JP3583476B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体基板上に抵抗又は容量が搭載された半導体装置、特に自己整合シリサイド形成(サリサイド)プロセスを含むCMOSプロセスを用いて半導体基板上に抵抗又は容量を搭載することができる半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置を利用する各種システムの高性能化の要望に伴い、高速且つ高密度な半導体装置(LSI)の開発が切望されている。特に、CMOS LSIに対する高速且つ高密度化の要望は非常に大きい。前述した高速且つ高密度なLSIを実現するために、従来から種々のデバイス技術が開発され且つ実用化されてきた。
【0003】
LSIの高速化を実現するためには、寄生抵抗及び寄生容量を小さくすることが必要となる。主な寄生抵抗はゲート電極及び拡散層の抵抗である。従来、ゲート電極の材料としてはリンを高濃度に拡散したポリシリコンが用いられてきた。リンを高濃度に拡散したポリシリコンゲート電極のシート抵抗は約30Ω/□であり、また、拡散層のシート抵抗は約100〜200Ω/□である。
【0004】
近年、これらの寄生抵抗を大幅に削減することのできる技術が開発されてきた。この一例としては、Tiを用いた自己整合シリサイド形成技術が挙げられる。Tiを用いた自己整合シリサイド形成技術は、ゲート電極及び拡散層のシート抵抗を各々2〜5Ω/□にすることができる。この技術においては、ソース/ドレイン領域の形成までを通常のCMOSプロセスと同様の工程で行ない、層間絶縁膜の形成前に半導体基板上にTi薄膜を形成し、該Ti薄膜に対してシリサイド化のための熱処理を行なう。その後、未反応のTiを硫酸などにより除去した後、再度熱処理を行ない、高温で安定なシリサイド層を形成する。さらに、通常のCMOSプロセスと同様の工程を経て半導体装置が完成する。
【0005】
前述したTiを用いる従来の自己整合シリサイド形成技術の一例として、従来のMOSトランジスタの製造プロセスにおいて、ソース/ドレイン領域の形成後に、ゲート領域、ソース領域及びドレイン領域を露出させた状態で半導体基板の全面に高融点金属薄膜を堆積し、その後、適当な温度によりシリサイド化反応を起こさせ、酸化膜上のシリサイド化していない金属をエッチングするという方法が知られている。この技術は、例えば、H.Okabayashi et al, IEEE Int. Electron Device Meeting, 1982, pp556−559に示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の方法によると、ゲート電極上には全てTiシリサイド層が形成されてしまう。前述したように、Tiシリサイド層が形成されたゲート電極のシート抵抗は2〜5Ω/□となる。リンを高濃度に拡散したポリシリコンゲート電極を用いたアナログ回路において、ポリシリコンゲート電極を用いたときの抵抗と同じ値の抵抗を、Tiシリサイド層が形成されたゲート電極を用いて得るには、約6〜15倍のゲート電極抵抗長が必要となる。ゲート電極抵抗長が長くなると、LSI面積の増大を引き起こし、LSIの高密度化を達成できなくなるという問題がある。
【0007】
高い抵抗値を得るために配線幅を縮小すると、ゲート電極の寸法のばらつきによりゲート電極の抵抗値がばらつき、高精度のアナログ回路を構成することができないという問題がある。
【0008】
また、CMOS LSIにアナログ回路を搭載するためには、抵抗のほかに容量の搭載が不可欠である。容量としては、基板―ゲート電極間のゲート容量を用いることもできるが、ゲート容量はゲート電極に印加するバイアスによって容量値が変化するため、高精度のアナログ回路には適していない。従来は2層アルミ配線形成プロセスを用いて、アルミ配線層間の層間絶縁膜を容量絶縁膜とする平行平板キャパシタを形成していた。
【0009】
ところが、層間絶縁膜の膜厚は約700〜1000nm程度であり、単位面積当たりの容量値は非常に小さく、キャパシタを形成するためには非常に大きな面積を必要としていた。これはLSI面積の増大を引き起こし、LSIの高密度化を達成できなくなるという問題点がある。
【0010】
前記の問題点に鑑み、本発明は、半導体基板上に抵抗又は容量が搭載された高速且つ高密度な半導体装置、特に自己整合シリサイド形成(サリサイド)プロセスを含むCMOSプロセスを用いて半導体基板上に抵抗又は容量を搭載することができる高速且つ高密度な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、簡便な工程により前記の半導体装置を製造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成する第1の本発明は、トランジスタと、素子分離酸化膜を介して形成された容量とを半導体基板上に備えている半導体装置の製造方法であって、
この半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にゲート酸化膜を形成した後、ゲート酸化膜および素子分離酸化膜上にそれぞれポリシリコンゲート電極を形成し、その後、側壁形成用絶縁膜を堆積する工程、
側壁形成用絶縁膜の一部をエッチングすることにより、ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を形成すると共に、素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面および側面を覆う容量絶縁膜を形成する工程、
ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極および側壁絶縁膜をマスクとして半導体基板にイオン注入することにより、断面視においてゲート酸化膜を挟む一対の高濃度拡散層を形成した後、全面に亘ってTi薄膜およびSi薄膜を順次形成し、次いで容量絶縁膜の上面および側面にSi薄膜が残存するようにSi薄膜をエッチングする工程、および
ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面に接するTi薄膜、一対の高濃度拡散層の上面に接するTi薄膜、およびSi薄膜のエッチング後に残存するSi薄膜に接するTi薄膜をシリサイド化処理してそれぞれ第1から第3のTiシリサイド層を形成することによって、素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極と容量絶縁膜と第3のTiシリサイド層とから容量を構成する工程、
を包含する。
【0013】
