JP3584424B2 - 多層異硬度クッション体の製造方法と、その方法により製造される多層異硬度クッション体、及びそのクッション体を用いた椅子の座と背 - Google Patents

多層異硬度クッション体の製造方法と、その方法により製造される多層異硬度クッション体、及びそのクッション体を用いた椅子の座と背 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子用のクッション材等として有用な硬さの異なる複数の層を有するクッション体の製造方法と、この製造方法により製造されるクッション体、及びそのクッション体を用いた椅子の座と背に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬さの異なる複数の層を有するクッション体、及びそれを用いた椅子の座としては、例えば特開昭61−290013号公報、特公昭62−37998号公報、実開昭62−1915号公報、実開昭62−8783号公報等に開示されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来のものは、いずれも、硬さの異なる発泡体を単に上下に重ねるか、軟質の発泡体の中に硬質の発泡体を局部的に埋設するか、またはいずれかの層の厚さを局部的に変えるかしたに過ぎないものであって、必ずしも人体に最適なクッション性を与えるものではなかった。
【0004】
また、従来のものは、通常は、自動車のシート等、成形されたクッション体の厚さが厚いものに対して適用されるもので、これらを、比較的厚さが薄い事務用椅子等の座用クッション体に適用すると、クッション性とフィット感に欠けるとともに、着席者の臀部を支持するのに十分な強度が得られなかったり、軟質のプラスチック発泡体と硬質のプラスチック発泡体との境界部が着座者に感じ取られて、座り心地を損ねたりする等の問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑み、全体の厚さを薄くしても、十分なクッション性とフィット感が得られるとともに、使用者の荷重等を支持するのに十分な強度を維持することができ、しかも軟質部分と硬質部分との境界が、使用者に感じ取れないようにすることにより、快適な使用感が得られるようにした、多層異硬度クッション体の製造方法とその方法を用いて製造したクッション体、及びそのクッション体を用いた椅子の座と背を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 上面に、得ようとするクッション体の上面の形状にあわせて、クッション体の後部と対応する谷部、並びに中央部及び前部と対応する上向傾斜面を設けた凹窪を有する下型を、その前記谷部が最下部となるようにして水平に置き、この下型の後部の谷部に、硬質の第1のプラスチック発泡体の原液を注入し、第1のプラスチック発泡体の原液がわずかに発泡した後、第1のプラスチック発泡体より軟質第2のプラスチック発泡体の原液を、下型の上面のほぼ中央部に注入し、さらに、第2のプラスチック発泡体の原液がわずかに発泡した後、第2のプラスチック発泡体よりさらに軟質第3のプラスチック発泡体の原液を、前記下型の上面における端部の上向傾斜面上に注入する。
【0007】
(2) 上記(1)項において、下型の上面の中央部から前記後部の谷部にかけて、前記第2のプラスチック発泡体の原液を、第1のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませ、かつ、下型の端部から中央部にかけて、前記第3のプラスチック発泡体の原液を、第2のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませて、これら第1、第2及び第3のプラスチック発泡体の原液を、前記発泡成形型の中で共に発泡硬化させることにより、第1のプラスチック発泡体からなる前記側の硬質領域と、該硬質領域に連続するとともに、上層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次減少する第1のプラスチック発泡体により形成され、下層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次増大する第3のプラスチック発泡体から形成され、かつ、これら2つの層の間に、第2のプラスチック発泡体からなる層が形成された複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体が上層をなすとともに、第3のプラスチック発泡体が下層をなす前記端側の軟質領域とを形成する。
【0008】
