JP3586876B2 - 電子装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多数の挿し替え可能な基板を挿入することができ、電子装置の設置場所によらず左右いずれの側からもバックボードを取り付けることができ、保守、点検が容易な電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年電子装置は、システムの複雑化と巨大化にともなって接続すべき装置の数が膨大化している。このためこれを収容するための電子装置の筐体はその組み立て、取り付けが非常に手間のかかるものとなってきている。加えて保守点検の際にも電子装置の分解や組み立てが必要になってくるが、従来はこの作業が非常に作業性の悪いものであった。
【0003】
そこでまずこの従来の電子装置がどのようなものであったか、図面に基づいて説明する。図10は従来の電子装置の斜視図、図11は従来の電子装置のバックボードの取付方法を示す斜視図である。また図12(a)は従来の電子装置のバックボードを補強する方法を示す要部拡大斜視図、図12(b)は従来の電子装置のバックボードのスペーサ取り付け要部拡大斜視図である。図13は従来の電子装置のバックボードを補強した斜視図である。また図14は従来の電子装置を増設した際の斜視図を示す。図15(a)は従来の電子装置の基板の挿入時のバックボードの変形を示す断面図であり、図15(b)は従来の電子装置の基板の取り出し時のバックボードの変形を示す断面図である。なお本発明の実施例と同じものについては従来例の説明にも同一の符号を用いることにする。まず図10に基づいて従来の電子装置を説明すると、42は基板用コネクタ11を有する従来のバックボードである。このバックボード42は各プリント基板等の基板46に信号と電源を供給するメイン基板である。43はレール状の基板案内部2を有する基板保持部材、44は側板である。そして45は、上下一組の基板保持部材43と2枚の側板44にて構成される従来のフレームである。46は基板である。このバックボード42は図11記載のように1つのボードから構成され、多数の挿し替え可能な基板46を接続することができる基板用コネクタ11を多数併設している。この従来例では同一の基板用コネクタ11を多数設けている。
【0004】
このバックボード42はフレーム45の背面側より複数のビス10で固定されている。そしてバックボード42に基板46を挿抜する場合には基板用コネクタ11に基板側コネクタ13を挿し込んだり引き抜くことが必要になるが、図11に示すような従来の電子装置においては、バックボード42の周囲しかビス止めすることができないためこの挿抜の衝撃がバックボード42に大きな影響を与えるものであった。挿抜する基板の衝撃で、図15(a)の場合は矢印Aの方向に、図15(b)の場合は矢印Bの方向にバックボード42が反ってしまっている。これを避ける簡単な方法は、バックボード42が反ることがないようにバックボード42の材質として硬いものを用いることである。しかしこの方法ではその分コストがアップせざるをえなかった。またこのような衝撃に対する別の対策を講じたものが図12(a)、図12(b)、図13に記載されているバックボード42である。47はバックボード42上に設けられた電路パターンである。48はバックボード42の背後にビス固定され、金属板とすることで強度が確保されている裏板である。そして49は裏板48の周囲に設けられた円筒状のスペーサ、50はビス10よりもスペーサ49の長さ分長さを増したビスである。この従来例は、フレーム45の背後にバックボード42を位置させ、さらに後ろにスペーサ49を介して裏板48をビス50で取り付けるものである。ビス50は背面側から正面側に向けてこれらを一体化して、固定している。図12(b)からも分かるようにこの従来例は、バックボード42の中央部にもスペーサ49を設けてビス固定している。この中央部での固定はビス50を正面側から背面側に向けて固定するもので、裏板48のビス固定穴51(図示せず)にビス50は螺合される。このように裏板48とスペーサ49をフレーム45の背後に設けることによって、バックボード42は強度の面では補強されている。しかしながら基板用コネクタ11の電路パターン47は、その性質上横一列に信号線を這わせることが必要であるが、この従来の電路パターン47は、図12(b)の拡大図からも分かるように、バックボード42の中央部をビス止めする必要からビスの挿通穴の外周を大きく迂回させる必要が生じている。配線効率上からは横一列に這わせるのが適当であるから、このように迂回させなければならないのでは配線効率が非常に悪化せざるをえないものであった。
【0005】
また近年電子装置は増設が必要とされるようになってきているが、従来の電子装置の増設がどのようになされていたか説明する。従来の増設はフレーム45を積み重ね図14に示すように連結するものである。各フレーム45内にケーブル接続用コネクタ52を複数設けた機能拡張のための基板53が装着されている。そして各フレーム45間を接続するため、ケーブル接続用コネクタ52がケーブル54によってお互いに接続されている。フレーム45を増設する数だけこれを繰り返す必要がある。この接続用のケーブル54を接続することによって各フレーム45間の信号の伝達を可能にすることができる。しかしながらフレーム45内に基板53を収容、装着する必要から、その基板53が使用する収容空間が他の基板46のために使用できなくなり、電子装置本来の用途に使用する基板46の数が少なくならざるをえなかった。
【0006】
また従来の電子装置の設置場所は例えば図14記載のように部屋の隅等であって、電子装置の外装面が壁に隣接されふさがれてしまうことが多かった。そのためその保守、点検作業は作業者にとって作業しずらく、作業性のよい電子装置の出現が待ち望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の電子装置は多くの問題点を有するものであった。
【0008】
すなわち第1の問題点は、フレーム内において基板を挿抜する際の衝撃の影響である。バックホード上に設けられた基板用コネクタに、基板上に設けられた基板側コネクタを嵌合させるときバックボードの補強が不十分な場合には、その衝撃によって基板用コネクタがフレームの背後側に逃げてしまうことである。また基板を電子装置から取り出す場合にもこれと同じことが起こり、基板用コネクタから基板側コネクタが外れるときの衝撃でバックボードが変形し、隣りの基板までフレームから飛び出してしまうことさえ生じることがあった。
【0009】
