JP3583964B2 - 容器用カード差し - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器の識別、容器に収納されている物品の行き先、物品名、種類、数量等を表示するための容器の側壁に配設される容器用カード差しに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、容器用カード差しとしては、容器本体とは別体に形成された容器用カード差しを、容器本体にネジや溶着等の適当な固着手段により取着するようにしたものや、射出成形等により、容器本体と一体に成形するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した容器本体とは別体に容器用カード差しを形成した場合には、容器本体への容器用カード差しの取り付けに時間と手間がかかるという問題があった。
【0004】
また、容器本体とは別体に容器用カード差しを形成した場合には、容器本体の金型と容器用カード差しの金型が必要となり、従って、金型の製造コストが上昇するという問題があった。
【0005】
更には、容器用カード差しを、容器本体と一体に成形した場合には、金型の設計上の規制等の制約により、容器用カード差しに装着されたカードが、しっかりと容器用カード差しに保持されずに、容器用カード差しから外れる等の問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の容器用カード差しが有する課題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、薄肉連結部を介して、容器の側壁と一体に成形されたカード押さえ条片部を、前記薄肉連結部を折り曲げることにより、前記側壁方向に回動させて、前記カード押さえ条片部に形成された係合凸部を、前記側壁に形成された係止片に係合保持するように構成したものであり、第2には、上記カード押さえ条片部の屈曲部を、上記側壁の外壁面に当接するように構成したものである。
【0008】
以下に、本発明の容器用カード差しを、折り畳みコンテナーに適用した例を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0009】
1は、平面形状が長方形状の底部であり、底部1の相対する長辺部1aには、適当なヒンジ部を介して長側壁2が連結されており、また、底部1の相対する短辺部1bには、同じく適当なヒンジ部を介して短側壁3が連結されている。
【0010】
図1に示されているように、箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、短側壁3を折り畳みコンテナーの内側に倒して、図2に示されているように、底部1の上に重ねる。次いで、同じく、長側壁2を折り畳みコンテナーの内側に倒して、図3に示されているように、底部1及び短側壁3の上に重ねる。逆に、図3に示されている折り畳まれた状態から、図1に示されているように組み立てるには、底部1及び短側壁3の上に重ねられた状態の長側壁2を垂直に立て、次いで、短側壁3を垂直に立てて、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てる。
【0011】
なお、組み立てられた状態の折り畳みコンテナーの短側壁3が、内側に、簡単に、倒れないように、長側壁2と短側壁3の左右両端部を係合する係合部や、底部1と長側壁2及び底部1と短側壁3とをヒンジ結合させるためのヒンジ部の構成は、本願出願前、既に、周知(例えば、特開平6−1342号、特開平8−318939号等を参照のこと。)であるので、その詳細な説明は省略する。
【0012】
Cは、容器用カード差しであり、容器用カード差しCは、以下に詳述するカード押さえ条片部4等から形成されているカード差し部材C1を、2個以上、並設することにより構成されている。以下に、容器用カード差しCを構成するカード差し部材C1の1つについて説明する。
【0013】
カード差し部材C1を構成するカード押さえ条片部4は、薄肉連結部5を介して、長側壁2に形成されているヒンジ雄部2aの下端に連結されており、その形状は、細長の帯状に形成されている。2bは、ヒンジ雄部2aの水平軸であり、水平軸2bを、底部1に形成された、ほぼ逆J字状のヒンジ雌部の上部フックに嵌合させることにより、長側壁2は、底部1にヒンジ結合されるように構成されている。このようなヒンジ結合については、上述したように、周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0014】
