JP3586089B2 - 携帯端末機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報やデータの入力及び表示を行う機能と電話機能とを一体にした携帯端末機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の携帯端末機器にあっては、図27及び図28に示すように情報やデータの入力及び表示を行う機能と電話機能とを一体にした構成である。すなわち、携帯端末機器50は機器本体51を備えており、この機器本体51の表面51aには、情報やデータの入力及び表示を行う機能を有するタッチパネル52と、このタッチパネル52を開閉可能に覆う蓋部材53とが設けてある。また、機器本体51の表面51aには、その左右に位置させてマイクロホン55とスピーカ56とが設けてある。
【0003】
そして、携帯端末機器50が電話着信すると、タッチパネル52の表示部52Bに相手先が表示される。この場合には、蓋部材53を開いて、表示部52Bの相手先表示を視認して、タッチパネル52の電話ボタン部52Aを押し、また、右手で携帯端末機器50を掴み、持ち替えることにより、携帯端末機器50の表面51aを顔の右側に持ってきて、耳の付近にスピーカ56を、口の横にマイクロホン55をそれぞれ位置させて通話する。
【0004】
また、タッチパネル52を開閉可能に覆う蓋部材53は機器本体51の後部にヒンジ部材58を介して取り付けてあり、蓋部材53はロック機構59により機器本体57の前部に着脱可能にロックされるものである。そして、このロック機構59は、図29に示すように蓋部材53の裏面にロック用爪部60を設け、また、機器本体51にフック部材61を設けて、ロック用爪部60をフック部材61の片持ち状のフック61Aに引っ掛けることにより蓋部材53を機器本体51にロックしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来例にあっては、携帯端末機器50が電話着信すると、タッチパネル52の表示部52Bに相手先が表示されるが,この場合に、蓋部材53を開いて、表示部52Bの相手先表示を視認して、タッチパネル52の電話ボタン部52Bを押す必要があり、また、右手で携帯端末機器50を掴み、耳の付近にスピーカ56を、口の横にマイクロホン55をそれぞれ位置させて通話する場合、携帯端末機器50を持ち替える必要があって、操作が繁雑になるという問題点があった。
【0006】
また、従来例では、ロック用爪部60をフック部材61の片持ち状のフック61Aに引っ掛けることにより蓋部材53を機器本体51にロックするために、安定した掛り量を確保することができず、蓋部材53の機器本体51へのロックを確実に行うことができないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、携帯端末機器を掴んだ手で持ち替えることなくそのまま通話することができて、操作を簡単にすることができる携帯端末機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る携帯端末機器は、情報やデータの入力及び表示を行う機能と電話機能とを一体にした携帯端末機器であって、機器本体の表面に設けられたタッチパネルと、前記タッチパネルを覆うように前記機器本体に開閉可能に取り付けられた蓋部材と、前記蓋部材の前記タッチパネルに対応する位置に設けられ且つ前記蓋部材の表面側から前記タッチパネルの操作が可能な操作ボタン手段と、前記機器本体の裏面に設けられた音声出力手段と、前記機器本体の裏面に設けられ且つ前記音声出力手段を耳側に近付けた際に口側に位置するように配置された音声入力手段とを備え、前記操作ボタン手段は、前記蓋部材にボタン収納凹部と、このボタン収納凹部の一方に位置する接点部用孔と、前記ボタン収納凹部の他方に位置するボタン固定用孔とを形成して構成したボタン装着部と、弾性材料からなるボタン本体に接点部と固定部とを互いに離間させてそれぞれ突設したボタン部材とを有し、前記ボタン部材を、その固定部を前記ボタン固定用孔に挿入すると共に、前記接点部を前記接点部用孔に挿入して前記蓋部材に取り付けて構成し、前記ボタン部材の裏面と前記ボタン収納凹部の傾斜面との間に前記接点部側で最大になる隙間を形成したことを特徴とする。