JP3584136B2 - 力学センサ及びこれを用いた検出機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷重計測等に用いる力学センサ及び検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラックの積載荷重の計測に使用する荷重センサとして、例えば図4に示すものがある。この荷重センサ1は、表面に歪ゲージ2が形成された平板状のチップ3を断面円形の金属製筒体4の内部に装着したものである。この荷重センサ1の使用状態を図5に示す。筒体4の両端部は一対の負荷部材5、6の装着穴5a、6aにそれぞれ圧入される。負荷部材5、6には、計測すべき荷重が図中矢印Pで示すように負荷され、その負荷に応じて筒体4が曲げ変形する。このとき、曲げ変形量に応じた物理量(例えば電気抵抗)の変化が歪ゲージ2に発生し、計測すべき荷重に応じた信号が歪ゲージ2から取り出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の荷重センサでは、チップ3を筒体4に圧入するか、又は圧入後にチップ3の側縁3a、3bを筒体4の内周面4aに固着している。この圧入を円滑に行うため、図4(c)に示すように、チップ3の側縁3a、3bを筒体4の内周面4aに沿った曲面に形成する必要がある。しかも、筒体4の内径D及びチップ3の幅Wに精密な公差を設定する必要がある。従って、筒体4及びチップ3の製造に手間がかかる。圧入によってチップ3に内部応力が発生し、センサの物理特性がばらつく原因となる。チップ3が筒体4に対して直径方向の筋交いとして働くため、筒体4の直径方向の変形が制限され、筒体4を負荷部材5、6の装着穴5a、6aに挿入する際に手間がかかる。
【0004】
本発明は、製造時の手間が少なく、製品間の特性のばらつきを抑えることが可能で、しかも筒体を他の部材に容易に嵌合させることが可能な力学センサ及びこれを用いた検出機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の実施形態を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発明は図示の形態に限定されない。
【0006】
請求項1の発明は、歪ゲージ2を有する板状のチップ11を筒体4内に装着した力学センサにおいて、チップ11の長手方向に沿った一対の側縁11a、11bのうち、一方の側縁11aを筒体4の内周面4aに固定し、他方の側縁11bと筒体4の内周面4aとの間には隙間gを設けて上述した課題を解決する。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の力学センサにおいて、チップ11の一方の側縁11aが筒体4の内周面4aに電子ビーム又はレーザービームにて溶着されている。
【0008】
請求項3の発明では、一対の部材5、6に形成された一対の装着穴5a、6aに筒体4の両端部が挿入され、その筒体4内には、歪ゲージ2を有する板状のチップ11が装着された検出機構において、チップ11の長手方向に沿った一対の側縁11a、11bのうち、一方の側縁11aを筒体4の内周面4aに固定し、他方の側縁11bと筒体4の内周面4aとの間には隙間gを設けて上述した課題を解決する。
【0009】
以上の発明によれば、チップ11を筒体4内に圧入する必要がない。従って、チップ11の幅Wや筒体4の内径Dの公差を従来の圧入構造と比較して粗く設定でき、チップ11の側縁11a、11bを筒体4の内周面4aに沿った形状に成形する必要もない。チップ11に内部応力が発生せず、センサ毎の特性のばらつきが抑えられる。チップ11と筒体4の内周面4aとの隙間gによって筒体4の直径方向の弾性変形が許容されるから、部材5、6の装着穴5a、6aに対してセンサ10を容易に組み込むことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0011】
図1は本発明が適用された荷重センサ10を、図2はその荷重センサ10を用いた荷重検出機構15をそれぞれ示すものである。なお、図4及び図5との共通部分には同一符号を付している。
【0012】
これらの図から明らかなように、荷重センサ10は、表面に歪ゲージ2が形成された板状のチップ11を筒体4内に装着した点で上述した図4に示すものと共通する。しかしながら、チップ11の幅Wは筒体4の内径Dに比して幾らか小さく設定されている。そして、チップ11の長手方向に沿った一対の側縁11a、11bのうち、一方の側縁11aは筒体4の内周面3aに固定され、他方の側縁11bと内周面3aとの間には隙間gが空いている。
【0013】
