JP3583526B2 - 超音波診断医用カプセル装置及び超音波診断医用カプセル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内に挿入して体腔内の情報を収集することのできる超音波診断医用カプセル装置及び超音波診断医用カプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用に構成したカプセルを生体腔内に挿入し、生体腔内の病変部の情報を収集したり、薬液を投与したりする医療方法が知られている。近年では、観測用超音波信号を生体組織へ送受波し、この生体組織からのエコー信号より診断用の超音波断層画像を得る超音波診断装置において、超音波プローブの代わりに超音波カプセルを用いて、プローブでは診断が困難な部位においても超音波診断を可能としたものが提案されている。
【0003】
このような超音波診断医用カプセルとしては、実開平3−9705号公報とか特開平2−224650号公報において開示されているものがある。実開平3−9705号公報の医療用ラジオカプセルでは、超音波トランスデューサの駆動回路、検出したエコー信号の処理回路、エコー信号を体外に送信するテレメトリィ回路のための電源は、カプセル内部に設けた電池により電力供給するようになっている。超音波カプセルには、内視鏡やプローブでは到達困難な小腸、大腸等の下部消化管の検査、診断が期待されることから、その動作時間は消化管を通過する時間である数時間以上が求められる。
【0004】
しかしながら、電池に蓄えられる電力容量はそのサイズに依存するため、要求される動作時間を満足させようとすると、電池のサイズはかなり大きくなってしまい、結果的にカプセルのサイズが大きくなることから被検者が飲み込むのが困難となる問題点があった。
【0005】
特開平2−224650号公報の超音波診断医用カプセルでは、前記問題点を解決するため、外部トリガまたは内部トリガによりカプセルの電源をオンオフ可能な電源制御手段を設け、カプセルに搭載された電源の消費量を抑えることにより、小型電源を搭載可能としている。
【0006】
この構成では、電源のサイズをある程度小型化しつつ動作時間を伸ばすことができるが、電源をオンオフするタイミングを誤ると、病変部や関心組織を見逃してしまう虞があるため、やはり継続的な動作が必要であった。
このように、従来の構造では、長時間電力供給可能にするには、電池が大型化してしまったり、電源のオンオフ制御を行う場合に動作タイミングをはかるのが難しいなど、小型化しつつ長時間にわたって適切なタイミングで回路が動作可能なように電力供給できる電源手段をカプセルに内蔵するのは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、長時間電力供給可能にするには電池が大型化してしまったり、電源のオンオフ制御を行う場合に動作タイミングをはかるのが難しいなど、小型化しつつ長時間にわたって適切なタイミングで回路が動作可能なように電力供給できる電源手段をカプセルに内蔵するのは困難であった。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、カプセルのサイズを大型化することなく、またカプセル内部の電源の制御を行わずに、長時間にわたって継続して動作させることの可能な超音波診断医用カプセル装置及び超音波診断医用カプセルを提供することを目的としている。
【0008】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、カプセルのサイズを大型化することなく、またカプセル内部の電源の制御を行わずに、長時間にわたって継続して動作させることの可能な超音波診断医用カプセルを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による超音波診断医用カプセルは、診断用超音波ビームを発生する超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動して超音波ビームを送受波させる超音波駆動手段と、前記超音波ビームを走査する走査手段と、前記超音波振動子で受波した被検体からの超音波反射信号を電気信号に変換して体外へ導出する伝送手段と、前記超音波駆動手段と前記走査手段と前記伝送手段とに電力を供給する電源手段と、を具備するものにおいて、
前記電源手段は充電が可能な電池からなり、前記電池にエネルギーを供給するための体外から伝送されるエネルギー信号を受信するエネルギー信号受信手段を具備し、前記エネルギー信号受信手段は、超音波断層像の観察を行うための構成を兼ねているものであり、
上記構成により、カプセルのサイズを大型化することなく、体外から伝送されるエネルギー信号を受信して、前記電池の充電、あるいは前記超音波駆動手段などの動作が可能で、超音波断層像の観察を行うために長時間にわたって動作可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図6は本発明の第1の実施形態に係り、図1は超音波カプセルの構成を示す断面図、図2は超音波断層像受信表示装置の構成を示すブロック図、図3は超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図、図4は超音波断層像受信表示装置の受信回路の構成を示すブロック図、図5はカプセル内の蓄電池の充電を行うためのエネルギー伝送用体外超音波発生装置の構成を示す説明図、図6は超音波走査手段の変形例を示す構成説明図である。
【0011】
本実施形態は、図1に示す超音波カプセル1と、図2に示す超音波断層像受信表示装置2とを有して構成される超音波診断装置の例を示したものである。
【0012】
超音波カプセル1の内部には、その一側方寄りに隔壁3によって密室が形成されていて、その密室内に流動パラフィン4が充填されている。この流動パラフィン4内には、超音波モータ5に後端を結合された超音波振動子6が配設されている。超音波振動子6は、カプセル内の長手方向の中心軸上に配設されていて、回転することにより超音波ビームをカプセルの中心軸に垂直な放射方向(ラジアル方向)に出射するように構成されている。超音波モータ5の後端部側には、光学式または磁気式のエンコーダ7と、その外周にロータリートランス8とがそれぞれ収納配設されている。