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、請求項2の発明に係る携帯端末機器は、請求項1に記載の携帯端末機器において、ボタン収納凹部の前記ボタン固定用孔側にリブ挿入溝部を形成し、ボタン本体の固定部側に支持用リブ部を形成し、ボタン部材を蓋部材に装着した際に、前記支持用リブ部を前記リブ挿入溝部に挿入して、前記ボタン部材の前記接点部側を前記支持用リブ部により持ち上げて、前記ボタン部材の裏面と前記ボタン収納凹部の傾斜面との間に隙間を形成した。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、請求項3の発明に係る携帯端末機器は、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末機器において、ボタン部材の裏面側に板ばねを装着した。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、請求項4の発明に係る携帯端末機器は、請求項3に記載の携帯端末機器において、板ばねに突起部を設け、この板ばねをボタン部材の裏面側に装着し、ボタン収納凹部の傾斜面にダイヤフラム位置決め溝を設けて、このダイヤフラム位置決め溝にダイヤフラムを設け、前記板ばねの前記突起部を前記ダイヤフラムに接するようにした。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
請求項1の発明に係る携帯端末機器は、情報やデータの入力及び表示を行う機能と電話機能とを一体にした携帯端末機器であって、機器本体の表面に設けられたタッチパネルと、前記タッチパネルを覆うように前記機器本体に開閉可能に取り付けられた蓋部材と、前記蓋部材の前記タッチパネルに対応する位置に設けられ且つ前記蓋部材の表面側から前記タッチパネルの操作が可能な操作ボタン手段と、前記機器本体の裏面に設けられた音声出力手段と、前記機器本体の裏面に設けられ且つ前記音声出力手段を耳側に近付けた際に口側に位置するように配置された音声入力手段とを備え、前記操作ボタン手段は、前記蓋部材にボタン収納凹部と、このボタン収納凹部の一方に位置する接点部用孔と、前記ボタン収納凹部の他方に位置するボタン固定用孔とを形成して構成したボタン装着部と、弾性材料からなるボタン本体に接点部と固定部とを互いに離間させてそれぞれ突設したボタン部材とを有し、前記ボタン部材を、その固定部を前記ボタン固定用孔に挿入すると共に、前記接点部を前記接点部用孔に挿入して前記蓋部材に取り付けて構成し、前記ボタン部材の裏面と前記ボタン収納凹部の傾斜面との間に前記接点部側で最大になる隙間を形成したことを特徴とする。
【0022】
かかる構成により、手で携帯端末機器を掴み、そのまま、携帯端末機器の裏面を顔の側面に持ってくると、耳の付近に音声出力手段が、口の横に音声入力手段がそれぞれ位置することになる。したがって、携帯端末機器を掴んだ手で持ち替えることなくそのまま通話することができて、操作を簡単にすることができる。
【0023】
この場合、電話着信は、操作ボタン手段を人差し指で押してタッチパネルの、例えば、電話ボタン部を押すことにより行うことができる。
【0026】
また、かかる構成により、ボタン部材が押されない状態では、ボタン部材の接点部側が最大になる隙間となるように、ボタン部材の裏面とボタン収納凹部の傾斜面との間には隙間が存在するが、ボタン部材が押されると、ボタン部材が弾性変形して傾斜面に当接して接点部がタッチパネル側に突出し、この接点部がタッチパネルを押す。このようにボタン部材にシーソー式のスイッチ機能となるためにタッチパネルの端押しが可能になるし、また、ボタン構成を蓋部材と同じ厚さにすることが可能であり、厚み方向の寸法やデザインを変更せずに機能を実現できる。
