JP3585051B2 - シート巻出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はシートをロール状に巻き取ったシート巻取物からシートを連続的にシート加工機等に送り出すシート巻出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、布、織物、不織布などの基材からなるシートをロール状に巻取るシート巻取機は、シート製造工程から送り出されるシートを巻芯に巻回するとともにこの巻取物が予め定められた巻径に達すると、シートを切断してシート巻取物を完成させる。
【0003】
このとき、シートが前記した布、不織布等の基材からなる場合には、切刃をシートの巾方向に移動させて切断を行ういわゆるスライドカッターでは容易に切断し得ず、又切断しうる場合でもシート切断縁の繊維がほつれ易くシート巻取物の製品価値を損なうという問題がある。又シートの巻取中に前記スライドカッターを用いてシートを切断すると、シートの切断縁が斜縁状をなし、シート巻取物の見映えを悪化させる。
【0004】
かかる問題を解決すべく本願出願人は実公昭52−7598号公報に示すようなシート類のカッター機構を既に提案している。この機構は、円盤状をなす回転刃をシートの巾方向に複数配列した切刃列と、この切刃列を挿入可能な溝を有する刃受部とからなる、いわゆるサーキュラカッタであり切刃列と刃受部の少なくとも一方を上下動させることにより両者の間に挟んだシートを切断するものである。かかる構成によれば、シートの切断縁が繊維のほつれも無く、かつ巻取物の軸線と平行な直線状とすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなサーキュラカッタは、切刃列を刃受部に挿入してシートの切断を行うという2つの構成部材の連係した切断動作を必要とするため、例えば切刃列と刃受部とが未だ離間しているにも拘らず、切刃列又は刃受部の一方に、特に移動している部材側にシートが接触すると、その移動に伴いシートに余分な張力を作用させ、巻取不良、切断不良を生じさせるという問題がある。
【0006】
しかしながら、既にロール状にシートを巻取ったシート巻取物からシートを送り出すシート巻出機においては、シート巻取物の全部を巻出す他、その一部を巻出す一部巻出しを行うなどシートが通過するシートパスラインが常に変化する結果、シート切断位置を定め難く前記した切刃列と刃受部の連係した切断動作を確保するのが困難となる。
【0007】
このことは、布、織物、不織布の基材からなるシートを巻出すシート巻出機において、前記サーキュラカッタの使用を困難とする。
【0008】
本発明者は、以上のような問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、シート巻出装置のシート巻取物を軸支するターレットアームに、シート巻取物の最大半径をこえる位置で、送り出された前記シートを案内するガイドローラを設けることにより、シートのパスラインを常に一定に保つことができ、シート巻出機においてもサーキュラカッタによるシートの切断を可能とすることを見出し本発明を完成させたのである。
【0009】
即ち、本発明は、シートを巻出すシート巻出装置に、サーキュラカッタを採用することを可能として布、織物、不織物といった基材の切断、連続巻出しを実現しうるシート巻出装置の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シートがロール状に巻き取られた2つのシート巻取物を支承し、かつシート巻取物から前記シートを送り出すシート巻出機と、シート巻取物から送り出されたシートを切断するシート切断具と、シート巻取物からのシートが切断されたシート終端を、他のシート巻取物のシート始端に接続するためにシート終端を押すタッチロールとを具えるとともに、
前記シート巻出機は、垂直面内で基台に対し間欠的に回動自在に支承されたターレットアームに、
このターレットアームの両端に設けられ前記シート巻取物をターレットアームと直角かつ水平に前記支承しうる軸受部と、
前記ターレットアームの両側面かつターレットアームが支承される点を挟んだ両側位置しかも前記シート巻取物と平行な各一対のガイドローラとを設けるとともに、
前記ガイドローラは、シート巻取物の最大半径をこえる位置で送り出された前記シートを案内し、
かつ前記シート切断具は、
円盤状をなす回転刃を前記シートの巾方向に複数配列することによりシートの切断線を実質上一直線とするサーキュラカッタと、
前記サーキュラカッタを挿入し、かつ挿入により前記シートを切断する切断溝を有する溝部材とからなり、
前記サーキュラカッタは、前記ガイドロール間に向けて移動可能に配され、かつ前記溝部材は、ターレットアームに設けられてなるシート巻出装置である。