【0013】
また、超音波カプセル1内の他側方寄りの内部には、ニッケルカドミウム電池や大容量キャパシタ等からなる小型の蓄電池9が収納配設されており、この蓄電池9とエンコーダ7との間には、テレメトリィ回路基板10,振動子走査回路基板11,電源制御回路基板12が並列に配設されている。
【0014】
電源制御回路基板12は、蓄電池9と接続されると同時に蓄電池9から給電され、テレメトリィ回路基板10及び振動子走査回路基板11は、電源制御回路基板12から出力される電源信号により給電されるようになっている。
【0015】
また、超音波振動子6とテレメトリィ回路基板10との間、及び超音波振動子6・超音波モータ5・エンコーダ7と振動子走査回路基板11との間の信号の授受は、ロータリートランス8を介して行われるようになっている。
【0016】
超音波カプセル1の中央部の外周面には、コイル状の送信アンテナ13が巻装されていて、テレメトリィ回路基板10からの信号が電波として体外へ送られるように構成されている。
【0017】
また、超音波カプセル1における超音波振動子6が設けられている部分の外周囲は、水が封入されているバルーン14に覆われている。
【0018】
図2に示すように、超音波断層像受信表示装置2には、生体内の超音波カプセル1からの送信信号を受信する受信アンテナ15が設けられていて、これにより受信した送信信号を受信回路16を介して増幅器17に入力するよう構成されている。
【0019】
増幅器17により増幅された信号出力は、A/D変換器18によりアナログ/デジタル変換され、更にデジタル信号に変換されたA/D変換器18の出力はDSC(デジタルスキャンコンバータ)19に入力されるようになっている。また、超音波カプセル1内の超音波振動子6の回転による走査角データは、増幅器17から同期制御器20に入力されるようになっている。
【0020】
同期制御器20の出力は、DSC19に入力されて座標変換を受けた後、DSC19の出力がCRT21に入力されて超音波断層像としてモニタに表示されるよう構成されている。
【0021】
超音波カプセル1内部の回路構成ブロックを図3に示す。超音波振動子6は、ロータリートランス8を介してテレメトリィ回路22と振動子走査部23と電源制御部24とに接続されている。
【0022】
テレメトリィ回路22は、超音波振動子6で検出したエコー信号の増幅を行う対数増幅回路25、対数増幅回路25で増幅されたエコー信号の検波を行う包絡線検波回路26、包絡線検波回路26の出力信号により搬送波のFM(周波数変調)を行うFM回路27、FM回路27により変調された搬送波の電力増幅をして送信を行う送信回路28を有して構成される。搬送波の送信を行う送信アンテナ13は、テレメトリィ回路22内の送信回路28に接続されている。
【0023】
振動子走査部23は、超音波振動子6を駆動するパルサー30と、超音波モータ5を駆動するモータ駆動回路31とからなり、パルサー30にはエンコーダ7とロータリートランス8を介して超音波振動子6が、モータ制御回路31にはエンコーダ7とロータリートランス8を介して超音波モータ5がそれぞれ接続されている。
【0024】
電源制御部24は、この電源制御部24とテレメトリィ回路22のどちらかを超音波振動子6と接続させるためのラッチタイプのリレーで構成されるスイッチ32と、電源容量の監視を行う電源監視回路33と、蓄電池9とを有して構成される。電源監視回路33の出力は、図示しないがテレメトリィ回路22、振動子走査部23、電源制御部24内のスイッチ32に接続されている。
【0025】
超音波断層像受信表示装置2内部の受信回路16の回路構成ブロックを図4に示す。
【0026】
超音波カプセル1から発信される信号を受信する受信アンテナ15は、搬送波のみを増幅する高周波増幅回路34に接続され、高周波増幅回路34はAGC(オートゲインコントロール)回路35に接続される。AGC回路35は、位相比較回路36、ループフィルタ37、VCO(電圧制御発振器)38で構成されるPLL(フェイズロックトループ)39に接続され、このPLL39の出力が増幅器17に入力されるようになっている。
【0027】
図5は超音波カプセル1内の蓄電池9の充電を行うための、エネルギー伝送用体外超音波発生装置40の概略構成を示したものである。体外超音波発生装置40は、内部に配置した患者の体全周に対して超音波を照射できるように、内部に複数の超音波振動子41が周回状に備えられている超音波発生部42と、この超音波振動子41を駆動する超音波振動子駆動回路43とを有して構成されている。
【0028】
次に、上記のように構成された超音波診断医用カプセルの作用について説明する。
【0029】
振動子走査部23のパルサー30により発生され送出されたパルスは、ロータリートランス8を介して超音波振動子6を駆動する。すると、超音波振動子6はラジアル方向に超音波ビームを出射する。出射された超音波ビームは、流動パラフィン4とバルーン14内の水を経て、被検体内の組織の所定位置に浸透して反射される。このとき、バルーン14により、小腸等の観察対象臓器を拡張して、層構造等が観察しやすいようにしている。
【0030】
生体組織で反射された超音波エコー信号は、再び超音波振動子6に受波され、電気信号に変換されてロータリートランス8を介してテレメトリィ回路22に入力される。テレメトリィ回路22では、受波された超音波エコー信号はその微弱部分を強調して増幅するための対数増幅回路25で増幅され、包絡線検波回路26により検波された後、FM回路27に入力される。
【0031】
この超音波ビームを送受波する際、超音波振動子6は、超音波モータ5の駆動により、超音波カプセル1の長手方向に対しラジアル方向に回動して被検体を走査する。この回動走査においては、例えば1回転に512本の超音波ビームの送受波を行う。これはエンコーダ7に1回転512パルス出力もしくはその整数倍のものを用い、このパルスを受けてパルサー30が超音波振動子6を駆動することで達成される。
【0032】