第2の問題点は、電子装置の設置場所によっては電子装置の外装面が壁に隣接されふさがれてしまい、保守、点検が容易にできないということである。電子装置は大型のものが多く、部屋の中央に設置することは通常まれであって、部屋の隅に設置されることが多い。このとき電子装置の側面と背面が壁に隣接することになる。従来のバックボードでは電子装置の背面からこれを着脱する必要があるため、このままでは作業者によるバックボードの保守、点検作業ができない。従って作業者が作業できるように電子装置の向きを変える必要がでてくる。しかし電子装置は重量がかさばるものであるし、電子装置が床に取り付けられているような場合は大変な作業が必要となる。またバックボードが電子装置の背面側に取り付けられているため、半田面が見えず電路パターンのチエックもできない。電子装置内に収容したケーブル処理についても、壁に隣接していない面側だけで行なわなければならなかったのである。
【0010】
第3の問題点は、電子装置の基板実装(収容)効率の悪さである。従来フレーム間の信号の伝達は信号伝達用の基板を装置内に収容する構成を採用しているため、その分の基板収容部が他の用途に使用できず実装効率が悪くなっている。
【0011】
第4の問題点は、バックボードを挿抜するときの作業効率の悪さである。従来バックボードを電子装置から取り外す場合、バックボードに接続された全ての基板を1枚ずつ基板用コネクタから外す必要があり、非常に手間がかかるものであった。
【0012】
従って本発明はこのような上記従来の問題点を解決し、基板を挿抜する際の衝撃が少なく、基板実装効率がよく、設置場所によらず保守、点検が容易な電子装置を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、バックボードを挿抜するときの作業効率を上げることのできる電子装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電子装置は、組み合せバックボードをもつ少なくとも1つ以上のユニットを備えており、この組み合せバックボードは基板用コネクタ及び左右端縁に沿ってそれぞれ設けたバックボード接続用コネクタを有するフレーム内バックボードと、拡張用コネクタ及びバックボード接続用コネクタと接続される接続用拡張コネクタを左右端縁にそれぞれ設けた拡張用バックボードからなり、この拡張用バックボードはフレーム内バックボードの左右どちらにも接続が可能であることを特徴とするものである。
【0015】
フレーム内バックボードと拡張用バックボードを接続したとき、双方にまたがって取り付けられる組み合せバックボード補強部材を備えるのが適当である。さらにコネクタ長手方向補強部材と横方向補強部材でフレーム内バックボードを補強するのが望ましい。また接続用拡張コネクタを挿通させる穴を設けた平面と、側板に取り付けることができる垂直面を備えたコネクタ保持部材を備えることが適当である。
【0016】
接続用拡張コネクタが、組み合せバックボードの状態を点検する点検機器を接続するためのコネクタであるのが望ましい。
【0017】
また本発明の電子装置は、組み合せバックボード補強部材の基板挿入位置に基板用コネクタの嵌合長さより深い段差の基板受け入れ溝を形成したことを特徴としている。
【0018】
【作用】
本発明は、フレーム内バックボードと拡張用バックボードを有しているから、拡張用バックボードはフレーム内バックボードの左右どちらにも接続が可能であり、設置場所によらず保守、点検ができる。
またフレーム内バックボードと拡張用バックボードを接続したとき、双方にまたがって取り付けられる組み合せバックボード補強部材を備えているので、両者を一体化し強度を上げることができ、基板を挿抜する際の衝撃を少ないものとすることができる。コネクタ長手方向補強部材と横方向補強部材でフレーム内バックボードを補強すると、さらに強度が上がる。
【0019】
コネクタ保持部材を備えるとバックボードの取り付けがきわめて容易に行える。
接続用拡張コネクタに点検機器を接続するから点検作業が容易となる。
【0020】
組み合せバックボード補強部材の基板挿入位置に基板用コネクタの嵌合長さより深い段差の基板受け入れ溝を形成しているから、バックボードを取り出すとき基板を一枚一枚取り外すことなく取り出せる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の電子装置の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施例における電子装置の斜視図、図2は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードを分離したときの構成を示す斜視図、図3は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの斜視図である。図4は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの組み立てを示す斜視図であり、図5は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの基本モジュールの斜視図を示すものである。図6は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードをフレームに取り付ける際の状態を示す斜視図である。図7(a)は、本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材の基板受け入れ溝に基板が受け入れられている状態を示す断面図であり、図7(b)は、本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が移動した状態を示す断面図、さらに図7(c)は、本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が組み合せバックボード補強部材上に乗り上げた状態を示す断面図を示すものである。また図8は本発明の一実施例における電子装置のフレーム内に基板が収容された状態を示す要部拡大断面図、図9は本発明の一実施例における電子装置のフレームを機能拡張のために連結した状態を示す斜視図である。
【0022】
図1において、1は基板保持部材、2は基板保持部材1上に設けられレール状になって基板を保持する基板案内部、3は側板である。4は上下一組の基板保持部材1及び左右一対の2枚の側板3とから構成されるフレームである。また5は基板保持部材1の背後に設けられる組み合せバックボードである。この組み合せバックボード5は、フレーム内バックボード6と拡張用バックボード7の2つからなっている。そして側板3には、組み合せバックボード5を取り出すことのできる開口部35(図6参照)が形成されている。2枚の側板3、上下一組の基板保持部材1、組み合せバックボード5は1つのユニットを形成している。電子装置を増設する場合は、このユニットをさらに接続すればよい。8は拡張用バックボード7上に設けられた機能拡張用の拡張用コネクタ、9は拡張用コネクタ8を挿通させるコネクタ取り付け穴29が設けられたコネクタ保持部材であって、側板3にビス止めされている。11はフレーム内バックボード6上に設けられた複数個の基板用コネクタ、12はフレーム4内に保持された基板である。13は基板12上に設けられ、フレーム内バックボード6上の基板用コネクタ11に嵌合する基板側コネクタである。14は基板用コネクタ11の上下両端部に設けられた横方向補強部材、15はフレーム内バックボード6の上下両端部に設けられた一対の組み合せバックボード補強部材、16はコネクタ長手方向補強部材である。横方向補強部材14は、コネクタ長手方向補強部材16と直交するものである。