カード差し部材C1が、長側壁2と一体に成形された時点では、カード押さえ条片部4は、長側壁2の下端から、薄肉連結部5を介して、ほぼ下方に垂直に垂下されている。薄肉連結部5付近のカード押さえ条片部4には、第1嵌合孔6が穿設されており、また、薄肉連結部5に対して第1嵌合孔6より遠い位置には、第2嵌合孔7が穿設されている。また、カード押さえ条片部4の第1嵌合孔6と第2嵌合孔7間に位置するとともに、長側壁2の外壁面(折り畳みコンテナーを図1に示されているように組み立てた際に、外側に位置する面)2cから離れる方向に延在する係合凸部8が形成されている。
【0015】
2dは、長側壁2の下部水平枠2e上に、カード押さえ条片部4の幅w1より、若干、広い内幅w2を有するように配設された一対の規制ブロックであり、規制ブロック2dの奥行きd1は、長側壁2の下部水平枠2eの奥行きd2とほぼ同じに形成されている。また、規制ブロック2dは、長側壁2の外壁面2cと一体の連結ブロック2fにより連結されている。
【0016】
連結ブロック2fのほぼ中央部の上方には、長側壁2の外壁面2cから離れる方向に水平に延在する係止片2gが形成されており、係止片2gの下面先端には、下方に延在する係止突起2g’が形成されている。係止片2gの下方には、係止片2gと同じ方向に、係止片2gとほぼ平行に延在する案内ブロック2hが形成されている。2iは、係止片2gと案内ブロック2hとの間に形成された透孔であり、カード差し部材C1を、長側壁2と一体に成形するための金型部材により形成されるものである。
【0017】
上述したように、カード差し部材C1が、長側壁2と一体に成形された時点では、カード押さえ条片部4は、長側壁2の下端から、薄肉連結部5を介して、ほぼ下方に垂直に垂下されているが、この状態から、カード押さえ条片部4を、薄肉連結部5を折り曲げるように、長側壁2の外壁面2c方向に回動させると、先ず最初に、カード押さえ条片部4に形成された第1嵌合孔6に、長側壁2に形成された案内ブロック2hが嵌合し、更に、カード押さえ条片部4の長側壁2の外壁面2c方向への回動を続けると、カード押さえ条片部4に形成された係合凸部8が、長側壁2に形成された案内ブロック2hと係止片2gとの間隙に押し込まれ、該間隙に押し込まれた係合凸部8は、係止片2gを上方に弾性変形させて、案内ブロック2hと係止片2gとの間隙を拡げながら、該間隙に挿通される。カード押さえ条片部4に形成された係合凸部8が、長側壁2に形成された案内ブロック2hと係止片2gとの間隙を通過した後は、係止片2gは、係止片2g自体の弾性により、下方に回動し、係止片2gの係止突起2g’が、係合凸部8の先端角部8aに係止され、カード押さえ条片部4が、長側壁2に形成された係止片2gに係合保持されるように構成されている。
【0018】
また、カード押さえ条片部4は、第1嵌合孔6、第2嵌合孔7及び係合凸部8が形成された、薄肉連結部5側に位置する基部4aと、基部4aに連接されているとともに、外側に傾斜した中間部4bと、中間部4bの先端を外側に屈曲して形成されたカード案内部4cとから形成されており、カード押さえ条片部4に形成された係合凸部8の先端角部8aが、長側壁2に形成された係止片2gの係止突起2g’に係止されて、カード差し部材C1が組み立てられた時点において、カード押さえ条片部4の中間部4bとカード案内部4cとの境界線に位置する屈曲部4dが、長側壁2の外壁面2cに当接するように構成されており、且つ、屈曲部4dより上方に位置するカード案内部4cの内面4c’と長側壁2の外壁面2cとの間には、カード案内部4cの内面4c’と長側壁2の外壁面2cとの間隔が、下方に行くに従って、徐々に狭くなる、楔状空間9が形成されるように構成されている。
【0019】
上述したようにして、2つ以上のカード差し部材C1を組み立てることにより、容器用カード差しCが形成されることになる。このようにして形成された容器用カード差しCに、カード10を保持させる際には、カード10の下辺10aを、上述した楔状空間9に挿入し、次いで、更に、カード10を押し下げると、カード10は、長側壁2の外壁面2cに当接されているカード押さえ条片部4の屈曲部4dを、長側壁2の外壁面2cから離反させる方向に移動させて、長側壁2の外壁面2cとカード押さえ条片部4の屈曲部4dとの間に、カード10が挿通可能な間隙を形成し、そのまま、該間隙を通過し、カード10の下辺10aが、規制ブロック2dや連結ブロック2fの上面に当接するまで、カード10を押し下げる。このようにして、カード10が、2つ以上のカード差し部材C1に保持されることになる。そして、2つ以上のカード差し部材C1に保持されたカード2は、カード押さえ条片部4の屈曲部4dにより、長側壁2の外壁面2cに圧接されるように構成されているので、カード2が、簡単に、移動したり、容器用カード差しCから外れるようなことがない。
【0020】
上述したカード差し部材C1は、長側壁2と一体に成形されるが、長側壁2が不透明な樹脂で成形された場合には、カード差し部材C1も、同様の不透明な樹脂で成形されることになり、従って、カード差し部材C1に保持されたカード10の一部が、カード差し部材C1に隠れて見えなくなる。従って、このような問題を解決するために、カード差し部材C1を構成するカード押さえ条片部4は、細長の帯状に形成されている。
