JP3584668B2 - 接点制御システムおよび機器コントローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は接点制御システムおよび機器コントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に機器コントローラとして例えばジェットバスコントローラは循環ポンプの駆動によってジェットバス内の湯水を循環させるとともにジェットバス側面にある複数の気泡噴出口から湯水を気泡状態にして噴出制御するようになっている。このようなジェットバスコントローラにおいては漏電が発生すると直ちに循環ポンプを駆動する電源の供給ラインである電源線を遮断する必要があるので、一般にジェットバスコントローラにおいてはこの漏電遮断のための接点制御システムを備えている。
【0003】
このようなジェットバスコントローラにおける従来の接点制御システムには図4を参照して説明するようなものがある。循環ポンプ1と交流電源2との間の一対の電源線3に零相変流器4を配備し、非漏電状態では両電源線3,3それぞれを流れる電流が等しいことで零相変流器4には見かけ上電流が流れていない状態で零相変流器4からは電圧出力がないが、循環ポンプ1と大地との間で水などで電流が漏れて漏電が発生すると各電源線3間に流れる電流の相違で電圧が発生し零相変流器4から電圧が漏電電圧として出力される。漏電検出回路5は、この漏電電圧の入力に応答して漏電検出出力をリレーコイル6に出力する。リレーコイル6はこの漏電検出回路5からの検出出力によって通電されることで、電源線3に挿入された2b接点である漏電制御用リレー接点7を開側に駆動する。これによって、電源線3が遮断されて循環ポンプ1への交流電源2の供給が遮断されることになる。
【0004】
こうして漏電発生時には交流電源2の供給が遮断される循環ポンプ1に対して、例えば浴槽をジェットバスとして使用するための入浴者の手元操作に応答して交流電源2の供給とその供給の停止とを制御するために電源線3に2a接点である出力制御用リレー接点8を挿入接続するとともに、制御回路9からの制御出力に応答してリレーコイル10に通電してリレー接点8を閉側に駆動可能にして循環ポンプ1に交流電源2を供給してこれを駆動できるようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の接点制御システムにおいては、2a接点タイプの出力制御用リレー接点8と2b接点タイプの漏電制御用リレー接点7とが必要であったから、リレー接点の個数が多くなりシステムとしてのコストアップを招いているとともに、漏電制御用リレー接点7としては高価な2b接点が必要となっており、この点からもシステムのコストアップを招いているという課題がある。
【0006】
また出力制御用リレー接点8は2a接点であるから同時に駆動されるはずであるが、機械的構造の性質上、完全に同時に駆動されず通常は一方側が他方側より先に閉側あるいは開側に駆動されて循環ポンプへの駆動と非駆動の繰り返しでいずれか一方側の接点寿命が短くなってしまうという課題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の接点制御システムにおいては、電源と負荷とを接続する複数の電源線のそれぞれに個別接点を配備し、前記個別接点のそれぞれは、漏電時においては対応する電源線を遮断する開側に駆動され、漏電時以外においては対応する電源線を通した負荷への電力供給の有無に応じて閉側または開側に選択的に駆動されることによって上述の課題を解決している。
【0008】
本発明の機器コントローラにおいては、負荷を一対の電源線を介して交流電源に接続し、この一対の電源線それぞれに個別に開閉駆動可能な個別接点を設け、前記両個別接点のそれぞれは、請求項1ないし4のうちのいずれかに記載の接点制御システムによって、非漏電時における前記負荷の駆動の有無と、前記電源線における漏電発生による前記電源線の遮断を行うこととに対応した開側または閉側にする駆動が行われることによって上述の課題を解決している。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明は機器コントローラとしてジェットバスコントローラに適用して説明されるが、本発明はこのジェットバスコントローラだけに限定されるものではない。
【0010】