前記の目的を達成する第2の本発明は、トランジスタと、素子分離酸化膜を介して形成された抵抗とを半導体基板上に備えている半導体装置の製造方法であって、
この半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にゲート酸化膜を形成した後、ゲート酸化膜および素子分離酸化膜上にそれぞれポリシリコンゲート電極を形成し、その後、側壁形成用絶縁膜を堆積する工程、
側壁形成用絶縁膜の一部をエッチングすることにより、ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を形成すると共に、素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面の一部を覆う絶縁膜を形成する工程、
ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極および絶縁膜をマスクとして半導体基板にイオン注入することにより、断面視においてゲート酸化膜を挟む一対の高濃度拡散層を形成した後、全面に亘ってTi薄膜を形成する工程、および
ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面に接するTi薄膜、一対の高濃度拡散層の上面に接するTi薄膜、および素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極のうち絶縁膜に覆われていない部分に接するTi薄膜をシリサイド化処理することにより、それぞれ第1から第3のTiシリサイド層を形成して、素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極と絶縁膜と第3のTiシリサイド層とから抵抗を構成する工程、
を包含する。
【0014】
シリサイド化処理は熱処理であることが好ましい。また、N 2 雰囲気中においてシリサイド化処理が行われることが好ましい。
【0029】
【作用】
第1および第2の半導体装置の製造方法によると、トランジスタのゲート電極の側面に側壁絶縁膜が形成される共に容量または抵抗を構成するポリシリコンゲート電極の上に絶縁領域が形成される。従って、絶縁領域を形成するための工程を特に設ける必要がない。
【0031】
第1又は第2の半導体装置の製造方法において、半導体基板上にTi薄膜を堆積し、該Ti薄膜の上における絶縁領域の一部の上に非晶質Si薄膜を形成した後、Ti薄膜に対してシリサイド化のための熱処理を行なうと、Ti薄膜と非晶質シリコン薄膜とが反応し、Tiシリサイド層からなる導電膜が形成される。
【0032】
第1又は第2の半導体装置の製造方法において、半導体基板上にTi薄膜を形成し、該Ti薄膜に対してN2 雰囲気中においてシリサイド化のための熱処理を行なうと、Ti薄膜におけるシリサイド化されない領域は窒化してTiN薄膜からなる導電膜が形成される。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0036】
(第1実施例)
図1は本発明の第1実施例に係る半導体装置の断面図である。
【0037】
図1に示すように、P型半導体基板101上にトランジスタ相互の電気的分離のための素子分離酸化膜102が500nmの膜厚に設けられている。素子分離酸化膜102が設けられていないP型半導体基板101上には第1のトランジスタとしての薄膜トランジスタが設けられており、図1においては、薄膜トランジスタの一例としてNチャネルトランジスタが示されている。該Nチャネルトランジスタは、ゲート酸化膜103、第1のポリシリコンゲート電極104a、N型低濃度拡散層105a,105b及びN型高濃度拡散層110a,110bにより構成されている。ゲート酸化膜103の膜厚は10nmであり、第1のポリシリコンゲート電極104aの膜厚は300nmである。N型低濃度拡散層105a及びN型高濃度拡散層110aはNチャネルトランジスタのソースとして機能し、N型低濃度拡散層105b及びN型高濃度拡散層110bはNチャネルトランジスタのドレインとして機能する。図1には示していないが、通常はP型半導体基板101の上にPチャネルトランジスタも設けられる。
【0038】
第1のポリシリコンゲート電極104aの上には第1のTiシリサイド層114aが設けられ、N型高濃度拡散層110aの上には第2のTiシリサイド層114bが設けられ、第1のポリシリコンゲート電極104aの側面には側壁絶縁膜108aが設けられている。
【0039】
素子分離酸化膜102の上に設けられた第2のトランジスタを構成する第2のポリシリコンゲート電極104bの一部及び素子分離酸化膜102の一部の上には容量となる絶縁領域としての容量絶縁膜108bが設けられている。さらに、N型高濃度拡散層110b、容量絶縁膜108b及び第2のポリシリコンゲート電極104bの各一部の上には第3のTiシリサイド層114cが設けられており、該第3のTiシリサイド層114cはN型高濃度拡散層110bと電気的に接続されている。第3のTiシリサイド層114cと第2のポリシリコンゲート電極104bとの間に容量絶縁膜108bが設けられているため両者は電気的に接続されていない。
【0040】
以下、前記第1実施例に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。図2〜図5は、第1実施例に係る半導体装置の製造方法の各製造工程を示す断面図である。
【0041】
まず、図2に示すように、P型半導体基板101の上に素子分離酸化膜102を500nmの膜厚に設ける。該素子分離酸化膜102はトランジスタ相互の電気的分離のために設けられ、選択酸化(LOCOS)法などを用いて形成される。その後、ゲート酸化膜103を10nmの膜厚に、第1及び第2のポリシリコンゲート電極104a,104bをそれぞれ300nmの膜厚に形成する。その後、第1及び第2のポリシリコンゲート電極104a,104bに高濃度のリンを拡散すると共に、第1のポリシリコンゲート電極104aをマスクとしてリンをイオン注入することによりLDD構造用の低濃度N型拡散層105a,105bを形成する。図2には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においては、Pチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクにLDD構造用のP型低濃度拡散層を形成する。その後、側壁形成用絶縁膜106を100nmの膜厚に全面に亘って堆積する。
【0042】
次に、図3に示すように、P型半導体基板101上にレジストパターン107を形成した後、該レジストパターン107をマスクとして側壁形成用絶縁膜106に対してRIE等の異方性ドライエッチを行なうことにより側壁絶縁膜108a及び容量絶縁膜108bを形成する。