またこのとき、エンコーダ7により超音波振動子6の回動に伴う回転角を検知する。得られた超音波ビームの受波信号及び超音波振動子6の回転角データは、FM回路27に入力されて周波数多重変調を受け、送信回路28及び送信アンテナ13により体外に設けた超音波断層像受信表示装置2へ送信される。
【0033】
送信アンテナ13により送信された信号は、超音波断層像受信表示装置2の受信アンテナ15により受信され、受信回路16に入力される。受信回路16では、高周波増幅回路34により搬送波のみが増幅され、AGC回路35で信号レベルが一定に保たれ、PLL39に入力される。
【0034】
PLL39の位相比較回路36は、入力信号とVCO38から出力される基準信号との位相差を検出し、位相差を0にするような制御信号をVCO38に与えるためのパルスを出力する。このパルスはループフィルタ37により高周波成分が除去された低周波域信号に変換され、VCO38から出力される基準信号の位相が入力信号の位相と一致するように出力信号の周波数を変化させる制御信号としてVCO38に入力される。
【0035】
すなわち、VCO38の出力信号はPLL39の入力信号の周波数変化に追随している。見方を変えれば、このループフィルタ37の出力は、VCO38の出力信号を周波数変調している変調信号であり、搬送波を周波数変調している変調信号である。よって、このPLL39は復調回路として機能しており、ループフィルタ37の出力は搬送波を周波数変調している超音波受波信号となる。
【0036】
このようにして得られた超音波受波信号は、増幅器17で増幅された後、A/D変換器18でデジタル化され、DSC19に入力される。超音波振動子6の回転角データは、増幅器17にて一定の値に整形された後、同期制御器20に入力される。そして、同期制御器20により同期がとられた状態で、回転角データに従ってDSC19内で超音波受波信号が360゜のラジアルスキャニングのデータに座標変換された後、CRT21により360゜のラジアルスキャニングによる超音波断層像として表示される。
【0037】
このように、被検部位へ超音波ビームを送受波する際に、本実施形態では、電源監視回路33によって蓄電池9の発生電圧をモニタする。ここで、蓄電池9の容量が十分であり、体内の観察が可能な場合は、超音波カプセル1内の電源監視回路33はスイッチ32のリレーを駆動する信号を発生する。このリレーはラッチタイプであり、リレーが駆動された状態ではテレメトリィ回路22と超音波振動子6とを接続し、駆動されない状態では電源監視回路33と超音波振動子6とを接続する。すなわち、蓄電池9の容量が十分である状態では、超音波振動子6とテレメトリィ回路22とが接続され、検出した超音波エコー信号が体外へ送信される。
【0038】
一方、蓄電池9の出力電圧がしきい値を下回った場合は、電源監視回路33は電源容量不足と判断し、テレメトリィ回路22と振動子走査部23への電源供給を停止すると同時に、スイッチ32のリレーの駆動信号の出力も止める。よって、蓄電池9の容量が不足している状態では、超音波振動子6からは超音波ビームが発生されず、超音波モータ5は回転せず、超音波カプセル1からは電波が発信されない。また、スイッチ32のリレーが駆動されていないため、超音波振動子6は電源監視回路33と接続されている。
【0039】
電源監視回路33は低電圧動作が可能なように設計されており、蓄電池9の容量が不足している状態でも唯一動作している。体外では、超音波断層像受信表示装置2に何も表示されないことと、超音波カプセル1の動作時間から充電が必要と判断し、図5の体外超音波発生装置40を動作させ、蓄電池9の充電を行う。
【0040】
体外超音波発生装置40に備えられている超音波振動子41は、その発振周波数が超音波カプセル1内の超音波振動子6の共振周波数に合わせられている。充電を行う際には、このエネルギー伝送用の超音波振動子41を超音波振動子駆動回路43によって時分割で連続的に駆動する。超音波振動子41が周回状に設けられた超音波発生部42の内側には患者の体が位置されており、患者の体内にある超音波カプセル1に向かってエネルギー伝送用の超音波信号が出射される。そして、超音波振動子6で受波された超音波信号は電気信号に変換され、スイッチ32、電源監視回路33を経て蓄電池9に送られ、蓄電池9を充電する。
【0041】
ここで、電源監視回路33は充電電流を検出し、蓄電池9が十分に充電されたと判断できる電流値まで達したら、テレメトリィ回路22と振動子走査部23への電源供給を再開し、リレー駆動信号を出力して超音波振動子6とテレメトリィ回路22を接続する。これにより、超音波カプセル1によって体内の超音波断層像が再度観察可能となる。
【0042】
なお、超音波エコー送受波用の超音波振動子6には、異なった共振周波数を有する2枚の振動子を貼り合わせたものを用いても良い。この場合、対象組織に合わせて振動子の周波数が選択できることにより、断層像の分解能をコントロール可能である。
【0043】
また、超音波振動子6の回動走査を行うための超音波モータ5の代わりに、超小型の電磁モータを用いても良い。また、回動する超音波振動子6に信号を伝達するためのロータリートランス8の代わりにスリップリングを用いても良い。
【0044】
また、超音波走査手段としてモータによる回動走査ではなく、図6に示す変形例のように、超音波カプセル1の表面に複数の超音波振動子からなるアレイ型振動子44を設け、マルチプレクサ等の電子スイッチにより順次個々の振動子を駆動する電子走査を用いても良い。
【0045】
以上説明した本実施形態のように、超音波カプセルの電源として蓄電池を用い、超音波カプセルに備えられている超音波エコー送受波用の振動子を用いて、体外より照射されたパワー伝送用超音波信号を受波し、この受波信号を用いて蓄電池を充電することにより、充電用の素子を新たにカプセルに搭載することなく、蓄電池の充電を行うことが可能となり、超音波カプセルのサイズを大型化させることなく長時間にわたる動作を実現できる。
【0046】
図7及び図8は本発明の第2の実施形態に係り、図7は超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図、図8はカプセル内の蓄電池の充電を行うためのエネルギー伝送用電磁波発生装置の構成を示す説明図である。