【0027】
また、請求項2の発明に係る携帯端末機器は、請求項1に記載の携帯端末機器において、ボタン収納凹部のボタン固定用孔側にリブ挿入溝部を形成し、ボタン本体の固定部側に支持用リブ部を形成し、ボタン部材を蓋部材に装着した際に、前記支持用リブ部を前記リブ挿入溝部に挿入して、前記ボタン部材の前記接点部側を前記支持用リブ部により持ち上げて、前記ボタン部材の裏面と前記ボタン収納凹部の傾斜面との間に隙間を形成した。
【0028】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、ボタン部材が押されない状態では、ボタン部材の接点部側が、支持用リブ部により持ち上げられていて、ボタン部材の裏面とボタン収納凹部の傾斜面との間には隙間が存在するが、ボタン部材が押されると、ボタン部材が弾性変形して傾斜面に当接して接点部がタッチパネル側に突出し、この接点部がタッチパネルを押す。このようにボタン部材にシーソー式のスイッチ機能となるためにタッチパネルの端押しが可能になる。
【0029】
また、請求項3の発明に係る携帯端末機器は、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末機器において、ボタン部材の裏面側に板ばねを装着した。
【0030】
かかる構成により、上記した請求項1及び請求項2の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、板ばねをボタン部材に装着することにより、このボタン部材の材質の経年変化や温湿度による環境特性を補い、ボタン部材のスイッチ耐久性を向上させることができる。
【0031】
また、請求項4の発明に係る携帯端末機器は、請求項3に記載の携帯端末機器において、板ばねに突起部を設け、この板ばねをボタン部材の裏面側に装着し、ボタン収納凹部の傾斜面にダイヤフラム位置決め溝を設けて、このダイヤフラム位置決め溝にダイヤフラムを設け、前記板ばねの前記突起部を前記ダイヤフラムに接するようにした。
【0032】
かかる構成により、上記した請求項3の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、板ばねをボタン部材に装着することにより、このボタン部材の材質の経年変化や温湿度による環境特性を補い、ボタン部材のスイッチ耐久性を向上させることができ、また、ボタン部材を押した際に、突起部によりダイヤフラムが押されて反転しクリック感を発生させ、ボタン部材の操作感覚を向上させることができる。
【0041】
次に、本発明に係る携帯端末機器の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る携帯端末機器の表側から見た斜視図、図2は同携帯端末機器の裏側から見た斜視図、図3は同携帯端末機器において蓋部材を開いた状態を前方より見た斜視図である。なお、図面においてX1−X2を左右方向、Y1−Y2を前後方向とする。
【0042】
本発明に係る携帯端末機器Aは、情報やデータの入力及び表示を行う機能と電話機能とを一体にした構成である。すなわち、携帯端末機器は機器本体1を備えており、この機器本体1の表面1aには、情報やデータの入力及び表示を行う機能を有するタッチパネル2と、ビクトLCD2−1と、タッチパネル2を開閉可能に覆う蓋部材3とが設けてある。また、機器本体1の左壁部1cにはアンテナ4が折畳み可能に取り付けてある。タッチパネル2には、表示部2Bと、操作ボタン部2Cとにより構成してあり、操作ボタン部2Cには、メール、パソコン通信、電話(電話ボタン部2B)、アドレス帳、システム設定、スケジュール、時計、光通信等の各ボタン部がある。
【0043】
また、機器本体1の裏面1bには、図2、図9、図10に示すように携帯端末機器Aを持ち替えることなく通話できるように音声入力手段であるマイクロホン5と音声出力手段であるスピーカ6とが設けてある。すなわち、機器本体1の裏面1bの左側前部の隅角部にマイクロホン5が、右側後部の隅角部にスピーカ6がそれぞれ配設してある。