【0043】
次に、図4に示すように、第1のポリシリコンゲート電極104a及び側壁絶縁膜108bをマスクとして砒素をイオン注入した後、850℃の熱処理を行なうことによりN型高濃度拡散層110a,110bを形成する。図4には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においては、Pチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクとしてBF2 イオンを注入することによりソース・ドレイン領域となるP型高濃度拡散層を形成する。その後、全面に亘ってTi薄膜111及び非晶質Si薄膜112を順次形成した後、非晶質Si薄膜112の上にレジストパターン113を形成し、該レジストパターン113を用いて非晶質Si薄膜112をエッチングする。
【0044】
次に、図5に示すように、シリサイド化熱処理によりTi薄膜111と非晶質Si薄膜112とを反応させて第1〜第3のTiシリサイド層114a,114b,114cを形成した後、未反応のTi及びTiNを硫酸エッチングにより除去する。このようにすると、N型高濃度拡散層110bは第3のTiシリサイド層114cと電気的に接続されているが、第3のTiシリサイド層114cと第2のポリシリコンゲート電極104bとの間には容量絶縁膜108bが形成されているため、第3のTiシリサイド層114cと第2のポリシリコンゲート電極104bとは電気的に接続されていない。その後、層間絶縁膜、コンタクトホール、アルミ配線及び表面保護膜を順次形成することにより、半導体装置を完成する。
【0045】
図5に示すように、第3のTiシリサイド層114cと第2のポリシリコンゲート電極104bとは容量絶縁膜108bにより電気的に絶縁されている。よって、第3のTiシリサイド層114cと第2のポリシリコンゲート電極104bとを両電極とし、容量絶縁膜108bを絶縁膜とする平行平板容量が形成される。第3のTiシリサイド層114c及び第2のポリシリコンゲート電極104bは共に空乏層を持たないため、この平行平板容量はバイアス依存性を持たない。しかも、容量絶縁膜108bは100nmの膜厚であって、配線用層間絶縁膜の1/7〜1/10の膜厚である。従って、この平行平板容量は従来の配線用層間絶縁膜により形成した容量の7〜10倍の容量密度を持つ。
【0046】
高精度アナログ回路をCMOS LSIに搭載するためには、バイアス依存性を持たない容量を形成する必要があるが、第1実施例の方法によると、LDD型MOSトランジスタの第1のポリシリコンゲート電極104aの側壁絶縁膜108aのために形成する側壁形成用絶縁膜106の一部を容量絶縁膜108bとして第2のポリシリコンゲート電極104bの上に残し、該第2のポリシリコンゲート電極104bと第3のTiシリサイド層114cとを両電極とする平行平板容量を形成することによって、従来の7〜10倍の容量密度を持つキャパシタを搭載することができるので、高精度アナログ回路搭載の高速且つ高密度のLSIを実現することができる。
【0047】
尚、第1実施例においては、ローカル配線層として第3のTiシリサイド層114cを用いたが、これに代えてTiN層を用いてもよい。第1実施例においては、ローカル配線層として第3のTiシリサイド層114cを用いるために、Ti薄膜111を堆積した後、非晶質Si薄膜112を形成したが、ローカル配線層としてTiN層を用いる場合には、Ti薄膜111を堆積した後、シリサイド化熱処理を施し、第1のポリシリコンゲート104a、N型高濃度拡散層110a,110b及びP型高濃度拡散層(図示せず)の上にのみ第1及び第2のTiシリサイド層114a,114bを形成する。このとき、第1及び第2のTiシリサイド層114a,114bを形成しないTi薄膜111はTiN層を形成するため、シリサイド化熱処理の後、フォトエッチングによりTiN層をパターン化してローカル配線を形成することができる。
【0048】
また、第1実施例においては、第3のTiシリサイド層114cとN型高濃度拡散層110bとが電気的に接続されているが、両者を電気的に接続しないか又は上層のアルミ配線などにより接続してもよいことはいうまでもない。
【0049】
(第2実施例)
図6は本発明の第2実施例に係る半導体装置の断面図である。
【0050】
図6に示すように、P型半導体基板201上にトランジスタ相互の電気的分離のための素子分離酸化膜202が500nmの膜厚に設けられている。素子分離酸化膜202が設けられていないP型半導体基板201の上には第1のトランジスタとしての薄膜トランジスタが設けられており、図6においては、その一例としてNチャネルトランジスタが示されている。Nチャネルトランジスタは、ゲート酸化膜203、第1のポリシリコンゲート電極204a、N型低濃度拡散層205a,205b及びN型高濃度拡散層210a,210bにより構成されている。ゲート酸化膜203の膜厚は10nmであり、第1のポリシリコンゲート電極204aの膜厚は300nmである。N型低濃度拡散層205a及びN型高濃度拡散層210aはNチャネルトランジスタのソースとして機能し、N型低濃度拡散層205b及びN型高濃度拡散層210bはNチャネルトランジスタのドレインとして機能する。図6には示していないが、通常はP型半導体基板201の上にPチャネルトランジスタも設けられる。
【0051】
第1のポリシリコンゲート電極204aの上には第1のTiシリサイド層214aが設けられ、第1のポリシリコンゲート電極204aの側面には側壁絶縁膜206aが設けられている。また、N型高濃度拡散層210a,204bの上には第2のTiシリサイド層214bが設けられている。
【0052】
素子分離酸化膜202上に設けられた第2のトランジスタを構成する第2のポリシリコンゲート電極204bの一部の上にはシリサイド化を防止するためのシリサイド化防止絶縁膜206bが設けられており、第2のポリシリコンゲート電極204bの上におけるシリサイド化防止絶縁膜206bが設けられていない領域には第3のTiシリサイド層214cが設けられている。
【0053】
以下、前記第2実施例に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。図7〜図10は、第2実施例に係る半導体装置の製造方法の各製造工程を示す断面図である。
【0054】