【0023】
図2において、17は拡張用バックボード7の右端部に設けられた第1の接続用拡張コネクタ、18は拡張用バックボード7の左端部に設けられた第2の接続用拡張コネクタである。この第1の接続用拡張コネクタ17と第2の接続用拡張コネクタ18は雌雄のコネクタになっている。第1の接続用拡張コネクタ17と第2の接続用拡張コネクタ18は、フレーム内バックボード6にも設けられる。フレーム内バックボード6の右端部に第1の接続用拡張コネクタ17が設けられ、左端部には第2の接続用拡張コネクタ18が設けられている。従って図3に示すように、拡張用バックボード7はフレーム内バックボード6と右方向から接続することができる。拡張用バックボード7上の第2の接続用拡張コネクタ18がフレーム内バックボード6上の第1の接続用拡張コネクタ17に接続される。拡張用バックボード7を左方向から接続したい場合には、拡張用バックボード7を図3の記載とは反対の左方向からフレーム内バックボード6に接続すればよい。このとき拡張用バックボード7上の第1の接続用拡張コネクタ17がフレーム内バックボード6上の第2の接続用拡張コネクタ18に接続されることになる。
【0024】
ところで組み合せバックボード5を補強するため図4記載の斜視図で示すように、組み合せバックボード補強部材15、横方向補強部材14、コネクタ長手方向補強部材16を組み合せバックボード5に取り付けるのが適当である。図5、図6もあわせて参照して説明すると、組み合せバックボード補強部材15は折曲げ部19とそこに穿けられた複数個のビス固定穴20を有している。また横方向補強部材14は、2回ほど折曲げられた折曲げ部21とここに穿けられた複数個のビス固定穴22を有している。コネクタ長手方向補強部材16には上下の端部付近にビス固定穴23が設けられている。そしてその中央部にはU字状の折曲げ部24が形成され、そのU字状の折曲げ部24上に上下1個ずつビス固定穴23が穿けられている。まず、組み合せバックボード5上に設けられたビス固定穴26’(図示せず)と基板用コネクタ11の端部に設けられたビス固定穴27を通して、横方向補強部材14上に設けられた各ビス固定穴22にビス10を螺合する。横方向補強部材14が組み合せバックボード5に固定される。次に組み合せバックボード5に設けられたビス固定穴26を介して、組み合せバックボード補強部材15をビス10にて各ビス固定穴20に固定する。組み合せバックボード補強部材15が組み合せバックボード5に固定される。このようにしてフレーム内バックボード6と拡張用バックボード7の何れもが、双方にまたがった状態で組み合せバックボード補強部材15によってビス固定されることになる。なお図4では拡張用バックボード7の位置が右側にあるが、これを左側に変える場合は組み合せバックボード補強部材15の位置を左にビス1個分ずらして、フレーム内バックボード6と拡張用バックボード7にビス固定すればよい(図示せず)。続いてコネクタ長手方向補強部材16の上下に設けられたビス固定穴23を介し、組み合せバックボード補強部材15のビス固定穴20にビス10を螺合する。さらにこれに加えてコネクタ長手方向補強部材16のU字状り折曲げ部24上に設けられたビス固定穴23を介して、コネクタ長手方向補強部材16を横方向補強部材14上のビス固定穴22にビス10にてビス止めしている。最後にコネクタ保持部材9上に設けられたコネクタ取り付け穴29から拡張用コネクタを突出させるとともに、コネクタ取り付け穴29の両端部に設けられたビス固定穴25にビス10を挿し込んで固定する。そしてさらに拡張用コネクタ8の両端部に設けられたビス固定穴30にビス10を螺合して固定する。なおコネクタ保持部材9の取り付け順は、以上の説明では最後にしているが最後である必要はない。図5記載のように組み合せバックボード補強部材15、コネクタ長手方向補強部材16、横方向補強部材14を取り付けて、組み合せバックボード5は一体化されて基本モジュールを構成するものである。
【0025】
図6は、この組み合せバックボード5の基本モジュールをフレーム4に取り付ける際の状態を示している。32はL字状に曲げられた上下一対のバックボード保持部材で、基本モジュールをフレーム4に挿入した際、基本モジュールの案内となるものである。このバックボード保持部材32の上をすべらせることによって円滑な取り付けが行えるものである。バックボード保持部材32の基板保持部材1に接する面は、基板12が挿入された場合にこれと当接しないための切り欠き33が設けられている。そして切り欠き33との間の面にはビス固定穴34(図示せず)が設けられており、バックボード保持部材32はビス10にて基板保持部材1に固定される。
【0026】
ところで図6に示すように壁がフレーム4の左側にある場合には、基本モジュールをフレーム4の右側面から挿入すればよい。基本モジュールを挿入するための開口部35は、左右の側板3のいずれにも設けられている。従ってフレーム4は左右いずれの方向からもバックボード5を着脱することが可能となる。いうまでもないが壁がフレーム4の右側にある場合にはフレーム4の左側から挿入すればよい。そして拡張用バックボード7がフレーム4の外側に存在することになるから、機能の拡張が電子装置の左右いずれの方向からも可能となるし、取り扱いが非常に簡単である。
【0027】