【0044】
また、機器本体1の後壁部7には一対のヒンジ挿入溝部8が形成してあり、これらのヒンジ挿入溝部8の中間部にはヒンジ部材9がヒンジピン10により回動可能に取り付けてあり、一対のヒンジ部材9の先部に前記蓋部材3の基端部3aがヒンジピン11により回動可能に取り付けてある。
【0045】
そして、前記蓋部材3の面部3Aには、タッチパネル2を透視するための窓部12と、蓋部材3を閉じた状態でタッチパネル2を操作する操作ボタン機構13と、蓋部材3を閉じた時に、この蓋部材3を機器本体1にロックする蓋ロック機構14とが設けてある。
【0046】
前記窓部12は、蓋部材3の面部3Aに形成された長方形状の開口部(図示せず)にパッキン部材16をかいして透明プレート17を装着して構成してある。
【0047】
また、前記操作ボタン機構13は、図11乃至図14に示すように蓋部材3の面部3Aに形成されたボタン装着部18にボタン部材19を着脱可能に装着して構成してある。ボタン装着部18は蓋部材3の面部3Aの中央部の左寄りに形成してあって、ボタン収納凹部20と、このボタン収納凹部20の左側に位置する接点部用孔21と、ボタン収納凹部20の右側に位置するボタン固定用孔22とを有している。
【0048】
すなわち、ボタン収納凹部20は、ボタン部材19の平面形状に倣う略等辺三角形状を成しており、このボタン収納凹部20の等辺三角形の頂部に接点部用孔21が、等辺三角形の底辺部の中央にボタン固定用孔22がそれぞれ設けてある。そして、ボタン収納凹部20の面部は、ボタン固定用孔22を形成した平坦部15と、この平坦部15から接点部用孔21に向かって下方傾斜する傾斜面23とから構成してある。
【0049】
そして、前記接点部用孔21は、孔部21Aと、蓋部材3の裏面3Bに形成された孔部21Aに同心の凹部21Bとで構成してあり、また、ボタン固定用孔22は、孔部22Aと、蓋部材3の裏面3Bに形成された孔部22Aに同心の凹部22Bとで構成してある。また、ボタン収納凹部20のボタン固定用孔22側の部位には、平面U字形状のリブ挿入溝部24が形成してある。
【0050】
また、前記ボタン部材19は、硬度60〜80度のシリコンゴムのような弾性部材もしくは同硬度の薄肉成形できる熱可塑性エラストマーから製作してある。このボタン部材19は、図11及び図12に示すように平面略等辺三角形状を成すボタン本体19Aを有しており、このボタン本体19Aの等辺三角形の頂部に位置する部位には接点部25が、等辺三角形の底辺部に位置する部位の中央には固定部26がそれぞれ突設してある。
【0051】
前記接点部25は、ボタン本体19Aに突設された軸部25Aの先側に偏平な接点25Bを形成して構成してあり、また、固定部26は、ボタン本体19Aに突設された軸部26Aの先側に鍔部26Bを形成して構成してある。また、ボタン本体19Aの固定部26側の部位には支持用リブ部27が形成してある。
【0052】
そして、前記ボタン部材19は、その固定部26の軸部26Aをボタン固定用孔22の孔部22Aに挿入すると共に、鍔部26Bをボタン固定用孔22の凹部22Bに当接させ、また、接点部25の軸部25Aを接点部用孔21の孔部21Aに挿入すると共に、接点25Bの周縁部を接点部用孔21の凹部21Bに当接させ、且つ支持用リブ部27をリブ挿入溝部24に挿入して蓋部材3に取り付けてある。この場合、前記ボタン部材19の接点部25側が、支持用リブ部27により持ち上げられていて、ボタン部材19の裏面とボタン収納凹部20の傾斜面23との間には隙間28が形成してある。
【0053】
