JP3584797B2 - 昇降収納装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇降収納装置に関し、詳しくは機構板と取付基板と外箱の側面部とを隙間なく取り付ける技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、前面に開口した外箱内に収納体が収納され、収納体を外箱内から前下方に引き下ろし自在とするリンク機構を備え、このリンク機構は、一端部が収納体の側面部に回動自在に軸支されると共に他端部が外箱の側面部側に取り付けられる軸支ブロックに回動自在に軸支される前リンクと後リンクとよりなる平行リンクで構成された昇降収納装置が知られている。
【0003】
本出願人は、既に特願平11−127678号において、図7に示すように、後リンク7の下端部に取り付けられる回転軸19に、収納体4を前下方に回動して引き下ろす際に抵抗となる渦巻きバネ30を設けると共に、後リンク7の回転軸19よりも下端部にガススプリング等のダンパー装置31を取り付け、これら渦巻きバネ30やダンパー装置31を覆うカバー8を機構板10に一体に設け、この機構板10を外箱2の側面部3に取り付けられた取付基板11にネジ具12により取り付けるようにしている。ここで、取付基板11を設けることによって収納体4を外箱2内に組み込む際に、機構板10が外箱2の側面部32aの内面に当たって傷が付くのを防止できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特願平11−127678号においては、取付基板11と機構板10とを外箱2にネジ止めするために、取付基板11と機構板10の両方に凸状のバーリング加工を施しており、このバーリング加工の凸部32が取付基板11と機構板10との対向面に向けられているために、施工状態では機構板10と取付基板11との間に凸部32による隙間G(例えば2mm)が生じて、見栄えが悪くなるだけでなく、隙間G内に害虫が入ったり、卵を産み付けたりするという問題が考えられる。しかも、施工時においても、機構板10及び取付基板11にそれぞれ設けられたバーリング加工の凸部32同士を位置合わせする際に、機構板10が取付基板11に対してずれ動き易くなり、位置合わせがしにくくなり、このためにネジ止め作業に手間がかかるという問題もある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、取付基板からネジ具の頭部が突出していても機構板を取付基板に隙間なく密着させることができると共に、機構板の取付基板に対する位置合わせ及びネジ止めをワンタッチで容易に行うことができ、施工作業のスピードアップ化を図り、作業効率を向上させることができる昇降収納装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、前面に開口した外箱2内に収納体4が収納され、収納体4を外箱2内から前下方に引き下ろし自在とするリンク機構5を備えており、リンク機構5は、一端部が収納体4の側面部に回動自在に軸支されると共に他端部が外箱2の側面部側に取り付けられる軸支ブロックに回動自在に軸支される前リンク6と後リンク7とよりなる平行リンクで構成され、前リンク6又は後リンク7の下端部に取り付けられる軸の少なくとも一方に、収納体4を前下方に回動して引き下ろす際に抵抗となるダンパー装置が設けられてなる昇降収納装置1であって、外箱2の側面部3の内面に取付基板11がネジ具12で取り付けられると共に、ダンパー装置や軸支ブロック等を保持する機構板10が取付基板11に取り付けられ、機構板10の取付基板11側の面10aにネジ具12の頭部12aが収納される凹部13が形成され、取付基板11を取り付けたネジ具12の頭部12aが凹部13に納まるように機構板10を取付基板11に密着させた状態でネジ具12により取付基板11が外箱2の側面部3にネジ止めされてなることを特徴としており、このように構成することで、ネジ具12の頭部12aに妨げられることなく機構板10を取付基板11に密着させることでき、従って、取付基板11によって収納体4を外箱2内に組み込む際に機構板10が外箱2の側面部3の内面に当たって傷が付くのを防止しながら、施工状態では機構板10と取付基板11との間に従来のような隙間が生じるのを防止でき、さらに施工時にはネジ具12の頭部12aを凹部13内に収納することで機構板10を取付基板11に対してワンタッチで位置決めできるようなる。
【0007】