まず、図7に示すように、P型半導体基板201の上に素子分離酸化膜202を500nmの膜厚に設ける。該素子分離酸化膜202はトランジスタ相互の電気的分離のために設けられ、選択酸化(LOCOS)法などを用いて形成される。その後、ゲート酸化膜203を10nmの膜厚に、第1及び第2のポリシリコンゲート電極204a,204bをそれぞれ300nmの膜厚に形成する。その後、第1及び第2のポリシリコンゲート電極204a,204bに高濃度のリンを拡散すると共に、第1のポリシリコンゲート電極204aをマスクとしてリンをイオン注入することによりLDD構造用の低濃度N型拡散層205a,205bを形成する。図7には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においては、Pチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクにLDD構造用のP型低濃度拡散層を形成する。その後、側壁形成用絶縁膜206を100nmの膜厚に全面に亘って堆積する。
【0055】
次に、図8に示すように、P型半導体基板201上にレジストパターン207を形成した後、該レジストパターン207をマスクとして側壁形成用絶縁膜206に対してRIE等の異方性ドライエッチを施すことにより側壁絶縁膜206a及びシリサイド化防止絶縁膜206bを形成する。
【0056】
次に、図9に示すように、第1のポリシリコンゲート電極204a及び側壁絶膜206aをマスクとして砒素をイオン注入した後、850℃の熱処理を行なうことによりN型高濃度拡散層210a,210bを形成する。図9には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においては、Pチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクとしてBF2 イオンを注入することによりソース・ドレイン領域となるP型高濃度拡散層を形成する。その後、全面に亘ってTi薄膜211を堆積する。
【0057】
次に、図10に示すように、シリサイド化熱処理によりTi薄膜211と、第1のポリシリコンゲート電極204a、N型高濃度拡散層210a,210b及び第2のポリシリコンゲート電極204bとを反応させて第1、第2及び第3のTiシリサイド層214a,214b,214cを形成した後、未反応のTi及びTiNを硫酸エッチングにより選択的に除去する。基本的に第1及び第2のポリシリコンゲート電極204a,204bの上には第1及び第3のTiシリサイド層214a,214cが形成されるが、シリサイド化防止絶縁膜208bの上には第3のTiシリサイド層214cは形成されない。その後、層間絶縁膜、コンタクトホール、アルミ配線及び表面保護膜を順次形成することにより、半導体装置を完成する。
【0058】
第1のTiシリサイド層214aが形成されている第1のポリシリコンゲート電極204aのシート抵抗は約3〜5Ω/□であり、第3のTiシリサイド層214cが部分的に形成されている第2のポリシリコンゲート電極204bのシート抵抗は約30〜50Ω/□である。従って、第2のポリシリコンゲート電極204bのシート抵抗は第1のポリシリコンゲート電極204aのシート抵抗の約10倍であり、高抵抗の抵抗体を得ることができる。
【0059】
高精度アナログ回路をCMOS LSIに搭載するためには、数百から数千Ωの抵抗体が必要とされるが、従来のTiシリサイド層形成のプロセスによると、全てのポリシリコンゲート電極の上にTiシリサイド層が形成されてしまい、数百から数千Ωの抵抗体を作成するためには大きな面積を必要とした。ところが、第2実施例においては、LDD型MOSトランジスタの第1のポリシリコンゲート電極204aの側壁絶縁膜206aを形成するために堆積する側壁形成用絶縁膜206をシリサイド化防止絶縁膜206bとして第2のポリシリコンゲート電極204bの上に部分的に残し、第2のポリシリコンゲート電極204bの上に全面に亘って第3のTiシリサイド層214cが形成されるのを防止することにより、従来のTiシリサイド層形成プロセスの約10倍の容量密度を持つ抵抗体を搭載することができ、高精度アナログ回路搭載の高速且つ高密度のLSIを実現することができる。
【0060】
尚、第2実施例においては、Tiシリサイド層よりなる配線層を形成していないが、第2のTiシリサイド層214bをTiシリサイド層よりなる配線パターンにより接続してもよい。配線層としてTiシリサイド層を用いる場合には、第1実施例と同様に、Ti薄膜211を堆積した後、非晶質Si薄膜212を形成し、その後、非晶質Si薄膜212をパターン形成した後、シリサイド化熱処理を施し、未反応のTi及びTiNを硫酸エッチングにより除去する。配線層としてTiN層を用いる場合には、Ti薄膜211を堆積した後、シリサイド化熱処理を施して配線用レジストパターンを形成し、該配線用レジストパターンをマスクにして未反応のTi層及びTiN層をドライエッチング又は硫酸エッチングにより除去する。
【0061】
(第1参考例)
図11は本発明の第1参考例に係る半導体装置の断面図である。
【0062】
図11に示すように、P型半導体基板301上にトランジスタ相互の電気的分離のための素子分離酸化膜302が500nmの膜厚に設けられている。素子分離酸化膜302が設けられていないP型半導体基板301上には薄膜トランジスタが設けられており、図11においては、その一例としてNチャネルトランジスタが示されている。Nチャネルトランジスタは、ゲート酸化膜303、第1のポリシリコンゲート電極304a、N型低濃度拡散層305a,305b及びN型高濃度拡散層307a,307bにより構成されている。ゲート酸化膜303の膜厚は10nmであり、第1のポリシリコンゲート電極304aの膜厚は300nmである。N型低濃度拡散層305a及びN型高濃度拡散層307aはNチャネルトランジスタのソースとして機能し、N型低濃度拡散層305b及びN型高濃度拡散層307bはNチャネルトランジスタのドレインとして機能する。図11には示していないが、通常はP型半導体基板301の上にはPチャネルトランジスタも設けられる。
【0063】
第1のポリシリコンゲート電極304aの上には第1のTiシリサイド層314aが設けられ、第1のTiシリサイド層314aの側面には側壁絶縁膜306が設けられている。また、N型高濃度拡散層307a,307bの上には第2のTiシリサイド層314bが設けられている。
【0064】
P型半導体基板301の最外周のパッド駆動用トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート電極304c、N型低濃度拡散層305c,305d及びN型高濃度拡散層307c,307dの上には、シリサイド化防止膜としての第1の非シリサイド領域形成用酸化膜308aが形成されている。該第1の非シリサイド領域形成用酸化膜308aは、P型半導体基板301最外周のパッド駆動トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート電極304c、N型低濃度拡散層305c,305d及びN型高濃度拡散層307c,307dのシリサイド化を防止することにより、P型半導体基板301の最外周のパッド駆動トランジスタの静電破壊耐圧を向上する目的で設けられたものである。