【0047】
第2の実施形態は、第1の実施形態における蓄電池の充電を行う手段の構成を変更し、超音波信号の代わりに電磁波を用いた構成例である。
【0048】
本実施形態の超音波カプセルに設けられる超音波振動子6は、ロータリートランス8を介してテレメトリィ回路22と振動子走査部23とに接続されている。テレメトリィ回路22の出力端は電源制御部24aを介して送信アンテナ13に接続されている。
【0049】
電源制御部24aは、この電源制御部24aとテレメトリィ回路22のどちらかを送信アンテナ13と接続させるためのラッチタイプのリレーで構成されるスイッチ32と、電源容量の監視を行う電源監視回路33と、蓄電池9とを有して構成される。電源監視回路33の出力は、図示しないがテレメトリィ回路22、振動子走査部23、電源制御部24a内のスイッチ32に接続されている。
【0050】
図8は超音波カプセル内の蓄電池9の充電を行うための、エネルギー伝送用電磁波発生装置45の概略構成を示したものである。電磁波発生装置45は、内部に配置した患者の体全周に対して電磁波を照射できるように、内部にループコイルで構成された放射アンテナ46が備えられている電磁波発生部47と、この放射アンテナ46を駆動し電磁波を発信させる電磁波発信回路48とを有して構成されている。
【0051】
その他の部分の構成は第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0052】
第2の実施形態においても、被検部位へ超音波ビームを送受波する際に電源監視回路33によって蓄電池9の発生電圧をモニタする。テレメトリィ回路22内の送信回路28と電源監視回路33と送信アンテナ13とに接続されているスイッチ32内のリレーは、駆動された状態では送信回路28と送信アンテナ13とを接続し、駆動されない状態では電源監視回路33と送信アンテナ13とを接続する。
【0053】
すなわち、蓄電池9の容量が超音波カプセル1を動作させるに十分である場合は、電源監視回路33はリレーを駆動する信号を出力し、その結果送信回路28は送信アンテナ13に接続され、検出した超音波エコー信号が体外へ送信される。
【0054】
一方、電源監視回路33で検出している蓄電池9の出力電圧がしきい値を下回った場合は、電源監視回路33は電源容量不足と判断し、テレメトリィ回路22と振動子走査部23への電源供給を停止すると同時に、スイッチ32のリレーの駆動信号の出力も止める。よって、蓄電池9の容量が不足している状態では、超音波振動子6からは超音波ビームが発生されず、超音波モータ5は回転せず、超音波カプセル1からは電波が発信されない。また、スイッチ32のリレーが駆動されていないため、送信アンテナ13は電源監視回路33と接続されている。
【0055】
電源監視回路33は低電圧動作が可能なように設計されており、蓄電池9の容量が不足している状態でも唯一動作している。体外では、超音波断層像受信表示装置2に何も表示されないことと、超音波カプセル1の動作時間から充電が必要と判断し、図8の電磁波発生装置45を動作させ、蓄電池9の充電を行う。
【0056】
電磁波発生装置45に設けられている放射アンテナ46の共振周波数は、超音波カプセル1に設けられている送信アンテナ13の共振周波数に合致させてある。充電を行う際には、このエネルギー伝送用の放射アンテナ46より超音波カプセル1に向けて電磁波発信回路48からの電磁波を伝送する。環状の放射アンテナ46が設けられている電磁波発生部47の内側には患者の体が位置されており、患者の体内にある超音波カプセル1に向かってエネルギー伝送用の電磁波が出射される。そして、送信アンテナ13で受信された電磁波はスイッチ32、電源監視回路33を経て蓄電池9に送られ、蓄電池9を充電する。
【0057】
ここで、電源監視回路33は充電電流を検出し、蓄電池9が十分に充電されたと判断できる電流値まで達したら、テレメトリィ回路22と振動子走査部23への電源供給を再開し、リレー駆動信号を出力して送信アンテナ13とテレメトリィ回路22を接続する。これにより、超音波カプセル1によって体内の超音波断層像が再度観察可能となる。
【0058】
その他の作用については第1の実施形態と同様である。
【0059】
本実施形態では、超音波カプセルの電源として蓄電池を用い、超音波カプセルに備えられている超音波エコー信号送信用の送信アンテナを用いて、体外より照射されたパワー伝送用電磁波を受信し、この受信信号を用いて蓄電池を充電することにより、第1の実施形態と同様に、充電用の素子を新たにカプセルに搭載することなく、蓄電池の充電を行うことが可能となり、超音波カプセルのサイズを大型化させることなく長時間にわたる動作を実現できる。また、パワー伝送用の信号が電磁波であるため、体内の骨や空気の影響による伝送損失がなく、より短時間で充電が行うことができる。
【0060】
図9ないし図11は本発明の第3の実施形態に係り、図9は超音波カプセルの構成を示す断面図、図10は超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図、図11は超音波カプセルへのパワーの伝送及びカプセル内の蓄電池の充電を行うためのパワー伝送装置の構成を示す説明図である。
【0061】
第3の実施形態は、第2の実施形態において超音波カプセルの構成を変更したもので、診断用超音波走査のための超音波振動子駆動手段に電磁モータを用いて外部よりパワーを供給するようにした構成例である。
【0062】
本実施形態の超音波カプセル1a内部に設けられる超音波振動子6の後端には、電磁モータのローター部49が接続されている。この電磁モータのローター部49の後端部側には、光学式または磁気式のエンコーダ7と、その外周にロータリートランス8とがそれぞれ収納配設されている。
【0063】
また、超音波カプセル1a内の他側方寄りの内部には、小型の蓄電池9が収納配設されており、この蓄電池9とエンコーダ7との間には、テレメトリィ回路基板10,振動子走査回路基板11,電源制御回路基板12が並列に配設されている。