図7(a)は組み合せバックボード補強部材15と基板12の関係を示す本実施例の断面図である。従来例ではバックボード42を取り出すためには、基板46を一枚ずつ引き抜く必要があったが、本実施例ではこの状態から組み合せバックボード5をフレーム4から取り出す場合には、組み合せバックボード5を単に一方に引っ張ればよい。この実施例では右方向に引っ張っており、その状態を図7(b)、図7(c)に示す。図7(c)ではフレーム4内に収容された基板12が基板受け入れ溝36から飛び出している。組み合せバックボード補強部材15の基板12側の端面には、角をとって傾斜曲面化した段部をもつ、複数個の基板受け入れ溝36が設けられている。組み合せバックボード補強部材15は上下に2箇所設けられているが、この2箇所のいずれにもこの基板受け入れ溝36が設けられている。この傾斜曲面化した段部をもつ複数個の基板受け入れ溝36は、溝の底に平坦部37を有しており、基板12を受け入れた状態では基板12の端面がこの平坦部37に当接している。組み合せバックボード5をフレーム4から取り出す必要が生じたらこの組み合せバックボード5を引っ張ればよく、このとき基板12の端面は、組み合せバックボード補強部材15上の基板受け入れ溝36の傾斜曲面に接触し、円滑にその段部にのりあげる。この段差tによって基板側コネクタ13が基板用コネクタ11から外れる。これが外れるための条件は、基板用コネクタ11と基板側コネクタ13の嵌合長さsよりも段差tの高さの方が大きくなるように設定することであり、本実施例においては約30%程度大きく形成してある。図8はフレーム4内に基板12が挿入された状態を示す要部断面図である。基板12には、一対の横方向補強部材14の折曲げ部21を避けるために切り欠き部38が形成されている。
【0028】
図9に示すように、2枚の側板3、上下一組の基板保持部材1、組み合せバックボード5からなるユニットを連結して電子装置の増設を図る場合には、フレーム4を積み重ねるとともにケーブル39で拡張用コネクタ8どうしを接続することで、上部に重ねられたフレーム4に信号を伝達することが可能となる。従って従来例のように機能拡張のための基板53を、一般の基板12と一緒にフレーム4内に収容する必要がなく、実装効率を向上させることができる。
【0029】
またこの拡張用バックボード7上に設けられた拡張用コネクタ8を利用して、ケーブル40を介して点検用の機器、この実施例の場合パソコン41であるが、これと接続することでバックボードの動作を点検することが可能となる。この場合拡張用コネクタ8の端子は点検用機器の端子用の設定しておくことになる。この実施例によれば、簡便、迅速な点検をすることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機能拡張用の拡張用コネクタを実装した拡張用バックボードはフレーム内バックボードの左右どちらにも接続が可能であり、設置場所によらず保守、点検ができ、ケーブル処理も容易である。
【0031】
またフレーム内バックボードと拡張用バックボードを接続したとき、双方にまたがって取り付けられる組み合せバックボード補強部材を備えているので、両者を一体化し強度を上げることができ、基板を挿抜する際の衝撃を少ないものとすることができる。コネクタ長手方向補強部材と横方向補強部材でフレーム内バックボードを補強するとさらに強度が上がる。加えて基板の挿抜後の保持性を高めることも可能となる。
【0032】
コネクタ保持部材を備えると組み合せバックボードの取り付けがきわめて容易に行える。接続用拡張コネクタに点検機器を接続するから点検作業が容易となる。
【0033】
組み合せバックボード補強部材の基板挿入位置に基板用コネクタの嵌合長さより深い段差の基板受け入れ溝を形成しているから、組み合せバックボードを取り出すとき基板を一枚一枚取り外して取り出さずに取り出すことができ、保守、点検作業はきわめて容易となる。また無理なく基板側コネクタを基板用コネクタから外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電子装置の斜視図
【図2】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードを分離したときの構成を示す斜視図
【図3】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの斜視図
【図4】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの組み立てを示す斜視図
【図5】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの基本モジュールの斜視図
【図6】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードをフレームに取り付ける際の状態を示す斜視図
【図7】(a)は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材の基板受け入れ溝に基板が受け入れられている状態を示す断面図
(b)は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が移動した状態を示す断面図
(c)は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が組み合せバックボード補強部材上に乗り上げた状態を示す断面図
【図8】本発明の一実施例における電子装置のフレーム内に基板が収容された状態を示す要部拡大断面図
【図9】(a) 本発明の一実施例における電子装置のフレームを機能拡張のために連結した状態を示す斜視図
(b) 本発明の一実施例における電子装置のフレームを機能拡張のために連結した状態を示す斜視図
【図10】従来の電子装置の斜視図
【図11】従来の電子装置のバックボードの取付方法を示す斜視図
【図12】(a)は従来の電子装置のバックボードを補強する方法を示す要部拡大斜視図
(b)は従来の電子装置のバックボードのスペーサ取り付け要部拡大斜視図
【図13】従来の電子装置のバックボードを補強した斜視図
【図14】従来の電子装置を増設した際の斜視図
【図15】(a)は従来の電子装置の基板の挿入時のバックボードの変形を示す断面図
(b)は従来の電子装置の基板の取り出し時のバックボードの変形を示す断面図
【符号の説明】
1、43 基板保持部材
2 基板案内部
3、44 側板
4、45 フレーム
5 組み合せバックボード
6 フレーム内バックボード
7 拡張用バックボード
8 拡張用コネクタ
9 コネクタ保持部材
10 ビス
11 基板用コネクタ
12 基板
13 基板側コネクタ
14 横方向補強部材
15 組み合せバックボード補強部材
16 コネクタ長手方向補強部材
17 第1の接続用拡張コネクタ
18 第2の接続用拡張コネクタ
20、22、23、25、26、27、30 ビス固定穴
21 折曲げ部
29 コネクタ取り付け穴
32 バックボード保持部材
33 切り欠き
35 開口部
36 基板受け入れ溝
37 平坦部
38 切り欠き部
39、40 ケーブル
41 パソコン
42 バックボード
【産業上の利用分野】
本発明は、多数の挿し替え可能な基板を挿入することができ、電子装置の設置場所によらず左右いずれの側からもバックボードを取り付けることができ、保守、点検が容易な電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年電子装置は、システムの複雑化と巨大化にともなって接続すべき装置の数が膨大化している。このためこれを収容するための電子装置の筐体はその組み立て、取り付けが非常に手間のかかるものとなってきている。加えて保守点検の際にも電子装置の分解や組み立てが必要になってくるが、従来はこの作業が非常に作業性の悪いものであった。