【0065】
素子分離酸化膜302上に設けられた第2のトランジスタを構成する第2のポリシリコンゲート電極304b及び素子分離酸化膜302の各一部の上には、容量となる絶縁領域としての第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bが設けられている。また、N型高濃度拡散層307b、素子分離酸化膜302、第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308b及び第2のポリシリコンゲート電極304bの各一部の上には第3のTiシリサイド層314cが設けられ、該第3のTiシリサイド層314cはN型高濃度拡散層307bと電気的に接続されている。第3のTiシリサイド層314cと第2のポリシリコンゲート電極304bとの間には第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bが設けられているため両者は電気的に接続されていない。
【0066】
以下、前記第1参考例に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。図12〜図15は、第1参考例に係る半導体装置の製造方法の各製造工程を示す断面図である。
【0067】
まず、図12に示すように、P型半導体基板301の上に素子分離酸化膜302を500nmの膜厚に設ける。該素子分離酸化膜302はトランジスタ相互の電気的分離のために設けられ、選択酸化(LOCOS)法などを用いて形成される。その後、ゲート酸化膜303を10nmの膜厚に、第1、第2、第3のポリシリコンゲート電極304a,304b,304cをそれぞれ300nmの膜厚に形成する。その後、第1〜第3のポリシリコンゲート電極304a〜304cに高濃度のリンを拡散すると共に、第1及び第3のポリシリコンゲート電極304a,304cをマスクとしてリンをイオン注入することによりLDD構造用の低濃度N型拡散層305a,305b,305c,305dを形成する。図12には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においてはPチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクにLDD構造用のP型低濃度拡散層を形成する。その後、側壁形成用絶縁膜を100nmの膜厚に堆積した後、該側壁形成用絶縁膜に対してRIE等の異方性ドライエッチングを行なうことにより側壁絶縁膜306を形成する。
【0068】
次に、図13に示すように、第1及び第3のポリシリコンゲート電極304a,304c及び側壁絶縁膜306をマスクとして砒素をイオン注入した後、900℃の熱処理を行なうことによりN型高濃度拡散層307a,307b,307c,307dを形成する。図13には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においては、Pチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクとしてBF2 イオンを注入することによりソース・ドレイン領域となるP型高濃度拡散層を形成する。
【0069】
次に、全面に亘って非シリサイド領域形成用酸化膜308を100nmの膜厚に堆積した後、該非シリサイド領域形成用酸化膜308の上にレジストパターン309を形成する。非シリサイド領域形成用酸化膜308は、静電破壊不良対策のため、P型半導体基板301の最外周のパッド駆動トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート電極304c、N型低濃度拡散層305c,305d及びN型高濃度拡散層307c,307d並びに保護素子のゲート電極及び拡散層のシリサイド化を防止するためのものである。内部回路のトランジスタの上には、基本的に非シリサイド領域形成用酸化膜308が不要のためレジストパターン309は形成しない。レジストパターン309は、非シリサイド領域形成用酸化膜308を形成すべき領域、すなわちP型半導体基板301最外周のパッド駆動トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート電極304c、N型低濃度拡散層305c,305d及びN型高濃度拡散層307c,307dの上に形成する。レジストパターン309は、第2のポリシリコンゲート電極304b及び素子分離酸化膜302の一部の上にも形成する。
【0070】
次に、図14に示すように、レジストパターン309をマスクとして非シリサイド領域形成用酸化膜308に対してエッチングを行なうことにより、第1及び第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308a,308bを形成する。その後、Ti薄膜311及び非晶質Si薄膜312を順次形成した後、非晶質Si薄膜312の上にレジストパターン313を形成し、該レジストパターン313をマスクとして非晶質Si薄膜312をエッチングする。
【0071】
次に、図15に示すように、シリサイド化熱処理によりTi薄膜311と非晶質Si薄膜312とを反応させて第1〜第3のTiシリサイド層314a,314b,314cを形成した後、未反応のTi及びTiNを硫酸エッチングにより除去する。このようにすると、N型高濃度拡散層307bは第3のTiシリサイド層314cと接続されているが、第3のTiシリサイド層314cと第2のポリシリコンゲート電極304bとの間には第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bが形成されているため、第3のTiシリサイド層314cと第2のポリシリコンゲート電極304bとは電気的に接続されていない。その後、層間絶縁膜、コンタクトホール、アルミ配線及び表面保護膜を順次形成することにより、半導体装置を完成する。
【0072】