【0064】
電源制御回路基板12は、蓄電池9と接続されると同時に蓄電池9から給電され、テレメトリィ回路基板10及び振動子走査回路基板11は、電源制御回路基板12から出力される電源信号により給電されるようになっている。また、超音波振動子6とテレメトリィ回路基板10との間、及び超音波振動子6・エンコーダ7と振動子走査回路基板11との間の信号の授受は、ロータリートランス8を介して行われるようになっている。
【0065】
超音波カプセル1a内部の回路構成ブロックを図10に示す。超音波振動子6は、ロータリートランス8を介してテレメトリィ回路22と振動子走査部23aとに接続されている。テレメトリィ回路22の出力端は電源制御部24aを介して送信アンテナ13に接続されている。
【0066】
テレメトリィ回路22は、超音波振動子6で検出したエコー信号の増幅を行う対数増幅回路25、対数増幅回路25で増幅されたエコー信号の検波を行う包絡線検波回路26、包絡線検波回路26の出力信号により搬送波のFM(周波数変調)を行うFM回路27、FM回路27により変調された搬送波の電力増幅をして送信を行う送信回路28を有して構成される。
【0067】
振動子走査部23aは、超音波振動子6を駆動するパルサー30からなり、パルサー30にはエンコーダ7とロータリートランス8を介して超音波振動子6が接続されている。また、電源制御部24aは、この電源制御部24aとテレメトリィ回路22のどちらかを送信アンテナ13と接続させるためのラッチタイプのリレーで構成されるスイッチ32と、電源容量の監視を行う電源監視回路33と、蓄電池9とを有して構成される。電源監視回路33の出力は、図示しないがテレメトリィ回路22、振動子走査部23a、電源制御部24a内のスイッチ32に接続されている。
【0068】
図11は超音波カプセルへのパワーの伝送及びカプセル内の蓄電池の充電を行うためのパワー伝送装置50の概略構成を示したものである。パワー伝送装置50は、内部に配置した患者の体全周に対して電磁波を照射できるように、内部にループコイルで構成された放射アンテナ51とローター部49を回転させる交番磁界を発生させるための複数のステーターコイル52とが備えられている電磁波発生部53と、放射アンテナ51とステーターコイル52とを駆動し電磁波を発信させる電磁波発信回路54とを有して構成されている。
【0069】
その他の部分の構成は第2の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0070】
第3の実施形態では、超音波カプセル1aより観察用の超音波信号を送受波する際に、外部のパワー伝送装置50に設けられているステーターコイル52には、超音波カプセル1a内部のローター部49に交番磁界を与えるため電流が流される。この交番磁界によって、ローター部49は回転し、ローター部49に接続されている超音波振動子6も回動する。このように超音波カプセル1aに内蔵されている蓄電池9の電力を消費せず、体外から伝送されるエネルギーを使って超音波振動子6を回動させ、超音波ビームの走査を行う。
【0071】
蓄電池9に蓄えられた電力は、テレメトリィ回路22、パルサー30、電源監視回路33に給電される。蓄電池9の容量が十分である場合は、電源監視回路33はスイッチ32のリレーを駆動する信号を出力し、その結果送信回路28と送信アンテナ13とが接続され、検出した超音波エコー信号が体外へ送信される。
【0072】
一方、電源監視回路33で検出している蓄電池9の出力電圧がしきい値を下回った場合は、電源監視回路33は電源容量不足と判断し、テレメトリィ回路22と振動子走査部23aへの電源供給を停止すると同時に、スイッチ32のリレーの駆動信号の出力も止める。よって、蓄電池9の容量が不足している状態では、超音波振動子6からは超音波ビームが発生されず、超音波カプセル1aからは電波が発信されないため、超音波断層像受信表示装置2には超音波断層像が表示されない。また、スイッチ32のリレーが駆動されていないため、送信アンテナ13は電源監視回路33と接続されている。
【0073】
電源監視回路33は低電圧動作が可能なように設計されており、蓄電池9の容量が不足している状態でも唯一動作している。体外では、超音波断層像受信表示装置2に何も表示されないことと、超音波カプセル1aの動作時間から充電が必要と判断し、図11のパワー伝送装置50を動作させ、蓄電池9の充電を行う。
【0074】
パワー伝送装置50に設けられている放射アンテナ51の共振周波数は、超音波カプセル1aに設けられている送信アンテナ13の共振周波数に合致させてある。充電を行う際には、このエネルギー伝送用の放射アンテナ51より超音波カプセル1aに向けて電磁波発信回路54からの電磁波を伝送する。環状の放射アンテナ51が設けられている電磁波発生部53の内側には患者の体が位置されており、患者の体内にある超音波カプセル1aに向かってエネルギー伝送用の電磁波が出射される。そして、送信アンテナ13で受信された電磁波はスイッチ32、電源監視回路33を経て蓄電池9に送られ、蓄電池9を充電する。
【0075】
ここで、電源監視回路33は充電電流を検出し、蓄電池9が十分に充電されたと判断できる電流値まで達したら、テレメトリィ回路22と振動子走査部23aへの電源供給を再開し、リレー駆動信号を出力して送信アンテナ13とテレメトリィ回路22を接続する。これにより、超音波カプセル1aによって体内の超音波断層像が再度観察可能となる。
【0076】
その他の作用については第1及び第2の実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態では、超音波カプセル内の超音波振動子を回動走査させるためのエネルギーとして、体外から放射された交番磁界を用い、カプセルに内蔵された蓄電池の電力はテレメトリィ回路と振動子走査部で消費するというように、超音波カプセルの動作を蓄電池の電力と体外からの伝送電力の双方により行わせることにより、蓄電池の容量、サイズをそのままに保ち、超音波カプセルのサイズを大型化させることなく動作時間を長くすることが可能となる。
【0078】