前記蓋ロック機構14は、蓋部材3に設けられたロック用係合部29と、機器本体1に設けられてロック用係合部29を係脱可能に係合する係合機構部30とより構成してある。すなわち、蓋部材3の裏面の前側右部にロック用係合部29が一体成形してある。このロック用係合部29は、図15に示すように左右方向X1−X2に向かう突起補強リブ31と、前後方向Y1−Y2(蓋部材3の回動方向)(奥行き方向)に長いロック用突起部32とを一体に成形した構成してあり、ロック用突起部32の両側にはアンダーカット部33が設けてあって、ロック用突起部32はキノコ状断面を有している。
【0054】
また、前記係合機構部30は、機器本体1の表面の右側後部に位置する装着凹部35と、この装着凹部35内に装着されるフック部材36で構成してある。すなわち、装着凹部35は、図17の(1)、(2)に示すように左右方向X1−X2に長い長方形状をなしており、装着凹部35の後面部35Aの上縁部には引っ掛け部37が、また、前面部35Bにはフック抜け用突起部38がそれぞれ形成してある。
【0055】
また、フック部材36は、対摩耗特性、滑り特性がよく且つばね性のあるPOM(ポリアセタール樹脂)やPA(ポリアミド樹脂)で成形してある。そして、フック部材36は装着プレート39を有しており、この装着プレート39の上部には覆い部40が、下部にはフック保持部41がそれぞれ形成してあって、このフック保持部41にフック42が一体に成形してある。このフック42は一対のフック本体42aの先部にフック爪部42bを形成して構成してあり、一対のフック爪部42bは互いに対向していて、フック爪部42bには誘込み用面取り部43が設けてある。
【0056】
このように構成されたフック部材36は、図17の(1)、(2)に示すように装着凹部35内に装着してあり、この場合、装着プレート39の上部の覆い部40が引っ掛け部37に引っ掛けてあり、フック抜け用突起部38にフック42の一対のフック本体42aの基部間の部位42cが係合している。
【0057】
そして、図4の仮想線に示すように前記ヒンジ部材9をヒンジピン10で回動させて、ヒンジ部材9を機器本体1の後壁部7のヒンジ挿入溝部8に挿入し、更に、ヒンジ部材9の先部のヒンジピン11で蓋部材3をタッチパネル2側に回動させて、図18の(1)に示すようにロック用係合部29のロック用突起部32をフック部材36のフック爪部42b間に落とし込み、更に、蓋部材3を押し付けることにより、ロック用突起部32をフック爪部42bの誘込み用面取り部43に当接させて、一対のフック爪部42bを開いてロック用突起部32を一対のフック爪部42b間に挿入し、この挿入後に、一対のフック爪部42bを弾性により閉じさせて、ロック用突起部32の両側のアンダーカット部33に当接させて一対のフック爪部42bをに引っ掛けることにより、ロック用突起部29をフック42に係脱可能に係合して、蓋部材3が機器本体1に取り付けてある。
【0058】
このように蓋部材3を機器本体1に取り付けてタッチパネル2を覆った状態では、前記ボタン部材19の接点25Bがタッチパネル2の電話ボタン部2Aの上方に位置している。
【0059】
次に、上記のように構成された携帯端末機器Aの使用を電話機能を中心に説明する。
【0060】
携帯端末機器Aが電話着信すると、タッチパネル2の表示部2Bに相手先が表示される。この相手先の表示は、蓋部材3を開くことなく、この蓋部材3の窓部12を通して視認することができる。
【0061】
また、携帯端末機器Aの機器本体1の裏面1bには、この携帯端末機器Aを持ち替えることなく通話できるようにマイクロホン5とスピーカ6とが設けてある。すなわち、機器本体1の裏面1bの左側前部の隅角部にマイクロホン5が、右側後部の隅角部にスピーカ6がそれぞれ配設してあるために、図9に示すように右手Mで携帯端末機器Aを掴み、図10に示すようにアンテナ4を立てて、そのまま、携帯端末機器Aの裏面1bを顔の右側に持ってくると、耳の付近にスピーカ6が、口の横にマイクロホン5がそれぞれ位置することになる。したがって、携帯端末機器Aを掴んだ右手Mで持ち替えることなくそのまま通話することができる。
【0062】