図15に示すように、第3のTiシリサイド層314cと第2のポリシリコンゲート電極304bは第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bにより電気的に絶縁されている。従って、第3のTiシリサイド層314cと第2のポリシリコンゲート電極304bとを両電極とし、第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bを絶縁膜とする平行平板容量が形成される。第3のTiシリサイド層314c及び第2のポリシリコンゲート電極304bは共に空乏層を持たないため、この平行平板容量はバイアス依存性を持たない。しかも、第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bは100nmの膜厚であって、配線層間絶縁膜の1/7〜1/10の膜厚である。従って、従来の配線用層間絶縁膜により形成した容量の7〜10倍の容量密度を持つ。
【0073】
高精度アナログ回路をCMOS LSIに搭載するためには、バイアス依存性のない容量を形成する必要があるが、第1参考例の方法によると、静電破壊不良対策用の第1の非シリサイド領域形成用酸化膜308aのために形成する非シリサイド領域形成用酸化膜308の一部を第2の非シリサイド領域形成用酸化膜308bとして第2のポリシリコンゲート電極304bの上に残し、第2のポリシリコンゲート電極304bと第3のTiシリサイド層314cとを両電極とする平行平板容量を形成することにより、従来の7〜10倍の容量密度を持つキャパシタを搭載することができるので、高精度アナログ回路搭載の高速且つ高密度のLSIを実現することができる。
【0074】
尚、第1参考例においては、ローカル配線層として第3のTiシリサイド層314cを用いたが、これに代えて、TiN層を用いてもよい。第1参考例においては、ローカル配線層として第3のTiシリサイド層314cを用いるために、Ti薄膜311を堆積した後、非晶質Si薄膜312を形成したが、ローカル配線層としてTiN層を用いる場合は、Ti薄膜311を堆積した後、シリサイド化熱処理を施し、第1のポリシリコンゲート電極304a、N型高濃度拡散層307b,307b及びP型高濃度拡散層(図示せず)の上にのみ第1〜第3のTiシリサイド層314a,314b,314cを形成する。このとき、Tiシリサイド層を形成しないTi薄膜311はTiNを形成するため、シリサイド化熱処理の後、フォトエッチングによりTiN層をパターン化してローカル配線を形成することができる。
【0075】
また、第1参考例においては、第3のTiシリサイド層314cとN型高濃度拡散層307bとが電気的に接続されているが、両者を電気的に接続しないか又は上層のアルミ配線などで接続してもよいことはいうまでもない。
【0076】
(第2参考例)
図16は本発明の第2参考例に係る半導体装置の断面図である。
【0077】
図16に示すように、P型半導体基板401上にトランジスタ相互の電気的分離のための素子分離酸化膜402が500nmの膜厚に設けられている。素子分離酸化膜402が設けられていないP型半導体基板401上には薄膜トランジスタが設けられている。図16においては、その一例としてNチャネルトランジスタが示されている。Nチャネルトランジスタは、ゲート酸化膜403、第1のポリシリコンゲート電極404a、N型低濃度拡散層405a,405b及びN型高濃度拡散層407a,407bにより構成されている。ゲート酸化膜403の膜厚は10nmであり、第1のポリシリコンゲート電極404aの膜厚は300nmである。N型低濃度拡散層405a及びN型高濃度拡散層407aはNチャネルトランジスタのソースとして機能し、N型低濃度拡散層405b及びN型高濃度拡散層407bはNチャネルトランジスタのドレインとして機能する。図16には示していないが、通常はP型半導体基板401の上にはPチャネルトランジスタも設けられる。
【0078】
第1のポリシリコンゲート電極404aの上には第1のTiシリサイド層414aが設けられ、第1のTiシリサイド層414aの側面には側壁絶縁膜406が設けられている。また、N型高濃度拡散層407a,407bの上には第2のTiシリサイド層414bが設けられている。
【0079】
P型半導体基板401最外周の第1のトランジスタとしてのパッド駆動用トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート電極404c、N型低濃度拡散層405c,405d及びN型高濃度拡散層407c,407dの上には、シリサイド化防止膜としての第1の非シリサイド領域形成用酸化膜408aが形成されている。
【0080】
素子分離酸化膜402上に設けられた第2のトランジスタを構成する第2のポリシリコンゲート電極404bの一部の上には、容量となる絶縁領域としての第2の非シリサイド領域形成用酸化膜408bが設けられている。第2のポリシリコンゲート電極404bの上であって第2の非シリサイド領域形成用酸化膜408bが設けられていない領域には第3のTiシリサイド層414cが設けられている。第2のポリシリコンゲート電極404bにおける第3のTiシリサイド層414c同士の間の領域はシリサイド化されておらず、シリサイド化されていないポリシリコンの抵抗値を示す。
【0081】
以下、前記第2参考例に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。図17〜図20は、第2参考例に係る半導体装置の製造方法の各製造工程を示す断面図である。
【0082】
まず、図17に示すように、P型半導体基板401の上に素子分離酸化膜402を500nmの膜厚に設ける。該素子分離酸化膜402はトランジスタ相互の電気的分離のために設けられ、選択酸化(LOCOS)法などを用いて形成される。その後、ゲート酸化膜403を10nmの膜厚に、第1、第2、第3のポリシリコンゲート電極404a,404b,404cをそれぞれ300nmの膜厚に形成する。その後、第1〜第3のポリシリコンゲート電極404a〜404cに高濃度のリンを拡散すると共に、第1及び第3のポリシリコンゲート電極404a,404cをマスクとしてリンをイオン注入することによりLDD構造用の低濃度N型拡散層405a,405b,405c,405dを形成する。図17には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においてはPチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクにLDD構造用のP型低濃度拡散層を形成する。その後、側壁形成用酸化膜を100nmの膜厚に堆積した後、該側壁用絶縁膜に対してRIE等の異方性ドライエッチを行なうことにより側壁酸化膜406を形成する。
【0083】
次に、図18に示すように、第1及び第3のポリシリコンゲート電極404a,404c及び側壁絶縁膜406をマスクとして砒素をイオン注入した後、900℃の熱処理を行なうことによりN型高濃度拡散層407a,407b,407c,407dを形成する。図18には図示していないが、これに引き続きPチャネルトランジスタ領域においては、Pチャネルトランジスタ用のポリシリコンゲート電極をマスクとしてBF2 イオンを注入することによりソース・ドレイン領域となる高濃度P型拡散層を形成する。