以上の第1ないし第3の実施形態のように、従来より備えられている超音波カプセルの構成要素を用いて、体外より伝送されたエネルギー信号を受信し、この受信信号を用いてカプセル内部の蓄電池を充電したり、超音波振動子回転駆動用のモータ等を動作させることにより、充電用の素子や電源の制御手段を新たにカプセルに搭載することなく、蓄電池の充電や診断用超音波ビームの走査を行うことが可能となり、カプセルのサイズを小さく保ちつつ長時間にわたって継続した動作を実現できる。
【0079】
図12ないし図14は本発明の第4の実施形態に係り、図12は超音波カプセルの構成を示す断面図、図13は超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図、図14は超音波断層像受信表示装置の構成を示すブロック図である。
【0080】
第4の実施形態は、超音波カプセルで検出した超音波エコー信号の体外への伝送をデジタル信号で行うようにした構成例である。
【0081】
特開平2−224650号公報の超音波診断医用カプセルでは、超音波カプセル内で検出したアナログのエコー信号を用いて搬送波の変調を行い、超音波断層像表示装置側でA/D変換を行って信号処理しているが、変調回路や復調回路で発生するノイズの影響により、断層画像の分解能を決定する微弱なエコー信号が伝送できず、断層画像の分解能が劣化してしまうおそれがあった。
【0082】
そこで本実施形態では、断層画像の分解能を決定する微弱なレベルのエコー信号についても伝送系のノイズに埋もれさせることなく体外へ伝送することができ、高分解能の断層画像を得ることが可能な構成例を示す。
【0083】
本実施形態の超音波カプセル1bの他側方寄りの内部には、小型の電池55が収納配設されており、この電池55とエンコーダ7との間には、テレメトリィ回路基板10,振動子走査回路基板11が並列に配設されている。テレメトリィ回路基板10と振動子走査回路基板11は、電池55によって給電されるようになっている。その他の超音波カプセルの構成は第1の実施形態と同様である。
【0084】
超音波カプセル1b内部の回路構成ブロックを図13に示す。超音波振動子6は、ロータリートランス8を介してテレメトリィ回路22aと振動子走査部23とに接続されている。
【0085】
テレメトリィ回路22aは、超音波振動子6で検出したエコー信号のデジタル化を行う高速のA/D変換回路56、A/D変換回路56から出力されるデジタル信号とエンコーダ7の出力信号を時分割多重してデジタル周波数変調(FSK)を行うFSK回路57、FSK回路57によりデジタル変調された搬送波の電力増幅をして送信を行う送信回路28を有して構成される。搬送波の送信を行う送信アンテナ13は、テレメトリィ回路22a内の送信回路28に接続されている。
【0086】
振動子走査部23は、超音波振動子6を駆動するパルサー30と、超音波モータ5を駆動するモータ駆動回路31とからなり、パルサー30にはエンコーダ7とロータリートランス8を介して超音波振動子6が、モータ制御回路31にはエンコーダ7とロータリートランス8を介して超音波モータ5がそれぞれ接続されている。
【0087】
これらのテレメトリィ回路22aと振動子走査部23は、電池55から給電されて動作する。
【0088】
本実施形態における超音波断層像受信表示装置2aの回路構成ブロックを図14に示す。超音波断層像受信表示装置2aには、生体内の超音波カプセル1bからの送信信号を受信する受信アンテナ15が設けられていて、これにより受信した送信信号は受信回路16を介してD/A変換部58に入力されるようになっている。受信回路16の構成は、第1の実施形態と同様に、搬送波のみを増幅する高周波増幅回路34、AGC(オートゲインコントロール)回路35、PLL(フェイズロックトループ)39よりなっている。
【0089】
D/A変換部58は、受信回路16の出力信号をデジタル信号に変換するD/A変換回路59、D/A変換回路59でデジタル化された信号の増幅を行う対数増幅回路60、対数増幅回路60で増幅された信号の検波を行う包絡線検波回路61を有して構成されている。
【0090】
D/A変換部58の出力信号は、増幅器17で増幅された後に、A/D変換器18によりアナログ/デジタル変換され、更にデジタル信号に変換されたA/D変換器18の出力はDSC(デジタルスキャンコンバータ)19に入力されるようになっている。また、超音波カプセル1b内の超音波振動子6の回転による走査角データは、増幅器17から同期制御器20に入力されるようになっている。同期制御器20の出力は、DSC19に入力されて座標変換を受けた後、DSC19の出力がCRT21に入力されて超音波断層像としてモニタに表示されるよう構成されている。
【0091】
次に、第4の実施形態における超音波診断医用カプセルの作用について説明する。
【0092】
超音波振動子6で検出された超音波エコー信号は、テレメトリィ回路22aのA/D変換回路56でまずデジタル化され、FSK回路57に入力される。FSK回路57には、エンコーダ7の出力信号である超音波振動子6の回転角データも入力される。この2つの信号はFSK回路57において時分割多重されて搬送波が周波数変調される。
【0093】
FSK回路57では、デジタル化された信号のL(ロー)/H(ハイ)の二値レベルに応じて、搬送波の周波数をシフトさせる。この変調動作を周波数シフトキーイング(FSK)と呼ぶ。FSK回路57の出力は、送信回路28に入力されて電力増幅を受けた後、送信アンテナ13により体外に設けた超音波断層像受信表示装置2aへ送信される。
【0094】
送信アンテナ13により送信された信号は、超音波断層像受信表示装置2aの受信アンテナ15により受信され、受信回路16に入力されて復調を受ける。受信回路16では、高周波増幅回路34により搬送波のみが増幅され、AGC回路35で信号レベルが一定に保たれ、その信号がPLL39に入力される。PLL39は、搬送波を変調している信号を復調して出力する。
【0095】
受信回路16の出力信号は、D/A変換部58に入力され、D/A変換回路59によりアナログの超音波エコー信号に変換され、対数増幅回路60により信号の微弱部分を強調して増幅され、包絡線検波回路61により検波されて出力される。