チップ11の側縁11aと筒体4の内周面3aとの接合には各種の手段を用いてよいが、好ましくは電子ビーム溶着を用いる。電子ビームで溶着する場合には、例えば図3に示すように保持具20を利用してチップ11をその側縁11aが筒体4の内周面4aに接触するように保持し、この状態で電子ビームを側縁11aに照射して内周面4aに溶着する。図示の保持具20には、チップ11を挟持する一対のアーム21、21と、筒体4の内周面4aに嵌合する軸部22とを設けたが、これ以外の保持具を用いてもよい。チップ11の側縁11a、11bは、歪ゲージ2が形成された面11cに直交する平坦面に形成すればよく、従来のような曲面加工は不要である。
【0014】
筒体4は例えば炭素含有量又は炭素当量が0.3%以下の鉄鋼等から形成され、チップ11は例えばステンレス鋼(一例として、日本工業規格のSUS631)、又は板ばね材等から形成される。歪ゲージ2は、歪抵抗線をチップ11に貼り合わせてもよく、半導体基板製のチップ11に直接に形成してもよい。隙間gは、例えば20μm以上に設定すると好適である。
【0015】
図2に示すように、検出機構20は、上記の荷重センサ10をそのチップ11の幅方向を部材5、6に対する荷重方向(図の上下方向)と一致させた状態で部材5、6の装着穴5a、6aに装着して構成される。
【0016】
本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、検出対象はトラックの積載荷重に限らず、これ以外の荷重、力、変位その他各種の物理量の検出に利用できる。筒体は断面円形のものに限らない。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の力学センサ及び検出機構では、歪ゲージを有する板状のチップの一方の側縁のみを筒体の内周面に固定し、他方の側縁と筒体の内周面との間には隙間を設けているため、筒体やチップの加工精度、あるいはチップの側縁形状に関する要求を従来よりも緩和してこれらの製造に要するコストを低減させることができる。また、チップを筒体に装着するときにチップに内部応力が生じないため、センサ毎の特性のばらつきを抑えてセンサに対する信頼性を向上させることができる。さらに、筒体とチップとの隙間によって筒体の直径方向の弾性変形が許容されるので、センサを他の部材の装着穴に容易に嵌合させることができ、検出機構を構成する際の手間が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された荷重センサの一例を示す図で、(a)は軸方向断面図、(b)は(a)のIb−Ib線に沿った断面図。
【図2】図1の荷重センサの使用状態を示す断面図。
【図3】図1の荷重センサの製造途中の状態を示す断面図。
【図4】従来の荷重センサの一例を示す図で、(a)は軸方向断面図、(b)は(a)のIVb−IVb線に沿った断面図、(c)はチップの側縁を拡大して示す断面図。
【図5】図4の荷重センサの使用状態を示す断面図。
【符号の説明】
2 歪ゲージ
4 筒体
4a 筒体の内周面
5、6 一対の負荷部材
10 荷重センサ
11 チップ
11a チップの一方の側縁
11b チップの他方の側縁
15 検出機構
20 組み立て用の保持具
Claims (3)
- 歪ゲージを有する板状のチップを筒体内に装着した力学センサにおいて、
前記チップの長手方向に沿った一対の側縁のうち、一方の側縁を前記筒体の内周面に固定し、他方の側縁と前記筒体の内周面との間には隙間を設けたことを特徴とする力学センサ。 - 前記チップの前記一方の側縁が前記筒体の内周面に電子ビーム又はレーザービームにて溶着されていることを特徴とする請求項1記載の力学センサ。
- 一対の部材に形成された一対の装着穴に筒体の両端部が挿入され、その筒体内には、歪ゲージを有する板状のチップが装着された力学的検出機構において、
前記チップの長手方向に沿った一対の側縁のうち、一方の側縁を前記筒体の内周面に固定し、他方の側縁と前記筒体の内周面との間には隙間を設けたことを特徴とする検出機構。
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JP01795597A JP3584136B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 力学センサ及びこれを用いた検出機構 |
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1997
- 1997-01-31 JP JP01795597A patent/JP3584136B2/ja not_active Expired - Fee Related
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