JP3585657B2 - 版胴運搬兼インキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機の版胴、及びインキの交換装置に係り、特に軸無しグラビア版胴を、インキ供給装置とともにグラビア印刷機に組付けたり、取り外すことのできる版胴運搬兼インキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷機の印刷ユニットにおいて、版胴、及びインキの交換を極めて簡便かつ短時間で行い得る装置として、特開昭60−105543に記載されている装置が知られている。
【0003】
前記公報で提案された版胴運搬兼インキ装置は、台車と該台車に昇降可能に支持されたインキパンと、前記台車に搭載され、前記インキパンにインキを供給するインキポンプ及びインキタンクと、前記インキパン内に置かれた版胴支持体(以下「版胴受け」と略す)とで構成されている。
【0004】
上記版胴運搬兼インキ装置を用いて、グラビア印刷機の印刷ユニットに版胴を装着したり脱着する方法について、図6を参照しながら以下に説明する。なお、図6は、特開昭60−105543に記載されている版胴運搬兼インキ装置の断面図である。
【0005】
上記公報に示された版胴運搬兼インキ装置10は、あらかじめ印刷機の外で、台車11に備えた昇降可能なインキパン21の上に、先ず、取り外し可能な版胴受け31を置き、その上に版胴35を載せ、また必要ならインキタンク23に印刷インキを供給して待機する。
【0006】
上記版胴35を用いて印刷を行なうときは、版胴35を載せた台車11を印刷ユニット40内に移動し、図4に示したように、圧胴43下の所定位置に版胴運搬兼インキ装置10を設置する。
【0007】
次いで、版胴受け31を介してインキパン21に載せた版胴35を、台車11に備えたインキパン昇降ハンドル25を操作して、印刷ユニット40の版胴装着位置まで上昇させ、印刷ユニット40の版胴装着装置44に版胴35を装着する。
【0008】
版胴35を印刷ユニット40に装着したら、インキパン21を一旦下降し、インキパン上に載せてある版胴受け31を手で取り外し、再度、インキパン21を版胴位置の高さに合うよう上昇させる。
【0009】
インキパン21の高さ調整を完了したら、台車11に備えたインキタンク23に印刷インキを供給し、インキポンプ(図示せず)を起動してインキパン21に印刷インキを供給する。インキパン21へのインキの供給が安定したら、版胴35を回転駆動させながらドクターブレード45を版胴35に当接し、インキ供給量を調整する。
【0010】
次いで、印刷用紙50の搬送を開始し、同時に圧胴43を降下させて版胴35に圧接し、印刷を開始する。
【0011】
また、印刷を完了したら、圧胴43を上昇して印刷用紙50を版胴35から離反したのち、印刷用紙の搬送を停止する。
【0012】
次いで、インキパン21の残留インキをインキタンク23に回収し、さらに、版胴35、ドクターブレード45、及びインキパン21に付着している残留インキを、インキ洗浄液で洗い流す。
【0013】
上記インキ洗浄を終えたら、インキパン21に再び版胴受け31を載せ、インキパン21を版胴位置まで上昇して、印刷ユニット40の版胴装着装置44を解除し、版胴35をインキパン21の版胴受け31に載せて回収する。
【0014】
上記、一連の手順によって、版胴運搬兼インキ装置10を使用した印刷を完了するが、別の版胴運搬兼インキ装置に、次の印刷に使用する版胴と印刷インキをあらかじめ準備しておくことにより、簡便かつ迅速に版胴とインキを交換できるので、グラビア印刷機の稼働率が向上し、また、省力化も図れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の版胴運搬兼インキ装置は、第1に、版胴を支えるための版胴受けを、インキパンに載せたり取り外す作業や、取り外した版胴受けの保管や清掃作業に人手を要し、印刷準備に時間が掛かっている。
第2に、版胴を版胴受けを介してインキパンに載せる構造なので、版胴を印刷ユニットに装着したり取り外すとき、インキパン昇降ハンドルを操作して、何度もインキパンの位置を調整する必要がある。
【0016】
本発明は、上記従来の版胴運搬兼インキ装置の欠点を解消し、版胴の取り付け取り外しを、より簡便化するための版胴支持装置を備えた版胴運搬兼インキ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
