し
ゴム基体5の表面を改質する。つまり、ゴム基体5の表
面にコロナ放電を浴びさせて、極性官能基であるカルボ
キシル基を生成する。その後、熱可塑性樹脂フィルム7
を予め接着した被接着部材9をゴム基体5に加熱・圧着
して、熱可塑性樹脂フィルム7をゴム基体5に熱溶着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、EPDM製のゴム基体
に極性を有する熱可塑性樹脂材を接着したゴム積層体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】EPDM(エチレンプロピレンジエン三
元系ゴム)製のゴム部材は、耐候性、耐オゾン性、耐熱
性等に優れた弾性体であるので、これらの特性が要求さ
れる自動車用のゴム部材として多用されている。そし
て、このEPDMからなるゴム基体に種々の部材を接着
することにより、意匠性やその機能を高めることが研究
されている。
【0003】例えば、自動車のドアサッシュとウインド
ガラスとの間には、EPDM製のガラスランが設けられ
ている。このガラスランの摺動部位には、ウインドガラ
スに対する摺動性を高めるために、滑材やポリエステル
製シート材や布材といった非金属性のガラス摺動促進部
材を接着することが行なわれている。また、自動車のド
ア開口等の周縁部には、ボディとドアの間隙をシール
し、外からの雨水や、塵、騒音などを防止するEPDM
製のウエザストリップドアオープニングトリム(以下、
ウエザストリップという)が装着されている。このEP
DMは、黒色の素材であることから、EPDM製のゴム
基体に、室内の色調にマッチした色のポリエステルやナ
イロンで作製した布等の非金属性の装飾用部材を接着す
ることが行なわれている。
【0004】ところで、EPDM製のゴム基体について
の接着法として、例えば、以下の方法が知られている。
すなわち、押出成形及び加硫処理されたゴム基体に、バ
フ処理、脱脂、プライマー塗布、接着剤塗布、乾燥、上
記装飾用布材等の各被接着部材の貼付、接着剤硬化とい
う処理を施す方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の接
着技術では、加硫処理の後に、上述した多くの処理を必
要とするので、生産ラインが長くなり、生産性が低く、
コストアップの要因となっていた。
【0006】また、従来技術として、特開昭58−15
8216号公報に記載されているものがある。すなわ
ち、被接着部材の表面に、エチレンビニルアルコール
(EVA)やナイロンあるいはポリエステル等の溶剤系
接着剤を予め塗布する。この被接着部材の接着剤側を押
出成形直後の押出成形体に重ね合わせ、ローラ等で圧接
すると共に、押出成形直後の製品自体のもつ熱によって
接着剤を溶かす。これにより、押出成形体に被接着部材
を接着する。
【0007】しかし、この接着法をEPDMの接着に適
用した場合には、EPDMとポリエステル等の極性を有
する熱可塑性樹脂との両方に強固に接着する接着剤がな
いので、高い接着強度が得られないという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記従来の技術の問題点を解決
することを課題とし、EPDM製のゴム基体に極性を有
する熱可塑性樹脂材を接着したゴム積層体を製造するに
当たって、バフ処理や接着剤の塗布等の処理を必要とせ
ず、しかもその接着強度に優れた製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の方法は、EPDM製のゴム基体に極性を有
する熱可塑性樹脂材を接着したゴム積層体の製造方法で
あって、所定の形状への成形及び加硫を経たEPDM製
のゴム基体の表面にコロナ放電処理を施し、前記EPD
Mの分子鎖中に極性官能基を生成する工程と、該極性官
能基の生成した前記ゴム基体の表面に、該熱可塑性樹脂
材を熱溶着する工程とを備えることをその要旨とする。