【0011】
【作用】
本発明のシート巻出装置は、一のシート巻取物のシート巻出機により送り出されたシートをシート切断具により切断し、該切断されたシート終端をタッチロールにより他のシート巻取物のシート始端に押圧することにより接続し連続したシートの巻出しを可能とする。
【0012】
又ターレットアームの軸受部に軸支されたシート巻取物は、シートを巻出すに際し、対のガイドローラによりシート巻取物の最大半径をこえる位置で送り出されることにより、シート巻取物の巻径の変化に拘らず常に一定のシートパスラインを保ちうる。
【0013】
又前記サーキュラカッタを、前記ガイドロール間に向けて移動可能に、かつこのサーキュラカッタを挿入しうる切断溝を有する溝部材をターレットアームに設け、前記シートパスラインを一定とするガイドロール間でのシートの切断を可能とし、切断不良、巻出し不良を減じうる。
【0014】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
本発明のシート巻出装置は、図1に示すように、シートがロール状に巻き取られた2つのシート巻取物2(2A、2B)を支承し、かつシート巻取物2から前記シートSを送り出すシート巻出機3と、一方のシート巻取物2Aから送り出されたシートSを切断するシート切断具4と、シート巻取物2Aから切断されたシート終端SEを、他のシート巻取物2Bのシート始端SSに接続するためにシート終端SEを押すタッチロール5とを具える。
【0015】
前記シート巻出機3は、図1、図2に示すように地上に固定された固定枠14から上方にのびる基台F1と、この基台F1に対し、垂直面内で回動自在に支承される一対のターレットアーム6、6を具える。
【0016】
このターレットアーム6は、その長手方向の略中間位置に、前記基台F1の軸受にて両端を回動自在に支持された回動軸15を固着するとともに、この回動軸15は、スプロケット、チェーン等の伝達具を介して電動機Mにて後で述べる間欠的に回転被動される。
【0017】
前記ターレットアーム6は、両端に2本のシート巻取物2を軸受しうるよう、本例ではシート巻取物2のパイプ状をなす巻芯2aを両側から挟持しうる先端部がテーパ状のチャック部7Aを有する軸受部7を具える。この軸受部7には、夫々ターレットアーム6に対して回動可能なようにエアシリンダ18が連結し、この回転により軸支したシート巻取物2のシートを送り出すように作用する。
【0018】
又ターレットアーム6の両側面6A、6Bに、このターレットアームが基台F1に支承される中心点C(図1に示す)を挟んだ両側位置でしかも前記シート巻取物2Aと平行な各一対のガイドローラ9A、9Bを具える。
【0019】
このガイドローラ9A、9Bは、前記ターレットアーム6から夫々ターレットアームの長手方向と直交する向きにのびるブラケット16に両端を固定された支軸8に回動自在に外挿されている。
【0020】
又ガイドローラ9A、9Bは、巻出すシート巻取物2Aの最大半径R1を前記直交する方向に越える距離R2を隔てて位置することにより、前記シート巻取物2Aの巻径が巻出しにつれて種々変化してもガイドローラ9A、9B間では、常に一定のシートパスラインを保って送り出されたシートSを案内しうる。
【0021】
シート切断具4は、図1のA方向から見た略図である図3に示すように、円盤状をなす回転刃10を前記シートの巾方向に複数配列することによりシートの切断縁CLを実質上一直線とするサーキュラカッタ11と、このサーキュラカッタ11を挿入し、かつ挿入により前記シートを切断する切断溝12を有する溝部材13とからなる。
【0022】
前記各回転刃10は、本例では回転軸31を内挿する受筒32をフレーム19に固着し、かつ互いに隣り合う回転刃10が順次交互に重なり合うように配置されている。又回転刃10の外周の重なり合う側に切刃部を形成し、前記のごとくシート切断線を実質上一直線としうる。
【0023】
又サーキュラカッタ11は、本実施例では2つの回転機20、20により、シートの巾中心よりも図3において左側に位置する回転刃10はその切断に際しての回転によりシートSを左側へと引っ張る向き、かつ右側に位置する回転刃10は、その切断に際しての回転によりシートSを右側へと引っ張る向きに夫々回転しうるよう、本実施例では、ベルトBを介して各回転刃の回転軸31に固着されたプーリPを被動するものを例示している。
【0024】
このように回転刃10を、シート巾の略中心を境に互いにシートSを引っ張るように回転させることにより、シートSの切断を瞬時に行い、かつシート切断縁の見映えを良好とする。
【0025】