従来は、版胴を台車に積載して運搬するために、インキパンに版胴受けを載せていたが、本発明では、インキパン上の空間にて版胴を保持する版胴支持装置を別途設けることにより、上記課題を解決した。以下にその詳細を説明する。
【0018】
請求項1の発明は、台車と、該台車に固定され、版胴にインキを供給する昇降可能なインキパンを含むインキ供給装置と、前記台車に固定され、前記インキパンの上方空間にて、版胴を保持する昇降可能な版胴受けを備えた版胴支持装置とを設けた版胴運搬兼インキ装置である。
【0019】
請求項2の発明は、前記請求項1の発明に加えて、版胴を保持する版胴受けを、インキパン上から退避する版胴受け退避手段を備えている版胴運搬兼インキ装置である。
【0020】
請求項3の発明は 前記請求項1の発明に加えて、版胴を保持する版胴受けを、版胴径に合わせて上下方向に位置調整する版胴位置調整手段を備えている版胴運搬兼インキ装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の版胴運搬兼インキ装置、及びグラビア印刷機の印刷ユニットの構成の一部を示す断面図である。図1(a)はグラビア印刷機の印刷ユニット40に版胴35を組付ける直前の装置の配置を示しており、また図1(b)は、版胴35を印刷ユニット40に組付けたあと、インキパン21を版胴下部にセットしている状況を示している。
【0022】
本発明の版胴運搬兼インキ装置10は、図1(a)、(b)に示すように、車輪12を備えた台車11に、インキパン昇降器22に支えられたインキパン21と、インキパン22にインキを供給するためのインキポンプ24と、インキを貯蔵しておくインキタンク23とで構成されたインキ供給装置20を設けてある。
【0023】
前記インキ供給装置20のインキパン21は、印刷インキを定量蓄え、該印刷インキに版胴35の下部が浸漬するように、版胴位置に合わせてインキパン21の高さを調整するためのインキパン昇降器22に支えられており、インキパン21は、通常ステンレスなどの金属板で構成する。
【0024】
また、前記インキパン21を支持するインキパン昇降器22は、図6に示した特開昭60−105543に例示されているインキ装置と同様に、インキパン昇降ハンドルと、該ハンドル軸に設けたウォームと、該ウォームによって回転するウォームホイール、及びウォームホイール軸に設けたピニオンと、インキパン21を支える支柱に設けられ、前記ピニオンに噛み合ってインキパン21の支柱を上下動するラックギアとで構成されている。
【0025】
これらの歯車機構で構成されたインキパン昇降器22は、図2に示すように、インキパン21の下部に左右一対で設けられ、ウォームホイール軸(図示せず)で連結されて台車11に固定されている。
【0026】
上記構成のインキパン昇降器22に設けられた昇降ハンドルを回すことによって、インキパン21を支える支柱を上下動して、版胴35へのインキ付与に好適な高さにインキパン21を位置決めすることができる。
【0027】
また、前記インキパン21に一定量の印刷インキを供給するために、印刷インキを貯蔵するインキタンク23と、インキパン21に印刷インキを供給するインキポンプ24が台車に設けられ、それぞれ配管を介して接続されており、さらに、図示していないがインキパン21に蓄えられた印刷インキは、オーバーフロー管を通ってインキタンクへ回収するように構成されている。
【0028】
さらに、本発明の版胴運搬兼インキ装置10は、上記インキ供給装置20を構成するインキパン21の上方空間において、版胴35を保持するための版胴受け31と、台車11に固定され、グラビア印刷機の印刷ユニット40に設けられた版胴装着装置44に、前記版胴受け31に保持された版胴35を装着するのに好適な高さに位置決めする版胴位置調整手段34と、前記版胴位置調整手段34に固定され、前記版胴受け31を上下動する版胴受け昇降器33と、前記版胴受け31を、インキパン21上から退避する版胴受け退避手段32とで構成された版胴支持装置30を備えている。
【0029】
前記版胴支持装置30の版胴受け31は、剛性の高いアルミ合金製の材質で構成し、該版胴受け31の上面は、版胴35を定位置に保持するためにV字状の切り込みを設けてあり、さらにV字状の版胴保持面は、版胴35の版面を傷つけないようにゴム、または合成樹脂製のシート材を固着してある。
【0030】