【0010】ここで、EPDMとは、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体ゴムをいう。また、極性を
有する熱可塑性樹脂とは、共重合ポリエステル樹脂等の
樹脂であり、当該樹脂の形態としては、フィルムもしく
はシート、或いは板状体等を例示することができる。こ
の極性を有する熱可塑性樹脂材は、既述したガラスラン
における非金属性のガラス摺動促進部材や、ウエザスト
リップにおける非金属性の装飾用部材に接着(溶融接
着)する性質を有するものである。更に、官能基生成処
理によって生成する極性官能基としては、カルボキシル
基、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、アクリル基等があ
る。
【0011】コロナ放電処理を施すには、コロナ電極か
ら放電されて形成されたコロナ電界中に、ゴム基体の表
面を該コロナ電極側にしてEPDM製のゴム基体を通過
させればよい。
【0012】
【作用】無極性ポリマーであるEPDMとポリエステル
のような極性を有する樹脂とは、既述したように本来強
固に接着できないのであるが、上記構成を有するゴム積
層体の製造方法は、次のようにしてEPDMと極性を有
する樹脂とを強固に接着する。
【0013】所定の形状への成形及び加硫を経たゴム基
体の表面にコロナ放電処理を施すことにより、当該表面
には極性官能基が生成する。つまり、ゴム基体表面は、
生成した極性官能基により、ポリエステル等の極性を有
する熱可塑性樹脂に対する接着性が付与され、表面特性
が改質される。そして、このゴム基体の表面に極性を有
する熱可塑性樹脂材を熱溶着することにより、ゴム基体
と極性を有する熱可塑性樹脂材とは極性官能基を介して
強固に接着する。
【0014】ここで、コロナ放電処理による官能基生成
として、コロナ電極から放電されて形成されたコロナ電
界中にゴム基体の表面を該コロナ電極側に対向させてゴ
ム基体を通過させることで、ゴム基体表面におけるEP
DMの分子鎖中にはカルボキシル基が生成されると考え
られる。つまり、化学式1に示すように、コロナ放電に
より発生した電子のエネルギが炭素と水素の結合を部分
的に解離させるとともに、多量のオゾンを生成する。そ
して、不安定分子状態であるオゾンから分離した酸素原
子が、解離した水素に替わって炭素に付加されると推察
される。
【化1】
【0015】なお、極性を有する熱可塑性樹脂材をフィ
ルム又はシートとし、この熱可塑性樹脂材にガラス摺動
促進部材や装飾用部材等の非金属性の接着対象材を重ね
て配置しておけば、上記した熱溶着により、ゴム基体,
極性を有する熱可塑性樹脂材(フィルム又はシート)及
び非金属性の被接着部材がこの順で積層したゴム積層体
が完成する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。 (1) 実施例のゴム積層体 まず、実施例を説明するにあたって、基本的構成となる
図2に示すゴム積層体及びその製造方法について説明す
る。図2において、ゴム積層体1は、EPDMからなる
ゴム基体5に、極性を有する熱可塑性樹脂フィルム7を
直に接着し、更にこの熱可塑性樹脂フィルム7の上面に
被接着部材9を接着することにより構成されている。
【0017】ここで、EPDMは、エチレン、プロピレ
ンに、第3成分として、エチリデンノボルネン、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエ
ンを微量添加し、共重合させて側鎖に二重結合を導入
し、硫黄加硫可能としたものである。このEPDMに
は、通常、補強性充填剤(カーボンブラックまたは白色
充填剤)、可塑剤、滑剤、加硫系薬剤等の副資材を配合
する。また、極性を有する熱可塑性樹脂フィルム7は、
共重合ポリエステル樹脂から作製されている。例えば、
ケミットR−248(東レ株式会社製:商品名)を用い