図1は本発明の接点制御システムが適用される機器コントローラとしてのジェットバスコントローラを示すものであり、浴室11内にジェットバス12が配備されている。ジェットバス12は気泡噴出口13を有している。気泡噴出口13は配管14を介して循環ポンプ15に接続されている。循環ポンプ15は上述のようにジェットバス12内の湯水を循環させて気泡噴出口13から湯水を気泡状態にして噴出させる。ソレノイド16は制御ボックス17内のマイクロコンピュータからの指令に応答して気泡噴出口13からの気泡を強弱に調整するためにオンオフされるようになっている。循環ポンプ15、ソレノイド16および制御ボックス17はそれぞれ電源線18を介して交流電源が与えられる。制御ボックス17は浴室11の天井外面19に配備され浴室壁に埋設された配線20を介してジェットバス12内の入浴者によって手元操作されるリモコン21と接続されている。リモコン21は浴室壁に取り付けられ入浴者による手元操作によって操作信号を制御ボックス17に出力し、制御ボックス17内の制御動作によってジェットバス12の運転、運転停止、気泡の強弱を制御できるようになっている。
【0011】
このような図1で示されているジェットバスコントローラにおいて本実施の形態の接点制御システムについて図2を参照して説明する。本実施の形態の接点制御システムは、循環ポンプ15と交流電源22とを接続する電源線18に零相変流器23が挿入されている。この零相変流器23の動作については上述したのでその説明を省略する。漏電検出回路24に零相変流器23接続されて漏電発生時には上述の漏電検出出力を出力するようになっている。スイッチ素子としての駆動トランジスタ25はそのベースが漏電検出回路24に接続されており、漏電検出回路24からの漏電時におけるハイレベルの検出出力によってオン駆動されるようになっている。制御ボックス17内のマイクロコンピュータである制御回路26は第1出力部26aおよび第2出力部26bを有しており、両第1,第2出力部26a,26bそれぞれからは循環ポンプ15の非駆動時においてはハイレベルの開閉駆動信号を出力し、循環ポンプ15の駆動時においてはローレベルの開閉駆動信号を出力する。制御回路26の第1出力部26aには第1インバータ27、第2インバータ28および第1リレーコイル29の直列回路が接続されている。制御回路26の第2出力部26bには第3インバータ30、第4インバータ31および第2リレーコイル32の直列回路が接続されている。第1および第2インバータ27,28の接続部は逆流防止ダイオード33を介して駆動トランジスタ25のコレクタに接続されている。第3および第4インバータ30,31の接続部は逆流防止ダイオード34を介して駆動トランジスタ25のコレクタに接続されている。
【0012】
電源線18それぞれには個別に開閉可能な個別接点として、対応する各リレーコイル29,32それぞれによって閉側に駆動される1a接点である第1および第2リレー接点35,36が接続されている。
【0013】
本実施の形態においては、制御回路26が個別接点としてのリレー接点35,36それぞれに対応した開閉駆動信号を制御出力する制御手段を構成し、インバータ27,28,30,31、リレーコイル29,32が開閉駆動信号に応答してリレー接点35,36それぞれを個別に開閉駆動する駆動手段を構成し、零相変流器23、漏電検出回路24、トランジスタ25、逆流防止ダイオード33,34が、電源線18における漏電を検出すると各リレー接点35,36を開側にする信号となるように開閉駆動信号を処理する信号処理手段を構成している。
【0014】
上述した本実施の形態の接点制御システムの動作について図3を参照して説明する。
【0015】
(1)循環ポンプ15の非駆動時:
循環ポンプ15の非駆動時においてかつ非漏電時においては制御回路26は各出力部26a,26bそれぞれにハイレベルの開閉駆動信号S1,S2を出力している。したがって、インバータ28,31それぞれからはハイレベルの信号が出力されることによって第1および第2リレーコイル29,32は通電されず、第1および第2リレー接点35,36は開側のままであり、循環ポンプ15には交流電源22が供給されず、ジェットバス12には気泡噴出口13から気泡が噴出されないジェットバス非駆動モードとなっている。
【0016】