【0003】
そこでまずこの従来の電子装置がどのようなものであったか、図面に基づいて説明する。図10は従来の電子装置の斜視図、図11は従来の電子装置のバックボードの取付方法を示す斜視図である。また図12(a)は従来の電子装置のバックボードを補強する方法を示す要部拡大斜視図、図12(b)は従来の電子装置のバックボードのスペーサ取り付け要部拡大斜視図である。図13は従来の電子装置のバックボードを補強した斜視図である。また図14は従来の電子装置を増設した際の斜視図を示す。図15(a)は従来の電子装置の基板の挿入時のバックボードの変形を示す断面図であり、図15(b)は従来の電子装置の基板の取り出し時のバックボードの変形を示す断面図である。なお本発明の実施例と同じものについては従来例の説明にも同一の符号を用いることにする。まず図10に基づいて従来の電子装置を説明すると、42は基板用コネクタ11を有する従来のバックボードである。このバックボード42は各プリント基板等の基板46に信号と電源を供給するメイン基板である。43はレール状の基板案内部2を有する基板保持部材、44は側板である。そして45は、上下一組の基板保持部材43と2枚の側板44にて構成される従来のフレームである。46は基板である。このバックボード42は図11記載のように1つのボードから構成され、多数の挿し替え可能な基板46を接続することができる基板用コネクタ11を多数併設している。この従来例では同一の基板用コネクタ11を多数設けている。
【0004】
このバックボード42はフレーム45の背面側より複数のビス10で固定されている。そしてバックボード42に基板46を挿抜する場合には基板用コネクタ11に基板側コネクタ13を挿し込んだり引き抜くことが必要になるが、図11に示すような従来の電子装置においては、バックボード42の周囲しかビス止めすることができないためこの挿抜の衝撃がバックボード42に大きな影響を与えるものであった。挿抜する基板の衝撃で、図15(a)の場合は矢印Aの方向に、図15(b)の場合は矢印Bの方向にバックボード42が反ってしまっている。これを避ける簡単な方法は、バックボード42が反ることがないようにバックボード42の材質として硬いものを用いることである。しかしこの方法ではその分コストがアップせざるをえなかった。またこのような衝撃に対する別の対策を講じたものが図12(a)、図12(b)、図13に記載されているバックボード42である。47はバックボード42上に設けられた電路パターンである。48はバックボード42の背後にビス固定され、金属板とすることで強度が確保されている裏板である。そして49は裏板48の周囲に設けられた円筒状のスペーサ、50はビス10よりもスペーサ49の長さ分長さを増したビスである。この従来例は、フレーム45の背後にバックボード42を位置させ、さらに後ろにスペーサ49を介して裏板48をビス50で取り付けるものである。ビス50は背面側から正面側に向けてこれらを一体化して、固定している。図12(b)からも分かるようにこの従来例は、バックボード42の中央部にもスペーサ49を設けてビス固定している。この中央部での固定はビス50を正面側から背面側に向けて固定するもので、裏板48のビス固定穴51(図示せず)にビス50は螺合される。このように裏板48とスペーサ49をフレーム45の背後に設けることによって、バックボード42は強度の面では補強されている。しかしながら基板用コネクタ11の電路パターン47は、その性質上横一列に信号線を這わせることが必要であるが、この従来の電路パターン47は、図12(b)の拡大図からも分かるように、バックボード42の中央部をビス止めする必要からビスの挿通穴の外周を大きく迂回させる必要が生じている。配線効率上からは横一列に這わせるのが適当であるから、このように迂回させなければならないのでは配線効率が非常に悪化せざるをえないものであった。
【0005】
また近年電子装置は増設が必要とされるようになってきているが、従来の電子装置の増設がどのようになされていたか説明する。従来の増設はフレーム45を積み重ね図14に示すように連結するものである。各フレーム45内にケーブル接続用コネクタ52を複数設けた機能拡張のための基板53が装着されている。そして各フレーム45間を接続するため、ケーブル接続用コネクタ52がケーブル54によってお互いに接続されている。フレーム45を増設する数だけこれを繰り返す必要がある。この接続用のケーブル54を接続することによって各フレーム45間の信号の伝達を可能にすることができる。しかしながらフレーム45内に基板53を収容、装着する必要から、その基板53が使用する収容空間が他の基板46のために使用できなくなり、電子装置本来の用途に使用する基板46の数が少なくならざるをえなかった。
【0006】
また従来の電子装置の設置場所は例えば図14記載のように部屋の隅等であって、電子装置の外装面が壁に隣接されふさがれてしまうことが多かった。そのためその保守、点検作業は作業者にとって作業しずらく、作業性のよい電子装置の出現が待ち望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の電子装置は多くの問題点を有するものであった。
【0008】
すなわち第1の問題点は、フレーム内において基板を挿抜する際の衝撃の影響である。バックホード上に設けられた基板用コネクタに、基板上に設けられた基板側コネクタを嵌合させるときバックボードの補強が不十分な場合には、その衝撃によって基板用コネクタがフレームの背後側に逃げてしまうことである。また基板を電子装置から取り出す場合にもこれと同じことが起こり、基板用コネクタから基板側コネクタが外れるときの衝撃でバックボードが変形し、隣りの基板までフレームから飛び出してしまうことさえ生じることがあった。
【0009】
第2の問題点は、電子装置の設置場所によっては電子装置の外装面が壁に隣接されふさがれてしまい、保守、点検が容易にできないということである。電子装置は大型のものが多く、部屋の中央に設置することは通常まれであって、部屋の隅に設置されることが多い。このとき電子装置の側面と背面が壁に隣接することになる。従来のバックボードでは電子装置の背面からこれを着脱する必要があるため、このままでは作業者によるバックボードの保守、点検作業ができない。従って作業者が作業できるように電子装置の向きを変える必要がでてくる。しかし電子装置は重量がかさばるものであるし、電子装置が床に取り付けられているような場合は大変な作業が必要となる。またバックボードが電子装置の背面側に取り付けられているため、半田面が見えず電路パターンのチエックもできない。電子装置内に収容したケーブル処理についても、壁に隣接していない面側だけで行なわなければならなかったのである。