【0096】
D/A変換部58の出力信号は、増幅器17で増幅された後、A/D変換器18でデジタル化され、DSC19に入力される。超音波振動子6の回転角データは、増幅器17にて一定の値に整形された後、同期制御器20に入力される。そして、同期制御器20により同期がとられた状態で、回転角データに従ってDSC19内で超音波受波信号が360゜のラジアルスキャニングのデータに座標変換された後、CRT21により360゜のラジアルスキャニングによる超音波断層像として表示される。
【0097】
なお、デジタル化された超音波エコー信号を変調する手段は、FSK回路57の代わりに、デジタル信号のL(ロー)/H(ハイ)の二値レベルに応じて搬送波の位相をシフトさせるPSK(位相シフトキーイング)を行うPSK回路を用いても良い。
【0098】
本実施形態では、検出した超音波エコー信号を超音波カプセル内でデジタル信号に変換し、体外に伝送するようになっているため、アナログ信号処理の段階で発生するノイズにより、断層像の分解能を決定する微弱レベルの信号が埋もれてしまうことがなく、より高分解能の超音波断層画像を得ることができる。
【0099】
ここで、超音波カプセルの体内における位置を検出する手段の構成例を以下に示す。
【0100】
本構成例では、超音波カプセル1の位置を検出するために、図15に示すような超音波カプセル1の内部に直交3軸方向に配置された水晶音叉70a,70b,70cからなる位置センサ71を設けるようにする。
【0101】
超音波カプセル1内に設けられた水晶音叉70a,70b,70cは、体外に配置された図示しない位置検出装置から照射される共鳴周波数の超音波に共鳴する。この音叉の共鳴信号のレベルは、水晶音叉と照射超音波との照射角度に依存する。
【0102】
従って、本構成例では、超音波の照射方向を水晶音叉で検知して超音波カプセルの位置を検出するために、直交3軸方向に設けられた水晶音叉70a,70b,70cには、それぞれ共鳴周波数の異なっているものを用い、体外に設けた位置検出装置により特定の方向からこれら3つの共鳴周波数の超音波を照射する。そして、各音叉における共鳴信号を検出し、それぞれの共鳴信号の検出信号レベルの比から位置検出装置に対する超音波カプセル1の向きを、また共鳴信号の検出信号の大きさにより超音波カプセル1の生体内の3次元位置を検出することが可能である。
【0103】
なお、水晶音叉に照射する超音波信号は、それぞれ3つの共鳴周波数の帯域を含む信号を用いても良いし、また3つの共鳴周波数を時分割で照射するものでも良い。
【0104】
また、超音波カプセルの少なくとも一部に、生体外より確認検出可能な発光手段を設け、体外にその発光を検出する手段を配して、この発光検出手段により超音波カプセルからの発光を検出することにより、体内における超音波カプセルの位置を知ることも可能である。発光手段の一例としては、発光ルミノールと過酸化水素を混合して得られる青緑色のルミノール発光が用いられる。また発光検出手段の一例としては、光電子増倍管等の高感度撮像素子が用いられる。
【0105】
[付記]
(1) 診断用超音波ビームを発生する超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動して超音波ビームを送受波させる超音波駆動手段と、前記超音波ビームを走査する走査手段と、前記超音波振動子で受波した被検体からの超音波反射信号を電気信号に変換して体外へ導出する伝送手段と、前記超音波駆動手段と前記走査手段と前記伝送手段とに電力を供給する電源手段と、を具備する超音波診断医用カプセルにおいて、
前記電源手段は充電が可能な電池からなり、前記電池にエネルギーを供給するための体外から伝送されるエネルギー信号を受信するエネルギー信号受信手段を具備し、前記エネルギー信号受信手段は、超音波断層像の観察を行うための構成を兼ねていることを特徴とする超音波診断医用カプセル。
【0106】
(2) 前記エネルギー信号受信手段は、超音波断層像の観察を行うための構成としての前記超音波振動子あるいは前記伝送手段の少なくとも一部を用いて構成されることを特徴とする付記1に記載の超音波診断医用カプセル。
【0107】
(3) 前記エネルギー信号受信手段は、前記超音波振動子からなることを特徴とする付記1に記載の超音波診断医用カプセル。
【0108】
(4) さらに、前記電源手段の容量を監視し、この電源手段の容量に応じて前記超音波振動子と前記電源手段との接続を制御する接続切換手段を設けたことを特徴とする付記3に記載の超音波診断医用カプセル。
【0109】
(5) 前記エネルギー信号受信手段は、前記伝送手段に設けられている送信アンテナからなることを特徴とする付記1に記載の超音波診断医用カプセル。
【0110】
(6) さらに、前記電源手段の容量を監視し、この電源手段の容量に応じて前記送信アンテナと前記電源手段との接続を制御する接続切換手段を設けたことを特徴とする付記5に記載の超音波診断医用カプセル。
【0111】
(7) 診断用超音波ビームを発生する超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動して超音波ビームを送受波させる超音波駆動手段と、前記超音波ビームを走査する走査手段と、前記超音波振動子で受波した被検体からの超音波反射信号を電気信号に変換して体外へ導出する伝送手段と、を具備する超音波診断医用カプセルにおいて、
前記伝送手段内に、前記超音波振動子で受波した超音波信号をデジタル信号に変換する変換手段を具備したことを特徴とする超音波診断医用カプセル。
【0112】
(8) 前記変換手段は、アナログ/デジタル変換回路からなることを特徴とする付記7に記載の超音波診断医用カプセル。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、超音波診断医用カプセルを小型で長時間電力供給可能にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波カプセルの構成を示す断面図
【図2】第1の実施形態に係る超音波断層像受信表示装置の構成を示すブロック図