また上記機構板10には、ダンパー装置を覆うダンパーカバー9と軸支ブロック等の機構部を覆う機構カバー8とが一体に設けられ、機構板10に設けられる凹部13をダンパーカバー9内及び機構カバー8内に配置してなるのが好ましく、この場合、仮に機構板10の取付基板11側の面10aとは反対側の面10bに、凹部13による突起部14が突出した場合でも、突起部14をダンパーカバー9及び機構カバー8により覆い隠すことができる。
【0008】
また上記取付基板11に、機構板10の凹部13を取付基板11のネジ具12の頭部12aに対して位置決めするための折曲片16を設けてなるのが好ましく、この場合、凹部13にネジ具12の頭部12aが収納されたかどうかを外部から目で見ることができなくても、折曲片16によって凹部13にネジ具12の頭部12aが収納されたことを確実に知ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
本例の昇降収納装置1は、図5に示すように、前面が開口した外箱2と、外箱2内に収納される収納体4と、収納体4を外箱2に対して回転自在に軸支して収納体4を前下方に引き下ろし自在とするリンク機構5と、外箱2の内面に取り付けられる取付基板11と、取付基板11の内面に取り付けられる機構板10とで主体が構成されている。
【0011】
外箱2は天袋のようなもので、壁の上部や天井の下面部のような部屋の高所に取り付けられるものである。収納体4は上方及び前方に開口した籠状をしており、その両側面が軸支板20を介してリンク機構5に枢支されている。
【0012】
リンク機構5は、図1に示すように、前リンク6と後リンク7とよりなる平行リンクにより構成してある。前リンク6及び後リンク7の各上端部6a,7aは、収納体4の側面部に取り付けられる軸支板20に回転自在に軸支されており、前リンク6及び後リンク7の各下端部6b,7bに取り付けられる各回転軸18,19は、機構カバー8内に設けられた軸支ブロック(図示せず)の軸受部にそれぞれ回転自在に軸支されていると共に、後リンク7の下端部の回転軸19には収納体4を引き下ろす際の抵抗となる渦巻きバネ(図示せず)が取り付けられている。さらに、後リンク7の回転軸18よりも下端部から後方に向けてダンパー連結具21が延長されており、このダンパー連結具21の先端にはダンパーカバー9で覆われたガススプリング等のダンパー装置(図示せず)が取り付けられており、このダンパー装置により収納体4を昇降させる際の衝撃を緩和できるようになっている。なお図1中の22は収納体4を外箱2内に収納したときに収納体4を収納状態で保持するためのストッパーである。
【0013】
上記軸支ブロックや渦巻きバネなどの機構部を覆う機構カバー8と、ダンパー装置を覆うダンパーカバー9とが、側面視略L字状の機構板10にそれぞれ一体に設けられている。この機構板10は取付基板11を介して外箱2の側面部32aの内面に取り付けられる。
【0014】
取付基板11は、例えば図2に示すように、側面視略L字状の金属製薄板(t=2)で構成されており、ネジ具12を構成するタッピンネジのようなネジ23にて外箱2の側面部3にネジ止めされている。取付基板11は、収納体4を外箱2内に組み込む際に機構板10が外箱2の側面部32aの内面に当たって外箱2に傷が付くのを防止する働きをする。なおネジ23の数は図2の例では6本であるが、ネジ23の数及びその取り付け位置は限定されない。
【0015】
一方、機構板10の取付基板11側の面10aには、上記ネジ23の頭部12aを収納するための凹部13が形成されている。本例では、各凹部13は上記6本のネジ23の頭部12aに各々対応する位置に設けられている。また、機構板10における各凹部13とは別の場所に複数個(例えば5個)のネジ孔27が設けられており、取付基板11には各ネジ孔27に対応する位置にそれぞれネジ孔60が設けられており、ネジ具40を機構板10から取付基板11を介して外箱2の側面部3に対してネジ止めできるようになっている。そして、機構板10を外箱2の側面部3に取り付けることで、ダンパーカバー9及びこれにより覆われたダンパー装置と、機構カバー8及びこれにより覆われた軸支ブロック、渦巻きバネ等の機構部とを同時に外箱2の側面部3に取り付け可能となっている。
【0016】
さらに、取付基板11の機構板10側の面11aであって、前リンク6の下端部の回転軸18と対向する位置には、図3(c)に示すように、回転軸18のカシメにより生じた突出部分25(図6)を収納するための収納凹所15が設けられており、取付基板11と機構板10とを密着させる際に回転軸18のカシメにより生じた突出部分25が妨げとならないようにしてある。
【0017】