【0010】
第3の問題点は、電子装置の基板実装(収容)効率の悪さである。従来フレーム間の信号の伝達は信号伝達用の基板を装置内に収容する構成を採用しているため、その分の基板収容部が他の用途に使用できず実装効率が悪くなっている。
【0011】
第4の問題点は、バックボードを挿抜するときの作業効率の悪さである。従来バックボードを電子装置から取り外す場合、バックボードに接続された全ての基板を1枚ずつ基板用コネクタから外す必要があり、非常に手間がかかるものであった。
【0012】
従って本発明はこのような上記従来の問題点を解決し、基板を挿抜する際の衝撃が少なく、基板実装効率がよく、設置場所によらず保守、点検が容易な電子装置を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、バックボードを挿抜するときの作業効率を上げることのできる電子装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電子装置は、組み合せバックボードをもつ少なくとも1つ以上のユニットを備えており、この組み合せバックボードは基板用コネクタ及び左右端縁に沿ってそれぞれ設けたバックボード接続用コネクタを有するフレーム内バックボードと、拡張用コネクタ及びバックボード接続用コネクタと接続される接続用拡張コネクタを左右端縁にそれぞれ設けた拡張用バックボードからなり、この拡張用バックボードはフレーム内バックボードの左右どちらにも接続が可能であることを特徴とするものである。
【0015】
フレーム内バックボードと拡張用バックボードを接続したとき、双方にまたがって取り付けられる組み合せバックボード補強部材を備えるのが適当である。さらにコネクタ長手方向補強部材と横方向補強部材でフレーム内バックボードを補強するのが望ましい。また接続用拡張コネクタを挿通させる穴を設けた平面と、側板に取り付けることができる垂直面を備えたコネクタ保持部材を備えることが適当である。
【0016】
接続用拡張コネクタが、組み合せバックボードの状態を点検する点検機器を接続するためのコネクタであるのが望ましい。
【0017】
また本発明の電子装置は、組み合せバックボード補強部材の基板挿入位置に基板用コネクタの嵌合長さより深い段差の基板受け入れ溝を形成したことを特徴としている。
【0018】
【作用】
本発明は、フレーム内バックボードと拡張用バックボードを有しているから、拡張用バックボードはフレーム内バックボードの左右どちらにも接続が可能であり、設置場所によらず保守、点検ができる。
またフレーム内バックボードと拡張用バックボードを接続したとき、双方にまたがって取り付けられる組み合せバックボード補強部材を備えているので、両者を一体化し強度を上げることができ、基板を挿抜する際の衝撃を少ないものとすることができる。コネクタ長手方向補強部材と横方向補強部材でフレーム内バックボードを補強すると、さらに強度が上がる。
【0019】
コネクタ保持部材を備えるとバックボードの取り付けがきわめて容易に行える。
接続用拡張コネクタに点検機器を接続するから点検作業が容易となる。
【0020】
組み合せバックボード補強部材の基板挿入位置に基板用コネクタの嵌合長さより深い段差の基板受け入れ溝を形成しているから、バックボードを取り出すとき基板を一枚一枚取り外すことなく取り出せる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の電子装置の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施例における電子装置の斜視図、図2は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードを分離したときの構成を示す斜視図、図3は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの斜視図である。図4は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの組み立てを示す斜視図であり、図5は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの基本モジュールの斜視図を示すものである。図6は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードをフレームに取り付ける際の状態を示す斜視図である。図7(a)は、本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材の基板受け入れ溝に基板が受け入れられている状態を示す断面図であり、図7(b)は、本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が移動した状態を示す断面図、さらに図7(c)は、本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が組み合せバックボード補強部材上に乗り上げた状態を示す断面図を示すものである。また図8は本発明の一実施例における電子装置のフレーム内に基板が収容された状態を示す要部拡大断面図、図9は本発明の一実施例における電子装置のフレームを機能拡張のために連結した状態を示す斜視図である。
【0022】
図1において、1は基板保持部材、2は基板保持部材1上に設けられレール状になって基板を保持する基板案内部、3は側板である。4は上下一組の基板保持部材1及び左右一対の2枚の側板3とから構成されるフレームである。また5は基板保持部材1の背後に設けられる組み合せバックボードである。この組み合せバックボード5は、フレーム内バックボード6と拡張用バックボード7の2つからなっている。そして側板3には、組み合せバックボード5を取り出すことのできる開口部35(図6参照)が形成されている。2枚の側板3、上下一組の基板保持部材1、組み合せバックボード5は1つのユニットを形成している。電子装置を増設する場合は、このユニットをさらに接続すればよい。8は拡張用バックボード7上に設けられた機能拡張用の拡張用コネクタ、9は拡張用コネクタ8を挿通させるコネクタ取り付け穴29が設けられたコネクタ保持部材であって、側板3にビス止めされている。11はフレーム内バックボード6上に設けられた複数個の基板用コネクタ、12はフレーム4内に保持された基板である。13は基板12上に設けられ、フレーム内バックボード6上の基板用コネクタ11に嵌合する基板側コネクタである。14は基板用コネクタ11の上下両端部に設けられた横方向補強部材、15はフレーム内バックボード6の上下両端部に設けられた一対の組み合せバックボード補強部材、16はコネクタ長手方向補強部材である。横方向補強部材14は、コネクタ長手方向補強部材16と直交するものである。