前記版胴受け31の版胴保持面に固着したゴムや合成樹脂製のシート材は、印刷インキの溶剤によって溶解したり、劣化することがなく、また、版胴35の重量に耐える強度を有し、例えば、ネオプレンやクロロプレンなどの合成ゴム、または、ポリ4フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂を用いるのが望ましい。
【0031】
上記版胴受け31は、エアシリンダで構成された版胴受け昇降器33の可動軸上端に回転可能に軸承され、版胴35を版胴受け31で保持するときは、図1(a)、及び図2に示すように、版胴35の軸穴と直角方向に配置され、版胴35を印刷ユニット40の版胴装着装置44に装着したあとは、図1(b)、及び図3に示すように版胴35と平行な向きに回転する。
【0032】
すなわち、本発明の版胴運搬兼インキ装置10では、グラビア印刷機に版胴35を装着して印刷中は、版胴受け31を版胴35と平行な向きに回転して、インキパン21上から退避することができる。
【0033】
また、前記版胴支持装置30の版胴受け退避手段32は、後述の版胴受け昇降器33と一体化した、例えば、可動軸が出入りしながら90°回転するタイプのエアシリンダを用い、例えば、SMC株式会社製の直進揺動形式のエアーシリンダ(商品名ロータリシリンダ)で構成する。
【0034】
なお、前記版胴受け退避手段32は、例えば、図5に示すように、左右一対の版胴受け31をリンクで結合し、版胴受け31の一端に設けたレバーを矢印方向に回転操作することにより、左右の版胴受け31を同時にインキパン21上から退避させる構成でもよい。
【0035】
上記、版胴受け31、及び版胴受け退避手段32を支持し、かつインキパン21上の空間で版胴受け31を上下動させる版胴受け昇降器33は、例えば、上述したように空気圧によって動作するエアシリンダで構成する。
【0036】
前記版胴受け昇降器33は、版胴35を印刷ユニット40の版胴装置44に着脱するとき上昇して版胴35を保持し、版胴35を版胴装着装置44に固着したあと、版胴受け31を下降させ、さらに、版胴受け退避手段32によって、印刷の障害にならない位置に版胴受け31を退避させる。
【0037】
前記版胴受け昇降器33を構成するエアシリンダは、版胴35を印刷ユニット40に装着したあと、版胴35やインキパン21に前記版胴受け31が接触することのない位置に、版胴受け31を退避させるのに必要、かつ十分な動作ストロークを有するものを用いる。
【0038】
また、前記版胴受け昇降器33を構成するエアシリンダは、主に鉄製のグラビアシリンダの版胴35を支持するのに十分な動作トルクを有することが必要である。但し、版胴35を保持したままで版胴受け31を昇降動作する必要はなく、単に出限状態で版胴35の重量を支えるだけのトルクがあれば十分である。
【0039】
つまり、前記版胴受け昇降器33のエアシリンダは、図2に示すように、版胴35を印刷幅方向に左右2か所で支持するので、単体では版胴重量の1/2以上の重量を支えるトルクがあれば十分である。
【0040】
なお、版胴受け31を昇降させる版胴受け昇降器33は、版胴を積載したまま版胴受けを上下動させる必要がないので、本実施例では左右独立して上下動するエアシリンダを用いているが、もし版胴35を載せたまま版胴受け31を上下動させる必要があるなら、下記の版胴位置調整手段34と同様に、左右同時に上下動する構造が望ましい。
【0041】
すなわち、版胴支持装置30を構成する版胴位置調整手段34は、例えば、前記したインキパン昇降器22と同様に、ウォームギア機構によって構成され、ウォーム軸のハンドルを回転操作することにより、版胴位置調整手段34に固定された版胴受け昇降器33、及び該昇降器33の可動軸に90°回転可能に軸承された版胴受け31を上下動することによって、版胴受け31上に積載された版胴35の軸穴位置を、印刷ユニット40の版胴装着装置44の軸位置に合わせることができる。
【0042】
一般に、グラビア印刷機で使用されている版胴の胴径は約100〜400mmで、印刷幅は印刷機によって異なり400〜1600mmであり、出版印刷用や建材印刷用の版胴は、印刷幅、及び版胴径(印刷長)がほぼ標準化されているが、包装印刷用は、多様な大きさの印刷物に対応できるように、1台の印刷機で多種類の胴径が交換使用される。
【0043】
一方、グラビア印刷機の印刷ユニット40における版胴装着装置44は、図2、図3、及び図4に示すように、印刷ユニット40のフレーム41の固定された位置に設けられており、他方、圧胴43、ドクターブレード45、及びインキパン21は、版胴の胴径に対応して位置調整が可能な構造を採っている。