(3) 上記(1)項において、下型の上面の中央部から前記端部にかけて、第2のプラスチック発泡体の原液を、第1のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませ、かつ、下型の端部の中央部にかけて、第3のプラスチック発泡体の原液を、第2のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませて、これら第1、第2及び第3のプラスチック発泡体の原液を、前記発泡成形型の中で共に発泡硬化させることにより、第1のプラスチック発泡体からなる前記端側の硬質領域と、該硬質領域に連続し、第1のプラスチック発泡体と第2のプラスチック発泡体がほぼ同比率で重なる複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体のみから成る中間領域と、該中間領域に連続し、上層が第2のプラスチック発泡体から形成され、かつ、下層が第3のプラスチック発泡体から形成された前記端側の軟質領域とを形成する。
【0009】
(4) 請求項1または2の方法により製造される多層異硬度クッション体であって、第1のプラスチック発泡体からなる前記端側の硬質領域と、該硬質領域に連続するとともに、上層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次減少する第1のプラスチック発泡体により形成され、下層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次増大する第3のプラスチック発泡体から形成され、かつ、これら2つの層の間に、第2のプラスチック発泡体からなる層が形成された複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体が上層をなすとともに、第3のプラスチック発泡体が下層をなす前記端側の軟質領域とからなっている。
【0010】
(5) 請求項1または3の方法により製造される多層異硬度クッション体であって、第1のプラスチック発泡体からなる前記端側の硬質領域と、該硬質領域に連続し、第1のプラスチック発泡体と、第1のプラスチック発泡体より軟質とした第2のプラスチック発泡体とがほぼ同比率で重なる複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体のみからなる中間領域と、該中間領域に連続し、上層が第2のプラスチック発泡体から形成され、下層が第3のプラスチック発泡体から形成された前記端側の軟質領域とからなるものとする。
【0011】
(6) 上記(4)または(5)項において、端部の硬質領域の両側に、第1のプラスチック発泡体よりなり、かつ端側に向かって延出する硬質延出部を設ける。
【0012】
(7) 上記(4)または(6)項において、複合領域において、第1及び第3のプラスチック発泡体を、それぞれの尖先が互いに逆方向を向く楔状をなすようにして、第2のプラスチック発泡体の上下面に重合する。
【0013】
(8) 上記(4)〜(7)項のいずれかに記載の多層異硬度クッション体を用いた椅子の座であって、ほぼ水平をなすとともに、第1のプラスチック発泡体が後部及び底部に位置し、かつ第3のプラスチック発泡体が前部及び上部に位置するようにする。
【0014】
(9) 上記(4)〜(7)項のいずれかに記載の多層異硬度クッション体を用いた椅子の背であって、ほぼ垂直をなすとともに、第1のプラスチック発泡体が下端部に位置し、かつ第3のプラスチック発泡体が上端部に位置するようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図4〜図8は、本発明の多層異硬度クッション体を椅子の座に用いた第1の実施形態を示し、図1〜図3は、その製造方法を説明する略図である。
【0016】
最初に、図1から図3に基づいて製造方法について説明し、その後、図4〜図8に基づいて、完成した座用クッション体について説明する。図1に示すように、発泡成形型を構成する下型(1)の上面には、座用クッション体の上面の形状と合致する形状とした、前上方を向く凹窪(2)が形成されている。
【0017】
座用クッション体(3)の上面は、図5等に示すように、後部(3a)が若干持ち上がっており、中央部(3b)及び前部(3c)は、この後部(3a)になだらかに連続している。
【0018】
この座用クッション体(3)の上面の形状に合わせて、下型(1)の凹窪面(2)は、後部(3a)と対応する谷部(2a)、並びに中央部(3b)及び前部(3c)と対応する上向傾斜面(2b)を有している。
【0019】
この下型(1)を、その谷部(2a)が最下部となるように、水平に置く(図1)。
【0020】