また、取付基板11の下端部には、図4(a)に示すように、外箱2の側面部3から離れる方向に略L字状に屈曲させた機構板載置部24が設けられており、この機構板載置部24上に機構板10の下端部10cを走行自在に載置できるようになっている。さらに機構板載置部24の前端部には図4(b)に示すように、上方に向かって折曲片16が設けられている。一方、機構板10の前端下部には、上記折曲片16に当接する当接部26が設けられており、機構板10の下端部10cを取付基板11の機構板載置部24に乗せて前方に走行させて当接部26を折曲片16に当接させることにより、機構板10を取付基板11に対して正確に位置決めでき、この位置決め状態で機構板10の各凹部13が取付基板11のネジ23の各頭部12aに位置合わせされるようになっている。
【0018】
しかして、機構板10の取付基板11側の面10aに、機構板10を外箱2の側面部3にネジ止めするためのネジ23の頭部12aを納める凹部13を設けたので、図3(a)のように取付基板11をネジ23で外箱2に取り付けた後に、機構板10を取付基板11に取り付ける。このとき、図2の矢印イで示すように、機構板10を取付基板11の折曲片16の上を乗り越えて、機構板10の下端部10cを取付基板11の機構板載置部24に乗せ、その後、図2の矢印ロで示すように、機構板10を前方に走行させて機構板10の当接部26を取付基板11の折曲片16に当てることで、機構板10が取付基板11に対して正確な位置に位置決めされて、機構板10の各凹部13が取付基板11のネジ23の各頭部12aに位置合わせされた状態となる。これにより、凹部13にネジ23の頭部12aが収納されたかどうかを外部から目で見ることができなくても、当接部26を折曲片16に当てるだけで凹部13にネジ23の頭部12aが収納されたことを確実に知ることができ、施工ミスを防止できるようになる。
【0019】
そして、上記のように機構板10に設けた6個の凹部13内に6本のネジ23の頭部12aがそれぞれ収納されることで、ネジ23の頭部12aに妨げられることなく機構板10を取付基板11に密着させることできる。その後、図3(b)のようにネジ具40を用いて機構板10を取付基板11を介して外箱2の側面部3にネジ止めすることによって、取付基板11を機構板10に密着させた状態で機構板10を取付基板11を介して外箱2に取り付けることができる(図1の状態)。つまり、取付基板11から機構板10側に向かってネジ23の頭部12aが突出していても、この頭部12aを納める凹部13を機構板10に設けることによって機構板10を取付基板11に密着させることができる。
【0020】
従って、取付基板11を外箱2の側面部32aに取り付けて、収納体4を外箱2内に組み込む際に機構板10が外箱2の側面部32aの内面に当たって傷が付くのを防止できるという効果に加えて、施工状態では機構板10と取付基板11との間に従来のような隙間が生じるのを防止できるようにりな、見栄えが良くなるうえに、隙間に害虫が入ったり、卵を産み付けるという問題もなくなる。さらに、施工時において、取付基板11から突出しているネジ23の頭部12aを機構板10に設けた凹部13内に収納することで、機構板10が取付基板11に対してワンタッチで位置決めされることとなり、機構板10のネジ止め作業のスピードアップ化を図ることができ、施工性を向上させることができる。
【0021】
ところで、機構板10が薄板状の場合は、この機構板10の取付基板11側の面10aに凹部13を設けると、図3(b)のように機構板10の取付基板11側の面10aとは反対側の面10bに、凹部13による突起部14が突出して見栄えが損なわれることがある。そこで凹部13を機構板10におけるダンパーカバー9内及び機構カバー8内に配置するのが望ましい。例えば図2に示すように、機構板10におけるダンパーカバー9内の領域に3個の凹部13を形成し、機構カバー8内の領域に3個の凹部13を形成することにより、凹部13による突起部14をダンパーカバー9及び機構カバー8で覆うことができて外部から見えなくなり、機構板10の外観を見栄え良くすることができる。