ることができる。このほか、ナイロン(N(PA))、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
スチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA)、
ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(P
VDC)、エチレンビニールアルコール共重合体、アイ
オノマー(IONOMAER)、等を用いることができ
る。なお、以下の説明に当たっては、この極性を有する
熱可塑性樹脂フィルム7を、説明の便宜上、極性熱可塑
性樹脂フィルム7ともいう。さらに、被接着部材9は、
極性を有する熱可塑性樹脂フィルム7と接着性を有する
非金属性の部材、例えば、ガラス摺動用や装飾用のポリ
エステル等の布やPVC等の樹脂シート材を用いること
ができる。なお、非金属性の部材に限らず、アルミ箔、
ニッケル・クロム蒸着フィルム等の金属性の部材を用い
てもよい。
【0018】次に上記ゴム積層体1の製造方法について
説明する。上記ゴム積層体1は、図1の生産ラインによ
って、以下に説明する成形工程に基づき製造される。ま
ず、ゴム基体5の押出成形を行なう。ゴム基体5のソリ
ッドゴム材料としてEPDMゴム材料21を用い、これ
を押出機23にて押出成形することにより、ゴム基体5
となる押出成形体6を製造する。次に、加硫処理を施し
てゴム基体5を製造する。この工程は、押出成形された
押出成形体6を加硫槽25に通すことにより行なう。加
硫の温度としては、EPDMゴムを加硫するのに好適な
温度180℃〜240℃にて行なう。
【0019】続いて、このゴム基体5にコロナ放電処理
を施して、ゴム基体5の表面を改質する。この工程は、
ゴム基体5をコロナ放電装置140に通すことにより行
なう。つまり、コロナ放電電極141とこれに対向する
金属ローラ143との間隙をゴム基体5が金属ローラ1
43に接触して通過する間に亘って、高周波発振機14
5により上記電極141とローラ143間に高電圧をか
け、コロナ放電電極141と金属ローラ143との間に
形成されたコロナ電界にゴム基体5を晒す。これによ
り、コロナ放電電極141側のゴム基体5表面に、極性
官能基であるカルボキシル基が生成して熱可塑性樹脂フ
ィルム7(共重合ポリエステル樹脂製フィルム)に対す
る接着性が付与され、表面特性が改質される。この際の
高周波発振機145の出力電力としては、カルボキシル
基が生成してゴム基体5の表面特性を改質するに足りれ
ばよく、本実施例では0.3kwとした。また、ゴム基
体5のコロナ電界の通過に当たっては、ゴム基体5の表
面とコロナ放電電極141の外周面との間隔を最小で1
〜1.5mmに設定した。なお、コロナ電界にゴム基体
5を晒すためのコロナ放電電極141と金属ローラ14
3とからなる電極の対は、1対で十分であるが、2以上
の電極の対を用いて複数回のコロナ放電処理をゴム基体
5に施してもよい。
【0020】図3に、コロナ放電の処理回数(出力電
力:0.3kw)、即ちコロナ放電用の上記電極の対の
個数と、ゴム基体5への極性熱可塑性樹脂フィルム7の
接着力との関係を示す。なお、図における接着力は、後
述する熱溶着にてゴム基体5に極性熱可塑性樹脂フィル
ム7を接着した場合の接着力である。また、図4に、コ
ロナ放電の際の出力電力とゴム基体5への極性熱可塑性
樹脂フィルム7の接着力との関係を示す。図3と同様
に、図における接着力は、後述する熱溶着にてゴム基体
5に極性熱可塑性樹脂フィルム7を接着した場合の接着
力である。図3,図4において処理回数及び出力電圧が
0の時の接着力は、エチレンビニルアルコール(EV
A)やナイロンあるいはポリエステル等の溶剤系接着剤
を介在させて、ゴム基体5に極性熱可塑性樹脂フィルム
7を熱溶着した場合の接着力である。これらの図から明
らかなように、この実施例の条件では、出力電力:0.