この場合、電話着信は、前記ボタン部材19を右手Mの人差し指Nで押して、図14に示すように接点部25の接点25Bでタッチパネル2の電話ボタン部2Aの上電極イをした電極ロに接触させることにより行う。この場合、ボタン部材19が押されない状態では、図13に示すようにボタン部材19の接点部25側が、支持用リブ部27により持ち上げられていて、ボタン部材19の裏面とボタン収納凹部20の傾斜面23との間には隙間28が存在するが、ボタン部材19が押されると、図14に示すようにボタン部材19が弾性変形して傾斜面23に当接して接点部25がタッチパネル2側に突出し、この接点部25の接点25Bがタッチパネル2を押す。このようにボタン部材19にシーソー式のスイッチ機能となるためにタッチパネル2の端押しが可能になる。
【0063】
また、前記ボタン部材19は、その固定部26の軸部26Aをボタン固定用孔22の孔部22Aに挿入すると共に、鍔部26Bをボタン固定用孔22の凹部22Bに当接させ、また、接点部25の軸部25Aを接点部用孔21の孔部21Aに挿入すると共に、接点25Bの周縁部を接点部用孔21の凹部21Bに当接させ、且つ支持用リブ部27をリブ挿入溝部24に挿入して蓋部材3に取り付けてあるために、ボタン構成を蓋部材3と同じ厚さにすることが可能であり、厚み方向の寸法やデザインを変更せずに機能を実現できる。
【0064】
また、蓋部材3を閉める場合には、上記したようにロック用係合部29のロック用突起部32をフック部材36のフック爪部42b間に落とし込み、更に、蓋部材3を押し付けることにより、ロック用突起部32をフック爪部42bの誘込み用面取り部43に当接させて、一対のフック爪部42bを開いてロック用突起部32を一対のフック爪部42b間に挿入し、この挿入後に、一対のフック爪部42bを弾性により閉じさせて、ロック用突起部32の両側のアンダーカット部33に当接させて一対のフック爪部42bを引っ掛け部40に引っ掛けることにより、ロック用突起部29をフック42に係脱可能に係合する。
【0065】
したがって、従来の片側ロックに対し、一対のフック爪部42bがロック用突起部29を押さえ込むために安定した掛り量を確保することができて、蓋部材3の機器本体へのロックを確実に行うことができる。
【0066】
また、蓋部材3のロック用突起部29が奥行方向に長さを持っているために、蓋部材3の折畳み時に少しのずれやガタがあっても、確実にフック部材36でロック用突起部29を拾い込むことが可能になり、蓋部材3の機器本体へのロックを確実に行うことができる。
【0067】
また、フック部材36は、図17の(1)、(2)に示すように装着凹部35内に装着してあり、この場合、装着プレート39の上部の覆い部40が引っ掛け部37に引っ掛けてあって、装着凹部35の後面部35Aの上縁部を覆っているために、蓋部材3を閉める際に、ロック用突起部29が、装着凹部35の後面部35Aの上縁部に当たって、この部分の塗装を剥がすという不具合を防止することができる。
【0068】
また、図19乃至図22に示すように板ばね(例えば、厚さ0.2mm程度のステンレス鋼板)45をボタン部材19の下に装着してもよい。すなわち、板ばね45は、ボタン部材19の平面形状に倣う略等辺三角形状を成しており、この板ばね45の等辺三角形の頂部に相当する部位には切欠き状の係止部46が、等辺三角形の底辺部に相当する部位の中央には孔47がそれぞれ設けてある。そして、孔47に、ボタン部材19の固定部26の軸部26Aを挿通させると共に、係止部46をボタン部材19の接点部25の軸部25Aに係止して、板ばね45をボタン部材19に装着する。また、ボタン部材19の表面に、隙間28の部分を押させるための目安としての突起19aを複数設けてもよい。
【0069】
このように、板ばね45をボタン部材19の下に装着することにより、このボタン部材19の材質の経年変化や温湿度による環境特性を補い、ボタン部材19のスイッチ耐久性を向上させることができる。
【0070】