【0044】
前述したように、本発明の版胴運搬兼インキ装置10の版胴支持装置30は、前記胴径の異なる多種類の版胴の軸穴が、上記版胴装着装置44の軸位置に対応するように、版胴35を保持する版胴受け31の高さを調整する版胴位置調整手段34を備えている。
【0045】
従って、図1〜図3に示すように、版胴支持装置30を構成する版胴位置調整手段34を調整し、版胴受け31の高さ位置、すなわち版胴受け31に積載する版胴35の軸穴位置を、印刷ユニット40の版胴装着装置44の軸位置にあらかじめ合わせておくことができる。
【0046】
前記、版胴位置調整手段34を用いて、版胴装着装置44の軸位置に版胴35の軸穴位置を合わせるときは、版胴受け昇降器33の可動軸が出限状態において、版胴位置調整手段34のハンドルを操作して上下方向の位置を調整する。
【0047】
前述したように、版胴の胴径は約100〜400mmの範囲のものがグラビア印刷機で使用されるので、上記版胴位置調整手段34の調整代は150mm以上必要である。
【0048】
本実施例における版胴位置調整手段34は、図2に示すように、左右一対に設けてあり、それぞれ調整ハンドルを回すことによって、ギア軸に設けられているネジ山に沿って台座を上下動させることができ。
【0049】
また、図に示すように、調整ハンドル軸に設けられたスプロケットをチェーンまたは、タイミングベルトで継ぐことにより、左右いずれかの位置調整ハンドルを回すことにより、版胴位置調整手段34の台座を左右とも同時に上下動するように構成することもできる。
【0050】
本発明の版胴運搬兼インキ装置10を構成する、インキ供給装置20と版胴支持装置30は、移動用の車輪12を備えた台車11に固定されており、グラビア印刷機の印刷ユニット40に固定するとき、その位置決めや、挿入、引き出しの経路を固定するため、その移動路に沿って床にレールを敷設し、そのレールに車輪を載せて移動する構造にするのが望ましい。
【0051】
次に、本発明の版胴運搬兼インキ装置10を使用するグラビア印刷機について説明する。図4はグラビア印刷機の印刷ユニットを側面から見たときの透視図である。グラビア印刷機は通常、巻き取り給紙部(図示せず)と複数の印刷ユニット40、及び巻き取り、または折り、断裁部を備えた排紙部(図示せず)から構成されており、図4はそのうちの印刷ユニット部を示している。
【0052】
グラビア印刷機の印刷ユニット40は、複数の用紙ガイドロール42と、圧胴43、版胴35、ドクター装置45、及びインキパン21から構成される印刷部と、印刷部で印刷されたインキを乾燥する乾燥部で構成され、前記用紙ガイドロール、印刷部、及び乾燥部は両サイドに配置された印刷機のフレーム41に固定されている。
【0053】
図4に示す印刷ユニット40では、版胴35を装着するための版胴装着装置44が印刷機のフレーム41に固定されて設けられ、該版胴装着装置44に版胴35を取り付けたあと、可動式の圧胴43、及びドクターブレード45を版胴35に圧接または当接し、インキパン21から供給される印刷インキを版胴35に付着し、余分のインキをドクターブレード45で掻き取り、グラビア版の画像部のみに埋め込まれたインキを圧胴43で印刷用紙50に転移させ、しかる後、乾燥部にて印刷インキを熱風乾燥してグラビア印刷が行なわれる。
【0054】
印刷ユニット40のフレーム41に設けられた、版胴を装着するための版胴装着装置44は、図2及び図3に示すように、版胴35の両端に設けられたフランジの軸穴に勘合するテーパー軸が、フレーム41から出し入れ可能に設けられ、該テーパー軸は、ギアを介して印刷機を駆動する原動軸に噛み合っており、原動軸の回転にともなって、テーパー軸が駆動され、よって版胴35を回転駆動するように構成されている。
【0055】
次に、本発明の版胴運搬兼インキ装置10を用いて、版胴35をグラビア印刷機の印刷ユニット40に装着、及び脱着する方法を順を追って説明する。
【0056】
本発明の版胴運搬兼インキ装置では、まず、エアシリンダで構成された版胴受け昇降器33を駆動して版胴受け31を上昇させる。次いで、印刷ユニット40の版胴装着装置44の軸位置高さに、版胴35の軸穴を合わせるため、版胴装着装置44の軸位置、及び版胴35の胴径から算出される版胴受け31の高さ位置を、版胴位置調整手段34の昇降ハンドルを操作して調整する。