前記サーキュラカッタ11は、前記シート巻出機3の前記ガイドローラ9A、9B間に向けて移動しうるよう、本実施例ではシート巻出機3と後述するシート加工機MSとの間に固設された基台F2にシリンダ21にて揺動しうるカッタアーム22に装着されている。なお、前記基台F2は、シート巻出機のシート加工機MSと反対側に設けても良い。
【0026】
前記溝部材13は、図1、図2に示すように断面を略「U」字状として前記サーキュラカッタ11を挿入することにより前記シートSを切断しうる切断溝12を具え、本実施例では前記ターレットアーム6のガイドローラ9Aの支軸8を中心としてシリンダ25にて揺動可能に装着された上下各一対のアーム体26に夫々架設される。
【0027】
前記タッチロール5は、本実施例では基台F2に対してシリンダ27にて上下方向に揺動しうる対のアーム体29に回動自在に軸支され、シートの連続巻出しを行うに際し、前記サーキュラカッタ11にて切断されたシート終端を次に巻き出すシート巻取物2のシート始端に押しつけうる。なおシートSの巻出中は、図4の一点鎖線で示すようにシート巻取物2Bとは非接触の位置を保ち、シートの案内ローラとして作用する。
【0028】
然して、以上のように構成された本発明の動作について説明する。
シート巻出装置1は、本実施例1ではシートに印刷、表面処理、二次加工等を行うシート加工機MSへとシートSを連続して送り出すものを例示している。図1に示すように、シートSを送り出すシート巻取物2Aは、図の位置で停止しているターレットアーム6の駆動軸15を挟んで左方の軸受部7にて支承され、電動機18をシートを巻出す方向に回動させることにより前記ガイドローラ9A、9B、タッチロール5、案内ローラ23、適宜のテンションローラ24を経て前記シート加工機MSへと送り出される。
【0029】
又ターレットアーム6の駆動軸15を挟んで右方の軸受部7には、現在巻出中のシート巻取物2Aが巻出し終了した後に供給されるシート巻取物2Bが予め軸支されており、このシート巻取物2Bと前記タッチロール5とは前述のごとく小隙間を隔てて非接触な状態を保っている。
【0030】
なお前記したように、現在巻出中のシート巻取物2Aがシートを巻出すにつれ、図1の実線で示すように巻径が小となっても、ガイドローラ9A、9B間で案内されるシートSのシートパスラインを常に一定に保つことができる。
【0031】
又シートSの巻出しが終りに近づくと、前記シリンダ21のロッドを伸張してカッタアーム22を下降させ、前記サーキュラカッタ11をガイドロール9A、9B間で一定のパスラインを保ったシートSに向けて移動させる。
【0032】
さらに、この移動を適宜の検知手段により検知しかつこれに連動してターレットアーム6に設けられたシリンダ25のロッドを伸張し、前記アーム体26をガイドロール9A、9B間のシートSに向けて移動させる。
【0033】
シートSの切断は、図4に示すように、本実施例では、サーキュラカッタ11をシートSに対して微小隙間dを隔てて移動を停止させ、前記回転刃10を回転させ、かかる状態のサーキュラカッタ11に対して溝部材13を押し上げて、図中実線で示すようにシートSに張力を付与させつつサーキュラカッタ11と共に切断溝12内に挿入することにより瞬時かつ巾方向に平行な切断縁を形成して切断を行いうる。
【0034】
又シートSの切断に際して、前記シート巻取物2Bとの間に小隙間を有していたタッチロール5(図4で一点鎖線で示す)が、シリンダ25のロッドを縮めることで下降することにより、ロール表面とシート巻取物2Bとの間に切断されたシート終端SEを含むシート終端部を挟持しうる。かかる状態で、前記シート巻取物2Bを図において右回りに回動させることによりシート終端部をシート巻取物2Bに密着させつつ送り出しうる。
【0035】
又前記シート巻取物2Bのシート始端SSには、その巻きほぐれを防止しうるよう、本実施例では、両面の粘着テープTを貼着するとともに、図5(A)、(B)に示すように前記タッチロール5の押しつけにより、前記シート終端SEと、シート巻取物2Bのシート始端SSとを接続し、シート巻取物2を順次切り換えつつ連続したシートSの送り出しを可能としている。
【0036】
なお粘着テープTは本実施例では、タッチロール5とシート巻取物2Bとが接する位置からシート終端SEまでのシート長さL1に応じて、予めタッチロール5からシート巻取物2Bのシート始端をこえた長さL2の位置に人手にて貼着したものを示しているが、機械的に貼着けるものの他、これを省略することもできる。
【0037】
又シート巻取物2BからシートSが巻き出された後は、図6に示すようにターレットアーム6を図において左回りに間欠的に回動させかつ図に示す位置で停止させ、巻出しが終了した側のシート巻取物2Aを他のシート巻取物2Cとを交換した後、さらにターレットアーム6を左回りに回動させて図1に示す状態とし、シートSを対のガイドロール9A、9B間で案内しうる。かかる動作を繰り返すことにより連続したシートの巻出しを行いうる。