ついで、ノズル(4)を谷部(2a)の中央の真上にもたらして、ノズル(4)から、硬質の第1のプラスチック発泡体の原液を谷部(2a)に注入しながら、図2の矢印に示すように、ノズル(4)を左右方向に移動させて、谷部(2a)に、左右方向に長い、第1のプラスチック発泡体(5)の原液の溜まり(5')を形成する。
【0021】
この工程の終了後、ノズル(4)を、図1の矢印示すように、凹窪(2)の上向傾斜面(2b)の中央へ移動させる。
【0022】
前記の横方向に長く注入した第1のプラスチック発泡体(5)の原液が発泡し始めたころ、上向傾斜面(2b)の中央部へ移動させたノズル(4)から、第1のプラスチック発泡体より軟質の第2のプラスチック発泡体(6)の原液を注入し、上向傾斜面(2a)の中央部にその溜まり(6')を形成させる。
【0023】
次いで、ノズル(4)を、図1の矢印に示すように、凹窪(2)の上向傾斜面(2b)の前方へ移動させる。
【0024】
前記の第2のプラスチック発泡体(6)の原液が発泡し始めたころ、上向傾斜面(2b)の前方へ移動させたノズル(4)から、第2のプラスチック発泡体よりさらに軟質の第3のプラスチック発泡体(7)の原液を注入し、上向傾斜面(2a)の前方にその溜まり(7')を形成させる。
【0025】
最後に、図3に示すように、上型(8)を下型(1)の上に載置すると、注入した3種類のプラスチック発泡体(5)(6)(7)の原液は、図2の矢印に示すように、周囲に拡散して行く。
図3に示すように、第1のプラスチック発泡体(5)の後から注入した第2のプラスチック発泡体(6)の原液は、先に注入されて、上方に発泡しながら拡がる第1のプラスチック発泡体(5)の原液の下に潜り込みながら四方に向かって発泡して行き、第2のプラスチック発泡体(6)の後から注入した第3のプラスチック発泡体(7)の原液は、第2のプラスチック発泡体(6)の原液の下に潜り込みながら四方に向かって発泡して行き、最終的に、下型(1)及び上型(8)により画成される空間はプラスチック発泡体(5)(6)(7)により埋め尽くされる。
【0026】
この際、図4に示すように、左右方向に拡散した硬質のプラスチック発泡体(5)の原液は、発泡成形型の両側縁部に到達して、それ以上横方向に拡散できないので、前方に広がり、前向きの硬質延出部(9)を形成する。
【0027】
完成したクッション体(3)は、図4〜図8に示すように、端部が第1のプラスチック発泡体(5)からなる硬質領域(A)よりなり、端部が第3のプラスチック発泡体(7)からなる軟質領域(C)よりなり、かつその中間部が、端側から端側向かって、第1のプラスチック発泡体(5)の占有割合が漸次減少し、かつ軟質のプラスチック発泡体(7)の占有割合が漸次増大するとともに、両発泡体(5)と(7)の間に第2のプラスチック発泡体(6)の層が形成された複合領域(B)よりなっており、硬質領域(A)の両側端部には、前方を向く硬質延出部(9)が形成されている。
【0028】
複合領域(B)において、第1のプラスチック発泡体(5)及び第3のプラスチック発泡体(7)は、それぞれの尖先が互いに前後逆方向を向く楔状をなして、第2のプラスチック発泡体(6)の上下面に重合している。
【0029】
このクッション体(3)を、第1のプラスチック発泡体(5)が後部及び底部に位置し、かつ軟質のプラスチック発泡体(7)が前部及び上部に位置するようにして、ほぼ水平の椅子の座として用いることにより、全体の厚さを薄くしても、十分なクッション性とフィット感が得られるとともに、使用者の荷重等を支持するのに十分な強度を維持することができ、しかも軟質部分と硬質部分との境界が使用者に感じ取られることはなく、快適な使用感が得られる。
【0030】
図9〜図13に示す第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に対して、硬質のプラスチック発泡体(5)の中央部の注入量を少な目とし、その分軟質のプラスチック発泡体(6)(7)の量を多めとすることにより、複合領域(B)の中央部の前後幅を短くし、第2のプラスチック発泡体(6)のみからなる中間領域(C)と、中間領域(C)に連続する、第2のプラスチック発泡体(6)と第3のプラスチック発泡体(7)とからなる軟質領域(D)を形成したものである。
【0031】
この第2の実施形態のような構成とすることにより、第1の実施形態のものよりクッション性を高めることができるとともに、硬質領域(A)により、着座者の臀部を心地よく包み込むように支持することができる。
【0032】
次に、本発明の多層異硬度クッション体を椅子の背に用いた第3の実施形態のものよりもを、図14〜図18を用いて説明する。
【0033】
まず、図14〜図16に基づいて製造方法について説明し、その後、図17及び図18に基づいて、完成した背用クッション体について説明する。
【0034】
下型(10)の上面には、背用クッション体の前面の形状と合致する形状とした、前上方を向く凹窪(11)が形成されている。