こうした循環ポンプ15の非駆動時において循環ポンプ15と大地との間に漏電が発生した漏電時においては零相変流器23でこの漏電に対応した電圧が漏電検出回路24に与えられるから、漏電検出回路24からはハイレベルの漏電検出出力が駆動トランジスタ25のベースに与えられ、これによって、駆動トランジスタ25がオンする。駆動トランジスタ25がオンすると、第1および第3インバータ27,30それぞれの出力側が逆流防止ダイオード33,34およびトランジスタ25のコレクタエミッタを介して接地されることになるが、この場合は循環ポンプ15の非駆動時であって第1および第2出力部26a,26bそれぞれからはハイレベルの開閉駆動信号S1,S2が出力され、インバータ27,30からはローレベルの信号が出力されているから、第1および第2リレー接点35,36は開側のままで変化はない。
【0017】
(2)循環ポンプ15の駆動時:
循環ポンプ15の駆動時においてかつ非漏電時においては制御回路26からローレベルの開閉駆動信号S1,S2が出力され、インバータ28,31それぞれからはローレベルの信号が出力されることによって第1および第2リレーコイル29,32は通電され、第1および第2リレー接点35,36は閉側となり、循環ポンプ15には交流電源22が供給され、ジェットバス12には気泡噴出口13から気泡が噴出されてジェットバス駆動モードとなっている。
【0018】
こうした循環ポンプ15の駆動時において循環ポンプ15と大地との間に漏電が発生した漏電時になると、零相変流器23でこの漏電に対応した電圧が漏電検出回路24に与えられるから、漏電検出回路24からはハイレベルの漏電検出出力が駆動トランジスタ25のベースに与えられ、これによって、駆動トランジスタ25がオンする。駆動トランジスタ25がオンすると、第1および第3インバータ27,30それぞれの出力側が逆流防止ダイオード33,34およびトランジスタ25のコレクタエミッタを介して接地されることになるが、この場合は循環ポンプ15の駆動時であって第1および第3インバータ27,30それぞれから出力されているハイレベルの信号は接地側に落とされることによって、インバータ28,31それぞれからはハイレベルの信号が出力されるので、第1および第2リレーコイル29,32には通電されず第1および第2リレー接点35,36は開側となり、循環ポンプ15は交流電源が遮断される。
【0019】
このようにして本実施の形態の接点制御システムにおいては、循環ポンプ15の出力制御用と漏電制御用とに開閉するリレー接点としては安価な1a接点であるリレー接点35,36つまり接点数としては2つだけでよく、従来のように出力制御用と漏電制御用とに高価な2a接点と2b接点のリレー接点をつまり接点数としては4つ用いる必要がなくなりシステムとしては従来よりもコストダウンを図ることが可能となる。
【0020】
次に、本実施の形態においては、両リレー接点35,36がそれぞれ個別に両リレーコイル29,32で駆動されるが、循環ポンプ15を任意の時期に駆動するときに図3で示すように制御回路26の第1出力部26aから第1開閉駆動信号S1を時間Tだけ先に出力してから第2出力部26bから第2開閉駆動信号S2を出力し、次にこの任意の時期の後の時期に循環ポンプ15を駆動するときは第2開閉駆動信号S2を時間Tだけ先に出力してから第1開閉駆動信号S1を出力するようになっている。したがって、第1リレー接点35と第2リレー接点36はそれぞれ交互に開閉駆動されることになるから、従来のように一方側のリレー接点だけが常に先に駆動されるようなことがなく、平均的に駆動されて接点寿命が大幅に延びることになる。
【0021】
なお、上述の実施の形態においては、リレー接点35,36の交互の先後の開閉駆動は1回毎の先後の開閉駆動のみならず、数回毎の先後の開閉駆動も含むものであり、制御回路26からの開閉駆動信号も図3で示すような関係のみならず、例えば図3のタイミングチャートで1を丸で囲ったもので示す開閉駆動信号S1,S2の関係を複数回繰り返してから図3のタイミングチャートで2を丸で囲ったもので示す開閉駆動信号S1,S2の関係を複数回繰り返してもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば次の効果を得られる。
【0023】
請求項1の発明の接点制御システムによれば、電源と負荷とを接続する複数の電源線それぞれに個別接点を配備し、前記各個別接点それぞれを、漏電時以外においては前記負荷の駆動と非駆動とに応じて開閉駆動可能とする一方、漏電時おいては開側に駆動可能としたから、漏電遮断用と出力制御用との各リレー接点を一つのリレー接点で兼用できることになり、従来のような漏電遮断用のb接点タイプの高価なリレー接点を用いる必要がなくなり、その分コストダウンを図れるシステムとなる。