【図3】第1の実施形態に係る超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図
【図4】超音波断層像受信表示装置の受信回路の構成を示すブロック図
【図5】第1の実施形態においてカプセル内の蓄電池の充電を行うためのエネルギー伝送用体外超音波発生装置の構成を示す説明図
【図6】超音波走査手段の変形例を示す構成説明図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図
【図8】第2の実施形態においてカプセル内の蓄電池の充電を行うためのエネルギー伝送用電磁波発生装置の構成を示す説明図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る超音波カプセルの構成を示す断面図
【図10】第3の実施形態に係る超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図
【図11】第3の実施形態において超音波カプセルへのパワーの伝送及びカプセル内の蓄電池の充電を行うためのパワー伝送装置の構成を示す説明図
【図12】本発明の第4の実施形態に係る超音波カプセルの構成を示す断面図
【図13】第4の実施形態に係る超音波カプセル内部の回路構成を示すブロック図
【図14】第4の実施形態に係る超音波断層像受信表示装置の構成を示すブロック図
【図15】超音波カプセルの体内における位置を検出する位置検出手段の構成例を示す説明図
【符号の説明】
1…超音波カプセル
2…超音波断層像受信表示装置
5…超音波モータ
6…超音波振動子
7…エンコーダ
8…ロータリートランス
9…蓄電池
13…送信アンテナ
15…受信アンテナ
16…受信回路
19…DSC
21…CRT
22…テレメトリィ回路
23…振動子走査部
24…電源制御部
27…FM回路
28…送信回路
32…スイッチ
33…電源監視回路
Claims (12)
- 体腔内に挿入してこの体腔内の情報を収集する超音波診断医用カプセル装置において、
放充電可能な電源手段及びエネルギー信号受信手段を備えた超音波診断医用カプセルと、
上記超音波診断医用カプセルとは別体に設けられて上記エネルギー信号受信手段にエネルギーを送信するエネルギー送信手段と、
を有し、
上記エネルギー信号受信手段とエネルギー送信手段とは非接触状態でエネルギーを伝達することを特徴とする超音波診断医用カプセル装置。 - 上記エネルギー信号受信手段は第一のアンテナであり、上記エネルギー送信手段は第二の電磁アンテナユニットであって、エネルギーを電磁波で伝達することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記エネルギー信号受信手段は第一の超音波トランスデューサーであり、上記エネルギー送信手段は第二の超音波トランスデューサーユニットであって、エネルギーを超音波で伝達することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記第二の電磁アンテナユニットは、少なくとも1つ以上のアンテナ素子で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記第二の超音波トランスデューサーユニットは、少なくとも1つ以上の超音波素子で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記第二の電磁アンテナユニットは、被検体の周囲に配置されることを特徴とする請求項2または4に記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記第二の超音波トランスデューサーユニットは、被検体の周囲に配置されることを特徴とする請求項3または5に記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 収集した体腔内の情報を体外に送信する無線手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記超音波診断医用カプセルは、診断用超音波ビームを発生する超音波振動子と、上記超音波振動素子を駆動して超音波ビームを送受信させる超音波駆動手段と、上記超音波ビームを走査する走査手段と、上記超音波振動子で受波した被検体からの超音波反射信号を電気信号に変換して体外へ導出する伝送手段と、を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記電源手段の容量を監視する電力監視手段と、上記電力監視手段の出力に応じて上記第一の超音波トランスデューサーと上記電源手段との接続を制御する接続切換手段とを設けたことを特徴とする請求項3、請求項5、請求項7、請求項8、請求項9の何れかに記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 上記電源手段の容量を監視する電力監視手段と、上記電力監視手段の出力に応じて上記第一のアンテナと上記電源手段との接続を制御する接続切換手段とを設けたことを特徴とする請求項2、請求項4、請求項6、請求項8、請求項9の何れかに記載の超音波診断医用カプセル装置。
- 診断用超音波ビームを発生する超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動して超音波ビームを送受波させる超音波駆動手段と、前記超音波ビームを走査する走査手段と、前記超音波振動子で受波した被検体からの超音波反射信号を電気信号に変換して体外へ導出する伝送手段と、前記超音波駆動手段と前記走査手段と前記伝送手段とに電力を供給する電源手段と、を具備する超音波診断医用カプセルにおいて、
前記電源手段は充電が可能な電池からなり、前記電池にエネルギーを供給するための外部から伝送されるエネルギー信号を非接触状態で受信するエネルギー信号受信手段を具備し、前記エネルギー信号受信手段は、超音波断層像の観察を行うための構成を兼ねていることを特徴とする超音波診断医用カプセル。
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