【0084】
次に、全面に亘って非シリサイド領域形成用酸化膜408を100nmの膜厚に堆積した後、該非シリサイド領域形成用酸化膜408の上にレジストパターン409を形成する。非シリサイド領域形成用酸化膜408は、静電破壊(ESD)不良対策のため、P型半導体基板401最外周のパッド駆動トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート404c、N型低濃度拡散層405c,405d及びN型高濃度拡散層407c,407d並びに保護素子のゲート電極及び拡散層のシリサイド化を防止するものである。内部回路のトランジスタの上には、基本的に非シリサイド領域形成用酸化膜408が不要のためレジストパターン409は形成しない。レジストパターン409は、非シリサイド領域形成用酸化膜408を形成すべき領域、すなわちP型半導体基板301最外周のパッド駆動トランジスタを構成する、第3のポリシリコンゲート電極404c、N型低濃度拡散層405c,405d及びN型高濃度拡散層407c,407dの上に形成する。レジストパターン409は、第2のポリシリコンゲート電極404bの一部の上にも形成する。
【0085】
次に、図19に示すように、レジストパターン309をマスクとして非シリサイド領域形成用酸化膜408に対してエッチングを行なうことにより、第1及び第2の非シリサイド領域形成用酸化膜408a,408bを形成する。その後、Ti薄膜411を全面に亘って堆積する。
【0086】
次に、図20に示すように、シリサイド化熱処理によりTi薄膜411と、第1のポリシリコンゲート電極404a、N型高濃度拡散層407a,407b及び第2のポリシリコンゲート電極404bとを反応させることにより、第1のポリシリコンゲート電極404aの上に第1のTiシリサイド層414aを、N型高濃度拡散層407a,407bの上に第2のTiシリサイド層414bを、第2のポリシリコンゲート電極404bの上に第3のTiシリサイド層414cをそれぞれ形成する。その後、未反応のTi及びTiNを硫酸エッチングにより除去する。このようにすると、第2のポリシリコンゲート電極404bにおける第2の非シリサイド領域形成用酸化膜408bに被覆されている領域にはシリサイド層が形成されない。その後、層間絶縁膜、コンタクトホール、アルミ配線及び表面保護膜を順次形成することにより、半導体装置を完成する。
【0087】
図20に示すように、第2のポリシリコンゲート電極404bの上における第2の非シリサイド領域形成用酸化膜408bが設けられていない領域には第3のTiシリサイド層414cが設けられている。また、第2のポリシリコンゲート電極404bにおける第3のTiシリサイド層414c同士の間の領域はシリサイド化されておらず、シリサイド化されていないポリシリコンの抵抗値を示す。このような構造の第2のポリシリコンゲート電極404bのシート抵抗は約30Ω/□である。一方、シリサイド層を形成したポリシリコン電極のシート抵抗は約3Ω/□である。従って、同じ値の抵抗体を形成する場合、従来のシリサイド化プロセスと比較して抵抗体の長さを1/10に縮小することができる。
【0088】
高精度アナログ回路をCMOS LSIに搭載するためには、種々の値の抵抗体が必要である。第2参考例の方法により、静電破壊不良対策用の第1の非シリサイド領域形成用酸化膜408aのために形成する非シリサイド領域形成用酸化膜408の一部を第2の非シリサイド領域形成用酸化膜408bとして第2のポリシリコンゲート電極404bの上に残し、第2のポリシリコンゲート電極404bにおける抵抗体形成領域のシリサイド化を防止することにより、従来の7〜10倍の密度を持つ抵抗体を搭載することができる。この場合、N型高濃度拡散層407a,407b及び第2のポリシリコンゲート電極404bの一部の領域の上には第2及び第3のTiシリサイド層414b,414cが形成される。従って、寄生抵抗の削減が必要な部分においては抵抗が削減されるので、高精度アナログ回路搭載の高速且つ高密度のLSIを実現することができる。
【0089】
尚、第2参考例においては、Tiシリサイド層等の配線層を形成していないが、配線層を形成してもよい。配線層としてTiシリサイド層を用いる場合は、Ti薄膜411を堆積した後、非晶質Si薄膜412を形成し、その後フォトエッチングにより非晶質Si薄膜412をパターン化する。その後、シリサイド化熱処理を施し、未反応のTi及びTiNを硫酸エッチングにより除去する。配線層としてTiN層を用いる場合は、Ti薄膜411を堆積した後、シリサイド化熱処理を行ない、その後、フォトエッチングによりTiN層を配線パターン化する。このとき、Tiシリサイド層を形成しないTi薄膜411はTiNを形成するため、TiN層よりなる配線層が形成される。フォトエッチングによりTiN層をパターン化することによりローカル配線を形成することができる。第2参考例においては、第3のTiシリサイド層414cとN型高濃度拡散層407bとが電気的に接続されていないが、前記の配線工程を用いて両者を電気的に接続してもよいことはいうまでもない。
【0097】
【発明の効果】
本発明に係る第1及び第2の半導体装置の製造方法によると、トランジスタのゲート電極の側壁絶縁膜と容量または抵抗を構成するポリシリコンゲート電極上の絶縁領域とを同一工程により形成できるので、絶縁領域を形成するための工程を特に設ける必要がなく、半導体装置を簡易且つ確実に製造することができる。
【0099】
第1又は第2の半導体装置の製造方法において、半導体基板上にTi薄膜を堆積し、該Ti薄膜の上における絶縁領域の一部の上に非晶質Si薄膜を形成した後、Ti薄膜に対してシリサイド化のための熱処理を行なうと、Ti薄膜と非晶質シリコン薄膜とが反応し、絶縁領域上にTiシリサイド層からなる導電膜が形成されるので、Tiシリサイド層からなる導電膜を確実に形成することができる。
【0100】
第1又は第2の半導体装置の製造方法において、半導体基板上にTi薄膜を形成し、該Ti薄膜に対してN2 雰囲気中においてシリサイド化のための熱処理を行なうと、Ti薄膜におけるシリサイド化されない領域は窒化してTiN薄膜からなる導電膜が形成されるので、TiN層からなる導電膜を確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る半導体装置の断面図である。