【0035】
図17等に示すように、背用クッション体(12)は、側面視ほぼくの字形をなし、その下部(12a)と中央部(12b) び上部(12c)はなだらかに連続している。
【0036】
下型(10)の凹窪面(11)には、この背用クッション体(12)の下部(12a)と対応する谷部(11a)と、中央部(12b)及び前部(12c)と対応する上向傾斜面(11b)とが設けられている。
【0037】
下型(10)の谷部(11a)と上向傾斜面(11b)に、第1の実施形態と同様の要領で、第1、第2、第3のプラスチック発泡体(5)(6)(7)の原液の溜まり(5')(6')(7')を形成し、上型(13)を下型(10)の上に載置して、注入した3種類のプラスチック発泡体(5)(6)(7)の原液を発泡させる。
【0038】
完成したクッション体(12)は、図17及び図18に示すように、端部が第1のプラスチック発泡体(5)からなる硬質領域( )よりなり、端部が第3のプラスチック発泡体(7)からなる軟質領域( )よりなり、かつ中間部が、端側から端側に向かって、第1のプラスチック発泡体(5)の占有割合が漸次減少し、かつ軟質のプラスチック発泡体(7)の占有割合が漸次増大するとともに、両発泡体(5)と(7)の間に第2のプラスチック発泡体(6)の層が形成された複合領域(B)よりなっており、硬質領域(A)の両側端部には、前方を向く硬質延出部(9)が形成されている。
【0039】
このクッション体(12)を、第1のプラスチック発泡体(5)が下部に位置し、かつ軟質のプラスチック発泡体(7)が上部に位置するようにして、椅子の背として用いることにより、全体の厚さを薄くしても、十分なクッション性とフィット感が得られるとともに、使用者の荷重等を支持するのに十分な強度を維持することができ、しかも軟質部分と硬質部分との境界が使用者に感じ取られることはなく、快適な使用感が得られる。
【0040】
また、第2の実施形態のように、硬質領域(D)、複合領域(E)、中間領域(F)及び軟質領域(G)から成る背用クッション体を形成し、その硬質領域(D)を下部とするとともに、軟質領域(G)を上部として用いてもよい。
【0041】
以上、本発明の多層異硬度クッション体を、椅子の座と背として用いた実施形態について詳述したが、本発明の多層異硬度クッション体は、その他の用途にも用いることができ、その場合にも上述したのと同様の効果を奏することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
請求項記載の発明によると、硬度の異なる3種類のプラスチック発泡体の原液を、発泡成形型の中で、ともに発泡硬化させてクッション体が得られるので、能率的である。
また成形後のクッション体は、端部が硬質領域よりなり、かつ端部が軟質領域よりなり、さらに中間部が、硬質の第1のプラスチック発泡体と軟質の第3のプラスチック発泡体との占有割合がなだらかに増減し、かつ両発泡体の間に、両発泡体の中間的な硬度の第2のプラスチック発泡体の層を形成した複合領域が自動的に形成されるので、能率的であり、かつ全体の厚さを薄くしても、軟質領域により十分なクッション性が得られるとともに、硬質領域によりフィット感が得られ、また、硬質部分により、使用者の荷重等を支持するのに十分な強度を維持することができる。
【0043】
請求項2記載の発明によると、成形時に、軟質部分と硬質部分との間に、自動的に複合領域形成されるので、軟質領域と硬質領域の境界が使用者に感じ取られることはなく、快適な使用感を得ることができる。
【0044】
請求項3記載の発明によると、よりクッション性の高いクッション体を簡単に得ることができる。
【0045】
請求項記載のクッション体は、硬度の異なる3種類のプラスチック発泡体の原液を、発泡成形型の中で、ともに発泡効果させて形成され、成形後のクッション体は、端部が硬質領域よりなり、かつ端部が軟質領域よりなり、さらに中間部が、硬質の第1のプラスチック発泡体と軟質の第3のプラスチック発泡体との占有割合がなだらかに増減し、両発泡体の間に、両発泡体の中間的な硬度の第2のプラスチック発泡体の層を形成した複合領域と、第2のプラスチック発泡体からなる中間領域とが設けられているので、全体の厚さを薄くしても、軟質領域により十分なクッション性が得られるとともに、硬質領域によりフィット感が得られ、また、硬質部分により、使用者の荷重等を支持するのに十分な強度を維持することができる。
【0046】
請求項5記載の発明によると、軟質部分と硬質部分との間に、複合領域と中間領域形成されるので、軟質領域と硬質領域の境界が使用者に感じ取られることはなく、快適な使用感を得ることができる。
【0047】