【0022】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、前面に開口した外箱内に収納体が収納され、収納体を外箱内から前下方に引き下ろし自在とするリンク機構を備えており、リンク機構は、一端部が収納体の側面部に回動自在に軸支されると共に他端部が外箱の側面部側に取り付けられる軸支ブロックに回動自在に軸支される前リンクと後リンクとよりなる平行リンクで構成され、前リンク又は後リンクの下端部に取り付けられる軸の少なくとも一方に、収納体を前下方に回動して引き下ろす際に抵抗となるダンパー装置が設けられてなる昇降収納装置であって、外箱の側面部の内面に取付基板がネジ具で取り付けられると共に、ダンパー装置や軸支ブロック等を保持する機構板が取付基板に取り付けられ、機構板の取付基板側の面にネジ具の頭部が収納される凹部が形成され、取付基板を取り付けたネジ具の頭部が凹部に納まるように機構板を取付基板に密着させた状態でネジ具により取付基板が外箱の側面部にネジ止めされてなるので、ネジ具の頭部に妨げられることなく機構板を取付基板に密着させることでき、従って、取付基板によって収納体を外箱内に組み込む際に機構板が外箱の側面部の内面に当たって傷が付くのを防止しながら、施工状態では機構板と取付基板との間に従来のような隙間が生じるのを防止でき、見栄えが良くなるうえに、隙間に害虫が入ったり、卵を産み付けるという問題もなくなり、さらに、施工時において、ネジ具の頭部を凹部内に収納することで機構板を取付基板に対してワンタッチで位置決めできるようになり、施工性を向上させることができる。
【0023】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、機構板には、ダンパー装置を覆うダンパーカバーと軸支ブロック等の機構部を覆う機構カバーとが一体に設けられ、機構板に設けられる凹部をダンパーカバー内及び機構カバー内に配置してなるので、仮に機構板の取付基板側の面とは反対側の面に、凹部による突起部が突出した場合でも、突起部をダンパーカバー及び機構カバーにより覆い隠すことができ、機構板の外観が良好となる。
【0024】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、取付基板に、機構板の凹部を取付基板のネジ具の頭部に対して位置決めするための折曲片を設けてなるので、機構板を折曲片に当接させることで機構板の各凹部が取付基板のネジ具の頭部に位置合わせされるので、凹部にネジ具の頭部が収納されたかどうかを外部から目で見ることができなくても、折曲片によって凹部にネジ具の頭部が収納されたことを確実に知ることができ、施工ミスを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す側面図である。
【図2】同上の機構板を取付基板に取り付ける動作説明図である。
【図3】(a)は外箱の側面部と取付基板と機構板の分解断面図、(b)は図1のA―A線断面図、(c)は図1のB−B線断面図である。
【図4】(a)は図1のC−C線断面図、(b)は取付基板の折曲片に機構板の当接部を当接させる際の動作説明図である。
【図5】同上の昇降収納装置の正面図である。
【図6】同上のダンパーカバー及び機構カバーを設けた機構板を示す正面図である。
【図7】従来例の正面図である。
【符号の説明】
1 昇降収納装置
2 外箱
3 側面部
4 収納体
5 リンク機構
6 前リンク
7 後リンク
8 機構カバー
9 ダンパーカバー
10 機構板
11 取付基板
12 ネジ具
12a 頭部
13 凹部
16 折曲片

Claims (3)

  1. 前面に開口した外箱内に収納体が収納され、収納体を外箱内から前下方に引き下ろし自在とするリンク機構を備えており、リンク機構は、一端部が収納体の側面部に回動自在に軸支されると共に他端部が外箱の側面部側に取り付けられる軸支ブロックに回動自在に軸支される前リンクと後リンクとよりなる平行リンクで構成され、前リンク又は後リンクの下端部に取り付けられる軸の少なくとも一方に、収納体を前下方に回動して引き下ろす際に抵抗となるダンパー装置が設けられてなる昇降収納装置であって、外箱の側面部の内面に取付基板がネジ具で取り付けられると共に、ダンパー装置や軸支ブロック等を保持する機構板が取付基板に取り付けられ、機構板の取付基板側の面にネジ具の頭部が収納される凹部が形成され、取付基板を取り付けたネジ具の頭部が凹部に納まるように機構板を取付基板に密着させた状態でネジ具により取付基板が外箱の側面部にネジ止めされてなることを特徴とする昇降収納装置。
  2. 機構板には、ダンパー装置を覆うダンパーカバーと軸支ブロック等の機構部を覆う機構カバーとが一体に設けられ、機構板に設けられる凹部をダンパーカバー内及び機構カバー内に配置してなることを特徴とする請求項1記載の昇降収納装置。
  3. 取付基板に、機構板の凹部を取付基板のネジ具の頭部に対して位置決めするための折曲片を設けてなることを特徴とする請求項1記載の昇降収納装置。
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