【図2】前記第1実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図3】前記第1実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図4】前記第1実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図5】前記第1実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る半導体装置の断面図である。
【図7】前記第2実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図8】前記第2実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図9】前記第2実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図10】前記第2実施例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図11】本発明の第1参考例に係る半導体装置の断面図である。
【図12】前記第1参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図13】前記第1参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図14】前記第1参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図15】前記第1参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図16】本発明の第2参考例に係る半導体装置の断面図である。
【図17】前記第2参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図18】前記第2参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図19】前記第2参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図20】前記第2参考例に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
Claims (4)
- トランジスタと、素子分離酸化膜を介して形成された容量とを半導体基板上に備えている半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置の製造方法は、
前記半導体基板上にゲート酸化膜を形成した後、前記ゲート酸化膜および前記素子分離酸化膜上にそれぞれポリシリコンゲート電極を形成し、その後、側壁形成用絶縁膜を堆積する工程、
前記側壁形成用絶縁膜の一部をエッチングすることにより、前記ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を形成すると共に、前記素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面および側面を覆う容量絶縁膜を形成する工程、
前記ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極および前記側壁絶縁膜をマスクとして前記半導体基板にイオン注入することにより、断面視において前記ゲート酸化膜を挟む一対の高濃度拡散層を形成した後、全面に亘ってTi薄膜およびSi薄膜を順次形成し、次いで前記容量絶縁膜の上面および側面に前記Si薄膜が残存するように前記Si薄膜をエッチングする工程、および
前記ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面に接するTi薄膜、前記一対の高濃度拡散層の上面に接するTi薄膜、および前記Si薄膜のエッチング後に残存するSi薄膜に接するTi薄膜をシリサイド化処理してそれぞれ第1から第3のTiシリサイド層を形成することによって、前記素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極と前記容量絶縁膜と前記第3のTiシリサイド層とから前記容量を構成する工程、
を包含する。 - トランジスタと、素子分離酸化膜を介して形成された抵抗とを半導体基板上に備えている半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置の製造方法は、
前記半導体基板上にゲート酸化膜を形成した後、前記ゲート酸化膜および前記素子分離酸化膜上にそれぞれポリシリコンゲート電極を形成し、その後、側壁形成用絶縁膜を堆積する工程、
前記側壁形成用絶縁膜の一部をエッチングすることにより、前記ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を形成すると共に、前記素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面の一部を覆う絶縁膜を形成する工程、
前記ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極および前記絶縁膜をマスクとして前記半導体基板にイオン注入することにより、断面視において前記ゲート酸化膜を挟む一対の高濃度拡散層を形成した後、全面に亘ってTi薄膜を形成する工程、および
前記ゲート酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極の上面に接するTi薄膜、前記一対の高濃度拡散層の上面に接するTi薄膜、および前記素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極のうち前記絶縁膜に覆われていない部分に接するTi薄膜をシリサイド化処理することにより、それぞれ第1から第3のTiシリサイド層を形成して、前記素子分離酸化膜上に形成されているポリシリコンゲート電極と前記絶縁膜と前記第3のTiシリサイド層とから前記抵抗を構成する工程、
を包含する。 - 前記シリサイド化処理が熱処理である、請求項1または2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- N2雰囲気中において前記シリサイド化処理が行われる、請求項1または2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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JPH07202012A (ja) | 1995-08-04 |
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