1kwのもので、1回の処理を行なうだけで十分な接着
力を得ることができる。
【0021】次に、コロナ放電を浴びたゴム基体5へ
の、熱可塑性樹脂フィルム7及び被接着部材9の接着処
理を行なう。すなわち、この工程は、熱可塑性樹脂フィ
ルム7を予め接着した被接着部材9をローラ27に巻き
付け、この被接着部材9を順次繰り出すと共に、圧着ロ
ーラ29にてゴム基体5に被接着部材9を圧着すること
により行なう。この際、圧着箇所周辺は160℃〜18
0℃の温度に維持されている。これにより、熱可塑性樹
脂フィルム7が熱溶着して、被接着部材9がゴム基体5
に接着される。なお、圧着箇所周辺で温度が下がってい
る場合には、コロナ放電処理装置の出口にヒータ等を配
置して所定の温度に昇温させればよい。
【0022】この方法の他に、2点鎖線で示すように、
熱可塑性樹脂フィルム7を被接着部材9と別のローラ3
0に巻き付け、熱可塑性樹脂フィルム7及び被接着部材
9を同時に繰り出して、熱可塑性樹脂フィルム7をゴム
基体5と被接着部材9との間に介在させて接着する方法
でもよい。上述のような工程を経て、冷却した後に、所
望の形状に折曲等の加工を行なうことにより、製品が完
成する。
【0023】上記実施例では、EPDM製のゴム基体5
に被接着部材9を接着するために、この被接着部材9と
は接着性に優れた極性熱可塑性樹脂フィルム7を用いる
とともに、ゴム基体5に熱可塑性樹脂フィルム7を接着
するに当たっては、ゴム基体5にコロナ放電処理を施し
て極性官能基であるカルボキシル基を生成して熱可塑性
樹脂フィルム7に対する接着性をゴム基体5に付与し、
その後熱可塑性樹脂フィルム7を熱溶着している。従っ
て、ポリエステルのような極性を有する樹脂には本来は
接着しないEPDM製のゴム基体5と熱可塑性樹脂フィ
ルム7とを、生成したカルボキシル基を介して強固に接
着させることができる。この結果、ゴム基体5は、極性
熱可塑性樹脂フィルム7を介在させて、被接着部材9と
も強固に接着する。
【0024】上述した実施例によれば、従来の技術と比
較して、以下に説明する効果を挙げることができる。 図4に示すように、EPDM製のゴム基体5と極性
熱可塑性樹脂フィルム7との接着強度を向上させること
ができる。 ゴム基体5へのコロナ放電処理と、ゴム基体5への
熱可塑性樹脂フィルム7及び被接着部材9の接着処理
を、加硫処理に引き続く一連の処理として同一の生産ラ
イン上で行なっているので、生産性に優れている。 従来の技術のように、バフ処理や接着剤等の塗布処
理等の工程が不要であるので、生産ラインが短くなり、
設備が簡略化する。 熱溶着を利用しているので、接着剤が不要になり、
よってコストダウンを実現することができる。
【0025】上記実施例では、ガラス摺動用や装飾用の
非金属性部材或いは金属性部材である被接着部材9が外
表面に位置する場合について説明したが、この被接着部
材9を省略して極性熱可塑性樹脂フィルム7が外表面に
位置するようにしてもよい。この場合には、フィルムで
はなくシートもしくは板状体とすればよい。
【0026】なお、上記の実施例では、固定したコロナ
放電電極141と金属ローラ143の1対の電極の対の
間をゴム基体5が通過するものを示したが、電極の対は
ゴム基体5に対して相対的に移動ができるものでもよ
い。
【0027】次に、上記本実施例のゴム積層体1をガラ
スランに適用した実施例について説明する。図5に示す
ように、ガラスラン101は、自動車ボディ33のドア
36のウインドガラス38の周縁部に取り付けられてい
る。図6にガラスラン101の断面を示す。図6に示す
ように、ガラスラン101は、ドア36の枠体(図示省
略)に取り付けられるソリッドゴム製のゴム基体103
を備える。ゴム基体103には、ウインドガラス38を
摺動させる溝106が形成されている。この溝106に
は、ウインドガラス38に摺動する溝底部107及び両
側の摺動部109があり、これらに熱可塑性樹脂フィル
ム111を介して摺動用の被接着部材113が接着され
ている。熱可塑性樹脂フィルム111には、フィルム厚
が約30μmの共重合ポリエステル樹脂(東レ社製 ケ
ミットR−248)製フィルムを用いた。また、被接着
部材113として、ポリエステルを素材とした織物を用
いた。