また、図23乃至図26に示すように板ばね45の中央部に突起部48を設け、この板ばね45を、その孔47に、ボタン部材19の固定部26の軸部26Aを挿通させると共に、係止部46をボタン部材19の接点部25の軸部25Aに係止してボタン部材19に装着し、また、ボタン収納凹部20の傾斜面23にダイヤフラム位置決め溝23Aを設けて、このダイヤフラム位置決め溝23Aにダイヤフラム49を設け、板ばね45の突起部48をダイヤフラム49に接するようにしてもよい。
【0071】
この場合、板ばね45をボタン部材19の下に装着することにより、このボタン部材19の材質の経年変化や温湿度による環境特性を補い、ボタン部材19のスイッチ耐久性を向上させることができるばかりか、ボタン部材19を押した際に、突起部48によりダイヤフラム49が押されて反転しクリック感を発生させ、ボタン部材19の操作感覚を向上させることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る携帯端末機器によれば、手で携帯端末機器を掴み、そのまま、携帯端末機器の裏面を顔の側面に持ってくると、耳の付近に音声出力手段が、口の横に音声入力手段がそれぞれ位置することになる。したがって、携帯端末機器を掴んだ手で持ち替えることなくそのまま通話することができて、操作を簡単にすることができる。
【0073】
この場合、電話着信は、操作ボタン手段を人差し指で押してタッチパネルの、例えば、電話ボタン部を押すことにより行うことができる。
【0075】
また、請求項1の発明に係る携帯端末機器によれば、ボタン部材が押されない状態では、ボタン部材の接点部側が最大になる隙間となるように、ボタン部材の裏面とボタン収納凹部の傾斜面との間には隙間が存在するが、ボタン部材が押されると、ボタン部材が弾性変形して傾斜面に当接して接点部がタッチパネル側に突出し、この接点部がタッチパネルを押す。このようにボタン部材にシーソー式のスイッチ機能となるためにタッチパネルの端押しが可能になるし、ボタン構成を蓋部材と同じ厚さにすることが可能であり、厚み方向の寸法やデザインを変更せずに機能を実現できる。
【0076】
また、請求項2の発明に係る携帯端末機器によれば、上記した請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、ボタン部材が押されない状態では、ボタン部材の接点部側が、支持用リブ部により持ち上げられていて、ボタン部材の裏面とボタン収納凹部の傾斜面との間には隙間が存在するが、ボタン部材が押されると、ボタン部材が弾性変形して傾斜面に当接して接点部がタッチパネル側に突出し、この接点部がタッチパネルを押す。このようにボタン部材にシーソー式のスイッチ機能となるためにタッチパネルの端押しが可能になる。
【0077】
また、請求項3の発明に係る携帯端末機器によれば、上記した請求項1及び2の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、板ばねをボタン部材に装着することにより、このボタン部材の材質の経年変化や温湿度による環境特性を補い、ボタン部材のスイッチ耐久性を向上させることができる。
【0078】
また、請求項4の発明に係る携帯端末機器によれば、上記した請求項3の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、板ばねをボタン部材に装着することにより、このボタン部材の材質の経年変化や温湿度による環境特性を補い、ボタン部材のスイッチ耐久性を向上させることができ、また、ボタン部材を押した際に、突起部によりダイヤフラムが押されて反転しクリック感を発生させ、ボタン部材の操作感覚を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯端末機器の表側から見た斜視図
【図2】同携帯端末機器の裏側から見た斜視図
【図3】同携帯端末機器において蓋部材を開いた状態を前方から見た斜視図
【図4】同携帯端末機器において蓋部材を開いた状態を横から見た側面図
【図5】同携帯端末機器において蓋部材を開いた状態を後方から見た斜視図
【図6】同携帯端末機器において蓋部材を閉じた状態を後方から見た斜視図