【0024】
請求項2の発明の接点制御システムによれば、前記各個別接点をタイミングをずらせて交互に開閉駆動可能としたことから、接点寿命を大幅に延ばすことができる。
【0025】
請求項3の発明の接点制御システムによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、前記各個別接点それぞれに対応した開閉駆動信号を制御出力する制御手段と、前記各開閉駆動信号に応答して前記各個別接点それぞれを個別に開閉駆動する駆動手段と、漏電を検出すると前記両個別接点を開側にするよう前記開閉駆動信号を処理する信号処理手段とを有した回路構成で済む。
【0026】
請求項4の発明の接点制御システムによれば、前記各個別接点それぞれが1a接点であるから、接点としては安価に接点を用いることができ、その分、システムのコストダウンを図れる。
【0027】
請求項5の発明の機器コントローラによれば、負荷を一対の電源線を介して交流電源に接続し、この一対の電源線それぞれに個別に開閉駆動可能な個別接点を設け、前記両個別接点それぞれを請求項1ないし4のうちのいずれかに記載の接点制御システムによって前記負荷の駆動と漏電発生とに応じて開閉駆動することから、例えば前記負荷を循環ポンプとしてジェットバスコントローラに実施した場合はそのシステムとしてのコストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る接点制御システムが適用されるジェットバスコントローラの模式図である。
【図2】本実施の形態の接点制御システムの回路図。
【図3】本実施の形態の接点制御システムの動作説明に供するタイミングチャート。
【図4】従来の接点制御システムの回路図。
【符号の説明】
15 循環ポンプ
18 電源線
22 交流電源
23 零相変流器
24 漏電検出回路
25 駆動トランジスタ
26 制御回路
26a,26b 出力部
27,28,30,31 インバータ
29,32 リレーコイル
35,36 リレー接点

Claims (5)

  1. 電源と負荷とを接続する複数の電源線のそれぞれに個別接点を配備し、前記個別接点のそれぞれは、漏電時においては対応する電源線を遮断する開側に駆動され、漏電時以外においては対応する電源線を通した負荷への電力供給の有無に応じて閉側または開側に選択的に駆動されることを特徴とする接点制御システム。
  2. 電源と負荷とを接続する一対の電源線のそれぞれに設けた前記個別接点を共に開状態から閉じ状態にする切り換えの際、一方の接点を他方よりもタイミングをずらして先に閉状態とすることと、他方の接点を一方の接点よりもタイミングをずらして先に閉状態とすることとを、前記切り換えの1回ごと、または前記切り換えの数回ごとに交互に行うことを特徴とする請求項1に記載の接点制御システム。
  3. 電源と負荷とを接続する一対の電源線のそれぞれに設けた個別接点のそれぞれに対応した開閉駆動信号を、漏電時以外において対応する電源線を通した負荷への電力供給の有無に応じて前記個別接点が開側または閉側に選択的に駆動されるように制御出力する制御手段と、前記各開閉駆動信号に応答して前記各個別接点のそれぞれを個別に開閉駆動する駆動手段と、前記電源線における漏電を検出すると前記各個別接点を開側にする信号となるように前記開閉駆動信号を処理する信号処理手段とを有したことを特徴とする請求項1または2に記載の接点制御システム。
  4. 前記各個別接点それぞれが1a接点であることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれかに記載の接点制御システム。
  5. 負荷を一対の電源線を介して交流電源に接続し、この一対の電源線それぞれに個別に開閉駆動可能な個別接点を設け、前記両個別接点のそれぞれは、請求項1ないし4のうちのいずれかに記載の接点制御システムによって、非漏電時における前記負荷の駆動の有無と、前記電源線における漏電発生による前記電源線の遮断を行うこととに対応した開側または閉側にする駆動が行われることを特徴とする機器コントローラ。
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