請求項6記載の発明によると、両側部の硬質延出部により、着座者の臀部や背等を左右から包み込むようにして支持することができ、快適な着座感が得られるクッション体を得ることができる。
【0048】
請求項7記載の発明によると、軟質部分と硬質部分との境界が使用者に感じ取られることなく、軟質部分と硬質部分との占有割合を漸次変えることができるクッション体を得ることができる。
【0049】
請求項8記載の発明によると、臀部等の大きな荷重を支持しなければならない後部が硬質材料により形成され、かつ足の動き等のためにクッション性が要求される前部が軟質材料により形成され、さらに着座者に直接当たる上面部分側に常に軟質材料が配設されているので、快適なクッション性とフィット感が得られる座り心地のよい椅子の座をることができる。
【0050】
請求項9記載の発明によると、腰部と背部との境界部等の大きな荷重を支持しなければならない下部が硬質材料により形成され、かつ上半身の動き等のためにクッション性が要求される上部が軟質材料により形成され、さらに着座者に直接当たる上半部分側に常に軟質材料を配設されているので、快適なクッション性とフィット感が得られる座り心地のよい椅子の背をることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクッション体の第1の実施形態の製造方法を説明するため下型と原液注入ノズルを略示する縦断面図である。
【図2】図1に示した下型の平面図で、注入した第1、第2及び第3のプラスチック発泡体の原液の拡散を説明する図である。
【図3】上下型からなる発泡成形型内で発泡を完了した発泡体を示す発泡成形型の縦断面図である。
【図4】本発明の製造方法により製造した座用クッション体の第1の実施形態の正面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図4のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図4のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】本発明のクッション体の第2の実施形態の正面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図9のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】図9のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【図14】本発明のクッション体の第3の実施形態の製造方法を説明するため下型と原液注入ノズルを略示する縦断面図である。
【図15】図14に示した下型の平面図で、注入した第1、第2及び第3のプラスチック発泡体の原液の拡散を説明する図である。
【図16】上下型からなる発泡成形型内で発泡を完了した発泡体を示す発泡成形型の縦断面図である。
【図17】本発明の製造方法により製造した背用クッション体の第3の実施形態の正面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(1)(10)下型
(2)(11)凹窪
(2a)(11a)谷部
(2b)(11b)上向傾斜面
(3)座用クッション体
(3a)後部
(3b)中央部
(3c)前部
(4)ノズル
(5)第1のプラスチック発泡体
(5')第1のプラスチック発泡体の原液の溜まり
(6)第2のプラスチック発泡体
(6')第2のプラスチック発泡体の原液の溜まり
(7)第3のプラスチック発泡体
(7')第3のプラスチック発泡体の原液の溜まり
(8)(13)上型
(9)硬質延出部
(12)背用クッション体
(12a)下部
(12b)中間部
(12c)上部
(A)(D)(H)硬質領域
(B)(E)(I)複合領域
(C)(G)(J)軟質領域
(F)中間領域

Claims (9)

  1. 上面に、得ようとするクッション体の上面の形状に合せて、クッション体の後部と対応する谷部、並びに中央部及び前部と対応する上向傾斜面を設けた凹窪を有する下型を、その前記谷部が最下部となるようにして水平に置き、この下型の後部の谷部に、硬質の第1のプラスチック発泡体の原液を注入し、第1のプラスチック発泡体の原液がわずかに発泡した後、第1のプラスチック発泡体より軟質第2のプラスチック発泡体の原液を、下型の上面のほぼ中央部に注入し、さらに、第2のプラスチック発泡体の原液がわずかに発泡した後、第2のプラスチック発泡体よりさらに軟質第3のプラスチック発泡体の原液を、前記下型の上面における端部の上向傾斜面上に注入することを特徴とする多層異硬度クッション体の製造方法。