【0023】
図2において、17は拡張用バックボード7の右端部に設けられた第1の接続用拡張コネクタ、18は拡張用バックボード7の左端部に設けられた第2の接続用拡張コネクタである。この第1の接続用拡張コネクタ17と第2の接続用拡張コネクタ18は雌雄のコネクタになっている。第1の接続用拡張コネクタ17と第2の接続用拡張コネクタ18は、フレーム内バックボード6にも設けられる。フレーム内バックボード6の右端部に第1の接続用拡張コネクタ17が設けられ、左端部には第2の接続用拡張コネクタ18が設けられている。従って図3に示すように、拡張用バックボード7はフレーム内バックボード6と右方向から接続することができる。拡張用バックボード7上の第2の接続用拡張コネクタ18がフレーム内バックボード6上の第1の接続用拡張コネクタ17に接続される。拡張用バックボード7を左方向から接続したい場合には、拡張用バックボード7を図3の記載とは反対の左方向からフレーム内バックボード6に接続すればよい。このとき拡張用バックボード7上の第1の接続用拡張コネクタ17がフレーム内バックボード6上の第2の接続用拡張コネクタ18に接続されることになる。
【0024】
ところで組み合せバックボード5を補強するため図4記載の斜視図で示すように、組み合せバックボード補強部材15、横方向補強部材14、コネクタ長手方向補強部材16を組み合せバックボード5に取り付けるのが適当である。図5、図6もあわせて参照して説明すると、組み合せバックボード補強部材15は折曲げ部19とそこに穿けられた複数個のビス固定穴20を有している。また横方向補強部材14は、2回ほど折曲げられた折曲げ部21とここに穿けられた複数個のビス固定穴22を有している。コネクタ長手方向補強部材16には上下の端部付近にビス固定穴23が設けられている。そしてその中央部にはU字状の折曲げ部24が形成され、そのU字状の折曲げ部24上に上下1個ずつビス固定穴23が穿けられている。まず、組み合せバックボード5上に設けられたビス固定穴26’(図示せず)と基板用コネクタ11の端部に設けられたビス固定穴27を通して、横方向補強部材14上に設けられた各ビス固定穴22にビス10を螺合する。横方向補強部材14が組み合せバックボード5に固定される。次に組み合せバックボード5に設けられたビス固定穴26を介して、組み合せバックボード補強部材15をビス10にて各ビス固定穴20に固定する。組み合せバックボード補強部材15が組み合せバックボード5に固定される。このようにしてフレーム内バックボード6と拡張用バックボード7の何れもが、双方にまたがった状態で組み合せバックボード補強部材15によってビス固定されることになる。なお図4では拡張用バックボード7の位置が右側にあるが、これを左側に変える場合は組み合せバックボード補強部材15の位置を左にビス1個分ずらして、フレーム内バックボード6と拡張用バックボード7にビス固定すればよい(図示せず)。続いてコネクタ長手方向補強部材16の上下に設けられたビス固定穴23を介し、組み合せバックボード補強部材15のビス固定穴20にビス10を螺合する。さらにこれに加えてコネクタ長手方向補強部材16のU字状り折曲げ部24上に設けられたビス固定穴23を介して、コネクタ長手方向補強部材16を横方向補強部材14上のビス固定穴22にビス10にてビス止めしている。最後にコネクタ保持部材9上に設けられたコネクタ取り付け穴29から拡張用コネクタを突出させるとともに、コネクタ取り付け穴29の両端部に設けられたビス固定穴25にビス10を挿し込んで固定する。そしてさらに拡張用コネクタ8の両端部に設けられたビス固定穴30にビス10を螺合して固定する。なおコネクタ保持部材9の取り付け順は、以上の説明では最後にしているが最後である必要はない。図5記載のように組み合せバックボード補強部材15、コネクタ長手方向補強部材16、横方向補強部材14を取り付けて、組み合せバックボード5は一体化されて基本モジュールを構成するものである。
【0025】
図6は、この組み合せバックボード5の基本モジュールをフレーム4に取り付ける際の状態を示している。32はL字状に曲げられた上下一対のバックボード保持部材で、基本モジュールをフレーム4に挿入した際、基本モジュールの案内となるものである。このバックボード保持部材32の上をすべらせることによって円滑な取り付けが行えるものである。バックボード保持部材32の基板保持部材1に接する面は、基板12が挿入された場合にこれと当接しないための切り欠き33が設けられている。そして切り欠き33との間の面にはビス固定穴34(図示せず)が設けられており、バックボード保持部材32はビス10にて基板保持部材1に固定される。
【0026】
ところで図6に示すように壁がフレーム4の左側にある場合には、基本モジュールをフレーム4の右側面から挿入すればよい。基本モジュールを挿入するための開口部35は、左右の側板3のいずれにも設けられている。従ってフレーム4は左右いずれの方向からもバックボード5を着脱することが可能となる。いうまでもないが壁がフレーム4の右側にある場合にはフレーム4の左側から挿入すればよい。そして拡張用バックボード7がフレーム4の外側に存在することになるから、機能の拡張が電子装置の左右いずれの方向からも可能となるし、取り扱いが非常に簡単である。
【0027】
図7(a)は組み合せバックボード補強部材15と基板12の関係を示す本実施例の断面図である。従来例ではバックボード42を取り出すためには、基板46を一枚ずつ引き抜く必要があったが、本実施例ではこの状態から組み合せバックボード5をフレーム4から取り出す場合には、組み合せバックボード5を単に一方に引っ張ればよい。この実施例では右方向に引っ張っており、その状態を図7(b)、図7(c)に示す。図7(c)ではフレーム4内に収容された基板12が基板受け入れ溝36から飛び出している。組み合せバックボード補強部材15の基板12側の端面には、角をとって傾斜曲面化した段部をもつ、複数個の基板受け入れ溝36が設けられている。組み合せバックボード補強部材15は上下に2箇所設けられているが、この2箇所のいずれにもこの基板受け入れ溝36が設けられている。この傾斜曲面化した段部をもつ複数個の基板受け入れ溝36は、溝の底に平坦部37を有しており、基板12を受け入れた状態では基板12の端面がこの平坦部37に当接している。組み合せバックボード5をフレーム4から取り出す必要が生じたらこの組み合せバックボード5を引っ張ればよく、このとき基板12の端面は、組み合せバックボード補強部材15上の基板受け入れ溝36の傾斜曲面に接触し、円滑にその段部にのりあげる。この段差tによって基板側コネクタ13が基板用コネクタ11から外れる。これが外れるための条件は、基板用コネクタ11と基板側コネクタ13の嵌合長さsよりも段差tの高さの方が大きくなるように設定することであり、本実施例においては約30%程度大きく形成してある。図8はフレーム4内に基板12が挿入された状態を示す要部断面図である。基板12には、一対の横方向補強部材14の折曲げ部21を避けるために切り欠き部38が形成されている。