【0028】次にガラスランの製造方法について図7に
したがって説明する。まず、ゴム基体103の押出成形
を行なった。押出成形には、押出機52を使用した。す
なわち、ゴム材料供給装置54から押出機52にEPD
M素材を供給し、図8に示す押出成形体115を形成し
た。このときの押出機52の押出速度は、5m/分に設
定した。なお、本実施例にて使用したEPDMの配合は
以下の通りである。 注1) 「JSREP 57C」(日本合成ゴム株式会
社製:商品名)
【0029】次に、ゴム基体103の加硫処理を行なっ
た。この工程は、押出成形体115を、主として加熱用
のマイクロ波加熱装置(UHF)61と、主として保温
用の熱風加硫装置(HAV)63とを通すことにより行
なった。このときの加硫条件として、200℃×5分を
採用した。
【0030】その後、このゴム基体103にコロナ放電
処理を施した。この工程は、ゴム基体103を、コロナ
放電装置64内に通すことにより行なった。コロナ放電
装置64は、コロナ放電電極641とこれに対向する金
属ローラ643と高周波発振機645(図9参照)を備
える。そして、高周波発振機により上記電極641とロ
ーラ643間に高電圧をかけ、コロナ放電電極641と
金属ローラ643との間でコロナ放電を行なう。なお、
コロナ放電電極641は外周に誘電体被膜を備え、また
金属ローラ643はアース接地されている。そして、図
9に示すように、ゴム基体103を、熱可塑性樹脂フィ
ルム111及び被接着部材113が接着される溝底部1
07及び両側の摺動部109をコロナ放電電極641に
対向させ、この溝底部107の反対側を金属ローラ64
3に接触させて、上記電極間を通過させる。なお、摺動
部109表面とコロナ放電電極641外周面との間隔
は、最小で1〜1.5mmに設定した。こうしてゴム基
体103が上記電極間を通過する間に亘って、高周波発
振機645により上記電極間に高電圧(出力電力:0.
3kw)をかけ、コロナ放電電極641と金属ローラ6
43との間に形成されたコロナ電界にゴム基体103を
晒す。これにより、コロナ放電電極641側の溝底部1
07及び両側の摺動部109の各表面はコロナ放電を浴
びることになる。このため、既述した化学式1の反応に
より、この表面に、極性官能基であるカルボキシル基が
生成して熱可塑性樹脂フィルム111に対する接着性が
付与され、表面特性が改質される。
【0031】続いて、接着処理を行なった。すなわち、
熱可塑性樹脂フィルム111を接着した被接着部材11
3を、ローラ65から繰り出して、圧着ローラ67を内
蔵する加熱装置68を通し、ゴム基体103の表面に熱
可塑性樹脂フィルム111を圧接しつつ加熱することに
より被接着部材113を溶着した。この時の加熱装置6
8における加熱温度は、160℃〜180℃に設定し
た。なお、図7では詳細に図示していないがローラ65
からは3列に上記被接着部材113が繰り出されてお
り、溝底部107表面及び両側の摺動部109の各表面
にそれぞれの列の被接着部材113が接着される。その
後、熱可塑性樹脂フィルム111及び被接着部材113
を接着したゴム基体103を冷却器69により冷却し、
図6のガラスラン101を完成した。
【0032】次に、このガラスラン101について、室
温で24時間放置した後、以下に説明する試験を行なっ
た。 (1) 接着強さ試験(180゜剥離) ガラスラン101から、図10に示すように、幅5mm
の試験片73を切り出し、ゴム基体75に対して、被接
着部材77の先端を矢印方向へ引張速度;100mm/
分の条件で引っ張った。このときの剥離強度は、2.5
kg/5mmの荷重にて、ゴム基体75の破壊に到っ
た。つまり、この被接着部材77をゴム基体75に接着
させる熱可塑性樹脂フィルム76を、ゴム基体75に極
めて強固に接着することができた。 (2) 耐摩耗性試験 図11及び図12に示すような、枠体121にガラスラ
ン101を組み付け、溝106にガラス123を入れ込
んだ状態にて、学振型摩耗試験を用いて、矢印方向にス
トローク100mmにてガラス123を摺動させ、耐摩
耗性の試験を行なった。その結果、10,000回の摺
動を繰り返しても、被接着部材113の剥離等の異常が
なかった。つまり、ゴム基体103と熱可塑性樹脂フィ
ルム111との強固な接着に基づいて、被接着部材11