【0057】
次に、版胴35を版胴運搬兼インキ装置の版胴受け31に積載する。版胴35を版胴受け31に積載するときは、通常使用されているリフト装置などの版胴吊り上げ機を利用し、左右一対に設けられた版胴支持装置30にバランスよく版胴35を載せ、版胴運搬兼インキ装置10の組付け調整を完了する。
【0058】
次に、グラビア印刷機の印刷ユニット40に版胴運搬兼インキ装置10を組み込む。版胴運搬兼インキ装置10を印刷ユニット40に組み込むときは、図2に示すように、印刷ユニット40のフレーム41に固定されている版胴装着装置44の軸位置と、版胴運搬兼インキ装置10に積載した版胴35の軸穴が勘合するように、所定の位置に台車11を押し入れ、固定する。
【0059】
次いで、版胴装着装置44のテーパー軸を繰り出して、版胴35の軸穴に挿入し、版胴を固定する。この間、版胴支持装置30は版胴35の高さ位置を保持したままとし、版胴35を印刷ユニット40の版胴装着装置44に固定し終えたら、版胴支持装置30の版胴受け31を、版胴受け昇降器33を駆動して降下させ、図3に示すように版胴受け31を90°回転してインキパン21の上方から退避させる。
【0060】
図1(b)は、版胴受け31をインキパン21上から退避した状態を示す版胴運搬兼インキ装置10の断面図である。版胴35を印刷ユニット40に装着し終えた版胴運搬兼インキ装置10は、図1(b)に示すように、インキパン昇降器22を操作してインキパン21を版胴位置まで押し上げ、印刷インキの供給準備を行なう。
【0061】
印刷インキの供給は、先ず、インキタンク23に印刷インキを入れ、次ぎにインキポンプ24を起動して、インキタンク23からインキパン21に印刷インキを汲み上げる。また、インキパン21に供給された印刷インキはオーバーフロー管(図示せず)を通ってインキタンク23に戻ってくる。
【0062】
なお、インキポンプ24によって汲み上げた印刷インキは、望ましくは、濾過器(図示せず)を通し、ゴミや不純物を取り除いてからインキパン21に供給した方がよい。
【0063】
上述の方法でインキパン21への印刷インキの供給が安定したら、版胴35を回転駆動し、ドクターブレード45を版胴35に当接して、版胴に付着した余分なインキをかきおとすとともに、版胴35のグラビアセルに適量のインキを供給する。
【0064】
次いで、印刷用紙50を搬送しながら、圧胴43を版胴35に圧接し、印刷を開始する。印刷中は、インキパン21のインキを一定量に保つため、インキポンプ24でインキタンク23から印刷インキを循環補給する。また必要なら版胴35に対するドクターブレード45の当接角度を調整してインキの盛り量を調整する。
【0065】
上記印刷が終了したら、圧胴43を逃がし印刷用紙50の搬送を止めるとともに、ドレインコック(図示せず)を開いてインキパン21の印刷インキをインキタンク23に回収する。次いで、版胴35とドクターブレード45、及びインキパン21をインキ洗浄液で洗浄する。
【0066】
次に、版胴35を印刷ユニット40から回収するため、まず、インキパン21を降下させ、次いで、版胴支持装置30の版胴受け昇降器33を駆動して、版胴受け31を、再び図1(a)に示す版胴支持位置まで上昇させ、版胴35に当接する。
【0067】
次いで、印刷ユニット40の版胴装着装置44を操作して、テーパー軸を版胴35の軸穴から引き抜き、版胴35を版胴運搬兼インキ装置10の版胴受け31に積載回収する。
【0068】
上記手順によって、版胴35を回収したら、版胴運搬兼インキ装置10を印刷ユニット40から引き出すことにより、版胴35と、残インキ、インキパン21を含むインキ供給装置20を一括して回収することができる。
【0069】
なお、版胴支持装置30の版胴受け昇降器33を駆動するための動力源として、空気圧を利用する場合は、版胴運搬兼インキ装置10の一部にエアーホースの接続口を設け、台車を移動するときはエアーホースを切り離しておき、版胴受け昇降器33を駆動するときにエアホースを接続し、エアバルブを操作して版胴を定位置に保持するためのエアシリンダを駆動する。
【0070】
もし、版胴受け昇降器33を駆動するための動力源として電力を使用するときは、印刷インキに使われる揮発性溶剤のガスに放電着火の危険があるので、電気器具類は全て防爆構造にする必要がある。
【0071】
なお、版胴運搬中に、版胴受け31を定位置に保持し、版胴35、及び版胴支持装置30を機械的に固定する版胴固定手段を別途設けるのが望ましい。