【図7】同携帯端末機器の平面図
【図8】同携帯端末機器における蓋部材の裏面図
【図9】同携帯端末機器を右手で掴んだ状態の斜視図
【図10】同携帯端末機器を右手で掴んで通話する状態の説明図
【図11】同携帯端末機器における蓋部材の操作ボタン機構の分解状態の断面図
【図12】同操作ボタン機構におけるボタン部材の平面図
【図13】同操作ボタン機構におけるボタン押し操作前の断面図
【図14】同操作ボタン機構におけるボタン押し操作後の断面図
【図15】同携帯端末機器における蓋ロック機構のロック用突起部の斜視図
【図16】同携帯端末機器における蓋ロック機構の係合機構部の分解状態の斜視図
【図17】(1)は同蓋ロック機構の係合前の断面図
(2)は(1)のT−T線に沿う断面図
【図18】(1)は同蓋ロック機構の係合後の断面図
(2)は(1)のU−U線に沿う断面図
【図19】同携帯端末機器における蓋部材の操作ボタン機構の他の実施例の分解状態の断面図
【図20】同操作ボタン機構における板ばねの平面図
【図21】同操作ボタン機構におけるボタン押し操作前の断面図
【図22】同操作ボタン機構におけるボタン押し操作後の断面図
【図23】同携帯端末機器における蓋部材の操作ボタン機構の他の実施例の分解状態の断面図
【図24】同操作ボタン機構における板ばねの平面図
【図25】同操作ボタン機構におけるボタン押し操作前の断面図
【図26】同操作ボタン機構におけるボタン押し操作後の断面図
【図27】従来の携帯端末機器の斜視図
【図28】同携帯端末機器の蓋部材を開いた状態の斜視図
【図29】同携帯端末機器の蓋ロック機構の断面図
【符号の説明】
1 機器本体
2 タッチパネル
3 蓋部材
5 マイクロホン(音声入力手段)
6 スピーカ(音声出力手段)
12 窓部
13 操作ボタン機構
A 携帯端末機器
Claims (4)
- 情報やデータの入力及び表示を行う機能と電話機能とを一体にした携帯端末機器であって、
機器本体の表面に設けられたタッチパネルと、
前記タッチパネルを覆うように前記機器本体に開閉可能に取り付けられた蓋部材と、
前記蓋部材の前記タッチパネルに対応する位置に設けられ且つ前記蓋部材の表面側から前記タッチパネルの操作が可能な操作ボタン手段と、
前記機器本体の裏面に設けられた音声出力手段と、
前記機器本体の裏面に設けられ且つ前記音声出力手段を耳側に近付けた際に口側に位置するように配置された音声入力手段とを備え、
前記操作ボタン手段は、前記蓋部材にボタン収納凹部と、このボタン収納凹部の一方に位置する接点部用孔と、前記ボタン収納凹部の他方に位置するボタン固定用孔とを形成して構成したボタン装着部と、弾性材料からなるボタン本体に接点部と固定部とを互いに離間させてそれぞれ突設したボタン部材とを有し、前記ボタン部材を、その固定部を前記ボタン固定用孔に挿入すると共に、前記接点部を前記接点部用孔に挿入して前記蓋部材に取り付けて構成し、前記ボタン部材の裏面と前記ボタン収納凹部の傾斜面との間に前記接点部側で最大になる隙間を形成したことを特徴とする携帯端末機器。 - 前記ボタン収納凹部の前記ボタン固定用孔側にリブ挿入溝部を形成し、前記ボタン本体の前記固定部側に支持用リブ部を形成し、前記ボタン部材を前記蓋部材に装着した際に、前記支持用リブ部を前記リブ挿入溝部に挿入して、前記ボタン部材の前記接点部側を前記支持用リブ部により持ち上げて、前記ボタン部材の裏面と前記ボタン収納凹部の傾斜面との間に隙間を形成した請求項1に記載の携帯端末機器。
- 前記ボタン部材の裏面側に板ばねを装着した請求項1又は請求項2に記載の携帯端末機器。
- 前記板ばねに突起部を設け、この板ばねを前記ボタン部材の裏面側に装着し、前記ボタン収納凹部の傾斜面にダイヤフラム位置決め溝を設けて、このダイヤフラム位置決め溝にダイヤフラムを設け、前記板ばねの前記突起部を前記ダイヤフラムに接するようにした請求項3に記載の携帯端末機器。
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