  2. 下型の上面の中央部から前記後部の谷部にかけて、前記第2のプラスチック発泡体の原液を、第1のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませ、かつ、下型の端部から中央部にかけて、前記第3のプラスチック発泡体の原液を、第2のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませて、これら第1、第2及び第3のプラスチック発泡体の原液を、前記発泡成形型の中で共に発泡硬化させることにより、第1のプラスチック発泡体からなる前記側の硬質領域と、該硬質領域に連続するとともに、上層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次減少する第1のプラスチック発泡体により形成され、下層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次増大する第3のプラスチック発泡体から形成され、かつ、これら2つの層の間に、第2のプラスチック発泡体からなる層が形成された複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体が上層をなすとともに、第3のプラスチック発泡体が下層をなす前記端側の軟質領域とを形成することを特徴とする請求項1記載の多層異硬度クッション体の製造方法。
  3. 下型の上面の中央部から前記端部にかけて、第2のプラスチック発泡体の原液を、第1のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませ、かつ、下型の端部の中央部にかけて、第3のプラスチック発泡体の原液を、第2のプラスチック発泡体の原液の下方に潜り込ませて、これら第1、第2及び第3のプラスチック発泡体の原液を、前記発泡成形型の中で共に発泡硬化させることにより、第1のプラスチック発泡体からなる前記端側の硬質領域と、該硬質領域に連続し、第1のプラスチック発泡体と第2のプラスチック発泡体がほぼ同比率で重なる複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体のみから成る中間領域と、該中間領域に連続し、上層が第2のプラスチック発泡体から形成され、かつ、下層が第3のプラスチック発泡体から形成された前記端側の軟質領域とを形成することを特徴とする請求項1記載の多層異硬度クッション体の製造方法。
  4. 請求項1または2の方法により製造される多層異硬度クッション体であって、第1のプラスチック発泡体からなる前記端側の硬質領域と、該硬質領域に連続するとともに、上層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次減少する第1のプラスチック発泡体により形成され、下層が、端側から端側に向かって、占有割合が漸次増大する第3のプラスチック発泡体から形成され、かつ、これら2つの層の間に、第2のプラスチック発泡体からなる層が形成された複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体が上層をなすとともに、第3のプラスチック発泡体が下層をなす前記端側の軟質領域とからなることを特徴とする多層異硬度クッション体。
  5. 請求項1または3の方法により製造される多層異硬度クッション体であって、第1のプラスチック発泡体からなる前記端側の硬質領域と、該硬質領域に連続し、第1のプラスチック発泡体と、第1のプラスチック発泡体より軟質とした第2のプラスチック発泡体とがほぼ同比率で重なる複合領域と、該複合領域に連続し、第2のプラスチック発泡体のみからなる中間領域と、該中間領域に連続し、上層が第2のプラスチック発泡体から形成され、下層が第3のプラスチック発泡体から形成された前記端側の軟質領域とからなることを特徴とする多層異硬度クッション体。
  6. 端部の硬質領域の両側に、第1のプラスチック発泡体よりなり、かつ端側に向かって延出する硬質延出部を設けた請求項4または5記載の多層異硬度クッション体。
  7. 複合領域において、第1及び第3のプラスチック発泡体を、それぞれの尖先が互いに逆方向を向く楔状をなすようにして、第2のプラスチック発泡体の上下面に重合させた請求項4または6に記載の多層異硬度クッション体。
  8. ほぼ水平をなすとともに、第1のプラスチック発泡体が後部及び底部に位置し、かつ第3のプラスチック発泡体が前部及び上部に位置するようにした請求項4〜7のいずれかに記載の多層異硬度クッション体を用いた椅子の座。
  9. ほぼ垂直をなすとともに、第1のプラスチック発泡体が下端部に位置し、かつ第3のプラスチック発泡体が上端部に位置するようにした請求項4〜7のいずれかに記載の多層異硬度クッション体を用いた椅子の背。
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