【0021】
また、カード差し部材C1のカード押さえ条片部4を成形するための金型空間には、透明な或いは半透明な樹脂を注入し、また長側壁2を成形するための金型空間には、適宜、色付き樹脂を注入することにより、透明な或いは半透明なカード差し部材C1と、色付きの長側壁2とを、一体に成形することもできる。
【0022】
本発明は、上述したように、カード差し部材C1を構成するカード押さえ条片部4が、薄肉連結部5を介して、長側壁2と一体に形成されているので、カード押さえ条片部4を、薄肉連結部5を折り曲げるように、長側壁2の外壁面2c方向に回動させるだけで、簡単に、組み立てることができる。
【0023】
カード差し部材C1を構成するカード押さえ条片部4が、細長の帯状に形成されているので、カード10のカード押さえ条片部4に隠れる部分が少なく、従って、カード10に記載或いは記憶された、物品の行き先、物品名、種類、数量等に関する情報の読み取りに、支障をきたすようなことがない。
【0024】
2つ以上のカード差し部材C1に保持されたカード2が、カード押さえ条片部4の屈曲部4dにより、長側壁2の外壁面2cに圧接されるように構成されているので、カード2が、簡単に、移動したり、容器用カード差しCから外れるようなことがない。
【0025】
組み立てられたカード押さえ条片部4は、長側壁2に形成された一対の規制ブロック2d間に位置するように構成されているので、カード押さえ条片部4に、外力が加わり、カード押さえ条片部4が、長側壁2の外壁面2cに沿った方向に移動しようとしても、規制ブロック2dにより、その移動が抑制されるので、従って、強度的に弱い薄肉連結部5が損傷するようなことが防止できるとともに、カード押さえ条片部4の移動により、カード差し部材C1に保持されたカード2が、外れるようなことが防止できる。
【0026】
なお、容器用カード差しCが、折り畳みコンテナーの長側壁2に配設された例に基づいて、本発明の容器用カード差しCの実施例を説明したが、折り畳みコンテナーに限定されることなく、種々の容器の側壁に、本発明の容器用カード差しCを配設することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0028】
カード押さえ条片部が、薄肉連結部を介して、容器の側壁と一体に形成されているので、カード押さえ条片部を、薄肉連結部を折り曲げるように、容器の側壁方向に回動させるだけで、簡単に、容器用カード差しを組み立てることができる。
【0029】
容器用カード差しが、容器と一体に形成されているので、容器用カード差しの金型が不必要となり、従って、金型の製造コストや金型の保管費用の上昇を抑えることができ、ひいては、容器の製造コストを低減することができる。
【0030】
カードが、カード押さえ条片部の屈曲部により、容器の側壁に圧接されるように構成されているので、カードが、簡単に、移動したり、容器用カード差しから外れるようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の容器用カード差しが配設された折り畳みコンテナーの組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は本発明の容器用カード差しが配設された折り畳みコンテナーの組み立て途中の斜視図である。
【図3】図3は本発明の容器用カード差しが配設された折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の斜視図である。
【図4】図4は本発明の容器用カード差しの組み立て前の拡大斜視図である。
【図5】図5は本発明の容器用カード差しの組み立て前の部分垂直断面図である。
【図6】図6は本発明の容器用カード差しの組み立て後の部分垂直断面図である。
【図7】図7は本発明の容器用カード差しが配設された長側壁の斜視図である。
【符号の説明】
C・・・・・・・・・容器用カード差し
C1・・・・・・・・カード差し部材
2・・・・・・・・・長側壁
4・・・・・・・・・カード押さえ条片部
5・・・・・・・・・薄肉連結部

Claims (2)

  1. 薄肉連結部を介して、容器の側壁と一体に成形されたカード押さえ条片部を、前記薄肉連結部を折り曲げることにより、前記側壁方向に回動させて、前記カード押さえ条片部に形成された係合凸部を、前記側壁に形成された係止片に係合保持するように構成したことを特徴とする容器用カード差し。
  2. 上記カード押さえ条片部の屈曲部が、上記側壁の外壁面に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器用カード差し。
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