【0028】
図9に示すように、2枚の側板3、上下一組の基板保持部材1、組み合せバックボード5からなるユニットを連結して電子装置の増設を図る場合には、フレーム4を積み重ねるとともにケーブル39で拡張用コネクタ8どうしを接続することで、上部に重ねられたフレーム4に信号を伝達することが可能となる。従って従来例のように機能拡張のための基板53を、一般の基板12と一緒にフレーム4内に収容する必要がなく、実装効率を向上させることができる。
【0029】
またこの拡張用バックボード7上に設けられた拡張用コネクタ8を利用して、ケーブル40を介して点検用の機器、この実施例の場合パソコン41であるが、これと接続することでバックボードの動作を点検することが可能となる。この場合拡張用コネクタ8の端子は点検用機器の端子用の設定しておくことになる。この実施例によれば、簡便、迅速な点検をすることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機能拡張用の拡張用コネクタを実装した拡張用バックボードはフレーム内バックボードの左右どちらにも接続が可能であり、設置場所によらず保守、点検ができ、ケーブル処理も容易である。
【0031】
またフレーム内バックボードと拡張用バックボードを接続したとき、双方にまたがって取り付けられる組み合せバックボード補強部材を備えているので、両者を一体化し強度を上げることができ、基板を挿抜する際の衝撃を少ないものとすることができる。コネクタ長手方向補強部材と横方向補強部材でフレーム内バックボードを補強するとさらに強度が上がる。加えて基板の挿抜後の保持性を高めることも可能となる。
【0032】
コネクタ保持部材を備えると組み合せバックボードの取り付けがきわめて容易に行える。接続用拡張コネクタに点検機器を接続するから点検作業が容易となる。
【0033】
組み合せバックボード補強部材の基板挿入位置に基板用コネクタの嵌合長さより深い段差の基板受け入れ溝を形成しているから、組み合せバックボードを取り出すとき基板を一枚一枚取り外して取り出さずに取り出すことができ、保守、点検作業はきわめて容易となる。また無理なく基板側コネクタを基板用コネクタから外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電子装置の斜視図
【図2】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードを分離したときの構成を示す斜視図
【図3】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの斜視図
【図4】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの組み立てを示す斜視図
【図5】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードの基本モジュールの斜視図
【図6】本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボードをフレームに取り付ける際の状態を示す斜視図
【図7】(a)は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材の基板受け入れ溝に基板が受け入れられている状態を示す断面図
(b)は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が移動した状態を示す断面図
(c)は本発明の一実施例における電子装置の組み合せバックボード補強部材が引っ張られて、基板が組み合せバックボード補強部材上に乗り上げた状態を示す断面図
【図8】本発明の一実施例における電子装置のフレーム内に基板が収容された状態を示す要部拡大断面図
【図9】(a) 本発明の一実施例における電子装置のフレームを機能拡張のために連結した状態を示す斜視図
(b) 本発明の一実施例における電子装置のフレームを機能拡張のために連結した状態を示す斜視図
【図10】従来の電子装置の斜視図
【図11】従来の電子装置のバックボードの取付方法を示す斜視図
【図12】(a)は従来の電子装置のバックボードを補強する方法を示す要部拡大斜視図
(b)は従来の電子装置のバックボードのスペーサ取り付け要部拡大斜視図
【図13】従来の電子装置のバックボードを補強した斜視図
【図14】従来の電子装置を増設した際の斜視図
【図15】(a)は従来の電子装置の基板の挿入時のバックボードの変形を示す断面図
(b)は従来の電子装置の基板の取り出し時のバックボードの変形を示す断面図
【符号の説明】
1、43 基板保持部材
2 基板案内部
3、44 側板
4、45 フレーム
5 組み合せバックボード
6 フレーム内バックボード
7 拡張用バックボード
8 拡張用コネクタ
9 コネクタ保持部材
10 ビス
11 基板用コネクタ
12 基板
13 基板側コネクタ
14 横方向補強部材
15 組み合せバックボード補強部材
16 コネクタ長手方向補強部材
17 第1の接続用拡張コネクタ
18 第2の接続用拡張コネクタ
20、22、23、25、26、27、30 ビス固定穴
21 折曲げ部
29 コネクタ取り付け穴
32 バックボード保持部材
33 切り欠き
35 開口部
36 基板受け入れ溝
37 平坦部
38 切り欠き部
39、40 ケーブル
41 パソコン
42 バックボード
Claims (1)
- 2枚の側板と、基板案内部を形成した上下一組の基板保持部材と、フレーム内バックボードと拡張用バックボードとから1つのユニットに構成された組み合せバックボードと、前記フレーム内バックボードと前記拡張用バックボードとを接続したとき双方にまたがって前記フレーム内バックボードの上下両端部に取り付けられる組み合せバックボード補強部材と、前記フレーム内バックボード上に設けられた複数個の基板用コネクタの上下両端部に設けられた横方向補強部材と、前記横方向補強部材と前記組み合せバックボード補強部材とに直交して設けられそれぞれに締結されたコネクタ長手方向補強部材とを有し、
前記フレーム内バックボードと前記拡張用バックボードとはそれぞれの左右端縁に接続用拡張コネクタを設けて前記拡張用バックボードを前記フレーム内バックボードの左右どちらにも接続可能に構成し、前記2枚の側板のそれぞれに前記ユニットを挿通可能に形成した開口部を設けたことを特徴とする電子装置。
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