【0072】
さらに、版胴受け31を昇降するための版胴受け昇降器33は、本実施例ではエアシリンダを使用したが、ボールネジ、ロータリアクチェータ、エアーモータなどを組み合わせて構成してもよく、また、インキパン昇降器22と同様に動力源を用いず、ギア機構によって手動で版胴受け31を上下動する機構にしてもよい。
【0073】
空気圧や電力などの動力源を用いないときは、版胴運搬兼インキ装置に対して動力源の供給が不要になり、エアホースや電源ケーブルを引き回す必要がなく、版胴運搬兼インキ装置の操作がより簡便になる。
【0074】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した如く、本発明の版胴運搬兼インキ装置は、インキパン21とは独立して版胴受け31を設けたので、第1に従来の版胴運搬兼インキ装置のように版胴35やインキパン21を印刷機に組付けるとき、インキパン21を何度も上げ下ろしする必要がない。第2に、本発明の版胴運搬兼インキ装置10は、インキパン21からの版胴受け31の取り外しが不要になる。第3に、版胴35の高さ方向の位置決めを事前に外段取り化できるので、版胴の交換時間を短縮でき、さらに交換作業の作業負荷を軽減することもできる効果がある。
【0075】
上記、本発明の版胴運搬兼インキ装置を使用することによって、版胴やインキ装置を簡単かつ短時間に、印刷ユニットへ組付け交換することができ、よって印刷機の休止時間を短縮して、稼働率を向上できるという優れた効果を有する。
【0076】
すなわち、本発明の版胴運搬兼インキ装置は、請求項1に示したように、台車と、該台車に固定され、版胴にインキを供給する昇降可能なインキパンを含むインキ供給装置と、前記台車に固定され、前記インキパンの上方空間にて、版胴を保持する昇降可能な版胴受けを備えた版胴支持装置とを設けたので、インキパンとは独立して版胴を正確に印刷ユニットに組付けることができ、また、版胴受けがインキパンに直接触れないので、印刷インキで汚れることもない。
【0077】
また、請求項2に示したように、本発明の版胴運搬兼インキ装置の版胴支持装置は、版胴を保持する版胴受けを、インキパン上から退避する版胴受け退避手段を備えているいるので、印刷中は使用することのない版胴受けを、取り外して保管する手間が不要になり、また、必要なときに版胴受けをすぐ引き出すことができる。
【0078】
さらに、請求項3に示したように、本発明の版胴運搬兼インキ装置の版胴支持装置は、版胴を保持する版胴受けを、版胴径に合わせて上下方向に位置調整する版胴位置調整手段を備えているので、多種類の異なる胴径の版胴を取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】版胴運搬兼インキ装置の構成断面図
【図2】版胴運搬兼インキ装置による版胴組付け準備状態図
【図3】版胴運搬兼インキ装置による版胴組付け状態図
【図4】グラビア印刷機の印刷ユニットの概略側面図
【図5】版胴受け退避手段の1例を示す上面図
【図6】従来の版胴運搬兼インキ装置の構成断面図
【符号の説明】
10 版胴運搬兼インキ装置
11 台車
12 車輪
20 インキ供給装置
21 インキパン
22 インキパン昇降器
23 インキタンク
24 インキポンプ
25 インキパン昇降ハンドル
30 版胴支持装置
31 版胴受け
32 版胴受け退避手段
33 版胴受け昇降器
34 版胴位置調整手段
35 版胴
40 印刷ユニット
41 フレーム
42 ガイドローラ
43 圧胴
44 版胴装着装置
45 ドクターブレード

Claims (3)

  1. 台車と、該台車に固定され、版胴にインキを供給する昇降可能なインキパンを含むインキ供給装置と、前記台車に固定され、前記インキパンの上方空間にて、版胴を保持する昇降可能な版胴受けを備えた版胴支持装置とを設けたことを特徴とする版胴運搬兼インキ装置。
  2. 請求項1において、版胴支持装置は、版胴を保持する版胴受けを、インキパン上から退避する版胴受け退避手段を備えていることを特徴とする版胴運搬兼インキ装置。
  3. 請求項1において、版胴支持装置は、版胴を保持する版胴受けを、版胴径に合わせて上下方向に位置調整する版胴位置調整手段を備えていることを特徴とする版胴運搬兼インキ装置。
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