3の剥離等を回避することができた。
【0033】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。例えば、ガラスラン
の他の実施例として、図5に示すウインドガラス38と
ドア36の下窓枠36aとの摺動する部位に設けられた
ガラスインナやこれと対になった同一構成のガラスアウ
タに用いてもよい。すなわち、図13に示すように、ガ
ラスインナ131は、鉄製のインサート部材135を埋
設したゴム基体133の摺動部位に、熱可塑性樹脂フィ
ルム137を介してガラス摺動用の被接着部材139を
接着することにより構成したものである。このような構
成のガラスインナ131にあっては、熱可塑性樹脂フィ
ルム137及び被接着部材139が接着されるガラス摺
動部位132をコロナ放電電極に対向させ、このガラス
摺動部位132の反対側の基部134をマイナス側の電
極に接触させて、ガラス衝動部位132の表面にコロナ
放電処理が施される。
【0034】また、本発明を適用可能なガラスランとし
ては、図6に示すようなシングルチャンネル形のドアガ
ラスランだけでなく、ダブルチャンネル形等の他のタイ
プのガラスランにも適用可能である。このほか、上記の
ように列挙したガラスランだけでなく、自動車のドア開
口等の周縁部に装着される種々の形状のウエザストリッ
プにも適用できる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のゴム積層体
の製造方法によれば、ゴム基体の表面にコロナ放電処理
を施して極性官能基を生成することにより、ポリエステ
ル等の極性を有する熱可塑性樹脂に対する接着性をゴム
基体表面に付与してその表面特性を改質し、ゴム基体と
極性を有する熱可塑性樹脂材とを強固に接着させること
ができる。しかも、バフ処理や接着剤の塗布等の処理等
の工程が不要であるので、生産ラインの構成が簡略化す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるゴム積層体の製造方法
を示す説明図。
【図2】このゴム積層体を示す断面図。
【図3】コロナ放電の処理回数とゴム基体5への極性熱
可塑性樹脂フィルム7の接着力との関係を示すグラフ。
【図4】コロナ放電の際の出力電力とゴム基体5への極
性熱可塑性樹脂フィルム7の接着力との関係を示すグラ
フ。
【図5】自動車の外観を示す説明図。
【図6】実施例のガラスランを示す断面図。
【図7】同実施例の生産ラインを示す説明図。
【図8】同実施例の押出成形体を示す断面図。
【図9】コロナ放電電極641と金属ローラ643との
間をゴム基体103が通過する様子を説明するための説
明図。
【図10】試験状態を示す説明図。
【図11】ガラスランの試験を説明する断面図。
【図12】ガラスランの摺動抵抗試験を説明する斜視
図。
【図13】ガラスインナを示す断面図。
【符号の説明】
1 ゴム積層体 5,75,103,133 ゴム基体 7,76,111,137 熱可塑性樹脂フィルム 9,77,113,139 被接着部材 29,67 圧着ローラ 64,140 コロナ放電装置 68 加熱装置 69 冷却器 101 ガラスラン 131 ガラスインナ 141,641 コロナ放電電極 143,643 金属ローラ 145,645 高周波発振機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60R 13/06 7912−3D // B29K 19:00 4F B29L 9:00 4F 31:30 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDM製のゴム基体に極性を有する熱
    可塑性樹脂材を接着したゴム積層体の製造方法であっ
    て、 所定の形状への成形及び加硫を経たEPDM製のゴム基
    体の表面にコロナ放電処理を施し、前記EPDMの分子
    鎖中に極性官能基を生成する工程と、 該極性官能基の生成した前記ゴム基体の表面に、該熱可
    塑性樹脂材を熱溶着する工程とを備えることを特徴とす
    るゴム積層体の製造方法。
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