なお、このシート巻取物の交換は、シート巻取装置に、シート巻取物の軸方向にスライド移動により接近できかつ上下動しうるコンベヤ装置27を適宜用いる。
【0038】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、シートのパスラインが変化しがちなシート巻出装置においてシートパスラインを常に一定としうる対のガイドロールを設けることにより、シート巻出機においてもサーキュラカッタの使用を可能とし、布、織物、不織布等の基材からなるシートの切断、連続巻出しを可能としうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】前記シート巻出機の一実施例を示す斜視図である。
【図3】サーキュラカッタの一実施例を示す図1におけるA視図である。
【図4】本発明の作用を説明するための拡大図である。
【図5】本発明の作用を説明するための略図である。
【図6】本発明の作用を説明するための側面図である。
【符号の説明】
2 シート巻取物
3 前記シート巻出機
4 シート切断具
5 タッチロール
6 ターレットアーム
7 軸受部
9 ガイドローラ
10 回転刃
11 サーキュラカッタ
12 切断溝
13 溝部材
14 固定枠
15 回動軸
Claims (1)
- シートがロール状に巻き取られた2つのシート巻取物を支承し、かつシート巻取物から前記シートを送り出すシート巻出機と、シート巻取物から送り出されたシートを切断するシート切断具と、シート巻取物からのシートが切断されたシート終端を、他のシート巻取物のシート始端に接続するためにシート終端を押すタッチロールとを具えるとともに、
前記シート巻出機は、垂直面内で基台に対し間欠的に回動自在に支承されたターレットアームに、
このターレットアームの両端に設けられ前記シート巻取物をターレットアームと直角かつ水平に前記支承しうる軸受部と、
前記ターレットアームの両側面かつターレットアームが支承される点を挟んだ両側位置しかも前記シート巻取物と平行な各一対のガイドローラとを設けるとともに、
前記ガイドローラは、シート巻取物の最大半径をこえる位置で送り出された前記シートを案内し、
かつ前記シート切断具は、
円盤状をなす回転刃を前記シートの巾方向に複数配列することによりシートの切断線を実質上一直線とするサーキュラカッタと、
前記サーキュラカッタを挿入し、かつ挿入により前記シートを切断する切断溝を有する溝部材とからなり、
前記サーキュラカッタは、前記ガイドロール間に向けて移動可能に配され、かつ前記溝部材は、ターレットアームに設けられてなるシート巻出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19782094A JP3585051B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | シート巻出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19782094A JP3585051B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | シート巻出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0840609A JPH0840609A (ja) | 1996-02-13 |
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Family
ID=16380891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19782094A Expired - Lifetime JP3585051B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | シート巻出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3585051B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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-
1994
- 1994-07-29 JP JP19782094A patent/JP3585051B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0840609A (ja) | 1996-02-13 |
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